JP2815530B2 - 画像形成装置の給紙カセット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機やレーザプリン
タ等の画像形成装置に適用される給紙カセットに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】画像形成装置は、帯電器，光学系および
現像器の一連動作により感光体上にトナー像を形成し、
このトナー像を転写器の作動により用紙に転写し、その
後、熱定着する構成とされているのが一般的である。

【０００３】上記画像形成装置の本体１には、図３に示
す如く、用紙Ｓを１枚づつ給紙するための給紙カセット
１Ｃが装着されている。給紙カセット１Ｃは、装置本体
１のカセット収容部２に引出し自在に装着されたカセッ
ト本体１１を有している。カセット本体１１には、基端
部１３の回転軸部１４を中心として回動可能に設けられ
た用紙載置板１２と，この用紙載置板１２を本体底面よ
り離隔する方向に付勢する付勢ばね１５と，用紙載置板
１２上に載置された複数用紙Ｓのうちの最上位用紙と係
合して１枚づつ分離可能な剥離爪１６，１６とから構成
されている。

【０００４】したがって、用紙載置板１２上に載置され
た複数用紙Ｓは、付勢ばね１５によって剥離爪１６，１
６に押し当てられ、送りローラ９の回転に伴い１枚づつ
感光体へ向けて送り出される。

【０００５】ところで、上記給紙カセット１Ｃには、カ
セット本体１１をカセット収容部２から引出す際に用紙
載置板１２（又は当該載置板１２上に載置された用紙）
が送りローラ９と摩擦係合しないように、かつ引出した
カセット本体１１に用紙を容易にセットできるように、
用紙載置板１２を付勢ばね１５の付勢力に抗して押し下
げて剥離爪１６，１６より所定距離だけ離れた退避位置
に位置決めするための姿勢変更機構が設けられている。

【０００６】姿勢変更機構は、図４に示す如く、用紙載
置板１２の略中央部に取付部１８を介して設けられた姿
勢変更シャフト１７と，カセット収容部２の側壁部５，
５に形成されシャフト１７を引出し方向に移動可能に被
嵌するカム溝部２７とから構成されている。カム溝部２
７は、用紙載置板１２を退避位置に位置決めするための
直線部２８と，用紙載置板１２上に載置された用紙Ｓが
剥離爪１６，１６と当接係合する用紙送り出し位置に位
置決めするための傾斜部２９とから形成されている。

【０００７】したがって、カセット本体１１を、カセッ
ト収容部２から引出し始めると、姿勢変更シャフト１７
はカム溝部２７の傾斜部２９と摺動して徐々に押し下げ
られた後、直線部２８内へ入り当該直線部２８内を摺動
する。したがって、カセット本体１１の引出し時に用紙
載置板１２等が送りローラ９と摩擦係合することはな
く、また、引出したカセット本体１１内の用紙載置板１
２上に用紙を剥離爪１６に妨げられることなく迅速かつ
円滑にセットすることができる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した画
像形成装置においては、より一層の利用分野の拡大を図
るために、小型化およびコスト低減化が要請されている
が、給紙カセット１Ｃが姿勢変更シャフト１７や取付部
１８さらには複雑形状とされたカム溝部２７等を備えて
いるため、部品点数が多くなり上記要請に応じにくい欠
点を有している。

【０００９】本発明の目的は、上記事情に鑑み、小型化
およびコスト低減化を図りつつ円滑にカセット本体をカ
セット収容部から引き出して用紙を迅速かつ容易にセッ
トすることができる画像形成装置の給紙カセットを提供
することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る画像形成装
置の給紙カセットは、装置本体のカセット収容部に引出
し自在に装着されたカセット本体を有し、このカセット
本体内に、基端部を中心として回動可能に設けられた用
紙載置板と，この用紙載置板を本体底面より離隔する方
向に付勢する付勢手段とが設けられ、用紙載置板上の用
紙を１枚づつ送りローラによって送り出し可能に設けら
れた画像形成装置の給紙カセットにおいて、前記用紙載
置板の基端部に、前記カセット本体底面に形成された貫
通穴より前記カセット収容部底面へ向けて突出する姿勢
変更カム部を設けるとともに、前記カセット本体が装着
された場合に姿勢変更カム部を被嵌する係合凹部を前記
カセット収容部底面に設け、該姿勢変更カム部を前記カ
セット本体引出し時に係合凹部より離脱して前記カセッ
ト収容部底面と接触し前記用紙載置板が前記本体底面へ
向けて押し下げられた位置に保持されるように姿勢を変
更する形態としたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記構成による本発明では、カセット本体をカ
セット収容部から引出すと、姿勢変更カム部がカセット
収容部底面に形成された係合凹部より離脱して、当該底
面と接触し用紙載置板が本体底面へ向けて押し下げられ
た位置に保持されるように姿勢変更する。

【００１２】これにより、カセット本体引出し時に、用
紙載置板（又は当該載置板上に載置された用紙）が送り
ローラと摩擦係合するのを防止することができる。ま
た、引出されたカセット本体内の用紙載置板は、付勢手
段の付勢力に抗して押し下げられた位置に位置決めされ
ているので、用紙セットを迅速かつ円滑に行える。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本画像形成装置の給紙カセット１は、図１および
図２に示す如く、基本的構成〔カセット本体１１，用紙
載置板１２，付勢手段（付勢ばね１５）等〕が従来例
（図３，図４）と同様とされ、用紙載置板１２の基端部
１３に姿勢変更カム部２１を設けて小型化およびコスト
低減化を図りつつ円滑にカセット本体１１をカセット収
容部２１から引出して用紙を迅速かつ容易にセットする
ことができるように構成されている。なお、従来例（図
３，図４）と共通する構成要素については同一の符号を
付し、その説明は省略もしくは簡略化する。

【００１４】まず、用紙載置板１２の基端部１３には、
図２に示す如く、姿勢変更カム２１がカセット本体底面
１１Ｂに形成された貫通穴１１ａよりカセット収容部底
面３へ向けて突出するように設けられている。本実施例
では、姿勢変更カム部２１は、用紙載置板１２と一体成
形されている。

【００１５】一方、カセット収容部２の底面３には、係
合凹部７がカセット本体１１装着時に姿勢変更カム部２
１を被嵌可能に設けられている。係合凹部７の縁部７ａ
は、姿勢変更カム部２１の嵌挿，離脱を円滑に行えるよ
うに傾斜されている。

【００１６】ここにおいて、姿勢変更カム部２１は、カ
セット本体１１引出し時に係合凹部７より離脱してカセ
ット収容部底面３と接触し用紙載置板１２が用紙送り出
し位置Ｐ１より本体底面１１Ｂへ向けて押し下げられて
退避位置Ｐ２へ保持されるように姿勢変更する形態とさ
れている。

【００１７】より具体的には、姿勢変更カム部２１は、
その動径ｒが最大となる最大動径部２２が用紙載置板１
２の回転軸部１４よりも引出し方向上流に位置し、かつ
その最大動径部２２はカセット収容部底面３と接触して
いる場合には用紙載置板１２を付勢ばね１５の付勢力に
抗して退避位置Ｐ２に位置決め保持するように形成され
ている。

【００１８】次に、この実施例の作用について説明す
る。カセット本体１１をカセット収容部２から引出す
と、姿勢変更カム部２１がカセット収容部底面３の係合
凹部７より離脱して当該底面３と接触し用紙載置板１２
が退避位置Ｐ２に保持されるように姿勢変更する。

【００１９】これにより、カセット本体１１引出し時
に、用紙載置板１２（又は当該載置板１２上に載置され
た用紙）が図示しない送りローラと摩擦係合するのを防
止することができる。また、引出されたカセット本体１
内の用紙載置板１２は、付勢バネ１５の付勢力に抗して
押し下げられ退避位置Ｐ２に位置決めされているので、
用紙セットを迅速かつ容易に行える。

【００２０】しかして、この実施例によれば、用紙載置
板１２の基端部１３に、カセット本体底面１１Ｂに形成
された貫通穴１１ａよりカセット収容部底面３へ向けて
突出する姿勢変更カム部２１を設けるとともに、この姿
勢変更カム部２１をカセット本体１１装着時に被嵌する
係合凹部７をカセット収容部底面３に設け、姿勢変更カ
ム部２１をカセット本体１１引出し時に係合凹部７より
離脱してカセット収容部底面３と接触し用紙載置板１２
が本体底面１１Ｂへ向けて押し下げられた退避位置Ｐ２
に保持されるように姿勢を変更する形態としたので、姿
勢変更シャフト（１７）や複雑形状のカム溝部（２７）
等を設ける必要がなくなり、部品数を減少して小型化お
よびコスト低減化を図りつつ円滑にカセット本体１１を
カセット収容部２から引出して用紙を迅速かつ容易にセ
ットすることができる。

【００２１】また、姿勢変更カム部２１を用紙載置板１
２と一体形成したので、より一層のコスト低減を図るこ
とができる。

【００２２】

【発明の効果】以上、本発明によれば、用紙載置板の基
端部に、カセット本体底面に形成された貫通穴よりカセ
ット収容部底面へ向けて突出する姿勢変更カム部を設け
るとともに、この姿勢変更カム部をカセット本体装着時
に被嵌する係合凹部をカセット収容部底面に設け、該姿
勢変更カム部をカセット本体引出し時に係合凹部より離
脱してカセット収容部底面と接触し用紙載置板が本体底
面へ向けて押し下げられた位置に保持されるように姿勢
を変更する形態としたので、小型化およびコスト低減化
を図りつつカセット本体をカセット収容部から円滑に引
出して用紙を迅速かつ容易にセットすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を説明するための分解斜視図で
ある。

【図２】同じく、カセット本体の引出し動作を説明する
ための図である。

【図３】従来の給紙カセットを説明するための図であ
る。

【図４】同じく、具体的構成を説明するための分解斜視
図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ カセット収容部 ３ カセット収容部底面 １１ カセット本体 １２ 用紙載置板 １３ 基端部 １５ 付勢ばね（付勢手段） ２１ 姿勢変更カム部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体のカセット収容部に引出し自在
   に装着されたカセット本体を有し、このカセット本体内
   に、基端部を中心として回動可能に設けられた用紙載置
   板と，この用紙載置板を本体底面より離隔する方向に付
   勢する付勢手段とが設けられ、用紙載置板上の用紙を１
   枚づつ送りローラによって送り出し可能に設けられた画
   像形成装置の給紙カセットにおいて、 前記用紙載置板の基端部に、前記カセット本体底面に形
   成された貫通穴より前記カセット収容部底面へ向けて突
   出する姿勢変更カム部を設けるとともに、前記カセット
   本体が装着された場合に姿勢変更カム部を被嵌する係合
   凹部を前記カセット収容部底面に設け、該姿勢変更カム
   部を前記カセット本体引出し時に係合凹部より離脱して
   前記カセット収容部底面と接触し前記用紙載置板が前記
   本体底面へ向けて押し下げられた位置に保持されるよう
   に姿勢を変更する形態としたことを特徴とする画像形成
   装置の給紙カセット。