JP2800311B2 - 接着剤 - Google Patents

接着剤

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JP2800311B2
JP2800311B2 JP1267243A JP26724389A JP2800311B2 JP 2800311 B2 JP2800311 B2 JP 2800311B2 JP 1267243 A JP1267243 A JP 1267243A JP 26724389 A JP26724389 A JP 26724389A JP 2800311 B2 JP2800311 B2 JP 2800311B2
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義人 田中
剛 野口
光作 坂口
暢彦 津田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は優れた接着強度を有する接着剤に関する。
(従来の技術) フツ素ゴム用接着剤としては、従来エポキシ系接着剤
が優れた接着強度を有する接着剤として広く使用されて
いるが、例えば100℃の沸騰水中で耐熱テストを行うと
数時間で剥離してしまうのが現状であつた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は優れた耐熱性、耐候性、耐薬品性及び
透明性等を有し、且つ種々の金属、樹脂、セラミツク、
木材等の接着に際して強力な接着強度を有する接着剤を
提供することにある。
その中でも特にアクリルモノマーが被接着体に浸透す
る場合、被接着体がフツ素ゴム、アクリル樹脂、スチレ
ン樹脂等の場合、更に優れた接着性を示す接着剤を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明はアクリルモノマーに溶解する、ポリマー鎖に
ヨウ素原子又は臭素原子を結合するビニリデンフルオラ
イド系共重合体をアクリルモノマー中に溶解せしめ、次
いでこれを重合に付して、又は更にIPN化することによ
り得られる高分子物質を含有することを特徴とする接着
剤に係る。含フツ素ポリマーとアクリルポリマーが均質
に一体化することによつて前記課題は解決される。
本発明において含フツ素ポリマーとしては、ビニリデ
ンフルオライドの共重合体を例示することができる。
ビニリデンフルオライド系共重合体は好ましくは数平
均分子量が500〜100万のもので、ビニリデンフルオライ
ドにこれと共重合可能な他のモノマーの1種又は2種以
上を共重合したものであつて、他のモノマーの代表的な
例としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニルフルオラ
イド、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロ
ピレン、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロシク
ロブテン、パーフルオロ(メチルシクロプロピレン)、
パーフルオロアレン、α,β,β−トリフルオロスチレ
ン、パーフルオロスチレン、ポリフルオロアルキルビニ
ルエーテル類〔例えば、パーフルオロ(メチルビニルエ
ーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)な
ど〕、ポリフルオロアクリル酸又はそのエステル、ポリ
フルオロビニル酢酸又はそのエステル、ポリフルオロビ
ニルエーテルスルホン酸、ポリフルオロジエン類、エチ
レン、プロピレン、アクリル酸又はそのエステル、ビニ
ル酢酸又はそのエステルなどが挙げられ、その含有量は
特に制限されないが、通常10〜60wt%が好ましい。又こ
れらのうち、そのポリマー鎖にヨウ素原子や臭素原子を
結合するもの(例えば特開昭53−125491号、特公昭53−
4115号、特開昭59−20310号参照)は重合反応性を高め
るうえで好ましい。更に、又、アクリルモノマーに接触
させるビニリデンフルオライド系共重合体は常法により
架橋したものであつても良い。
本発明においてアクリルモノマーとしては上記共重合
体を溶解するものであれば種類は制限されないが、単ま
たは多官能性のものが含まれ、好ましくは、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート(MM
A)、エチルメタクリレート(EMA)、ブチルメタクリレ
ート(BMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(H
EMA)、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリ
レート(MSPM)、2−(フェニルホスホリル)エチルメ
タクリレート(phenyl−P)、2−ヒドロキシ−3−
(β−ナフトキシ)プロピルメタクリレート(HNPM)、
N−フェニル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロ
キシ)プロピルグリシン(NPG−GMA)、エチレングリコ
ールジメタクリレート(EDMA又は1G)、ジエチレングリ
コールジメタクリレート(DiEDMA)、トリエチレングリ
コールジメタクリレート(TriEDMA)、1,4−ブタンジオ
ールジメタクリレート(1,4−BuDMA)、1,3−ブタンジ
オールジメタクリレート(1,3−BuDMA)、2,2−ビス
〔4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキ
シ)フエニル〕プロパン(Bis−GMA)、2,2−ビス(4
−メタクリロキシフエニル)プロパン(BPDMA)、2,2−
ビス(4−メタクリロキシエトキシフエニル)プロパン
(Bis−MEPP)、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエ
トキシフエニル)プロパン(Bis−MPEPP)、ジ(メタク
リロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン
(UDMA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート
(TMPT)、 CH2=C(CH3)COOCH2CF3(3FMA)、 CH2=C(CH3)COOCH2CF2CF2H(4FMA)、 CH2=C(CH3)COOCH2CF2CF3(5FMA)、 CH2=C(CH3)COOCH2(CF22CF3(7FMA)、 CH2=C(CH3)COOCH2(CF23CF2H(8FMA)、 これらの対応する各アクリレート、各α−フルオロアク
リレートを例示することができ、これらは1種又は2種
以上の混合物が用いられる。特にMMAや含フツ素アクリ
ルモノマーが好ましい。
本発明においては上記共重合体をアクリルモノマー中
に溶解せしめ、次いでこれを重合に付して、又は更にIP
N化することにより目的の接着剤を得ることができる
が、その際重合開始源の存在下に行い、更に、重合禁止
剤、還元剤、移動剤等を加えることもできる。重合開始
源としては光、熱のほか、ベンゾイルパーオキサイド、
アゾイソブチロニトリル(AIBN)、カンフアーキノン
(CQ)、9−フルオレノン、トリブチルボラン(TBB)
等の重合開始剤を、還元剤としてはジメチルアミノエチ
ルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチル−p−トルイジ
ン(DMPT)等を、重合禁止剤としてはヒドロキノン、ヒ
ドロキノンメチルエステル等を、移動剤としてはラウリ
ルメルカプタン等を挙げることができる。
IPN(Inter−penetrating Polymer Network)は本
来2種の鎖状のポリマーを液体状態(溶液でも可)で混
合し、両方又はいずれか一方を架橋させ、互いに分子鎖
を絡み合わせた形で形成されるポリマーである。
IPN化を進めるためには架橋を行う必要があるが、そ
の方法としては例えば前記ビニリデンフルオライド共重
合体を予め常法により架橋したものを使用する(その
際、そのポリマー鎖にヨウ素原子や臭素原子を結合した
ものを使用するのが好ましい。)、前記アクリルモノマ
ーとして2官能以上のものを使用する、或いは架橋剤を
使用する等の方法が挙げられる。
前2者は既に挙げたものを使用できる。架橋剤として
は例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシア
ヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメ
リテート、ジアリルフタレートなどの多官能性不飽和化
合物が使用できる。又、このとき有機パーオキサイドを
ラジカル源とすることができる。IPN化によつて接着強
度、耐溶剤性等は更に向上する。
本発明の接着剤は上記共重合体のモノマー溶液を使用
するため、接着剤が被着体に浸透し、その結果、強固な
接着強度が得られる。尚、本発明の接着剤は一液でも使
用できるが、好適には共重合体、アクリルモノマーの溶
液にそれぞれ開始剤と還元剤を加えた別々の2液を作成
し、使用直前に両液を混合する方法を用いるのが良い。
本発明において重合反応を加熱重合によるときは例え
ば約55〜100℃の温度で、約10〜150分程度加熱すること
により、又、光重合によるときは例えば光照射器で光を
照射して数分〜数十分重合するのが好ましい。上記重合
により得られる本発明の高分子物質の数平均分子量は約
1000〜30万の範囲が好ましい。
本発明で得られる高分子物質にはその理由は不明であ
るが、残留アクリルモノマーが極めて少なく、特に上記
共重合体のモノマーに対する比率が等量を越える範囲で
は残留モノマーは加熱重合でも光重合でも皆無であるの
に対し、ポリメチルメタクリレートをメチルメタクリレ
ートに溶解させて重合した場合は、残留モノマーは加熱
重合で0.5%、光重合では2.4%もあつた。このように本
発明の高分子物質を含有する接着剤には残留モノマーが
検出されない、或いは極めて少ないために生体材料用接
着剤等としても有用である。その他本発明で得られる高
分子物質を溶剤で処理して液状又はペースト状にしても
使用可能である。
本発明の接着剤には、充填剤、触媒、希釈剤、カツプ
リング剤等を必要に応じて配合することもできる。
(実 施 例) 以下に実施例及び比較例を挙げて説明する。尚、%は
重量%を示す。
実施例1 A液 G801/MMA/BPO=1/1/0.02(重量部) B液 G801/MMA/DMPT=1/1/0.02(重量部) ここでG801はダイエル G801(ヨウ素含有ビニリデン
フルオライド系弾性状共重合体)、MMAはメチルメタク
リレート、BPOはベンゾイルパーオキサイド、DMPTはジ
メチル−p−トルイジンである。
架硫G801をダンベル4号片に打ち抜き、中央部をカツ
ターで切断後、A液,B液を1:1(重量比)で混和し、直
ちに接着面に塗布し接着する。室温で1時間放置後、オ
ートグラフで500mm/分の条件で引張り破断強度を求めた
ところ82kg/cm2であつた。
比較例1 実施例1と同一の条件でエポキシ系の接着剤を用いて
接着したところ引張り破断強度は55kg/cm2であつた。
実施例2 20×2×70mmの板状の架硫G801を中央部で切断し、実
施例1と同様組成のA液及びB液を用いて同様に接着し
た。サンプルを煮沸水中に138時間放置した後も強固な
接着を示した。
比較例2 実施例2と同一の条件でエポキシ系の接着剤で試験し
たところ、6時間後には素手で破断できるまで接着強度
が低下した。
実施例3 10×2×40mmの板状のアクリル板を2枚、接着断面積
が1cm2になるよう、実施例1と同様組成のA液及びB液
を用いて同様に接着した。室温で1時間放置後、オート
グラフで500mm/分の条件で引張つたところアクリル板部
で破断し、強固な接着を示した。
実施例4 A液 G801/MMA/1G/TAIC/2.5B/ BPO=1/0.95/0.05/0.04/0.015/0.02(重量部) B液 G801/MMA/1G/TAIC/2.5B/ DMPT=1/0.95/0.05/0.04/0.015/0.02(重量部) ここで1Gはエチレングリコールジメタクリレート、TA
ICはトリアリルイソシアヌレート、2.5Bはパーヘキサ2.
5B(日本油脂製、パーオキサイド)である。
架硫G801をダンベル4号片に打ち抜き、中央部をカツ
ターで切断後、A液,B液を1:1(重量比)で混和し、直
ちに接着面に塗布し接着する。室温で1時間放置後、16
0℃で10分間加熱し重合させる。オートグラフで500mm/
分の条件で引張り破断強度を求めたところ96kg/cm2であ
つた。
比較例3 実施例4と同一の条件でエポキシ系の接着剤を用いて
接着したところ引張り破断強度は55kg/cm2であつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 光作 大阪府摂津市西一津屋1―1 ダイキン 工業株式会社内 (72)発明者 津田 暢彦 大阪府摂津市西一津屋1―1 ダイキン 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−41202(JP,A) 特開 昭61−31411(JP,A) 特開 昭51−7040(JP,A) 特開 昭63−145311(JP,A) 特開 昭63−248807(JP,A) 特開 昭53−125491(JP,A) 特開 昭59−20310(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 151/00 - 151/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリルモノマーに溶解する、ポリマー鎖
    にヨウ素原子又は臭素原子を結合するビニリデンフルオ
    ライド系共重合体をアクリルモノマー中に溶解せしめ、
    次いでこれを重合に付して、又は更にIPN化することに
    より得られる高分子物質を含有することを特徴とする接
    着剤。
  2. 【請求項2】ビニリデンフルオライド系共重合体がポリ
    マー鎖にヨウ素原子を結合するものである請求項1記載
    の接着剤。
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