JP2808077B2 - カルテ等の被検索物の個別検索管理方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の棚の棚板に多数
載置されて収納された被検索物の中から必要とする被検
索物だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、検
索によって棚より取り出された被検索物の返却状況や所
在を確実に管理することが出来るカルテ等の被検索物の
個別検索管理方法とその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、棚の棚板に多数載置されて収納さ
れた被検索物の中から必要とする被検索物だけを検索し
て取り出すために適宜用いられる被検索物の個別検索装
置としては、例えば、特開平１−98067 号公報所載のも
のが存在する。

【０００３】即ち、上記公報所載の被検索物の個別検索
装置は、図６に示す様に、棚15に多数載置されたカルテ
（ファイル）等の被検索物16の各々に検索子機（受信
機）17が具備されてなると共に、コンピュータ18を介し
て検索したい被検索物16に対応する赤外線を用いた検索
信号が、前記棚15に配設された発信機19を介して発せら
れると、該検索信号に対応する被検索物16の検索子機17
のみが前記検索信号を受信して所定の外部表示を発する
ことによって所望の被検索物16の保管場所を外部に知ら
しめることが出来るものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記構成
からなる被検索物の個別検索装置には下記の様な問題点
があった。

【０００５】即ち、上記構成からなる被検索物の個別検
索装置は、棚に多数載置された被検索物の検索子機の受
信部に、前記コンピュータを介して前記棚に配設された
発信機から所定の検索信号を発することにより所望の被
検索物の検索子機を外部表示させて、容易に、しかも瞬
時に所望の被検索物を検索して取り出すことは出来る
が、取り出した後の用済みの被検索物を前記棚に返却し
た場合に於いて、該被検索物の棚への収納状態によって
は、被検索物に設けられた検索子機が、必ず棚に配設さ
れた発信機からの検索信号を受光すべく該棚の棚板に載
置されて返却されるとは限らず、よって検索信号を発し
たにも係わらず所望の被検索物が、外部表示を発しない
こともある。

【０００６】従って、所望の被検索物が、前記棚に返却
されているのに外部表示しないものなのか、又取り出さ
れたままで棚に返却されていないのかの判別が全くつか
なくなり、コンピュータを介しての被検索物の管理その
ものが完全に麻痺状態になるという実務上の極めて重大
な問題が生じていた。

【０００７】然して、本発明は上記の問題を解決するも
のであり、コンピュータを介して所望のカルテ等の被検
索物を検索する場合に於いて、複数の棚の棚板に多数載
置されて収納された被検索物の中から、必要とする被検
索物だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、検
索によって棚より取り出された被検索物の返却状況や所
在を確実に管理することが出来る極めて優れたカルテ等
の被検索物の個別検索管理方法とその装置を提供するこ
とを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために全く新しいカルテ等の被検索物の個別検索
管理方法及びその装置を発明し、以下の手段を講じたも
のである。

【０００９】即ち、本発明は、複数の棚６の棚板6aの夫
々に載置されて収納されたカルテ等の被検索物５の夫々
に具備され、且つ予め所定の認識コードを記憶した検索
子機３の夫々に所定の検索信号を出力し、その後該検索
信号が所望の被検索物５に具備された検索子機３の認識
コードと一致した際、又は検索信号と認識コードとの一
致によって表示手段を外部表示する検索子機３を具備し
た被検索物５を前記棚６より取り出した際に、該被検索
物５の検索子機３に所定の取出データを記憶させ、その
後取り出された用済みの被検索物５を何れかの棚６に返
却した際、返却された被検索物５の検索子機３より自己
の認識コードを出力させて前記棚６の夫々に設けられた
棚返却情報管理装置４に記憶させた後、該棚返却情報管
理装置４より返却された被検索物５の検索子機３に、記
憶してなる取出データを消し込むための消去信号を出力
し、その後ホストコンピュータ1aからの要求によって該
棚返却情報管理装置４に記憶してなる各被検索物５の検
索子機３の認識コードの夫々に、該被検索物５が返却収
納された棚６の棚データ及び棚板6aの棚段データの夫々
を付加し、前記ホストコンピュータ1aに返答する点にあ
る。

【００１０】又、上記カルテ等の被検索物の個別検索管
理方法を実施するための装置として本発明は、複数の棚
６の棚板6aの夫々に載置されて収納されたカルテ等の被
検索物５の夫々に、必要に応じて随時所定の認識コード
を書込み可能で、且つ識別可能な外部表示を発する表示
手段を有した検索子機３が設けられ、且つ該検索子機３
の夫々には、前記検索信号が自己の認識コードと一致し
た際、又は前記検索信号が自己の認識コードと一致する
ことで外部表示を発した検索子機３を具備する被検索物
５を前記棚６より取り出した際に、所定の取出データを
記憶する取出データ記憶部3aと、取り出された用済みの
被検索物５を前記複数の棚６の何れかに返却した際、返
却された被検索物５の検索子機３の認識コードを出力す
る認識コード出力部3bとが設けられてなり、しかも前記
棚６の夫々には、返却された検索子機３から出力された
認識コードを記憶する棚返却情報管理装置４が設けら
れ、且つ該棚返却情報管理装置４には、前記返却された
検索子機３の認識コードを記憶した際、返却された被検
索物５の検索子機３に記憶された取出データを消し込む
ための消去信号を出力する消去信号発信部4bが設けられ
てなり、且つ該棚返却情報管理装置４には、前記ホスト
コンピュータ1aからの要求により記憶してなる各被検索
物５の検索子機３の認識コードの夫々に、該被検索物５
が返却収納された棚６の棚データ及び棚板6aの棚段デー
タの夫々を付加して返答する返却収納棚データ送信部4c
が設けられた点にある。

【００１１】更に、前記検索子機３の夫々が、前記被検
索物５の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機
３が、前記ホストコンピュータ1aに接続された検索子機
集中制御装置７を介して所定の認識コードを書込み可能
な点にある。

【００１２】更に、前記各検索子機３及び各棚板6aの夫
々には、誘導起電力発生用のコイル８,8a が設けられた
点にある。

【００１３】又、前記棚返却情報管理装置４が、前記棚
板6aの夫々に対応する複数の棚段制御機4aによって構成
された点にある。

【００１４】更に、前記棚段制御機4aの夫々には、外部
表示を発する表示手段が設けられた点にある。

【００１５】更に、前記表示手段が、夫々異なる発光色
を有した複数の発光体９で構成された点にある。

【００１６】又、前記棚板6aと、該棚板6aに載置される
被検索物５の検索子機３とが、所定の接続手段を介して
接続可能で、且つ検索信号、認識コード及び消去信号の
夫々が、前記接続手段を介して伝達される点にある。

【００１７】更に、前記棚板6aと、該棚板6aに載置され
る被検索物５の検索子機３とが、電磁波を介して検索信
号、認識コード及び消去信号の夫々を伝達する点にあ
る。

【００１８】

【作用】本発明に於けるカルテ等の被検索物の個別検索
管理方法に用いられる個別検索管理装置によれば、複数
の棚６の棚板6aの夫々に載置されて収納されたカルテ等
の被検索物５の夫々に、必要に応じて随時所定の認識コ
ードを書込み可能で、且つ識別可能な外部表示を発する
表示手段を有した検索子機３が設けられ、且つ該検索子
機３の夫々には、前記検索信号が自己の認識コードと一
致した際、又は前記検索信号が自己の認識コードと一致
することで外部表示を発した検索子機３を具備する被検
索物５を前記棚６より取り出した際に、所定の取出デー
タを記憶する取出データ記憶部3aと、取り出された用済
みの被検索物５を前記複数の棚６の何れかに返却した
際、返却された被検索物５の検索子機３の認識コードを
出力する認識コード出力部3bとが設けられてなり、しか
も前記棚６の夫々には、返却された検索子機３から出力
された認識コードを記憶する棚返却情報管理装置４が設
けられ、且つ該棚返却情報管理装置４には、前記返却さ
れた検索子機３の認識コードを記憶した際、返却された
被検索物５の検索子機３に記憶された取出データを消し
込むための消去信号を出力する消去信号発信部4bが設け
られてなり、且つ該棚返却情報管理装置４には、前記ホ
ストコンピュータ1aからの要求により記憶してなる各被
検索物５の検索子機３の認識コードの夫々に、該被検索
物５が返却収納された棚６の棚データ及び棚板6aの棚段
データの夫々を付加して返答する返却収納棚データ送信
部4cが設けられてなることから、複数の棚６の棚板6aに
多数載置されて収納された被検索物５の中から、必要と
する被検索物５だけを瞬時に検索することが出来るだけ
でなく、検索によって棚より取り出された被検索物５の
返却状況や所在を確実に管理することが出来るだけでな
く、複数の被検索物５の取り出し作業と、複数の被検索
物５の返却作業とを並行することが出来る。

【００１９】更に、前記検索子機３の夫々が、前記被検
索物５の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機
３が、前記ホストコンピュータ1aに接続された検索子機
集中制御装置７を介して所定の認識コードを書込み可能
なことから、所望の被検索物５から検索子機３を簡単に
取り出して検索子機３の認識コードを必要に応じて瞬時
に変更することが出来る。

【００２０】又、前記各検索子機３及び各棚板6aの夫々
には、誘導起電力発生用のコイル８,8a が設けられてな
ることから、所望の被検索物５の棚６からの取り出し時
及び該被検索物５の棚６への返却時に、夫々のコイル
８,8a の電磁誘導を介して所望の検索子機３に取出デー
タを記憶させ、且つ認識コードを出力させる起電力を得
ることが出来る。

【００２１】更に、前記棚返却情報管理装置４が、前記
棚板6aの夫々に対応する複数の棚段制御機4aによって構
成されてなることから、被検索物５の返却状況を棚段毎
に確実に記憶することが出来る。

【００２２】更に、前記棚段制御機4aの夫々には、外部
表示を発する表示手段が設けられてなることから、複数
の棚６の中から所望の被検索物５が収納された棚６の棚
段を瞬時に探し出すことが出来る。

【００２３】又、前記表示手段が、夫々異なる発光色を
有した複数の発光体９で構成されてなることから、被検
索物５の検索時に於ける外部表示と、返却時に於ける返
却位置決め完了時に於ける外部表示とを瞬時に判別する
ことが出来る。

【００２４】更に、前記棚板6aと、該棚板6aに載置され
る被検索物５の検索子機３とが、所定の接続手段を介し
て接続可能で、且つ検索信号、認識コード及び消去信号
の夫々が、前記接続手段を介して伝達されてなることか
ら、該接続手段を介して確実な各種信号の伝達を行うこ
とが出来るだけでなく、各被検索物５の検索子機３の作
動用の電力をも供給することが出来るために、各検索子
機３から作動用の電池を完全に取り除くことが出来る。

【００２５】更に、前記棚板6aと、該棚板6aに載置され
る被検索物５の検索子機３とが、電磁波を介して検索信
号、認識コード及び消去信号の夫々を伝達することか
ら、棚６への被検索物５の出し入れを瞬時に、且つスム
ーズに行うことができる。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に従って説明する。

【００２７】図１に於いて、１は病院で使用されるカル
テ（被検索物）５の個別検索管理装置を示す。

【００２８】２は上記カルテ５の個別検索管理装置１に
用いられ、且つ該カルテ５を収納する複数の棚６の各棚
板6aの長手方向にそって埋設された信号送受信部を示
し、所定波長の赤外線信号を送受信可能な一対の発光素
子2a及び受光素子2bとからなり、しかも各棚板6aの長手
方向にそって埋設された夫々隣接する各一対の発光素子
2a及び受光素子2bの間隔は、予め前記棚板6aに載置され
て収納されるカルテ５の厚みと略同じに構成されてな
る。

【００２９】尚、上記複数の棚６の夫々は、中継機10を
介して所定のモニター12及びキーボード13を備えたホス
トコンピュータ1aに接続され、しかも該ホストコンピュ
ータ1aと中継機10との間には、上記カルテ５毎に着脱自
在に設けられ、且つ必要に応じて随時所定の認識コード
を書込み可能なＣＰＵ14と、該ＣＰＵ14作動用の電池14
a の夫々を内蔵する検索子機３に、所定の認識コードを
書込み設定することが出来る検索子機集中制御装置７が
設けられてなる。

【００３０】しかも、該検索子機集中制御装置７を介し
て所定の認識コードを書込み設定される検索子機３に
は、該検索子機３を具備したカルテ５が前記棚６に収納
された際、該棚６の棚板6aの長手方向にそって埋設され
た一対の発光素子2a及び受光素子2bに対応すべく所定波
長の赤外線信号を送受信可能な一対の受光素子3c及び発
光素子3dと、上記信号送受信部２から発せられた赤外線
による所定の検索信号を受信して前記ＣＰＵ14を介して
予め記憶された自己の認識コードと一致するか判定し、
且つ一致すれば外部表示すべく発光する表示ＬＥＤ（発
光体）９とが設けられてなる。

【００３１】更に、上記棚板6aの長手方向にそって埋設
された一対の発光素子2a及び受光素子2bの間及び前記棚
板6aに載置される各カルテ５の検索子機３との夫々に
は、電磁誘導を介して所定電位の誘導起電力を発生可能
な一対のコイル８，8aが設けられてなると共に、前記各
検索子機３のＣＰＵ14には、前記検索信号と自己の認識
コードとが一致した際に、所定の取り出しデータ（フラ
グ）を記憶する取出データ記憶部3aと、返却時に前記一
対のコイル８，8aを介して発生する誘導起電力を介して
自己の認識コードを発する認識コード出力部3bとが具備
されてなる。

【００３２】４は前記中継機10に接続された複数の棚６
の棚板6a（棚段）毎に設けられ、且つ返却された検索子
機３から出力される認識コードを棚段毎に記憶する複数
の棚段制御機4aから構成された棚返却情報管理装置を示
し、前記返却された検索子機３の認識コードを記憶した
際、返却された被検索物５の検索子機３に、記憶された
取出データを消し込むための消去信号を出力する消去信
号発信部4bが設けられ、しかも前記複数の棚段制御機4a
から構成された棚返却情報管理装置４には、前記ホスト
コンピュータ1aからの要求により記憶してなる各被検索
物５の検索子機３の認識コードの夫々に、該被検索物５
が返却収納された棚６の棚データ及び棚板6aの棚段デー
タの夫々を付加して返答する返却収納棚データ送信部4c
が設けられてなる。

【００３３】4dは前記各棚段制御機4aに設けられた発光
表示部を示し、11は前記棚６毎に取付けられた発光表示
灯を示し、共に前記ホストコンピュータ1aを介して発せ
られる検索信号の受信時に、所望のカルテ５が収納され
た棚６及び棚段を知らしめるべく発光するものである。

【００３４】本実施形態に於けるカルテ等の被検索物の
個別検索管理方法に使用される個別検索管理装置は以上
の構成からなるが、次にかかる装置を用いて各棚に収納
されたカルテ等の被検索物を検索管理する場合について
説明する。

【００３５】図２（イ）に於いて、先ず、個々の検索子
機３に、検索子機集中制御装置７を介して個々の認識コ
ードを書き込む。

【００３６】尚、上記の如く自己の認識コードを書き込
まれる各検索子機３には、認識コード書き込み中に表示
ＬＥＤ（発光体）９を発光させ、且つ認識コード書き込
み終了時に、前記表示ＬＥＤ（発光体）９を消灯させる
認識コード設定確認装置（図示せず）が具備されてな
る。

【００３７】次に、自己の認識コードが書き込まれた各
検索子機３を、同図（ロ）の様に、各カルテ５の背表紙
部に形成された空隙部5aに挿入するが、この時、挿入す
る検索子機３の表示ＬＥＤ（発光体）９が、前記背表紙
部に穿設された孔5bから確認出来る位置まで該検索子機
３を挿入し、その後検索子機３を具備したカルテ５を図
１に示す様に、各棚６の棚板6a上に載置して収納する。

【００３８】尚、上記の如く各棚６にカルテ５を収納し
た際に、該カルテ５が収納された棚段の棚段制御機4aに
は各カルテ５毎の検索子機３の認識コードが記憶され、
その後前記ホストコンピュータ1aには、該ホストコンピ
ュータ1aからの要求により記憶してなる各カルテ５の検
索子機３の認識コードの夫々に、該カルテ５が返却収納
された棚６の棚データ及び棚板6aの棚段データの夫々が
前記棚段制御機4aに具備された返却収納棚データ送信部
4cを介して返答されて記憶されることになる。

【００３９】従って、前記ホストコンピュータ1aを介し
て所望のカルテ５を検索する場合には、図３に示す様
に、先ず所望のカルテ５が収納された棚６の棚表示灯11
及び棚段に位置する棚段制御機4aの表示部4dを夫々発光
させて外部表示させた後、該カルテ５を載置する棚板6a
に設けられた信号送受信部２より所定の検索信号を発す
ることで、該棚板6aに載置された複数のカルテ５の中か
ら、所望のカルテ５の検索子機３の表示ＬＥＤ（発光
体）９を発光させて容易に、且つ瞬時に所望のカルテ５
を検索して取り出す（矢印Ａ）ことが出来る。

【００４０】尚、上記の如く取り出されたカルテ５の検
索子機３には、前記検索信号が自己の認識コードと一致
した際、取出データ記憶部3aを介して所定の取出データ
（フラグ）が記憶されることになる。

【００４１】次に、上記の様に検索によって棚６から取
り出した用済みのカルテ５を、前記複数の棚６の何れか
に返却した場合（矢印Ｂ）に、返却されたカルテ５の検
索子機３は、前記コイル８，8aを介して発生する誘導起
電力を介して、自己の認識コードを認識コード出力部3b
を介して出力することとなり、該カルテ５が載置された
棚板6aの信号送受信部２は、その認識コードを受信する
こととなる。

【００４２】従って、返却されたカルテ５の検索子機３
の認識コードは、該カルテ５が載置された棚板6aの信号
送受信部２を介して各棚段毎に設けられた棚段制御機4a
に記憶されることになる。

【００４３】よって、返却された検索子機３から出力さ
れた認識コードを記憶する棚段制御機4aから構成された
棚返却情報管理装置４は、消去信号発信部4bを介して所
定の消去信号を前記検索子機３へと出力し、返却された
検索子機３に記憶された取出データを消し込むこととな
る。

【００４４】その後、上記棚返却情報管理装置４の返却
収納棚データ送信部4cから、前記ホストコンピュータ1a
からの要求により記憶してなる各被検索物５の検索子機
３の認識コードの夫々に、該被検索物５が返却収納され
た棚６の棚データ及び棚板6aの棚段データの夫々を付加
して返答することで、複数の棚６の棚板6aに多数載置さ
れて収納されたカルテ５の中から、必要とするカルテ５
だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、検索に
よって棚６より取り出された被検索物５の返却状況や所
在を確実に管理することが出来るだけでなく、複数のカ
ルテ５の取り出し作業と、複数の被検索物５の返却作業
とを並行することが出来るのである。

【００４５】尚、上記実施形態に於いて、各検索子機に
は、表示ＬＥＤ（発光体）が設けられてなるが、例え
ば、前記表示手段が、図４（イ）に示す様に、夫々異な
る発光色を有した複数の発光体９，9aで構成されてなる
場合には、被検索物の検索時に於ける外部表示と、返却
時に於ける返却位置決め完了時に於ける外部表示とを瞬
時に判別することが出来る。

【００４６】更に、上記実施形態に於いて、各検索子機
には、ＣＰＵ作動用の電池が設けられてなるが、例え
ば、図４（ロ）に示す様に、各検索子機及び各棚板の夫
々に高電圧を発生させる強力な誘導起電力発生用のコイ
ル8b, 8cを備えた場合には、所望の被検索物の棚からの
取り出し時及び該被検索物の棚への返却時に、夫々のコ
イル8b, 8cの電磁誘導を介して所望の検索子機に取出デ
ータを記憶させ、且つ認識コードを出力させる起電力を
得ることが出来るだけでなくＣＰＵ作動用の電圧をも得
ることが出来る。

【００４７】更に、上記実施形態に於いて、棚板と、該
棚板に載置される被検索物の検索子機とは、非接触で検
索信号、認識コード及び消去信号の夫々を送受信する
が、例えば、図５に示す様に、棚板6aに設けられた接続
端子2cに、検索子機３に具備された接続端子3fを接続し
て検索信号、認識コード及び消去信号の夫々を伝達して
もよく、この場合には、より確実な各種信号の伝達を行
うことが出来るだけでなく、各被検索物の検索子機の作
動用の電力をも供給することが出来るだけでなく、検索
子機から作動用の電池を完全に取り除くことが出来る。
よって煩雑な電池の交換作業から解放されるだけでな
く、特に照明器具等の外乱光等による検索子機の誤作動
を確実に防止することが出来る。

【００４８】

【発明の効果】叙上の様に、本発明は、複数の棚の棚板
の夫々に載置されて収納されたカルテ等の被検索物の夫
々に具備され、且つ予め所定の認識コードを記憶した検
索子機の夫々に所定の検索信号を出力し、その後該検索
信号が所望の被検索物に具備された検索子機の認識コー
ドと一致した際、又は検索信号と認識コードとの一致に
よって表示手段を外部表示する検索子機を具備した被検
索物を、前記棚より取り出した際に、該被検索物の検索
子機に所定の取出データを記憶させ、その後取り出され
た用済みの被検索物を何れかの棚に返却した際、返却さ
れた被検索物の検索子機より自己の認識コードを出力さ
せて前記棚の夫々に設けられた棚返却情報管理装置に記
憶させた後、該棚返却情報管理装置より返却された被検
索物の検索子機に、記憶してなる取出データを消し込む
ための消去信号を出力し、その後ホストコンピュータか
らの要求によって該棚返却情報管理装置に記憶してなる
各被検索物の検索子機の認識コードの夫々に、該被検索
物が返却収納された棚の棚データ及び棚板の棚段データ
の夫々を付加し、前記ホストコンピュータに返答するこ
とから、複数の棚の棚板に多数載置されて収納された被
検索物の中から、必要とする被検索物だけを瞬時に検索
することが出来るだけでなく、検索によって棚より取り
出された被検索物の返却状況や所在を確実に管理するこ
とが出来るだけでなく、複数の被検索物の取り出し作業
と、複数の被検索物の返却作業とを並行することが出来
る。よって前記ホストコンピュータを介して複数の棚に
収納された複数の被検索物の個々の全てを集中管理する
ことが出来る。

【００４９】更に、前記検索子機の夫々が、前記被検索
物の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機が、
前記ホストコンピュータに接続された検索子機集中制御
装置を介して所定の認識コードを書込み可能なことか
ら、所望の被検索物から検索子機を簡単に取り出して検
索子機の認識コードを必要に応じて瞬時に変更すること
が出来る。よって頻繁に認識コードの書込み、変更及び
削除が行われる、例えば、病院のカルテ等に用いること
で、最少人員による受付業務の大幅な簡略化とスピード
アップを図ることが出来る。

【００５０】又、前記各検索子機及び各棚板の夫々に
は、誘導起電力発生用のコイルが設けられてなることか
ら、所望の被検索物の棚からの取り出し時及び該被検索
物の棚への返却時に、夫々のコイルの電磁誘導を介して
所望の検索子機に取出データを記憶させ、且つ認識コー
ドを出力させる起電力を得ることが出来る。よって電池
の消耗を最少限にとどめることが出来ると共に、非接触
で確実な信号の伝達を行えるだけでなく、夫々のコイル
から得られる誘導起電力を増大させた場合には、電池を
省いて極めて大きなコストダウンを図ることが出来る。

【００５１】更に、前記棚返却情報管理装置が、前記棚
板の夫々に対応する複数の棚段制御機によって構成され
てなることから、被検索物の返却状況を棚段毎に確実に
記憶することが出来る。よって一つの棚で確実に複数の
被検索物の取り出し作業と返却作業を並行することが出
来る。

【００５２】更に、前記棚段制御機の夫々には、外部表
示を発する表示手段が設けられてなることから、複数の
棚の中から所望の被検索物が収納された棚の棚段を瞬時
に探し出すことが出来る。よって被検索物の検索時間を
より短縮することが出来る。

【００５３】又、前記表示手段が、夫々異なる発光色を
有した複数の発光体で構成されてなることから、被検索
物の検索時に於ける外部表示と、返却時に於ける返却位
置決め完了時に於ける外部表示とを瞬時に判別すること
が出来る。よって特に返却時に於ける確実な棚板への載
置状態を返却人が知ることが出来る。

【００５４】更に、前記棚板と、該棚板に載置される被
検索物の検索子機とが、所定の接続手段を介して接続可
能で、且つ検索信号、認識コード及び消去信号の夫々
が、前記接続手段を介して伝達されてなることから、該
接続手段を介して確実な各種信号の伝達を行うことが出
来るだけでなく、各被検索物の検索子機の作動用の電力
をも供給することが出来るために、各検索子機から作動
用の電池を完全に取り除くことが出来る。よって煩雑な
電池の交換作業から解放されるだけでなく、特に照明器
具等の外乱光等による検索子機の誤作動を確実に防止す
ることが出来る。

【００５５】更に、前記棚板と、該棚板に載置される被
検索物の検索子機とが、電磁波を介して検索信号、認識
コード及び消去信号の夫々を伝達することから、棚への
被検索物の出し入れを瞬時に、且つスムーズに行うこと
ができる。よって被検索物を棚へ返却する場合や、取り
出す場合のスピードを向上させて作業効率を最大限引き
出すことが出来るという種々の格別な効果を有するに至
った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に於けるカルテ等の被検索物の個別検索
管理装置を示す斜視図。

【図２】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置に於ける検索子機への認識コード書込み時を示し、同
図（イ）は検索子機を検索子機集中制御装置に投入した
状態を示す平面図、同図（ロ）は認識コードを記憶した
検索子機をカルテ（被検索物）に装着した際の斜視図。

【図３】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置の使用状態を示す斜視図。

【図４】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置に用いられる検索子機を具備したカルテ（被検索物）
を示し、同図（イ），（ロ）は要部切り欠き断面図。

【図５】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置に於ける検索子機の他の実施例を示し、同図（イ），
（ロ）は要部切り欠き断面図。

【図６】従来のファイル等の被検索物の個別検索装置の
斜視図。

【符号の説明】

１…カルテ等の被検索物の個別検索管理装置 1a…ホストコンピュータ ２…信号送受信部 ３…検索子機 3a…取出データ記憶部 3b…認識コード出力部 ４…棚返却情報管理装置 4a…棚段制御機 4b…消去信号発信部 4c…返却収納棚データ送信部 ５…カルテ（被検索物） ６…棚 6a…棚板 ７…検索子機集中制御装置 10…中継機 14…ＣＰＵ

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の棚(6) の棚板(6a)の夫々に載置さ
   れて収納されたカルテ等の被検索物(5) の夫々に具備さ
   れ、且つ予め所定の認識コードを記憶した検索子機(3)
   の夫々に所定の検索信号を出力し、その後該検索信号が
   所望の被検索物(5) に具備された検索子機(3) の認識コ
   ードと一致した際、又は検索信号と認識コードとの一致
   によって表示手段を外部表示する検索子機(3) を具備し
   た被検索物(5) を前記棚(6) より取り出した際に、該被
   検索物(5) の検索子機(3) に所定の取出データを記憶さ
   せ、その後取り出された用済みの被検索物(5) を何れか
   の棚(6) に返却した際、返却された被検索物(5) の検索
   子機(3) より自己の認識コードを出力させて前記棚(6)
   の夫々に設けられた棚返却情報管理装置(4) に該認識コ
   ードを記憶させた後、該棚返却情報管理装置(4) より返
   却された被検索物(5) の検索子機(3) に、記憶してなる
   取出データを消し込むための消去信号を出力し、その後
   ホストコンピュータ(1a)からの要求によって該棚返却情
   報管理装置(4) に記憶してなる各被検索物(5) の検索子
   機(3) の認識コードの夫々に、該被検索物(5) が返却収
   納された棚(6) の棚データ及び棚板(6a)の棚段データの
   夫々を付加し、前記ホストコンピュータ(1a)に返答する
   ことを特徴とするカルテ等の被検索物の個別検索管理方
   法。
2. 【請求項２】 複数の棚(6) の棚板(6a)の夫々に載置さ
   れて収納されたカルテ等の被検索物(5) を、所定の検索
   信号によって個別検索するカルテ等の被検索物の個別検
   索管理装置に於いて、該被検索物(5) の夫々には、必要
   に応じて随時所定の認識コードを書込み可能で、且つ識
   別可能な外部表示を発する表示手段を有した検索子機
   (3) が設けられ、且つ該検索子機(3) の夫々には、前記
   検索信号が自己の認識コードと一致した際、又は前記検
   索信号が自己の認識コードと一致することで外部表示を
   発した検索子機(3) を具備する被検索物(5) を前記棚
   (6) より取り出した際に、所定の取出データを記憶する
   取出データ記憶部(3a)と、取り出された用済みの被検索
   物(5) を前記複数の棚(6) の何れかに返却した際、返却
   された被検索物(5) の検索子機(3) の認識コードを出力
   する認識コード出力部(3b)とが設けられてなり、しかも
   前記棚(6) の夫々には、返却された検索子機(3)から出
   力された認識コードを記憶する棚返却情報管理装置(4)
   が設けられ、且つ該棚返却情報管理装置(4) には、前記
   返却された検索子機(3) の認識コードを記憶した際、返
   却された被検索物(5) の検索子機(3) に記憶された取出
   データを消し込むための消去信号を出力する消去信号発
   信部(4b)が設けられてなり、且つ該棚返却情報管理装置
   (4) には、前記ホストコンピュータ(1a)からの要求によ
   り記憶してなる各被検索物(5) の検索子機(3) の認識コ
   ードの夫々に、該被検索物(5) が返却収納された棚(6)
   の棚データ及び棚板(6a)の棚段データの夫々を付加して
   返答する返却収納棚データ送信部(4c)が設けられてなる
   ことを特徴とするカルテ等の被検索物の個別検索管理装
   置。
3. 【請求項３】 前記検索子機(3) の夫々が、前記被検索
   物(5) の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機
   (3) が、前記ホストコンピュータ(1a)に接続された検索
   子機集中制御装置(7) を介して所定の認識コードを書込
   み可能な請求項２記載のカルテ等の被検索物の個別検索
   管理装置。
4. 【請求項４】 前記各検索子機(3) 及び各棚板(6a)の夫
   々には、誘導起電力発生用のコイル(8),(8a)が設けられ
   た請求項２又は３記載のカルテ等の被検索物の個別検索
   管理装置。
5. 【請求項５】 前記棚返却情報管理装置(4) が、前記棚
   板(6a)の夫々に対応する複数の棚段制御機(4a)によって
   構成された請求項２乃至４何れかに記載のカルテ等の被
   検索物の個別検索管理装置。
6. 【請求項６】 前記棚段制御機(4a)の夫々には、外部表
   示を発する表示手段が設けられた請求項５記載のカルテ
   等の被検索物の個別検索管理装置。
7. 【請求項７】 前記表示手段が、夫々異なる発光色を有
   した複数の発光体(9)である請求項２乃至６何れかに記
   載のカルテ等の被検索物の個別検索管理装置。
8. 【請求項８】 前記棚板(6a)と、該棚板(6a)に載置され
   る被検索物(5) の検索子機(3) とが、所定の接続手段を
   介して接続可能で、且つ検索信号、認識コード及び消去
   信号の夫々が、前記接続手段を介して伝達される請求項
   ２乃至７何れかに記載のカルテ等の被検索物の個別検索
   管理装置。
9. 【請求項９】 前記棚板(6a)と、該棚板(6a)に載置され
   る被検索物(5) の検索子機(3) とが、電磁波を介して検
   索信号、認識コード及び消去信号の夫々を伝達する請求
   項２乃至７何れかに記載のカルテ等の被検索物の個別検
   索管理装置。