JP2791466B2 - カルテ等の被検索物の個別検索管理方法及びその個別検索管理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の棚の棚段に
収納されたカルテ等の被検索物の中から必要とする被検
索物だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、検
索によって棚より取り出された被検索物の返却状況や所
在を確実に管理することが出来るカルテ等の被検索物の
個別検索管理方法とその個別検索管理装置に関する。

【０００２】従来、棚の棚板（棚段）に多数載置されて
収納された被検索物の中から必要とする被検索物だけを
検索して取り出すために適宜用いられる被検索物の個別
検索装置としては、例えば、特開平１−98067 号公報所
載のものが存在する。

【０００３】即ち、上記公報所載の被検索物の個別検索
装置は、図６に示す様に、棚17に多数収納されたカルテ
（ファイル）等の被検索物18の夫々に、個々に異なる認
識コードを有した検索子機（受信機）19が具備されてな
ると共に、ホストコンピュータ20を介して検索したい被
検索物18の検索子機19の認識コードに対応した赤外線に
よる検索信号が、前記棚17に配設された発信機21を介し
て発せられると、該検索信号に対応する被検索物18の検
索子機19のみが前記検索信号を受信して所定の外部表示
を発し、所望の被検索物18の保管場所を外部に知らしめ
ることが出来る構成からなるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記構成
からなる被検索物の個別検索装置には下記の様な問題点
があった。

【０００５】即ち、上記構成からなるカルテ等の被検索
物の個別検索装置は、棚に多数載置収納された被検索物
の検索子機の受信部に、前記ホストコンピュータを介し
て前記棚に配設された発信機から所定の検索信号を発す
ることにより所望の被検索物の検索子機を外部表示させ
て、容易に、しかも瞬時に所望の被検索物を検索して取
り出すことは出来るが、取り出した後の用済みの被検索
物を前記棚に返却した場合に於いて、該被検索物の棚へ
の収納状態によっては、被検索物に設けられた検索子機
が、必ず棚に配設された発信機からの赤外線を用いた検
索信号を確実に受光可能な位置に検索子機を位置決めす
べく該棚に返却されるとは限らず、よって検索信号を発
したにも係わらず所望の被検索物が、外部表示を発しな
いこともある。

【０００６】従って、所望の被検索物の検索子機が、前
記棚に返却されているのに外部表示しないものなのか、
又取り出されたままで棚に返却されていないのかの判別
が全くつかなくなり、その結果ホストコンピュータを介
しての被検索物の検索作業に不都合が生じることとな
る。

【０００７】よって、本件出願人は、上記の様な不都合
を解消するために、特開平７−247009号公報所載のカル
テ等の被検索物の個別検索管理方法とその装置の出願を
行ったものであり、係る発明は、検索子機を具備したカ
ルテ等の被検索物を検索によって棚より取り出した際
に、該検索子機に所定の取出データを記憶させ、その後
取り出された使用済みの被検索物を何れかの棚に返却し
た際、返却された被検索物の検索子機より自己の認識コ
ードを出力させて前記棚の夫々に設けられた棚返却情報
管理装置に該認識コードを記憶させた後、該棚返却情報
管理装置より返却された被検索物の検索子機に、記憶し
てなる取出データを消し込むための消去信号を出力し、
その後ホストコンピュータからの要求によって該棚返却
情報管理装置に記憶してなる各被検索物の検索子機の認
識コードの夫々に、該被検索物が返却収納された棚の棚
データ及び棚段データを加えた返却完了データを付加
し、前記ホストコンピュータに返答することで複数の棚
の棚段に収納された被検索物の中から、必要とする被検
索物だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、検
索によって棚より取り出された被検索物の返却状況や所
在を確実にホストコンピュータで管理することが出来る
ものである。

【０００８】然しながら、上記構成からなる被検索物の
個別検索管理方法とその装置にも、下記の様な問題点が
あった。

【０００９】即ち、上記各棚に設けられた棚返却情報管
理装置は、棚への返却時に検索子機から出力される自己
の認識コードを順次記憶すると共に、該認識コードに検
索子機が返却収納された棚の棚データ及び棚段データを
加えた返却完了データをホストコンピュータに送るもの
であるが、如何せん、例えば検索されて使用された被検
索物が同一の棚に複数同時に返却された場合には、前記
棚返却情報管理装置は、各被検索物に具備された夫々の
検索子機の認識コードを個々に読み取ることが出来ない
という実務上の極めて重大な問題が生じていた。

【００１０】然して、本発明は上記の問題を解決するも
のであり、ホストコンピュータ（親機）を介してカルテ
等の被検索物を検索する場合に於いて、複数の棚に多数
載置されて収納された被検索物の中から、必要とする被
検索物だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、
検索によって棚より取り出された被検索物が同一の棚の
同棚段又は同一の棚の別棚段の少なくとも何れか一方に
複数同時に返却された場合であっても各被検索物に具備
された検索子機を介しての被検索物の返却状況や所在を
確実に管理することが出来る極めて優れたカルテ等の被
検索物の個別検索管理方法とその個別検索管理装置を提
供することを課題とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために全く新しいカルテ等の被検索物の個別検索
管理方法及びその個別検索管理装置を発明し、以下の手
段を講じたものである。

【００１２】即ち、本発明に於けるカルテ等の被検索物
の個別検索管理方法は、ホストコンピュータ等の親機1a
と認識コードによって相互が区別される複数の検索子機
３を個々に備えた複数のカルテ等の被検索物５を収納す
る棚６より、前記親機1aを介して所望の被検索物５を検
索して取り出して使用し、その後被検索物５が同一の棚
６に複数同時に返却された場合に生じる各検索子機３の
認識コード読み取りエラーデータ等の返却不良データを
棚６又は棚段毎に管理し、その後返却不良データを管理
してなる棚６又は棚段毎の検索子機３に、未返却の検索
子機３の認識コード等の検索信号を発して該検索子機３
を具備した被検索物５の返却確認検索を行うことから、
複数の棚６に多数載置されて収納された被検索物５の中
から、必要とする被検索物５だけを瞬時に検索すること
が出来るだけでなく、検索によって棚６より取り出され
た被検索物５が同一の棚６に複数同時に返却された場合
であってもリアルタイムに被検索物５の返却状況や所在
を確実に管理することが出来、よって複数の被検索物５
の取り出し作業と、複数の被検索物５の返却作業の効率
及び各被検索物５の管理精度をより向上させることが出
来る実務上の大きな利点がある。

【００１３】更に、本発明のカルテ等の被検索物の個別
検索管理方法は、ホストコンピュータ等の親機1aと認識
コードによって相互が区別される複数の検索子機３を個
々に備えた複数のカルテ等の被検索物５を収納する棚６
より、前記親機1aを介して所望の被検索物５を検索して
取り出して使用し、その後被検索物５が棚６に返却され
た際に、返却された被検索物５の検索子機３の認識コー
ド及び被検索物５が返却収納された棚６の棚データ又は
棚段毎の棚段データの少なくとも何れか一方からなる返
却完了データと前記親機1aに記憶された検索子機３の検
索データとを照合して被検索物５の返却を確認可能なカ
ルテ等の被検索物の個別検索管理方法に於いて、前記検
索子機３が同一の棚(6) の同棚段又は同一の棚(6) の別
棚段の少なくとも何れか一方に複数同時に返却された場
合に生じる各検索子機３の認識コード読み取りエラーデ
ータの回数及びその読み取りエラーの発生した棚６の棚
データ又は棚段毎の棚段データの少なくとも何れか一方
からなる返却不良データを棚６又は棚段毎に管理し、そ
の後前記検索データの中で未照合の検索子機３の認識コ
ードに対する検索信号を、前記返却不良データを管理し
てなる棚６又は棚段毎の検索子機３に発することで、返
却完了データが送られてこなかった検索子機３を具備し
た被検索物５の返却確認検索を行うことから、複数の棚
６に多数載置されて収納された被検索物５の中から、必
要とする被検索物５だけを瞬時に検索することが出来る
だけでなく、検索によって棚より取り出された被検索物
５が同一の棚６に複数同時に返却された場合であっても
リアルタイムに検索子機３毎の認識コードを再度読み取
って被検索物５の返却状況や所在を確実に管理すること
が出来、よって複数の被検索物５の取り出し作業と、複
数の被検索物５の返却作業の効率及び各被検索物５の管
理精度をより向上させることが出来ると共に、各棚６の
全ての検索子機３を該検索信号に対して応答させる必要
もないことから、全体の消費電力を低減することも出来
る大きな利点がある。

【００１４】更に、本発明のカルテ等の被検索物の個別
検索管理方法は、返却完了データが送られてこなかった
検索子機３の認識コードに対する検索信号が、返却不良
データを管理してなる棚６又は棚段毎の検索子機３の全
てに一斉に発せられることから、各棚６に収納された全
ての検索子機３に検索信号を発したり、又該検索信号に
よって各棚６の全ての検索子機３を該検索信号に対して
応答させる必要もないことから、全体の消費電力を低減
することが出来るだけでなく返却完了データが送られて
こなかった検索子機３の検索時間を大幅にスピードアッ
プすることが出来る利点がある。

【００１５】更に、本発明のカルテ等の被検索物の個別
検索管理方法を用いた個別検索管理装置は、ホストコン
ピュータ等の親機1aと認識コードによって相互が区別さ
れる複数の検索子機３を個々に備えた複数のカルテ等の
被検索物５と、該カルテ等の被検索物５を収納可能な棚
６とからなり、しかも前記各検索子機３は前記親機1aと
双方向通信可能で、且つ自己の認識コードと前記親機1a
が発する検索信号とを比較し、一致すれば識別可能な外
部表示を発する表示手段を備えてなり、しかも前記親機
1aは検索されて棚６より取り出された検索子機３が棚６
に返却された際の該検索子機３の認識コード及び返却収
納された棚６の棚データ又は棚段毎の棚段データの少な
くとも何れか一方からなる返却完了データを管理可能な
構成にしてなるカルテ等の被検索物の個別検索管理装置
に於いて、該個別検索管理装置１には、検索されて使用
された被検索物５が同一の棚６の同棚段又は同一の棚６
の別棚段の少なくとも何れか一方に複数同時に返却され
た場合に生じる検索子機３の認識コード読み取りエラー
データの回数及びその読み取りエラーの発生箇所を棚６
又は棚段毎に管理するエラーデータ管理装置15が設けら
れてなることから、複数の棚６に多数載置されて収納さ
れた被検索物５の中から、必要とする被検索物５だけを
瞬時に検索することが出来るだけでなく、検索によって
棚より取り出された被検索物５が同一の棚６に複数同時
に返却された場合に検索子機３の認識コード等の返却完
了データがとれなかった検索子機の検索を行う際に、検
索する箇所をエラーデータ管理装置15にて管理された棚
６又は棚段に絞り込むことが出来、よって検索のスピー
ドアップ及び効率を上げることが出来る。

【００１６】更に、個別検索管理装置１には、前記親機
1aが検索信号を発した全ての検索子機３の検索データと
前記返却完了データとを照合し、該検索データの中で未
照合の検索子機３を特定することで、未照合の検索子機
３の認識コードに対する検索信号を前記エラーデータ管
理装置15にてデータ管理されてなる棚６又は棚段毎の検
索子機３に発し、返却完了データが送られてこなかった
検索子機３の返却確認検索を行う返却確認検索装置16が
設けられてなることから、複数の棚６に多数載置されて
収納された被検索物５の中から、必要とする被検索物５
だけを瞬時に検索することが出来るだけでなく、検索に
よって棚より取り出された被検索物５が同一の棚６に複
数同時に返却された場合であってもリアルタイムに検索
子機３毎の認識コードを再度読み取って被検索物５の返
却状況や所在を確実に管理することが出来、よって複数
の被検索物５の取り出し作業と、複数の被検索物５の返
却作業の効率及び各被検索物５の管理精度をより向上さ
せることが出来ると共に、各棚６の全ての検索子機３を
該検索信号に対して応答させる必要もないことから、全
体の消費電力を大幅に低減することも出来、よって、例
えば検索子機３が電池によって駆動する場合には、電池
の消耗量が激減するだけでなく寿命が延びることにより
電池交換時期のスパンも大きくなるという種々の大きな
利点がある。

【００１７】又、返却確認検索装置16が、前記検索信号
を、返却不良データを管理してなる棚６又は棚段毎の検
索子機３の全てに一斉に発することから、各棚６に収納
された全ての検索子機３に検索信号を発したり、又該検
索信号によって各棚６の全ての検索子機３を該検索信号
に対して応答させる必要もないことから、全体の消費電
力を低減することが出来るだけでなく返却完了データが
送られてこなかった検索子機３の検索時間を大幅にスピ
ードアップすることが出来、しいては通常業務のレスポ
ンスを更に向上することが出来る利点がある。

【００１８】更に、棚６に収納される複数の被検索物５
に具備された検索子機３と親機1aは、棚６に設けられた
接続手段を介しての有線式か又は電磁波等による無線式
の少なくとも何れか一方によって双方向通信可能に構成
されてなることから、接続手段を介して有線式とした場
合には、確実な各種信号の伝達を行うことが出来るだけ
でなく、各被検索物５の検索子機３の作動用の電力をも
供給することが出来るために、各検索子機３から作動用
の電池を完全に取り除くことが出来る大きな利点があ
り、又電磁波等を介して無線式とした場合には、検索信
号、認識コード等の各種データを機械的な接続を全く有
することなく伝達可能となり、よって棚６への被検索物
５の出し入れを瞬時に、且つスムーズに行うことができ
る利点がある。

【００１９】更に、検索子機３の夫々が、前記被検索物
５の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機３
が、検索子機集中制御装置７を介して所定の認識コード
を書込み兼書替え可能なことから、所望の被検索物５か
ら検索子機３を簡単に取り出して検索子機３の認識コー
ドを必要に応じて瞬時に変更することが出来る利点があ
る。

【００２０】又、検索子機３が、検索によって棚６より
取り出されて使用され再び棚６に返却された際に、自己
の認識コードを自ら出力することから、各検索子機３の
認識コードによって棚へ返却された検索子機３を誤認す
ることなく確実に把握することが出来る利点がある。

【００２１】更に、検索子機３及び棚６には、誘導起電
力発生用のコイル８, 8aが設けられてなることから、所
望の被検索物５の棚６からの取り出し時及び該被検索物
５の棚６への返却時に、夫々のコイル８,8a の電磁誘導
を介して所望の検索子機３に取出データを記憶させ、且
つ認識コードを出力させる起電力を簡単に、且つ確実に
得ることが出来る利点がある。

【００２２】更に、棚６には、棚６の棚段の夫々に対応
して設けられた棚段制御機4aを管理する棚返却情報管理
装置４が設けられてなることから、被検索物５の返却状
況を棚段毎に確実に管理することが出来る利点がある。

【００２３】又、エラーデータ管理装置15及び返却確認
検索装置16の夫々が前記棚返却情報管理装置４によって
管理されると共に、該棚返却情報管理装置４が、前記親
機1aによって管理されてなることから、被検索物５の返
却状況を確実に棚単位で一元的に集中管理することが出
来る利点がある。

【００２４】更に、棚段制御機4aの夫々には、外部表示
を発する棚段表示手段が設けられてなることから、外部
表示を発する表示手段が設けられてなることから、複数
の棚６の中から所望の被検索物５が収納された棚６の棚
段を目視によって容易に、且つ瞬時に探し出すことが出
来る利点がある。

【００２５】更に、検索子機３の表示手段が、夫々異な
る発光色を有した複数の発光体９からなるために、被検
索物５の検索時に於ける外部表示と、返却時に於ける返
却位置決め完了時に於ける外部表示との違いを作業者に
目視によって瞬時に判別させることが出来、よって的確
な作業を行うことが出来る利点がある。

【００２６】又、個別検索管理装置１には、親機1aによ
る検索子機３の検索の有無に係わらず棚６に収納された
全ての被検索物５の検索子機３に所定の呼掛け信号を発
し、棚６に収納された検索子機３毎の個別データを収集
して記録可能なデータ収集装置1bが設けられてなること
から、例えば親機1aを介して検索されることなく棚６よ
り取り出されて存在しない検索子機３を常に把握し、且
つ記録することが出来、よって親機1aを介して検索した
場合に於いて、例えば外部表示を行わない検索子機３
が、棚６の中で何らかの異常を生じているのか、又は無
断で棚６より持ち出されていて外部表示しないのかを確
実に、且つ瞬時に判断することが出来るだけでなく、常
に持ち出されてなる場合にはその持ち出し先を簡単に絞
り込んで検索する時間を大幅に短縮することが出来、更
に検索子機３が電池によって駆動する構成である場合に
は、例えば電池電圧が一定レベル以下となった際の電池
の交換時期のデータや該検索子機３が自己診断機能を有
してなる場合には、異常の発生してなる箇所や機能低下
が認められる箇所等の診断データ等を日々毎又は時間毎
収集記録して装置のより円滑な運営をはかることが出
来、よって装置の危険負担を最小に留めることが出来る
大きな利点がある。

【００２７】更に、個別検索管理装置１には、少なくと
もエラーデータ管理装置15、返却確認検索装置16及び棚
返却情報管理装置４の日毎の管理データ又は時間毎の管
理データの少なくとも何れか一方を随時記録する管理デ
ータ記録装置1cが設けられると共に、通信回線を介して
管理データ記録装置1c又は前記データ収集装置1bの少な
くとも何れか一方の記録内容を読み取り可能なデータ記
録読取装置1dが接続されてなることから、エラーデータ
管理装置15、返却確認検索装置16又は棚返却情報管理装
置４の何れかに何らかの故障が発生し、各データの送受
が不能となった場合であっても、故障が発生する前の各
検索子機を具備した被検索物５の棚での最終の収納箇所
等の各データをデータ記録読取装置1dを介して遠隔地よ
り確実に読み取ることが可能となり、よって個別検索管
理装置１を設置した箇所に特に専門の知識を有した作業
者を配属させることなく緊急時のレスキューサービスを
行うことが出来る利点があるだけでなく、前記データ収
集装置1bと組み合わせた場合には、電池の交換時期のデ
ータや診断データ等をも遠隔地より確実に読み取ること
も出来、よって上記レスキューサービスの他に日常業務
に関する種々のメンテナンスサービスをも行うことが出
来る大きな利点がある。

【００２８】

【発明の実施の形態】

＜第一実施形態＞以下、本発明のカルテ等の被検索物の
個別検索管理方法を実施するための個別検索管理装置の
第一実施形態を図面に従って説明する。

【００２９】図１に於いて、１は病院内で使用される医
療カルテ（図示せず）を収納し、且つ後述する検索子機
３を個々に有した複数のカルテファイル（被検索物）５
の中から所望のカルテファイル５を瞬時に、且つ確実に
検索するためのカルテ等の被検索物の個別検索管理装置
を示す。

【００３０】２は上記個別検索管理装置１に用いられ、
且つ前記カルテファイル５を収納する複数の棚６の各棚
板（各棚段）6aの長手方向にそって埋設された信号送受
信部を示し、後述する各検索子機３の認識コードに対応
する所定波長の赤外線信号を用いた検索信号を送信可能
で、且つ該各検索子機３から発せられる認識コードに対
応する所定波長の赤外線信号を受信可能な一対の発光素
子2a及び受光素子2bとを有し、しかも各棚板6aの長手方
向にそって埋設された各発光素子2a及び各受光素子2bの
夫々の間隔は、予め前記棚板6aに載置されて収納される
カルテファイル５の厚みと略同じに構成されてなる。

【００３１】尚、上記複数の棚６の夫々は、中継機10を
介して所定のモニター12及びキーボード13を備えたホス
トコンピュータ（親機）1aに接続され、しかも該ホスト
コンピュータ1aと中継機10との間には、上記カルテファ
イル５毎に着脱自在に設けられ、且つ必要に応じて随時
所定の認識コードを書込み可能なＣＰＵ14と、該ＣＰＵ
14駆動用の電池14a の夫々を内蔵する検索子機３に、所
定の認識コードを書込み設定することが出来る検索子機
集中制御装置７が設けられてなる。

【００３２】しかも、該検索子機集中制御装置７を介し
て所定の認識コードを書込み設定される検索子機３に
は、該検索子機３を具備したカルテファイル５が前記棚
６に収納された際、該棚６の棚板6aの長手方向にそって
埋設された一対の発光素子2a及び受光素子2bに対応すべ
く所定波長の赤外線信号を送受信可能な一対の受光素子
3c及び発光素子3dと、上記信号送受信部２から発せられ
た赤外線による所定の検索信号を受信して前記ＣＰＵ14
を介して予め記憶された自己の認識コードと一致するか
判定し、一致すれば外部表示すべく発光する表示手段と
しての表示ＬＥＤ（発光体）９とが設けられてなる。

【００３３】更に、上記棚板6aの長手方向にそって埋設
された一対の発光素子2a及び受光素子2bの間及び前記棚
板6aに載置される各カルテファイル５の検索子機３との
夫々には、電磁誘導を介して所定電位の誘導起電力を発
生可能な一対のコイル８，8aが設けられてなると共に、
前記各検索子機３のＣＰＵ14には、前記検索信号と自己
の認識コードとが一致した際に、所定の取り出しデータ
（フラグ）を記憶する取出データ記憶部3aと、返却時に
前記一対のコイル８，8aを介して発生する誘導起電力を
介して自己の認識コードを発する認識コード出力部3bと
が具備されてなる。

【００３４】４は前記中継機10に接続された複数の棚６
の棚板6a（棚段）毎に設けられ、且つ返却された検索子
機３から出力される認識コードを棚段毎に記憶する複数
の棚段制御機4aを管理する棚返却情報管理装置を示すと
共に、該棚返却情報管理装置４によって管理される各棚
段制御機4aには、返却された検索子機３の認識コードを
記憶した際、返却されたカルテファイル５の検索子機３
に、記憶された取出データを消し込むための消去信号を
出力する消去信号発信部4b及び前記ホストコンピュータ
1aからの要求により記憶してなる各カルテファイル５の
検索子機３の認識コードの夫々に、該カルテファイル５
が返却収納された棚６の棚データ及び棚板6bの棚段デー
タの夫々を付加して返答する返却収納棚段データ送信部
4cが夫々設けられてなる。

【００３５】4dは前記各棚段制御機4aに設けられ、且つ
小型電球を用いた発光表示部（棚段表示手段）を示し、
11は前記棚６毎に取付けられた発光表示灯を示し、共に
前記ホストコンピュータ1aを介して発せられる検索信号
の受信時に、所望のカルテファイル５が収納された棚６
及び棚段を知らしめるべく発光するものである。

【００３６】尚、前記棚返却情報管理装置４には、検索
されて使用されたカルテファイル５が同一の棚６の同棚
段又は同一の棚６の別棚段の少なくとも何れか一方に複
数同時に返却された場合に生じる検索子機３の認識コー
ド読み取りエラーデータの回数及びその読み取りエラー
の発生箇所を棚６又は棚段毎に管理するエラーデータ管
理装置15と、前記ホストコンピュータ1aが検索信号を発
した全ての検索子機３の検索データと前記返却完了デー
タとを照合し、該検索データの中で未照合の検索子機３
を特定することで、未照合の検索子機３の認識コードに
対する検索信号を前記エラーデータ管理装置15にてデー
タ管理されてなる棚６又は棚段毎の検索子機３に発し、
返却完了データが送られてこなかった検索子機３の返却
確認検索を行う返却確認検索装置16とが夫々設けられて
なる。

【００３７】更に、前記エラーデータ管理装置15及び返
却確認検索装置16の夫々が前記棚返却情報管理装置４に
よって管理されると共に、該棚返却情報管理装置４は、
前記ホストコンピュータ1aによって管理されてなり、し
かも該ホストコンピュータ1aには、ホストコンピュータ
1aによる検索子機３の検索の有無に係わらず各棚６に収
納された全ての被検索物５の検索子機３に所定の呼掛け
信号を発し、棚６に収納された検索子機３毎の個別デー
タを収集して記録可能なデータ収集装置1bと、前記エラ
ーデータ管理装置15、返却確認検索装置16及び棚返却情
報管理装置４の日毎の管理データ又は時間毎の管理デー
タを随時記録する管理データ記録装置1cとが設けられ、
しかも該ホストコンピュータ1aには、電話等の通信回線
を介して前記管理データ記録装置1c又は前記データ収集
装置1bの少なくとも何れか一方の記録内容を別途設けら
れた外部コンピュータ（図示せず）及びＣＲＴ（図示せ
ず）等を介して読み取り可能なデータ記録読取装置1dが
接続されてなる。

【００３８】本発明の第一実施形態に於けるカルテ等の
被検索物の個別検索管理方法に使用される個別検索管理
装置は以上の構成からなるが、次にかかる装置を用いて
各棚に収納されたカルテファイルを検索管理する場合に
ついて説明する。

【００３９】図２（イ）に於いて、先ず、個々の検索子
機３に、検索子機集中制御装置７を順次投入し、連続し
た認識コードを検索子機３に書き込むが、ここで検索子
機３に順次付される認識コードは病院内で使用される医
療カルテ（図示せず）毎に予め設定しておく必要があ
る。

【００４０】尚、上記の如く自己の認識コードを順次書
き込まれる各検索子機３には、認識コード書き込み中に
表示ＬＥＤ（発光体）９を発光させ、且つ認識コード書
き込み終了時に、前記表示ＬＥＤ（発光体）９を消灯さ
せる認識コード設定確認装置（図示せず）が具備されて
なる。

【００４１】次に、自己の認識コードが書き込まれた各
検索子機３を、同図（ロ）の様に、該認識コードと一致
する医療カルテ（図示せず）を収納する各カルテファイ
ル５の背表紙部に形成された空隙部5aに挿入するが、こ
の時、挿入する検索子機３の表示ＬＥＤ（発光体）９
が、前記背表紙部に穿設された孔5bから確認出来る位置
まで該検索子機３を挿入し、その後検索子機３を具備し
た夫々のカルテファイル５を図１に示す様に、各棚６の
棚板6a上に載置して収納する。

【００４２】上記の如く各棚６にカルテファイル５を収
納した際に、該カルテ５が収納された棚段の棚段制御機
4aには各カルテファイル５毎の検索子機３の認識コード
が記憶され、その後前記ホストコンピュータ1aには、該
ホストコンピュータ1aからの要求により記憶してなる各
カルテファイル５の検索子機３の認識コードの夫々に、
該カルテ５が返却収納された棚６の棚データ及び棚板6b
の棚段データの夫々が前記棚段制御機4aに具備された返
却収納棚データ送信部4cを介して返答されて記憶される
ことになる。。

【００４３】よって、前記ホストコンピュータ1aを介し
て所望のカルテファイル５を検索する場合には、図３に
示す様に、先ず所望のカルテファイル５が収納された棚
６の棚表示灯11及び棚段に位置する棚段制御機4aの表示
部4dを夫々発光させて外部表示させた後、該カルテファ
イル５を載置する棚板6aに設けられた信号送受信部２よ
り所定の検索信号を発することで、該棚板6aに載置され
た複数のカルテファイル５の中から、所望のカルテファ
イル５の検索子機３の表示ＬＥＤ（発光体）９を発光さ
せて容易に、且つ瞬時に所望のカルテファイル５を検索
して取り出す（矢印Ａ）ことが出来る。

【００４４】尚、上記の如く取り出されたカルテファイ
ル５の検索子機３には、前記検索信号が自己の認識コー
ドと一致した際、取出データ記憶部3aを介して所定の取
出データ（フラグ）が記憶されることになる。

【００４５】次に、上記の様に検索によって棚６から取
り出した使用済みのカルテファイル５を、前記複数の棚
６の何れかに返却した場合（矢印Ｂ）に、返却されたカ
ルテファイル５の検索子機３は、前記コイル８，8aを介
して発生する誘導起電力を介して、自己の認識コードを
認識コード出力部3bを介して出力することとなり、該カ
ルテファイル５が載置された棚板6aの信号送受信部２
は、その認識コードを受信することとなる。

【００４６】よって、返却されたカルテファイル５の検
索子機３の認識コードは、該カルテファイル５が載置さ
れた棚板6aの信号送受信部２を介して各棚段毎に設けら
れた棚段制御機4aに記憶されることになる。

【００４７】その後、返却された検索子機３から出力さ
れた認識コードを記憶する棚段制御機4aを管理する棚返
却情報管理装置４は、消去信号発信部4bを介して所定の
消去信号を前記検索子機３へと出力し、返却された検索
子機３に記憶された取出データを消し込むこととなる。

【００４８】従って、上記棚返却情報管理装置４の返却
収納棚データ送信部4cから、前記ホストコンピュータ1a
からの要求により記憶してなる各被検索物５の検索子機
３の認識コードの夫々に、該被検索物５が返却収納され
た棚６の棚データ及び棚板6bの棚段データの夫々を付加
して返答することで、複数の棚６の棚板6aに多数載置さ
れて収納されたカルテファイル５の中から、必要とする
カルテファイル５だけを瞬時に検索することが出来るだ
けでなく、検索によって棚６より取り出されたカルテフ
ァイル５の返却状況や所在を確実に管理することが出来
るが、例えば、検索されて棚６より取り出されて使用さ
れたカルテファイル５が同一の棚６の同棚段又は同一の
棚６の別棚段に複数同時に返却された場合であっても、
各棚６には、返却された検索子機３の認識コード読み取
りエラーデータの回数及びその読み取りエラーの発生箇
所を棚６又は棚段毎に管理するエラーデータ管理装置15
が設けられてなることから、複数の棚６に多数載置され
て収納されたカルテファイル５の中から、必要とするカ
ルテファイル５だけを瞬時に検索することが出来るだけ
でなく、検索によって棚より取り出されたカルテファイ
ル５が同一の棚６に複数同時に返却された場合に検索子
機３の認識コード等の返却完了データがとれなかった検
索子機の検索を行う際に、検索する箇所をエラーデータ
管理装置15にて管理された棚６又は棚段に絞り込むこと
が出来、よって検索のスピードアップ及び効率を上げる
ことが出来る利点を有する。

【００４９】更に、前記個別検索管理装置１には、前記
親機1aが検索信号を発した全ての検索子機３の検索デー
タと前記返却完了データとを照合し、該検索データの中
で未照合の検索子機３を特定することで、未照合の検索
子機３の認識コードに対する検索信号を前記エラーデー
タ管理装置15にてデータ管理されてなる棚６又は棚段毎
の検索子機３に発し、返却完了データが送られてこなか
った検索子機３の返却確認検索を行う返却確認検索装置
16が設けられてなることから、検索によって棚より取り
出されたカルテファイル５が同一の棚６に複数同時に返
却された場合であってもリアルタイムに検索子機３毎の
認識コードを再度読み取ってカルテファイル５の返却状
況や所在を確実に管理することが出来、よって複数のカ
ルテファイル５の取り出し作業と、複数のカルテファイ
ル５の返却作業の効率及び各カルテファイル５の管理精
度をより向上させることが出来ると共に、各棚６の全て
の検索子機３を該検索信号に対して応答させる必要もな
いことから、全体の消費電力を大幅に低減することも出
来、よって、例えば検索子機３が電池によって駆動する
場合には、電池の消耗量が激減するだけでなく寿命が延
びることにより電池交換時期のスパンも大きくなるとい
う種々の大きな利点を有する。

【００５０】更に、返却確認検索装置16が、返却不良デ
ータを管理してなる棚６又は棚段毎の検索子機３の全て
に検索信号を一斉に発することから、各棚６に収納され
た全ての検索子機３に検索信号を発したり、又該検索信
号によって各棚６の全ての検索子機３を該検索信号に対
して応答させる必要もなく、よって全体の消費電力を低
減することが出来るだけでなく返却完了データが送られ
てこなかった検索子機３の検索時間を大幅にスピードア
ップすることが出来、しいては通常業務のレスポンスを
更に向上することが出来る利点を有する。

【００５１】又、前記個別検索管理装置１には、親機1a
による検索子機３の検索の有無に係わらず棚６に収納さ
れた全てのカルテファイル５の検索子機３に所定の呼掛
け信号を発し、棚６に収納された検索子機３毎の個別デ
ータを収集して記録可能なデータ収集装置1bが設けられ
てなることから、例えば親機1aを介して検索されること
なく棚６より取り出されて存在しない検索子機３を常に
把握し、且つ記録することが出来、よって親機1aを介し
て検索した場合に於いて、例えば外部表示を行わない検
索子機３が、棚６の中で何らかの異常を生じているの
か、又は無断で棚６より持ち出されていて外部表示しな
いのかを確実に、且つ瞬時に判断することが出来るだけ
でなく、常に持ち出されてなる場合にはその持ち出し先
を簡単に絞り込んで検索する時間を大幅に短縮すること
が出来、更に検索子機３が電池によって駆動する構成で
ある場合には、例えば電池電圧が一定レベル以下となっ
た際の電池の交換時期のデータや該検索子機３が自己診
断機能を有してなる場合には、異常の発生してなる箇所
や機能低下が認められる箇所等の診断データ等を日々毎
又は時間毎収集記録して装置のより円滑な運営をはかる
ことが出来、よって装置の危険負担を最小に留めること
が出来る大きな利点がある。

【００５２】更に、前記個別検索管理装置１には、少な
くともエラーデータ管理装置15、返却確認検索装置16及
び棚返却情報管理装置４の日毎の管理データ又は時間毎
の管理データの少なくとも何れか一方を随時記録する管
理データ記録装置1cが設けられると共に、通信回線を介
して管理データ記録装置1c又は前記データ収集装置1bの
少なくとも何れか一方の記録内容を読み取り可能なデー
タ記録読取装置1dが接続されてなることから、エラーデ
ータ管理装置15、返却確認検索装置16又は棚返却情報管
理装置４の何れかに何らかの故障が発生し、各データの
送受が不能となった場合であっても、故障が発生する前
の各検索子機を具備した被検索物５の棚での最終の収納
箇所等の各データをデータ記録読取装置1dを介して遠隔
地より確実に読み取ることが可能となり、よって個別検
索管理装置１を設置した箇所に特に専門の知識を有した
作業者を配属させることなく緊急時のレスキューサービ
スを行うことが出来る利点があるだけでなく、前記デー
タ収集装置1bと組み合わせた場合には、電池の交換時期
のデータや診断データ等をも遠隔地より確実に読み取る
ことも出来、よって上記レスキューサービスの他に日常
業務に関する種々のメンテナンスサービスをも行うこと
が出来る大きな利点がある。

【００５３】更に、検索子機３の夫々が、カルテファイ
ル５の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機３
が、検索子機集中制御装置７を介して所定の認識コード
を書込み兼書替え可能なことから、所望のカルテファイ
ル５から検索子機３を簡単に取り出して検索子機３の認
識コードを必要に応じて瞬時に変更することが出来る利
点を有すると共に、検索子機３が、検索によって棚６よ
り取り出されて使用され再び棚６に返却された際に、自
己の認識コードを自ら出力することから、各検索子機３
の認識コードによって棚へ返却された検索子機３を誤認
することなく確実に把握することが出来る利点をも有す
る。

【００５４】＜第二実施形態＞更に、上記第一実施形態
では、棚６に収納される複数のカルテファイル５に具備
された検索子機３と親機1aは、非接触で検索信号、認識
コード及び消去信号の夫々を送受信するが、例えば、図
５に示す様に、棚板6aに設けられた接続端子2cに、検索
子機３に具備された接続端子3fを接続して検索信号、認
識コード及び消去信号の夫々を伝達してもよく、この場
合には、より確実な各種信号の伝達を行うことが出来る
だけでなく、各被検索物の検索子機の作動用の電力をも
供給することが可能となり検索子機から駆動用の電池を
完全に取り除くことが出来る。よって煩雑な電池の交換
作業から解放されるだけでなく、特に照明器具等の外乱
光等による検索子機の誤作動を確実に防止することが出
来る利点を有するが、要は接続手段を介しての有線式又
は電磁波等による無線式によって検索子機３と親機1aが
双方向通信可能に構成されていればよく、又電磁波を介
して無線式とした場合であっても検索信号、認識コード
等の各種データを機械的な接続を全く有することなく伝
達可能となり、よって棚６へのカルテファイル５の出し
入れを瞬時に、且つスムーズに行うことができると共
に、磨耗等による接続端子3fの定期的な交換作業や消耗
部品コストを不要とする利点がある。

【００５５】＜第三実施形態＞更に、上記実施形態に於
いて、各検索子機３には、ＣＰＵ駆動用の電池が設けら
れてなるが、例えば、図４（ロ）に示す様に、各検索子
機及び各棚板の夫々に高電圧を発生させる強力な誘導起
電力発生用のコイル8b, 8cを備えた場合には、所望の被
検索物の棚からの取り出し時及び該被検索物の棚への返
却時に、夫々のコイル8b, 8cの電磁誘導を介して所望の
検索子機に取出データを記憶させ、且つ認識コードを出
力させる起電力を得ることが出来るだけでなくＣＰＵ駆
動用の電圧をも得ることが出来る利点を有する。

【００５６】＜第四実施形態＞更に、上記実施形態に於
いて、各検索子機には、表示ＬＥＤ（発光体）が設けら
れてなるが、例えば、前記表示手段が、図４（イ）に示
す様に、夫々異なる発光色を有した複数の発光体９，9a
で構成されてなる場合には、被検索物の検索時に於ける
外部表示と、返却時に於ける返却位置決め完了時に於け
る外部表示との違いを作業者に目視によって瞬時に判別
させることが出来、よって的確な作業を行うことが出来
る利点を有する。

【００５７】然して、本発明に係る検索子機は、医療カ
ルテを収納するカルテファイルに着脱自在に具備されて
なるが、必ずしもカルテファイルに限定されず、例えば
医療カルテに直接設けられていてもよく、又被検索物も
必ずしも医療カルテ又はその収納ファイルに限定される
ものではなく、要はホストコンピュータ等の親機と認識
コードによって相互が区別される複数の検索子機を個々
に備えた複数のカルテ等の被検索物を収納する棚より、
前記親機を介して所望の被検索物を検索して取り出して
使用し、その後被検索物が同一の棚に複数同時に返却さ
れた場合に生じる各検索子機の認識コード読み取りエラ
ーデータ等の返却不良データを棚又は棚段毎に管理し、
その後返却不良データを管理してなる棚又は棚段毎の検
索子機に、未返却の検索子機の認識コード等の検索信号
を発して該検索子機を具備した被検索物の返却確認検索
を行う構成であればよく、被検索物、親機、検索子機及
び棚の具体的な機能、形状等の構成も決して限定されな
いのは言うまでもない。

【００５８】

【発明の効果】叙上の様に、本発明は、検索子機を有し
た被検索物が同一の棚の同棚段又は同一の棚の別棚段の
少なくとも何れか一方に複数同時に返却された場合に生
じる各検索子機の認識コード読み取りエラーデータの回
数及びその読み取りエラーの発生した棚の棚データ又は
棚段毎の棚段データの少なくとも何れか一方からなる返
却不良データを、棚又は棚段毎に管理し、その後返却不
良データを管理してなる棚又は棚段毎の検索子機だけ
に、返却完了データが送られてこなかった検索子機の認
識コードを発することで被検索物の返却確認検索を行う
ことから、検索によって棚より取り出された被検索物が
同一の棚の同棚段又は同一の棚の別棚段の少なくとも何
れか一方に複数同時に返却された場合であってもリアル
タイムに検索子機毎の認識コードを再度読み取って被検
索物の返却状況や所在を確実に管理することが出来、よ
って複数の被検索物の取り出し作業と、複数の被検索物
の返却作業の効率及び各被検索物の管理精度をより向上
させることが出来ると共に、各棚の全ての検索子機を該
検索信号に対して応答させる必要もないことから、装置
全体の消費電力を低減することも出来る極めて大きな効
果を有する。

【００５９】更に、本発明は、返却完了データが送られ
てこなかった検索子機の認識コードに対する検索信号
が、返却不良データを管理してなる棚又は棚段毎の検索
子機の全てに一斉に発せられることから、各棚に収納さ
れた全ての検索子機に検索信号を発したり、又該検索信
号によって各棚の全ての検索子機を該検索信号に対して
応答させる必要もないことから、全体の消費電力を低減
することが出来るだけでなく返却完了データが送られて
こなかった検索子機の検索時間を大幅にスピードアップ
することが出来るという格別な効果がある。

【００６０】従って、ホストコンピュータ等の親機を介
してカルテ等の被検索物を検索する場合に於いて、複数
の棚に多数載置されて収納された被検索物の中から、必
要とする被検索物だけを瞬時に検索することが出来るだ
けでなく、検索によって棚より取り出された被検索物が
同一の棚の同棚段又は同一の棚の別棚段の少なくとも何
れか一方に複数同時に返却された場合であっても各被検
索物に具備された検索子機を介しての被検索物の返却状
況や所在を確実に、且つリアルタイムに管理することが
出来る極めて優れたカルテ等の被検索物の個別検索管理
方法とその個別検索管理装置を提供することが出来ると
いう格別な効果を有するに至った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理方
法に用いられる個別検索管理装置の第一実施形態を示す
説明図。

【図２】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置に於ける検索子機への認識コード書込み動作を示し、
同図（イ）は検索子機を検索子機集中制御装置に装着脱
した状態を示す平面図、同図（ロ）は認識コードを記憶
した検索子機をカルテ（被検索物）に装着する際の斜視
図。

【図３】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置の使用状態を示す斜視図。

【図４】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置に用いられる検索子機を具備したカルテ（被検索物）
を示し、同図（イ），（ロ）は要部切り欠き断面図。

【図５】本発明のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
置に於ける検索子機の他の実施形態を示す要部切り欠き
断面図。

【図６】従来のファイル等の被検索物の個別検索装置の
斜視図。

【符号の説明】

１…カルテ等の被検索物の個別検索管理装置 1a…親機（ホストコンピュータ） 1b…データ収集装置 1c…管理データ記録装置 1d…データ記録読取装置 ２…信号送受信部 ３…検索子機 3a…取出データ記憶部 3b…認識コード出力部 ４…棚返却情報管理装置 4a…棚段制御機 4b…消去信号発信部 4c…返却収納棚データ送信部 ５…被検索物（カルテファイル） ６…棚 6a…棚板 ７…検索子機集中制御装置 10…中継機 14…ＣＰＵ 15…エラーデータ管理装置 16…返却確認検索装置

Claims (16)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホストコンピュータ等の親機(1a)と認識
   コードによって相互が区別される複数の検索子機(3) を
   個々に備えた複数のカルテ等の被検索物(5) を収納する
   棚(6) より、前記親機(1a)を介して所望の被検索物(5)
   を検索して取り出して使用し、その後被検索物(5) が同
   一の棚(6) に複数同時に返却された場合に生じる各検索
   子機(3) の認識コード読み取りエラーデータ等の返却不
   良データを棚(6) 又は棚段毎に管理し、その後返却不良
   データを管理してなる棚(6) 又は棚段毎の検索子機(3)
   に、未返却の検索子機(3) の認識コード等の検索信号を
   発して該検索子機(3) を具備した被検索物(5) の返却確
   認検索を行うことを特徴とするカルテ等の被検索物の個
   別検索管理方法。
2. 【請求項２】 ホストコンピュータ等の親機(1a)と認識
   コードによって相互が区別される複数の検索子機(3) を
   個々に備えた複数のカルテ等の被検索物(5) を収納する
   棚(6) より、前記親機(1a)を介して所望の被検索物(5)
   を検索して取り出して使用し、その後被検索物(5) が棚
   (6) に返却された際に、返却された被検索物(5) の検索
   子機(3) の認識コード及び被検索物(5) が返却収納され
   た棚(6)の棚データ又は棚段毎の棚段データの少なくと
   も何れか一方からなる返却完了データと前記親機(1a)に
   記憶された検索子機(3) の検索データとを照合して被検
   索物(5) の返却を確認可能なカルテ等の被検索物の個別
   検索管理方法に於いて、前記検索子機(3) が同一の棚
   (6) の同棚段又は同一の棚(6) の別棚段の少なくとも何
   れか一方に複数同時に返却された場合に生じる各検索子
   機(3) の認識コード読み取りエラーデータの回数及びそ
   の読み取りエラーの発生した棚(6) の棚データ又は棚段
   毎の棚段データの少なくとも何れか一方からなる返却不
   良データを棚(6) 又は棚段毎に管理し、その後前記検索
   データの中で未照合の検索子機(3) の認識コードに対す
   る検索信号を、前記返却不良データを管理してなる棚
   (6) 又は棚段毎の検索子機(3) に発することで、返却完
   了データが送られてこなかった検索子機(3) を具備した
   被検索物(5) の返却確認検索を行うことを特徴とするカ
   ルテ等の被検索物の個別検索管理方法。
3. 【請求項３】 前記返却完了データが送られてこなかっ
   た検索子機(3) の認識コードに対する検索信号が、返却
   不良データを管理してなる棚(6) 又は棚段毎の検索子機
   (3) の全てに一斉に発せられることを特徴とする請求項
   ２記載のカルテ等の被検索物の個別検索管理方法。
4. 【請求項４】 ホストコンピュータ等の親機(1a)と認識
   コードによって相互が区別される複数の検索子機(3) を
   個々に備えた複数のカルテ等の被検索物(5) と、該カル
   テ等の被検索物(5) を収納可能な棚(6) とからなり、し
   かも前記各検索子機(3) は前記親機(1a)と双方向通信可
   能で、且つ自己の認識コードと前記親機(1a)が発する検
   索信号とを比較し、一致すれば識別可能な外部表示を発
   する表示手段を備えてなり、しかも前記親機(1a)は検索
   されて棚(6) より取り出された検索子機(3) が棚(6) に
   返却された際の該検索子機(3) の認識コード及び返却収
   納された棚(6) の棚データ又は棚段毎の棚段データの少
   なくとも何れか一方からなる返却完了データを管理可能
   な構成にしてなるカルテ等の被検索物の個別検索管理装
   置に於いて、該個別検索管理装置(1) には、検索されて
   使用された被検索物(5) が同一の棚(6) の同棚段又は同
   一の棚(6) の別棚段の少なくとも何れか一方に複数同時
   に返却された場合に生じる検索子機(3) の認識コード読
   み取りエラーデータの回数及びその読み取りエラーの発
   生箇所を棚(6) 又は棚段毎に管理するエラーデータ管理
   装置(15)が設けられてなることを特徴とするカルテ等の
   被検索物の個別検索管理装置。
5. 【請求項５】 前記個別検索管理装置(1) には、前記親
   機(1a)が検索信号を発した全ての検索子機(3) の検索デ
   ータと前記返却完了データとを照合し、該検索データの
   中で未照合の検索子機(3) を特定することで、未照合の
   検索子機(3) の認識コードに対する検索信号を前記エラ
   ーデータ管理装置(15)にてデータ管理されてなる棚(6)
   又は棚段毎の検索子機(3) に発し、返却完了データが送
   られてこなかった検索子機(3) の返却確認検索を行う返
   却確認検索装置(16)が設けられてなることを特徴とする
   請求項４記載のカルテ等の被検索物の個別検索管理装
   置。
6. 【請求項６】 前記返却確認検索装置(16)が、前記検索
   信号を、返却不良データを管理してなる棚(6) 又は棚段
   毎の検索子機(3) の全てに一斉に発する構成にしてなる
   ことを特徴とする請求項５記載のカルテ等の被検索物の
   個別検索管理装置。
7. 【請求項７】 前記棚(6) に収納される複数の被検索物
   (5) に具備された検索子機(3) と親機(1a)は、棚(6) に
   設けられた接続手段を介しての有線式か又は電磁波等に
   よる無線式の少なくとも何れか一方によって双方向通信
   可能に構成された請求項４乃至６の何れかに記載のカル
   テ等の被検索物の個別検索管理装置。
8. 【請求項８】 前記検索子機(3) の夫々が、前記被検索
   物(5) の夫々に着脱自在に設けられ、且つ該各検索子機
   (3) が、検索子機集中制御装置(7) を介して所定の認識
   コードを書込み兼書替え可能な構成にしてなる請求項４
   乃至７の何れかに記載のカルテ等の被検索物の個別検索
   管理装置。
9. 【請求項９】 前記検索子機(3) が、検索によって棚
   (6) より取り出されて使用され再び棚(6) に返却された
   際に、自己の認識コードを自ら出力する構成にしてなる
   ことを特徴とする請求項４乃至８の何れかに記載のカル
   テ等の被検索物の個別検索管理装置。
10. 【請求項１０】 前記検索子機(3) 及び棚(6) には、誘
    導起電力発生用のコイル(8),(8a)が設けられた構成にし
    てなることを特徴とする請求項４乃至９の何れかに記載
    のカルテ等の被検索物の個別検索管理装置。
11. 【請求項１１】 前記棚(6) には、棚(6) の棚段の夫々
    に対応して設けられた棚段制御機(4a)を管理する棚返却
    情報管理装置(4) が設けられてなることを特徴とする請
    求項４乃至１０の何れかに記載のカルテ等の被検索物の
    個別検索管理装置。
12. 【請求項１２】 前記エラーデータ管理装置(15)及び返
    却確認検索装置(16)の夫々が前記棚返却情報管理装置
    (4) によって管理されると共に、該棚返却情報管理装置
    (4) が、前記親機(1a)によって管理される構成にしてな
    ることを特徴とする請求項５乃至１１の何れかに記載の
    カルテ等の被検索物の個別検索管理装置。
13. 【請求項１３】 前記棚段制御機(4a)の夫々には、外部
    表示を発する棚段表示手段が設けられてなることを特徴
    とする請求項１１又は１２記載のカルテ等の被検索物の
    個別検索管理装置。
14. 【請求項１４】 前記検索子機(3) の表示手段が、夫々
    異なる発光色を有した複数の発光体(9) である請求項４
    乃至１３の何れかに記載のカルテ等の被検索物の個別検
    索管理装置。
15. 【請求項１５】 前記個別検索管理装置(1) には、親機
    (1a)による検索子機(3) の検索の有無に係わらず棚(6)
    に収納された全ての被検索物(5) の検索子機(3) に所定
    の呼掛け信号を発し、棚(6) に収納された検索子機(3)
    毎の個別データを収集して記録可能なデータ収集装置(1
    b)が設けられた構成にしてなる請求項４乃至１４の何れ
    かに記載のカルテ等の被検索物の個別検索管理装置。
16. 【請求項１６】 前記個別検索管理装置(1) には、少な
    くともエラーデータ管理装置(15)、返却確認検索装置(1
    6)及び棚返却情報管理装置(4) の日毎の管理データ又は
    時間毎の管理データの少なくとも何れか一方を随時記録
    する管理データ記録装置(1c)が設けられると共に、通信
    回線を介して管理データ記録装置(1c)又は前記データ収
    集装置(1b)の少なくとも何れか一方の記録内容を読み取
    り可能なデータ記録読取装置(1d)が接続されてなること
    を特徴とする請求項５乃至１５の何れかに記載のカルテ
    等の被検索物の個別検索管理装置。