JP2803187B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、誘電体分離構造の半導体装置の製造方法
に関する。
(従来の技術) 従来の誘電体分離構造の半導体装置としては、例えば
第4図に示すようなものがある(IEDM Technical Dig
est,p.728〜731(1985))。
同図中、21は基体領域となる多結晶Siであり、多結晶
Si21上には、SiO2膜22で誘電体分離されたn-形の素子領
域23が形成されている。素子領域23には、SiO2膜22に沿
ってn+埋込層24が形成されている。また、素子領域23に
は、そのn-形の素子領域23をコレクタ領域として、p形
ベース領域25、n+エミッタ領域26及びn+コレクタコンタ
クト領域27等によりnpn形のバイポーラトランジスタが
形成されている。前記のn+埋込層24により、バイポーラ
トランジスタのコレクタ抵抗が低減されている。28はSi
O2膜、29はAl電極である。
上述の半導体装置の製造方法としては、まず、単結晶
のSi基板をV形エッチングして溝を作り、n+埋込層24形
成のためのn+拡散及び誘電体分離用のSiO2膜22の形成が
行われる。次いで、SiO2膜22上に多結晶Si21が厚く堆積
される。その後、他の基板等に接着されてSi基板が裏面
から削られ、多結晶Si21上に、n+埋込層24を有する単結
晶Siの素子領域23が残される。このあと、素子領域23内
に素子形成のための各領域が作り込まれる。
(発明が解決しようとする課題) 従来の誘電体分離構造の半導体装置は、Si基板を裏面
から削って多結晶Si上に単結晶Siの素子領域を残すよう
な工程を必要とするため、そのSi基板のラッピング工程
には大変な時間がかかり、また全般的に工程が複雑でプ
ロセスコストが高くなり、ひいてはチップコストが高く
なるという問題があった。
そこで、この発明は、製造が比較的容易で、チップコ
ストを低減することのできる半導体装置の製造方法を提
供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は上記課題を解決するために、(100)シリ
コン単結晶基板に形成した素子領域の対向する一対の周
辺部にそれぞれ<110>方向に縦溝を形成する工程と、
前記各縦溝を異方性エッチングすることによって素子領
域下部で溝を連通させる工程と、連通した溝の外周面に
のみ全面に絶縁膜を形成する工程と、溝内に前記素子領
域と同一導電型でかつ前記素子領域より高濃度の多結晶
または非晶質の半導体からなる埋め込み領域を形成する
工程と、素子領域の前記対向する周辺部とは別の対向す
る周辺部に形成した溝内に絶縁体を埋める工程とを有
し、前記絶縁膜及び前記絶縁体によって前記素子領域を
誘電体分離することを要旨とする。
(作用) 本発明にあっては、(100)シリコン単結晶基板に形
成した素子領域の対向する一対の周辺部にそれぞれ<11
0>方向に縦溝を形成して異方性エッチングによって素
子領域下部で溝を連通させた後、この連通した溝の外周
面にのみ全面に絶縁膜を形成すると共に、溝内を前記素
子領域と同一導電型でかつ前記素子領域より高濃度の多
結晶または非晶質の半導体で埋め込み、一方、素子領域
の前記対向する周辺部とは別の対向する周辺部に形成し
た溝内に絶縁体を埋めることで、前記素子領域を完全に
誘電体分離している。したがって、基板裏面からのラッ
ピング工程等を用いずに、上記絶縁膜および絶縁体によ
り誘電体分離構造が実現される。そして素子領域を取囲
むように形成された埋込領域は、低抵抗埋込領域として
機能する。
(実施例) 以下、この発明の実施例を第1図ないし第3図に基づ
いて説明する。この実施例は、素子領域にバイポーラト
ランジスタが形成された半導体装置を対象としている。
まず、半導体装置の構成を説明すると、第1図中、1
は半導体基板としてのp形Si基板であり、その主面に
は、当該Si基板1から切離して形成されるとともに、n-
形にドープされた素子領域2が形成されている。素子領
域2は、断面が逆三角形に形成され、これを取囲むよう
に、断面が菱形を2個連ねたような形状の溝が形成され
ている。溝の内面には、誘電体分離用の絶縁膜としての
SiO2膜3が形成され、さらにその溝内にはn+形にドープ
された多結晶Si又は非晶質Siが埋込まれて埋込領域4が
形成されている。
素子領域2には、そのn-形の素子領域2をコレクタ領
域として、p形ベース領域5及びn+エミッタ領域6等に
よりnpn形のバイポーラトランジスタが形成されてい
る。7はSiO2膜、8aはエミッタ電極、8bはベース電極で
あり、コレクタ電極8cは埋込領域4の部分からとられて
いる。
半導体装置は上述のように構成されているので、後述
する製造方法でさらに明らかなように基板裏面からのラ
ッピング工程等を用いずに、溝の内面に形成されたSiO2
膜3により誘電体分離構造の実現が可能となる。また、
n+形の埋込領域4により、バイポーラトランジスタのコ
レクタ抵抗が低減される。
次に、第2図及び第3図を用いて、この実施例に係る
半導体装置の製造方法の一例を説明する。なお、以下の
説明において、(a)〜(c)の各項目記号は、第2図
の(a)〜(c)のそれぞれに対応する。
(a) (100)面のp形Si基板1の主面に選択拡散に
より、素子領域となるn-領域、p形ベース領域5及びn+
エミッタ領域6を形成する。
(b) 素子領域となる部分の両側に、反応性イオンエ
ッチングにより縦溝11を掘る。
(c) 縦溝11の内壁をヒドラジンやエチレンジアミン
等のアルカリ系異方性エッチング液を用いてエッチング
する。アルカリ系異方性エッチング液でSiをエッチング
すると(111)面で著しくエッチレートが遅くなるの
で、(111)面が露出したところでエッチングが止り、
三角柱状で両持梁構造の素子領域となる部分が形成さ
れ、これとともに断面が菱形を2個連ねたような形状の
溝12が形成される。次いでp形Si基板1を正にバイアス
して溝12の内面を陽極酸化し、誘電体分離用のSiO2膜3
を形成する。ここで両持梁の付け根の部分は、第3図に
示すように、予めp/n-/p/n-の構造にしておき、素子領
域となる部分には正のバイアスがかからないようにし
て、その底面は酸化されないようにする。
この後、溝12にn+形にドープされた多結晶Si又は非晶
質Siを充填して埋込領域4を形成する。次いで、両持梁
の付け根の部分を反応性イオンエッチングでエッチング
してSiO2等の誘電体で埋め、素子領域2をSi基板1から
完全に誘電体分離する。最後に、コンタクト孔の孔開け
及びAl膜による各電極8a、8b、8cの形成等を行なって半
導体装置を完成する。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、(100)シ
リコン単結晶基板に形成した素子領域の対向する一対の
周辺部にそれぞれ<110>方向に縦溝を形成して異方性
エッチングによって素子領域下部で溝を連通させた後、
この連通した溝の外周面にのみ全面に絶縁膜を形成する
と共に、溝内を前記素子領域と同一導電型でかつ前記素
子領域より高濃度の多結晶または非晶質の半導体で埋め
込み、一方、素子領域の前記対向する周辺部とは別の対
向する周辺部に形成した溝内に絶縁体を埋めることで、
前記素子領域を完全に誘電体分離するようにしたので、
基板裏面からのラッピング工程等を用いずに、上記絶縁
および絶縁体により誘電体分離構造を実現することがで
きる。したがって製造が比較的容易になってチップコス
トを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る半導体装置の構成を示す縦断面
図、第2図及び第3図は当該半導体装置の製造方法の一
例を示す工程図、第4図は従来の半導体装置を示す縦断
面図である。 1;Si基板(半導体基板)、2:素子領域、 3:SiO2膜(絶縁膜)、4:埋込領域、 12:溝。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(100)シリコン単結晶基板に形成した素
    子領域の対向する一対の周辺部にそれぞれ<110>方向
    に縦溝を形成する工程と、 前記各縦溝を異方性エッチングすることによって素子領
    域下部で溝を連通させる工程と、 連通した溝の外周面にのみ全面に絶縁膜を形成する工程
    と、 溝内に前記素子領域と同一導電型でかつ前記素子領域よ
    り高濃度の多結晶または非晶質の半導体からなる埋め込
    み領域を形成する工程と、 素子領域の前記対向する周辺部とは別の対向する周辺部
    に形成した溝内に絶縁体を埋める工程とを有し、前記絶
    縁膜及び前記絶縁体によって前記素子領域を誘電体分離
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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