JP3742064B2 - カルテ等の被検索物の仕分け管理装置 - Google Patents

カルテ等の被検索物の仕分け管理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルテ等の被検索物の仕分管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数のカルテ等の被検索物の中から所望の被検索物を仕分けして個別検索する装置としては、例えば、特開平1−98067号公報(特許文献1)にて開示された装置が知られている。
【0003】
上記特許文献1に記載された被検索物の個別検索装置は、棚に多数収納された被検索物のそれぞれに、個々に異なる認識コードを有した検索子機が設けられている。そして、ホストコンピュータを介して、検索したい被検索物の検索子機の認識コードに対応した検索信号が、棚に配設された発信機に対して発せられると、この検索信号に対応する被検索物の検索子機のみが検索信号を受信して外部発光する。
【0004】
すなわち、特許文献1においては、上記のように検索子機を外部発光させることによって、所望の被検索物の保管場所を外部に知らしめることが可能となり、作業者は、その発光した検索子機に基づいて、被検索物の取り出し等を行うことができる。
また、このように構成された装置によれば、各被検索物をホストコンピュータを用いて個別に管理可能であるため、被検索物を種別等に応じて分類して所定の場所に保管する必要がない。よって、保管に要する手間や時間を削減することができる。
【0005】
さらに、その他の従来技術にかかる装置としては、例えば、アクティブカルテ(例えば、最後に使用されてから所定期間未満のカルテ)と、インアクティブカルテ(例えば、最後に使用されてから所定期間以上経過したカルテ)とを適切に管理する装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−98067号公報
【特許文献2】
特開平11−11614号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、次のような問題があった。
【0008】
上述した特許文献1に記載された装置においては、被検索物に取り付けられた検索子機の発光部を発光させて、所望の被検索物の位置を作業者に知らしめるべく構成されているが、作業者がこの所望の被検索物を適切に取り出したか否かについては、何ら確認がなされていない。
すなわち、特許文献1によれば、発光している検索子機を目安として、作業者が目視確認を行って被検索物の取り出し作業を行っているにすぎないため、間違った被検索物を取り出す可能性があるという問題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された装置においては、インアクティブカルテを取り出した後に作業者がキー入力を行うことによって、取り出し間違いを防止する手段が開示されているが、実際に取り出した被検索物を具体的にチェックしているわけではない。つまり、間違ったものを取り出したとしても、入力が正しければ正しいと判断されるため、取り出し間違いを確実に防止することはできない。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術にかかる問題を解決するためになされたものであって、カルテ等の被検索物を適切に仕分けして個別管理することが可能であって、被検索物の取り出し間違いを防止することが可能なカルテ等の被検索物の仕分管理装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされた被検索物の仕分け管理装置であって、カルテ等の被検索物に取り付けられた検索子機と、前記被検索物を収容する被検索物収容部の近傍に設けられた中間管理手段と、前記中間管理手段との間で少なくとも前記被検索物を特定するための認識情報の授受を行う管理手段とを備え、前記中間管理手段が、近接非接触通信によって、少なくとも前記検索子機に記憶された前記被検索物を特定するための認識情報を得ることが可能であって、前記管理手段にて被検索物を特定するための認識情報が得られることにより前記管理手段から前記中間管理手段に対して該当する被検索物に関する認識情報についての指示が出された後、前記中間管理手段にて検索子機から得られた認識情報が前記指示が出された被検索物に関する認識情報と同一か否かについての同一性の判断が、前記中間管理手段および前記管理手段の少なくとも一方にて行われ、前記中間管理手段が、前記認識情報の同一性判断の結果に基づいて視覚および聴覚の少なくとも一方を刺激すべく機能する、警報発生手段を有していることを特徴としている。
【0012】
また、本発明にかかる仕分け管理装置においては、前記カルテ等の被検索物を複数収容した状態で移動可能な移動収容部を備え、前記移動収容部が、近接非接触通信によって、少なくとも前記検索子機に記憶された前記被検索物を特定するための認識情報を得ることが可能であって、得られた認識情報を前記中間管理手段に対して送信することが可能である、情報通信部を有する構成であることが好ましい。
この好ましい構成によれば、被検索物を一括して中間管理手段近傍の被検索物収容部に収容することができる。
【0013】
また、本発明にかかる仕分け管理装置においては、前記警報発生手段が、発光部およびスピーカの少なくとも一方を用いて構成されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明にかかる仕分け管理装置においては、前記中間管理手段が、文字、記号、および図形の少なくとも一つを表示可能な表示部を有し、前記表示部が前記警報発生手段として機能する構成が好ましい。
この表示部としては、例えば、前記認識情報に関する番号等を表示可能に構成した表示部等があげられる。そして、このような表示部を前記警報発生手段として機能させる態様としては、前記管理手段から指示が出された被検索物に関する認識情報と、前記中間管理手段にて得られた被検索物に関する認識情報とが異なる場合には、前記表示部に表示された番号等を点滅させたり、表示色を変更したりする方法があげられる。
【0015】
また、本発明にかかる仕分け管理装置においては、前記検索子機として、RFID(Radio Frequency Identification)タグが用いられる構成が好ましい。ここで、「RFIDタグ」とは、ICチップ等の記憶部と、記憶部内の情報を無線で送受信することが可能なアンテナ部を有するものである。このRFIDタグは、非接触で情報の読み取り、書き込みが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態にかかるカルテ等の被検索物の仕分け管理装置の概略図を示したものである。
【0018】
この図1に示すように、本実施形態にかかる被検索物の仕分け管理装置1は、病院内の受付等に設置された院内のホストコンピュータ10(本発明の「管理手段」に相当)を用いて一元管理されるように構成されており、このホストコンピュータ10は、内科、外科等の各科毎に設けられた複数の端末装置(コンピュータ11)における各種業務(例えば受付業務)等にも適宜対応可能に構成されている。各コンピュータ10,11は、各種情報の表示を行うモニタ等の表示手段、各種情報の入力を行うキーボード、マウス等の入力手段、および各種情報を記憶する記憶手段等を有している。
【0019】
また、本実施形態にかかる被検索物の仕分け管理装置1においては、上記各コンピュータ10,11との間で通信を行って各種情報の授受を実施可能な、データベースサーバ12が設けられている。このデータベースサーバ12は、各コンピュータ10,11にて入力された情報に基づいて所定のデータベースを構築可能であって、各コンピュータ10,11からの指示に基づいて、必要なデータを各コンピュータ10,11に送信可能なように構成されている。
【0020】
本実施形態にかかる被検索物の仕分け管理装置1は、上記コンピュータ10,11の他に、複数のカルテファイル30(本発明の「被検索物」に相当)を収納可能なボックス収容部21(本発明の「被検索物収容部」に相当)を複数(ここでは縦方向に四段)備えた棚20、各棚20毎に設けられた情報中継装置22、各ボックス収容部21毎に設けられた中間管理装置23(本発明の「中間管理手段」に相当)、およびカルテファイル30を成すファイル本体部に取り付けられたRFID(Radio Frequency Identification)タグ31(本発明の「検索子機」に相当)等を用いて構成されている。
【0021】
このカルテファイル30に取り付けられたRFIDタグ31には、後述するように、カルテファイル30内のカルテに記載された個人名や患者識別番号等(患者専用の番号、RFIDタグの認識コード等)が記憶されており、ホストコンピュータ10には、このRFIDタグ31から必要な情報を読み取るべく機能する読み取り装置13が接続されている。本実施形態においては、この読み取り装置13にてRFIDタグ31の認識コード等が読み取られ、この認識コードに対応するように、ホストコンピュータ10等を用いて患者識別番号等を入力して、この識別コードと患者識別番号等とを関連づけてデータベースサーバ12に所定のデータベースが構築され、患者識別番号等の各種情報は上述した通りRFIDタグ31に記憶される。
【0022】
なお、本発明は、このように、種々の情報を記憶可能なRFIDタグに限定されず、例えば、所定の認識コードのみを記憶可能なRFIDタグを用いてもよい。このようなRFIDタグを用いる場合には、RFIDタグの認識コードに対して種々の情報を関連づけた状態でデータベースを構築して、このRFIDタグとデータベースサーバとを用いて、被検索物の仕分け管理を実現する。
【0023】
各情報中継装置22は、その棚20の各ボックス収容部21内に設けられた中間管理装置23と、ホストコンピュータ10との間で、種々の情報の授受を行う際の中継処理を行うように構成されている。また、各情報中継装置22は、発光部22Aを有し、この発光部22Aは、必要に応じて点灯あるいは点滅するように構成されている。なお、この情報中継装置22は、ホストコンピュータ10と中間管理装置23との間の通信処理にて授受される各種情報を一時的に記憶する記憶部を有してもよい。
【0024】
図2は、本実施形態にかかる仕分け管理装置を成す中間管理装置の概略図を示したものである。また、図3は、本実施形態にて用いられる被検索物であるカルテファイルの概略図を示したものである。
【0025】
この図2に示すように、本実施形態においては、各ボックス収容部21内に一台ずつ中間管理装置23が設けられており、このボックス収容部21は、中間管理装置23を設けた部分以外の領域には、複数のカルテファイル30が収容可能に構成されている。
【0026】
中間管理装置23には、カルテファイル30に設けられたRFIDタグ31から必要な情報を読み取ることができる読み取り部23A、カルテファイル30の入庫時において入庫されるカルテファイル30内のカルテに関する情報を表示可能な入庫データ表示部23B、カルテファイル30の入庫時に必要に応じて点灯あるいは点滅等する入庫発光部23C、カルテファイル30の出庫時において出庫されるカルテファイル30内のカルテに関する情報を表示可能な出庫データ表示部23D、カルテファイル30の出庫時に必要に応じて点灯あるいは点滅等する出庫発光部23E、カルテファイル30の入庫あるいは出庫時において何等かの音を発するスピーカ部(図示省略)、およびRFIDタグ31から読み取られた情報あるいはホストコンピュータ10等から送信された情報等を記憶可能な記憶部(図示省略)等が設けられている。
【0027】
入庫発光部23C、出庫発光部23E、およびスピーカ部は、入庫の際におけるデータの読み取りが行われたこと、あるい出庫されるカルテファイル30に不具合(出庫間違い等)があったこと等を、作業者に知らせるために機能する。つまり、これらの発光部23C,23Eおよびスピーカ部(本発明の「警報発生手段」に相当)は、カルテファイル30の入出庫が正しく行われているか否かのシグナルを作業者に発するべく機能する。
【0028】
また、カルテファイル30は、上述したRFIDタグ31、合成樹脂等で形成されたファイル本体部32、ファイル本体部32内に所定のカルテを綴じ込むための留め具33、および患者の個人名や患者識別番号等を記載してカルテファイルを目視にて認識可能とする目視認識部34等を用いて構成されている。
この目視認識部34には、作業者が棚20等からの出し入れが容易であるように、患者識別番号等が記載された紙等が差し込まれている。また、RFIDタグ31は、ファイル本体部32の所定箇所に差し込みあるいは密封されており、水分等の侵入がないように構成されている。
【0029】
本実施形態にかかる被検索物の仕分け管理装置1は、以上のように構成されており、次のように機能する。以下、本実施形態にかかる仕分け管理装置1の使用、管理方法等について、図1から図3を参照しつつ具体的に説明する。
【0030】
まず、患者が診察に訪れ、カルテを作成する段階において、RFIDタグ31が設けられたカルテファイル30を用意して、このカルテファイル30の所定箇所に患者識別番号等を記載した目視確認部34を差し込む。次いで、読み取り装置13を用いて、カルテファイル30のRFIDタグ31からRFIDタグの認識コードを読み取り、ホストコンピュータ10等を用いて、そのRFIDタグ31の認識コードに対応付けて、患者に関する所定情報(氏名、患者識別番号等)(以下「患者所定情報」ともいう。)を入力する。これらの処理を経て、データベースサーバ12には、RFIDタグ31およびこれに対応した患者所定情報に関するデータベースが構築される。
【0031】
医師の診察が終了した後、上記のようにして作成されたカルテファイル30内にはカルテが綴じ込まれ、このカルテファイル30は、図1に示した棚20のボックス収容部21内に収容される。
【0032】
具体的には、作業者が空いている任意のボックス収容部21にカルテファイル30を入庫する前に、カルテファイル30のRFIDタグ31をそのボックス収容部21内に設けられている中間管理装置23の読み取り部23Aに近づける。読み取り部23Aからは定められた磁場が形成されているため、このようにRFIDタグ31を読み取り部23Aに近づけると、RFIDタグ31のセンサがその磁場に反応し、RFIDタグ31内の情報が中間管理装置23に発信される。中間管理装置23は、RFIDタグ31から発信された情報を受信し、その受信された情報の少なくとも一部(例えば、患者識別番号等)が入庫データ表示部23Bに表示されると共に、入庫発光部23Cが点灯する。ここで、入庫発光部23Cは押しボタン機能も有しており、入庫データ表示部23Bに表示された情報が、入庫しようとするカルテファイル30で間違いない場合には、作業者は入庫発光部23Cを押釦して、そのボックス収容部21にカルテファイル30を入庫する。
【0033】
上記カルテファイル30の入庫時においては、中間管理装置23の読み取り部23AにてRFIDタグ31から読み取られた患者所定情報が、入庫発光部23Cの押釦操作によって、中管理装置23、情報中継装置22、およびホストコンピュータ10を介して、データベースサーバ12に送信される。すなわち、データベースサーバ12においては、RFIDタグ31と患者所定情報との関連情報に収納箇所情報(カルテファイル30が収納されたボックス収容部番号等)が加えられて、データベースが再構築される。
【0034】
なお、上記実施形態においては、入庫発光部23Cの押釦操作によって種々の情報が送信されデータベースが再構築される場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば、中間管理装置23においてRFIDタグ31から患者所定情報等が読み取られた後、直ちにこれらの情報がデータベースサーバ12に送信されてデータベースが再構築されてもよい。
【0035】
以上のようにして、カルテファイル30の入庫処理が行われた後、入庫されたカルテファイル30を再度使用する場合には、次のような出庫処理が行われる。
【0036】
まず、ホストコンピュータ10あるいは各科に設けられたコンピュータ11から、必要なカルテファイル30についての出庫指示が出されると(例えば、診察券に記載されている患者の氏名、患者識別番号等が入力されると)、データベースサーバ12に記憶されている、その患者識別番号等に関連する種々の情報に基づいて、そのカルテファイル30が収容されている棚20に設けられた情報中継装置22に対して、出庫指示が出された旨の情報が送信され、情報中継装置22の発光部22Aが点灯あるいは点滅する。次いで、この情報中継装置22から、カルテファイル30が収容されているボックス収容部21の中間管理装置23に対しても、出庫が必要なカルテファイル30に関する情報が送信され、このカルテファイル30に関する患者識別番号等が出庫データ表示部23Dに表示されると共に、出庫発光部23Eが点灯あるいは点滅する。
【0037】
すなわち、本実施形態においては、ホストコンピュータ10等からの出庫指示が、情報中継装置22を介して中間管理装置23に送信され、その指示に基づいて、情報中継装置22の発光部22Aおよび出庫発光部23Eが点灯等し、出庫データ表示部23Dに患者識別番号等が表示される。この発光部22A、出庫発光部23E、および出庫データ表示部23Dの点灯等および表示は、カルテファイル30が収容されている場所(棚20およびボックス収容部21)を作業者に報知させるために機能する。
【0038】
作業者は、上記発光部22A,22Eに基づいてカルテファイル30が収容されているボックス収容部21を見知し、そのボックス収容部21から、出庫データ表示部23Dに表示された患者識別番号等に対応したカルテファイル30(被検索物)を取り出す。次いで、作業者は、取り出したカルテファイル30に取り付けられているRFIDタグ31を中間管理装置23の読み取り部23Aに近づける。
先にも説明したように、読み取り部23Aからは定められた磁場が形成されているため、RFIDタグ31を読み取り部23Aに近づけると、RFIDタグ31のセンサがその磁場に反応し、RFIDタグ31内の情報が中間管理装置23に発信されることとなる。
【0039】
次いで、中間管理装置23においては、ホストコンピュータ10等から指示が出されたカルテファイル30に関する患者識別番号等(の被検索物たるカルテファイル30を特定するための認識情報)と、読み取り部23Aを介して中間管理装置23にて得られた患者識別番号等(の被検索物たるカルテファイル30を特定するための認識情報)との同一性が判断され、同一である場合には(指示が出されたカルテファイルが適切に取り出された場合には)、正しいカルテファイル30が取り出された旨のシグナルが中間管理装置23から作業者に発せられ、そうでない場合には(指示が出されたカルテファイルと異なるファイルが取り出された場合には)、誤ったカルテファイル30が取り出された旨のシグナルが中間管理装置23から作業者に発せられる。
【0040】
正しいカルテファイル30が取り出された旨のシグナルが、中間管理装置23から作業者に発せられる際には、同時に、その旨の信号が中間管理装置23、情報中継装置22、およびホストコンピュータ10を介して、データベースサーバ13に送信される。データベースサーバ13では、この情報(カルテファイル30が取り出されて使用中等)に基づいて、取り出されたカルテファイル30に関する情報の書き換え処理(データベースの再構築)が行われる。
なお、誤ったカルテファイル30が取り出された旨のシグナル(警報)が、中間管理装置23から作業者に発せられた場合には、データベースの書き換え等は行われず、中間管理装置23は、所定時間だけ警報を発した後に、再び、適切なカルテファイル30を取り出し可能な状態で待機する。
【0041】
上述した「シグナル」としては、例えば、正しいカルテファイル30が取り出された場合には、中間管理装置23に内蔵されたスピーカ(図示省略)から「ピンポーン、ピンポーン」等の音が発せられ、誤ったカルテファイル30が取り出された場合には、中間管理装置23に内蔵されたスピーカから「ピィッ、ピィッ、ピィッ」等の警告音が発せられる場合があげられる。また、他の「シグナル」としては、カルテファイル30を出庫する前の段階においては(すなわちカルテファイル30を探している状態のときには)、出庫発光部23Eが「緑色の点滅状態」であるように設定されており、正しいカルテファイル30が取り出された場合には、出庫発光部23Eが「緑色の点灯状態」となり、誤ったカルテファイル30が取り出された場合には、出庫発光部23Eが「赤色の点滅状態」となるような構成があげられる。なお、このスピーカと発光部とによる「シグナル」は、必要に応じて複合的に発せられてもよい。
【0042】
なお、本実施形態においては、出庫発光部23Eが押しボタン機能を有し、ホストコンピュータ10等から出庫指示が出されたカルテファイル30が、その指示が出されたボックス収容部21内に存在しない場合には、出庫発光部23Eを押釦操作することによって、「存在しない」旨の情報をホストコンピュータ10等に送信すべく構成してもよい。
【0043】
本実施形態にかかる被検索物の仕分け装置1は、以上のように構成され機能するため、次のような効果を得ることができる。
【0044】
本実施形態において、作業者は、上述したように、カルテファイル30の入庫処理時に、空いている任意のボックス収容部21に、カルテファイル30を入庫することができる。つまり、空いている任意のボックス収容部21の中間管理装置23にてRFIDタグ31の情報を読み取らせた後に、そのボックス収容部21にカルテファイル30を収容すれば、収容されたカルテファイル30とそのボックス収容部21とが関連づけられた状態でデータベースサーバ12に種々の情報が記憶される。
したがって、本実施形態によれば、予め定められた場所にカルテファイル30を入庫する必要がなく、作業者の判断に基づきランダムに入庫場所を選択して入庫処理を行うことが可能となるため、入庫箇所が定められたいわゆる従来の「ボックス管理」と比較して、入庫処理の作業時間を大きく削減することができる。また、このような構成によれば、入庫スペースの正しい判断も容易に行うことができる。
【0045】
また、本実施形態にかかる装置によれば、上記のようにボックス収容部21の中間管理装置23にてRFIDタグ31の情報を読み取らせることによって、入庫に関する入力処理が行われることとなるため、データ入力のミスを防止することができる。つまり、データベースサーバ12において、確実な入庫データ(入庫されたカルテファイル30)の管理を行うことができる。
【0046】
さらに、本実施形態においては、カルテファイル30の出庫処理時に、ホストコンピュータ10等から出庫指示が出されたカルテファイルを特定する認識情報(データベースサーバ12にて蓄積管理されている認識情報)と、実際に出庫しようとしているカルテファイル30を特定する認識情報(RFID31から読み取られた認識情報)との同一性を判断し、この判断結果を踏まえて、作業者がカルテファイル30の出庫処理を行う。つまり、本実施形態にかかるカルテファイル30の出庫は、作業者の目視判断のみではなく、中間管理装置23にて、出庫指示が出されたカルテファイル30の「認識情報」と、RFID31から読み取られた「認識情報」との同一性を判断した後に行われるため、出庫指示が出されたカルテファイル30を間違えることなく確実に出庫することができる。
【0047】
また、本実施形態にかかる装置によれば、上記のようにボックス収容部21の中間管理装置23にてRFIDタグ31の情報を読み取らせることによって、出庫に関する入力処理が行われることとなるため、データ入力のミスを防止することができる。つまり、データベースサーバ12において、確実な出庫データ(出庫されたカルテファイル30)の管理を行うことができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態においては、ホストコンピュータ10と各棚20に設けられた情報中継装置22とが有線接続されて通信可能に構成された場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、ホストコンピュータ10と情報中継装置22とが無線状態で通信可能に構成されてもよい。
【0050】
また、上記実施形態においては、中間管理装置23にて、カルテファイル30に関する認識情報の同一性を判断する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて、ホストコンピュータ10あるいは情報中継装置22にて認識情報の同一性を判断すべく構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、ホストコンピュータ10と各ボックス収容部21に設けられた中間管理装置23とが情報中継装置22を介して通信可能に構成された場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、ホストコンピュータ10と各中間管理装置23とが直接的に通信可能に構成されてもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、ファイル本体部32に一つのRFIDタグ31が設けられたカルテファイル30について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて、二つ以上のRFIDタグをファイル本体部32に設けてもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、RFIDタグ31が、読み取り部23Aにて発生されている磁場に近接した際における近接センサ入力をトリガにして、読み取り部23Aとの間で「近接非接触通信」を行う場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
したがって、例えば、図4に示したような他の構成にかかる中間管理装置43を用いてもよい。
この図4に示された中間管理装置43は、先に説明した中間管理装置23と比較して、読み取り部43Aのみ、その構成が異なり、表示部23B,23Dおよび発光部23C,23Eは同様の構成を有している。この読み取り部43Aは、光センサカットトリガ方式を採用したものであり、この読み取り部43Aを用いる場合には、この方式に対応したRFIDタグ41が使用される。この中間管理装置43においては、読み取り部43Aのくぼみ部にて照射されている「光」をRFIDタグ41が遮ることが「トリガ」となって、RFIDタグ41と読み取り部43Aとの間で必要な情報の送信が行われる。そして、この送信された情報に基づいて、先に説明したような「入庫処理」および「出庫処理」が行われることとなる。
【0054】
また、上記各実施形態においては、ボックス収容部21にカルテファイル30を一つずつ入庫する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、図5に示すように、カルテファイル30を複数一括で入庫するような構成としてもよい。
ここで、図5(a)は、一括入庫を行う際に使用される移動収容部50を示しており、この移動収容部50には、先に説明した読み取り部23A(図2参照)と略同様の機能を有する読み取り部53Aを備えた情報通信部53が設けられている。
この実施形態においては、カルテファイル30のRFIDタグ31と情報通信部53の読み取り部53Aとの間で通信を行い、情報通信部53内にRFIDタグ31の必要な情報を蓄積し、通信が行われた後のカルテファイル30を移動収容部50に収容する。次いで、図5(b)に示すように、移動収容部50の情報通信部53とボックス収容部21に設けられた中間管理装置23との間で通信が行われ、情報通信部53から中間管理装置23に対して、これから入庫されるカルテファイル30に関する情報が送信され、この情報が、先に説明したように、データベースサーバ12に送られる。そして、この移動収容部50内の複数のカルテファイル30がボックス収容部21内に一括入庫される。
【0055】
また、上記各実施形態においては、入出庫されるカルテファイルの正誤を判断する警報発生手段として、所定の発光部あるいはスピーカを用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、特に発光部やスピーカを設けることなく、中間管理装置に設けられたデータ表示部23B,23Dを「警報発生手段」として機能させてもよい。
データ表示部23B,23Dを「警報発生手段」として使用する場合には、例えば、取り出し指示が出された際に、出庫データ表示部23Dに患者識別番号等を表示させ、その番号等と異なるカルテファイルが出庫されようとすると、その出庫データ表示部23Dにおける表示態様を変化させる(例えば、点灯から点滅に変化させる、青色から赤色に変化させる等)方法があげられる。
【0056】
上述した各実施形態にかかる「近接非接触通信」は、電波(一般に波長がmm程度以上のもの)、赤外線(波長が電波より短く、1μm程度までのもの)、可視光(波長が0.7μmから0.3μm程度までのもの)、あるいは紫外線(波長がさらに短く、数nm程度までのもの)等の「電磁波」を用いて行うことが可能であり、この「近接非接触通信」を行う際のトリガとしては、上述したように、「磁場」あるいは「光」を用いることが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、カルテ等の被検索物を適切に仕分けして個別管理することが可能であって、被検索物の取り出し間違いを防止することが可能なカルテ等の被検索物の仕分管理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるカルテ等の被検索物の仕分け管理装置の概略図である。
【図2】本実施形態にかかる仕分け管理装置を成す中間管理装置の概略図である。
【図3】本実施形態にかかる被検索物であるカルテの概略図を示したものである。
【図4】本発明の他の実施形態にかかる仕分け管理装置を成す中間管理装置の概略図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる仕分け管理装置を構成する移動収容部およびその使用方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1…被検索物の仕分け管理装置
10…ホストコンピュータ、11…コンピュータ、12…データベースサーバ、13…読み取り装置
20…棚、21…ボックス収容部、22…情報中継装置、23…中間管理装置30…カルテファイル、31…RFIDタグ、32…ファイル本体部、33留め具、34…目視認識部
43…中間管理装置
50…移動主要部、53…情報通信部

Claims (5)

  1. カルテ等の被検索物に取り付けられた検索子機と、前記被検索物を収容する被検索物収容部の近傍に設けられた中間管理手段と、前記中間管理手段との間で少なくとも前記被検索物を特定するための認識情報の授受を行う管理手段とを備え、
    前記中間管理手段が、近接非接触通信によって、少なくとも前記検索子機に記憶された前記被検索物を特定するための認識情報を得ることが可能であって、
    前記管理手段にて被検索物を特定するための認識情報が得られることにより前記管理手段から前記中間管理手段に対して該当する被検索物に関する認識情報についての指示が出された後、前記中間管理手段にて検索子機から得られた認識情報が前記指示が出された被検索物に関する認識情報と同一か否かについての同一性の判断が、前記中間管理手段および前記管理手段の少なくとも一方にて行われ、
    前記中間管理手段が、前記認識情報の同一性判断の結果に基づいて視覚および聴覚の少なくとも一方を刺激すべく機能する、警報発生手段を有している
    ことを特徴とするカルテ等の被検索物の仕分け管理装置。
  2. 前記カルテ等の被検索物を複数収容した状態で移動可能な移動収容部を備え、
    前記移動収容部が、近接非接触通信によって、少なくとも前記検索子機に記憶された前記被検索物を特定するための認識情報を得ることが可能であって、得られた認識情報を前記中間管理手段に対して送信することが可能である、情報通信部を有する
    請求項1に記載のカルテ等の被検索物の仕分け管理装置。
  3. 前記警報発生手段が、発光部およびスピーカの少なくとも一方を用いて構成されている
    請求項1または2に記載のカルテ等の被検索物の仕分け管理装置。
  4. 前記中間管理手段が、文字、記号、および図形の少なくとも一つを表示可能な表示部を有し、前記表示部が前記警報発生手段として機能する
    請求項1から3のいずれか1項に記載のカルテ等の被検索物の仕分け管理装置。
  5. 前記検索子機として、RFIDタグが用いられる
    請求項1から4のいずれか1項に記載のカルテ等の被検索物の仕分け管理装置。
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