JP2816366B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

Info

Publication number
JP2816366B2
JP2816366B2 JP7944889A JP7944889A JP2816366B2 JP 2816366 B2 JP2816366 B2 JP 2816366B2 JP 7944889 A JP7944889 A JP 7944889A JP 7944889 A JP7944889 A JP 7944889A JP 2816366 B2 JP2816366 B2 JP 2816366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
torque
transistor
rotation
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7944889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02256560A (ja
Inventor
文昭 廣田
武彦 伏見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP7944889A priority Critical patent/JP2816366B2/ja
Publication of JPH02256560A publication Critical patent/JPH02256560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2816366B2 publication Critical patent/JP2816366B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電動式パワーステアリング装置に関するもの
で、特に、外的にステアリングホイールに加えらた操舵
トルク方向の急変に対応できる電動式パワーステアリン
グ装置に関するものである。
[従来の技術] この種の電動式パワーステアリング装置に関する技術
として、特開昭62−168758号公報に掲載の電動式パワー
ステアリング装置の技術がある。
上記公報に掲載の技術は、負荷の変化で発生する補助
トルク発生用電動機の回転速度を検出し、この検出信号
に基づいて電動機制御信号を補正し変更するようにした
ものである。このようにしたことによって、電動機の急
激な回転変化を一時的に抑制できるので安定しており、
また応答性が良くなる。また、操舵フィーリングが滑か
なものになり、ステアリング系のハンチングが防止でき
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記電動式パワーステアリング装置において
は、負荷の変化に対応して補助トルク発生用の電動機の
回転速度によって、電動機の急激な回転変化を一時的に
抑制するものであるから、急カーブ或いは回避措置によ
ってステアリングホイールに加えられた操舵トルクの方
向が急激に逆転した場合には、電動機に急激に極性の異
なった電源が印加されることになる。
ところが、スイッチング素子を急速に遮断状態にしよ
うとしても、トランジスタを用いた場合においては少数
キャリヤの蓄積効果によってスイッチング素子を急速に
遮断状態に至らず、瞬時の短絡になる可能性がある。
例えば、第9図に示すトランジスタによって制御され
る電動機8の回転方向切換回路の説明図のように、トラ
ンジスタQ1及びトランジスタQ4がオン状態にあり、ま
た、トランジスタQ2及びトランジスタQ3がオフ状態にあ
り、電動機8が所定方向に駆動していたとする。このと
き、電動機8を前者とは逆の方向に回転しようとして、
瞬時に、トランジスタQ1及びトランジスタQ4をオフに、
また、トランジスタQ2及びトランジスタQ3をオン状態に
すると、トランジスタQ2及びトランジスタQ3のオン状態
の立上りに対して、それまでオン状態にあったトランジ
スタQ1及びトランジスタQ4がオフ状態に至る速度が遅い
ことから、20〜30[μs]程度のタイミングで短絡状態
に陥る可能性が予測される。
他の先行技術として、実開昭61−50076号公報、特開
昭63−316678号公報等の技術を挙げることができる。
実開昭61−50076号公報に掲載の技術は、ステアリン
グホイールに加えられた操舵トルクに応じて、ステアリ
ングホイールを回動する方向に操舵トルクを補うべく制
御する電動式パワーステアリング装置に関する技術であ
る。しかし、ここには、スイッチング素子を急速に遮断
状態にしようとしたとき、スイッチング素子を急速に遮
断状態にすることができず、瞬時の短絡になるという点
については開示するものがない。
また、特開昭63−316678号公報には、電動機の回転方
向の切替えを行うとき、休止時間内に行うことにより電
動機の逆起電力を速かに消失でき、電動機の通電回路に
流れる過電流を抑える技術が開示されている。しかし、
当該技術は、電気掃除機等の電動吸込具に関するもので
あり、電動機の回転方向の切替速度も高速切替えを前提
としないものであり、公報にも逆転に要する時間の概念
を記載していない。特に、その切替速度のために、スイ
ッチング素子が瞬時の短絡になるという事態は生じ得な
いものであり、その技術分野を異にするものである。
そこで、本発明はステアリングホイールに加えられた
操舵トルクの印加方向が急激に反転しても、電動機を駆
動するスイッチング素子で構成される回路に短絡が生じ
ない電動式パワーステアリング装置の提供を課題とする
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明にかかる電動式パワーステアリング装置は、ス
テアリングホイールに加えられた操舵トルクをトルクセ
ンサにより検出し、このトルクセンサにより検出された
前記操舵トルクに応じて前記操舵トルクを補うための電
動機を駆動制御する電動式パワーステアリング装置にお
いて、前記トルクセンサにより検出された前記操舵トル
クの方向が左右両方向の何れかの方向から他方向に切換
わるまでの時間が、前記電動機を駆動するスイッチング
素子のオン状態からオフ状態への切換わりに要する所定
時間以内のときは、前記電動機を少なくとも前記所定時
間停止させた後、前記電動機を前記他方向の前記操舵ト
ルクを補充すべく駆動制御するものである。
[作用] 本発明においては、トルクセンサでステアリングホイ
ールに加えられた操舵トルクを検出し、そのトルクセン
サの出力に応じて前記操舵トルクを補充するように電動
機を駆動制御して、前記電動機の回転を減速機構で減速
させ、その回転をステアリングシャフトに伝達すること
により、前記電動機でステアリングホイールを回動させ
る操舵トルクを補う。
ステアリングホイールに加えられた操舵トルクの方向
が逆転したときも、前記操舵トルクを補充すべく電動機
を駆動制御する。しかし、ステアリングホイールに加え
られた操舵トルクの方向が逆転し、その逆転に至る時間
が所定時間以内のとき、前記操舵トルクを補充すべく駆
動制御する電動機を一定時間だけ停止さた後、前記逆転
方向の操舵トルクを補充すべく電動機を駆動制御するも
のである。
[実施例] 第1図は本発明の実施例の電動式パワーステアリング
装置の電子制御手段の回路構成図、第2図は上記実施例
の電動式パワーステアリング装置の概要を示す斜視図、
第3図は第2図の実施例を操舵力を補助する電動機を有
する補助動力供給手段の拡大断面図である。また、第4
図は第3図に示すスリーブ30の外面を示す正面図、第5
図は第3図に示す切断線X−Xによる断面図である。
第2図及び第3図において、ステアリングホイールが
固着された第1ステアリングシャフト2には、第1ユニ
バーサルジョイント4で第2ステアリングシャフト5が
接続されている。第2ステアリングシャフト5には、第
2ユニバーサルジョイント6でロッド7が接続されてい
る。このロッド7には減速機構9のピニオンギア22(第
3図参照)を有する出力軸21(第3図参照)に結合され
ている。
前記ピニオンギア22は、タイロッド10に固着されたラ
ック11と噛合っている。タイロッド10は車輪12のステア
リングナックルアーム16に結合されている。車輪12の車
軸にはショックアブソーバ13が結合されており、このシ
ョックアブソーバ13のサスペンションアッパーサポート
14に車体が結合されている。コイルスプリング15はサス
ペンションアッパーサポート14と車軸の間に介在せしめ
た振動緩衝用である。また、18はロワーサスペンション
アーム、19はスタビライザーバーである。
ロッド7の上端は第2ユニバーサルジョイント6を介
して第2ステアリングシャフト5に結合されている。ロ
ッド7の上端部のやや下方に、ピン29により減速機構ケ
ース31に軸支されたスリーブ30が固着されている。ま
た、ロッド7はスリーブ30を貫通し、かつ、出力軸21の
内方に挿入して、その下端部にはピン20により出力軸21
が固定されている。出力軸21は減速機構ケース24に軸支
されており、その下端部に形成されたピニオンギア22が
ラック11に噛合っている。
したがってステアリングホイール1が回転すると、第
1ステアリングシャフト2、第1ユニバーサルジョイン
ト4、第2ステアリングシャフト5及び第2ユニバーサ
ルジョイント6、ロッド7を介して、出力軸21が回転駆
動され、これにより出力軸21に形成されたピニオンギア
22と噛合うラック11が第3図の紙面に垂直な方向(第2
図ではタイロッド10の伸びる方向)に駆動されて、車輪
12の向きが変更される。また、出力軸21の中空の上端に
はリングギア23が形成されており、ケース24に軸支され
た中間ギア25に噛合っている。中間ギア25と同軸で、か
つ、一体のもう1つの中間ギア26は入力ギア27に噛合っ
ている。入力ギア27は電動機8の図示しない出力軸との
間に介在されたクラッチ機構CLの出力回転軸28に固着さ
れている。クラッチ機構CLが結合した状態では、電動機
8が附勢されると、入力ギア27から中間ギア26、中間ギ
ア25からリングギア23を経て出力軸21が回転し出力軸21
に形成されたピニオンギア22と噛合うラック11が第2図
の紙面と垂直方向に駆動されて、車輪12の向きが変更さ
れる。
このようにして、ステアリングホイール1の回転及び
電動機8の正逆転附勢のいずれによっても車輪の向きが
変更される。しかし、クラッチ機構CLが開放された状態
では、電動機8の図示しない出力軸とクラッチ機構CLの
出力回転軸28との間にエネルギーの伝達は行なわれない
から、外的に加えられたステアリングホイール1の回転
によって車輪の向きが変更される。
前記スリーブ30にはホイール32が回転可能に装着され
ている。即ち、スリーブ30がホイール32を貫通してい
る。スリーブ30の外側面には、スリーブ30の中心軸に対
して斜交した丸底溝33が形成されており、この丸底溝33
にはボール34が嵌合されている。前記ボール34はホイー
ル32に支持されており、嵌合溝35に出力軸21に上端に固
着されたピン36の上端が位置している。このピン36がホ
イール32の回転を拘束する。
したがって、ロッド7が回転するとスリーブ30と出力
軸21が回転するが、スリーブ30はロッド7の上端に、出
力軸21はロッド7の下端にそれぞれ固着されているの
で、出力軸21の負荷が大きいロッド7が捩れる。この捩
れ量の相当分、スリーブ30と出力軸21の回転角度がず
れ、ホイール32はピン36を介して出力軸21と同じ方向に
回動するようになっているので、回転角度のずれは、ス
リーブ30とホイール32の回転角度のずれとなる。
また、第5図において、スリーブ30及び出力軸21は、
この部分で平面状に形成されており、それぞれ対向する
二平面部23aを有している。この二平面図23aは所定値を
超えるスリーブ30と出力軸21の回転角度のずれを制限し
ている。
即ち、二平面部23aで制限された範囲内では、前記回
転角度のずれ相当分、ホイール32に対してスリーブ30が
余分に回転することになり、スリーブ30の丸底溝33がス
リーブ30の中心軸に斜交しているので、この丸底溝33に
よりボール34が上方または下方に押され、ボール34を支
持しているホイール32が上方または下方に移動する。し
たがって、ステアリングホイール1に加えられる操舵ト
ルクが前記所定値以下であれば、前記操舵トルクはロッ
ド7の捩れに対応し、前記捩れ量に対応してホイール32
が上方または下方位置に移動する。即ち、ホイール32の
上方または下方の方向の変位は、前記所定値以下の操舵
トルクに対応する。
ホイール32は環状溝37を有し、前記環状溝37にボール
39が係合されている。前記ボール39は弾性板38の一端に
支持されている。弾性板38の他端は固定されている。前
記弾性板38には、表面及び裏面にそれぞれ1個の合計2
個の歪検出素子からなるトルクセンサ40が接合されてい
る。これら、2個の歪検出素子はシリーズ接続され、接
続点の電位がトルク検出信号として出力される。
したがって、ステアリングホイール1に加えられた操
舵トルクに対応してロッド7が捩れ、ホイール32が零位
置から上移動または下移動すると、溝37ボール39との結
合で弾性板38が上反りまたは下反りに曲り、トルクセン
サ40がホイール32の変位量(操舵トルク零位置からの変
位量)、即ち、ロッド7の捩れ量がある印加された操舵
トルクを示す電気信号を発生する。前述したように、ロ
ッド7の捩れ量は出力軸と21とスリーブ30とに形成され
た二平面部23aにより制限されているので、トルクセン
サ40は前記所定範囲内の操舵トルクの印加に対しては線
形の、前記所定範囲を超える操舵トルクの印加に対して
は飽和する出力となる。
上記のように構成された電動式パワーステアリング装
置を駆動制御する電子制御手段は第1図のようになる。
本実施例の制御回路を構成するマイクロコンピュータ
CPUは1チップマイクロコンピュータからなるもので、
公知のようにROM及びRAM及びタイマ、カウンタ等を内蔵
している。その電源は定電圧回路CCから供給されてい
る。前記マイクロコンピュータCPUの入力には、車速に
応じて回転する永久磁石MG及びリードスイッチLS及び抵
抗R6からなる車速センサSPのパルス数出力が波形整形回
路WSで波形整形した後入力されている。
上記歪検出素子の抵抗r1,r2及び固定抵抗r3,r4からな
るトルクセンサ40の出力は、増幅器AMP1及び比例・積分
・微分制御定数を補償する制御補償回路PIDを介してマ
ルチプレクサを内蔵するA/D変換回路ADを介して、マイ
クロコンピュータCPUに入力されている。また、前記歪
検出素子からなるトルクセンサ40の出力は、センサ異常
検出回路SAを介して入力されている。
また、前記A/D変換回路ADには電動機8の駆動電流
は、電流検出抵抗R5の電圧降下として検出し、増幅器AM
P2を介して入力されている。
一方、マイクロコンピュータCPUの出力は、リレード
ライブ回路DR3を介してリレーRYに接続されている。し
たがって、マイクロコンピュータCPUのリレー出力が
“1"のとき、リレーRYを励磁して、その接点ryを閉じ
る。また、“0"のとき、リレーRYを非励磁してその接点
ryを開くことができる。したがって、リレーRYを非励磁
とすれば、その接点ryを開き、後述する左信号及び右信
号及びPWM信号(デューティ比信号の出力の比率)に関
係なく電動機8の回転を停止状態とすることができ、フ
ェールセーフ対応を持たせることができる。
また、マイクロコンピュータCPUの出力は、クラッチ
ドライブ回路DR5を介してクラッチ機構CLのコイルに接
続されており、マイクロコンピュータCPUのリレー出力
が“1"のとき、クラッチ機構CLを結合状態に、“0"のと
き解放状態となる。
トランジスタQ1及びベース抵抗R1はスイッチング回路
を構成し、マイクロコンピュータCPUの左信号ノ“1"は
ドライブ回路DR1を介してトランジスタQ1がオンとな
り、また、左信号の“0"によりトランジスタQ1がオフと
なる。同様に、トランジスタQ2及びベース抵抗R2はスイ
ッチング回路を構成し、マイクロコンピュータCPUの右
信号の“1"はドライブ回路DR1を介してトランジスタQ2
がオンとなり、また、右信号の“0"によりトランジスタ
Q2がオフとなる。
そして、トランジスタQ3及びベース抵抗R3はスイッチ
ング回路を構成し、マイクロコンピュータCPUのPWM信号
の“1"でドライブ回路DR2を介してトランジスタQ3がオ
ンとなり、また、PWM信号の“0"によりトランジスタQ3
がオフとなる。同様に、トランジスタQ4及びベース抵抗
R4はスイッチング回路を構成し、マイクロコンピュータ
CPUのPWM信号の“1"はドライブ回路DR2を介してトラン
ジスタQ4がオンとなり、また、PWM信号の“0"によりト
ランジスタQ4がオフとなる。
したがって、電動機8はトランジスタQ1が左信号の
“1"によりオン状態となると、または、トランジスタQ2
右信号の“1"によりオン状態となると、マイクロコンピ
ュータCPUのPWM信号に応じて左回転または右回転する。
なお、ダイオードD1からダイオードD4はトランジスタ
Q1からトランジスタQ4の破壊を防止するフライホイール
用である。
また、マイクロコンピュータCPUの出力は、LEDドライ
ブ回路DR4に入力され、トルクセンサ40の異常時に発光
ダイオードLEDを繰返し点滅により点灯出力する。
このように構成された本実施例の電動式パワーステア
リング装置のマイクロコンピュータCPUは、次のように
プログラム制御されるものである。
第6図は上記実施例の電動式パワーステアリング装置
の制御を行なうメインプログラムのフローチャート、第
7図は上記実施例の電動式パワーステアリング装置の制
御を行なう『左右方向判別処理ルーチン』のフローチャ
ート、第8図は上記実施例の電動式パワーステアリング
装置の制御を行なう『タイミング設定ルーチン』のフロ
ーチャートである。
まず、イグニッションスイッチIGのオンでこのメイン
プログラムをスタートさせ、ステップS1でマイクロコン
ピュータCPUが内蔵するRAM及びタイマをクリア、フラグ
を下し、各出力ポートを初期設定する。ステップS2でク
ラッチ機構CLを結合すると共に、リレードライブ回路DR
3を介してリレーRYを励磁し、接点ryを閉じる。ステッ
プS3でトルクセンサ40の出力を増幅器AMP1、比例・積分
・微分制御定数を補償する制御補償回路PID、マルチプ
レクサを内蔵するA/D変換回路ADを介して入力し、その
ときのトルクセンサ40の出力をメモリにストアする。ス
テップS4で『左右方向判別ルーチン』をコールして実行
し、続いて、ステップS5で『タイミング設定ルーチン』
のコールして実行し、ステップS6で今回の電動機8の回
転方向を記憶するメモリD1のデータ及び電動機8に供給
するPWM信号、即ち、デューティ比信号を出力し、ステ
ップS3からステップS6のルーチンを繰返し実行すること
により、ステアリングホイール1を制御する。
『左右方向判別ルーチン』ではステップS11でメモリ
にストアしたトルクセンサ40の出力を右方向回転ルーチ
ン閾値CR以上であるか判断する。右方向回転トルク閾
値CR以上のとき、ステップS12でメモリD1に右方向回転
トルクが必要である旨の信号「10」を記憶し、このルー
チンを脱する。なお、前記格納されたメモリD1の信号
は、メインプログラムのステップS6でマイクロコンピュ
ータCPUの出力ポートOP0に右回転信号を出力することに
なる。
また、ステップS11で右方向回転トルク閾値CR以上で
ないとき、ステップS13でメモリにストアしたトルクセ
ンサ40の出力が左方向回転トルク閾値CL以下であるか
判断する。左方向回転トルク閾値CL以下のとき、ステ
ップS14でメモリD1に左方向回転トルクが必要である旨
の信号「01」を記憶し、このルーチンを脱する。なお、
前記格納されたメモリD1の信号は、前述したように、ス
テップS6でマイクロコンピュータCPUの出力ポートOP7に
左回転信号を出力することになる。
そして、ステップS11で右方向回転トルク閾値CR以上
でなく、ステップS13で左方向回転トルク閾値CL以下で
もないとき、メモリにストアしたトルクセンサ40の出力
が両閾値の間に設定された不感帯にあることを意味する
ことから、ステップS15でメモリD1にトルクセンサ40の
出力が不感帯にある旨の信号「11」を記憶し、このルー
チンを脱する。
『タイミング設定ルーチン』では、ステップS21で前
回の電動機8の回転方向を記憶したメモリD0が、今回の
回転方向を記憶したメモリD1に等しいか否かを判断し、
また、ステップS22とステップS23で前回の電動機8の回
転方向を記憶したメモリD0が不感帯であったか、今回の
回転方向を記憶したメモリD1が不感帯であるかを判断す
る。そして、前回の電動機8の回転方向を記憶したメモ
リD0が、今回の回転方向を記憶したメモリD1に等しいと
き、ステップS22またはステップS23で前回の電動機8の
回転方向を記憶したメモリD0が不感帯のとき、今回の回
転方向を記憶したメモリD1が不感帯のとき、ステップS2
8のタイマTをクリアする。ステップS29で前回の電動機
8の回転方向を記憶するメモリD0に今回の回転方向を記
憶したメモリD1の内容を移し、そして、ステップS30で
メモリMnにストアしたトルクセンサ40の出力を用いて、
電動機8に供給するPWM信号、即ち、デューティ比信号
の出力を算出する。なお、ここで計算されたPWM信号
は、メインプログラムのステップS6でマイクロコンピュ
ータCPUの回転信号と同時に出力され、トランジスタQ1
〜Q4をオン・オフ制御する。
また、ステップS21で前回の電動機8の回転方向を記
憶したメモリD0が、今回の回転方向を記憶したメモリD1
に等しくないときでも、しかも、ステップS22及びステ
ップS23で前回の電動機8の回転方向を記憶したメモリD
0、今回の回転方向を記憶したメモリD1が不感帯でない
と判断したとき、即ち、前回の電動機8の回転方向が今
回逆転したとき、ステップS24でタイマTが所定の閾値
t[μs]以上であるか判断し、タイマTが所定の閾値
t[μs]よりも短いとき、ステップS25でタイマTを
インクリメントし、ステップS26で今回の回転方向を記
憶したメモリD1が不感帯である旨の信号「11」とし、ス
テップS27でメモリMnにストアしたトルクセンサ40の出
力を用いることなく、電動機8に供給するPWM信号、即
ち、デューティ比信号の出力を「0」とする。このデュ
ーティ比信号の「0」は、メインプログラムのステップ
S6でマイクロコンピュータCPUの回転信号と同時に出力
され、全トランジスタQ1〜Q4をオフ状態とする。
そして、ステップS24でタイマTが所定の閾値t[μ
s]以上であると判断したとき、ステップS28でタイマ
Tをクリアする。そして、ステップS29で前回の電動機
8の回転方向を記憶するメモリD0に今回の回転方向を記
憶したメモリD1の内容を移し、そして、ステップS30で
メモリMnにストアしたトルクセンサ40の出力を用いて、
電動機8に供給するPWM信号を算出する。
上記のように本実施例の電動式パワーステアリング装
置は、ステアリングホイール1に加えられた操舵トルク
を検出するトルクセンサ40と、前記トルクセンサ40の出
力に応じて前記操舵トルクを補充すべく駆動制御する電
動機8及び前記電動機8の回転を減速させ、その回転を
ステアリングシャフトに伝達する減速機構9及び前記電
動機8と減速機構9との間に介在させたクラッチ機構CL
等によって、ステアリングホイール1に加えられた操舵
トルクに応じて、ステアリングホイール1を回動する方
向に操舵トルクを補うべく制御している。
そして、ステアリングホイール1に加えられた操舵ト
ルクの方向が逆転を『タイミング設定ルーチン』のステ
ップS21からステップS23では判断すると、その逆転に至
る時間をタイマTで測定し、その逆転に至る時間が所定
時間t[μs]内のとき、前記操舵トルクを補充すべく
駆動制御する電動機8を停止状態とし、前記電動機8を
任意の時間、即ち、本実施例では所定時間t[μs]停
止させた後、前記逆転方向の操舵トルクを補充すべく電
動機8を駆動制御するものである。
したがって、例えば、電動機8を右方向に駆動してい
るとき、トランジスタQ1がオフ、トランジスタQ4がオフ
状態で、トランジスタQ2がオン、また、トランジスタQ3
はPWM信号によってオン・オフ制御される。この状態
で、急激にステアリングホイール1を左方向に回動する
と、電動機8を左方向に駆動するため、それまでオン状
態であったトランジスタQ2がオフ、トランジスタQ3がオ
フとなる。そして、新たにトランジスタQ1がオンとな
り、また、トランジスタQ4はPWM信号によってオン・オ
フ制御される。このとき、トランジスタQ2及びトランジ
スタQ3がオフとなり、トランジスタQ1がオン、トランジ
スタQ4がオンとなるまでに、所定時間t[μs]だけ、
トランジスタQ1〜Q4をオフとする時間が存在し、このト
ランジスタQ1〜Q4をオフとする所定時間t[μs]をこ
のトランジスタQ1〜Q4がその少数キャリヤの蓄積効果に
かかわらず、十分に遮断状態に至るまでの時限に設定し
ておけば、トランジスタQ1〜Q4が短絡状態に陥る可能性
を回避できる。
なお、上記実施例の電動式パワーステアリング装置で
は、トランジスタQ1〜Q4がその少数キャリヤの蓄積効果
によって短絡状態に陥る可能性を回避できる構成とした
ものであるが、本発明を実施する場合には、トランジス
タQ1〜Q4をスイッチング素子とするものに限定されるも
のでなく、パワーMOS−FET、サイリスタ等のスイッチン
グ素子にも同様に使用できる。
また、上記実施例電動式パワーステアリング装置で
は、逆転に至る時間をタイマTで測定し、その逆転に至
る時間が所定時間t[μs]内のとき、操舵トルクを補
充すべく駆動制御する電動機8を停止状態とし、前記電
動機8を所定時間t[μs]停止させた後、前記逆転方
向の操舵トルクを補充すべく電動機8を駆動制御するも
のであるが、本発明を実施する場合には、逆転に至る時
間が所定時間t内のとき、操舵トルクを補充すべく駆動
制御する電動機8を停止状態とする所定時間t0を互いに
異にする時間(t=t0)とすることもできる。
[発明の効果] 以上のように、本発明は、ステアリングホイールに加
えられた操舵トルクに応じて、ステアリングホイールを
回動する方向に操舵トルクを補うべく制御する電動式パ
ワーステアリング装置において、ステアリングホイール
に加えられた操舵トルクの方向が逆転し、その逆転に至
る時間が所定時間以内のとき、前記操舵トルクを補充す
べく駆動制御する電動機を停止状態とし、前記電動機を
任意の時間停止させた後、前記逆転方向の操舵トルクを
補充すべく駆動制御するものである。
したがって、ステアリングホイールを急激に回動方向
を逆転させても、それまでオン状態であったスイッチン
グ素子が十分にオフ状態となった状態で、逆転方向の操
舵トルクを補充すべく駆動制御できるから、電動機の回
転制御するスイッチング素子が短絡状態に陥る可能性を
回避できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の電動式パワーステアリング装
置の電子制御手段の回路構成図、第2図は上記実施例の
電動式パワーステアリング装置の概要を示す斜視図、第
3図は第2図の実施例の操舵力を補助する電動機を有す
る補助動力供給手段の拡大断面図、第4図は第3図に示
すスリーブの外面を示す正面図、第5図は第3図に示す
切断線X−Xによる断面図、第6図は本発明の実施例の
電動式パワーステアリング装置の制御を行なうメインプ
ログラムのフローチャート、第7図は同じく本実施例の
電動式パワーステアリング装置の制御を行なう『左右方
向判別処理ルーチン』のフローチャート、第8図は同じ
く本実施例の電動式パワーステアリング装置の制御を行
なう『タイミング設定ルーチン』のフローチャート、第
9図はトランジスタによって制御される電動機の回転方
向切換回路の説明図である。 図において、 1:ステアリングホイール 8:電動機 40:トルクセンサ Q1〜Q4:トランジスタ CPU:マイクロコンピュータ である。 なお、図中、同一符号及び同一記号は、同一または相当
部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイールに加えられた操舵ト
    ルクをトルクセンサにより検出し、このトルクセンサに
    より検出された前記操舵トルクに応じて前記操舵トルク
    を補うための電動機を駆動制御する電動式パワーステア
    リング装置において、 前記トルクセンサにより検出された前記操舵トルクの方
    向が左右両方向の何れかの方向から他方向に切換わるま
    での時間が、前記電動機を駆動するスイッチング素子の
    オン状態からオフ状態への切換わりに要する所定時間以
    内のときは、前記電動機を少なくとも前記所定時間停止
    させた後、前記電動機を前記他方向の前記操舵トルクを
    補充すべく駆動制御するように構成したことを特徴とす
    る電動式パワーステアリング装置。
JP7944889A 1989-03-30 1989-03-30 電動式パワーステアリング装置 Expired - Lifetime JP2816366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7944889A JP2816366B2 (ja) 1989-03-30 1989-03-30 電動式パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7944889A JP2816366B2 (ja) 1989-03-30 1989-03-30 電動式パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02256560A JPH02256560A (ja) 1990-10-17
JP2816366B2 true JP2816366B2 (ja) 1998-10-27

Family

ID=13690162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7944889A Expired - Lifetime JP2816366B2 (ja) 1989-03-30 1989-03-30 電動式パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2816366B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6150076U (ja) * 1984-09-06 1986-04-04
JPS63316678A (ja) * 1987-06-19 1988-12-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動吸込具の電力制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02256560A (ja) 1990-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5963264A (ja) 電動パワ−ステアリング装置
JP2682564B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3391628B2 (ja) 電動パワーステアリングの制御装置
JP2715473B2 (ja) 電動パワーステアリング装置のフエイルセイフ装置
JPH0624953B2 (ja) 電動式パワ−ステアリング装置
JPH08119134A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2528119B2 (ja) 電動機式動力舵取装置
JP2001030933A (ja) 電気式パワーステアリング装置
JP2816366B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2764737B2 (ja) パワーステアリング装置
JPH02270617A (ja) 可変スタビライザ装置
JPH08142886A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JPH01247272A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3729656B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3447087B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JPH02256561A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3362528B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JPH05338544A (ja) モータ制御装置
JP2004210200A (ja) 車両用操舵制御装置
JP2002037097A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2000289626A (ja) ステアリング位置調整制御装置
JPH03231070A (ja) パワーステアリング装置
JP2938494B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2000289638A (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH01248927A (ja) Pwm制御モータの異常検出装置