JP2817851B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2817851B2
JP2817851B2 JP1033804A JP3380489A JP2817851B2 JP 2817851 B2 JP2817851 B2 JP 2817851B2 JP 1033804 A JP1033804 A JP 1033804A JP 3380489 A JP3380489 A JP 3380489A JP 2817851 B2 JP2817851 B2 JP 2817851B2
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孝慈 宗藤
順一 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は自動変速機の変速制御装置に関し、詳しく
は、変速機内部に使われる摩擦要素の耐久性の向上と走
行フイーリングの確保の改良に関する。
[従来の技術] 自動変速機は、その内部に複数の変速段選択用のクラ
ツチやブレーキ等の摩擦部材を内蔵しており、各変速段
選択用摩擦部材の作動を適宜に制御することにより所定
の変速段が得られるようになつている。このような自動
変速機において、複数の変速段選択用の摩擦部材が同時
に逆作動することによつてシフトダウン若しくはシフト
アツプが行われるようになつたものがある。例えば、D
(ドライブ)レンジ(1速〜4速)での3速から2速へ
のシフト時の場合には、それまで3速においてフロント
クラツチが締結してセカンドブレーキが解放されていた
ものが、フロントクラツチを解放しセカンドブレーキを
締結することにより2速へシフトダウンされる。
このように、複数の変速段選択用の摩擦部材が同時に
逆作動することによつてシフトダウン若しくはシフトア
ツプを行う場合、摩擦熱を効率良く放熱させ、摩擦部材
を保護する必要がある。
一方、摩擦部材の保護という観点ではないものの、自
動変速機内のトルクコンバータの作動流体の加熱化を防
止することにより作動流体の保護を目的とする技術に、
特公昭48−217がある。これは、作動流体の温度を検出
し、それが高温にある時は、変速ラインをより高速側に
シフトさせることにより、換言すれば、加速しても変速
を遅らせることにより、駆動力を増大し、トルクコンバ
ータ内のすべりを抑え、そのために発熱の増加が抑制さ
れるというものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この特公昭48−217号では、作動流体
が高温時であれば変速ラインを全域に亙つて高速側にシ
フトしているために、低速側で変速されたときに変速シ
ョツクが大きくなる傾向となり、走行フイーリングが悪
化するという問題を内包している。
そこで、本発明の目的は、流体温度が摩擦要素の耐久
性に影響を与えるような温度にあるときは、走行フイー
リングを悪化させない範囲で、自動変速機内の流体温度
の上昇を抑えることのできる変速制御装置を提案するこ
とにある。
(課題を達成するための手段及び作用) 上記課題を達成するための本発明の請求項1に記載の
制御装置は、 摩擦要素の係合若しくは解除により変速を自動的に行
なう自動変速機のための変速制御装置において、 上記摩擦要素の高温化に影響するように動力系内を流
れる流体の温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、検出された流体温度
が上記摩擦要素の耐久性に影響を与えると考えられる温
度として設定される所定値以上であることを判定する判
定手段と、 この判定手段の出力を受け、上記条件が満足するとき
に、エンジン負荷が所定値以上の全領域における変速ラ
インを、上記摩擦要素における発生熱量が減少する方向
に変更する変速ライン変更手段とを備えた事を特徴とす
る。
請求項1の制御装置によれば、発生熱量が減少する方
向への変速ラインの変更により、高油温時のクラッチ係
合部のピーク温度を低く抑えることができ、自動変速機
内の流体温度の上昇を抑えることができる。また、変速
ラインの変更は、エンジン負荷が所定値以上の全領域で
行われるので、走行フィーリングは悪化しない。
また、同課題を達成するための請求項2の、摩擦要素
の係合若しくは解除により変速を自動的に行なう自動変
速機のための変速制御装置は、 上記摩擦要素の高温化に影響するように動力系内を流
れる流体の温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、検出された流体温度
が上記摩擦要素の耐久性に影響を与えると考えられる温
度として設定される所定値以上であることを判定する判
定手段と、 この判定手段の出力を受け、上記条件が満足するとき
に、エンジン負荷が所定値以上の全領域における変速ラ
インを低速側に変更する変速ライン変更手段とを備えた
事を特徴とする。
請求項2の制御装置によれば、変速ラインを低速側に
変更することにより、摩擦要素間の係合部分間の回転差
が小さくなり、その結果、発生熱量が減少し、自動変速
機内の流体温度の上昇を抑えることができる。また、変
速ラインの変更は、エンジン負荷が所定値以上の全領域
で行われるので、走行フィーリングは悪化しない。
また、同課題を達成するための請求項3の、摩擦要素
の係合若しくは解除により変速を自動的に行なう自動変
速機のための変速制御装置は、 上記摩擦要素の高温化に影響するように動力系内を流
れる流体の温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、検出された流体温度
が上記摩擦要素の耐久性に影響を与えると考えられる温
度として設定される所定値以上であることを判定する判
定手段と、 この判定手段の出力を受け、上記条件が満足するとき
に、エンジン負荷が所定値以上の全領域における変速ラ
インを高速側に変更する変速ライン変更手段とを備えた
ことを特徴とする。
請求項3の制御装置によれば、変速ラインを高速側に
変更することにより、トルクコンバータにおけるスリツ
プが減少して油温自体が低下するので、自動変速機内の
流体温度の上昇を抑えることができる。また、変速ライ
ンの変更は、エンジン負荷が所定値以上の全領域で行わ
れるので、走行フィーリングは悪化しない。
(実施例) 第1A図及び第1B図を参照して、本発明を適用した実施
例の概念的な構成例を2つ挙げて説明する。
第1A図に概念的に示された実施例の概念的構成は、摩
擦要素の係合若しくは解除により変速を自動的に行なう
自動変速機のための変速制御装置において、動力系に流
れる流体の温度を検出する温度検出手段と、エンジン負
荷を検出する負荷検出手段と、動力系の回転数を検出す
る回転数検出手段、これら検出手段の出力を受けて、検
出された流体温度が所定値以上であつて、且つ、検出さ
れたエンジン負荷及び回転数の少なくとも一方が所定値
以上であることを判定する判定手段と、この判定手段の
出力を受け、上記条件が満足するときのみに、変速ライ
ンを、発生摩擦熱の熱量が低下する方向に変更する変速
ライン変更手段とを備えた事を特徴とする。
また第1B図に概念的に示された実施例の構成は、摩擦
要素の係合若しくは解除により変速を自動的に行なう自
動変速機のための変速制御装置において、動力系に流れ
る流体の温度を検出する温度検出手段と、エンジン負荷
を検出する負荷検出手段と、動力系の回転数を検出する
回転数検出手段と、これら検出手段の出力を受けて、検
出された流体温度が所定値以上であつて、且つ、検出さ
れたエンジン負荷及び回転数の少なくとも一方が所定値
以上であることを判定する判定手段と、この判定手段の
出力を受け、上記条件が満足するときのみに、エンジン
出力を低下方向に制御する出力低下手段とを備えた事を
特徴とする。
以下第2図以下の添付図面を参照して、本発明の具体
的な実施例を、即ち、本発明をFF式自動車の前進4段、
後進1段、そしてロツクアップ機構を備えた変速機に適
用した実施例を2つ挙げて詳細に説明する。これらの実
施例は、前述の第1A図及び第1B図の概念的な構成にそれ
ぞれ対応するもので、自動変速機内の発生熱量を、オイ
ル温度が高いときに、低く抑えるという観点から構成さ
れており、この発生熱量の抑制のために、変速ラインを
低速、高負荷側にシフトさせるもの(第1実施例)と、
エンジンの出力を低下方向に制御するもの(第2実施
例)という2つの実施例を含む。
〈第1実施例〉 第2図に第1実施例システムの全体を示す。図中、10
0は電子式自動変速機(以下、AT)であり、101はAT100
内を流れ、トルクコンバータから流出するオイルを冷却
するクーラである。クーラ101で冷却されたオイルはAT1
00内を通り、また、トルクコンバータを通つて再びクー
ラ101にリターンする。102はAT100内の各種ブレーキ,
クラツチを作動させる油圧回路、103は油圧回路内の各
種制御弁のパイロツト圧等を制御するためのソレノイド
群である。120はAT100の制御回路(以下、ATCPU)であ
る。このCPU120は後述の変速パターンを内蔵し、主に、
スロツトルセンサ111から得るスロツトル開度信号TVO、
車速センサ112から得る車速信号V等に基づいて、ギア
位置を現在の位置から変更する必要があるかを判断す
る。ギア位置はCPU120からソレノイド群103に出力され
る信号SOLによつて決まる。即ち、周知のように、ある
変速位置にあるためには、所定のブレーキとクラツチが
作動しなければならないが、これらのブレーキとクラツ
チを駆動するための油圧回路102内の制御弁(この制御
弁は上記クラツチ、ブレーキに対応する)のパイロツト
圧等を制御するために、上記信号SOLが所定のソレノイ
ドのデユーテイ比を変えるようにソレノイド群103に入
力される。
また、CPU120は、油温度センサ110が検知した温度TO
を入力し、この温度TOが高いか低いかで変速パターンを
変更するようになつている。尚、変速パターンについて
は、第5図で詳細に説明する。
第3図は、AT100の動力伝達機構のスケルトン図であ
る。第3図に示されたAT100の伝達機構はFF式エンジン
のための周知のものであり、その説明は省略する。
次の表は、ギア位置(GP)やレンジとの関連において
各種クラツチやブレーキの作動状態を表わしたものであ
る。尚、表中、○はその摩擦要素が『作動状態』にある
ことを示し、は作動状態にあるが、動力伝達には関与
していないことを示す。また、表中、摩擦要素として表
わした記号と第3図との対応を示すと、 C1:フォワードクラツチ11、 C2:コーステイングクラツチ12、 C3:3−4クラツチ13、 C4:リバースクラツチ14、 B1:2−4ブレーキ15、 B2:ロー&リバースブレーキ16、 OWC:ワンウエイクラツチ1,18 第4図は実施例に係る変速制御の手順である。ステツ
プS1ではスロツトル開度TVOを読み込み、ステツプS2で
は車速Vを読み込み、ステツプS3では油温度TOを読み込
む。ステツプS4では、油温度TOと所定の基準温度値α
(=120℃:実験例)とを比較する。この温度は、クラ
ツチ,ブレーキ等の摩擦要素の耐久性に影響を与えると
考えられる温度として設定される。ステツプS4〜ステツ
プS6では、油温TOとαとの大小関係により、即ち、AT内
をαよりも高い温度のオイルが流れているか否かで、第
5図に示したパターンA(実線)とパターンB(点線)
のいずれか一方の変速ラインを選択する。即ち、油温が
高ければパターンBを、低ければパターンAを選択す
る。このように、パターンA若しくはBを選択してステ
ツプS8,S9でSOL信号を夫々のソレノイドに送り、この信
号SOLに従つて夫々ソレノイドを駆動する。
第5図には、1速2速、2速3速、3速4速の
3組の変速パターンが示されている。そして、これらの
各組においては、夫々、パターンAとBとの2種類が設
定されている。各組についての、シフトパターンAとB
とを比較すると、変速ライン上のある点(例えば、TV
O1,V1)を境にして低スロツトル開度(低負荷)である
(又は低車速である)領域(このような領域を、以下、
「低負荷等領域」と称す)ではAとBとは同じライン上
にのつているが、高スロツトル開度(高負荷)である
(または高車速)領域(このような領域を、以下、「高
負荷等領域」と称す)では、パターンBの方が低車速且
つ高負荷側(以下、「低車速等方向」と略す)にシフト
している。換言すれば、この第5図に示されたパターン
の特徴は次の2点に集約される。即ち、 :上記の変速ライン上のある点を境にして、「低負荷
等領域」では、高油温時であつても、変速パターンに実
質上の変更はない。
:逆に、上記点を境にして、「高負荷等領域」では、
変速ラインは「低車速等方向」にシフトしているので、
高油温時に早目にシフトアツプされることになる。
先ず、による効果について説明する。に示された
高温時に変速ラインを「低車速等方向」にシフトするよ
うなパターンにすると、アクセル操作に対して、変速動
作が、より高回転域のより低回転側で行なわれ、また、
高負荷領域でのさらに高負荷側で行なわれるようにな
り、その結果、変速前後における摩擦要素間の係合部分
間の回転差が低回転側にシフトした分だけ小さくなり、
その結果、回転差に比例する発生熱量が減少し、高油温
時のクラツチ係合部のピーク温度を低く抑えることがで
きるのである。一方、のような変速ラインの「低車速
等方向」へのシフトを「低負荷等領域」でも行なうこ
と、即ち、変速ライン全体を「低車速等方向」にシフト
するようにすることは好ましくない。何故ならば、「低
負荷等領域」ではもともとエンジン回転数は低回転であ
るから変速前後の回転差は少ないものであり、さらに変
速ラインを低回転方向にシフトする必要性は乏しく、逆
に、動力性や走行フイーリングの悪化の方が却つて顕著
になつてしまうからである。従つて、「低負荷等領域」
では良好な動力性や走行フイーリングを維持するために
も、油温の如何を問わず、変速ラインの「低車速等方
向」へのシフトは行なわない方がよいのである。
尚、第5図には、シフトアツプのラインが示されてい
るが、シフトダウンについても同じように「低車速等方
向」への変速ラインのシフトが行なわれるようにする。
次の表は、上述の変速ラインのシフトを実験して得た
結果をまとめたものである。ここで、実験は、高油温
(TO=120℃)時のスロツトル全開時において、2速か
ら3速へ変速するときに、摩擦クラツチ(第3図の3−
4クラツチ13)の摩擦プレートに測温素子を埋め込み、
クラツチ板温度TCを測定する形で行なわれた。尚、TO
オイルクーラ101からの出口での循環回路中の油温であ
り、TCmaxはクラツチ板温度の最高値である。また、表
中の比較例とは、油温が基準値(=120℃)以下で、通
常の変速を行なつた状態を言う。
この実験結果からも分るように、油温が高温時に、変
速ラインを「低車速等方向」にシフトしないパターンで
変速を行なつた時、即ち、高油温時にパターンAで変速
を行なつたときは、クラツチ板温度TCmaxは243℃にも上
昇したが、本実施例の変速ラインを「低車速等方向」へ
のシフトを行なうようにすると、TCmaxは208℃という低
温に維持された。上記表中の「制御無し」と「比較例」
とを比較すると、油温TOの上昇分30℃がそのまま、T
Cmaxの上昇分になつている。ところが、「本実施例」と
「比較例」とを比較すると、TOが30℃上昇しているのに
対し、TCmaxは逆に低下している。この結果は次のよう
に考察することができる。実験に使われたペーパ摩擦材
(この材料は現在汎用されている)からなる摩擦クラツ
チの係合時には、内部に浸透しているオイルがにじみ出
て失われたオイルを補給するかたちとなり、摩擦要素の
オイルによる冷却効果は余り望めない。しかしながら、
摩擦要素の係合時の部材の最高温度TCmaxは、係合前の
オイル温度TOと温度上昇代の和△Tと TCmax=TO+△T という関係にあるから、温度上昇代△Tを低く抑えるこ
とが肝要であり、変速ラインの「低車速等方向」へのシ
フトは、この温度上昇代△Tの低下に大きく寄与するの
である。そして、この温度上昇防止が、摩擦要素の耐久
性向上に大きく寄与するのである。
〈第2実施例〉 第1実施例は、高油温時には、変速ラインを「低車速
等方向」にシフトすることにより、変速前後の摩擦要素
間の回転差を経らして、温度上昇代△Tを低下させると
いうものであつた。この第2実施例は、高油温時には、
点火時期をより遅角側にシフトすることにより、エンジ
ン出力をより低下側に制御して、温度上昇代△Tを低下
させ摩擦要素の耐久性を高めるようにしている。
第6図はこの第2実施例のシステムのブロツク図であ
る。第6図において、第1図と同じ要素には同じ番号を
付してある。第6図と第1図で異なる部分は、エンジン
出力を低下させるために、点火時期を制御するための手
段であるエンジン制御CPU121とIGタイミング発生回路12
2並びにデイストリビュータ201が付加されていることで
ある。また、CPU120の制御手順は第1実施例では第4図
に示したものであつたが、第2実施例では第7A図に示し
たものとなる。
第7A図及び第7B図に、この第2実施例のエンジン出力
を点火時期制御により制御するための制御手順が示され
ている。
第7A図はATCPU120の制御である。ステツプS20では、
スロツトル開度TVO、車速Vを読み込み、ステツプS21で
は現在の運転領域が変速が必要な領域内にあるかを調べ
る。これは、例えば、TVOとVとを、第5図のパターン
Aとを比較することにより行なわれる。変速が必要であ
れば、ステツプS22で変速を行なうために、所定のソレ
ノイドを駆動する。
第7B図はCPU121による点火時期制御の手順を示す。ス
テツプS30では、変速が開始されようとしているかを調
べる。これは、ATCPU120からの変速開始信号をもらうこ
とにより判断できる。変速が開始されようとしていると
判断されたならば、ステツプS31で、現在の油温TOと基
準油温αとを比較する。もし、油温が低ければ、エンジ
ン出力を低下させる必要がないので、ステツプS34に進
み、点火時期IGは所定値IG0とする。
IG=IG0 一方、油温TOが高いときはステツプS32に進む。ここ
で、運転領域が「高負荷等領域」にあるかを調べる。即
ち、 を調べる。「高負荷等領域」にあるときは、ステツプS3
3に進み、点火時期をより遅角側にするために、 IG=IG0+δ とする。ここで、δは遅角補正量であり、油温TO、車速
Vの関数であることが望ましい。この場合、油温TOが高
いほど、また車速Vが高いほど、温度上昇代△Tが大き
くなる可能性があるので、δを点火時期がより遅角側と
なるような値とする。ステツプS35,S36では、遅角量か
ら、エンジンの回転信号に同期した点火信号を演算出力
する。このような動作を、ステツプS37により、変速動
作が完了するまで繰返す。
第8図は第2実施例による効果を図示したものであ
る。横軸はスロツトル開度を、縦軸はクラツチプレート
温度TCmaxを示している。この結果によると、油温の高
低に関わらず、プレート温度TCmaxは摩擦要素の耐久性
に悪影響がでない温度以下に抑えられている。これは、
「高負荷等領域」(ステツプS32でYES)において特にT
Cmaxが高くなる傾向が現われる筈のところを、この第2
実施例では、点火時期を遅角側にして、エンジン出力を
抑えたことによる寄与が大きい。第8図で、斜線部分が
エンジン出力低下によるTCmaxの低下分である。
また、第8図にも示すように、「低負荷等領域」で
は、TCmax自体が低いためにエンジン出力低下は必要で
ないから行なわないで、動力性能、運転フイーリングの
確保の維持を重視した。これにより、摩擦要素の耐久性
の向上と走行フイーリングの確保が両立する。
〈変形例〉 本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変形可能で
ある。
例えば、上記2つの実施例では、流体を自動変速機内
の油として説明してきたが、エンジン及び自動変速機を
含む動力系の温度に影響を与える流体であれば、全ての
流体を含む。例えば、エンジン冷却水等である。何故な
らば、これらの流体の高温化は、結果的に変速機内の流
体温度に影響し、ひいては、摩擦要素の高温化に影響す
るからである。
また、上記第1実施例では、変速ラインのシフトを
「低車速等方向」、即ち、低車速且つ高負荷方向に行な
つていたが、高車速側にシフトするようにしても、本発
明の課題である摩擦要素の温度上昇防止と走行フイーリ
ングの悪化防止は図れる。何故なら、高車速側にシフト
すると、変速前後の摩擦要素間の回転差は上昇して温度
上昇代△Tが大きくなるが、トルクコンバータにおける
スリツプが減少して油温TO自体が低下し、上述の式 TCmax=TO+△T におけるTCmaxが低いことが期待されるからである。し
かしながら、TOと△Tの両者の低下が期待できると共
に、その結果として摩擦要素の温度TCmaxがより大きく
低下する第1実施例のような、変速ラインの「低車速等
方向」へのシフトが、この変形例より望ましいことは言
うまでもない。
また、第2実施例では、エンジントルクの低下制御を
点火時期制御により行なつていたが、この他に、燃料供
給制御、吸気量制御によつて行なつてもよい。また、失
火等による気筒数制御と組合せても効果を得ることがで
きる。
また、本発明の適用範囲は、第3図に示された形式の
変速機に限定されるものではないことは言うまでもな
い。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の自動変速装置の変速制
御装置によれば、発生熱量が減少する方向への変速ライ
ンの変更により高油温時のクラッチ係合部のピーク温度
を低く抑えることができるので、或いは、変速ラインを
低速側に変更することにより、摩擦要素間の係合部分間
の回転差が小さくなり、その結果、発生熱量が減少する
ので、或いは、変速ラインを高速側に変更することによ
り、トルクコンバータにおけるスリツプが減少して油温
自体が低下するので、自動変速機内の流体温度の上昇を
抑えることができる。また、変速ラインの変更は、エン
ジン負荷が所定値以上の全領域で行われるので、走行フ
ィーリングは悪化しない。
かくして、本発明により、流体温度が摩擦要素の耐久
性に影響を与えるような温度にあるときに、走行フィー
リングの悪化の防止と、自動変速機内の流体温度の上昇
の防止を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】 第1A図,第1B図は夫々、本発明の構成を示す図、 第2図は第1実施例に係る制御システムの全体ブロツク
図、 第3図は第1,第2実施例に用いられたATのスケルトン
図、 第4図は第1実施例の制御に係る手順のフローチヤー
ト、 第5図は第1実施例に用いられる変速パターンを示した
図、 第6図は第2実施例に係る制御システムの全体ブロツク
図、 第7A図,第7B図は第2実施例の制御に係る手順のフロー
チヤート、 第8図は第2実施例の効果を説明した図である。 図中、 1……クランク・シヤフト、2……ドライブ・プレー
ト、3……ポンプ・インペラ、4……タービン・ラン
ナ、5……ステータ、6……ワンウエイ・クラツチ、7
……ダンパ・ピストン、8……タービン・シヤフト、9
……オイル・ポンプ・シヤフト、10……オイル・ポン
プ、11……フオワード・クラツチ、12……コーステイン
グ・クラツチ、13……3−4クラツチ、14……リバース
・クラツチ、15……2−4ブレーキ、16……ロー&リバ
ース・ブレーキ、17……ワンウエイ・クラツチ 1、18
……ワンウエイ・クラツチ 2、19……ラージ・サン・
ギヤ、20……スモール・サン・ギヤ、21……ロング・ピ
ニオン、22……シヨート・ピニオン、23……インターナ
ル・ギヤ、24……パーキング・ギヤ、25……アウトプツ
ト・ギヤ、26……アイドル・ギヤ、27……リング・ギ
ヤ、100……自動変速機、01……オイルクーラ、102……
油圧回路、103……ソレノイド群、120……油温センサ、
111……スロツトルセンサ、112……車速センサ、120…
…変速制御回路(ATCPU)、121……エンジンCPU、122…
…点火時期信号発生回路、200……エンジン、201……デ
イストリビュータ である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 和司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−235750(JP,A) 特開 昭60−30428(JP,A) 特開 昭62−56655(JP,A) 特開 昭62−177356(JP,A) 特開 平2−97764(JP,A) 特開 昭64−35154(JP,A) 特公 昭48−217(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦要素の係合若しくは解除により変速を
    自動的に行なう自動変速機のための変速制御装置におい
    て、 上記摩擦要素の高温化に影響するように動力系内を流れ
    る流体の温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、検出された流体温度が
    上記摩擦要素の耐久性に影響を与えると考えられる温度
    として予め設定された所定値以上であることを判定する
    判定手段と、 この判定手段の出力を受け、上記条件が満足するとき
    に、エンジン負荷が所定値以上の全領域における変速ラ
    インを、上記摩擦要素における発生熱量が減少する方向
    に変更する変速ライン変更手段とを備えた事を特徴とす
    る自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】摩擦要素の係合若しくは解除により変速を
    自動的に行なう自動変速機のための変速制御装置におい
    て、 上記摩擦要素の高温化に影響するように動力系内を流れ
    る流体の温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、検出された流体温度が
    上記摩擦要素の耐久性に影響を与えると考えられる温度
    として予め設定された所定値以上であることを判定する
    判定手段と、 この判定手段の出力を受け、上記条件が満足するとき
    に、エンジン負荷が所定値以上の全領域における変速ラ
    インを低速側に変更する変速ライン変更手段とを備えた
    事を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】摩擦要素の係合若しくは解除により変速を
    自動的に行なう自動変速機のための変速制御装置におい
    て、 上記摩擦要素の高温化に影響するように動力系内を流れ
    る流体の温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段の出力を受け、検出された流体温度が
    上記摩擦要素の耐久性に影響を与えると考えられる温度
    として予め設定された所定値以上であることを判定する
    判定手段と、 この判定手段の出力を受け、上記条件が満足するとき
    に、エンジン負荷が所定値以上の全領域における変速ラ
    インを高速側に変更する変速ライン変更手段とを備えた
    事を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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