JP2813832B2 - イオン導伝性ポリマー電解質 - Google Patents

イオン導伝性ポリマー電解質

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JP2813832B2 JP2089419A JP8941990A JP2813832B2 JP 2813832 B2 JP2813832 B2 JP 2813832B2 JP 2089419 A JP2089419 A JP 2089419A JP 8941990 A JP8941990 A JP 8941990A JP 2813832 B2 JP2813832 B2 JP 2813832B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、イオン導伝性ポリマー電解質に関するもの
である。
従来技術 従来、イオン導伝性ポリマー電解質としては、例えば
ポリエチレンオキシドの有機ポリマー電解質、多官能性
ポリエーテル分子構造のポリエチレンオキシド部分とプ
ロピレンオキシド部分がランダム共重合した有機ポリマ
ー電解質(特開昭62−249361号公報)、主鎖になるポリ
エチレンオキシドに対して、側鎖としてエチレンオキシ
ドを付加させてなる分枝ポリエチレンオキシドからなる
ことを特徴とするイオン導伝性ポリマー電解質(特開昭
63−136408号)、イオン化合物を溶解状態で含有するエ
チレンオキシド共重合体からなる固体ポリマー電解質
(特開昭61−83249号)、及び可塑性を持つ高分子固体
物質が更に熱可塑性でかつ交差結合を持たない単独重合
体もしくは共重合体の分枝鎖から実質的に構成されてい
るイオン導伝性ポリマー電解質(特開昭55−98480号)
等が知られている。
しかしながら、このような従来のイオン導伝性ポリマ
ー電解質には、例えば次のような問題があった。
まず、ポリエチレンオキシドの有機ポリマー電解質
は、40℃以上の温度範囲では、比較的良好なリチウムイ
オン電導度を示すが、25℃程度の室温範囲では、その特
性が急激に低下し、電池やエレクトロクロミック等の各
種用途に応用することは非常に困難である。
特開昭62−249361号及び特開昭63−136408号公報に記
載の有機ポリマー電解質は、25℃程度の室温範囲でリチ
ウムイオン電導度の急激な低下はないものの、実用温度
範囲として考えられる0℃以下では、その低下が進行し
てしまい実用的な電導度が得られないという問題があっ
た。
特開昭61−83249号公報記載の有機ポリマー電解質
は、エチレンオキシドと他のモノマーをランダム共重合
する有機ポリマーで、ランダム共重合することにより、
有機ポリマーの構造を結果的にアモルファス化している
が、これでは各モノマーの反応性の差異により、アモル
ファス化が不十分で品質も不安定になりやすい。
また、特開昭55−98480号公報記載の有機ポリマー電
解質は熱可塑性であるため、作成されるフィルムは、単
純なものしか作成できないうえに、フィルムと電極面と
の密着性が悪くなる。
発明が解決しようとする課題 本発明は、これらの問題点をいずれも解決し、優れた
イオン伝導度を示す、扱い易いイオン導伝性ポリマー電
解質を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段 本発明は、一般式 〔ただし、Zは活性水素含有化合物残基、R1は下記一般
(nは0〜25の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、、アルケニル基、アリール基又はアルキルアリール
基)、R2は水素又はメチル基、Yは活性水素基又は重合
反応性官能基、kは1〜12の整数、lは1〜220の整
数、mは1〜240の整数を表し、l/(l+m)≧0.3であ
る〕で示される平均分子量1,000〜20,000の有機化合物
(以下、一般式の有機化合物という)を架橋した有機
ポリマーの使用によって、非常に安定して扱い易いイオ
ン導伝性ポリマー電解質を得ることを見出し、達成され
た。
即ち、本発明のイオン導伝性ポリマー電解質は前述の
如き有機ポリマーと可溶性電解質塩化合物からなること
を特徴とする。
かかる有機ポリマーの原料として使用される一般式
の有機化合物は、活性水素含有化合物にグリシジルエー
テル類と炭素数2〜3のアルキレンオキシド類の1種以
上を反応させて得たポリエーテルに、更に必要に応じて
重合反応性官能基含有化合物を反応させ、ポリエーテル
の主鎖末端活性水素基に重合反応性官能基を導入するこ
とによって得られる。
なお、重合反応性官能基が活性水素基の場合、得られ
たポリエーテルがそのまま一般式の有機化合物とな
る。
前述の活性水素含有化合物としては、例えばエチルグ
リコール、プロピレングリコール、1.4−ブタンジオー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトー
ル、シュークローズ、ポリグリセン等の多価アルコー
ル、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、ペンタエチレンヘキサミン、アニリン、ベンジ
ルアミン、フェニレンジアミン等のアミン化合物、ビス
フェノールA、ハイドロキノン、ノボラック等のフェノ
ール性活性水素化合物、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン等の1分子中に異種の活性水素含有基を有
する化合物等を挙げることができ、中でも多価アルコー
ルであるのが好ましい。
次に、活性水素含有化合物と反応させるグリシジルエ
ーテル類としては、下記式で示されるアルキル又はアル
ケニル又はアリール又はアルキルアリールポリエチレン
グリコールグリシジルエーテル類 (ただし、R及びnは一般式と同じ)を挙げることが
できる。代表的なものとしては、Rが例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖アルキル基、
イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の
分枝アルキル基、ビニル基、アリル基、1−プロペニル
基、1,3−ブタジエニル基等のアルケニル基、フェニル
基、ナフチル基、ノニルフェニル基、トリル基、ベンジ
ル基等のアリール又はアルキルアリール基等であるもの
が挙げられ、中でもnが1〜15、Rの炭素数が1〜12で
あるのがより好ましい。更に、グリシジルエーテル類と
同様に反応させる炭素数2〜3のアルキレンオキシド類
としては、エチンオキシド、プロピレンオキシド等が挙
げられる。
一般式の有機化合物に含まれるR1単位(グリシジル
エーテル類)及びCH2CHR2O単位(エチレンオキシド及び
/又はプロピレンオキシド)の量の関係は、lが1〜22
0の整数、mが1〜240の整数であり、かつl/(l+m)
≧0.3すなわちR1単位が30モル%以上存在することが必
要であるが、これらの配列順序に関して格別の制限はな
く、各単位がランダムに配列しても、各単位がブロック
型に配列してもよい。
グリシジルエーテル類及び炭素数2〜3のアルキレン
オキシド類を反応させる場合に使用する触媒としては、
ソジウムメチラート、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸リチ
ウム等の塩基性触媒が一般的であるが、ボロントリフル
オライドのような酸性触媒やトリメチルアミン、トリエ
チルアミンのようなアミン系触媒も有用である。
更に、このようにして得たポリエーテルの主鎖末端に
必要に応じて重合反応性官能基を導入する。重合反応性
官能基としては、ビニル基等のアルケニル基、アクリロ
イル基やメタクリロイル基のような不飽和結合を有する
基、Siを含有するような直鎖及び環状部分を持った基を
挙げることができるが、これらの基は、前述の如くポリ
エーテルに重合反応性官能基含有化合物を反応させて、
その分子中に導入される。
この重合反応性官能基含有化合物としては、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、p−ビニル安息香酸等のように1
分子中にカルボキシル基と不飽和結合を有するもの、及
び/又は無水マレイン酸や無水イタコン酸のような上記
化合物の酸無水物、及び/又は上記のような化合物の酸
クロライド物、アリルグリシジルエーテルやグリシジル
メタクリレート等のグリシジル類、メタクリロイルイソ
シアネート等のイソシアネート類、ジクロロシラン、ジ
メチルビニルクロロシランのようにSiを含む化合物等が
挙げられる。
このようにして得られた一般式の有機化合物は、平
均分子量が1,000〜20,000であることが必要である。平
均分子量が、この範囲より外れた場合、本発明の目的が
達成されない。
なお、一般式の有機化合物中、kは出発物質である
活性水素含有化合物の活性水素基数に対応するもので、
1〜12の整数である。
次に、一般式の有機化合物を架橋する方法としては
主鎖末端基Yが活性水素基である場合、架橋剤を用いて
架橋を行う。
架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート
(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、イソボロンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ
ル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネ
ート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメ
チルオクタン、1,6,11−ウンデカントリイソシアネー
ト、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシ
クロヘプタントリイソシアネート、ビューレット結合HM
DI、イソシアヌレート結合HMDI、トリメチロールプロパ
ンTDI3モル付加体、又は、これらの混合物等が挙げられ
る。
架橋剤の量的割合は、有機化合物の主鎖末端活性水素
基数に対してイソシアネート類を用いる場合、イソシア
ネート基数がその1〜1.5倍であり、中でも1.1〜1.3倍
であるのが好ましい。
また、この時、架橋反応を早期に完結させるために触
媒として、例えばジブチルチンジラウレート(DBTD
L)、ジフチルチンジアセテート(DBTA)、フェニル水
銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属触媒、ト
リエチレンジアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、N
−メチルモルホリン、テトラメチルグアニジン、トリエ
チルアミン等のアミン系触媒等を使用してもよい。
また、主鎖末端基Yが重合反応性官能基の場合、架橋
反応は、必要に応じて重合開始剤や増感剤を添加し、
熱、光、電子線等を用いて行う。
次に、前記一般式の有機化合物を架橋して得た有機
ポリマーにドーピングする可溶性電解質塩化合物として
は、例えばLiI、LiCl、LiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAs
F6、LiCF3SO3、LiC6F13SO3、LiCF3CO2、LiHgI3、NaI、N
aSCN、NaBr、KI、CsSCN、AgNO3、CuC12Mg(Cl04
どの少なくともLi、Na、K、CS、Ag、Cu又はMgの1種を
含む無機イオン塩、ステアリルスルホン酸リチウム、オ
クチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸リチウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブ
チルナフタレンスルホン酸リチウム、オクチルナフタレ
ンスルホン酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸
カリウム等の有機イオン塩が挙げられる。
この可溶性電解質塩化合物の配合割合は、前記有機ポ
リマーのエーテル結合酸素数に対して、可溶性電解質塩
化合物が0.0001〜5.0モルの割合であり、中でも0.005〜
2.0モルであるのが好ましい。この可溶性電解質塩化合
物の使用量があまり多すぎると、過剰の可溶性電解質塩
化合物、例えば無機イオン塩が解離せず、単に混在する
のみとなり、イオン伝導度を逆に低下させることとな
る。
また、これらの可溶性電解質塩化合物は、2種以上を
併用することもでき、そのドーピング方法等については
特に制限はないが、例えば、メチルエチルケトン(ME
K)やテトラハイドロフラン(THF)等の有機溶媒に溶解
して、有機ポリマーに均一に混合した後、有機溶媒を真
空減圧により除去することができる。
作用 本発明は、有機ポリマー電解質が、特定構造を有する
モノマーを主に使用することから、その有機ポリマー構
造はアモルファス化し、また特定構造を有するモノマー
が主鎖同様の側鎖を有するため、有機ポリマー電解質の
結晶化温度がエチレンオキシドを主に使用した場合より
低くなり、可溶性電解質塩化合物としてリチウム塩を使
用した場合、リチウムイオンの挙動を容易にし、そのた
め室温以下の温度範囲において、リチウムイオン伝導性
が著しく改良される。
この特定構造を有するモノマー以外にエチレンオキシ
ドやプロピレンオキシドを使用することにより、特定構
造を有するモノマーを単独で使用した場合とイオン伝導
度はほぼ同等の値を示すが、有機ポリマーの合成におい
てエチレンオキシドやプロピレンオキシドの反応性の面
から合成の容易性、架橋の容易性に優れ、価格において
も、よし実用性に優れたものとなる。
実施例 次に、本発明の実施例を掲げるが、各実施例で得た製
品の評価は、下記の試験方法で得たイオン伝導度によっ
た。
〔リチウムイオン伝導度試験〕
有機ポリマー電解質を白金板で挟み、電極間の交流イ
ンピーダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行っ
た。測定機としては横河ヒューレットパッカー社製のイ
ンピーダンスアナライザー(型式:4192A)を使用し、印
加電圧10mV、測定使用周波数5Hz〜13MHzで測定した。
実施例1 グリセリン30.7gを出発物質とし、触媒に苛性カリ3.3
gを用いて、エチレンオキシド60gを反応させ、その後、
下記式で表されるメチルトリエチレングリコールグリシ
ジルエーテル とプロピレンオキシドの混合物(モル比4:5)1576gを反
応させ、脱塩精製を行って、分子量4910のポリエーテル
1427gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のアクリル酸を、該アクリル酸と等量のベ
ンゼン中に入れ、硫酸0.01モル%を使用して、80〜90℃
で空気を吹き込みながら反応させた。反応完結は、流出
水量及び酸価測定により確認した。反応完結後、水酸化
ナトリウム水溶液を用いて中和し、飽和硫酸ナトリウム
水溶液で水洗後、減圧してベンゼンを除去し、臭素価及
びケン化価により、分子量5073の末端アクリレートポリ
エーテル(一般式の骨格を有する化合物:ただし、 の生成を確認した。
このようにして得た末端アクリレートポリエーテル3.
6gにLiClO40.12g(0.015モル/エーテル結合酸素)と重
合開始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、常圧
下窒素空気流中80℃で1時間放置後、真空度1×10-3To
rr以下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケト
ンを蒸発除去することにより、厚さ50μmのイオン導伝
性ポリマー電解質を得た。
実施例2 グリセリン46gを出発物質として、触媒に苛性カリ10g
を使用し、下記式で表されるメチルジエチレングリコー
ルグリシジルエーテル とプロピレンオキシドの混合物(モル比8:1)4810gを反
応させ、その後エチレンオキシド145gを反応させ、脱塩
精製を行って、分子量9042(水酸基価より算出)のポリ
エーテル4525gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のメタクリル酸を、該メタクリル酸と等量
のベンゼン中に入れ、、硫酸0.01モル%を使用して、80
〜90℃で空気を吹き込みながら反応させた。反応完結
は、流出水量及び酸価測定により確認した。反応完結
後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、飽和硫酸
ナトリウム水溶液で水洗後、減圧にしてベンゼンを除去
し、臭素価及びケン化価により、分子量9248の末端メタ
クリレートポリエーテル(一般式の骨格を有する化合
物:ただし、 このようにして得た末端メタクリレートポリエーテル
3.6gに、LiClO40.28g(0.016モル/エーテル結合酸素)
と重合開始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、
常圧下窒素気流中80℃で10時間放置後、真空度1×10-3
Torr以下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケ
トンを除去することにより、厚さ41μmのイオン導伝性
ポリマー電解質を得た。
実施例3 ソルビトール30.3gを出発物質として、触媒に苛性カ
リ3.3gを使用し、下記式で表されるメチルヘキサエチレ
ングリコールグリシジルエーテル とエチレンオキシドの混合物(モル比3:2)1310gを反応
させ、脱塩精製を行って、分子量7217(水酸基価より算
出)のポリエーテル1134gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のアクリル酸を、該アクリル酸と等量のベ
ンゼン中に入れ、、硫酸0.01モル%を使用して、80〜90
℃で空気を吹き込みながら反応させた。反応完結は、流
出水量及び酸価測定により確認した。反応完結後、水酸
化ナトリウム水溶液を用いて中和し、飽和硫酸ナトリウ
ム水溶液で水洗後、減圧してベンゼンを除去し、臭素価
及びケン化価により、分子量7280の未満アクリレートポ
リエーテル(一般式の骨格を有する化合物: の生成を確認した。
このようにして得た末端アクリレートポリエーテル3.
6gに、LiClO40.12g(0.011モル/エーテル結合酸素)と
重合開始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、常
圧下、窒素気流中80℃で1時間放置後、真空度1×10-3
Torr以下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケ
トンを除去することにより、厚さ50μmのイオン導伝性
ポリマー電解質を得た。
実施例4 グリセリン46gを出発物質として、触媒に苛性カリ10g
を使用し、下記式で表されるメチルジエチレングリコー
ルグリシジルエーテル とプロピレンオキシドの混合物(モル比8:1)4810gを反
応させ、その後エチレンオキシド145gを反応させ、脱塩
精製を行って分子量9042(水酸基価より算出)のポリエ
ーテル(一般式の骨格を有する化合物:ただし、 このポリエーテル3.6g、LiClO40.28g、トリレンジイ
ソシアネート(ポリエーテルの1.5当量)及びジブチル
チンジラウレート0.01gをメチルエチルケトン3mlを溶解
し、シャーレ上に流出し、常圧下窒素雰囲気中で60℃に
30分間放置後、真空度1×10-3Torr以下、80℃で8時間
熱処理して、メチルエチルケトンを蒸発除去することに
より、厚さ39μmのイオン導伝性ポリマー電解質を得
た。
実施例5 エチレングリコール30gを出発物質として、触媒に苛
性カリを使用し、プロピレンオキシド243gを反応させ、
その後、下記表で表されるメチルトリエチレングリコー
ルグリシジルエーテル 2146gを反応させ、脱塩精製を行って、分子量4680(水
酸基価より算出)のポリエーテル2098gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のアクリル酸を、該アクリル酸と等量のベ
ンゼン中に入れ、、硫酸0.01モル%を使用して、80〜90
℃で空気を吹き込みながら反応させた。反応完結は、流
出水量及び酸価測定により確認した。反応完結後、水酸
化ナトリウム水溶液を用いて中和し、飽和硫酸ナトリウ
ム水溶液で水洗後、減圧してベンゼンを除去し、臭素価
及びケン化価により、分子量4790の末端アクリレートポ
リエーテル(一般式の骨格を有する化合物:ただし、 このようにして得た末端アクリレートポリエーテル3.
6gに、LiClO40.13g(0.015モル/エーテル結合酸素)と
重合開始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、常
圧下窒素気流中80℃で10時間放置後、真空度1×10-3To
rr以下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケト
ンを除去することにより、厚さ41μmのイオン導伝性ポ
リマー電解質を得た。
実施例6 エチレンジアミン20gを出発物質として、触媒に苛性
カリを使用し、エチレンオキシド190℃を反応させ、次
いで、下記式で表されるn−ブチルトリエチレングリコ
ールグリシジルエーテル 2266gを反応させ、更にエチレンオキシド190gを反応さ
せた後、脱塩精製を行って、分子量7890(水酸基価より
算出)のポリエーテル(一般式の骨格を有する化合
物:ただし、 このようにして得たポリエーテル3.6gに、LiClO40.15
g(0.020モル/エーテル結合酸素)、トリレンジイソシ
アネート(ポリエーテルの1.5当量)及びジブチルチン
ジラウレート0.01gをメチルエチルケトン3mlに溶解し、
シャーレ上に流し、常圧下窒素気流中60℃で30分間放置
後、真空度1×10-3Torr以下、80℃で8時間熱処理し
て、メチルエチルケトンを除去することにより、厚さ41
μmのイオン導伝性ポリマー電解質を得た。
実施例7 ペンタエチレンヘキサミン50gを出発物質として、触
媒に苛性カリを使用し、下記式で表されるフェニルヘキ
サエチレングリコールグリシジルエーテル とプロピレンオキシドの混合物(モル比4:1)1675gを反
応させ、脱塩精製を行って、分子量7393(水酸基価より
算出)のポリエーテル1293gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のp−ビニル安息香酸を、該p−ビニル安
息香酸と等量のベンゼン中に入れ、、硫酸0.01モル%を
使用して、80〜90℃で空気を吹き込みながら反応させ
た。反応完結は、流出水量及び酸価測定により確認し
た。反応完結後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和
し、飽和硫酸ナトリウム水溶液で水洗後、減圧してベン
ゼンを除去し、臭素価及びケン化価により、分子量8430
の末端ビニルポリエーテル(一般式の骨格を有する化
合物:ただし、 このようにして得た末端ビニルポリエーテル3.6gに、
NaClO40.11g(0.015モル/エーテル結合酸素)と重合開
始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、常圧下窒
素気流中80℃で10時間放置後、真空度1×10-3Torr以
下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケトンを
除去することにより、厚さ41μmのイオン導伝性ポリマ
ーに電解質を得た。
実施例8 ビスフェノールA20gを出発物質として、触媒に苛性カ
リを使用し、下記式で表されるメチルドデカエチレング
リコールグリシジルエーテル 1140gを反応させ、その後、エチレンオキシド35gを反応
させ、脱塩精製を行って、分子量13040(水酸基価より
算出)のポリエーテル(一般式の骨格を有する化合
物:ただし、 このようにして得たポリエーテル3.6gに、NaSCN0.10g
(0.015モル/エーテル結合酸素)、ヘキサメチレンジ
イソシアネート(ポリエーテルの1.5当量)及びジブチ
ルチンジラウレート0.01gをメチルエチルケトン3mlに溶
解し、シャーレ上に流し、常圧下窒素気流中60℃で30分
間放置後、真空度1×10-3Torr以下、80℃で8時間熱処
理して、メチルエチルケトンを除去することにより、厚
さ41μmのイオン導伝性ポリマー電解質を得た。
実施例9 モノエタノールアミン20gを出発物質として、触媒に
苛性カリ3gを使用し、下記式で表されるフェニルジエチ
レングリコールグリシジルエーテル 1630gを反応させ、その後、エチレンオキシド192.6gを
反応させ、脱塩精製を行って、分子量5010(水酸基価よ
り算出)のポリエーテル1032gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のメタクリル酸を、該メタクリル酸と等量
のベンゼン中に入れ、、硫酸0.01モル%を使用して、80
〜90℃で空気を吹き込みながら反応させた。反応完結
は、流出水量及び酸価測定により確認した。反応完結
後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、飽和硫酸
ナトリウム水溶液で水洗後、減圧してベンゼンを除去
し、臭素価及びケン化価により、分子量11890の末端メ
タクリレートポリエーテル(一般式の骨格を有する化
合物:ただし、 このようにして得た末端メタクリレートポリエーテル
3.6gに、LiClO40.13g(0.020モル/エーテル結合酸素)
と重合開始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、
常圧下窒素気流中80℃で10時間放置後、真空度1×10-3
Torr以下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケ
トンを除去することにより、厚さ41μmのイオン導伝性
ポリマー電解質を得た。
実施例10 エチレングリコール20gを出発物質として、触媒に苛
性カリ60gを使用し、下記式で表されるメチルグリシジ
ルエーテル とエチレンオキシドの混合物(モル比9:1)6430gを反応
させ、脱塩精製を行って、分子量19060(水酸基価より
算出)のポリエーテル5810gを得た。
このポリエーテルと、該ポリエーテルの水酸基数に対
して1.1当量のメタクリル酸を、該メタクリル酸と等量
のベンゼン中に入れ、、硫酸0.01モル%を使用して、80
〜90℃で空気を吹き込みながら反応させた。反応完結
は、流出水量及び酸価測定により確認した。反応完結
後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、飽和硫酸
ナトリウム水溶液で水洗後、減圧してベンゼンを除去
し、臭素価及びケン化価により、分子量19190の末端メ
タクリレートポリエーテル(一般式の骨格を有する化
合物:ただし、 このようにして得た末端メタクリレートポリエーテル
3.6gに、LiClO40.09g(0.020モル/エーテル結合酸素)
と重合開始剤1%をメチルエチルケトン3mlに溶解し、
常圧下窒素気流中80℃で10時間放置後、真空度1×103T
orr以下、同温度で8時間熱処理して、メチルエチルケ
トンを除去することにより、厚さ48μmのイオン導伝性
ポリマー電解質を得た。
比較例 出発物質としてグリセリン18.4g、触媒に苛性カリ1.2
gを使用し、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの
混合物(モル比4:1)581.6gを反応させ、脱塩精製を行
って分子量2980(水酸基価より算出)のランダムポリエ
ーテル459gを得た。
このポリエーテル3.6g、LiClO40.12g、トリレンジイ
ソシアネート(ポリエーテルの1.5当量)及びジブチル
ジラウレート0.01gをメチルエチルケトン3mlに溶解した
後、シャーレ上に流出し、常圧下窒素気流中60℃に30分
間放置後、真空度1×10-3Torr以下、温度80℃で8時間
熱処理して、メチルエチルケトンを蒸発除去することに
より、厚さ49μmのイオン導伝性ポリマー電解質を得
た。
実施例1〜10及び比較例で得たイオン導伝性ポリマー
電解質のイオン伝導度の測定結果は次の通りであった。
発明の効果 本発明のイオン導伝性ポリマー電解質は、R1単位の存
在により、低温でも非常に優れたイオン伝導度を示す。
また少量の可溶性電解質塩化合物の使用で、高度のイオ
ン伝導度を得ることができる。
なお、R1単位以外にエチレンオキシドやプロピレンオ
キシドを使用することにより、生産性・価格等の面でよ
り実用性あるものとすることもできる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔ただし、Zは活性水素含有化合物残基、R1は下記一般
    (nは0〜25の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル基、
    アルケニル基、アリール基又はアルキルアリール基)で
    表される基、R2は水素又はメチル基、Yは活性水素基又
    は重合反応性官能基、kは1〜12の整数、lは1〜220
    の整数、mは1〜240の整数を表し、l/(l+m)≧0.3
    である〕で示される平均分子量1,000〜20,000の有機化
    合物を架橋した有機ポリマー中に、可溶性電解質塩化合
    物を含むことを特徴とするイオン導伝性ポリマー電解
    質。
  2. 【請求項2】上記有機化合物の主鎖末端基Yが活性水素
    基であり、上記有機ポリマーが架橋剤を用いて架橋され
    たものであることを特徴とする請求項(1)のイオン導
    伝性ポリマー電解質。
  3. 【請求項3】上記有機化合物の主鎖末端基Yが重合反応
    性官能基であり、上記有機ポリマーが、必要に応じて重
    合開始剤及び/又は増感剤を用いて、熱、光又は電子線
    により架橋されたものであることを特徴とする請求項
    (1)のイオン導伝性ポリマー電解質。
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