JP2800422B2 - 液晶表示素子とその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子とその製造
方法に関するもので、電気的又は熱的にその表示を切り
換えることにより表示用デバイスとして利用されるもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子はネマチック液晶を使用し
たツイストネマチック型や、ねじれ角度を90゜以上に
したスーパーネマチック型のものが、低消費電力、低電
圧駆動、軽量化、薄型化といった特長を生かしてフラッ
トディスプレイとしてパーソナルワールドプロセッサ
ー、ハンドヘルドコンピュータ、ポケットテレビ等の表
示デバイスとして広く利用されている。また近年ではカ
ラー化も進み、画素電極ごとに能動素子を設けたアクテ
ィブマトリクス型の液晶表示素子が高密度化可能である
という特長の故に主流となりつつある。しかしながら上
記のものは全て偏光板を要するものであり、又配向処理
が不可欠のものである。これらを要さず、明るくコント
ラストの良い、大型で廉価な液晶表示素子ということ
で、散乱−透明の状態の切り換えで表示を行なう方法が
注目されている。以前はこの種類のモードとしてDSM
(動的散乱)型またはPC(相転移)型の液晶を用いた
液晶表示素子も提案されていたが、各々液晶中を流れる
電流値が高くて消費電流が大きいという欠点があった
り、液晶層の厚み制御が困難で色ムラを起こし易いとい
った欠点があったりして実用化には至らなかった。
【0003】最近ではこういった欠点の無い、尚且つ低
電圧駆動可能な液晶表示素子として液晶をカプセル化す
ることにより、ポリマー中に液晶滴を分散させてそのポ
リマーをフィルム化する方法が知られている。ここでカ
プセル化物質としては、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ
ビニルアルコール等が提案(特表昭58−501631
号、USP4435047号)されたり、このほかにも
液晶がエポキシ樹脂中に分散したもの(特表昭61−5
02128号)、液晶が紫外線硬化ポリマー中に分散し
たもの(特開昭62−2231号公報)等が開示されて
いるが、どれも電界を加えると液晶分子が電界の方向に
向きを揃えて配列し、その際の液晶の屈折率no、また
はneとポリマーの屈折率npが等しくなって透明性を有
し、電界を除くと液晶分子はランダムな配列に戻り、こ
の液晶を通過する光は散乱してしまうという2状態をも
って表示を行なう原理によるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような分散タイプ
の液晶表示素子の液晶層となる高分子分散液晶層におけ
る高分子マトリクスとしては、基本的には透明であれ
ば、熱可塑性樹脂でも熱硬化樹脂であってもさしつかえ
ないが、紫外線硬化型の樹脂が一般には最も簡便で、性
能も良く使用されることが多い。その理由として、従来
の液晶パネルの製造方法として上下2枚の基板にあらか
じめ所定の電極パターンを形成しておき、該電極同志が
対向するように2枚の基板を重ね合せる。この際に所定
の大きさの粒径の揃ったスペーサを基板の間にはさみこ
み、2枚の基板の間隙を保持できるようにした状態で2
枚の基板をエポキシ樹脂のシール材で固定させる。この
ようにして得られる空セルの中に液晶を注入するといっ
た製造方法が多く用いられている。この製造方法を応用
して分散タイプの液晶パネルを製造する為には高分子マ
トリクスを紫外線硬化型の樹脂にすると良い。特にその
1例としてアクリル系の樹脂を用いれば、注入前に於い
ては、モノマー、あるいは/及びオリゴマーという低粘
度な前駆体として存在し、液晶とのブレンド物は常温で
注入するのに十分な流動性を有しているので、従来の液
晶パネルの製造方法を応用することができる。
【0005】また注入した後にパネルに紫外線を照射す
ることによって樹脂のみ重合反応を起こしてポリマーと
なり、液晶のみ相分離して、樹脂分と比較して液晶の量
が少ない場合は独立した粒子状の液晶滴が形成される
し、一方液晶の量が多い場合は高分子マトリクスが液晶
材料中に粒子状又はネットワーク状に存在し、液晶が連
続相を成すように形成される。この際に液晶滴の粒子
径、もしくはポリマーネットワークの孔径がある程度均
一で尚且つ大きさとしては0.1μm〜数μmの範囲で
なければ分散性能が悪く、コントラストが上がらない。
この為にも紫外線硬化樹脂のように短時間で硬化が終了
しうる材料でなければならない。
【0006】以上述べたような理由で高分子マトリクス
として紫外線硬化タイプの樹脂を用いるのが最も良い。
【0007】しかしながら紫外線硬化型の樹脂をマトリ
クスとして用いる場合に従来の液晶表示素子で用いてい
たブラックストライプ、あるいはブラックマトリクスと
呼ばれる画素間の遮蔽層を形成することができない。な
ぜならばブラックマトリクスを形成した空セルに先に述
べた製造方法にて液晶パネルを形成した場合には高分子
分散液晶層の高分子マトリクスを紫外線硬化させる場合
に遮蔽層を形成した部分の内側の液晶樹脂複合体には光
が照射されず、該部分の高分子マトリクスは未硬化のま
ま残ってしまう。
【0008】よって分散タイプの液晶表示素子に於いて
はブラックマトリクスは用いることができず、画素間か
ら散乱してもれてくる光の為に画像のぼやけた、シャー
プさの欠けた表示しかできない液晶表示素子しかできな
かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、上下2枚のうち少な
くとも一方が透明な電極基板の間に、光硬化型の高分子
分散液晶を狭持する液晶表示素子において、少なくとも
一方の基板に遮蔽層を設け、該遮蔽層に開口部として
孔を設けたことを特徴とする液晶表示素子とその製造方
を提供するものである。
【0010】基板は例えばガラス、金属、プラスチック
フィルム等が掲げられ、堅固な材料であっても柔軟性を
有する材料であっても良いが、2枚が対向して適当な間
隔を隔て得るものである。また少なくとも一方は透明性
を有し、その2枚の間に挟持される液晶を外側から見識
しうるものであれば良い。この2枚の基板の内側には目
的に応じて透明、不透明の適宜な電極が全面または一部
に配置されている。
【0011】2枚の基板間には液晶材料としてネマチッ
ク液晶が高分子マトリクス中に分散保持されたもの、あ
るいは高分子マトリクスが液晶材料中に粒子状又はネッ
トワーク状に存在しているような高分子分散液晶からな
るものが介在される。
【0012】液晶材料はネマチック液晶、スメクチック
液晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2
種以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含ん
だ混合物であっても良い。
【0013】高分子マトリックス材料としては透明なポ
リマーが好ましく、先に述べたように製造工程の容易
さ、液晶相との分離等の点より紫外線硬化タイプの樹脂
を用いるのが好ましい。具体的な例として紫外線硬化性
アクリル系樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重
合硬化するアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含
有するものが好ましい。
【0014】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート等々である。
【0015】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0016】また重合を速やかに行う為に重合開始剤を
用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。
【0017】その他に任意成分として連鎖移動剤、光増
感剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0018】この紫外線硬化性化合物中に液晶材料を均
一に溶解させた液状ないしは粘稠物を2枚の基板間に注
入させた後に紫外線照射を行なって紫外線硬化性化合物
のみを硬化させ、その際に液晶材料のみ相分離して高分
子分散液晶層が形成される。
【0019】高分子分散液晶層中の液晶材料の割合はこ
こでは規定しないが一般には20重量%〜90重量%程
度が良く、好ましくは50重量%〜70重量%程度が良
い。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散乱
の効果が乏しい。また90重量%以上となると高分子と
液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割合
は小さくなり光散乱は低下する。高分子分散液晶層の構
造は液晶分率によって変わり、だいたい50重量%以下
では液晶滴は独立したドロップレット状として存在し、
50重量%以上となると高分子と液晶が互いに入り組ん
だ連続相となる。
【0020】この2枚の基板の内側、つまり電極側の少
なくとも一方の表面の画素電極間に遮蔽層を配する。2
枚の基板のうち一方が画素電極と能動素子より成るアク
ティブマトリクス基板の場合は、該アクティブマトリク
ス基板と対向する電極基板の電極側に該アクティブマト
リクス基板のソース信号線、ゲート信号線、ならびに両
信号線と画素電極間及び能動素子を隠すような位置に遮
蔽層を配置する。この場合遮蔽層に用いる材料としては
光を遮るものならば何でも良いが、薄い膜厚で光の遮蔽
効果の高い金属が良い。例えばクロム、酸化クロム、ア
ルミニウム、チタン等の薄膜が該当する。遮蔽層に金属
物を用いる場合は、蒸着法、スパッタ法等によって成膜
すると良い。
【0021】この遮蔽層の一部に光を透過させるための
小孔を設ける。この小孔は形状は任意でありここでは規
定しないが、大きさはあまり大きいとパネルを表示させ
た際に小孔の部分は遮光されずに光が漏れてくるので欠
陥となって目に見えてしまう。また1つの小孔は表示の
際に目に見えない程度の大きさでも量が多いとコントラ
ストの低下をもたらす。アクティブマトリクス基板の場
合には信号線が遮光するので小孔はある程度大きくても
問題にはならない。但し信号線と画素電極間は異常な電
界による配向乱れが生じているので遮蔽層で完全に遮光
する必要がある。このような小孔の形成方法としては、
遮蔽層を形成した後に小孔を設ける所定部の遮蔽層をエ
ッチング等の手法により除去してやるか、または遮蔽層
を蒸着等の手段により形成する際に小孔を設ける所定部
にあらかじめマスクしておけば容易に形成可能となる。
【0022】本発明の液晶表示素子の製造方法としては
このような遮蔽層及び小孔を設けた基板と対向する基板
とを電極面が向かい合うように所定間隔を保持させたま
ま重ね合せて、注入口のみ残して周囲をシールして固め
る。この後注入口より前述の未硬化の紫外線硬化型の樹
脂及び液晶との均一溶液を2枚の基板間隔に注入する。
あるいは上下2枚の基板を重ねる際に樹脂液晶均一溶液
を滴下して余分な溶液を絞り出して所定間隔を保持させ
たまま周囲をシールしても良い。以上のように上下2枚
の基板間に未硬化の樹脂−液晶均一溶液が満たされた液
晶パネルを作成する。これに遮蔽層及び小孔を配置した
基板の外側から紫外線を照射すると、遮蔽層で隠れた部
分の樹脂−液晶溶液には光が照射されず、遮蔽層を配置
していない部分及び小孔の部分の樹脂−液晶溶液のみに
光が照射され、この部分の樹脂が硬化して高分子マトリ
クスが形成され、高分子液晶層が得られる。
【0023】この製造方法を更に詳しく説明する為にこ
のプロセスを図面で示す。(図2)は光を照射する前の
未硬化の本発明の液晶表示素子の一部断面の概略図、
(図3)は光を照射した後の硬化後の本発明の液晶表示
素子の一部断面の概略図を示す。(図2)及び(図3)
において、1はアクティブマトリクス基板用のガラス、
もしくはプラスチック等の基板、2はITO,SnO2
等の画素電極、3は能動素子、4は樹脂−液晶溶液、5
は高分子分散液晶層、6は遮蔽層、7は小孔、8はIT
O,SnO2等の対向電極、9は対向基板用のガラス、
もしくはプラスチック等の基板を示している。(図3)
に示すように、遮蔽層6ののっていない部分は液晶−樹
脂溶液4が光硬化反応を起こして高分子マトリクスが形
成され、液晶滴が相分離している構造の高分子分散液晶
層5が形成されており、特に小孔7の部分の高分子分散
液晶層5は柱状に上下基板間に形成されている。実際に
は光を照射する際に光のまわり込みや反射等によって開
口部の大きさよりも若干大きな部分に光が入りこんでく
る為に、開口部の面積よりもやや広い部分が高分子分散
液晶層5となる。
【0024】本発明ではアクティブマトリクス基板を用
いたが、電極は不透明なクロム、アルミニウム等の反射
電極であるような反射型の液晶表示素子であってもよ
い。
【0025】また本発明の液晶表示素子は、液晶中に2
色性色素や単なる色素、顔料を添加したり、高分子マト
リクスとして着色したもの使用してもよい。
【0026】
【作用】本発明によれば、明るくコントラストの高い高
分子分散液晶タイプの液晶表示素子であって、ブラック
トリクスを設けても高い信頼性を有し、シャープで鮮
明な画像表示が可能な液晶表示素子を得ることができ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により図面を参照しながら本発
明を具体的に説明する。しかし本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0028】(図1(a))は本発明の液晶表示素子の
一部の平面図、(図1(b))は(図1(a))の一点
鎖線A−Bでの液晶表示素子の一部の断面図である。図
中の1はアクティブマトリクス基板用のガラス基板、2
は画素電極、3は能動素子、4は樹脂−液晶溶液、5は
高分子分散液晶層、6は遮蔽層、7は小孔、8は対向電
極、9は対向基板用のガラス基板を示している。能動素
子3は次の様な手順で作成した。まずガラス基板上1に
クロムを0.1μm蒸着して、パターニングを行ないゲ
ート電極10を作成した。この上からシリコンナイトラ
イド、アモファスシリコン、シリコンナイトライドを
順次プラズマCVDにより成膜した後にパターニングし
て絶縁層及び半導体層とした。ドーピングさせたアモル
ファスシリコンをこれらの上にプラズマCVDにより成
膜し、パターニングして、更にITOで画素電極2を作
成し、しかる後にアルミニウムを0.5μmの厚みで蒸
着してソース電極11、ドレイン電極12を形成し能動
素子3を作成した。画素電極2の大きさは概ね100μ
m角であり、ゲート電極10、ソース電極11の巾は5
μmであった。
【0029】対向基板9の対向電極8上に遮蔽層6及び
小孔7を設けるが、酸化クロムを厚み0.1μmで画素
及び小孔7部分をマスキングして蒸着する。遮蔽層は巾
約20μmであり、小孔7はゲート電極線10上に対応
する部分の遮蔽層6には巾3μmのライン状に設け、ソ
ース電極線11上に対応する部分の遮蔽層6には3μm
角のスポット状に設けた。
【0030】ただし、この孔径は本実施例の一例であ
り、ここでは規定しないが好ましくは一つの孔径が10
μm以下の大きさで、小孔の総面積が遮蔽層の総面積の
10%以内であることが好ましい。また本実施例では、
ソース電極上及びゲート電極上に遮蔽層及び小孔を設け
たが、これらはソース電極上のみに設ければ良い。なぜ
なら、ソース電極には絶えず信号が流れておりその度に
液晶は誤動作するが、ゲート電極には1サイクルに1回
走査された信号が送られてくるためにソース電極に比べ
ると液晶の誤動作は少ないからである。
【0031】このアクティブマトリクス基板2と対向電
極基板9とを、遮蔽層6がゲート電極10、ソース電極
11及び能動素子3を遮蔽するように位置合わせして重
ね合わせて、注入口以外の周辺部分をシールして固定し
空セルを作成した。
【0032】この空セルに注入口より、トリメチロール
プロパントリアクリレート10部、及び2−ヒドロキシ
エチルアクリレート10部、及びアクリルオリゴマー
(東亜合成化学「M−1200」)25部、及び光硬化
開始剤としてメルク社製「ダイロキュア−1173」を
0.5部、液晶としてBDH社製「E−7」を50部混
合し、均一に溶解させた混合液を注入した。その後これ
に対向基板9側から紫外線を照射して(図1)に示すよ
うなブラックマトリクスを有する高分子分散液晶表示素
子を作成した。
【0033】次に本発明の液晶表示素子の動作原理につ
いて説明する。(図4)は前記液晶表示素子の説明図で
ある。(図4)において、41は直径1μm〜4μmの
液晶滴、42a,42bはガラス基板、43a,43b
はITO、44は能動素子のTFT、45は高分子マト
リクスであり液晶滴41をスポンジ状に囲っている。T
FT44のオン・オフによって画素電極ITO43bに
電圧が印加され、画素電極上の液晶を制御して光を変調
する。(図4(a))に示すように,電圧を印加してい
ない状態では、それぞれの液晶滴41内の液晶分子ダイ
レクタは不規則な方向に配向している。この状態では高
分子マトリクス45と液晶滴41との間で屈折率の差が
生じるとともランダム配向な液晶内を通過した入射波は
散乱する。ここで(図4(b))に示すように電圧を印
加すると液晶の配向方向が揃い、液晶が一定方向に配向
したときの屈折率をあらかじめ高分子マトリクスの屈折
率と合わせておくと、入射光は散乱せずに出射する。
【0034】この様に本発明の液晶表示素子は、電圧を
印加しない状態で散乱し、電圧を印加すると透明とな
り、−40℃80℃のヒートサイクルテストに於いて
も500サイクル経過後もコントラスト比100以上と
充分な信頼性を有していた。
【0035】この実験例と比較する為の例として遮蔽
層6に小孔7を設けずに上述と同様な構成で、同様な手
順で液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子は電圧
を印加しない状態で散乱し、電圧を印加すると透明にな
ったが、−40℃80℃のヒートサイクルテストを5
00サイクル経過した後にはコントラスト比は12と大
幅に低下した。
【0036】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子の製造方法に従え
ば、光硬化型の高分子分散液晶を狭持した場合あって
も、あらかじめ遮蔽層を設けるとともに、該遮蔽層の一
部に小孔を設け、この小孔より該遮蔽層で遮られる部分
の液晶層にも光を当てて樹脂を硬化させるのでブラッ
クマトリクスを有していても信頼性の高い液晶表示素子
を得ることが可能となる。また従来の光硬化型の高分子
分散液晶表示素子には紫外線を照射しても遮蔽層に遮ら
れる部分には光が当たらず、未硬化のまま残ってしまう
という理由によりブラックマトリクスを設けることは不
可能で、ブラックマトリクスが無いと画素間の部分は電
圧オフ時には画素部分より散乱していた光が漏れ出ると
ともに、電圧オン時にも散乱光により画素間は完全に黒
にはならず、表示がすっきりしない、ぼやけたものとな
り見づらかったが、本発明によって画素間は常に黒表示
となり表示のシャープさが向上し見易い画像が得られ
る。
【0037】本発明の高分子分散液晶層を用いた液晶表
示素子は、散乱−透過で表示を切り換えるので偏光板が
不要であり、透過時の光の透過率を大幅に向上できる。
従って、従来であれば偏光板によって50%強の光損失
が発生し、これが熱に変わって素子の温度上昇の問題が
発生し信頼性が乏しかったが、こういった問題点も解消
され、光効率の良い明るい液晶表示素子が得られる。
【0038】またTN型液晶表示素子に必須のラビング
等の配向処理が不必要であり、それに伴う静電気の発生
による能動素子の破壊といった問題点も避けられるの
で、液晶表示素子の歩留りを向上させることができる。
さらにTNモードの従来の液晶表示素子の製造工程から
配向膜形成工程を除くだけで製造が可能になるので生産
が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の液晶表示素子の一実施例に係
る一部平面図である。 (b)は本発明の液晶表示素子の一実施例に係る一部断
面図である。
【図2】光を照射する前の未硬化の本発明の一実施例に
係る液晶表示素子の一部の断面概略図である。
【図3】光を照射した後の硬化後の本発明の一実施例に
係る液晶表示素子の一部の断面概略図である。
【図4】高分子分散液晶表示素子の動作原理の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 アクティブマトリクス基板用のガラス基板 2 画素電極 3 能動素子 4 樹脂−液晶溶液 5 高分子分散液晶層 6 遮蔽層 7 小孔 8 対向電極 9 対向基板用のガラス基板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下2枚のうち少なくとも一方が透明な
    電極基板の間に、光硬化型の高分子分散液晶を狭持する
    液晶表示素子で、少なくとも一方の基板の遮蔽層に光透
    過部を設けたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 上下2枚のうち少なくとも一方が透明な
    電極基板の間に、光硬化型の高分子分散液晶を狭持する
    液晶表示素子で、少なくとも一方の基板の画素電極間
    対向する部分に遮蔽層を設け、該遮蔽層に開口部を設け
    たことを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 遮蔽層はブラックマトリクスであり、前
    記ブラックマトリクスに開口部を設けることを特徴とす
    る請求項記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 上下2枚の基板を電極面が対向するよう
    に、所定間隙を保持させたまま重ね合わせる工程と、前
    記間隙に光硬化型の未硬化樹脂と液晶を均一に溶解さ
    せた溶液を注入する工程と、遮蔽層に開口部を設けた基
    板側から光を照射して高分子分散液晶層を形成する工程
    を特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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JPH04251220A (ja) 1992-09-07

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