JP2818149B2 - 衣類並べ替え装置およびそれを備えた衣類分配設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばクリーニン
グ工場や縫製工場等において、加工済みの衣類を配送先
毎に分配する場合等に用いて好適な衣類並べ替え装置お
よびそれを備えた衣類分配設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】クリーニング工場や縫製工場では常に大
量の衣類が加工されており、加工の終了したこれらの衣
類は、複数の営業所や販売元等に配送するために分配さ
れている。

【０００３】従来より衣類の分配作業は手作業で行われ
ていたが、近年、例えば特開平３−８３７１３号公報等
に示すように、作業の自動化を図ることのできる衣類分
配設備が開発・実用化されている。このような衣類分配
設備は、所定の情報を盛り込んだバーコードを衣類に付
しておき、このバーコードを読み取り入力させた後、衣
類を掛けたハンガーをレールに沿って移送していき、前
記バーコードに基づいて、各配送先毎に設けられた分岐
レールに自動的に分配する構成となっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の衣類分配設備には、以下のような問題が
存在する。すなわち、上記衣類分配設備で各分岐レール
に分配した衣類は、クリーニングや縫製等の加工が終わ
って設備に投入された順番で並んでおり、この順番が必
ずしも営業所や販売元側で都合のよい順番であるとは限
らない。例えば、クリーニング工場で上記衣類分配設備
を用いる場合、営業所側では、顧客に衣類を渡すときに
各顧客（の伝票）毎に衣類がまとまっている方が都合が
よい。

【０００５】このため、各分岐レールに分配した衣類を
所望の順番に並べ替える必要があるが、従来はこのよう
な並べ替え作業を手作業で行っていた。これでは、言う
までもないが作業効率が悪く、並べ替える順序を間違え
てしまうという問題がある。

【０００６】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、作業効率を向上させるとともに作業を正確
に行うことのできる衣類並べ替え装置およびそれを備え
た衣類分配設備を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
それぞれ個別のコードデータが付けられた衣類を掛けた
複数のハンガーを、予め入力された順序データに基づい
て並べ替える装置であって、前記ハンガーを一定間隔ご
とに吊下する第一のレールと、並べ替えた後の前記ハン
ガーを吊下する第二のレールと、該第一のレールに沿っ
て移動自在に設けられて該第一のレールから前記第二レ
ールに前記ハンガーを移載するハンガー移載機構と、前
記第一のレールに吊下されたハンガーを前記順序データ
に基づいて前記第二のレールに順次移載するよう前記ハ
ンガー移載機構の動作を制御する制御部とを備えた構成
とされていることを特徴としている。

【０００８】請求項２に係る発明は、請求項１記載の衣
類並べ替え装置において、前記ハンガー移載機構が、ハ
ンガーを把持するチャック部と、該チャック部を、上下
方向，前記第一のレールと前記第二のレールとを結ぶ方
向，前記第一のレールに沿った方向，の少なくとも三方
向に駆動させるチャック駆動部とを備えた構成とされて
いることを特徴としている。

【０００９】請求項３に係る発明は、それぞれの衣類に
付けられた個別のコードデータを読み込む投入部と、ハ
ンガーに掛けた前記衣類を該投入部から軌道に沿って移
送する移送装置と、前記コードデータが示す分配先毎に
前記衣類を分配する分配装置と、前記衣類の順序を並べ
替える並べ替え装置とを備えてなり、前記並べ替え装置
が、前記ハンガーを一定間隔ごとに吊下する第一のレー
ルと、並べ替えた後の前記ハンガーを吊下する第二のレ
ールと、該第一のレールに沿って移動自在に設けられて
該第一のレールから前記第二レールに前記ハンガーを移
載するハンガー移載機構と、前記ハンガー移載機構の動
作を制御する制御部とを備えた構成とされていることを
特徴としている。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る衣類並べ替え
装置およびそれを備えた衣類分配設備の実施の形態の一
例を、図１ないし図７を参照して説明する。ここでは、
本発明に係る衣類並べ替え装置およびそれを備えた衣類
分配設備を、例えばクリーニング工場に設置する場合の
例を用いて説明する。

【００１１】ここで、以下に説明する衣類分配設備にお
いては、図１に示すように、衣類Ａは、所定のハンガー
Ｚに掛けられて取り扱われ、各衣類Ａには、受付店舗
や、各店舗における受付番号や伝票番号等、所定のデー
タが盛り込まれた個別のバーコード（コードデータ）を
印刷したバーコードラベルＬが付されている。

【００１２】図２に示すように、衣類分配設備１は、ク
リーニング加工が終わった衣類Ａを投入する投入部２
と、衣類Ａを分配する分配装置３と、衣類Ａの順序を並
べ替える並べ替え装置（衣類並べ替え装置）４と、これ
ら投入部２，分配装置３，並べ替え装置４間に架設され
た搬送レール（移送装置）５と、衣類分配設備１全体の
動作を制御する制御装置（図示なし）とから概略構成さ
れている。

【００１３】投入部２には、前工程のクリーニング加工
設備から連続するレール７，７，…が、衣類Ａの種類毎
（例えばズボン類，上着類，シャツ類等）に設けられて
おり、これらのレール７，７，…は合流して搬送レール
５に接続されている。各レール７には、衣装にビニール
包装する包装機８と、バーコードリーダ９（図１参照）
とが備えられている。図１に示したように、各バーコー
ドリーダ９では各衣類Ａに付された前記バーコードラベ
ルＬを読み込み、そのデータを制御装置（図示なし）に
転送するようになっている。

【００１４】図２に示したように、分配装置３として
は、例えば本出願人らが発明した特願平７ー８０６０４
号の衣類分配装置等が好適であり、この分配装置３は、
搬送レール５から引き込まれたメインレール１０と、メ
インレール１０の両側にこれと直交するよう設けられた
複数の分岐レール１１，１１，…とが備えられている。
各分岐レール１１は、例えば各店舗毎に対応して設けら
れており、その先端部には、メインレール１０に向けて
伸縮駆動されるガイド部材（図示略）が備えられてい
る。分配装置３では、前記制御装置（図示なし）によっ
て、前記投入部２で読み込んだバーコードデータに基づ
き、搬送レール５からメインレール１０に順次送り込ま
れるハンガーＺ，Ｚ，…を、これを分配すべき所定の分
岐レール１１に引き込むことによって分配作業を行うよ
うになっている。

【００１５】図３および図４に示すように、並べ替え装
置４は、搬送レール５に接続された送り部材２０と、送
り部材２０に連続して設けられた投入機構２１と、投入
機構２１に連続して設けられ所定長を有した搬送コンベ
ア（第一のレール）２２と、該搬送コンベア２２に隣接
して設けられた受取レール（第二のレール）２３と、搬
送コンベア２２に備えられてハンガーＺを搬送コンベア
２２から受取レール２３に移載するためのハンガー移載
機構２４と、この並べ替え装置４全体の動作を制御する
制御機構（制御部；図示なし）とから構成されている。

【００１６】送り部材２０は、搬送レール５側から投入
機構２１側に向けて延在し、投入機構２１の近傍におい
て上方に向けて傾斜されている。この送り部材２０は、
いわゆるウォームギアによって形成されており、外周面
に螺旋状の突条２０ａが形成されている。送り部材２０
は、駆動モータ２０ｂ（図３参照）でこれを軸線周りに
回転駆動させることによって、突条２０ａによって形成
された溝に掛けられたハンガーＺが、軸線方向に送られ
るようになっている。

【００１７】図５に示すように、投入機構２１は、傾斜
レール２７が送り部材２０の先端部の直下位置から搬送
コンベア２２の一端側の直上位置に向けて斜め下方に傾
斜するよう設置され、この傾斜レール２７の途中に、第
一ストッパ２８，第二ストッパ２９が設けられた構成と
なっている。これら第一ストッパ２８，第二ストッパ２
９は、下方に向けて伸縮するエアシリンダによって構成
されており、その伸縮ロッド２８ａ，２９ａを伸ばすこ
とによて、傾斜レール２７に沿って滑り落ちるハンガー
Ｚの移動を阻止するようになっている。また、第１スト
ッパ２８の直前位置には、傾斜レール２７を滑り落ちる
ハンガーＺを検出するセンサ３０が設けられている。こ
のような投入機構２１では、センサー３０でハンガーＺ
の通過を検知した後、第一ストッパ２８を縮めて開放
し、さらに所定時間が経過した後に第二ストッパ２９を
縮めて開放するよう、制御機構（図示なし）によってこ
れら第一ストッパ２８，第二ストッパ２９を制御する。

【００１８】図３に示したように、搬送コンベア２２
は、無端状のタイミングベルト３２が、両端部に設けら
れたギア３３，３３間に掛けられている。タイミングベ
ルト３２は、ギヤ３３に噛み合う内周面だけでなく、外
周面にも所定間隔ごとに歯が形成されており、これらの
歯の間にハンガーＺを掛けるようになっている。この搬
送コンベア２２は、ギヤ３３を図示しない駆動モータで
回転駆動させることによって、タイミングベルト３２が
循環駆動されるようになっている。

【００１９】図２および図４に示したように、受取レー
ル２３は、搬送コンベア２２の側方に平行に設けられて
おり、この搬送コンベア２２よりも低い位置に架設され
ている。そして、受取レール２３の一端側には搬送コン
ベア２２の側方に所定寸法離間して位置する伸縮ガイド
３５が設けられ、他端側は搬送レール５に接続されてい
る。図６に示すように、伸縮ガイド３５は、受取レール
２３から搬送コンベア２２側に向けて斜め上方に延びる
ガイド部材３５ａと、このガイド部材３５ａをその軸線
方向に進退させるエアシリンダ（図示なし）とから構成
されている。

【００２０】ハンガー移載機構２４は、ハンガーＺのフ
ック部を把持するチャック部３７と、このチャック部３
７を駆動するチャック駆動部３８とから構成されてい
る。チャック部３７は、２枚一対のチャック爪３９，３
９が、チャックシリンダ４０によって開閉駆動されるよ
うになっている。このチャックシリンダ４０は、これを
上下動させる上下シリンダ４１と、水平面内で回転駆動
自在なロータリーアクチュエータ４２とを介してロッド
レスシリンダ４３に取り付けられている。ロッドレスシ
リンダ４３は、受取レール２３と直交する水平方向に延
在して、その所定長の範囲にわたって前記チャックシリ
ンダ４０，上下シリンダ４１，ロータリーアクチュエー
タ４２を往復移動させることができるようになってい
る。図４に示したように、ロッドレスシリンダ４３は、
搬送コンベア２２の上方に平行に延在するガイドロッド
４４に沿って移動自在に設けられ、このガイドロッド４
４にはロッドレスシリンダ４３を往復駆動させる駆動機
構（図示なし）が備えられている。

【００２１】これら上下シリンダ４１，ロータリーアク
チュエータ４２，ロッドレスシリンダ４３，ガイドロッ
ド４４によって構成されるチャック駆動部３８は、図７
に示すように、チャック部３７を、上下方向，搬送コン
ベア２２と受取レール２３を結ぶ水平方向，搬送コンベ
ア２２に沿った水平方向の三方向と、垂直軸線周りの回
転方向とに自在に駆動する構成となっている。

【００２２】次に、上記構成からなる衣類分配設備１の
運転方法について説明する。

【００２３】まず、図２に示したように、前工程のクリ
ーニング加工設備（図示なし）で加工が終わった衣類Ａ
は、ハンガーＺに掛けられて投入部２のレール７，７，
…から衣類分配設備１に投入される。投入部２では、図
１に示したように、各衣類Ａに付けられたバーコードラ
ベルＬを読み込み、そのデータをバーコードリーダ９で
制御装置（図示なし）および並べ替え装置４の制御機構
（図示なし）に転送する。

【００２４】この後、衣類Ａが掛けられたハンガーＺ
は、搬送レール５を通して、分配装置３のメインレール
１０に引き込まれる。そして、制御装置（図示なし）に
よって、バーコードデータに基づいて、各分岐レール１
１のガイド部材（図示なし）の動作が制御され、各ハン
ガーＺが所定の分岐レール１１に引き込まれるようにな
っている。これには、メインレール１０に沿って搬送さ
れてきたハンガーＺが、これを分配すべき所定の分岐レ
ール１１の直前位置に到達した時点で、当該分岐レール
１１のガイド部材（図示なし）を伸長駆動させ、このハ
ンガーＺを所定の分岐レール１１に引き込むようになっ
ている。このようにして、順次メインレール１０に引き
込まれるハンガーＺ，Ｚ，…を、所定の分岐レール１１
に順次分配していく。

【００２５】このようにして各分岐レール１１への分配
が完了した後、各分岐レール１１に分配されたハンガー
Ｚ，Ｚ，…に掛けられた衣類Ａは、各分岐レール１１毎
にまとめて、搬送レール５を通して並べ替え装置４に移
送される。

【００２６】図３に示したように、並べ替え装置４で
は、ハンガーＺ，Ｚ，…が、搬送レール５から送り部材
２０に順次送り込まれる。送り部材２０では、これを駆
動モータ２０ｂで軸線周りに回転駆動されることによっ
て、ハンガーＺ，Ｚ，…が投入機構２１側に送られてい
く。なお、送り部材２０の突条２０ａが始まる部分にお
いて、互いに前後に位置するハンガーＺ，Ｚは一つずつ
に分離されるようになっている。

【００２７】図５に示したように、ハンガーＺが送り部
材２０の先端部に到達すると、このハンガーＺは、投入
機構２１の傾斜レール２７上に落下し、その傾斜に沿っ
て滑り落ちていく。このとき、待機している状態（初期
状態）では、第一ストッパ２８，第二ストッパ２９は伸
長してハンガーＺの移動を阻止する状態となっている。
そして、傾斜レール２７を滑り落ちるハンガーＺの通過
をセンサー３０で検知した後、制御機構（図示なし）で
は、第一ストッパ２８を縮めて開放し、さらに所定時間
が経過した後に第二ストッパ２９を縮めて開放する。第
二ストッパ２９の開放により、傾斜レール２７を滑り落
ちるハンガーＺは、下方の搬送コンベア２２のタイミン
グベルト３２上に受け渡される。このハンガーＺは、タ
イミングベルト３２の外周面の歯の間に位置決めされる
こととなる。

【００２８】第二ストッパ２９の開放から所定時間が経
過し、ハンガーＺがタイミングベルト３２上に移載され
た後、ギヤ３３を図示しない駆動モータで回転させて、
タイミングベルト３２を所定ストロークだけ送る。

【００２９】この後は、前記投入機構２１によるハンガ
ーＺの投入動作と、搬送コンベア２２のタイミングベル
ト３２の送り動作とを連動させて繰り返し、タイミング
ベルト３２上にハンガーＺ，Ｚ，…を、等ピッチ（一定
間隔毎）で掛けていく。

【００３０】そして、一本の分岐レール１１（図２参
照）から送られた全てのハンガーＺがタイミングベルト
３２に掛けられた後、ハンガー移載機構２４による並べ
替え動作を開始する。これには予め、オペレータ（操作
者）が、並べ替えるべき順序のモード（種類）を選択
し、制御機構（図示なし）に入力しておく。オペレータ
が、例えば顧客別に並べ替えるモードを選択した場合、
制御機構（図示なし）では、予め転送されたバーコード
データ中の受付伝票番号や受付番号等のデータを拾い出
し、これを番号順に揃えて、並べ替えるべき順序を決定
し、順序データを作成する。

【００３１】順序データを作成した後、制御機構（図示
なし）では、ハンガー移載機構２４の動作を制御し、こ
れをまず第１番目に並べるべき衣類Ａが掛けられたハン
ガーＺの位置に移動させる。これには、ガイドロッド４
４，ロッドレスシリンダ４３を駆動させることによっ
て、チャック爪３９を所定のハンガーＺの真上に移動さ
せる。次いで、図７（ａ）に示したように、チャックシ
リンダ４０でチャック爪３９を開きつつ、上下シリンダ
４１を伸ばしてチャック爪３９を搬送コンベア２２のタ
イミングベルト３２に掛けられているハンガーＺのフッ
クと同じ高さまで下げる。続いてチャックシリンダ４０
でチャック爪３９を閉じ、ハンガーＺを挟み込んで掴
む。

【００３２】次いで、上下シリンダ４１を縮め、ハンガ
ーＺを把持したチャック爪３９を上昇させ、さらに図７
（ｂ）に示したように、ロッドレスシリンダ４３を駆動
させてチャック爪３９を搬送コンベア２２から直交する
水平方向に移動させる。続いて、ロータリーアクチュエ
ータ４２でチャック爪３９を９０゜回転させた後、図７
（ｃ）に示したように、チャック爪３９をガイドロッド
４４に沿って水平方向に移動させ、把持したハンガーＺ
を受取レール２３の伸縮ガイド３５の先端部近傍の所定
位置に位置させる。

【００３３】続いて、受取レール２３の伸縮ガイド３５
のガイド部材３５ａを伸ばし、その先端部をハンガーＺ
の真下に位置させる。そして、チャックシリンダ４０で
チャック爪３９を開き、把持したハンガーＺを離す。す
るとこのハンガーＺは、真下のガイド部材３５ａ上に落
下するので、続いてガイド部材３５ａを縮めることによ
り、ハンガーＺはその傾斜によってガイド部材３５ａか
ら受取レール２３へと送られる。

【００３４】このようにして、第１番目に並べるべきハ
ンガーＺをハンガー移載機構２４によって搬送コンベア
２２から受取レール２３に移載した後は、順序データに
基づき、上記と同様にして、第２番目、第３番目、…、
第ｎ番目のハンガーＺを受取レール２３に移載してい
く。これにより、受取レール２３には、ハンガーＺ，
Ｚ，…が前記決定した所定の順序で並べられた状態とな
る。

【００３５】この後は、並べ替えたハンガーＺを搬送レ
ール５を介して元の分岐レール１１に移送する。

【００３６】上記並べ替え装置４による並べ替え作業を
各分岐レール１１毎に行うことによって、全ての分岐レ
ール１１の衣類Ａが所定の順序に並び替えられる。

【００３７】上述した衣類分配設備１では、衣類Ａに付
けられたバーコードラベルＬを読み込む投入部２と、衣
類Ａを掛けたハンガーＺを移送する搬送レール５と、バ
ーコードデータに基づいて各分配先に衣類Ａを分配する
分配装置３と、並べ替え装置４とを備えた構成となって
いる。そして、並べ替え装置４では、投入機構２１によ
って一定間隔ごとに衣類Ａを掛けたハンガーＺが投入さ
れる搬送コンベア２２と、並び替えた後のハンガーＺを
掛ける受取レール２３と、搬送コンベア２２から受取レ
ール２３にハンガーＺを移載するハンガー移載機構２４
と、ハンガー移載機構２４の動作を、バーコードデータ
および選択入力された順序モードに基づいて制御する制
御機構（図示なし）とを備えた構成となっている。この
ような構成により、並び替え装置４では、従来手作業で
行っていた並べ替え作業を、正確にかつ人手を煩わすこ
となく自動的に行うことができ、したがって、時間およ
びコストを大幅に低減することができる。そして、この
ような衣類分配設備１では、分岐レール１１毎に分配す
るだけでなく、各分配先における衣類Ａの並び順序を自
動的に揃えることができるので、このような衣類分配設
備１を備えたクリーニング工場の大幅な自動化を図るこ
とができる。

【００３８】なお、上記実施の形態において、衣類分配
設備１および並び替え装置４の構成については上記のも
のに限定するものではなく、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば他の構成とすることも可能である。例え
ば、衣類分配設備１では、衣類Ａを分配装置３によって
各分岐レール１１に一旦分配した後、これを並べ替え装
置４で並べ替える構成としたが、これ以外にも、投入部
２で投入した衣類Ａを並べ替え装置４で並べ替えた後
に、分配装置３で分配する構成とすることも可能であ
る。また、もちろん、これら投入部２、分配装置３、並
べ替え装置４、搬送レール５のレイアウト、構造等につ
いても何ら限定するものではない。さらに、並べ替え装
置４を、分配装置３の各分岐レール１１毎に備える構成
とすることも可能である。

【００３９】加えて、並べ替え装置４では、並び替える
順序を上記した受付伝票番号順だけでなく、例えば衣類
Ａの種類別、サイズ別、色別等、種々の順序で並び替え
る場合にも、そのようなデータをバーコードに盛り込ん
でおけば容易に実現可能である。

【００４０】また、このような衣類分配設備１は、前工
程のクリーニング加工設備と一体に設ける構成としても
良く、このような場合には投入部２をクリーニング加工
設備に備える構成として、クリーニング加工設備と衣類
分配設備１とを一貫して制御するようにしてもよい。逆
に、上記実施の形態では、レール７，７，…によって、
前工程のクリーニング加工設備から衣類Ａを掛けたハン
ガーＺが直接送られてくる構成となっているが、この衣
類分配設備１を独立させて設け、レール７，７，…をク
リーニング加工設備に接続しない構成としてもよい。

【００４１】さらに、上記衣類分配設備１や並べ替え装
置４は、クリーニング工場だけでなく、縫製工場等、多
量の衣類Ａを取り扱うところであれば最適に用いること
ができる。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る衣
類並べ替え装置によれば、ハンガーを一定間隔ごとに吊
下する第一のレールと、並べ替えた後のハンガーを吊下
する第二のレールと、第一のレールから第二レールにハ
ンガーを移載するハンガー移載機構と、第一のレールに
吊下されたハンガーを順序データに基づいて第二のレー
ルに順次移載するようハンガー移載機構を制御する制御
部とを備えた構成となっている。これにより、第一のレ
ールに吊下されたハンガーを、第二のレールに所定の順
序で並び替えることができる。しかもこの並び替え作業
をハンガー移載機構で自動的に行うことができるので、
正確にかつ人手を煩わすことなく行うことができ、時間
およびコストを大幅に低減することができる。

【００４３】請求項２に係る衣類並べ替え装置によれ
ば、ハンガー移載機構が、チャック部と、チャック部を
少なくとも三方向に駆動させるチャック駆動部とを備え
た構成となっている。このようなハンガー移載機構は、
市販のエアシリンダ等を組み合わせることにより容易に
構成できるので、上記効果を低コストで得ることが可能
である。

【００４４】請求項３に係る衣類分配設備によれば、衣
類に付けられた個別のコードデータを読み込む投入部
と、ハンガーを移送する移送装置と、コードデータが示
す分配先毎に衣類を分配する分配装置と、衣類の順序を
並べ替える並べ替え装置とを備え、並べ替え装置が、第
一のレールと、第二のレールと、ハンガーを移載するハ
ンガー移載機構と、ハンガー移載機構の動作を制御する
制御部とを備えた構成となっている。このような衣類分
配設備は、クリーニング工場や縫製工場等で用いるのに
好適であり、クリーニング加工や縫製加工の完了した衣
類の分配だけでなく、各分配先における衣類の並び替え
作業までも自動的に行うことができ、これによってコス
トの大幅な削減を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る衣類並べ替え装置およびそれを
備えた衣類分配設備の一例を示す図であって、衣類分配
設備のバーコードリーダによるバーコードの読み取りを
示す斜視図である。

【図２】 同衣類分配設備の平面レイアウト図である。

【図３】 同衣類分配設備に備えた衣類並べ替え装置を
示す正面図である。

【図４】 前記衣類並べ替え装置の平面図である。

【図５】 同衣類並べ替え装置の投入機構を示す正面図
である。

【図６】 同衣類並べ替え装置のハンガー移載機構を示
す側断面図である。

【図７】 前記ハンガー移載機構で衣類を掛けたハンガ
ーを移載する状況を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 衣類分配設備 ２ 投入部 ３ 分配装置 ４ 並べ替え装置（衣類並べ替え装置） ５ 搬送レール（移送装置） ２２ 搬送コンベア（第一のレール） ２３ 受取レール（第二のレール） ２４ ハンガー移載機構 ３７ チャック部 ３８ チャック駆動部 Ａ 衣類 Ｚ ハンガー

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ個別のコードデータが付けられ
   た衣類を掛けた複数のハンガーを、予め入力された順序
   データに基づいて並べ替える装置であって、 前記ハンガーを一定間隔ごとに吊下する第一のレール
   と、並べ替えた後の前記ハンガーを吊下する第二のレー
   ルと、該第一のレールに沿って移動自在に設けられて該
   第一のレールから前記第二レールに前記ハンガーを移載
   するハンガー移載機構と、前記第一のレールに吊下され
   たハンガーを前記順序データに基づいて前記第二のレー
   ルに順次移載するよう前記ハンガー移載機構の動作を制
   御する制御部とを備えた構成とされていることを特徴と
   する衣類並べ替え装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の衣類並べ替え装置におい
   て、前記ハンガー移載機構が、ハンガーを把持するチャ
   ック部と、該チャック部を、上下方向，前記第一のレー
   ルと前記第二のレールとを結ぶ方向，前記第一のレール
   に沿った方向，の少なくとも三方向に駆動させるチャッ
   ク駆動部とを備えた構成とされていることを特徴とする
   衣類並べ替え装置。
3. 【請求項３】 それぞれの衣類に付けられた個別のコー
   ドデータを読み込む投入部と、ハンガーに掛けた前記衣
   類を該投入部から軌道に沿って移送する移送装置と、前
   記コードデータが示す分配先毎に前記衣類を分配する分
   配装置と、前記衣類の順序を並べ替える並べ替え装置と
   を備えてなり、 前記並べ替え装置が、前記ハンガーを一定間隔ごとに吊
   下する第一のレールと、並べ替えた後の前記ハンガーを
   吊下する第二のレールと、該第一のレールに沿って移動
   自在に設けられて該第一のレールから前記第二レールに
   前記ハンガーを移載するハンガー移載機構と、前記ハン
   ガー移載機構の動作を制御する制御部とを備えた構成と
   されていることを特徴とする衣類分配設備。