JP2814527B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2814527B2
JP2814527B2 JP6041589A JP6041589A JP2814527B2 JP 2814527 B2 JP2814527 B2 JP 2814527B2 JP 6041589 A JP6041589 A JP 6041589A JP 6041589 A JP6041589 A JP 6041589A JP 2814527 B2 JP2814527 B2 JP 2814527B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁性粉末として金属磁性粉末(いわゆるメ
タルパウダー)を含有する磁気記録媒体に関するもので
あり、特に短波長域での電磁変換特性の改良に関するも
のである。
〔発明の概要〕
本発明は、金属磁性粉末を磁性粉末とする磁気記録媒
体において、前記金属磁性粉末の平均長軸長及び針状比
を規定することで、特に短波長域での電磁変換特性(記
録再生特性)の向上を図ろうとするものである。
〔従来の技術〕
磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒体として
は、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強磁性
体の微粉末である磁性粉や樹脂結合剤,有機溶剤,各種
添加剤等を混合分散して調製される磁性塗料を塗布する
ことで磁性層が形成された,いわゆる塗布型の磁気記録
媒体が広く用いられている。そして、この塗布型の磁気
記録媒体にあっては、高密度記録化に対応し高性能化を
図るために、抗磁力の大きな金属(例えばFe,Ni,Co)や
これらの合金の粉末(いわゆるメタルパウダー)が前記
磁性粉として使用されるようになってきている。
ところで、ビデオテープレコーダ(VTR)等において
は、より一層の高画質化を目指して記録信号の周波数帯
域の高帯域化が進められており、例えばいわゆる8ミリ
VTRにおける輝度信号のFM搬送波の周波数帯域は5MHzか
ら7MHzにもなろうとしている。
したがって、前述のメタルパウダーを磁性粉に使用し
たとしても、特に高帯域での電磁変換特性が不十分で、
その対応に迫られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような状況から、各方面でメタルパウダーの微細
化が検討され、微細で針状比の大きな粒子をいかにして
作るかという点に重点が置かれ研究が進められている。
しかしながら、金属磁性粉末を微細化すると、飽和磁
化σの低下が大きく、また比表面積の上昇も大きいの
で均一な分散を行うには不利である。すなわち、出来る
限り微細で、しかも出来る限り針状比の大きいメタルパ
ウダーを選んで使用することが電磁変換特性上は理想的
であるが、かかるメタルパウダーは凝集等の虞れがあ
り、例えば撹拌装置や撹拌時間,使用する分散剤等の見
直しが必要となったり、生産性や歩留まりが著しく低下
する等、製造技術上の問題が発生する。
そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、製造上の問題が少なく、しかも高密度
記録,短波長記録において優れた電磁変換特性を発揮す
る磁気記録媒体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前述の目的を達成せんものと鋭意検討
を重ねた結果、高帯域での出力は金属磁性粉末の比表面
積や針状比よりも平均長軸長に大きく依存するとの知見
を得るに至った。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであ
って、非磁性支持体の少なくとも一方の面に磁性層が形
成されてなり、前記磁性層が平均長軸長0.35μm以下,
針状比6〜9、X線粒径140〜170Åである金属磁性粉末
を含有することを特徴とするものである。
すなわち、本発明の磁気記録媒体においては、第1図
に示すように、磁性層に含有される金属磁性粉末(1)
の平均長軸長Lを0.35μm以下とすることで短波長域で
の電磁変換特性を確保すると同時に、針状比(L/D)を
やや低めの設定(ここでは6〜9)とすることで比表面
積の上昇を抑え、製造上の不都合を解消する。
金属磁性粉末(1)の平均長軸長Lが0.35μmを越え
ると、特に短波長域での出力が不足する。また、前述の
範囲であっても、記録波長に対応して平均長軸長Lを設
定することがより好ましく、前記平均長軸長Lを最短記
録波長の1/2波長以下とすることで短波長域での電磁変
換特性が著しく向上する。
一方、平均長軸長Lを前述の如く0.35μm以下に設定
した場合、針状比が9を越えると比表面積が増大して分
散が困難となることからこれ以下に抑えることとする
が、逆に針状比があまり小さすぎると金属磁性粉末
(1)の磁気特性が確保できないことから、その下限を
6とする。
なお、前述の範囲をいずれも満足する場合において
も、金属磁性粉末(1)のX線粒径DX〔焼結防止剤等に
よる酸化皮膜(1b)を除く純粋に金属材料からなる部分
(1a)の短軸径。〕は170Å以下であることが好まし
く、140〜170Åであることが望ましい。このX線粒径DX
が170Åを越えると、たとえ平均長軸長Lを0.35μm以
下に設定しても短波長域での高出力化が期待できない。
これら平均長軸長L,針状比,X線粒径DXは、例えばゲー
サイトの合成時の反応条件(pH,反応温度等)やゲーサ
イトを還元する際の還元温度,時間等の処理条件を調節
することでコントロールすればよい。
金属磁性粉末には、この種の媒体で通常使用されてい
るメタル粒子がいずれも使用でき、例えばFe,Co,Ni,Fe
−Co,Fe−Ni,Fe−Co−Niあるいはこれらに種々の特性を
改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成分を添
加したもの等が例示される。特に、本発明では金属磁性
粉末の針状比を下げる方向にあり記録減磁の点で不利に
なることから、磁性粉末の保磁力Hcが1500エルステッド
以上であることが望ましく、純Fe粉末の他、Alを8〜12
原子%含有するFe−Al系金属磁性粉末等が好適である。
前述の金属磁性粉末は、樹脂結合剤や有機溶剤と共に
混練,分散され、磁性塗料に調製した後に非磁性支持体
上に塗布され磁性層とされるが、これら樹脂結合剤,有
機溶剤,非磁性支持体にはこれまで知られるものがいず
れも使用可能である。さらに、前記磁性塗料には、必要
に応じて分散剤,潤滑剤,研磨剤,帯電防止剤等が添加
されていてもよい。
〔作用〕
短波長域での電磁変換特性を考えた場合、金属磁性粉
末が単磁区で磁化されるとすると、記録波長の1/2波長
よりも長軸長が長いと有効に記録できない。例えば、最
短記録周波数が5MHzであると、最短記録波長の1/2波長
は0.38μmであり、これよりも金属磁性粉末の平均長軸
長が長いと再生出力が不足する。
これに対して、金属磁性粉末の平均長軸長Lを0.35μ
m以下とすれば、記録周波数が5MHzあるいは7MHzにもな
ろうとするビデオ信号にも十分対応することができ、特
に短波長域での記録再生特性が大幅に向上される。
なお、前記金属磁性粉末の平均長軸長を短くするに
は、例えば原料ゲーサイトの段階で微粒子化する必要が
あるが、単に微粒子化したのでは比表面積が増大して分
散性やパッキング等の点で不都合が生ずる虞れがある。
本発明では、針状比を若干低めに設定しているので、こ
の比表面積の増加が抑えられる。
すなわち、本発明では、比表面積への影響の大きい短
軸径はあまり小さくせず、短波長域での電磁変換特性に
影響の大きい長軸長を小さくしているので、分散性と高
帯域での電磁変換特性が両立される。
〔実施例〕 以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明す
る。
金属磁性粉末 100重量部 塩化ビニル系結合剤 10重量部 ポリウレタン系結合剤 10重量部 アルミナ 3重量部 カーボン 2重量部 ミリスチン酸 1重量部 ステアリン酸n−ブチル 1重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 100重量部 トルエン(溶剤) 60重量部 シクロヘキサノン(溶剤) 60重量部 上記組成物をディスパーにて溶解した後、サンドミル
にて4時間混合分散した。
次いで硬化剤(商品名コロネートL)4重量部を添加
し、フィルターを通して7.5μ厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に塗布した後、8mm幅に裁断してサ
ンプルテープとした。
以上の手法に従い、金属磁性粉末の種類を変えて各種
サンプルテープを作成し、それぞれ7MHzでの電磁変換特
性を測定した。使用した金属磁性粉末の針状比,平均長
軸長,X線粒径,ゲーサイトBET,比表面積,飽和磁化並び
に得られたサンプルテープの7MHzでの相対出力,CN比
(Y−C/N)を次表に示す。
この表を見ると、7MHzでの出力に金属磁性粉末の平均
長軸長が大きく影響していることがわかる。例えば、平
均長軸長だけに着目し、これを横軸にとって相対出力を
プロットすると、針状比やゲーサイトBETに関係なく第
2図に示すようにほぼ一直線上に乗る。また、この直線
の傾きは記録周波数が高くなるにしたがって大きくな
り、記録波長が短波長域になればなるほど長軸長を短く
することによる効果が大きいことが確認された。
ただし、平均長軸長が同じ場合、針状比が大きいと飽
和磁化σの低下が大きく、また比表面積の上昇率も大
きいので均一な分散を行うには不利である。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、使用する金属磁性粉末の平均長軸長を規定すると同
時に針状比を低めに設定しているので、短波長域での電
磁変換特性を確保することができ、比表面積の増加によ
る分散性の低下も解消することができる。
したがって、高密度記録,短波長記録に適し、製造上
の問題も少ない磁気記録媒体の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は金属磁性粉末の形状を示す模式図である。 第2図は7MHzにおける相対出力の平均長軸長依存性を示
す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−172215(JP,A) 特開 昭64−23415(JP,A) 特開 昭64−19524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/706

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体の少なくとも一方の面に磁性
    層が形成されてなり、 前記磁性層が平均長軸長0.35μm以下,針状比6〜9、
    X線粒径140〜170Åである金属磁性粉末を含有すること
    を特徴とする磁気記録媒体。
JP6041589A 1989-03-13 1989-03-13 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2814527B2 (ja)

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