JP2805652B2 - 回転ヘッド型磁気記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。

Ａ産業上の利用分野 Ｂ発明の概要 Ｃ従来の技術 Ｄ発明が解決しようとする問題点（第４図及び第５図） Ｅ問題点を解決するための手段（第１図及び第２図） Ｆ作用（第１図及び第２図） Ｇ実施例 （G1）DATの全体構成（第３図） （G2）実施例のDAT（第１図及び第２図） （G3）他の実施例 Ｈ発明の効果 Ａ産業上の利用分野 本発明は回転ヘツド型磁気記録装置に関し、例えば回
転ヘツド型デイジタルオーデイオテープレコーダに適用
して好適なものである。

Ｂ発明の概要 本発明は、回転ヘツド型磁気記録装置において、調整
時回転ドラムから得られるヘツド識別信号の変化点及び
記録トラツク上から得られる基準信号のタイミングのず
れ量を所定時間にする遅延量を記憶し、記録時ヘツド識
別信号を遅延量だけ遅延させるようにしたことにより、
磁気テープに対する回転ヘツドの記録位置を簡易かつ確
実に調整し得る。

Ｃ従来の技術 従来、オーデイオ信号を高密度記録し得るテープレコ
ーダ装置として、回転ヘツド型デイジタルオーデイオテ
ープレコーダ（以下DATと呼ぶ）が用いられている。

このDAT1においては、第４図に示すように、DATフオ
ーマツトによつてオーデイオデータが記録された磁気テ
ープ２が、テープカセツトから引き出され傾斜ガイド3A
及び3Bに案内され、180度の角間隔で互いに異なるアジ
マス角でなる回転ヘツド5A及び5Bが配置された回転ドラ
ム４に所定の角間隔で巻き付けられ、この後キヤプスタ
ン及びピンチローラに挟まれてテープカセツト内に巻き
取られる。

これにより、このDAT1においては、入力されるオーデ
イオデータを回転ヘツド5A及び5Bを用いて磁気テープ２
上に記録し得るようになされている。

Ｄ発明が解決しようとする問題点 ところでかかる構成のDAT1では、オーデイオデータを
磁気テープ２上に記録する際、信号処理系の記録タイミ
ングと回転ヘツド5A又は5Bが磁気テープ２の記録トラツ
ク上を走査する物理的な記録タイミングとを一致させる
必要がある。

このため回転ドラム４に設けられた回転位置検出セン
サの出力からドラム位相信号PG_DRを生成し、このドラム
位相信号PG_DRで物理的な記録タイミングと信号処理系の
記録タイミングとの位相を一致させることが考えられ
る。

ところがこの場合、回転位置検出センサの出力に含ま
れるノイズや、回転位置検出センサの取り付け位置のず
れ等種々の原因で、ドラム位相信号PG_DR自体が回転ヘツ
ド5A又は5Bが磁気テープ２の記録トラツク上を走査する
タイミングに一致していない問題がある。

このため従来DAT1においてはヘツド識別信号SWPを、
所定量だけずらして用いるようになされたものがある。

このDAT1の場合回転ドラム４の回転数を表すドラム周
波数信号FG_DR（第５図（Ａ））及びドラム位相信号PG_DR
（第５図（Ｂ））がSWP生成回路６に入力され、この結
果得られるヘツド識別信号SWP（第５図（Ｃ））がDAT記
録信号生成回路部７に供給される。

またこれに加えて、ドラム位相信号PG_DRがデイレイ量
設定回路８に入力され、これにより予め設定されたデイ
レイ量tdだけドラム位相信号PG_DRを遅延させ、この結果
得られる遅延ドラム位相信号DPGがDAT記録信号生成回路
部７に供給される。

これによりDAT記録信号生成回路部７はヘツド識別信
号SWPを遅延ドラム位相信号DPGだけ遅延させたタイミン
グで第１及び第２の回転ヘツド5A、5Bにそれぞれ供給す
る基準記録データDT_RECを発生し、これを記録増幅回路
９を通じて第１及び第２の回転ヘツド12A、12Bに供給す
る。

かくして、この基準記録データDT_RECが正しく記録ト
ラツク上に形成されたか否かを再生信号S_PBA、S_PBBで検
出し、これを補正するようにデイレイ量tdを設定し直
す。

このようにして製造時の調整工程において、回転ヘツ
ド5A又は5Bが磁気テープ２の記録トラツク上を走査する
物理的な記録タイミングと信号処理系の記録タイミング
が一致するように調整する。

ところが実際上このような調整工程はデイレイ量調整
回路８のデイレイ量tdを、頻繁に設定し直す煩雑さがあ
り、このため比較的熟練した人手が必要なことから、実
用上未だ不十分であつた。

本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な
調整作業で磁気テープに対する回転ヘツドの記録位置を
確実に調整し得る回転ヘツド型磁気記録装置を提案しよ
うとするものである。

Ｅ問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するために本発明においては、磁
気テープ13が捲回された状態で所定速度で回転する回転
ドラム11と、回転ドラム11に設けられ、当該回転ドラム
11と一体になつて回転する複数の回転ヘツド12A、12B
と、当該回転ヘツド12A、12Bが磁気テープ13上を走査し
始めてから所定の情報信号を記録するまでの基準となる
遅延時間情報を示す同期信号SYを含む所定の情報信号を
回転ヘツド12A、12Bに供給する記録信号供給手段７、９
と、回転ドラム11の速度を表すドラム周波数信号FG
_DRと、位相を表すドラム位相情報PG_DRとに基づいて、複
数の回転ヘツド12A、12Bの磁気テープ13に対する走査位
置の切換基準点を表すヘツド識別信号SWPを生成するヘ
ツド識別信号生成手段31A、６と、情報信号が所定位置
に記録された基準テープ13Xを回転ドラム11に捲回され
た状態で走行した場合、ヘツド識別信号生成手段31A、
６によつて生成されるヘツド識別信号SWPと、基準テー
プ13Xから複数の回転ヘツド12A、12Bを介して得られた
同期信号SYとに基づいて回転ヘツド12A、12B磁気テープ
13に対して記録するまでの実際の遅延時間情報t₁−t₀、
t₃−t₂を検出する実遅延時間検出手段33、35と、実際の
遅延時間情報t₁−t₀、t₃−t₂を記憶する記憶手段36と、
実際の遅延時間情報t₁−t₀、t₃−t₂に基づいてヘツド識
別信号生成手段31A,6によつて生成されるヘツド識別信
号SWPを所定時間Δd_A、Δd_Bだけ遅延させて記録信号生
成手段７、９に供給することにより、情報信号を回転ヘ
ツド12A、12Bに供給するタイミングを所定時間分だけ遅
延させる遅延手段37とを設けるようにする。

Ｆ作用 回転ヘツド12A、12Bが磁気テープ13上を走査し始めて
から所定の情報信号を記録するまでの基準となる遅延時
間情報を示す同期信号SY及び情報信号が記録された基準
テープから得られる同期信号SYと、回転ヘツド12A、12B
の磁気テープ13に対する走査位置の切換基準点を表すヘ
ツド識別信号SWPとに基づいて、回転ヘツド12A、12Bが
磁気テープ13に対して記録するまでの実際の遅延時間情
報t₁−t₀、t₃−t₂を検出し、当該実際の遅延時間情報t₁
−t₀、t₃−t₂に基づいてヘツド識別信号SWP所定時間Δd
_A、Δd_Bだけ遅延させ、情報信号を回転ヘツド12A、12B
に供給するタイミングを所定時間分だけ遅延させること
により、回転ヘツド12A、12Bの回転ドラム11に対する取
り付け位置の如何に係わらず、回転ヘツド12A、12Bが磁
気テープ13上を走査開始する物理的タイミングと、情報
信号を回転ヘツド12A、12Bに供給して記録する信号処理
系の記録タイミングとを正確に調整することができる。

Ｇ実施例 以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。

（G1）DATの全体構成 第３図において、10は全体として回転ヘツド型デジタ
ルオーデイオテープレコーダ（DAT）の全体構成を示
し、所望のオーデイオ信号AD_IN及びAD_OUTを回転ドラム1
1上に設けられた回転ヘツド12A、12Bを用いて、当該回
転ドラム11に所定の角間隔だけ巻き付けられた磁気テー
プ13上に記録し及び又は再生し得るようになされてい
る。

このDAT10において、まず記録時入力オーデイオ信号A
D_INはオーデイオ信号変換回路14に入力される。このオ
ーデイオ信号変換回路14は記録処理系としてローパスフ
イルタ及びアナログデイジタル変換回路を有してなり、
入力されるオーデイオ信号AD_INをデイジタルデータに変
換し、入力デイジタルデータDT_INとしてデイジタル信号
処理回路15の記録処理系に送出する。

デイジタル信号処理回路15の記録処理系は入力された
デイジタルデータDT_INを一旦入力オーデイオデータDT_AD
としてRAM（random access memory）構造のメモリ回路1
6に書き込む。

なおデイジタル信号処理回路15の記録処理系は誤り訂
正符号生成回路、インターリーブ処理回路、８−10変調
回路、パラレルシリアル変換回路等を含んで構成されて
いる。

これによりまずメモリ回路16に書き込まれた入力オー
デイオデータDT_ADを誤り訂正符号生成回路が読み出し、
誤り訂正用パリテイを生成した後、当該誤り訂正用パリ
テイをメモリ回路16に書き込む。

このメモリ回路16に対する書き込み及び読み出し処理
は全てインターリーフ処理回路で発生したデータインタ
ーリーブに対応するアドレスが選定されており、このよ
うにして誤り訂正用パリテイが付加された入力オーデイ
オデータDT_ADを８−10変調回路が読み出す。

８−10変換回路は８ビツトデータでなる入力オーデイ
オデータDT_ADを回転ヘツド12A、12Bによる磁気記録に適
した10ビツトデータに変換すると共に、同期信号、アド
レル信号、サブコード信号、ATF（automatic track fol
lowing）信号等を付加する。

デイジタル信号処理回路15の記録処理系はこのように
して得られる記録データを内部のシリアルパラレル変換
回路においてシリアルデータでなる記録信号S_REC0に変
換し、記録再生増幅回路17の記録処理系に送出する。

記録再生増幅回路17の記録処理系は記録信号増幅回路
及びロータリートランス等で構成され、入力される記録
信号S_REC0を増幅して得られる増幅記録信号S_REC1をロー
タリートランスを介して回転ドラム11上の回転ヘツド12
A、12Bに供給するようになされている。

かくして磁気テープ13の所定記録トラツクに入力オー
デイオ信号AD_INを記録し得るようになされている。

ここでこのDAT10においては、入力／表示回路18から
マイクロコンピュータ構成のシステム制御回路19に入力
される操作データD_OPRに基づいて記録動作又は再生動作
を選択制御するようになされている。

この入力／表示回路18は例えば操作子入力手段として
キーマトリクスを有するマイクロコンピュータと、表示
手段として液晶表示素子を有する表示パネルとで構成さ
れている。

これにより入力／表示回路18はユーザによる操作子の
操作に応動して操作データD_OPRを出力すると共に、シス
テム制御回路19から入力される表示データD_DSPに基づい
て表示パネル上の表示を行う。

またシステム制御回路19は記録時予め設定されたシス
テム情報及び入力／表示回路18から入力される操作デー
タD_OPRに基づいてメカ制御データD_MC、信号処理制御デ
ータD_CNT及びサーボ処理制御データD_SBを生成し、それ
ぞれメカニカル制御回路20、デイジタル信号処理回路15
及びサーボ処理回路21に送出する。

実際上記録時サーボ処理回路21はシステム制御回路19
から入力されるサーボ処理制御データD_SBに基づいてド
ラムモータ22、キヤプスタンモータ23、リールモータ24
に、それぞれドラム駆動信号C_DR、キヤプスタン駆動信
号C_CP、リール駆動信号C_RMを送出して回転ドラム11を所
定の回転数で回転駆動すると共に磁気テープ13を所定の
速度で走行させる。

またこのときドラムモータ22、キヤプスタンモータ23
及びリールモータ24からはドラム位相信号PG_DR、ドラム
周波数信号FG_DR、キヤプスタン周波数信号FG_CP及びリー
ル周波数信号FG_RMがそれぞれサーポ処理回路21にフイー
ドバツクされ、これにより各々速度サーボ及び又は位相
サーボを形成するようになされている。

なお、サーボ処理回路21にはデイジタル信号処理回路
15から記録時の１インターリーブ周期を表す内部基準信
号D_REFが供給され、この結果サーボ処理回路21はこの内
部基準信号D_REFに基づいて速度サーボ処理及び又は位相
サーボ処理を実行すると共に、入力されるドラム位相信
号PG_DR及びドラム周波数信号FG_DRに基づいて生成した回
転ヘツド12A、12Bの切換基準信号SWPをデイジタル信号
処理回路15に送出する。

またこのメカニカル制御回路20はシステム制御回路19
から入力されるメカ制御データD_MCに基づいてDATカセツ
トのカセツトローデイング機構及び磁気テープ13のテー
プローデインク機構等を駆動制御すると共に、このメカ
ニカル機構部分から入力されるセンサ情報S_MCに基づい
てメカ情報データD_SMCを生成し、これをシステム制御回
路19に送出する。

ここでこのDAT10において、再生時まずサーボ処理回
路21はシステム制御回路19から入力されるサーボ処理制
御データD_SBに応じた回転数及びデイジタル信号処理回
路15から供給される再生時の内部基準信号D_REFに同期す
る位相でドラムモータ22を回転駆動して速度サーボ及び
位相サーボを形成する。

この状態で回転ヘツド12A、12Bから得られる再生信号
S_PB0はロータリートランス、再生信号増幅回路、波形等
化回路を含む記録再生増幅回路17の再生処理系に入力さ
れ、この結果得られる増幅再生信号S_PB2がトラツキング
制御回路25に供給されると共に、内蔵されと２値化回路
を通じて得られる再生デイジタル信号S_PB1がデイジタル
信号処理回路15の再生処理系に供給される。

なおこのDAT10の場合トラツキング制御回路25は、磁
気テープ13の記録トラツクに形成されたATF用の同期信
号及びATFパイロツト信号を流用してトラツキング制御
を行うようになされている。

すなわちトラツキング制御回路25は同期信号検出用の
イコライザ回路のATFエンベロープ検波回路を有してな
り、入力される再生デイジタル信号S_PB1中に同期信号を
検出したタイミングに基づいて、エンベロープ検波信号
中からATF信号を検出し、このATF信号に応じてATF制御
信号C_ATFを形成してサーボ処理回路21に送出する。

これによりサーボ処理回路21はATF制御信号C_ATFに応
じてキヤプスタンモータ23を駆動制御し、かくして回転
ヘツド12A、12Bが磁気テープ13の記録トラツク上を正確
にトレースし得るようにATFサーボループが形成され
る。

このようにして磁気テープ13の記録トラツクを正確に
再生し得るようになると、デイジタル信号処理回路15の
再生処理系は入力される再生デイジタル信号S_PB1につい
て再生処理を開始する。

このデイジタル信号処理回路15の再生処理系は、PLL
（phase locked loop）回路構のクロツク再生回路、10
−８復調回路、誤り検出訂正回路、デインターリーブ処
理回路、補間回路等から構成されている。

これにより、デイジタル信号処理回路15はまずクロツ
ク再生回路において再生デイジタル信号をS_PB1に含まれ
る再生クロツク信号を検出する。

10−８復調回路では再生デイジタル信号S_PB1中に同期
信号を検出すると、クロツク再生回路で検出された再生
クロツク信号に基づいて再生デイジタル信号S_PB1の10ビ
ツト分を10−８復調し、この結果得られる８ビツトデー
タを再生オーデイオデータDT_ADとして順次メモリ回路16
に書き込む。

このようにしてメモリ回路16に書き込まれた再生オー
デイオデータDT_AD誤り検出訂正回路によつて読み出され
データ誤りの有無が検出されると共に、データ誤りが存
在する場合には誤り訂正用パリテイを用いた誤り訂正処
理を行い誤り訂正されたデータ及び当該訂正結果をメモ
リ回路16に書き込む。

このメモリ回路16に対する書き込み及び読み出し処理
は、全てデインターリーブ処理回路で発生したデータデ
インターリーブに対応するアドレスが選定されており、
誤り検出訂正処理後の再生オーデイオデータDT_ADが補間
回路によつて読み出される。

これにより補間回路誤り訂正できなかつたデータにつ
いて前後のデータとの平均値を演算する手法等による補
間演算を実行し、これを再生デイジタルデータDT_OUTと
してオーデイオ信号変換回路14の再生処理系に送出す
る。

オーデイオ信号変換回路14の再生処理系はデイジタル
アナログ変換回路及びローパスフイルタを有してなり、
再生デイジタルデータDT_OUTをアナログ信号に変換し、
これを再生オーデイオ信号AD_OUTとして送出する。

かくして磁気テープ13の記録トラツクを回転ドラム11
上の回転11上の回転ヘツド12A、12Bで読み出し、磁気テ
ープ13に記録された記録データを再生して再生オーデイ
オ信号AD_OUTを得るようになされている。

（G2）実施例のDAT 第３図及び第４図との対応部分に同一符号を付して示
す第１図において、30は本発明によるDATを示し、この
場合回転ドラム11から送出されるドラム位相信号PG_DR及
びドラム周波数信号FG_DRが、ドラムPG/FG増幅回路31Aを
通じてSWP生成回路６に入力され、この結果得られるヘ
ツド識別信号SWPがFIFO（first in first out）メモリ3
3及びSWPD生成回路37に供給される。

またこのDAT30の場合、回転ヘツド12A、12Bから送出
される再生信号S_PB0は再生信号増幅回路31Bを通じて増
幅再生信号S_PB2としてATFシンク検出回路32に入力さ
れ、この結果得られるATFシンク信号SYがFIFOメモリ33
に供給される。

このFIFOメモリ33は所定のクロツクに基づく自走カウ
ンタ構成のカウンタ34から入力されるカウントデータCN
Tを、ヘツド識別信号SWPの立上りエツジのタイミング及
び、それぞれこれに続く最初のATFシンク信号SYの立上
りのタイミングで内部に記憶し、これをデイレイ量検出
回路35に送出する。

このデイレイ量検出回路35は、ATFシンク信号SYの立
ち上がりのタイミングに応じたカウントデータCNTか
ら、それぞれ対応するヘツド識別信号SWPの立下りエツ
ジ又は立上りエツジのタイミングに応じたカウントデー
タCNTを減算する。

この結果ヘツド識別SWPの立下りエツジ又は立上りエ
ツジから、それぞれこれに続く最初のATFシンク信号SY
の立上りまでの遅延時間を検出し、それぞれ第１及び第
２の回転ヘツド12A及び12Bに応じた遅延量データDT_DLと
して、電気的書換え可能ROM（EEPROM（electrically er
asable programmable read only memory））36に格納す
る。

実際上このようにしてEEPROM36に格納された遅延量デ
ータDT_DLは、記録時に読み出されてSWPD生成回路37に入
力される。

このSWPD生成回路37は入力されるヘツド識別信号SWP
の立上りエツジ及び立上りエツジのタイミングを、第１
及び第２の回転ヘツド12A及び12Bに応じた遅延量データ
DT_DLに基づいて遅延させてなり、この結果得られる遅延
ヘツド識別信号SWPDが、DAT記録信号生成処理部７に入
力される。

これによりDAT記録信号生成処理部７は、遅延ヘツド
識別信号SWPDのタイミングで第１及び第２の回転ヘツド
12A、12Bにそれぞれ供給する記録データDT_RECを発生
し、これを記録増幅回路９を通じて記録信号S_RECとして
第１及び第２の回転ヘツド12A、12Bに供給するようにな
されている。

以上の構成において、回転ヘツド12A又は12Bが磁気テ
ープ13の記録トラツク上を走査する物理的な記録タイミ
ングと信号処理系の記録タイミングとが一致するように
調整する際には、まず正確な位置にDATフオーマツトに
基づくATF（automatic track following）信号が記録さ
れた磁気テープ13X（いわゆる基準テープ）をDAT30に装
填する。

実際上この基準テープ13Xを再生して得られるATFシン
ク信号SYの位置は、DATフオーマツトに基づいてＡトラ
ツク、Ｂトラツク毎に定まつている。

これにより回転ヘツド12A、12Bが正確に磁気テープ13
X上を走査開始してから、ATFシンク信号SFが検出される
までの時間は、Ａトラツク、Ｂトラツク毎にそれぞれ時
間Δt_A、Δt_Bと定まつている。

従つてヘツド識別信号SWPの立下りエツジから回転ヘ
ツドのＡヘツド12Aの最初のATFシンク信号SYが検出され
るまでの時間を計測し、この時間がΔt_Aとなるように、
ヘツド識別信号SWPの立下りエツジを遅延させる。

またヘツド識別信号SWPの立上りエツジから回転ヘツ
ドのＢヘツド12Bの最初のATFシンク信号SYが検出される
までの時間を計測し、この時間がΔt_Bとなるように、ヘ
ツド識別信号SWPの立上りエツジを遅延させ、このよう
にして、回転ヘツド12A又は12Bが磁気テープ13の記録ト
ラツク上を走査する物理的な記録タイミング信号処理系
の記録タイミングとが一致するように調整する。

すなわち、実際上基準テープ13XをDAT30に装填した状
態で、回転ドラム11から送出されるドラム周波数信号FG
_DR（第２図（Ａ））及びドラム位相信号PG_DR（第２図
（Ｂ））がSWP生成回路６に入力され、この結果生成さ
れるヘツド識別信号SWP（第２図（Ｃ））がFIFOメモリ3
3に入力される。

なおこのときSWPD生成回路37においては、ヘツド識別
信号SWPに位相及び周波数の等しい遅延ヘツド識別信号S
WPD（第２図（Ｄ））が発生される。

この状態で、FIFOメモリ33はヘツド識別信号SWPの立
ち下がる時点t₀のタイミングで、カウンタ34から入力さ
れるカウントデータCNT（t₀）を記憶し、続いて回転ヘ
ツド12Aの再生信号S_PBA中の最初のATFシンク信号S1が検
出される時点t₁タイミングで、カウンタ34から入力され
るカウントデータCNT（t₁）を記憶する。

同様にFIFOメモリ33はヘツド識別信号SPWの立ち上が
る時点t₂のタイミングで、カウンタ34から入力されるカ
ウントデータCNT（t₂）を記憶し、続いて回転ヘツド12A
の再生信号S_PBB中の最初のATFシンク信号S_B1が検出され
る時点t₃のタイミングで、カウンタ34から入力されるカ
ウントデータCNT（t₃）を記憶する。

このようにしてFIFOメモリ33に記憶されたカウンタデ
ータCNT（t₀）、CNT（t₁）、CNT（t₂）、CNT（t₃）はデ
イレイ量検出回路35に読み出される。

このデイレイ量検出回路35は、次式 Δd_A＝CNT（t₁）−CNT（t₀）−Δt_A ……（１） 及び次式 Δd_B＝CNT（t₃）−CNT（t₂）−Δt_B ……（２） で表される演算を実行して、ヘツド識別信号SWPの立下
りエツジの遅延量Δd_A及び立上りエツジの遅延量Δd_Bを
それぞれ算出し、これを遅延量データDT_DLとしてEEPROM
36に記憶すると共に、SWPD生成回路37に入力する。

SWPD生成回路37は入力されるヘツド識別信号SWPの立
下りエツジを遅延量Δd_Aだけ遅延させると共に、立上り
エツジを遅延量Δd_Bだけ遅延させて遅延ヘツド識別信号
SWPDを発生する。

上述のような調整作業は、所定回繰り返して実行さ
れ、このようにして磁気テープ13に対する回転ヘツド12
A、12Bの記録位置の調整を殆ど自動的に実行し得るよう
になされている。

以上の構成によれば、調整時回転ドラム11から得られ
るヘツド識別信号SWPの変化点t₀、t₂及び記録トラツク
上から得られるATFシンク信号SYのタイミングSY_A1、SY
_B1のずれ量t₁−t₀、t₃−t₂を所定時間にする遅延量Δ
d_A、Δd_Bを記憶し、記録時ヘツド識別信号SWPを遅延量
Δd_A、Δd_Bだけ遅延させるようにしたことにより、磁気
テープ13に対する回転ヘツド12A、12Bの記録位置を簡易
かつ確実に調整し得るDAT30を実現できる。

（G3）他の実施例 （１）上述の実施例においては、カウントデータをFIFO
メモリに記憶した場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、RAM（random access memory）やラツチ回路
等他の記憶手段に保持するようにしても、上述の実施例
と同様の効果を実現できる。

（２）上述の実施例においては、本発明の回路ヘツド型
デイジタルオーデイオテープレコーダに適用した場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオテープ
レコーダやデータレコーダ等他の回転ドラム装置に広く
適用して好適なものである。

Ｈ発明の効果 上述のように本発明によれば、回転ヘツドが磁気テー
プ上を走査し始めてから所定の情報信号を記録するまで
の基準となる遅延時間情報を示す同期信号及び情報信号
が記録された基準テープから得られる同期信号と、回路
ヘツドの磁気テープに対する走査位置の切換基準点を表
すヘツド識別信号とに基づいて、回転ヘツドが磁気テー
プに対して記録するまでの実際の遅延時間情報を検出
し、当該実際の遅延時間情報に基づいてヘツド識別信号
を所定時間だけ遅延させ、情報信号を回転ヘツドに供給
するタイミングを所定時間分だけ遅延させることによ
り、回転ヘツドの回転ドラムに対する取り付け位置の如
何に係わらず、回転ヘツドが磁気テープ上を走査開始す
る物理的タイミングと、情報信号を回転ヘツドに供給し
て記録する信号処理系の記録タイミングとを正確に調整
することができ、かくして磁気テープに対する回転ヘツ
ドの記録位置を簡単かつ確実に調整し得る回転ヘツド型
磁気記録装置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例によるDATを示すブロツク
図、第２図はその動作の説明に供するタイミングチャー
ト、第３図はDATの全体構成を示すブロツク図、第４図
は従来のDATの構成を示すブロツク図、第５図はその動
作の説明に供するタイミングチャートである。 １、10、30……DAT、２、13……磁気テープ、４、11…
…回転ドラム、5A、5B、12A、12B……回転ヘツド、31A
……ドラムPG/FG増幅回路、32……ATFシンク検出回路、
33……FIFOメモリ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気テープが捲回された状態で所定速度で
   回転する回転ドラムと、 上記回転ドラムに設けられ、当該回転ドラムと一体にな
   つて回転する複数の回転ヘツドと、 上記回転ヘツドが上記磁気テープ上を走査し始めてから
   所定の情報信号を記録するまでの基準となる遅延時間情
   報を示す同期信号を含む所定の情報信号を上記回転ヘツ
   ドに供給する記録信号供給手段と、 上記回転ドラムの速度を表すドラム周波数信号と、位相
   を表すドラム位相情報とに基づいて、上記複数の回転ヘ
   ツドの上記磁気テープに対する上記走査位置の切換基準
   点を表すヘツド識別信号を生成するヘツド識別信号生成
   手段と、 上記情報信号が所定位置に記録された基準テープ上記回
   転ドラムに捲回された状態で走行した場合に、上記ヘツ
   ド識別信号生成手段によつて生成される上記ヘツド識別
   信号と、上記基準テープから上記複数の回転ヘツドを介
   して得られた上記同期信号とに基づいて上記回転ヘツド
   が上記磁気テープに対して記録するまでの実際の遅延時
   間情報を検出する実遅延時間検出手段と、 上記実際の遅延時間情報を記録する記憶手段と、 上記実際の遅延時間情報に基づいて上記ヘツド識別信号
   生成手段によつて生成される上記ヘツド識別信号を所定
   時間だけ遅延させて上記記録信号生成手段に供給するこ
   とにより、上記情報信号を上記回転ヘツドに供給するタ
   イミングを上記所定時間だけ遅延させる遅延手段と を具えることを特徴とする回転ヘツド型磁気記録装置。