JP2800839B2 - 炭素繊維織物の製造方法 - Google Patents

炭素繊維織物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、脆く、結節強度が低く、しかも破断伸度
が小さい炭素繊維を構成材料とする織物の製造方法に関
する。
<従来の技術> 炭素繊維織物は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)
など、炭素繊維を補強材とする複合材料を成形するとき
によく用いられている。
そのような炭素繊維織物は、たとえば、特開昭63−31
5638号公報に記載されているように、シャットル織機や
レピア織機を用いて製織されている。ところが、炭素繊
維は、脆く、結節強度が低く、しかも破断伸度が小さい
ために、たとえサイジング剤が付与されているものでも
製織操作はなかなか難しく、織糸、すなわち炭素繊維糸
に損傷を与えないよう、ゆっくりとした操作を行なわざ
るを得ない。そのため、生産性が大変悪く、コストが高
くなっているのが実状である。ましてや、サイジング剤
が付与されていない、いわゆるノーサイジング糸や、紡
績糸を用いての製織は極めて難しく、製織中に発生する
炭素繊維の毛羽や粉塵が、織物にスラブ状に織り込まれ
たり付着して製品の品位を低下させたり、大気中に飛散
して作業者に付着したり、電気設備に付着して短絡事故
を起こすなどの問題を引き起こすことさえある。
<発明が解決しようとする課題> この発明の目的は、従来の方法の上述した問題点を解
決し、炭素繊維織物を、製織中における炭素繊維の毛羽
や粉塵の発生を抑えつつ高い生産性で製造することがで
きる方法を提供するにある。
<課題を解決するための手段> 上記の目的を達成するために、この発明は、織機の回
転数が120〜500rpmであり、かつ、炭素繊維糸を少なく
とも経糸とし、織機を用いて製織する際に、綜絖によっ
て開閉運動せしめられている経糸を、織機のバックロー
ルと織り口の領域で水で濡らしておくことを特徴とす
る、炭素繊維織物の製造方法を提供する。
この発明においては、経糸として炭素繊維糸を用い
る。炭素繊維糸は、マルチフィラメント糸であってもよ
く、紡績糸であってもよい。
炭素繊維糸がマルチフィラメント糸である場合、製織
性をより向上させることができるという理由で、10〜25
回/m程度の撚を有するものを使用するのが好ましい。ま
た、紡績糸である場合には、摩擦、締め付けによる強さ
を発現させるために、100〜600回/m程度の撚を有するも
のを使用するのが好ましい。
また、炭素繊維糸は、PAN(ポリアクリロニトリル)
系、ピッチ系など、いずれの炭素繊維からなるものであ
ってもよいが、CFRPにおいて使用する織物を製織する場
合には、マトリクスとなる樹脂との接着性を向上させる
ため、電解酸化処理などによって表面に官能基を導入し
てなるものを使用するのが好ましい。
炭素繊維糸は、もっとも、炭素繊維のみで構成された
ものでなくてもよい。用途にもよるが、CFRPにおいて用
いるものにあっては、炭素繊維と、他の高強度、高弾性
率補強繊維(アラミド繊維、ガラス繊維、シリコンカー
バイド繊維、アルミナ繊維など)とを併用したものであ
ってもよく、また、炭素繊維と、PEEK(ポリエーテルエ
ーテルケトン)繊維、ポリアミド繊維、PPS(ポリフェ
ニレンサルファイド)繊維、ABS繊維などの、溶融する
とマトリクスとなるような熱可塑性繊維とを併用したも
のであってもよい。この発明においては、これら補強繊
維や熱可塑性繊維を併用してなる糸もまた、炭素繊維糸
という概念に含まれる。
一方、緯糸には、上述した炭素繊維糸を使用してもよ
く、また、上記補強繊維や熱可塑性繊維のみからなる糸
を使用してもよい。用途などに応じて選択する。
この発明においては、上述したような炭素繊維糸を少
なくとも経糸として織物を製織する。この製織には、シ
ャットル織機、レピア織機、エアージェット織機、ウォ
ータジェット織機などの周知の織機を使用することがで
きる。製織速度(織機の回転数)は、炭素繊維糸の種類
や状態、すなわち、マルチフィラメント糸か紡績糸かと
いったことや、サイジング剤の有無などによって異なる
ものの、120〜500rpmが必須である。なお、より一層高
速で製織したい場合には、綜絖を、針金綜絖(ワイヤー
ヘルド)とし、さらにメールにワイヤーリングが挿入さ
れているものを使用すると、糸道が丸く仕上げられてい
るために毛羽や粉塵の発生をより抑制できるようにな
る。
さて、この発明においては、製織に際しては、織機の
綜絖によって開閉運動せしめられている経糸を、その開
閉運動の全域にわたって水で濡らしておく。ここで、開
閉運動の全域とは、バックロールと、織口との間の領域
をいう。この水は、炭素繊維糸(経糸)の収束剤や潤滑
剤として作用し、開閉運動によって隣接する炭素繊維糸
同士が擦れることによる毛羽や粉塵の発生を抑え、綜絖
の上下運動による、筬と炭素繊維糸との摩擦による毛羽
や粉塵の発生を抑え、また、たとえ毛羽や粉塵が発生し
てもそれぞれ大気中に飛散するのを防止するとともに、
高速での製織操作を可能にする。
炭素繊維糸に付着させる水量は、経糸の重量に対して
30〜200重量%程度がよい。30重量%未満では、上述し
た収束性や潤滑性の改善効果が十分に得られないことが
ある。また、200重量%を超えると、炭素繊維は弾性率
が大きいために開閉運動に伴う経糸の張力変動が大きく
なり、水の表面張力で隣接する経糸同士が絡み合って糸
切れを発生することがある。特に、綜絖の後方の領域
(綜絖を境として、織口とは反対側の領域)において
は、30〜150重量%の範囲の水が付着しているのが好ま
しい。ここで、水は、経糸に沿って加湿器や水スプレー
などを配置することによって付着せしめることができ
る。なお、織機としてウォータジェット織機を使用する
場合、ウォータジェット織機は水で緯糸を運ぶことか
ら、その水で経糸も濡らされる。しかしながら、それは
綜絖の前方の領域(綜絖を境として、織口側の領域)に
限られるので、後方の領域でやはり加湿器や水スプレー
などによって水を付着せしめることが必要になる。
この発明の方法によって製造した織物は、製織時に付
着せしめられた水を乾燥し、除去することによってCFRP
などの複合材料の補強材として使用することができる
が、水は、高分子物質などとは異なり、乾燥によって完
全に除去することができるから、それが複合材料を製造
する際のマトリクスの含浸性に影響を与えたり、複合材
料の特性に影響を与えるような心配はない。
<実 施 例> 図面において、織機の図示しない経糸ビームから引き
出された、シート状をなす、複数本の、炭素繊維糸から
なる経糸2、2は、バックロール3を経て各経糸が綜絖
4、4に通され、その上下運動によって開閉される。経
糸2、2が開口されたとき、それら経糸2、2間に、シ
ャットル、レピア、エアージェット、ウォータジェット
などによって緯糸6が、打ち込まれる。緯糸6は、次い
で筬5によって織口7まで運ばれ、綜絖4、4が再び上
下運動して開口し、織物8が形成される。織物はプレス
ロール9、巻取駆動ロール10、ガイドロール11を経て巻
芯12に巻き取られる。以上の操作は、通常の製織操作と
なんら変わるものではない。
さて、綜絖4、4によって開閉運動せしめられている
経糸2、2は、バックロール3の直前に設けた水スプレ
ーノズル1によって水で濡らされる。この水は、すぐに
乾燥することはなく、結局、経糸2、2は、その開閉運
動の全域、すなわち、バックロール3と織口7との間の
全域において濡らすことになる。この水が、経糸(炭素
繊維糸)の収束剤や潤滑剤として作用する。
<発明の効果> この発明は、綜絖によって開閉運動せしめられている
経糸を、その開閉運動の全域にわたって、炭素繊維糸
(経糸)の収束剤や潤滑剤として作用する水で濡らして
おくから、炭素繊維の、開閉運動によって隣接する経糸
同士が擦れることによる毛羽や粉塵の発生が抑えられ、
綜絖の上下運動による、筬羽と経糸との摩擦による毛羽
や粉塵の発生が抑えられ、たとえ発生してもそれが大気
中に飛散することなく塊状になって落下するようにな
る。そのため、炭素繊維の毛羽や粉塵が、織物にスラブ
状に織り込まれたり付着して製品の品位が低下したり、
大気中に飛散して作業者に付着したり、電気設備に付着
して短絡事故を起こすといった不都合を防止することが
できるようになるばかりか、たとえサイジング剤が付与
されていない炭素繊維糸を経糸として使用する場合でも
高速での製織が可能となり、生産性が大きく向上し、織
物の製造コストを大幅に下げることができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の方法を実施している様子を示す、織
機の概略側面図である。 1:水スプレーノズル 2:経糸 3:バックロール 4:綜絖 5:筬 6:緯糸 7:織口 8:織物 9:プレスロール 10:巻取駆動ロール 11:ガイドロール 12:巻芯
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−6935(JP,A) 特開 昭49−26536(JP,A) 実開 昭57−196177(JP,U) 実開 昭55−139185(JP,U) 特許18619(JP,C1) 「炭素繊維」大谷杉郎・木村真著、株 式会社近代編集社発行、(昭和47年6月 15日発行)、第199〜200頁参照 「<JHB>ジェットルームハンドブ ック Part4」社団法人日本繊維機 械学会 織機研究委員会編、第56〜59頁 参照

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維の回転数が120〜500rpmであり、か
    つ、炭素繊維糸を少なくとも経糸とし、織機を用いて織
    物を製織する際に、綜絖によって開閉運動せしめられて
    いる経糸を、織機のバックロールと織り口の領域で水で
    濡らしておくことを特徴とする、炭素繊維織物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】炭素繊維糸への水の付着量は、経糸の重量
    に対して30〜200重量%であることを特徴とする、請求
    項1に記載の炭素繊維織物の製造方法。
  3. 【請求項3】綜絖が針金綜絖であり、メールにワイヤー
    リングが挿入されてなることを特徴とする、請求項1に
    記載の炭素繊維織物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4714642A (en) * 1983-08-30 1987-12-22 Basf Aktiengesellschaft Carbon fiber multifilamentary tow which is particularly suited for weaving and/or resin impregnation

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「<JHB>ジェットルームハンドブック Part4」社団法人日本繊維機械学会 織機研究委員会編、第56〜59頁参照
「炭素繊維」大谷杉郎・木村真著、株式会社近代編集社発行、(昭和47年6月15日発行)、第199〜200頁参照

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