JPH10104587A - 液晶光学素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶光学素子及びその製造方法

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JPH10104587A
JPH10104587A JP25635796A JP25635796A JPH10104587A JP H10104587 A JPH10104587 A JP H10104587A JP 25635796 A JP25635796 A JP 25635796A JP 25635796 A JP25635796 A JP 25635796A JP H10104587 A JPH10104587 A JP H10104587A
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liquid crystal
crystal layer
transparent substrate
polymer
optical element
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JP25635796A
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English (en)
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Junji Nakajima
潤二 中島
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶光学素子の広視野角表示化、高開口率及
び高輝度化をはかる。 【解決手段】 高分子分散型液晶層22により、駆動回
路電極21が形成されたアレイ基板10をレベリング形
状制御し、TN液晶層25の動作により画像表示するこ
とを基本とし、高分子分散型液晶層22の散乱特性を利
用し、リーク電流の発生を防止し、ブラックマトリック
スを廃止することにより、高開口率化及び高輝度化をは
かる。また、高分子分散型液晶層22の散乱により輝度
むら解消する。さらに、高分子分散型液晶層22の形状
制御により、TN液晶層25の配向の視野角依存性を緩
和し、広視野角表示を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ、光
シャッター、サインボード、プロジェクションテレビ等
に利用される液晶光学素子、特に高分子マトリクス中に
液晶が分散保持された高分子分散型液晶を用いた液晶光
学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示モードとして最も広く用
いられているTN(ツイステッドネマティック Twiste
d Nematic)型モードの動作原理を図12及び図13を
参照しつつ説明する。図12は印加電界ゼロの時の状態
における液晶分子の配向構造を示し、図13は所定のし
きい値以上の電圧を印加した状態における液晶分子の配
向構造を示す。
【0003】TN方式とは、アレイ電極10と対向電極
11に狭持された液晶層12の液晶分子6が90゜捻れ
た構造を有し、その液晶層12、アレイ電極10及び対
向電極11を含むパネルを2枚の偏光板13及び14で
挟んだものである。図は、NW(Normally White 又は
Normally Open)モードを示したものであり、NWモー
ドにおいては、2枚の偏光板13及び14の偏光軸方向
が互いに直交し、一方の偏光板の偏光軸は一方の基板に
接している液晶分子の長軸方向と平行か又は垂直になる
ように配置されている。
【0004】TN表示モードは、直線偏光の回転、すな
わち、旋光性の2値(0°及び90°)選択を液晶層に
より行い、一対の偏光子の一方を90°回転させる効果
と類似の光学効果を生じさせ、その結果として明暗表示
を行う。この場合、液晶としてNpタイプを用いる。ら
せんピッチPと光の波長λについて、P>λの場合、旋
光性を示す。この場合、ねじれ角はほぼ90°であり、
旋光角もほぼ90°である。図12に示す電圧無印加又
は所定のしきい値電圧以下の電圧を印加した場合、液晶
層12のTN配向により直線偏光が90°回転し、光が
透過するので白表示となる。一方、所定のしきい値より
も高い電圧を印加していくと、図13に示すように電界
効果により液晶層12の中心部分では分子はほぼ垂直に
立ち、TN配向が垂直配向となり、旋光能を殆ど失い、
徐々に光透過率が低下してしまう。その結果、黒表示と
なる。
【0005】なお、偏光板13及び14の偏光軸方向が
互いに平行の場合、電圧無印加又は所定のしきい値電圧
以下の電圧を印加すると、90°の旋光性のため光はブ
ロックされ黒表示となる。これをNB(Normally Black
Normally Closed)モードという。なお、アレイ電極
10に駆動電極回路1等のパターンを設けることによ
り、そのパターンに応じた表示がなされる。{(株)昭
晃堂出版「液晶ディスプレイ(テレビジョン学会編)」
p.60、(株)培風館出版「液晶・応用編」p.16
等参照}。
【0006】一方、液晶分子の屈折率と同じ屈折率を有
する高分子材料に、ネマチック液晶を分散保持させた高
分子分散型液晶を、電極を有する上下一対の基板間に挟
み込み、電界の有無により、液晶の屈折率を変化させ、
散乱状態と透過状態とを切り換える液晶光学素子が多く
の研究、開発者の注目を集めている(特開昭60−25
2687号公報)。高分子分散型液晶素子の表示原理を
図14を用いて説明する。図14において、(a)は電
圧無印加又は所定のしきい値電圧以下の電圧を印加した
状態を示し、(b)は所定のしきい値以上の電圧を印加
した状態を示す。
【0007】一般に、高分子分散型液晶素子とは、高分
子材料組成物からなるマトリックス中5に液晶6を分散
保持した液晶高分子複合体7を、一対のアレイ基板10
及び対向基板11の間に挟み込んだものであり、液晶の
常光屈折率と高分子マトリクッスの屈折率がほぼ一致す
るように構成したものである。
【0008】図14(a)に示す電圧無印加状態では、
液晶6の分子軸がランダムな方向を向くため、液晶領域
6の屈折率が周囲の高分子層5の屈折率と異なる。この
状態で基板10に垂直な光4が入射すると、高分子マト
リックス5の屈折率と液晶領域6の屈折率とが異なった
状態となるため、これらの界面にて光が散乱する。その
結果、液晶素子の透過率が低くなり、光を遮断すること
ができる。一方、図14(b)に示すように、基板10
及び11間に電圧を印加すると、正の誘電異方性を有す
るネマティック液晶の場合、液晶6の分子軸が電界方向
に配列し、基板10に垂直に入射した光4に対しては、
高分子マトリックスの屈折率5と液晶6の常光屈折率と
がほぼ一致するため、入射光は散乱されることなく、そ
の大部分が透過する。その結果、透過状態が得られる。
この様な性質を利用することにより、光シャッター機能
が可能となる。
【0009】高分子分散型液晶の作製法としては、液晶
と高分子材料を共通溶媒に溶かした後、流延するキャス
ト法、水溶性高分子材料の水溶液に液晶をエマルジョン
化した後、流延する乳化法、液晶と高分子形成材料の均
一溶液をつくり、重合により相分離し、相分離構造を形
成する相分離法などが提案されているが、溶媒を必要と
しない相分離法がディスプレイの製造に適した工法とし
て一般に広く行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のツイステッドネ
マチック(TN)型の液晶光学素子は、直線偏光を得る
ために偏光板を使用しなければならず、偏光板により光
量が大きく減少し、光利用率が入射光量の1/3以下に
なり、その結果、表示画面が暗いという問題点を有して
いた。また、薄膜トランジスタ(TFT)等の駆動用回
路電極に光が進入した場合、電気的リークによりTFT
付近の液晶分子が誤動作するおそれがある。これを防止
するため、光反射層又は吸収層でその部分を覆う必要が
あるが、覆われた部分の面積が大きければ大きいほど、
その分、光利用効率がさらに低下するという問題点を有
していた。さらに、TNモードは液晶分子を配向させて
いるため、配向方向による表示上の視野角依存があり、
視野角が狭いという問題点を有していた。さらに、TN
モードでは、配向性が均一でな場合、均一な部分と不均
一な部分とで輝度むらや動作むら等が生じ、大面積の表
示に関しては、表示むらが出易い。これをお防止するた
め、配向処理や上下基板間隔を正確に制御しなければな
らないという問題点を有していた。
【0011】一方、高分子分散型液晶を用いた液晶光学
素子は光の散乱を利用するため、偏光板を使用する必要
がなく、従来のTN型等の液晶光学素子に比べると、明
るく、広視野角の表示を実現することができる。また、
配向処理が不要であるため、基板間隔を厳密に制御しな
くともよく、大面積の液晶光学素子も容易に作製できる
という特徴を有する。しかしながら、高分子材料(樹
脂)層での電気的損失大きく、駆動電圧が高い。そのた
め、市販のICで駆動することができず、液晶光学素子
としてTFT駆動ができないという問題点を有してい
た。
【0012】本発明は上記従来例の問題点を解決するた
めになされたものであり、従来にない、明るく広視野の
表示を行うことができ、トランジスタや電極等の段差に
よる配向むらを解消し、画素部域を広げ、開口率を向上
させ、表示上輝度むらのない液晶光学素子を提供するこ
と及び液晶光学素子を再現性良く製造し得る方法を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の液晶光学素子は、第1の透明基板
と、前記第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回
路電極と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明
基板上に形成された高分子分散型液晶層と、前記高分子
分散型液晶層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1
の透明基板と対向する第2の透明基板と、前記第1及び
第2の透明基板間に設けられたツイステッドネマティッ
ク液晶層とを具備する。
【0014】上記構成において、前記高分子分散型液晶
層は、前記駆動用回路電極とは接していない側の表面に
凹凸を有し、前記高分子分散型液晶層の凸部にのみラビ
ング処理を施すことが好ましい。
【0015】または、前記高分子分散型液晶層は、前記
駆動用回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有
し、凹部が一定方向に配向していることが好ましい。ま
たは、前記高分子分散型液晶層は、前記駆動用回路電極
とは接していない側の表面に凹凸を有し、凹部が一定方
向に規則的に並ばないようにランダムに配向しているこ
とが好ましい。
【0016】また、本発明の第2の液晶光学素子は、第
1の透明基板と、前記第1の透明基板の表面上に形成さ
れた駆動用回路電極と、前記駆動用回路電極を介して前
記第1の透明基板と対向する第2の透明基板と、前記第
2の透明基板上に形成された高分子分散型液晶層と、前
記高分子分散型液晶層及び前記駆動用回路電極を介して
前記第1の透明基板と第2の透明基板との間に設けられ
たTN液晶層とを具備する。
【0017】上記構成において、前記高分子分散型液晶
層は、前記第2の透明基板とは接していない側の表面に
凹凸を有し、前記高分子分散型液晶層の凸部にのみラビ
ング処理を施すことが好ましい。
【0018】または、前記高分子分散型液晶層は、前記
第2の透明基板とは接していない側の表面に凹凸を有
し、凹部が一定方向に配向していることが好ましい。ま
たは、前記高分子分散型液晶層は、前記第2の透明基板
とは接していない側の表面に凹凸を有し、凹部が一定方
向に規則的に並ばないようにランダムに配向しているこ
とが好ましい。
【0019】また、上記各構成において、前記高分子分
散型液晶層と前記TN液晶層との間に透明電極を設けた
ことが好ましい。または、前記高分子分散型液晶層の上
に高分子樹脂層を設け、前記高分子樹脂層と前記TN液
晶層との間に透明電極を設けたことが好ましい。
【0020】また、上記各液晶光学素子において、前記
第1の透明基板の前記駆動用回路電極が形成されていな
い側から光を入射させることが好ましい。
【0021】また、本発明の第3の液晶光学素子は、第
1の透明基板と、前記第1の透明基板と対向する第2の
透明基板と、前記第1及び第2の透明基板の表面上にそ
れぞれ形成された電極と、前記第1及び第2の透明基板
のいずれか一方の電極を介して当該透明基板上に所定の
パターンとなるように部分的に形成された高分子分散型
液晶層と、前記高分子分散型液晶層が形成された透明基
板上で、かつ前記高分子分散型液晶層が形成されていな
い部分に形成されたTN液晶層とを具備する。
【0022】上記構成において、前記高分子分散型液晶
層と前記TN液晶層とが交互に規則的に形成されている
ことが好ましい。また、前記高分子分散型液晶層の1つ
とそれに隣接する1つの前記TN液晶層を1単位とし、
それぞれの単位に対して信号を送ることにより動作する
ことが好ましい。
【0023】また、前記高分子分散型液晶層の液晶分子
と前記TN液晶層の液晶分子の初期分子配向がほぼ同じ
であることが好ましい。また、前記高分子分散型液晶層
の高分子樹脂の屈折率と前記TN液晶層の初期未動作時
の屈折率とが異なることが好ましい。
【0024】また、前記高分子分散型液晶層の高分子樹
脂の誘電率と前記TN液晶層の液晶材料の誘電率とが異
なることが好ましい。
【0025】一方、本発明の第1の液晶光学素子の製造
方法は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透
明基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板上に形成され
た高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び
前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向
する第2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板間
に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光学素子の製
造方法であって、前記高分子分散型液晶層は、少なくと
も高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する組成物を前記
駆動用回路電極が形成された前記第1の透明基板上に層
形成し、形成後、前記高分子樹脂材料を硬化させて液晶
層と高分子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、前
記駆動用回路電極とは接していない側の前記液晶層の液
晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸を形成し、前記
高分子分散型液晶層の凸部にのみラビング処理を施すこ
とにより形成する。
【0026】また、本発明の第2の液晶光学素子の製造
方法は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透
明基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板上に形成され
た高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び
前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向
する第2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板間
に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光学素子の製
造方法であって、前記高分子分散型液晶層は、少なくと
も高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する組成物を前記
駆動用回路電極が形成された前記第1の透明基板上に層
形成し、形成後、前記液晶材料の液晶分子が一定方向に
配向するように作用しながら前記高分子樹脂材料を硬化
させて液晶層と高分子樹脂層とに分離し、分離後、少な
くとも、前記駆動用回路電極とは接していない側の前記
液晶層の液晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸を形
成する。
【0027】上記方法において、前記高分子樹脂材料を
硬化させる際、前記液晶層の分子方向がほぼ一定となる
ように、磁界を印加しながら樹脂硬化させることが好ま
しい。
【0028】また、本発明の第3の液晶光学素子の製造
方法は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透
明基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板上に形成され
た高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び
前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向
する第2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板間
に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光学素子の製
造方法であって、前記高分子分散型液晶層は、少なくと
も高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する組成物を前記
駆動用回路電極が形成された前記第1の透明基板上に層
形成し、形成後、前記高分子分散型液晶層の前記駆動用
回路電極に隣接していない側の表面近傍の液晶分子が一
定方向に規則的に並ばないようにランダムに配向するよ
うに作用しながら前記高分子樹脂材料を硬化させて液晶
層と高分子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、前
記駆動用回路電極とは接していない側の前記液晶層の液
晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸を形成する。
【0029】また、本発明の第4の液晶光学素子の製造
方法は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透
明基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向する第
2の透明基板と、前記第2の透明基板上に形成された高
分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記
駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と第2の透
明基板との間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶
光学素子の製造方法であって、前記高分子分散型液晶層
は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
組成物を前記第2の透明基板上に層形成し、形成後、前
記高分子樹脂材料を硬化させて液晶層と高分子樹脂層と
に分離し、分離後、少なくとも、前記駆動用回路電極と
は接していない側の前記液晶層の液晶材料を抜き取るこ
とにより表面に凹凸を形成し、前記高分子分散型液晶層
の凸部にのみラビング処理を施すことにより形成する。
【0030】また、本発明の第5の液晶光学素子の製造
方法は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透
明基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向する第
2の透明基板と、前記第2の透明基板上に形成された高
分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記
駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と第2の透
明基板との間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶
光学素子の製造方法であって、前記高分子分散型液晶層
は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
組成物を前記第2の透明基板上に層形成し、形成後、前
記液晶材料の液晶分子が一定方向に配向するように作用
しながら前記高分子樹脂材料を硬化させて液晶層と高分
子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、前記駆動用
回路電極とは接していない側の前記液晶層の液晶材料を
抜き取ることにより表面に凹凸を形成する。
【0031】上記方法において、前記高分子樹脂材料を
硬化させる際、前記液晶層の分子方向がほぼ一定となる
ように、磁界を印加しながら樹脂硬化させるこのが好ま
しい。
【0032】また、本発明の第6の液晶光学素子の製造
方法は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透
明基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向する第
2の透明基板と、前記第2の透明基板上に形成された高
分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記
駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と第2の透
明基板との間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶
光学素子の製造方法であって、前記高分子分散型液晶層
は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
組成物を前記第2の透明基板上に層形成し、形成後、前
記高分子分散型液晶層の前記駆動用回路電極に隣接して
いない側の表面近傍の液晶分子が一定方向に規則的に並
ばないようにランダムに配向するように作用しながら前
記高分子樹脂材料を硬化させて液晶層と高分子樹脂層と
に分離し、分離後、少なくとも、前記駆動用回路電極と
は接していない側の前記液晶層の液晶材料を抜き取るこ
とにより表面に凹凸を形成する。
【0033】上記各方法において、前記高分子分散型液
晶層の表面上に透明電極を形成する工程を含むことが好
ましい。または、前記高分子分散型液晶層の表面上に高
分子樹脂層を形成する工程、及び前記高分子樹脂層の上
に透明電極を形成する工程を含むことが好ましい。
【0034】上記第3又は第6の方法において、前記高
分子樹脂材料を光重合により硬化させ、その際、樹脂が
完全硬化しないエネルギーの光を多段階に照射すること
が好ましい。
【0035】または、前記高分子樹脂材料を熱重合によ
り硬化させ、その際、樹脂が完全硬化するまでの間、加
熱冷却を繰り返すことが好ましい。また、加熱冷却を繰
り返す際、少なくとも、第1回目の加熱と第2回目の加
熱の温度変化速度を異ならせることが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の液晶光学素子は、高分子
分散型液晶層とツイステッドネマティック液晶層(TN
液晶層)とを用いて、TN液晶特有の分子配向による視
野角依存性を緩和し、広視野角表示を可能にすると共
に、ブラックマトリックスを廃止して表示領域の拡大及
び高開口率を達成したものである。さらに、高分子分散
型液晶層により薄膜トランジスタ(TFT)部への光の
入射を阻止し、電気的リークに起因する誤動作を防止す
る。以下、図面を参照しつつ本発明の液晶光学素子及び
その製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0037】(第1の実施形態)本発明の液晶光学素子
の第1の実施形態について、図1及び図2を参照しつつ
説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶光学素子
の製造方法において、透明基板上に表面に凹凸を有する
高分子分散型液晶層を形成したアレイ基板を示す断面図
であり、図2は第1の実施形態に係る液晶光学素子の構
成を示す断面図である。図2に示すように、第1の透明
基板20と、第1の透明基板20の表面上に形成された
第1の透明電極21と、第1の透明電極21を介して第
1の透明基板20上に形成された高分子分散型液晶層2
2と、高分子分散型液晶層22及び第1の透明電極21
を介して第1の透明基板20と対向する第2の透明基板
23と、第2の透明基板23上に形成された第2の透明
電極24と、第1の透明基板20と第2の透明基板23
との間(又は高分子分散型液晶層22と第2の透明電極
24との間)に設けられたTN液晶層25とを具備す
る。
【0038】高分子分散型液晶層22の第1の透明電極
21とは接していない側の表面には凹凸が形成され、表
面近傍の凹部にはTN液晶が含有されている。なお、第
1の透明電極21及び第2の透明電極24のいずれか一
方はTFT等の駆動用回路電極である。ここでは、第1
の透明電極21を駆動用回路電極とし、表面に第1の透
明電極21及び高分子分散型液晶層22が形成された第
1の透明電極をアレイ基板10とする。また、第2の透
明電極24が形成された第2の透明基板23を対向基板
11とする。また、2枚の偏光板は図示を省略する。
【0039】次に、表面に凹凸を有する高分子分散型液
晶層22の形成工程について説明する。まず、第1の透
明基板20の表面上に第1の透明電極21を形成した
後、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
組成物を第1の透明電極21が形成された第1の透明基
板20上に層形成する。次に、高分子樹脂材料を硬化さ
せて液晶層と高分子樹脂層とに分離する。さらに、分離
後、少なくとも、第1の透明電極21とは接していない
側の液晶層の液晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸
を形成する。さらに、形成された高分子分散型液晶層2
2の凸部にのみラビング配向処理を施す。
【0040】このようにして得られた液晶光学素子で
は、第1の透明基板20上の第1の透明電極21上に、
散乱性能が良くない高分子分散型液晶層22を設けたの
で、透過光が若干の拡散光となり、輝度むらを解消する
ことができる。また、液晶光学素子の第1及び第2の透
明電極21及び24の間に電圧を印加した場合、高分子
分散型液晶22が動作して全透過状態となるため、白表
示(光透過状態)の時の液晶光学素子の透過率を落とさ
ずに表示することが可能となる。また、高分子分散型液
晶層の凸部にのみラビング配向処理が施されているの
で、TN液晶層と高分子分散型液晶層の界面近傍(の凸
部上)ではラビング方向にTN液晶の液晶分子が配向
し、凹部では穴の形状(方向)に依存した方向にTN液
晶の液晶分子が配向する。すなわち、凹部では、隣接す
る液晶の配向の影響を若干受けるため、ラビング配向処
理が施されていなくても、ディスクリネーション(転
傾)を生じたり、セル厚方向の分子配向がみだれず、穴
の形状にほぼ依存して液晶分子が配向し、一方向性の配
向だけでなくなる。従って、TNモード特有の分子配向
による視野角依存が緩和され又は解消され、広視野角表
示が可能となる。
【0041】上記少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料
とを含有する組成物に関して、重合開始剤は特に限定さ
れず、チバガイキ(株)製のDarocure117
3、Darocure4265、Irgacure18
4、Irgacure651等の一般に市販されている
ものを利用することができる。
【0042】また、高分子樹脂材料である、オリゴマ
ー、モノマーも、重合開始剤の存在下において光又は熱
により重合するものであれば特に限定されない。モノマ
ー材料としては、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールドアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート等の一般に市販されているアクリル系モノマーを
利用することができる。さらに、アクリル系以外の市販
品も応用可能である。オリゴマー材料としては、ポリウ
レタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポ
キシアクリレート等を利用することができる。
【0043】次に、上記第1の実施形態に係る液晶光学
素子の具体的実施例について説明する。なお、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。実施例の特
性評価は以下のように行った。まず、得られた液晶光学
素子の視野角特性の評価について、大塚電子製LCD−
5000を用い、測定周波数30Hz、受光角2.8
°、30℃の条件で測定した。表示上「黒」状態に相当
する暗状態の光遮蔽能力を最大限出している状態での光
透過率をT0(%)、表示上「白」状態に相当する明状
態の最大限光が透過する光透過率をTmax(%)とし、
CR=コントラスト=Tmax/T0と表す。受光器の角度
を素子測定点を中心とし、素子正面から左右上下に振
り、CRが10以下となる境界測定点での受光器の振れ
た角度をそれぞれ上下左右に対して示し、素子の視野角
とする。以下の実施例でも同様である。
【0044】
【実施例1】第1の透明基板20の第1の透明電極21
を形成した面上に、液晶材料TL213(メルク社)8
0wt%とプレポリマー材料PN393(メルク社)2
0wt%の割合で混合した組成物を3μm塗膜形成し、
UVランプ(例えば、超高圧水銀ランプIML−300
0((株)オーク製作所製))によりUV強度(365
nm光)14mW/cm2、3分間照射し、樹脂硬化さ
せることにより高分子樹脂層に液晶層(滴)を分散させ
た。その後、エタノール洗浄することにより、高分子樹
脂層の少なくとも表面の液晶を抜き取り、表面に凹凸を
有する高分子分散型液晶層22を設けた(図1参照)。
【0045】次に、この基板を用いて、高分子分散型液
晶層22の表面に配向膜AL−1051(日本合成ゴム
(株)製)を塗膜形成し、レイヨンの布を用いて一方向
にこすることによりラビング配向処理を施した。同様
に、第2の透明基板23の第2の透明電極24を形成し
た面の上にも配向膜を塗布形成し、ラビング配向処理を
施した。すなわち、アレイ基板10(第1の透明基板2
0)上には、高分子分散処理された上に配向膜が形成さ
れ、対向基板11(第2の透明基板23)側にはITO
(第2の透明電極24)上に配向膜が形成されることと
なる。
【0046】次に、液晶材料ZLI4792(メルク社
製)及び5μmのスペーサ(例えば、真し球B−5.0
μ(触媒化成工業(株)製)を第1及び第2の透明基板
20及び23間に挟持し、液晶材料が漏れないように樹
脂封口した。さらに、偏光板(図示せず)を素子両外面
に貼り付けることによって、図2に示す構成を有する本
発明の液晶光学素子を得た(配向膜層は図示せず)。得
られた素子の視野角特性は、上方向約50度、下方向約
60度、左右方向各々約65度であった。なお、比較例
として、上記実施例1における高分子分散型液晶層を設
けないTN型液晶光学素子を製作し、同様に視野角特性
を測定したところ、上方向約20度、下方向約35度、
左右方向各々約45度という結果であった。
【0047】実施例1の液晶光学素子は、ブラックマト
リックスを設けなくても、TFT及び映像に悪影響を与
えないことも分かった。これは、TFTに入射する光が
高分子分散型液晶で弱められるためリーク電流の発生が
押さえられること、またTFTや電極による段差が殆ど
なくなるため、配向乱れ等の発生が抑えられることによ
る。これにより、従来のTN液晶光学素子と比較して、
TFTに入射する光の利用効率が向上する。すなわち、
素子開口率が従来に比べて向上する結果となり、高輝度
化をはかることができる。
【0048】(第2の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の第2の実施形態について、図3から図5を参照
しつつ説明する。図3は第2の実施形態に係る液晶光学
素子の一構成例を示す断面図であり、図4は別の構成例
を示す図、図5はさらに別の構成例を示す断面図であ
る。なお、上記第1の実施形態と同じ番号を付した部分
は実質的に同じであるため、その説明を省略する。
【0049】図3に示す構成例は、第1の実施形態の構
成に、さらに第3の透明電極26を形成したものであ
る。また、図4に示す構成例は、第1の実施形態の構成
に、さらに高分子樹脂層27を形成し、その上に第3の
透明電極26を形成したものである。高分子分散型液晶
層22上に高分子樹脂層27を設けずに、直接第3の透
明電極26を形成しても、高分子分散型液晶層22上に
高分子樹脂層27を介して第3の透明電極26を形成し
ても、得られた結果はほぼ同じであった。しかしなが
ら、高分子樹脂層27を設けた場合の方が、第3の透明
電極26を形成する際において、高分子分散型液晶層2
2の表面形状を変形させる確率が減り、歩留まり良く再
現することができる。その理由は、透明電極形成する
際、高分子樹脂層が高分子分散型液晶中の液晶が熱で抜
け出ないように保護するからである。さらに、高分子樹
脂層により表面が平坦化されるため、透明電極形成にむ
らがなく、均一な透明電極を再現良く形成することがで
きると考えられる。
【0050】図5に示す構成例は、高分子分散型液晶層
22とTN液晶層25との間に形成された第3の透明電
極26が駆動用回路電極(図の場合、TFT28)に接
続されている場合である。すなわち、駆動用回路からの
信号が第3の透明電極26と、第2の透明基板23上の
第2の透明電極24との間に印加され、TN液晶層25
を動作させることにより表示駆動するものである。この
場合、高分子分散型液晶層22には信号が印加されない
ため、動作しないことになる。高分子分散型液晶層22
の役目は、前述のように基板の平坦化による高開口率化
や電気的リーク等の誤動作を防止すること、光を拡散さ
せること等であり、表示上の輝度むらやバックライトむ
らをなくすことができる。なお、光は第1の透明基板2
0の第1の透明電極21が形成されていない側から入射
させる。
【0051】
【実施例2】次に、上記第2の実施形態に係る液晶光学
素子の具体的実施例について説明する。上記実施例1の
方法により高分子分散型液晶層22を第1の透明基板2
0(アレイ基板10)上に形成し、高分子分散型液晶層
22上に高分子樹脂層27(PN393を硬化したも
の)を形成する。さらに、高分子樹脂層27上に、第3
の透明電極26(ITO)を画素相当域に対応して形成
する。この際、高分子分散型液晶層22下のTFT28
又はTFTに接続された画素部に接続(コンタクト)さ
れるように凹部22aを開け、第3の透明電極26が凹
部22a内にも形成されるようにする。さらに、第3の
透明電極26上に配向膜を形成し、アレイ側基板とす
る。さらに、実施例1同様に対向基板11を形成し、ア
レイ基板10と対向基板11間に液晶材料及びスペーサ
を挟持し、図5に示す液晶光学素子を得た。
【0052】得られた実施例2の液晶光学素子の視野角
特性は、上方向約50度、下方向約60度、左右方向各
々約60度であった。実施例1と比べると、若干視野角
が狭くなるが(それでも従来のTNモードより広い)、
駆動電圧が低くできる。また、実施例2の液晶光学素子
では、高分子分散型液晶層22が動作しないため、実施
例1と比較して、ブラックマトリックスを設けなくて
も、TFT及び映像に悪影響を与えない確率を向上させ
ることができた。これは、TFTに入射する光が高分子
分散型液晶で弱められるため、リーク電流の発生やTF
T、電極段差が殆どなくなり、配向乱れ等の発生が抑え
られるためである。これにより、従来のTN液晶光学素
子と比較して、TFTに入射する光の利用効率が向上す
る。すなわち、従来と比較して、素子開口率が向上し、
高輝度化をはかることができる。
【0053】また、高分子分散型液晶層22上に高分子
樹脂層27を形成する際、高分子分散型液晶層22の高
分子樹脂層27を設ける側の表面近傍の液晶を、実施例
1と同様の方法を用いて抜き取ることにより、実施例1
と同様の広視野角表示が可能となり、さらに、駆動電圧
を低くすることができることが分かった。また、高分子
分散型液晶層22を用いているので、磁界配向、ランダ
ム配向、凹凸面形成などが容易に可能であり、光の変調
を自由にすることができる。
【0054】(第3の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の製造方法に係る第3の実施形態について、図6
を参照しつつ説明する。図6において、(a)〜(c)
は第3の実施形態の液晶光学素子の製造方法を示す断面
図である。なお、上記第1の実施形態と同じ番号を付し
た部分は実質的に同じであるため、その説明を省略す
る。
【0055】上記第1の実施形態に係る液晶光学素子の
製造方法では、第1の透明電極21が形成された第1の
透明基板20上に層形成された高分子樹脂材料と液晶材
料とを含有する組成物を、高分子樹脂材料を硬化させて
液晶層と高分子樹脂層とに分離し、第1の透明電極21
とは接していない側の液晶層の液晶材料を抜き取ること
により表面に凹凸を形成した後、形成された高分子分散
型液晶層22の凸部にのみラビング配向処理を施してい
た。一方、図6に示す第3の実施形態の方法では、まず
(a)に示すように、第1の透明基板20上に第1の透
明電極21を形成し、その上に少なくとも高分子樹脂材
料と液晶材料とを含有する組成物30を層形成し、その
上にガラス基板31を重ね合わせる。次に(b)に示す
ように、矢印Aで示す所定の方向に磁界印加(今回、1
0KG)しながら紫外線硬化を行う。さらに(c)に示
すように、ガラス基板31をはがし、表面をエタノール
洗浄することにより液晶層の液晶材料を抜き取る。これ
により、液晶が抜かれた後の穴(凹部)が一方向に向い
た高分子分散型液晶層22が得られる。
【0056】第3の実施形態によれば、第1及び第2の
実施形態において必要であったラビング配向処理が不要
となり、第1及び第2の実施形態と2同様に、高分子分
散型液晶層22の表面近傍の凹部に含有されたTN液晶
の液晶分子を、穴形状に依存した一方向に配向させるこ
とができる。また、凹部上でない部分のTN液晶の液晶
分子は、穴形状に依存した配向性の影響が少ないため、
凹部とは若干配向が異なる。これにより、TN液晶層の
視野角依存性を和らげ、視野角を第1又は第2の実施形
態の場合よりも広げることが可能となる。
【0057】
【実施例3】次に、上記方法を用いて実施例1及び実施
例2に準じた液晶光学素子を製作した。これにより得ら
れた液晶光学素子の視野角特性は、実施例1に準じた構
成では、上方向約55度、下方向約60度、左右方向各
々約65度であった。また、実施例2に準じた構成で
は、上方向約54度、下方向約60度、左右方向各々約
62度であった。
【0058】(第4の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の製造方法に係る第4の実施形態について、図7
を参照しつつ説明する。図7は第4の実施形態の液晶光
学素子の製造方法により形成された高分子分散型液晶層
の表面近傍の拡大断面図である。なお、上記第1から第
3の実施形態と同じ番号を付した部分は実質的に同じで
あるため、その説明を省略する。
【0059】上記第4の実施形態では、高分子分散型液
晶層22を、高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する組
成物を第1の透明基板20の第1の透明電極21形成面
上に層形成し、高分子分散型液晶層22の第1の透明電
極21に隣接していない側の表面近傍の液晶分子が一定
方向に規則的に並ばないようにランダムに配向するよう
に作用しながら、高分子樹脂材料を硬化させて液晶層と
高分子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、前記駆
動用回路電極とは接していない側の液晶層の液晶材料を
抜き取ることにより表面に凹凸を形成する。
【0060】
【実施例4】以下に、上記第4に実施形態の液晶光学素
子の製造方法の具体例を示す。上記実施例2において、
高分子分散型液晶層22の高分子樹脂の硬化の際、高分
子樹脂が十分に固まらないエネルギーの紫外線を多段階
に照射して固める。3mW/cm2、10秒照射し、8
mW/cm2、10秒照射し、これを1サイクルとし
て、10サイクル照射することにより硬化させた。これ
により得られた高分子分散型液晶層22の液晶滴形状
は、図7に示すようにランダムな方向を向いており、表
面形状は穴(凹凸)は、ランダムな方向を向いていた。
その後、透明電極層26を形成し、さらにその上に配向
膜を形成し、ラビング配向処理を行った。その結果、各
穴の形状に対応して液晶分子が配向し、1方向性を有す
るTN液晶層25の視野角依存性が薄くなり、広視野角
表示を実現できるものとなった。なお、得られた素子の
視野角特性は、上方向約60度、下方向約63度、左右
方向各々約66度であった。
【0061】
【実施例5】次に、上記第4に実施形態の液晶光学素子
の製造方法の別の具体例を示す。上記実施例2における
プレポリマー材料を光硬化性でなく、熱硬化性のものを
使用した。例えば、PN393に変えて、三菱重工業
(株)製MS5500(Tg=55℃)を使用し、40
℃加熱と80℃加熱を10分間間隔で交互に行い、3サ
イクル行い、高分子分散型液晶を硬化させ、層を形成し
た。こうして得られた素子は実施例4同様の素子が得ら
れた。
【0062】
【実施例6】次に、上記第4に実施形態の液晶光学素子
の製造方法のさらに別の具体例を示す。上記実施例5に
おける加熱を1回目常温(23℃)から80℃とし、4
0℃まで冷却し、2回目の加熱は40℃から80℃と
し、45℃まで冷却し、3回目45℃から80℃まで加
熱し、40℃まで冷却と言うように、加熱の温度変化を
変えることにより、液晶滴の穴形状の大きさもランダム
となり、さらに、視野角依存性を薄くできることが分か
った。こうして得られた素子の視野角特性は、上方向約
62度、下方向約64度、左右方向各々約66度であっ
た。
【0063】なお、上記第1から第4の各実施形態の液
晶光学素子は、アレイ基板10(第1の透明基板20)
の裏面、すなわち第1の透明電極21が設けられていな
い側からバックライト光を入射させることにより、その
反対から光を入射させるよりもTFTでのリーク電流発
生が生じる確率が低く、高分子分散型液晶の散乱特性に
より、バックライトむら(輝度むら)の発生も防ぐこと
ができることが分かった。
【0064】(第5の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の第5の実施形態について、図8を参照しつつ説
明する。図8は第5の実施形態に係る液晶光学素子の一
構成例を示す断面図である。図8に示す第5の実施形態
の液晶光学素子は、上記第1の実施形態の構成にさら
に、高分子分散型液晶層22上に第3の透明電極26
を、第3の透明電極26上にSiO2膜40を、SiO2
膜40上に第4の透明電極41を順に形成したものであ
る。その際、最下部の第1の透明電極21(画素)とT
FT28以外にも、上部の第4の透明電極41とTFT
28とが接続(コンタクト)している構成とする。この
構成により、TFT28の駆動による印加電圧を高分子
分散型液晶層22により大きく損なうことなく、TN液
晶層25に印加される電圧が小さくなるのを防止するこ
とができる。また、高分子分散型液晶層22とTN液晶
層25とを同時駆動することができる。
【0065】高分子分散型液晶層22とTN液晶層25
とを同時駆動することにより、白表示時において、高分
子分散型液晶層22による光損失が少なくなり、高輝度
表示が可能となる。また、高分子分散型液晶層22によ
る光損失が少なくなることにより、TFT28のリーク
電流が発生するおそれがあるが、本構成では、TN液晶
層25への悪影響は少ないので、表示上問題は生じな
い。また、第5の実施形態の構成もブラックマトリック
スを必要とせず、高輝度表示が可能となる。視野角は図
5に示す第2の実施形態の場合と変わらない結果となっ
た。なお、TFT28は高分子分散型液晶層22が形成
されている第1の透明基板20側にあるので、バックラ
イト光の入射はどちらからでも良い。
【0066】(第6の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の第6の実施形態について、図9を参照しつつ説
明する。図9は第6の実施形態に係る液晶光学素子の一
構成例を示す断面図である。第6の実施形態に係る液晶
光学素子は、上記第1から第5の実施形態の場合と異な
り、高分子分散型液晶層22を駆動用回路電極(TFT
28等)が形成されていない第2の透明基板23上に形
成したものである。
【0067】図9に示す第6の実施形態の液晶光学素子
は、第1の透明基板20と、第1の透明基板20の表面
上に形成されたTFT28を含む第1の透明電極21
と、第1の透明基板20と対向する第2の透明基板23
と、第2の透明基板23上に形成された高分子分散型液
晶層22と、高分子分散型液晶層22の上に形成された
第2の透明電極24と、第1の透明基板20と第2の透
明基板23との間(又は第1の透明電極21と第2の透
明電極24との間)に設けられたTN液晶層25とを具
備する。すなわち、TN液晶層25側にTFT28が形
成され、高分子分散型液晶層22とTN液晶層25との
間に第2の透明電極24が設けられ、第2の透明電極2
4はTFT28と接続されていない。この場合、高分子
分散型液晶層22は動作しない。
【0068】バックライト光は第1の透明基板20の裏
面から入射させる。高分子分散型液晶層22は拡散スク
リーンの役目を果たす。この液晶光学素子は、TN動作
による映像がスクリーンとして機能する高分子分散型液
晶層22により拡散表示されるため、視野角はCRT並
にまで近くなり、従来にない広視野角表示が得られる。
得られた素子の視野角特性は、上方向約66度、下方向
約68度、左右方向各々約70度であった。
【0069】なお、上記第6の実施形態に係る液晶光学
素子では、リーク電流の影響が発生するため、ブラック
マトリックスが必要である。また、偏光を利用するた
め、高分子分散型液晶層22の液晶分子配向をTN液晶
層25の液晶分子配向にほぼ合わせておく方が好まし
い。合わせ方は、高分子分散型液晶層22の樹脂硬化の
際に磁界印加しながら行う。また、上記第2の実施形態
の場合と同様に、第2の透明基板(対向基板)23にお
ける高分子分散型液晶層22上に高分子樹脂層(図示せ
ず)を形成し、その上に第2の透明電極24を形成して
も同様の結果が得られた。また、高分子樹脂層を設けた
場合の方が、第2の透明電極24を形成する際におい
て、高分子分散型液晶層22の表面形状を変形させる確
率が減り、歩留まり良く再現することができることが分
った。
【0070】また、上記第5の実施形態の場合と同様
に、高分子分散型液晶層22とTN液晶層25との間に
透明電極、SiO2、透明電極(図示せず)を順に形成
し、高分子分散型液晶層22側の透明電極を駆動用回路
電極に連動させることにより、高分子分散型液晶層22
とTN液晶層25の両層を同時に動作させることができ
る。この場合、高分子分散型液晶層22による拡散スク
リーン性を利用すると同時に、全透過時での透過率の低
下を防ぐことが可能となり、輝度低下させずにCRT以
上の広視野角表示を得ることができる。
【0071】(第7の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の第7の実施形態について、図10を参照しつつ
説明する。図10は第7の実施形態に係る液晶光学素子
の一構成例を示す断面図である。第7の実施形態の液晶
光学素子は、TN液晶層25に対して画素形成し、TN
液晶層25のみを動作させるものであり、他の部分には
高分子分散型液晶層22又は高分子分散型液晶層22と
スペーサ(図示せず)が形成され、ブラックマトリック
スを要さず、電気的リークを高分子分散型液晶層22で
防止する。
【0072】次に、第7の実施形態の液晶光学素子の製
造方法について述べる。まず、第1の透明電極20上に
形成された第1の透明電極(アレイ)21及びTFT2
8上に、上記実施例1の場合と同様に、高分子分散型液
晶材料を塗膜形成する。次に、マスクを用いて、TFT
28、ゲート配線及びソース配線上にだけ紫外光を照射
し、TFT28、ゲート配線及びソース配線上に高分子
分散型液晶層22を形成する。他の部分の高分子分散型
液晶材料は、洗浄により洗い流す。こうして得られたア
レイ基板と別途用意した対向基板を重ねあわせ、両基板
間にTN液晶を滴下して液晶光学素子を得る。こうして
得られた第7の実施形態の液晶光学素子は、基板間にス
ペーサを入れずに、高分子分散型液晶層22で基板間隔
を保つものであり、スペーサによる液晶分子配向の乱れ
の解消、ブラックマトリックスの廃止が可能となり、高
輝度化することができる。
【0073】さらに、斜め入射光を高分子分散型液晶層
22で拡散又は変調することができるので、斜め入射光
の光損失を防ぎ、斜め入射光を利用することができる。
例えば、高分子分散型液晶層22の液晶滴中の液晶分子
を配向制御し、TN液晶25層に対して表示面上に光を
戻して、輝度向上をはかったり、高分子分散型液晶層2
2の液晶滴の大きさを制御することにより入射光に色偏
光を持たせ、カラーフィルターを用いることなくカラー
表示が可能となる。色偏光原理は、例えば、高分子分散
型液晶層22に入射した光りが散乱光として放出される
際、透過できる波長が液晶滴の大きさに依存するからで
ある。従って、高分子分散型液晶層22が動作すること
により、散乱光の割合が変化し、色付き方も変わる。例
えば、高分子分散型液晶層22を形成する際の紫外線を
120mW/cm2、1分間照射することにより、液晶
滴径を約0.6μm(実施例1の半分)にした。それに
より、カラーフィルターを用いることなく、表示素子全
体赤色−透明の表示動作が可能となった。なお、高分子
分散型液晶層22の樹脂屈折率がTN液晶層25の常光
屈折率と異なることが必要である。すなわち、高分子分
散型液晶層22中の高分子樹脂の屈折率とTN液晶層2
5の液晶常光屈折率とが同じ場合、散乱光とならないの
で、このような現象や特徴は生じない。
【0074】(第8の実施形態)次に、本発明の液晶光
学素子の第8の実施形態について、図11を参照しつつ
説明する。図11は第8の実施形態に係る液晶光学素子
の一構成例を示す断面図である。第8の実施形態の液晶
光学素子は、高分子分散型液晶層22及びTN液晶層2
5に対して画素形成し、高分子分散型液晶層22とTN
液晶層25の両方を同時に駆動させるものであり、TN
液晶層25による表示動作(以下、TN動作とする)と
同時に、高分子分散型液晶層22による色偏光制御、散
乱度制御、屈折率制御により回折光制御するものであ
る。
【0075】高分子分散型液晶層22により色偏光を制
御する場合、基本動作(映像)はTN動作できまり、同
時に動作する高分子分散型液晶層22の動作により透過
光波長が変化し、光偏光による色変化がTN動作による
映像に色を付ける結果となる。散乱度制御の場合、TN
動作に合わせて、すなわち、映像動作に合わせて、光量
調整を行うわけである。例えば、黒表示を行う場合、高
分子分散型液晶層22のの散乱性能が最大散乱すること
により、TN液晶層25のみの黒表示に比べてさらに、
黒く(遮蔽)することができる。一方、白表示を行う場
合、高分子分散型液晶層22をも透過状態とすることに
より、光透過がTN動作のみよりもさらに透過し、白表
示がTN動作のみの場合よりもさらに明るくなる。結果
的に、コントラストを向上させることができる。
【0076】屈折率制御により回折光制御する場合、電
圧無印加時では、高分子分散型液晶層22が散乱状態と
なり、TN液晶層25と高分子分散型液晶層22とでは
層間において屈折率が異なり、入射光が屈折し、液晶光
学素子の外部に出射する光の0次光(すなわち、直進
光)が少なくなる。逆に、高分子分散型液晶層22を全
透過にすると、TN液晶層25との屈折率差が殆どなく
なるので、屈折光が減り、0次光が増える結果となる。
これにより、真正面でのコントラストを向上させること
ができる。
【0077】コントラスト調整は、初期状態、高分子分
散型液晶層22が散乱し、TN液晶層25による黒表示
の場合、高分子樹脂層と液晶層の屈折率違いにより光り
の回折も起こるため、光り遮蔽性能が向上し、黒表示性
能が従来に比べて向上する。白表示の場合、高分子分散
型液晶層22も透過状態となると同時に回折光もなくな
るため、光の損失も殆どなく、白表示性能が従来に比べ
ても向上する。その結果、従来にないコントラストを得
ることができる。
【0078】なお、高分子分散型液晶層22に動作する
部分とを動作しない部分とを混在させ、動作しない部分
をブラックマトリックス相当部やTFT等のIC部上に
配置することにより、電気的リークの発生を改善するこ
とができる。また、上記各実施例では、高分子分散型液
晶層22の高分子樹脂の誘電率と液晶の誘電率とは異な
るものを使用した。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の液
晶光学素子は、第1の透明基板と、前記第1の透明基板
の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆動用回
路電極上に形成された高分子分散型液晶層と、前記高分
子分散型液晶層及び前記駆動用回路電極を介して前記第
1の透明基板と対向する第2の透明基板と、前記第1及
び第2の透明基板間に設けられたツイステッドネマティ
ック液晶層とを具備する。また、本発明の第2の液晶光
学素子は、第1の透明基板と、前記第1の透明基板の表
面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆動用回路電
極を介して前記第1の透明基板と対向する第2の透明基
板と、前記第2の透明基板上に形成された高分子分散型
液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記駆動用回路
電極を介して前記第1の透明基板と第2の透明基板との
間に設けられたTN液晶層とを具備する。すなわち、第
1又は第2の透明基板上に、さらに散乱性能が良くない
高分子分散型液晶層を設けたので、透過光が若干の拡散
光となり、輝度むらを解消することができる。また、液
晶光学素子に電圧を印加した場合、高分子分散型液晶が
動作して全透過状態となるため、白表示(光透過状態)
の時の液晶光学素子の透過率を落とさずに表示すること
が可能となる。
【0080】また、従来TFT、ゲート線、ソース線、
画素との段差等形成具合により基板の表示画素域(画像
を構成表示する1単位の領域)を狭めていたが、高分子
分散型液晶層を設けることにより、段差をなくすことが
できる。また、ブラックマトリックスをなくし、表示域
を広げ、高開口率を得ることができる。さらに、高分子
分散型液晶層をTFT部に存在させることにより、光が
TFTに進入しにくくなり、電気的リーク等誤動作を招
きにくくすることができる。さらに、TFTでの電気的
リークに対して、高分子分散型液晶の動作駆動電圧はT
N液晶動作駆動電圧より高いので、TN液晶の誤動作が
生じにくくなり、表示上悪影響を少なくすることができ
る。
【0081】また、前記高分子分散型液晶層は、前記駆
動用回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有し、
前記高分子分散型液晶層の凸部にのみラビング処理を施
すことにより形成することにより、ラビング配向処理を
した時、ラビングは凸面部にだけ施され、凹面には施さ
れない。凸面上は、ラビング方向に液晶分子が配向し、
凹面上は穴の形状(方向)に依存した方向に配向する。
このパターンが連続的に形成される。さらに、凹部で
は、隣接液晶配向の影響を若干受けるため、ラビングが
成されてなくても、ディスクリネーション(転傾)を生
じたり、セル厚方向の分子配向がみだれず、穴の形状に
ほぼ依存して液晶分子が配向し、一方向性の配向だけで
なくなる。従って、TNモード特有の分子配向による視
野角依存が緩和され又は解消され、広視野角表示が可能
となる。
【0082】または、前記高分子分散型液晶層は、前記
駆動用回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有
し、凹部が一定方向に配向していることにより、高分子
分散型液晶層の表面の凹部に含有されるTN液晶層がそ
の形状に依存して容易に配向する。その結果、ラビング
配向処理を省略することができる。
【0083】または、前記高分子分散型液晶層は、前記
駆動用回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有
し、凹部が一定方向に規則的に並ばないようにランダム
に配向していることにより、高分子分散型液晶層の表面
の凹部に含有されるTN液晶が凹凸ランダムに対応して
表示面上ランダムな多方向に配向する。その結果、ラビ
ング配向処理を省略することができると共に、TN特有
の一方向性視野角依存を解消し、広視野角表示が可能に
なる。
【0084】また、上記各構成において、前記高分子分
散型液晶層と前記TN液晶層との間に透明電極を設けた
ことにより、高分子分散型液晶層とTN液晶層との間に
形成された透明電極を駆動用回路電極(例えば、TFT
等)に接続することができ、駆動用回路からの信号を透
明電極と対向する第2の透明基板上の透明電極との間に
印加することにより、TN液晶を動作させ、表示駆動す
ることができる。
【0085】または、前記高分子分散型液晶層の上に高
分子樹脂層を設け、前記高分子樹脂層と前記TN液晶層
との間に透明電極を設けることにより、TFT駆動によ
る印加電圧の高分子分散型液晶層による電圧降下を防止
し、TN層に印加される電圧の降下を防ぐことができ
る。その結果、TN液晶層への実効電圧が下がらずに、
高分子分散型液晶層をも駆動させることが可能となり、
全透過状態(白表示)での透過率の低下を防ぐことがで
きる。
【0086】また、本発明の第3の液晶光学素子は、第
1の透明基板と、前記第1の透明基板の表面上に形成さ
れた駆動用回路電極と、前記駆動用回路電極を介して前
記第1の透明基板上に所定のパターンとなるように部分
的に形成された高分子分散型液晶層と、前記第1の透明
基板上で、かつ前記高分子分散型液晶層が形成されてい
ない部分に形成されたTN液晶層と、前記高分子分散型
液晶層及び前記TN液晶層を介して前記第1の透明基板
と対向する第2の透明基板を具備する。すなわち、高分
子分散型液晶層がTN液晶層に対して画素形成し、TN
液晶層のみを動作させるので、TN液晶層以外の部分に
は、高分子分散型液晶層又は高分子分散型液晶とスペー
サが形成され、ブラックマトリックスを用いることな
く、電気的リークを防止することができる。
【0087】さらに、斜め入射光を高分子分散型液晶層
で拡散又は変調することができ、斜め入射光の光損失を
防ぎ、利用することができる。例えば、高分子分散型液
晶層の液晶滴中の液晶分子を配向制御し、TN液晶層に
対して表示面上に光を戻すことにより輝度向上をはかっ
たり、高分子分散型液晶層に入る光により色偏光を持た
せ、カラーフィルターを用いることなくカラー表示が可
能となる。
【0088】また、前記高分子分散型液晶層と前記TN
液晶層とを交互に規則的に形成し、前記高分子分散型液
晶層の1つとそれに隣接する1つの前記TN液晶層を1
単位とし、それぞれの単位に対して信号を送ることによ
り動作することにより、高分子分散型液晶及びTN液晶
層に対して画素形成し、高分子分散型液晶層とTN液晶
層の両方を同時に駆動させることができる。また、前記
高分子分散型液晶層の液晶分子と前記TN液晶層の液晶
分子の初期分子配向をほぼ同じにすることにより、また
は、前記高分子分散型液晶層の高分子樹脂の屈折率と前
記TN液晶層の初期未動作時の屈折率とを異ならせるこ
とにより、あるいは前記高分子分散型液晶層の高分子樹
脂の誘電率と前記TN液晶層の液晶材料の誘電率とを異
ならせることにより、TN動作(表示動作)と同時に、
高分子分散型液晶層の色偏光制御、散乱度制御、屈折率
制御により回折光制御することができる。
【0089】高分子分散型液晶層で色偏光を制御する場
合、基本動作(映像)はTN液晶層の動作により決定さ
れ、同時に動作する高分子分散型液晶の動作により透過
光波長が変化し、光偏光による色変化がTN動作画像に
色を付ける結果となる。散乱度制御、すなわちTN動作
に合わせて光量調整を行う場合、例えば黒表示をするに
は、高分子分散型液晶の散乱性能を最大散乱とする。こ
れにより、TN液晶のみの黒表示に比べてさらに黒く
(遮蔽)することができる。一方、白表示をするには、
TN液晶層だけでなく高分子分散型液晶をも透過状態と
する。これにより、光透過がTN動作のみよりもさらに
透過し、TN液晶のみの場合よりもさらに明るい白表示
を得ることができる。すなわち、コントラストを向上さ
せることができる。
【0090】屈折率制御により回折光制御する場合、電
圧無印加時では、高分子分散型液晶が散乱状態となり、
TN液晶層と高分子分散型液晶層とでは、層間において
屈折率が異なり、液晶光学素子の外部に出射する光の0
次光(すなわち、直進光)が少なくなる。すなわち、屈
折光となる。逆に、高分子分散型液晶を全透過にする
と、TN液晶層との屈折率差が殆どなくなり、屈折光が
減り、0次光が増える結果となる。これにより、真正面
でのコントラストを向上させることができる。
【0091】また、上記各液晶光学素子において、前記
第1の透明基板の前記駆動用回路電極が形成されていな
い側から光を入射させることにより、高分子分散型液晶
層が拡散スクリーンの役目を果たし、CRT以上の広視
野角表示が可能となる。
【0092】また、本発明の液晶光学素子の各製造方法
は、少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透明基
板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆動用
回路電極を介して前記第1の透明基板上に形成された高
分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記
駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向する
第2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板間に設
けられたTN液晶層とを具備する液晶光学素子の製造方
法又は少なくとも、第1の透明基板と、前記第1の透明
基板の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆動
用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向する第2
の透明基板と、前記第2の透明基板上に形成された高分
子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記駆
動用回路電極を介して前記第1の透明基板と第2の透明
基板との間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光
学素子の製造方法であって、第1の方法は、前記高分子
分散型液晶層を、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料
とを含有する組成物を前記駆動用回路電極が形成された
前記第1の透明基板上に層形成し、形成後、前記高分子
樹脂材料を硬化させて液晶層と高分子樹脂層とに分離
し、分離後、少なくとも、前記駆動用回路電極とは接し
ていない側の前記液晶層の液晶材料を抜き取ることによ
り表面に凹凸を形成し、前記高分子分散型液晶層の凸部
にのみラビング処理を施すことにより形成する。この方
法により本発明の第1の液晶光学素子を得ることができ
る。
【0093】また、第2の方法は、前記高分子分散型液
晶層を、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有
する組成物を前記駆動用回路電極が形成された前記第1
の透明基板上に層形成し、形成後、前記液晶材料の液晶
分子が一定方向に配向するように作用しながら前記高分
子樹脂材料を硬化させて液晶層と高分子樹脂層とに分離
し、分離後、少なくとも、前記駆動用回路電極とは接し
ていない側の前記液晶層の液晶材料を抜き取ることによ
り表面に凹凸を形成する。また、前記高分子樹脂材料を
硬化させる際、前記液晶層の分子方向がほぼ一定となる
ように、磁界を印加しながら樹脂硬化させる。この方法
により、ラビング配向処理を省略することができる。
【0094】また、第3の方法は、前記高分子分散型液
晶層を、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有
する組成物を前記駆動用回路電極が形成された前記第1
の透明基板上に層形成し、形成後、前記高分子分散型液
晶層の前記駆動用回路電極に隣接していない側の表面近
傍の液晶分子が一定方向に規則的に並ばないようにラン
ダムに配向するように作用しながら前記高分子樹脂材料
を硬化させて液晶層と高分子樹脂層とに分離し、分離
後、少なくとも、前記駆動用回路電極とは接していない
側の前記液晶層の液晶材料を抜き取ることにより表面に
凹凸を形成する。この方法によっても、ラビング配向処
理を省略することができる。
【0095】上記各方法において、前記高分子分散型液
晶層の表面上に透明電極を形成する工程を含むことによ
り、高分子分散型液晶層とTN液晶層とを同時に駆動す
ることができる液晶光学素子を得ることができる。ま
た、前記高分子分散型液晶層の表面上に高分子樹脂層を
形成する工程、及び前記高分子樹脂層の上に透明電極を
形成する工程を含むことにより、透明電極形成する際、
高分子樹脂層が高分子分散型液晶中の液晶が熱で抜け出
ないように保護することができ、高分子樹脂層により表
面が平坦化され、透明電極をむらがなく均一なに再現良
く形成することができる。
【0096】また、前記高分子樹脂材料を光重合により
硬化させ、その際、樹脂が完全硬化しないエネルギーの
光を多段階に照射するか、又は前記高分子樹脂材料を熱
重合により硬化させ、その際、樹脂が完全硬化するまで
の間、加熱冷却を繰り返し、さらに、加熱冷却を繰り返
す際、少なくとも、第1回目の加熱と第2回目の加熱の
温度変化速度を異ならせることにより、高分子分散型液
晶層の表面の凹部に含有されるTN液晶が凹凸ランダム
に対応して表示面上ランダムな多方向に配向した液晶光
学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶光学素子及びその製造方法に係る
第1の実施形態におけるアレイ基板を示す断面図
【図2】本発明の液晶光学素子の第1の実施形態の構成
を示す断面図
【図3】本発明の液晶光学素子の第2の実施形態の一構
成例を示す断面図
【図4】本発明の液晶光学素子の第2の実施形態の別の
構成例を示す断面図
【図5】本発明の液晶光学素子の第2の実施形態のさら
に別の構成例を示す断面図
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の液晶光学素
子の製造方法に係る第3の実施形態におけるアレイ基板
製造工程を示す断面図
【図7】本発明の液晶光学素子の製造方法に係る第4の
実施形態におけるアレイ基板を示す断面図
【図8】本発明の液晶光学素子の第5の実施形態の構成
を示す断面図
【図9】本発明の液晶光学素子の第6の実施形態の構成
を示す断面図
【図10】本発明の液晶光学素子の第7の実施形態の構
成を示す断面図
【図11】本発明の液晶光学素子の第8の実施形態の構
成を示す断面図
【図12】TN液晶モードの動作原理、特に印加電界ゼ
ロの時の状態における液晶分子の配向構造を示す斜視図
【図13】TN液晶モードの動作原理、特に所定のしき
い値以上の電圧を印加した状態における液晶分子の配向
構造を示す斜視図
【図14】(a)は高分子分散型液晶素子の表示原理、
特に電圧無印加又は所定のしきい値電圧以下の電圧を印
加した状態を示す図、(b)は所定のしきい値以上の電
圧を印加した状態を示す図
【符号の説明】
1 :駆動回路電極等 4 :入射光 5 :高分子層 6 :液晶分子 7 :液晶高分子複合体 10 :アレイ基板 11 :対向基板 12 :TN液晶層 13 :偏光板 14 :偏光板 20 :第1の透明基板 21 :第1の透明電極 22 :高分子分散型液晶層 22a:凹部 23 :第2の透明基板 24 :第2の透明電極 25 :TN液晶層 26 :第3の透明基板 27 :高分子樹脂層 28 :TFT(薄膜トランジスタ) 30 :高分子樹脂材料と液晶材料を含有する組成物 31 :ガラス基板 40 :SiO2膜 41 :第4の透明電極

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の透明基板と、前記第1の透明基板
    の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆動用回
    路電極を介して前記第1の透明基板上に形成された高分
    子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記駆
    動用回路電極を介して前記第1の透明基板と対向する第
    2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板間に設け
    られたツイステッドネマティック液晶層(以下、TN液
    晶層とする)とを具備する液晶光学素子。
  2. 【請求項2】 前記高分子分散型液晶層は、前記駆動用
    回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有し、前記
    高分子分散型液晶層の凸部にのみラビング処理を施した
    請求項1記載の液晶光学素子。
  3. 【請求項3】 前記高分子分散型液晶層は、前記駆動用
    回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有し、凹部
    が一定方向に配向している請求項1記載の液晶光学素
    子。
  4. 【請求項4】 前記高分子分散型液晶層は、前記駆動用
    回路電極とは接していない側の表面に凹凸を有し、凹部
    が一定方向に規則的に並ばないようにランダムに配向し
    ている請求項1記載の液晶光学素子。
  5. 【請求項5】 第1の透明基板と、前記第1の透明基板
    の表面上に形成された駆動用回路電極と、前記駆動用回
    路電極を介して前記第1の透明基板と対向する第2の透
    明基板と、前記第2の透明基板上に形成された高分子分
    散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層及び前記駆動用
    回路電極を介して前記第1の透明基板と第2の透明基板
    との間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光学素
    子。
  6. 【請求項6】 前記高分子分散型液晶層は、前記第2の
    透明基板とは接していない側の表面に凹凸を有し、前記
    高分子分散型液晶層の凸部にのみラビング処理を施した
    請求項5記載の液晶光学素子。
  7. 【請求項7】 前記高分子分散型液晶層は、前記第2の
    透明基板とは接していない側の表面に凹凸を有し、凹部
    が一定方向に配向している請求項5記載の液晶光学素
    子。
  8. 【請求項8】 前記高分子分散型液晶層は、前記第2の
    透明基板とは接していない側の表面に凹凸を有し、凹部
    が一定方向に規則的に並ばないようにランダムに配向し
    ている請求項5記載の液晶光学素子。
  9. 【請求項9】 前記高分子分散型液晶層と前記TN液晶
    層との間に透明電極を設けた請求項1から8のいずれか
    に記載の液晶光学素子。
  10. 【請求項10】 前記高分子分散型液晶層の上に高分子
    樹脂層を設け、前記高分子樹脂層と前記TN液晶層との
    間に透明電極を設けた請求項1から8のいずれかに記載
    の液晶光学素子。
  11. 【請求項11】 前記第1の透明基板の前記駆動用回路
    電極が形成されていない側から光を入射させる請求項1
    から10のいずれかに記載の液晶光学素子。
  12. 【請求項12】 第1の透明基板と、前記第1の透明基
    板と対向する第2の透明基板と、前記第1及び第2の透
    明基板の表面上にそれぞれ形成された電極と、前記第1
    及び第2の透明基板のいずれか一方の電極を介して当該
    透明基板上に所定のパターンとなるように部分的に形成
    された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶層
    が形成された透明基板上で、かつ前記高分子分散型液晶
    層が形成されていない部分に形成されたTN液晶層とを
    具備する液晶光学素子。
  13. 【請求項13】 前記高分子分散型液晶層と前記TN液
    晶層とが交互に規則的に形成されている請求項12記載
    の液晶光学素子。
  14. 【請求項14】 前記高分子分散型液晶層の1つとそれ
    に隣接する1つの前記TN液晶層を1単位とし、それぞ
    れの単位に対して信号を送ることにより動作する請求項
    13記載の液晶光学素子。
  15. 【請求項15】 前記高分子分散型液晶層の液晶分子と
    前記TN液晶層の液晶分子の初期分子配向がほぼ同じで
    ある請求項12から14のいずれかに記載の液晶光学素
    子。
  16. 【請求項16】 前記高分子分散型液晶層の高分子樹脂
    の屈折率と前記TN液晶層の初期未動作時の屈折率とが
    異なる請求項12から14のいずれかに記載の液晶光学
    素子。
  17. 【請求項17】 前記高分子分散型液晶層の高分子樹脂
    の誘電率と前記TN液晶層の液晶材料の誘電率とが異な
    る請求項12から14のいずれかに記載の液晶光学素
    子。
  18. 【請求項18】 少なくとも、第1の透明基板と、前記
    第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回路電極
    と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板上
    に形成された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型
    液晶層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明
    基板と対向する第2の透明基板と、前記第1及び第2の
    透明基板間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光
    学素子の製造方法であって、前記高分子分散型液晶層
    は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
    組成物を前記駆動用回路電極が形成された前記第1の透
    明基板上に層形成し、形成後、前記高分子樹脂材料を硬
    化させて液晶層と高分子樹脂層とに分離し、分離後、少
    なくとも、前記駆動用回路電極とは接していない側の前
    記液晶層の液晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸を
    形成し、前記高分子分散型液晶層の凸部にのみラビング
    処理を施すことにより形成する液晶光学素子の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 少なくとも、第1の透明基板と、前記
    第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回路電極
    と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板上
    に形成された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型
    液晶層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明
    基板と対向する第2の透明基板と、前記第1及び第2の
    透明基板間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光
    学素子の製造方法であって、前記高分子分散型液晶層
    は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
    組成物を前記駆動用回路電極が形成された前記第1の透
    明基板上に層形成し、形成後、前記液晶材料の液晶分子
    が一定方向に配向するように作用しながら前記高分子樹
    脂材料を硬化させて液晶層と高分子樹脂層とに分離し、
    分離後、少なくとも、前記駆動用回路電極とは接してい
    ない側の前記液晶層の液晶材料を抜き取ることにより表
    面に凹凸を形成する液晶光学素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記高分子樹脂材料を硬化させる際、
    前記液晶層の分子方向がほぼ一定となるように、磁界を
    印加しながら樹脂硬化させる請求項19記載の液晶光学
    素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 少なくとも、第1の透明基板と、前記
    第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回路電極
    と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板上
    に形成された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型
    液晶層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明
    基板と対向する第2の透明基板と、前記第1及び第2の
    透明基板間に設けられたTN液晶層とを具備する液晶光
    学素子の製造方法であって、前記高分子分散型液晶層
    は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料とを含有する
    組成物を前記駆動用回路電極が形成された前記第1の透
    明基板上に層形成し、形成後、前記高分子分散型液晶層
    の前記駆動用回路電極に隣接していない側の表面近傍の
    液晶分子が一定方向に規則的に並ばないようにランダム
    に配向するように作用しながら前記高分子樹脂材料を硬
    化させて液晶層と高分子樹脂層とに分離し、分離後、少
    なくとも、前記駆動用回路電極とは接していない側の前
    記液晶層の液晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸を
    形成する液晶光学素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも、第1の透明基板と、前記
    第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回路電極
    と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と
    対向する第2の透明基板と、前記第2の透明基板上に形
    成された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶
    層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板
    と第2の透明基板との間に設けられたTN液晶層とを具
    備する液晶光学素子の製造方法であって、前記高分子分
    散型液晶層は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料と
    を含有する組成物を前記第2の透明基板上に層形成し、
    形成後、前記高分子樹脂材料を硬化させて液晶層と高分
    子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、前記駆動用
    回路電極とは接していない側の前記液晶層の液晶材料を
    抜き取ることにより表面に凹凸を形成し、前記高分子分
    散型液晶層の凸部にのみラビング処理を施すことにより
    形成する液晶光学素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 少なくとも、第1の透明基板と、前記
    第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回路電極
    と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と
    対向する第2の透明基板と、前記第2の透明基板上に形
    成された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶
    層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板
    と第2の透明基板との間に設けられたTN液晶層とを具
    備する液晶光学素子の製造方法であって、前記高分子分
    散型液晶層は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料と
    を含有する組成物を前記第2の透明基板上に層形成し、
    形成後、前記液晶材料の液晶分子が一定方向に配向する
    ように作用しながら前記高分子樹脂材料を硬化させて液
    晶層と高分子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、
    前記駆動用回路電極とは接していない側の前記液晶層の
    液晶材料を抜き取ることにより表面に凹凸を形成する液
    晶光学素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記高分子樹脂材料を硬化させる際、
    前記液晶層の分子方向がほぼ一定となるように、磁界を
    印加しながら樹脂硬化させる請求項23記載の液晶光学
    素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 少なくとも、第1の透明基板と、前記
    第1の透明基板の表面上に形成された駆動用回路電極
    と、前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板と
    対向する第2の透明基板と、前記第2の透明基板上に形
    成された高分子分散型液晶層と、前記高分子分散型液晶
    層及び前記駆動用回路電極を介して前記第1の透明基板
    と第2の透明基板との間に設けられたTN液晶層とを具
    備する液晶光学素子の製造方法であって、前記高分子分
    散型液晶層は、少なくとも高分子樹脂材料と液晶材料と
    を含有する組成物を前記第2の透明基板上に層形成し、
    形成後、前記高分子分散型液晶層の前記駆動用回路電極
    に隣接していない側の表面近傍の液晶分子が一定方向に
    規則的に並ばないようにランダムに配向するように作用
    しながら前記高分子樹脂材料を硬化させて液晶層と高分
    子樹脂層とに分離し、分離後、少なくとも、前記駆動用
    回路電極とは接していない側の前記液晶層の液晶材料を
    抜き取ることにより表面に凹凸を形成する液晶光学素子
    の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記高分子分散型液晶層の表面上に透
    明電極を形成する工程を含む請求項18から25のいず
    れかに記載の液晶光学素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記高分子分散型液晶層の表面上に高
    分子樹脂層を形成する工程、及び前記高分子樹脂層の上
    に透明電極を形成する工程を含む請求項18から25の
    いずれかに記載の液晶光学素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記高分子樹脂材料を光重合により硬
    化させ、その際、樹脂が完全硬化しないエネルギーの光
    を多段階に照射する請求項21又は25記載の液晶光学
    素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記高分子樹脂材料を熱重合により硬
    化させ、その際、樹脂が完全硬化するまでの間、加熱冷
    却を繰り返す請求項21又は25記載の液晶光学素子の
    製造方法。
  30. 【請求項30】 加熱冷却を繰り返す際、少なくとも、
    第1回目の加熱と第2回目の加熱の温度変化速度を異な
    らせる請求項29記載の液晶光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013018617A1 (ja) * 2011-08-01 2013-02-07 シャープ株式会社 液晶表示パネル、電子機器および液晶表示パネルの製造方法
JP2020530590A (ja) * 2017-08-11 2020-10-22 クーパーヴィジョン インターナショナル ホウルディング カンパニー リミテッド パートナーシップ 可撓性の液晶セル及びレンズ

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