JP2807481B2 - 非水電解液電池の正極 - Google Patents

非水電解液電池の正極

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、リチウム電池などの非水電解液電池に関
し、特に正極の改良により放電特性を向上させる技術に
関するものである。
《従来の技術》 γ−MnO2,β−MnO2,V6O13,V2O5,MoS2,TiS2などを単独
或いは混合して正極活物質として用いた非水電解液電池
は公知である。これらの活物質を用いた電池ではそれぞ
れの特性に応じた放電特性を有しているが、一般には電
圧の平坦性が悪く、放電途中で階段的に電圧が低下した
り、徐々に電圧が低下することが認められている。
ところで、これらの既存の正極活物質に替わる新規な
正極活物質として、λ−MnO2を用いる技術がある。
このλ−MnO2は、例えば特公昭58−3441号公報に示す
ごとく、公知物質であるLiMn2O4の酸処理によって製造
される二酸化マンガンの新規な形態によるものであっ
て、X線回折によって得られた特異的な回折模様および
ピークの相対強度に基づき命名された正極活物質であ
る。
そして、この正極活物質を用いた電池の活性は、特に
その初期において、他の一般的な自然または人工的に産
出されるγ−MnO2,β−MnO2,γβ−MnO2,或いは他の金
属酸化物を正極活物質として用いた電池に比べて各段に
高い電圧特性を有する。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、この正極活物質を用いた電池では、他
の電池に比べて初期電圧が高すぎるため、かえって半導
体の破壊を招く場合があり、また放電途中で電位が階段
的に落ちてしまうため、既存の半導体の駆動用電源電池
としては不適当であるとされ、高特性でありながら実際
には実用化が難しかった。
本発明者らは、前記λ−MnO2の持つ高電圧特性を利用
した放電寿命の長期化を検討した。
そして、λ−MnO2からなる正極活物質を主剤とする第
1正極の表面に、比較的低電位である公知のλ−MnO2,
β−MnO2,γβ−MnO2,V6O13,MOS2,TiS2から選ばれた正
極活物質を主剤とする第2正極を積層し、これを集電体
側に接触させることにより、低電位の活物質の放電特性
に近い放電特性であって、しかも平坦性が良好で、放電
寿命も十分に長い非水電解液電池を得られることを知見
した。
この発明は以上の知見に基づきなされたものであっ
て、電圧の平坦性が良好であり、従来に比べて容量の大
きな非水電解液電池の正極を提供することを目的とす
る。
《課題を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この発明は、λ−MnO2と導
電剤およびバインダからなる第1正極の表面の少なくと
も集電体側に接触する部分の一部ないし全部を、λMn
O2,βMnO2などのλ−MnO2以外の二酸化マンガンおよび
遷移金属酸化物,酸化物の1種ないしそれ以上の混合物
からなる正極活物質と導電剤およびバインダからなる第
2正極によって被覆したことを特徴とする。
前記λ−MnO2は、特公昭58−3441号公報に示すごと
く、公知物質であるLiMn2O4を出発物質とし、これを水
中で懸濁させつつ酸を添加し、pH2.5以下に安定させ、
その後中性となるまで洗浄、濾過し、得られたMnO2生成
物を乾燥する工程によって得られるものであり、同公報
に示すごとくX線回折模様とX線回折ピークの相対強度
が既存のγ−MnO2,β−MnO2,γβ−MnO2とは異なる特性
のもである。
前記γ−MnO2,β−MnO2,γβ−MnO2,V6O13,V2O5,Mo
S2,TiS2は公知の正極活物質であり、これらを単独また
は混合して正極物質として用いる。
そして、以上の正極活物質を用いた非水電解液電池は
次のように組み立てられる。
すなわち、前記λ−MnO2を正極活物質として、これに
黒鉛などの導電材およびポリテトラフルオロエチレン等
からなるバインダを公知の配合比で混合し、プレス成形
によって適宜厚みの円盤状の第1正極を形成する一方
で、前記γ−MnO2等から選択した正極活物質も同様に導
電材およびバインダと混合して第2正極を成形し、次い
で両者を積層しプレスすることで二層構造の正極を作る
か、或いは先に成形された第1正極の上部に続けて、第
2正極を積層状態にプレスして二層の正極を作る。次
に、前記正極を240℃で真空乾燥を行なった後、γ−MnO
2などの正極活物質側の表面にネット状の正極集電体に
圧着する。
一方、金属リチウムを負極集電体に圧着しておく。
次いで、この金属リチウム負極と正極とを非水電解液
を含浸したセパレータを介して積層し、正,負極集電体
を正極缶および負極板からなる電池ケースに接触させた
状態で電池ケース内部に密封することで、ボタン形の非
水電解液リチウム電池が得られる。
《作 用》 以上の構成の非水電解液電池によれば、その放電特性
は初期電圧で公知の正極活物質を用いた場合の放電特性
と同様に低く維持され、λ−MnO2単体を正極活物質とし
たものよりも放電時間が長く、しかも十分な平滑性を得
られることが判明した。
したがって、正極集電体に接している側の公知の正極
活物質が主として放電反応に関与するものと推定され
る。そして、λ−MnO2は直接はこの放電反応に関与しな
いが、放電反応によって消費された分を充電し、これに
よって放電途中での階段的な変化の解消と、放電時間の
長期化を図り、λ−MnO2のもつ高電圧分を電池容量に変
換しているものと推定される。
《発明の効果》 以上のように、この発明の非水電解液電池によれば、
従来公知の正極活物質を用いた場合と同様に比較的低い
初期電圧を維持したまま放電時間の長期化と、平坦性を
得ることができ、半導体の駆動用電源として公的な特性
を得ることができる。
《実 施 例》 以下、具体的な実施例を説明する。但し、この発明の
実施例のみに限定されるものでない。
実施例1. λ−MnO2と組合わせる公知の正極活物質としてMnO3
用い、以下のようにして二層型の正極を形成し、この正
極を用いてCR2016型電池を作成した。
第2正極: MnO3粉末 8重量部 黒鉛粉末 1 〃 PTEF(バインダ) 1 〃 合計 10重量部 以上の組成を混合した後、プレス形成によって直径15
mm、厚さ0.2mmの円盤状正極を形成した。
第1正極 λ−MnO2粉末 8重量部 黒鉛粉末 1 〃 PTEF(バインダ) 1 〃 合計 10重量部 以上の組成を混合した後の上部に直径15mm、厚さ0.5m
mの円盤状正極を重ねた状態にプレス成型し、全体の厚
みが0.7mmの二層の正極とし(240℃で真空乾燥の後)、
側の表面をネット状集電体に圧着した。
一方、0.2mm厚みの金属リチウム板を打ち抜き直径15m
mの負極とし、これを負極集電体に圧着し、この負極と
前記正極とをPC−DME,LiClO41mol/の非水電解液の含
浸したポリプロピレン不織布からなるセパレータを介在
させた状態で積層し、それぞれの集電体を正極缶および
負極板に接触させた状態で正極缶をガスケットを介して
負極板にカシメ付け、CR2016型のボタン形電池を完成し
た。
比較例1. 同様の制作手順で正極活物質がλ−MnO2単体のもの、
およびMoO3単体のCR2016型のボタン形電池を製作した。
そして、実施例1.で製作した本発明にかかる電池C
と、比較例の電池A,Bとを1mA定電流で放電し終止電圧を
2Vに設定した結果、第1図に示す放電特性を得られた。
図において、正極活物質がλ−MnO2単体の電池Aは、
初期電圧が4Vと高く、放電30〜40時間後に階段的に電圧
が65時間後に終止電圧まで下がる。
また、MoO3単体の電池Bは放電初期電圧が3Vとこの種
の電池として通常の特性があるが、20〜30時間後に階段
的な低下があり、その後順次電圧を低下させながら、60
時間後に終止電圧になる。
これに対し、実施例1.で得られた電池は初期電圧は電
池Bとほぼ同一であり、その後、電池Bより高い電圧を
維持し、平滑な状態を保ちながら順次電圧を低下させる
が、その終止電圧は75時間程度であり、いずれの電池に
比べても放電時間が長いことを示している。
ここで、本実施例の電池反応について詳述すると、λ
−MnO2の放電は4Vでの反応と、3Vでの反応において、結
晶構造に相違が見られ、4Vでは立方晶から立方晶への格
子定数の若干の増加が認められる(この場合のLiのイン
ターカレートする場所をAサイトとする。)のに対し、
3VではAサイトにLiがつまった立方晶から正方晶への多
くな変化が発生しており(この場合のLiのインターカレ
ートする場所をBサイトとする。)、この現像はX線回
折により確認されて、λ−MnO2の2段階の放電曲線は、
以上の結晶の活性度の差によるものと推測される。実施
例1による場合、MoO3は放電電圧2.5〜2.3Vに平坦部も
つ放電特性のものである。反応はMoO3の層間にLiがイン
ターカレートされ、 MoO3+Li++e-→MoO3(Li) ………となり 電気的中和状態で安定化すると考えられる。
従って、本発明のように集電体にMoO3が接触している
状態では、発生する電圧は式によるものとなる。
ところが、MoO3はλ−MnO2と接しており、MoO3とλ−
MnO2の活性度の差により(λ−MnO2がMoO3よりも活性が
高い)、Liは活性度の高いλ−MnO2のAサイトに順次移
動する。その後Bサイトにリチウムが入ることになり、
放電が終了する。これにより、MoO3はLiがぬけることに
より活性度が回復する。A,Bサイトにリチウムが移動す
る間、電圧はMoO3の電圧を示すことになり、高電位部は
MoO3から、Liを引き抜くために使われ、MoO3はその容量
分増加することになり、電圧平坦性と、高容量が可能に
なると考えられる。
実施例2. 正極缶の内底面の予めネット状の集電体が固着された
ものを準備し、この集電体に以下の組成比率で混合した
正極合剤を塗布し、その後250℃で5時間真空乾燥し、
厚みが20μの第2正極を成形した。
水ガラス10%液 50重量部 黒鉛粉末 5〃 MoO3 45〃 合計 100重量部 第1正極は実施例1と同じ処方により作成し、0.7mm
に成形したものを第2正極の上に圧着した。
第2図は、この実施例の正極を用いた電池の放電特性
を示しており、実施例1とほぼ同じ特性が得られた。
なお、この発明では他の例示していない公知の正極活
物質とλ−MnO2等の組合わせでも前記と同様の効果を得
られるであろうことは十分に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図はこの発明にかかる電池と従来の正極活
物質およびλ−MnO2単体を正極として用いた電池の放電
特性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 正典 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (72)発明者 名倉 秀哲 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−65457(JP,A) 特開 昭55−39146(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】λ−MnO2と導電剤およびバインダからなる
    第1正極の表面の少なくとも集電体側に接触する部分の
    一部ないし全部を、γMnO2,βMnO2などのλ−MnO2以外
    の二酸化マンガンおよび遷移金属酸化物,硫化物の1種
    ないしそれ以上の混合物からなる正極活物質と導電剤お
    よびバインダからなる第2正極によって被覆したことを
    特徴とする非水電解液電池の正極。
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