JP2815577B2 - スピンフリ−スシ−トを連続的に製造するための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、処理シャフトと、
プロセス空気用の吹き込み送風機を備えた吹き込み装置
と、下方引き出し管路を備えたフィラメント用の伸長装
置と、ディフュ−ザ−を備えたフィラメント用の送り出
し装置と、下方引き出し管路およびディフュ−ザ−との
間の周囲空気流入スリットと、連続的に回転しながら同
一形状で導かれるスクリ−ンベルトを備えたスクリ−ン
機械と、スクリ−ンベルトの搬送方向においてディフュ
−ザ−の前にある第一の押し当てロ−ル対と、スクリ−
ンベルトの搬送方向においてディフュ−ザ−の後にある
第二の押し当てロ−ル対と、スクリ−ンベルトの下の下
部押し当てロ−ルの間にある吸い込みシャフトを備えた
吸い込み送風機とを具備し、プロセス空気が、伸長装置
から送り出し装置内に流入し、且つスピンフリ−スが、
スクリ−ンベルト上に載せられる、熱可塑性プラスチッ
クから成る空気力学的に引き延ばされたフィラメントか
ら、スピンフリ−スシ−トを連続的に製造するための装
置に関する。処理シャフトからスクリ−ンベルトまで
の、フィラメントの経路に亘って、或いはそこから生ず
るフィラメントのカ−テンの経路に亘って、この装置が
上記の開口部に至るまで閉鎖されており、またフィラメ
ント、或いはフィラメントのカ−テンが、周囲空気なし
で通過する領域が存在しないことは当然である。

【０００２】上述の構造および設定目的の装置は、さま
ざまな実施形態で公知になっている。これらの装置は、
フィラメントが、狭い限度の中であらかじめ与えられた
材料に依存した伸長を生じ、且つスピンフリ−スシ−ト
が全長および全幅に亘って狭い限度の中で、面積当り重
量としても通用する、正確な、製品に応じたフィラメン
ト密度を有するように設計され、調整され、且つ操作さ
れなければならない。その限りにおいて、この装置は、
製品に応じて、且つその限りで、材料に応じて操作する
ことが出来、且つまた製品に応じて調整可能でなければ
ならない。

【０００３】

【従来の技術】本発明の基になった公知の装置（ドイツ
特許第４３１２４１９号）の場合には、伸長装置と送り
出し装置との機能的な分離の努力がなされている。この
ために、当該装置は、特別に設計されている。中間管路
とも表示することが出来る、吹き込み装置に接続する冷
却チャンバは、下方引き出し管路内に移行している。下
方引き出し管路は、中間管路の最小の断面よりも係数
０．９から０．０１だけ小さい管路幅を持っている。下
方引き出し管路の出口には、一個の凹部が存在する。下
方引き出し管路は、金属板から成るノズル壁を備えたケ
−ス状の構造部材として実施され、空気静力学的圧力に
よって制約された下方引き出し管路壁の変形が、対応す
る密閉されたケ−ス状の構造部材の制御可能または調節
可能な内圧によって補整されている。下方引き出し管路
には、ベンチュリ状の入口とその入口の領域に周囲空気
吸い込み開口部を備えたディフュ−ザ−が接続してい
る。スクリ−ンベルトの下の吸い込み送風機は、ベンチ
ュリノズルを通して吸い込み可能な空気量を制御する。
この限りで、公知の方策は実証済みであるが、製造され
る製品との関連でさまざまな運転事情に適合させるため
には、冒頭に述べた運転方法の弾力性に関連して改善が
可能である。このことは、類似の構造を有する装置（ド
イツ特許第４４１４２７７号）にも当てはまる。この場
合には、下方引き出し管路内のプロセス空気速度と紡糸
速度との間に特別な調和がなされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造すべき
製品およびそれ故製品材料に関して、冒頭に記載した構
造の装置を特に弾力的に形成するという技術的課題を基
礎に置くものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、冒頭に記載した装置から出発して、送り
出し装置から伸長装置を機能的に分離する目的のため
に、次の特徴、すなわち１．１）吹き込み送風機および
吸い込み送風機が、互いに独立に操作可能または制御可
能であること、１．２）下方引き出し管路が、スリット
幅に関連して、伸長装置から送り出し装置を空気力学的
に隔離する制動空気シャフトとして形成されているこ
と、１．３）周囲空気流入スリットが、スリット幅に関
して調整可能であること、なる特徴が実現されており、
その場合に、製品に左右される運転事情に応じて装置の
弾力性を整える目的のために、スクリ−ンベルト上のデ
ィフュ−ザ−内で、周囲空気の静的圧力とわずかしか相
違しない、流れ出る吸い込み空気の静的圧力が調整さ
れ、且つディフュ−ザ−内で、周囲空気流入スリットを
経て周囲空気と混合された吸い込み空気が、フィラメン
トの束の形成を回避する遅延を生ずるように、周囲空気
流入スリットのスリット幅および吸い込み送風機の吸い
込み配管が調整されることを提唱する。

【０００６】本発明は、本発明の基礎となる技術的課題
の解決のための前提条件が、伸長装置と送り出し装置と
の間にきれいな機能的分離を実施することにある、とい
う認識から出発するものである。本発明は、特徴１．
１）、１．２）および１．３）によって、なおまた、こ
れによって達成される本装置の運転のための調整パラメ
タ−によって、この機能的分離を達成する。制動空気シ
ャフトなる概念は、本装置の運転の際に、常にプロセス
空気が下方引き出し管路から流出し、且つディフュ−ザ
−内に流入するが、それは送り出し装置内の圧力変化
が、吹き込み装置内の空気力学的関係に有害な作用をな
すことを防止する流量と運動エネルギ−によって行なわ
れるものであり、そしてその逆もそのとおりであること
を意味する。従って、本発明による装置は、送り出し過
程、およびそれ故スピンフリ−ス形成に有害な作用を及
ぼすことなしに、吹き込み装置および吹き込みおよび冷
却過程に関して最適化をなさしめることが出来るのであ
る。逆に、送り出し装置は、吹き込み装置に障害をもた
らすことなしに、スピンフリ−ス形成に関して最適化を
行なうことが出来る。本発明の更なる特徴が、ディフュ
−ザ−内の静的圧力の調整およびフィラメントの束の形
成を回避する遅延の調整によって実現されるときは、こ
の前提条件によって、さまざまな材料から成るさまざま
な製品の製造に関して、本発明による装置に高度の弾力
性が与えられるのである。

【０００７】詳細には、本発明による装置の更なる形態
および構成には、多くの可能性が存在する。本発明の優
れた実施形態のひとつは、下方引き出し管路が、ディフ
ュ−ザ−入口に向かって、垂直方向断面においてくさび
形に集中していることを特徴とする。吹き込み装置の出
口と下方引き出しシャフトの入口との間には、中間管路
を配置することが出来る。本発明の優れた実施形態によ
れば、吹き込み装置の出口から下方引き出し管路の入口
までの中間管路は、垂直断面において、下方引き出し管
路の入口幅に向かってくさび形に集中している。上記の
処置は、ディフュ−ザ−装置からの吹き込み装置の機能
的な分離を支援する。

【０００８】更に、下方引き出し管路が周囲空気流入ス
リットの領域内で鋭角で終わっていることが、双方の装
置の機能的な分離のために寄与する。周囲空気流入スリ
ットが、丸められた流入枠縁を経てディフュ−ザ−内に
口を開いていることは、空気力学見地からも有利であ
る。ディフュ−ザ−も、スクリ−ンベルトの上で、或い
はまさに形成されたばかりのスピンフリ−スの上で効果
的に鋭角で終わっている。本発明の枠内で、本発明の基
になった技術的課題を解決するために追加的に寄与する
簡単な、更なる調整パラメタ−を実行することが出来
る。それ故、ディフュ−ザ−の、ディフュ−ザ−を形成
する側壁を調整可能に配置することが出来、且つこれに
よってディフュ−ザ−角度を調整可能にすることが出来
る。これは、ディフュ−ザ−の中心面に関して相称また
は非相称に行なうことが出来る。それに応じて、下方引
き出し管路の管路幅を調整可能にすることが出来る。下
方引き出し管路の末端ならびにディフュ−ザ−の入口
が、水平な面および／または垂直な面に配置されている
ことも、更なる調整パラメタ−に属する。これは、現代
の駆動技術の通常の調整運転によって行なうことが出来
る。

【０００９】以下、実施例を一つだけ記載した図面を基
として、本発明の詳細を説明すれば、次のとおりであ
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】図面に記載されている装置は、熱
可塑性プラスチックから成る空気力学的に引き延ばされ
たフィラメントから、スピンフリ−スシ−トを連続的に
製造するために使用される。フィラメント１は、処理シ
ャフト２から出て、カ−テン状のフィラメントを形成す
る。本装置の基本的な構成には、処理シャフト２ととも
に、プロセス空気用の吹き込み送風機を備えた吹き込み
装置３と、下方引き出し管路５を備えたフィラメント１
用の伸長装置４と、ディフュ−ザ−７を備えたフィラメ
ント１用の送り出し装置６と、下方引き出し管路５およ
びディフュ−ザ−７との間の周囲空気流入スリット８
と、連続的に回転しながら同一形状で導かれるスクリ−
ンベルト１０を備えたスクリ−ン機械９とが所属する。
更に、本装置には、スクリ−ンベルト１０の搬送方向に
おいてディフュ−ザ−７の前にある第一の押し当てロ−
ル対１１と、スクリ−ンベルト１０の搬送方向において
ディフュ−ザ−７の後にある第二の押し当てロ−ル対１
２も所属している。この場合、ディフュ−ザ−７と押し
当てロ−ル対１１、１２との間の領域１３は、密閉する
ことが出来る。スクリ−ンベルト１０の下には、それぞ
れ押し当てロ−ル対１１、１２の下部押し当てロ−ル１
１ｂ、１２ｂの間に配置されている吸い込みシャフト１
５を備えた吸い込み送風機１４が存在する。プロセス空
気は、伸長装置４から送り出し装置６内に流入する。ス
ピンフリ−スは、スクリ−ンベルト１０の上に載せられ
る。

【００１１】送り出し装置６から伸長装置４を機能的に
分離する目的のためには、特別な方策が実施されてい
る。吹き込み送風機および吸い込み送風機１４は、互い
に独立に操作可能であり、且つ制御可能であり、これに
よって、対応する空気の流量が、互いに独立に操作可能
であり、且つ制御可能である。下方引き出し管路５は、
スリット幅に関連して、伸長装置４から送り出し装置６
を空気力学的に隔離する制動空気シャフトＳとして形成
されている。この場合、制動空気シャフトＳは、すでに
前述したように機能する。周囲空気流入スリット８は、
スリット幅に関して調整可能である。この特徴の組合せ
から出発して、製品に左右される運転事情に応じて弾力
性を整える目的のために、更なる措置が実現されてい
る。スクリ−ンベルト１０上のディフュ−ザ−７内で
は、周囲空気の静的圧力とわずかしか相違しない、流れ
出る吸い込み空気の静的圧力が調整されるようにして、
周囲空気流入スリット８のスリット幅および吸い込み送
風機１４の吸い込み配管が調整される。その他の点で
は、周囲空気流入スリット８を経て周囲空気と混合され
た吸い込み空気が、ディフュ−ザ−７内でフィラメント
１の束の形成を回避するような遅延を生ずるように、設
計がなされている。吸い込み空気の流量が、一方におい
てはプロセス空気から、そして他方においては周囲空気
流入スリット８を経て流入する空気から形成される、各
流量部分から構成されることは当然である。

【００１２】図１においては、尺度的な理由から特に明
白ではないが、下方引き出し管路５が、ディフュ−ザ−
入口へ向かって垂直断面においてくさび形に集中してい
ることが認められる。実施例においては、吹き込み装置
３の出口と下方引き出し管路５の入口との間に、中間管
路１６が存在する。中間管路１６も、吹き込み装置３の
出口から下方引き出し管路５の入口に向かって、くさび
形に集中している。下方引き出し管路５は、周囲空気流
入スリット８の領域内で鋭角で終わっているが、これに
ついては特に図３を参照されたい。図３においては、周
囲空気流入スリット８が、丸められた流入枠縁１７を経
てディフュ−ザ−７内に口を開いていることも認められ
る。ディフュ−ザ−７は、図２に示すように、鋭角的に
スクリ−ンベルト１０上に口を開いている。図２におい
ては、ディフュ−ザ−７の、ディフュ−ザ−を形成する
側壁１８が位置調整可能であること、およびこれによっ
てディフュ−ザ−角度が調整可能であることも認められ
る。これは、中心面Ｍに対して相称に、または非相称に
行なうことが出来る。後の場合は、同じく調整可能であ
る下方引き出し管路５の管路幅に関しても当てはまる。
図３においては、下方引き出し管路５の末端ならびにデ
ィフュ−ザ−７の入口が、水平面或いは垂直面において
位置調整可能であることが、二重矢印によって暗示され
ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による装置の垂直断面図である。

【図２】図１の対象物の部分Ａの拡大図である。

【図３】図２の対象物の部分Ｂの拡大図である。

【符号の説明】

１…フィラメント ２…処理シャフト ３…吹き込み装置 ４…伸長装置 ５…下方引き出し管路 ６…送り出し装置 ７…ディフュ−ザ− ８…周囲空気流入スリット ９…スクリ−ン機械 １０…スクリ−ンベルト １１…第一の押し当てロ−ル対 １１ｂ…下部押し当てロ−ル １２…第一の押し当てロ−ル対 １２ｂ…下部押し当てロ−ル １３…領域 １４…吸い込み送風機 １５…吸い込みシャフト １６…中間管路 １７…流入枠縁 Ｍ…中心面 Ｓ…制動空気シャフト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンス、ゲオルク、ゲウス ドイツ、53859、ニーデルカセル−ライ ト、バーンホーフシュトラーセ、54アー (72)発明者 デトレフ、フライ ドイツ、53859、ニーデルカセル、ポス トシュトラーセ、18 (72)発明者 ゼバスティアン、ゾマー ドイツ、53844、トロイスドルフ、ゲー テシュトラーセ、３ (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) D04H 1/00 - 18/00

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 処理シャフトと、プロセス空気用の吹き
   込み送風機を備えた吹き込み装置と、下方引き出し管路
   を備えたフィラメント用の伸長装置と、ディフュ−ザ−
   を備えたフィラメント用の送り出し装置と、下方引き出
   し管路およびディフュ−ザ−との間の周囲空気流入スリ
   ットと、連続的に回転しながら同一形状で導かれるスク
   リ−ンベルトを備えたスクリ−ン機械と、スクリ−ンベ
   ルトの搬送方向においてディフュ−ザ−の前にある第一
   の押し当てロ−ル対と、スクリ−ンベルトの搬送方向に
   おいてディフュ−ザ−の後にある第二の押し当てロ−ル
   対と、スクリ−ンベルトの下の下部押し当てロ−ルの間
   にある吸い込みシャフトを備えた吸い込み送風機とを具
   備し、プロセス空気が、伸長装置から送り出し装置内に
   流入し、且つスピンフリ−スが、スクリ−ンベルト上に
   載せられる、熱可塑性プラスチックから成る空気力学的
   に引き延ばされたフィラメントから、スピンフリ−スシ
   −トを連続的に製造するための装置であって、送り出し
   装置から伸長装置を機能的に分離する目的のために、次
   の特徴、すなわち１．１）吹き込み送風機および吸い込
   み送風機が、互いに独立に操作可能または制御可能であ
   ること、１．２）下方引き出し管路が、スリット幅に関
   連して、伸長装置から送り出し装置を空気力学的に隔離
   する制動空気シャフトとして形成されていること、１．
   ３）周囲空気流入スリットが、スリット幅に関して調整
   可能であること、なる特徴が実現されており、その場合
   に、製品に左右される運転事情に応じて装置の弾力性を
   整える目的のために、スクリ−ンベルト上のディフュ−
   ザ−内で、周囲空気の静的圧力とわずかしか相違してい
   ない、流れ出る吸い込み空気の静的圧力が調整され、且
   つディフュ−ザ−内で、周囲空気流入スリットを介して
   周囲空気と混合された吸い込み空気が、フィラメントの
   束の形成を回避する遅延を生ずるように、周囲空気流入
   スリットのスリット幅および吸い込み送風機の吸い込み
   配管が調整されることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 下方引き出し管路が、ディフュ−ザ−入
   口へ向かって垂直断面においてくさび形に集中している
   ことを特徴とする、請求項１による装置。
3. 【請求項３】 吹き込み装置の出口と下方引き出し管路
   の入口との間に、中間管路が配置されていることを特徴
   とする、請求項１または２による装置。
4. 【請求項４】 吹き込み装置の出口から下方引き出し管
   路の入口までの中間管路が、垂直断面において、下方引
   き出し管路の入口幅に向かってくさび形に集中している
   ことを特徴とする、請求項３による装置。
5. 【請求項５】 下方引き出し管路が、周囲空気流入スリ
   ットの領域内で鋭角で終わっていることを特徴とする、
   請求項１から４のいずれか一による装置。
6. 【請求項６】 周囲空気流入スリットが、丸められた流
   入枠縁を経てディフュ−ザ−内に口を開いていることを
   特徴とする、請求項１から５のいずれか一による装置。
7. 【請求項７】 ディフュ−ザ−が、スクリ−ンベルト上
   で、或いはその上に載せられたスピンフリ−ス上で、鋭
   角的に口を開いていることを特徴とする、請求項１から
   ６のいずれか一による装置。
8. 【請求項８】 ディフュ−ザ−の、ディフュ−ザ−を形
   成する側壁が、位置調整可能であること、およびこれに
   よってディフュ−ザ−角度が調整可能であることを特徴
   とする、請求項１から７のいずれか一による装置。
9. 【請求項９】 下方引き出し管路の管路幅が、調整可能
   であることを特徴とする、請求項１から８のいずれか一
   による装置。
10. 【請求項１０】 下方引き出し管路の末端ならびにディ
    フュ−ザ−の入口が、水平面或いは垂直面において位置
    調整可能であることを特徴とする、請求項１から９のい
    ずれか一による装置。