JP2812711B2 - 感熱記録装置 - Google Patents

感熱記録装置

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JP2812711B2
JP2812711B2 JP12441089A JP12441089A JP2812711B2 JP 2812711 B2 JP2812711 B2 JP 2812711B2 JP 12441089 A JP12441089 A JP 12441089A JP 12441089 A JP12441089 A JP 12441089A JP 2812711 B2 JP2812711 B2 JP 2812711B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えばサーマルヘッドのような感熱記録手
段を有する感熱記録装置に係り、特に複数系統の搬送経
路で複数の感熱記録媒体を搬送し、移動自在とされた感
熱記録手段で所望の感熱記録媒体を選択的に挟持して感
熱処理できるようにした感熱記録装置に関するものであ
る。
[従来の技術] 感熱記録手段の一例として製版印刷装置をとりあげ
る。第13図は従来の製版印刷装置を示す断面図である。
同図において1はロール状に巻成された連続シート状
の感熱孔版原紙(孔版原紙)である。この孔版原紙1を
案内する傾斜した搬送経路2には、正逆回転自在とされ
た孔版原紙1の駆動手段である一対の搬送ローラ3と孔
版原紙1の存在を感知する検出センサ4が設けられてい
る。
該搬送ローラ3の送り方向には、感熱記録手段である
サーマルヘッド5とプラテンローラ6から成る製版部7
が定位置に配設されている。
次に、この装置には、感熱紙を案内するための搬送経
路8が設けられ、装置本体の外部から定位置にある製版
部7に感熱紙9を導入できるようになっている。即ち、
孔版原紙1の搬送経路2と感熱紙9の搬送経路8とは定
位置にある製版部7で合流しており、製版部7を通過し
た孔版原紙1はストック部10の上方に設けられた送りロ
ーラ11と排出ローラ12を有する後半の搬送経路から切断
部13に送られ、他方で製版部7を通過した感熱紙9は図
示しない後半の搬送経路に送られて装置外へ排出される
ようになっている。なお、感熱製版と感熱印刷のいずれ
を行なうかは、製版部7に送り込まれる孔版原紙1と感
熱紙9を切り換えて選択すればよい。このように、この
装置は製版印刷装置として利用できるだけでなく、前記
サーマルヘッド5によって感熱紙9に直接画像等を形成
することができるようになっており、複写装置のように
利用することもできる。
そして、前記切断部13の隣には、印刷部としての版胴
14が設けられている。製版された孔版原紙1は版胴14の
外周面に巻装された後に切断部13で適宜長さに切断され
る。そして、該版胴14を回転駆動することにより孔版印
刷が行なわれるようになっている。
[発明が解決しようとする課題] 前述した通り、従来の製版印刷装置によれば、製版部
7は装置内の定位置に固定されており、孔版原紙1と感
熱紙9の各搬送経路2,8は該製版部7で合流していた。
そして、供給を切り換えることによって孔版原紙1と感
熱紙9のいずれか一方を選択的に製版部7に送り込むよ
うにしていた。
従って従来の装置によれば、厚さの異なる孔版原紙1
と感熱紙9の両者を間隔の固定されたプラテンローラ6
とサーマルヘッド5の間に通さなければならず、詰まり
が発生しやすいという問題点があった。また、製版部7
の配設位置が固定されていることから、感熱製版から感
熱印刷に切換える場合には、製版部7を挿通している孔
版原紙1を一度手前側に引抜いた後に感熱紙9を給送し
なければならないという問題点があった。そして感熱製
版を再開するために孔版原紙1を再び製版部7に設定す
るのに長時間を要するという問題点があった。
[課題を解決するための手段] 本発明の感熱記録装置は、互いに独立して上下に並設
された複数の搬送経路と、該搬送経路の途中に設けられ
た感熱記録手段と、を具備し、前記搬送経路は、一端か
ら感熱孔版原紙1が供給され、他端には感熱製版済みの
該感熱孔版原紙1により孔版印刷を行わせるための回転
式の版胴70が設けられた感熱孔版原紙1搬送用の下方の
搬送経路22と、一端から感熱紙9が供給され、他端から
は感熱印刷済みの該感熱紙9が排出される感熱紙9搬送
用の上方の搬送経路23とにより構成され、前記感熱記録
手段は、前記搬送経路の上部位置に設定されたサーマル
ヘッド36及び該搬送経路の下部位置において該搬送経路
による搬送方向と交差する縦方向に昇降作動自在とされ
たプラテンローラ37とを有し、プラテンローラ37の上昇
作動により、前記下方又は上方の搬送経路にある感熱孔
版原紙1又は感熱紙9をサーマルヘッド36との間におい
て選択的に挟持して、感熱孔版原紙1に対し感熱製版又
は感熱紙9に対し感熱印刷することを特徴としている。
[作 用] 下方の搬送経路22内で感熱孔版原紙1を搬送し、上方
の搬送経路23内で感熱紙9をそれぞれ搬送する。感熱記
録手段は、そのプラテンローラ37が所要のタイミングで
搬送と交差する縦方向に移動し、所定の搬送経路内にあ
る感熱孔版原紙1又は感熱紙9を選択的に挟持して、感
熱孔版原紙1に対し感熱製版を行い、感熱紙9に対し感
熱印刷する。
[実施例] 本発明の一実施例を第1図〜第13図によって説明す
る。本実施例は、感熱記録装置としての製版印刷装置に
関するものである。
本実施例の構成を第1図によって説明する。この製版
印刷装置20(以下、装置20と呼ぶ。)の筐体21の内部に
は、感熱記録媒体としての感熱孔版原紙1(孔版原紙
1)の搬送経路22と、感熱記録媒体としての感熱紙9の
搬送経路23とが、互いに独立して上下両位置に並設され
ている。そして両搬送経路22,23の中途には、感熱記録
手段24が設けられている。また、筐体21の後端面21aに
はロール状の孔版原紙1が装着され、搬送経路22内に送
り込まれるようになっている。
まず、孔版原紙1の搬送経路22と、搬送手段としての
駆動ローラA,B,C,D等について説明する。孔版原紙1の
搬送経路22は上下のガイド部材によって構成されてい
る。該搬送経路22は筐体21の後端面21aに孔版原紙1の
挿入口25を有しており、筐体21内でほぼ水平に延設され
ている。そして、前半には、それぞれ従動ローラa,bと
対になった2つの駆動ローラA,Bが設けられており、両
駆動ローラA,BはローディングモータM1に連動連結され
ている。また搬送経路22の後半には、それぞれ従動ロー
ラc,dと対になった2つの駆動ローラC,D及びピンチロー
ラ26が設けられており、これらローラC,D,26はローディ
ングモータM2に連動連結されている。また、駆動ローラ
C,Dの回転軸にはワンウェイクラッチが設けられてお
り、孔版原紙1は図中右方向にのみ搬送され、左方向に
戻ることがないように構成されている。
前記駆動ローラA,Bの間には、カッタモータM3によっ
て回転駆動される回転刃27と、該回転刃27に接する固定
刃28とを備えた切断部29が設けられている。切断部29の
回転刃27にはマイクロスイッチ30のアクチュエータが当
接しており、回転刃27の停止位置を検出できるようにな
っている。また、前記駆動ローラA,Bの下方には第1の
溜め箱31が設けられており、ローディングモータM2の停
止時にローディングモータM1を駆動することにより、駆
動ローラBから排出された孔版原紙1を所定長さだけ箱
内に溜め込むことができるように構成されている。ま
た、前記駆動ローラC,Dの下方には第2の溜め箱32が設
けられている。後述するように、駆動ローラC,Dの間に
は感熱記録手段24が設けられており、この感熱記録手段
24が製版した孔版原紙1を溜め箱32の中に溜め込むこと
ができるようになっている。
前記搬送経路22の挿入口25の近傍にはローディングセ
ンサ33が設けられており、孔版原紙1の挿入を検知して
前記ローディングモータM1,M2に駆動信号を送るように
構成されている。駆動ローラBと駆動ローラCの間の搬
送経路22にはローディング待機センサ34が設けられてお
り、搬送されてきた孔版原紙1の先端部分を検知して、
該先端部分が駆動ローラCに挟持されたところでローデ
ィングモータM2に停止信号を送るように構成されてい
る。駆動ローラDの先方の搬送経路22には製版待機セン
サ35が設けられており、製版されて駆動ローラDから排
出されてきた孔版原紙1の先端部分を検知して、前記ロ
ーディングモータM2に停止信号を送るように構成されて
いる。
次に、前記駆動ローラC,Dの中間の位置には、感熱記
録手段24を構成するサーマルヘッド36及びプラテンロー
ラ37が設けられている。プラテンローラ37は昇降板38に
取付けられている。該昇降板38は一対のガイド39,39に
案内されており、孔版原紙1の搬送方向と直交する鉛直
方向に上下動できるようになっている。昇降板38にはラ
ック40が設けられており、ラック40に噛合うピニオン41
と同軸の歯車42は、加圧モータM4の出力軸に連動連結さ
れている。即ち、加圧モータM4を駆動することにより、
プラテンローラ37を上下動させることができるように構
成されている。また、プラテンローラ37の駆動軸は、後
述する書込みモータM5の出力軸に連動連結されている。
前記プラテンローラ37の上方にはサーマルヘッド36が設
けられている。サーマルヘッド36には、ファクシミリ装
置と同様に原稿の画像を読み取るための読取部から画像
情報信号が送られるようになっており、該信号に基づい
て、搬送手段によって搬送されてくる孔版原紙、又は感
熱紙9に穿孔を施すようになっている。そして、該サー
マルヘッド36は後述する感熱紙9の搬送経路23内に設定
されており、前記プラテンローラ37の上死点位置を定め
ている。即ち、サーマルヘッド36は、回動自在の取付軸
43に固設されたアーム44に自動調心の軸受45を介して取
付けられており、取付軸43の軸端に固設されたレバー46
の端部は、上死点センサ47の受光部と発光部の間に位置
しうるようになっている。従って、プラテンローラ37が
上昇してサーマルヘッド36を押し上げると、取付軸43が
回転してレバー46の端部を下方に旋回させるので、上死
点センサ47の光軸がレバー46の端部によって遮断され、
プラテンローラ37が上死点に来たことが検知される。ま
た前記ガイド39の下方には下死点センサ48が設けられて
おり、プラテンローラ37の下死点位置を定めている。
次に、感熱紙9の搬送経路23と、搬送手段としての各
種ローラ等について説明する。この搬送経路23は感熱紙
9の両端を案内するガイド部材によって構成されてい
る。該搬送経路23は、筐体21の後端面21aに感熱紙9の
挿入口49を有しており、筐体21内で前記搬送経路22の上
方にほぼ平行に配設されている。そして搬送経路23は、
前記駆動ローラDの上方で略半円形に曲折されて筐体21
の後端面21a側に向けて延設され、前記挿入口49の上方
にある排出口50に接続開口している。前記搬送経路23の
挿入口49に近い部分には、感熱紙9の搬送手段としてス
クレーパ51とピックアップ52と捌きローラ53が設けられ
ており、スクレーパ51と捌きローラ53はピックアップ52
に連動するようになっている。ピックアップ52は中間プ
ーリ54を介して書込みモータM5の駆動軸に連動連結され
ているが、ピックアップ52の軸にはワンウェイクラッチ
が設けられており、感熱紙9による感熱印刷時に、書込
みモータM5が前記上死点センサ47の検出信号を受けて逆
転した時のみ、ピックアップ52が搬送方向に回転駆動さ
れるようになっている。また、前記中間プーリ54は前記
プラテンローラ37に連動連結されており、書込みローラ
M5が正転した時にはピックアップ52が回転することなく
プラテンローラ37のみが回転駆動されるようになってい
る。次に、搬送経路23の湾曲部分と上方部分には搬送手
段としての排出ローラ55,56が設けられている。両排出
ローラ55,56は前記駆動ローラCに連動連結されてい
る。
前記スクレーパ51とピックアップ52の間にはセンサ58
が設けられており、感熱紙9の有無を検出して前記加圧
モータM4に操作信号を送り、プラテンローラ37を上死点
まで上昇させるように構成されている。プラテンローラ
37が上死点にくると、上死点センサ47が検出信号を出力
して書込みモータM5を逆転させ、スクレーパ51・ピック
アップ52・捌きローラ53を駆動して感熱紙9を搬送する
が、搬送方向に関して前記捌きローラ53の先方隣部に
は、搬入センサ59が設けられており、感熱紙9が通過し
て所定長さ搬送されたことを検知し、書込みモータM5を
停止するように構成されている。なお、この時、感熱紙
9はプラテンローラ37に当ってたるんだ状態になってい
る。そして、搬送経路23の上部排出側には排出センサ60
が設けられており、搬送されていく感熱紙9が該排出セ
ンサ60を抜けたことを検知して、ローディングモータM2
と書込みモータM5の駆動を停止するようになっている。
次に、前記搬送手段の駆動ローラDの隣には、印刷部
としての版胴70が設けられている。版胴70は多孔構造の
円筒体により構成され、外周面には孔版原紙1の一端部
を係止するためのクランプ手段71が設けられ、内部には
インキ供給装置が設けられている。そして、版胴70は、
図示しない電動機によって図にて時計回り方向に回転駆
動されるようになっている。図示はしないが、この版胴
70の下方には、ソレノイドの電磁力によって版胴の外周
面へ向けて選択的に付勢されるプレスローラが設けられ
ている。そして、プレスローラをはさむ版胴70の両側の
位置には、該プレスローラと版胴70の間に印刷用紙を送
り込む給紙装置と、印刷された印刷用紙を版胴70から剥
ぎ取って排出させるための排紙装置とが設けられてい
る。また、印刷終了後に版胴70から孔版原紙1を引きは
がして排棄箱内に投入する排版装置が、版胴70の近傍に
設けられている。
次に、以上の構成における作用について第2図〜第12
図を参照して説明する。
1.孔版原紙1の自動設定 第2図に示すように、初期状態ではプラテンローラ37
は下死点位置にある。孔版原紙1を挿入口25から搬送経
路22内に入れると、ローディングセンサ33が孔版原紙1
の先端を検出する。ローディングセンサ33からの検出信
号によってローディングモータM1,M2が駆動され、駆動
ローラA,B,C,D及びピンチローラ26が送り方向に回転を
始める。各従動ローラa,b,c,dは連れ回りする。そし
て、操作者が孔版原紙1を駆動ローラAまで送り込む
と、孔版原紙1は搬送経路22に沿って図中右方向へ搬送
されていく。
第3図に示すように、送り出された孔版原紙1がロー
ディング待機センサ34を通過して駆動ローラCに挟持さ
れると、ローディング待機センサ34がローディングモー
タM2に停止信号を出力して駆動ローラC,Dを停止させ
る。
第4図に示すように、ローディングモータM2が停止し
た後もローディングモータM1は回転を続ける。孔版原紙
1の先端は停止した駆動ローラCで挟持固定されている
ので、駆動ローラA,Bから送り出されてくる孔版原紙1
は溜め箱31内に入っていく。そして所定長さの孔版原紙
1が溜め箱31内に溜め込まれると、ローディングモータ
M1は停止する。
第5図に示すように、カッタモータM3が駆動して切断
部29の回転刃27を駆動させ、孔版原紙1を切断する。そ
の後、ローディングモータM1が再び駆動して後方の孔版
原紙1を搬送し、その先端を切断部29よりも先方に若干
量突出させる。
以上〜の動作で孔版原紙1の自動設定動作は終了
し、感熱製版又は感熱印刷の待機状態となる。
2.感熱製版及び孔版印刷 感熱製版開始スイッチが押されると、第6図に示すよ
うにローディングモータM2と書込みモータM5が正回転を
始める。切断された溜め箱31内の孔版原紙1は駆動ロー
ラC,Dによって搬送され、プラテンローラ37は回転駆動
を始める。そして、製版待機センサ35が搬送されてきた
孔版原紙1の先端を検知すると、該センサ35からの検知
信号によってローディングモータM2は停止される。
第7図に示すように、ローディングモータM2が停止し
た後、加圧モータM4が駆動され、プラテンローラ37が上
死点まで持ち上げられる。
プラテンローラ37は孔版原紙1を下方から押し上げる
が、該孔版原紙1の先端部分はワンウェイクラッチを備
えた駆動ローラDに挟持されて逆戻りしないようになっ
ているので、溜め箱31内の孔版原紙1が駆動ローラCを
介してプラテンローラ37側に引き出されることになる。
従って、製版待機センサ35によって位置決めされた孔版
原紙1が後方に引抜かれて位置ズレをおこしてしまうこ
とがない。また、駆動ローラC,Dの間で上方に持ち上げ
られた孔版原紙1は、プラテンローラ37に十分な接触面
積をもって巻掛けられる。特に本実施例では、持ち上げ
られた孔版原紙1は従動ローラc及びピンチローラ26を
介してプラテンローラ37に巻掛けられるので、孔版原紙
1とプラテンローラ37の接触面積はさらに大きくなって
いる。
孔版原紙1を間に介してプラテンローラ37がサーマル
ヘッド36を押し上げると、取付軸43が回動する。取付軸
43の回動に伴ってレバー46が旋回され、プラテンローラ
37とサーマルヘッド36の接触圧力が適正製版圧力に達し
た時に、レバー46の端部が上死点センサ47の光軸を遮断
する。そして、この時に出力される上死点センサ47の上
死点検出信号に基づいて加圧モータM4の駆動が停止され
る。
第8図に示すように、加圧モータM4が停止された後に
感熱製版が開始され、製版された孔版原紙1は溜め箱32
内に溜められる。
使用済みの孔版原紙は排版装置によってあらかじめ版
胴70から引きはがして排棄しておく。そして、で説明
した感熱製版動作の途中でローディングモータM2が駆動
される。溜め箱32内にある製版済みの孔版原紙1は版胴
70まで送り出され、その先端部がクランプ手段71によっ
てクランプされる。製版終了後、版胴70は第8図中時計
回り方向に回転駆動され、所定長さに切断されている製
版済みの孔版原紙1のみが版胴70の周面に着版される。
これと同時に加圧モータM4が駆動され、プラテンローラ
37は下死点まで降下する。
版胴70が回転駆動され、これに同期して給紙装置、プ
レスローラ及び排紙装置が駆動され、孔版印刷が行なわ
れる。製版待機センサ35から前記孔版原紙1が抜けた後
には、前記切断部29の先まで来ている後続の孔版原紙1
は、前記〜の動作を繰り返す。
3.感熱印刷 第9図に示すように、後続の孔版原紙1はサーマルヘ
ッド36及びプラテンローラ37の手前側で待機しているの
で、感熱製版に続いて感熱印刷を行なう場合には、孔版
原紙1を移動させる必要がない。感熱紙9の搬送経路23
に挿入口49から感熱紙9を供給し、感熱印刷開始スイッ
チを押すと、センサ58が感熱紙9の有無を検知する。感
熱紙9の存在が検知された場合には、該センサ58からの
信号によって加圧モータM4が駆動され、プラテンローラ
37が上死点に設定される。
第10図に示すように、上死点センサ47からの上死点検
出信号に基づいて書込みモータM5が逆転駆動され、感熱
紙9は、ピックアップ52、スクレーパ51、捌きローラ53
によって搬送される。そして、感熱紙9が搬送センサ59
を通過して所定長さ搬送されたところで、該搬入センサ
59が書込みモータM5に停止信号を出力する。書込みモー
タM5が停止した時には、感熱紙9はプラテンローラ37に
当って搬送経路23内でたるんだ状態になっている。
第11図に示すように、書込みモータM5が正転駆動さ
れ、プラテンローラ37が送り方向に回動されてサーマル
ヘッド36による感熱印刷が開始される。これと同時にロ
ーディングモータM2が駆動し、印刷済みの感熱紙9は排
出ローラ55,56によって配送経路23内を排出口50に向け
て搬送される。
第12図に示すように、感熱紙9が排出センサ60を抜け
て排出口50から外に出たところでローディングモータM2
が停止される。そして、加圧モータM4が駆動してプラテ
ンローラ37が下死点に戻される。
以上説明したように、本実施例の製版印刷装置によれ
ば、次のような効果がある。
(イ)ロール状に巻装された帯状の孔版原紙1を所定長
さに切断してから製版しているので、製版時等に孔版原
紙1に斜行等の不都合が起こっても、後続の孔版原紙1
に悪影響が波及する恐れがない。また、孔版原紙1を版
胴70に多重に巻装してしまう恐れがない。また、着版後
に版胴70の回転を止めて孔版原紙1を切断する必要がな
いので、着版した後直ちに印刷を開始することができ
る。
(ロ)感熱紙9の経路と孔版原紙1の経路を別々にし、
感熱紙9の搬送経路23内に設けられたサーマルヘッド36
に対してプラテンローラ37を移動させることができるよ
うにした。従って、プラテンローラ37の移動によって孔
版原紙1をサーマルヘッド36の側に引き寄せて挟持する
ことができ、厚さの異なる感熱紙9と孔版原紙1の双方
を詰まりを生ずることなく感熱処理することができる。
また、孔版原紙1の自動設定時には、孔版原紙1はほぼ
水平な搬送経路22に沿って搬送されるので、詰まりは一
層生じにくい。また、プラテンローラ37と孔版原紙1の
接触面積を十分に確保できるので製版時の送り速度を安
定させることができる。
(ハ)第5図に示すように、切断された孔版原紙1の待
機位置が感熱記録手段24の手前であるため、感熱印刷時
に孔版原紙1を移動させる必要がない。従って、従来の
装置のように、孔版原紙1をサーマルヘッド36から引き
抜いたり、サーマルヘッド36に再設定するといった動作
は不要である。
〔発明の効果〕
本発明による感熱記録装置では、上下の搬送経路を搬
送する感熱孔版原紙1と感熱紙9に対し、選択的に、搬
送経路途中の単一の感熱記録手段により、該感熱孔版原
紙1に対し感熱設版を行い、該感熱紙9に対し感熱印刷
することができる。
また、その感熱記録手段は、プラテンローラ37の上昇
作動により、下方又は上方の搬送経路にある感熱孔版原
紙1又は感熱紙9をサーマルヘッド36との間において選
択的に挟持して、感熱孔版原紙1に対し感熱製版又は感
熱紙9に対し感熱印刷する構造であるため、厚さの異な
る感熱孔版原紙1と感熱紙9を常に適正に挟持して感熱
印刷でき、詰まりなどが生じることがない。また、感熱
製版中、上方のサーマルヘッド36に対して、プラテンロ
ーラ37が感熱孔版原紙1を下方から押し上げて感熱製版
するため、感熱孔版原紙1にテンションが加えられ、し
わやタルミを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例である製版印刷装置の主要
な構造を示す断面図、第2図、第3図、第4図及び第5
図は同実施例における孔版原紙の自動設定動作を示す
図、第6図、第7図及び第8図は同実施例における感熱
製版動作を示す図、第9図、第10図、第11図及び第12図
は同実施例における感熱印刷動作を示す図、第13図は従
来の製版印刷装置の一例を示す断面図である。 1……感熱記録媒体としての感熱孔版原紙(孔版原
紙)、 9……感熱記録媒体としての感熱紙、 20……感熱記録装置としての製版印刷装置(装置)、 22,23……搬送経路、24……感熱記録手段、26……搬送
手段としてのピンチローラ、 A,B,C……搬送手段としての駆動ローラ、 51……搬送手段としてのスクレーパ、 52……搬送手段としてのピックアップ、 53……搬送手段としての捌きローラ、 55,56……搬送手段としての排出ローラ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 11/48 B41J 11/14 B41J 15/00 B41L 13/04 B41L 13/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに独立して上下に並設された複数の搬
    送経路と、該搬送経路の途中に設けられた感熱記録手段
    と、を具備し、 前記搬送経路は、一端から感熱孔版原紙が供給され、他
    端には感熱製版済みの該感熱孔版原紙により孔版印刷を
    行わせるための回転式の版胴が設けられた感熱孔版原紙
    搬送用の下方の搬送経路と、一端から感熱紙が供給さ
    れ、他端からの感熱印刷済みの該感熱紙が排出される感
    熱紙搬送用の上方の搬送経路とにより構成され、 前記感熱記録手段は、前記搬送経路の上部位置に設定さ
    れたサーマルヘッド及び該搬送経路の下部位置において
    該搬送経路による搬送方向と交差する縦方向に昇降作動
    自在とされたプラテンローラとを有し、プラテンローラ
    の上昇作動により、前記下方又は上方の搬送経路にある
    感熱孔版原紙又は感熱紙をサーマルヘッドとの間におい
    て選択的に挟持して、感熱孔版原紙に対し感熱製版又は
    感熱紙に対し感熱印刷することを特徴とする感熱記録装
    置。
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