JP3649449B2 - イオン伝導性ポリマー電解質 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はイオン伝導性ポリマー電解質、特に高温作動用に好適なイオン伝導性ポリマー電解質に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、イオン伝導性ポリマー電解質としては、例えばポリエチレンオキシドあるいは多官能性ポリエーテル分子構造のポリエチレンオキシド部分とポリプロピレンオキシド部分がランダム共重合型で含まれる有機化合物に電解質塩をドーピングした後に架橋した有機ポリマー電解質(例えば、特開昭62−249361号公報参照)、または熱可塑性で交差結合を持たない単独重合体に電解質塩をドーピングしたもの等が知られている。
【0003】
しかし、前者の架橋ポリマーは比較的高温域においても流動することなく機械的性質に優れているものの、架橋により分子鎖のセグメント運動に束縛を受けるために、そのイオン伝導度は80℃においても高々10-4S/cmであり、充分なイオン伝導度が得られない。また、後者の熱可塑性ポリマーは架橋ポリマーに比べてイオン伝導度は一般に高いものの高温時に流動しやすいという欠点を有している。従って、これら従来のイオン伝導性ポリマー電解質は、電力平坦化用や電気自動車用などの比較的高温(60〜80℃)で作動する大型電池等に用いる電解質としては不満足な点が多かった。
【0004】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、比較的高温でも流動することなく安全で、しかも高いイオン伝導度を有するイオン伝導性ポリマー電解質を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の要旨は、「一般式▲1▼で表される平均分子量1000〜50000の有機化合物における末端基Yがアルキル基、アルケニル基またはアリール基である有機ポリマー成分A」と「該有機化合物における末端基Yがアクリロイル基またはメタクリロイル基である有機ポリマー成分B」との混合ポリマー、「分子末端水酸基をアルコキシ基、アルケニルオキシ基またはアリールオキシ基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分C」と「上記有機ポリマー成分B」との混合ポリマー、「分子末端水酸基をアクリロイル基、メタクリロイル基またはアリル基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分D」と「上記有機ポリマー成分A」との混合ポリマー、または「上記有機ポリマー成分C」と「上記有機ポリマー成分D」との混合ポリマーからなる4種の混合ポリマーの中のいずれか1つの混合ポリマーを架橋した有機ポリマー中に可溶性電解質塩化合物を含み、
2種の有機ポリマー成分を混合した各混合ポリマーAとB、CとB、AとDまたはCとDからなるものにおいて、各混合ポリマーの前者成分(AまたはC)の比率が50〜98%で後者成分(BまたはD)の比率が50〜2%であることを特徴とするイオン伝導性ポリマー電解質にある。
また、上記有機ポリマー成分Aにおいて、一般式▲1▼で表される平均分子量1000〜50000の有機化合物における末端基Yがアルキル基またはアリール基である場合には、有機ポリマー成分Bの該有機化合物における末端基Yがアリル基であることを特徴としている。
【0006】
【化3】
【0007】
ただし、Zは活性水素含有化合物残基、R1 は下記一般式▲2▼(nは0〜25の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基)で表される基、R2 は水素またはメチル基からなり、kは1〜12の整数、pは0〜220の整数、mは1〜240の整数を示す。
【0008】
【化4】
【0009】
上記有機ポリマー成分の原料として使用される一般式▲1▼の有機化合物およびポリアルキレンオキシドは、それぞれ、「活性水素含有化合物にグリシジルエーテル類をアルキレンオキシド類と共に反応させるか」、または「活性水素含有化合物にアルキレンオキシド類を反応させること」によって得られる。この活性水素含有化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークローズ、ポリグリセリン等の多価アルコール、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アニリン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン等のアミン化合物、ビスフェノールA、ハイドロキノン、ノボラック等のフェノール性活性水素化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の一分子中に異種の活性水素含有基を有する化合物等を挙げることができる。
【0010】
また、アルキレンオキシド類としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン等の炭素数4〜9のα−オレフィンオキシド、さらに炭素数10以上のα−オレフィンオキシド、スチレンオキシド類等を挙げることができ、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが好ましい。
【0011】
また、グリシジルエーテル類としては、下記一般式▲3▼で表される化合物を好適に用いることができる。
【0012】
【化5】
【0013】
ただし、nは0〜25の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を示す。
【0014】
さらに、末端変性有機ポリマー成分は次のようにして得ることができる。すなわち、末端基をアルキル基、アルケニル基またはアリール基に変性する場合は、上記一般式▲1▼の有機化合物またはポリアルキレンオキシドの末端水酸基をアルコラート化した後ハロゲン化アルキル等を反応させる方法を採用することができ、末端基をアリル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基に変性する場合は、同上末端水酸基と不飽和酸とのエステル化反応を利用する方法を採用できる。
有機ポリマー成分A、B、C、Dの中の2種の成分を混合した各混合ポリマーAとB、CとB、AとDまたはCとDからなるものにおいて、各混合ポリマーの前者成分(AまたはC)の比率が50〜98%で後者成分(BまたはD)の比率が50〜2%であることが好ましい。というのは、これら各成分のうち架橋性成分はBとDであり、これらの割合が50%を超えると架橋密度が高くなりすぎてイオン伝導度が低下し、一方2%未満であると架橋不能となるからである。
【0015】
このようにして得られる末端変性有機ポリマー混合物に以下に例示する可溶性電解質塩化合物をドーピングした後、必要に応じて重合開始剤や増感剤を用いて、熱・光・電子線等の活性放射線照射下で架橋して本発明のイオン伝導性ポリマー電解質を得ることができる。可溶性電解質塩化合物としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、四ホウフッ化リチウム、ビストリフロロメチルスルホニルイミドリチウム、トリストリフロロメチルスルホニルメチドリチウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリフロロメタンスルホン酸ナトリウム、四ホウフッ化ナトリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸カリウム、トリフロロメタンスルホン酸カリウム、四ホウフッ化カリウム、チオシアン酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウムおよびトリフロロメタンスルホン酸マグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種または2種以上のものを用いることができる。
【0016】
【作用】
本発明のイオン伝導性ポリマー電解質は、特定構造のポリエーテル化合物を架橋した有機ポリマーからなるので、イオン伝導に寄与する非晶質相を安定化させ、低温から高温まで高いイオン伝導度を発現し、高温域においても流動することはない。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
グリセリン18gと下記式▲4▼で表されるメチルジエチレングリコールグリシジルエーテル730gとエチレンオキシド182gとの混合物を、触媒(水酸化カリウム2g)の存在下で反応させ、脱塩精製を行って、分子量4700(水酸基価より算出)のポリエーテル876gを得た。
【0018】
【化6】
【0019】
そして、このポリエーテルに、その水酸基数に対して1.1当量のナトリウムメチラートを加え、100℃でメタノールを除去して末端水酸基をアルコラート化した後ヨウ化メチルを加え、80℃で6時間反応させることにより末端水酸基をメトキシ化した(以下『化合物A−▲1▼』という、有機ポリマー成分Aに相当するもの)。
【0020】
また、分子量8000のグリセリンに、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物(重量比4:1)を触媒の存在下で反応させ、その共重合体の末端水酸基数に対して1.2当量のアクリル酸を加え、該アクリル酸の50倍量(重量)のトルエン及び硫酸0.01モル%を110℃で8時間反応させることにより、末端アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドを得た(以下『化合物B−▲1▼』という、有機ポリマー成分Dに相当するもの)。
【0021】
このようにして得た『化合物A−▲1▼』3.0gと『化合物B−▲1▼』0.6gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.006gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0022】
(実施例2)
分子量3000のジエチレングリコールに、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物(重量比4:1)を触媒の存在下で反応させ、その共重合体の末端水酸基数に対して1.1当量のナトリウムメチラートを加え、100℃でメタノールを減圧除去して末端水酸基をアルコラート化した後ヨウ化メチルを加え、80℃で6時間反応させることにより末端メトキシ変性ポリアルキレンオキシドを得た(以下『化合物A−▲2▼』という、有機ポリマー成分Cに相当するもの)。
【0023】
そして、『化合物A−▲2▼』3.2gと実施例1の方法で合成した『化合物B−▲1▼』0.4gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.02gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で2分間紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0024】
(実施例3)
エチレンジアミン20gと下記式▲5▼で表されるフェニルヘキサエチレングリコールグリシジルエーテル5520gとエチレンオキシド1173gとの混合物を、触媒(水酸化カリウム9.4g)の存在下で反応させ、脱塩精製を行って、分子量19920(水酸基価より算出)のポリエーテル6590gを得た。
【0025】
【化7】
【0026】
そして、このポリエーテルに、その水酸基数に対して1.1当量のアクリル酸、該アクリル酸の20倍量(重量)のトルエン及び硫酸0.01モル%を80〜90℃で8時間反応させることにより、末端アクリロイル変性有機ポリマーを得た(以下『化合物B−▲2▼』という、有機ポリマー成分Bに相当するもの)。
【0027】
そして、『化合物B−2』0.7gと実施例2の方法で合成した『化合物A−2』2.9gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.02gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で2分間紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0028】
(実施例4)
実施例1の方法で合成した『化合物A−▲1▼』3.1gと実施例3の方法で合成した『化合物B−▲2▼』0.5gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.02gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で2分間紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0029】
(比較例1)
実施例1の方法で合成した『化合物B−▲1▼』3.6gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.006gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0030】
(比較例2)
実施例3の方法で合成した『化合物B−▲2▼』3.6gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.006gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0031】
(リチウムイオン伝導度試験)
次に、このようにして得た実施例1〜4および比較例1、2のイオン伝導性ポリマー電解質のイオン伝導度を測定するために、各ポリマー電解質を白金板で挟み、電極間の交流インピーダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行った。
【0032】
その結果を以下の表1に示す。なお、測定機としては、横河ヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザー(形式:4192A)を使用し、その測定条件としては、印加電圧=10mV、測定使用周波数=5Hz〜13MHZとした。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に明らかなように、本発明のイオン伝導性ポリマー電解質は優れたイオン伝導度を示し、特に比較的高温におけるイオン伝導度が優れている。
【0035】
これに比し、比較例1、2のポリマーは架橋性成分のみからなるため、架橋密度が高くなりすぎてイオン伝導度が低い。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係るイオン伝導性ポリマー電解質は、低温から高温まで安定して高いイオン伝導度を示す。また、架橋系のポリマー電解質を有するため、従来の熱可塑性ポリマー電解質に見られる流動性もなく、高温下でも安全に使用できる。
【産業上の利用分野】
本発明はイオン伝導性ポリマー電解質、特に高温作動用に好適なイオン伝導性ポリマー電解質に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、イオン伝導性ポリマー電解質としては、例えばポリエチレンオキシドあるいは多官能性ポリエーテル分子構造のポリエチレンオキシド部分とポリプロピレンオキシド部分がランダム共重合型で含まれる有機化合物に電解質塩をドーピングした後に架橋した有機ポリマー電解質(例えば、特開昭62−249361号公報参照)、または熱可塑性で交差結合を持たない単独重合体に電解質塩をドーピングしたもの等が知られている。
【0003】
しかし、前者の架橋ポリマーは比較的高温域においても流動することなく機械的性質に優れているものの、架橋により分子鎖のセグメント運動に束縛を受けるために、そのイオン伝導度は80℃においても高々10-4S/cmであり、充分なイオン伝導度が得られない。また、後者の熱可塑性ポリマーは架橋ポリマーに比べてイオン伝導度は一般に高いものの高温時に流動しやすいという欠点を有している。従って、これら従来のイオン伝導性ポリマー電解質は、電力平坦化用や電気自動車用などの比較的高温(60〜80℃)で作動する大型電池等に用いる電解質としては不満足な点が多かった。
【0004】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、比較的高温でも流動することなく安全で、しかも高いイオン伝導度を有するイオン伝導性ポリマー電解質を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の要旨は、「一般式▲1▼で表される平均分子量1000〜50000の有機化合物における末端基Yがアルキル基、アルケニル基またはアリール基である有機ポリマー成分A」と「該有機化合物における末端基Yがアクリロイル基またはメタクリロイル基である有機ポリマー成分B」との混合ポリマー、「分子末端水酸基をアルコキシ基、アルケニルオキシ基またはアリールオキシ基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分C」と「上記有機ポリマー成分B」との混合ポリマー、「分子末端水酸基をアクリロイル基、メタクリロイル基またはアリル基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分D」と「上記有機ポリマー成分A」との混合ポリマー、または「上記有機ポリマー成分C」と「上記有機ポリマー成分D」との混合ポリマーからなる4種の混合ポリマーの中のいずれか1つの混合ポリマーを架橋した有機ポリマー中に可溶性電解質塩化合物を含み、
2種の有機ポリマー成分を混合した各混合ポリマーAとB、CとB、AとDまたはCとDからなるものにおいて、各混合ポリマーの前者成分(AまたはC)の比率が50〜98%で後者成分(BまたはD)の比率が50〜2%であることを特徴とするイオン伝導性ポリマー電解質にある。
また、上記有機ポリマー成分Aにおいて、一般式▲1▼で表される平均分子量1000〜50000の有機化合物における末端基Yがアルキル基またはアリール基である場合には、有機ポリマー成分Bの該有機化合物における末端基Yがアリル基であることを特徴としている。
【0006】
【化3】
【0007】
ただし、Zは活性水素含有化合物残基、R1 は下記一般式▲2▼(nは0〜25の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基)で表される基、R2 は水素またはメチル基からなり、kは1〜12の整数、pは0〜220の整数、mは1〜240の整数を示す。
【0008】
【化4】
【0009】
上記有機ポリマー成分の原料として使用される一般式▲1▼の有機化合物およびポリアルキレンオキシドは、それぞれ、「活性水素含有化合物にグリシジルエーテル類をアルキレンオキシド類と共に反応させるか」、または「活性水素含有化合物にアルキレンオキシド類を反応させること」によって得られる。この活性水素含有化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークローズ、ポリグリセリン等の多価アルコール、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アニリン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン等のアミン化合物、ビスフェノールA、ハイドロキノン、ノボラック等のフェノール性活性水素化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の一分子中に異種の活性水素含有基を有する化合物等を挙げることができる。
【0010】
また、アルキレンオキシド類としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン等の炭素数4〜9のα−オレフィンオキシド、さらに炭素数10以上のα−オレフィンオキシド、スチレンオキシド類等を挙げることができ、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが好ましい。
【0011】
また、グリシジルエーテル類としては、下記一般式▲3▼で表される化合物を好適に用いることができる。
【0012】
【化5】
【0013】
ただし、nは0〜25の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基を示す。
【0014】
さらに、末端変性有機ポリマー成分は次のようにして得ることができる。すなわち、末端基をアルキル基、アルケニル基またはアリール基に変性する場合は、上記一般式▲1▼の有機化合物またはポリアルキレンオキシドの末端水酸基をアルコラート化した後ハロゲン化アルキル等を反応させる方法を採用することができ、末端基をアリル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基に変性する場合は、同上末端水酸基と不飽和酸とのエステル化反応を利用する方法を採用できる。
有機ポリマー成分A、B、C、Dの中の2種の成分を混合した各混合ポリマーAとB、CとB、AとDまたはCとDからなるものにおいて、各混合ポリマーの前者成分(AまたはC)の比率が50〜98%で後者成分(BまたはD)の比率が50〜2%であることが好ましい。というのは、これら各成分のうち架橋性成分はBとDであり、これらの割合が50%を超えると架橋密度が高くなりすぎてイオン伝導度が低下し、一方2%未満であると架橋不能となるからである。
【0015】
このようにして得られる末端変性有機ポリマー混合物に以下に例示する可溶性電解質塩化合物をドーピングした後、必要に応じて重合開始剤や増感剤を用いて、熱・光・電子線等の活性放射線照射下で架橋して本発明のイオン伝導性ポリマー電解質を得ることができる。可溶性電解質塩化合物としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、四ホウフッ化リチウム、ビストリフロロメチルスルホニルイミドリチウム、トリストリフロロメチルスルホニルメチドリチウム、チオシアン酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、トリフロロメタンスルホン酸ナトリウム、四ホウフッ化ナトリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸カリウム、トリフロロメタンスルホン酸カリウム、四ホウフッ化カリウム、チオシアン酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウムおよびトリフロロメタンスルホン酸マグネシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種または2種以上のものを用いることができる。
【0016】
【作用】
本発明のイオン伝導性ポリマー電解質は、特定構造のポリエーテル化合物を架橋した有機ポリマーからなるので、イオン伝導に寄与する非晶質相を安定化させ、低温から高温まで高いイオン伝導度を発現し、高温域においても流動することはない。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
グリセリン18gと下記式▲4▼で表されるメチルジエチレングリコールグリシジルエーテル730gとエチレンオキシド182gとの混合物を、触媒(水酸化カリウム2g)の存在下で反応させ、脱塩精製を行って、分子量4700(水酸基価より算出)のポリエーテル876gを得た。
【0018】
【化6】
【0019】
そして、このポリエーテルに、その水酸基数に対して1.1当量のナトリウムメチラートを加え、100℃でメタノールを除去して末端水酸基をアルコラート化した後ヨウ化メチルを加え、80℃で6時間反応させることにより末端水酸基をメトキシ化した(以下『化合物A−▲1▼』という、有機ポリマー成分Aに相当するもの)。
【0020】
また、分子量8000のグリセリンに、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物(重量比4:1)を触媒の存在下で反応させ、その共重合体の末端水酸基数に対して1.2当量のアクリル酸を加え、該アクリル酸の50倍量(重量)のトルエン及び硫酸0.01モル%を110℃で8時間反応させることにより、末端アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドを得た(以下『化合物B−▲1▼』という、有機ポリマー成分Dに相当するもの)。
【0021】
このようにして得た『化合物A−▲1▼』3.0gと『化合物B−▲1▼』0.6gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.006gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0022】
(実施例2)
分子量3000のジエチレングリコールに、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物(重量比4:1)を触媒の存在下で反応させ、その共重合体の末端水酸基数に対して1.1当量のナトリウムメチラートを加え、100℃でメタノールを減圧除去して末端水酸基をアルコラート化した後ヨウ化メチルを加え、80℃で6時間反応させることにより末端メトキシ変性ポリアルキレンオキシドを得た(以下『化合物A−▲2▼』という、有機ポリマー成分Cに相当するもの)。
【0023】
そして、『化合物A−▲2▼』3.2gと実施例1の方法で合成した『化合物B−▲1▼』0.4gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.02gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で2分間紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0024】
(実施例3)
エチレンジアミン20gと下記式▲5▼で表されるフェニルヘキサエチレングリコールグリシジルエーテル5520gとエチレンオキシド1173gとの混合物を、触媒(水酸化カリウム9.4g)の存在下で反応させ、脱塩精製を行って、分子量19920(水酸基価より算出)のポリエーテル6590gを得た。
【0025】
【化7】
【0026】
そして、このポリエーテルに、その水酸基数に対して1.1当量のアクリル酸、該アクリル酸の20倍量(重量)のトルエン及び硫酸0.01モル%を80〜90℃で8時間反応させることにより、末端アクリロイル変性有機ポリマーを得た(以下『化合物B−▲2▼』という、有機ポリマー成分Bに相当するもの)。
【0027】
そして、『化合物B−2』0.7gと実施例2の方法で合成した『化合物A−2』2.9gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.02gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で2分間紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0028】
(実施例4)
実施例1の方法で合成した『化合物A−▲1▼』3.1gと実施例3の方法で合成した『化合物B−▲2▼』0.5gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.02gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で2分間紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0029】
(比較例1)
実施例1の方法で合成した『化合物B−▲1▼』3.6gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.006gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0030】
(比較例2)
実施例3の方法で合成した『化合物B−▲2▼』3.6gに、過塩素酸リチウム0.4g及び0.006gの重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を加えて均一に溶解した後ガラス板上に流下し、窒素雰囲気で7mW/cm2 の強度で紫外線を照射することにより、厚さ50μmのイオン伝導性ポリマー電解質を得た。
【0031】
(リチウムイオン伝導度試験)
次に、このようにして得た実施例1〜4および比較例1、2のイオン伝導性ポリマー電解質のイオン伝導度を測定するために、各ポリマー電解質を白金板で挟み、電極間の交流インピーダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行った。
【0032】
その結果を以下の表1に示す。なお、測定機としては、横河ヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザー(形式:4192A)を使用し、その測定条件としては、印加電圧=10mV、測定使用周波数=5Hz〜13MHZとした。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に明らかなように、本発明のイオン伝導性ポリマー電解質は優れたイオン伝導度を示し、特に比較的高温におけるイオン伝導度が優れている。
【0035】
これに比し、比較例1、2のポリマーは架橋性成分のみからなるため、架橋密度が高くなりすぎてイオン伝導度が低い。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係るイオン伝導性ポリマー電解質は、低温から高温まで安定して高いイオン伝導度を示す。また、架橋系のポリマー電解質を有するため、従来の熱可塑性ポリマー電解質に見られる流動性もなく、高温下でも安全に使用できる。
Claims (3)
- 一般式▲1▼で表される平均分子量1000〜50000の有機化合物における末端基Yがアルキル基、アルケニル基またはアリール基である有機ポリマー成分Aと該有機化合物における末端基Yがアクリロイル基またはメタクリロイル基である有機ポリマー成分Bとの混合ポリマー、
分子末端水酸基をアルコキシ基、アルケニルオキシ基またはアリールオキシ基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分Cと上記有機ポリマー成分Bとの混合ポリマー、
分子末端水酸基をアクリロイル基、メタクリロイル基またはアリル基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分Dと上記有機ポリマー成分Aとの混合ポリマー、
または上記有機ポリマー成分Cと有機ポリマー成分Dとの混合ポリマー
からなる4種の混合ポリマーの中のいずれか1つの混合ポリマーを架橋した有機ポリマー中に可溶性電解質塩化合物を含み、
2種の有機ポリマー成分を混合した各混合ポリマーAとB、CとB、AとDまたはCとDからなるものにおいて、各混合ポリマーの前者成分(AまたはC)の比率が50〜98%で後者成分(BまたはD)の比率が50〜2%であることを特徴とするイオン伝導性ポリマー電解質。
- 一般式[1]で表される平均分子量1000〜50000の有機化合物における末端基Yがアルキル基またはアリール基である有機ポリマー成分Aと該有機化合物における末端基Yがアリル基である有機ポリマー成分Bとの混合ポリマー、
分子末端水酸基をアルコキシ基、アルケニルオキシ基またはアリールオキシ基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分Cと上記有機ポリマー成分Bとの混合ポリマー、
分子末端水酸基をアクリロイル基、メタクリロイル基またはアリル基で置換した分子量500〜50000の末端変性ポリアルキレンオキシドの有機ポリマー成分Dと上記有機ポリマー成分Aとの混合ポリマー、
または上記有機ポリマー成分Cと有機ポリマー成分Dとの混合ポリマー
からなる4種の混合ポリマーの中のいずれか1つの混合ポリマーを架橋した有機ポリマー中に可溶性電解質塩化合物を含み、
2種の有機ポリマー成分を混合した各混合ポリマーAとB、CとB、AとDまたはCとDからなるものにおいて、各混合ポリマーの前者成分(AまたはC)の比率が50〜98%で後者成分(BまたはD)の比率が50〜2%であることを特徴とするイオン伝導性ポリマー電解質。
- 有機ポリマーが、混合ポリマーを、重合開始剤及び/または増感剤を用いて、熱、光または電子線等の活性放射線照射下で架橋したものであることを特徴とする請求項1または2記載のイオン伝導性ポリマー電解質。
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