JP2809240B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転平面円盤上に情報
を記録したりあるいは、すでに記録された情報を再生す
るための磁界変調方式の光ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】回転する円盤上に形成された同心円状、
または螺旋状のトラック上に情報を光学的に記録し、あ
るいはすでに記録された情報を光学的に読み出して再生
する装置としては情報を凹凸の形で記録し、これに光ビ
ームを照射し光の干渉を利用して再生するコンパクトデ
ィスクや光学式ビデオディスク、あるいは磁気光学効果
を利用して記録再生する光磁気ディスクなどの装置がす
でに実用化されている。

【０００３】従来、光磁気ディスク装置のオーバーライ
トは磁界変調方式がありこれに必要な構成は、図５に示
すようにディスク８を挟んで光ヘッド１８と磁気ヘッド
１が対向しており、記録媒体を光ヘッド１８から照射さ
れた微少なスポットで加熱し、保磁力を弱め磁気ヘッド
で媒体に磁場を印加し、媒体の磁界の向きにより
“１”、“０”の信号を記録する。

【０００４】この場合、光ヘッドは光パワーを高出力で
固定している“１”、“０”の信号は磁気ヘッド１の磁
界をパルス状に変調することでオーバーライトを行なっ
ていた。磁気ヘッド１は、記録媒体の磁化方向を変える
のに必要な磁力（２００θｅ〜４００θｅ）が要求され
るため、かつ高周波の変調速度が必要なためディスクに
接近した構成が必要となっていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ディスク８の
面振れやスピンドルモータ１７の機械的軸精度が発生す
るため、ディスク８と磁気ヘッド１は、あまり接近でき
なく磁気ヘッド１にフォーミング機構を設けた駆動機構
が考えられていた。この場合、光ヘッド１８と磁気ヘッ
ド１は別駆動であるため磁気の中心とスポットの中心の
相対位置を高精度に保つため磁気ヘッド１側に絶対位置
検出機構やアライメント時の高精度調整が要求され装置
の大型化やコスト高の問題があった。さらに、図６に示
すように光ヘッド２３と磁気ヘッド１が同一のキャリッ
ジで構成される場合も考えられるが、この場合磁気ヘッ
ド１を大型化し所要の磁束を発生させることが可能だ
が、ディスクローディング機構部との干渉があり、装置
が大型化することやキャリッジレール７に沿って駆動す
るトラッキングアクセス時の可動部の重量は非常に増大
し、アクセスタイムの短縮が不可能となっていた。

【０００６】従って、図５に示すような構成で光ヘッド
１８と磁気ヘッド１を別駆動とし、高速アクセスを達成
するよう構成し、磁気ヘッド１の磁気有効範囲を利用し
た磁気とスポットの相対中心位置精度の緩和、つまり磁
気ヘッド１設計の容易性や磁気ヘッド１の位置検出セン
サー等の削除による装置の小型化、低コスト化が必要で
あった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明では磁気ヘッドをトラッキング方向に常に
振動させ、記録時の磁気有効範囲を広げたものである。

【０００８】

【作用】前記構成により、高速アクセスを達成すると同
時に磁気ヘッド設計の容易性の向上、磁気ヘッド位置検
出センサーの削除による装置の小型化、抵コスト化を図
れる。

【０００９】

【実施例】図１、図２、図３、図４を用いて本発明の一
実施例を詳細に説明する。図１は、本発明の磁気ヘッド
駆動装置の上面図である。図２は、本発明の磁気ヘッド
駆動装置の全体構成の斜視図である。図３は磁気ヘッド
の磁界強度分布を示す。図４（ａ）、（ｂ）は磁気ヘッ
ドと磁気有効範囲の従来例と本発明の場合を示す。図に
おいて、６は例えばロ字状に構成された磁気ヘッドキャ
リッジであって、２本のトラッキング用のキャリッジレ
ール７、７に対して直線移動可能に構成されている。
尚、キャリッジレール７、７は磁気ヘッドキャリッジ１
に形成された貫通孔に摺動可能に挿入されている。この
磁気ヘッドキャリッジ１の中空部分にはベース部材２
が、少なくとも２本のレール４、４にトラック方向へ摺
動可能に取り付けられている。そして、ベース部材２の
両側にはトラック方向への駆動力を得るための振動用コ
イル３が設けられている。この振動用コイル３に対向す
る磁気ヘッドキャリッジ部分には、振動用マグネット５
が取り付けてある。ベース部材２のディスク８側には、
磁気ヘッド１が設けられている。

【００１０】従って、ディスク８上の記録点に対して光
ヘッドの対物レンズ１０からの微少なビームスポット９
を照射し、磁気ヘッド１はその該照射点を中心として±
数〓の振巾で振動させる。従来、磁気ヘッド１の強度分
布は、図３に示すように縦軸に磁界強度１２、横軸に磁
気中心からの距離１１を示す。磁気ヘッド１中心の０か
ら±×［mm］の距離で得られる磁界強度の許容値１３、
つまりディスクの磁界の向きを変えるのに十分な磁力
（２００θｅ〜４００θｅ）が得られるとすると、±×
［mm］から外れた所での記録は不可能となる。従ってデ
ィスクの偏心、スピンドルモータの偏心と磁気ヘッド組
み立て精度が悪いと記録できない場合がある。

【００１１】本発明では、図４（ｂ）に示すごとく、磁
気ヘッド１を図に示す方向に振動させる事で、磁界強度
の許容値範囲は磁気ヘッドを振動させた分広くなる。例
えば、磁気ヘッド１の磁気有効範囲１５を磁気ヘッド中
心に対して±０．２mmとすると磁気ヘッド振巾を±０．
２〓振動させる事で磁気有効範囲は±０．４mmとなる。
従って光ヘッドのスポットと磁気ヘッド１の磁気中心の
相対位置の精度は、ほぼ±０．４mmとなり、部品の加工
精度で十分得られる許容値となる。この場合、振巾の許
容値は、記録周波数内に往復できる距離で設定される。
また、振動方向を前記の場合はトラッキング方向のみで
あったが、タンジェンシャル（トラッキング）方向とラ
ジアル（ジッタ）方向の二方向の振動を合成し、円また
は楕円運動させた磁気有効範囲を作り、二方向の精度の
緩和を可能とすることが出来る。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によって次
の効果が得られる。 （１）磁気ヘッドの光ヘッドからのスポットに対する相
対位置精度が緩和され、加工が容易かつ安価になる。 （２）磁気ヘッドと光ヘッドの相対位置を検出するため
のセンサー等の機構が削除でき安価な装置が提供でき
る。 （３）装置の小型化さらに、光ヘッドの軽量化が可能と
なりアクセスタイムの短縮が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の上面図である。

【図２】図１の斜視図である。

【図３】磁気ヘッドの磁気強度分布図である。

【図４（ａ）】

【図４（ｂ）】従来例と本発明の一実施例の場合におけ
る磁気ヘッドと磁気有効範囲の関係を示す図である。

【図５】従来例の要部側面図である。

【図６】図５の斜視図である。

【符号の説明】

１ 磁気ヘッド ２ 磁気ヘッドベース ３ 振動用コイル ４ レール ５ 振動用マグネット ６ 磁気ヘッドキャリッジ ７ キャリッジレール ８ ディスク ８’ トラック ９ ビーム １０ 対物レンズ １１ 距離［ｍｍ］ １２ 磁界強度［θｅ］ １３ 許容強度 １４ 磁束分布 １５ 磁気有効範囲 １６ 磁気ヘッド振動方向 １７ スピンドルモータ １８ キャリッジローラー １９ 光ヘッド移動方向 ２０ 磁気ヘッド移動方向 ２１ レンズアクチュエータ ２２ 磁気ヘッド保持アーム ２３ 光ヘッド

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドと光ヘッドを含む磁界変調方
   式の光ディスク装置において、上記磁気ヘッドの磁界中
   心と媒体を加熱する光ヘッドの照射スポット中心の相対
   位置関係に関し、磁気ヘッドをディスクのトラッキング
   方向に常に振動させる手段を設け、記録時の磁気有効範
   囲を広げることを特徴とする光ディスク装置。