JP2009067814A - 可視光硬化型接着剤組成物 - Google Patents

可視光硬化型接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】空気による硬化不良を起こさず、種々被着体を強靱な接着力で接合する可視光硬化型接着剤組成物を提供する。
【解決手段】クロロスルホン化ポリエチレン、スチレンおよび/またはアクリル単量体、カンファーキノン、およびN,N−ジメチル(エチル)アミノエチルメタクリレート、または、バルビツール酸誘導体、を含む可視光硬化型接着剤組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は可視光硬化型接着剤組成物に関するものである。本発明の接着剤組成物はラジカル硬化型接着剤組成物の欠点である空気による硬化阻害を受けず、低温かつ短時間で硬化反応が完結し、種々被着体を強靱な接着力で接合するものである。
同時に、本発明の接着剤組成物は、機械的強度にも優れ、構造接着剤として必要十分な性能をいかんなく発揮するものである。
“にかわ”等で知られているとおり、接着剤は、太古の昔から身近な存在である。接着剤は、ポリ酢酸ビニル接着剤やゴム糊などのように、溶媒が蒸発することで接着機能を発揮するものから、エポキシ樹脂接着剤のように主剤と硬化剤を混合し、加熱等により三次元架橋を起こさせてより強靱な接着力や耐熱性、耐薬品性を発揮するものもある。
近年、接着をより低温短時間で行おうとする試みがなされている。この接着剤は、レドックス系の重合開始剤を用いるラジカル硬化型接着剤であり、第二世代接着剤(SGA)として広く知られるとおりである。
SGAは、通常、塩素化ポリエチレンなどのゴム高分子をメタクリル酸メチルなどのアクリル単量体に分散または溶解し、さらにエチレングリコールジメタクリレートなどの架橋性モノマーを加え、レドックス重合開始剤で硬化される。レドックス重合開始剤は、例えば、過酸化ベンゾイル/N,N−ジメチル−p−トルイジンなどの有機過酸化物(酸化剤)とアミン化合物(還元剤)との組み合わせ、クメンヒドロペルオキシド/オクチル酸コバルトなどのヒドロペルオキシド化合物(酸化剤)と金属石鹸(還元剤)との組み合わせなどがよく知られており、一般に室温〜100℃でラジカル硬化反応を開始する硬化系として知られている。
SGAは、低温短時間硬化で、比較的良好な接着強度を示すことから航空機などに使用する構造接着剤として広く認知されている。欠点としては、アクリル単量体特有の悪臭が強いこと、硬化時の収縮が大きいこと、発熱量が大きくプラスチックなどに適用した場合ひけ等の影響で表面に欠陥が出やすいこと、酸素による硬化阻害の影響を受けやすく時として硬化が不十分となり接着不良を起こす場合があることなどが挙げられる。
分子中に−OC(O)C(R)=CHを有するアクリルポリマーとレドックス系重合開始剤とからなる接着剤組成物が示されている(特許文献1参照)。特許文献1で提案されている技術はアクリル単量体の原子移動ラジカル重合に関するものであり、その応用として接着剤組成物が示されている。
特許文献1で提案されている技術に示されているような柔軟なアクリルポリマーは、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のゴム弾性を有する高分子に比し、ポリマーの凝集力が小さい。したがって、柔軟なアクリルポリマーを主成分とする接着剤は、例えば引張り試験でだらだらと伸張するだけで応力は小さい。すなわち、接着剤の機械的強度が不足する。
特許文献1で提案されている技術の実施例には、接着剤の接着力評価としてよく実施されるアルミニウム合金−アルミニウム合金のシングルラップ接着性試験結果が示されている。実施例に見られるとおり、剪断接着力が10MPa(剪断接着力の最大値は6.65MPa)を超えるものが見あたらず、構造接着剤としては、剪断接着力が小さい。
カンファーキノンを用いた可視光硬化型レジンに関する紹介がなされている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
ここで、可視光(可視光線)とは、電磁波のうち人間の目で見える波長のものを指す。JIS Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長はおおよそ360nm〜830nmである。可視光線は太陽そのほかの様々な照明から発せられ、通常は様々な波長の可視光線が混ざった状態である。
可視光硬化型レジンで有効とされる可視光線は、使用される増感剤の感応波長により決定されるが、一般的には400〜700nmである。さらには、450〜550nmの青色領域の可視光線がよく使用されている。
紹介されている技術は、重合開始系として、カンファーキノンと1,3,5−トリメチルバルビツール酸との組み合わせ、カンファーキノンとチオバルビツール酸類との組み合わせに関するものである。これらはいずれも歯科技術に関するものであり、象牙質への接着力を高めるため使用されるものである。残念ながら、紹介されている技術は、酸素による重合阻害を受け、硬化不良を起こしやすい。したがって、本開始系は、硬化性が悪く、十分な接着強度を有する接着剤が得難い。
特開2006−299257号公報 猪鹿倉兼治、門磨義則、今井庸二、「新しいプライマー(N−メタクリロリルオキシエチル−2−ピロリドン)を用いたコンポジットレジンの象牙質への接着」、歯科材料・器械(Journal of the Japanese Society for Dental Materials and Devices)、Vol.10,No.5(19910925),pp624-628. 門磨義則、今井庸二、「チオバルビツール酸誘導体を用いた可視光線重合開始剤の研究」、歯科材料・器械(Journal of the Japanese Society for Dental Materials and Devices)、Vol.18,No.4(19890725),pp533-538.
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、ラジカル反応により硬化する。ラジカル反応は空気に含まれる酸素により重合阻害を受けやすく、硬化不良やこれが基になる接着不良を起こしやすい。
本発明が解決しようとする課題は、空気による硬化不良を起こさず、種々被着体を強靱な接着力で接合する可視光硬化型接着剤組成物を提供することである。
本発明は、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレンおよび/またはアクリル単量体、
下記構造式のカンファーキノン、および
Figure 2009067814
下記構造式のアミノ基含有アクリル単量体、
Figure 2009067814
(ここで、R1,R2は水素原子または炭素原子数1〜3個のアルキル基を表す。)
または、下記構造式のバルビツール酸誘導体、
Figure 2009067814
(ここで、R3,R4,R5は水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
を含む可視光硬化型接着剤組成物である。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、空気による硬化不良を起こさず、種々被着体を強靱な接着力で接合するものである。本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、可視光線に対し透明性を有するガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂などを被着体としたとき、良好な性能を示す。さらに、可視光線に対し透明性を有さない鉄、アルミニウム、銅、チタン合金、プラスチック等にも適用することができる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、高張力鋼(High Tensile Steel)間の接着、高張力鋼と炭素繊維やガラス繊維で強化したプラスチック(CFRP、GFRP)間の接着、アルミニウム合金と炭素繊維やガラス繊維で強化したプラスチック(CFRP、GFRP)間の接着でも好適な接着剤として強靱な接着力を発揮する。
また、本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、硬く、強靱な被膜を形成可能であり、可視光硬化型塗料としても使用することができる。
本発明は、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレンおよび/またはアクリル単量体、
下記構造式のカンファーキノン、および
Figure 2009067814
下記構造式のアミノ基含有アクリル単量体、
Figure 2009067814
(ここで、R1,R2は、水素原子または炭素原子数1〜3個のアルキル基を表す。)
または、下記構造式のバルビツール酸誘導体、
Figure 2009067814
(ここで、R3,R4,R5は、水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
を含む可視光硬化型接着剤組成物である。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、可視光(可視光線)とは、電磁波のうち人間の目で見える波長のものを指す。JIS Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は、おおよそ360nm〜830nmである。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で使用されるクロロスルホン化ポリエチレンとしては、「TOSO−CSM TS−430」、「TOSO−CSM TS−530」、「TOSO−CSM TS−830」、「TOSO−CSM TS−930」、「TOSO−CSM TS−320」、「TOSO−CSM TS−340」、「TOSO−CSM TS−1500」、「extos ET−8010」、「extos ET−8510」(以上、東ソー(株)の製品)、「Hypalon 20」、「Hypalon 30」、「Hypalon 40s」、「Hypalon 40」、「Hypalon 4085」、「Hypalon 45」、「Hypalon 48」(以上、デュポン・エラストマー(株)の製品)などが例示される。
これらのクロロスルホン化ポリエチレンは単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、クロロスルホン化ポリエチレンとして、好ましくは、23℃における25重量%トルエン溶液粘度が200〜2000mPa・sのクロロスルホン化ポリエチレンが推奨される。
本発明で好ましく使用される23℃における25重量%トルエン溶液粘度が200〜2000mPa・sのクロロスルホン化ポリエチレンとしては、「TOSO−CSM TS−340」(23℃における25重量%トルエン溶液粘度350mPa・s)、「TOSO−CSM CN−1500」(23℃における25重量%トルエン溶液粘度1400mPa・s)(以上、東ソー(株)の製品)、「Hypalon 20」(23℃における25重量%トルエン溶液粘度1300mPa・s)、「Hypalon 30」(23℃における25重量%トルエン溶液粘度400mPa・s)(以上、デュポン・エラストマー(株)の製品)などが例示される。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、23℃における25重量%トルエン溶液粘度が200〜2000mPa・sのクロロスルホン化ポリエチレンは、単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、クロロスルホン化ポリエチレンの23℃における25重量%トルエン溶液粘度が、好ましくは200〜2000mPa・s、より好ましくは300〜2000mPa・s、さらに好ましくは300〜1800mPa・sであることが望ましい。クロロスルホン化ポリエチレンの23℃における25重量%トルエン溶液粘度が200mPa・s未満の場合には、クロロスルホン化ポリエチレンの重合度が小さく、接着剤の強靱性が失われ、脆くなる傾向が見られる。クロロスルホン化ポリエチレンの23℃における25重量%トルエン溶液粘度が2000mPa・sを超える場合には、接着剤の粘度が高くなりすぎ、いきおい希釈剤としてのスチレンおよび/またはアクリル単量体の使用量が多くなって硬化時の収縮率、発熱が大きくなり良好な接着が設計できなくなる場合がある。
ここで、本発明では、23℃における25重量%トルエン溶液粘度は、クロロスルホン化ポリエチレンをトルエン中にクロロスルホン化ポリエチレンの濃度が25重量%となるよう溶解した後、ブルックフィールド型粘度計を用いて、23〜25℃で測定した。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、接着剤の塗布作業性を良好とし、種々被着体に対応し接着強度を高めるために、スチレンおよび/またはアクリル単量体が使用される。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で使用されるスチレンは、クロロスルホン化ポリエチレンの良溶媒として作用し、柔軟で耐衝撃性に優れた接着剤を提供する。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で使用されるアクリル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソボルニル、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、ジシクロペンタニルオキシアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸エチルエチレンウレア、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボルニル、ジシクロペンテニルオキシメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、メタクリル酸エチルエチレンウレア、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレートなどが例示される。本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、アクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、アクリル単量体としては、クロロスルホン化ポリエチレンを溶解、膨潤化または分散できるもの、または相溶化するものが望ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルなどのメタクリル酸エステルが好適なアクリル単量体として推奨される。メタクリル酸2−ヒドロキシエチルは鉄、アルミニウムなどの金属に対する接着性が向上し、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルは接着剤の粘度調整が容易となり塗布作業性が向上して、鉄、アルミニウムなどの金属、およびFPRなどのプラスチック類に対する接着力の向上が期待される。および、アクリル酸2−メトキシエチルは接着剤の凝集力を高める作用が見られ、金属、FRPなどに対する接着力が向上するとともに、接着剤の機械的性質が改善される傾向が見られる。
さらに、本発明では、接着剤が硬化する際の重合熱によるアクリル単量体の蒸発とこれに起因する発泡を回避し、発泡による接着剤の強度低下および接着力低下を回避するために、アクリル単量体としては、1013hPa(常圧)における沸点が好ましくは、100℃以上であることが望ましい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、好ましくは、アクリル単量体がメタクリル酸メチル(沸点=100.8℃/1013hPa)および/またはメタクリル酸テトラヒドロフルフリル(沸点=75℃/4hPa)を含むものであることが推奨される。アクリル単量体が、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸テトラヒドロフルフリルを含むものであると、接着剤の硬化性が向上し、酸素による硬化阻害を一段と回避しやすくなり、接着剤の機械的強度と接着力のバランス取りが高いレベルで実現できる傾向が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、下記構造式のカンファーキノンが使用される。
Figure 2009067814
カンファーキノンは、おおよそ450〜550nmの可視光線を吸収して活性化し、本発明の可視光硬化型接着剤組成物のラジカル反応硬化を開始する。
可視光線を吸収し活性化する化合物としては、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ベンゾインメチルエーテルなどがよく知られているが、本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、接着剤の保存安定性、硬化性、接着力の向上、酸素による重合阻害回避の観点から、カンファーキノンが使用される。カンファーキノンは、可視光増感剤として作用することができる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、下記構造式のアミノ基含有アクリル単量体、
Figure 2009067814
(ここで、R1,R2は、水素原子または炭素原子数1〜3個のアルキル基を表す。)
または、下記構造式のバルビツール酸誘導体が使用される。
Figure 2009067814
(ここで、R3,R4,R5は、水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で使用されるアミノ基含有アクリル単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等が例示される。本発明で使用されるアミノ基含有アクリル単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で使用されるバルビツール酸誘導体としては、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸等が例示される。本発明で使用されるバルビツール酸誘導体は単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、アミノ基含有アクリル単量体またはバルビツール酸誘導体は、好ましくは、還元剤として作用し、接着剤組成物のラジカル硬化反応をスムースに進める機能がある。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、下記構造式のアミノ基含有アクリル単量体、
Figure 2009067814
(ここで、R1,R2は、水素原子または炭素原子数1〜3個のアルキル基を表す。)
と、下記構造式のバルビツール酸誘導体を併用して使用することも可能である。
Figure 2009067814
(ここで、R3,R4,R5は、水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、接着剤の硬化反応はアミノ基含有アクリル単量体単独でも進行するが、硬化反応をより速く進めるためにバルビツール酸誘導体が併用されるのが望ましい。さらに、好ましくは塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ価第一銅などの遷移金属化合物が併用されれば、硬化反応がさらに円滑に進むようになり、かつ酸素による重合阻害を大きく回避できる傾向が見られ推奨される。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、好ましくは、下記構造式のヒンダードアミン化合物が使用されるのが望ましい。
Figure 2009067814
(ここで、R6は、水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を表す。)
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で好ましく使用されるヒンダードアミン化合物としては、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどが例示される。本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、ヒンダードアミン化合物は、単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが好ましく使用され、接着剤の保存安定性、硬化性が改善される傾向が見られる。また、酸素による重合阻害をきわめて受けがたくなる傾向が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、ヒンダードアミン化合物が使用されることにより、可視光を透過しない被着体、例えば、金属、着色したプラスチックなど、の接着も可能となる。すなわち、本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、好ましくは、被着体に、ヒンダードアミン化合物を使用した可視光硬化型接着剤組成物を塗布した後、接着剤を1〜30分程度可視光線に露光した後、被着体同士を圧着し、被着体をおおよそ室温〜100℃、好ましくは30〜100℃程度で、5〜60分間程度加熱またはエージングすることにより、良好な接着強度を有する接着製品が製造できる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、クロロスルホン化ポリエチレンとスチレンおよび/またはアクリル単量体との合計量を100重量%として、クロロスルホン化ポリエチレンは好ましくは3〜60重量%、より好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは8〜45重量%含有されるのが望ましい。クロロスルホン化ポリエチレンの含有量が3重量%未満の場合には、接着剤の柔軟性が小さくなり、耐衝撃性や接着性が低下する場合が見られる。クロロスルホン化ポリエチレンの含有量が60重量%を超える場合には、接着剤の機械的強度が低下し、十分な接着力を発揮しない場合が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、クロロスルホン化ポリエチレンは12重量%〜42重量%使用されるのがもっとも望ましい。接着剤の機械的強度、接着力、および接着剤の環境適性(耐湿熱性、耐熱性など)にバランスがとれ、優れた性能を発揮する傾向が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、下記構造式のカンファーキノンは、
Figure 2009067814
クロロスルホン化ポリエチレンとスチレンおよび/またはアクリル単量体との合計量100重量部に対し、好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部使用されるのが望ましい。本発明ではカンファーキノンの使用量が0.2重量部未満の場合には、接着剤の硬化性が悪化し、十分な接着強度を示さなくなる場合が見られる。カンファーキノンの使用量が10重量%を超える場合には、透明な被着体を接着する場合に接着剤の着色が気になる場合が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、下記構造式のアミノ基含有アクリル単量体は
Figure 2009067814
(ここで、R1,R2は水素原子または炭素原子数1〜3個のアルキル基を表す。)
クロロスルホン化ポリエチレンとスチレンおよび/またはアクリル単量体との合計量100重量部に対し、好ましくは0.005〜10重量部、より好ましくは0.05〜8重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部使用されるのが望ましい。アミノ基含有アクリル単量体の使用量が0.005重量部未満の場合には、接着剤の硬化性が悪化し、十分な接着強度を示さなくなる場合が見られる。アミノ基含有アクリル単量体の使用量が10重量%を超える場合には、接着剤の硬化性が悪化し、硬化不良を起こしやすくなる傾向が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、下記構造式のバルビツール酸誘導体は
Figure 2009067814
(ここで、R3,R4,R5は、水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
クロロスルホン化ポリエチレンとスチレンおよび/またはアクリル単量体との合計量100重量部に対し、好ましくは0.005〜10重量部、より好ましくは0.05〜8重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部使用されるのが望ましい。バルビツール酸誘導体の使用量が0.005重量部未満の場合には、接着剤の硬化性が悪化し、十分な接着強度を示さなくなる場合が見られる。バルビツール酸誘導体の使用量が10重量%を超える場合には、接着剤のポットライフが短くなり、作業性が悪化する傾向が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で好ましく使用される下記構造式のヒンダードアミン化合物は、
Figure 2009067814
(ここで、R6は、水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を表す。)
クロロスルホン化ポリエチレンとスチレンおよび/またはアクリル単量体との合計量100重量部に対し、好ましくは0.005〜8重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部使用されるのが望ましい。ヒンダードアミン化合物の使用量が0.005重量部未満の場合には、接着剤の熱硬化性が悪化し可視光線に対し不透明な被着体同士の接着が十分に行えない場合がある。また、酸素の重合阻害の影響を受けやすくなる傾向が見られる。ヒンダードアミン化合物の使用量が8重量%を超える場合には、ヒンダードアミン化合物による重合抑制作用が強くなりすぎる傾向が見られ、接着剤が硬化しなくなる場合がある。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、例えば、以下のように製造することができる。
クロロスルホン化ポリエチレンの所定量をスチレンおよび/またはアクリル単量体に所定量溶解または膨潤、分散した後、所定量のカンファーキノン、アミノ基含有アクリル単量体および/またはバルビツール酸誘導体を添加、溶解して製造される。さらに望ましくは、ヒンダードアミン化合物の適正量を添加、溶解して配合する。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、例えば、以下のように接着製品を製造することができる。
(1)被着体が可視光線に対して透明である場合
(例えば、ポリカーボネートとポリカーボネートの接着の場合、ポリカーボネートと鉄などの可視光線に対して透明な物質と不透明な物質の接合の場合)
被着体に本発明の可視光硬化型接着剤組成物を塗布した後、被着体同士を貼り合わせ透明なポリカーボネート側を可視光線に露光することで接着製品を製造できる。
(2)被着体が可視光線に対して不透明である場合
(例えば、鉄と鉄の接着の場合、炭素繊維強化プラスチックとアルミニウム合金の接着の場合)
(この場合には、本発明の可視光硬化型接着剤組成物にヒンダードアミン化合物が使用されていることが望ましい。)
被着体に本発明の可視光硬化型接着剤組成物を塗布した後、接着剤を可視光に10秒〜30分間露光した後、被着体同士を貼り合わせ、室温〜100℃で、5〜60分間加熱またはエージングすることで接着製品を製造できる。
本発明では、接着剤を金属、プラスチックなどの被着体に膜厚が50μm〜5mm程度となるよう塗布した後、室温〜80℃程度で5〜60分程度接着剤を硬化させることにより、良好な接着部材を製造することができる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、好ましくは、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するラジカル重合性オリゴマーを使用することができる。一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するラジカル重合性オリゴマーは接着剤に適度な架橋構造を付与し、接着剤の強靱性を改善し、耐熱性を向上する作用が見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するラジカル重合性オリゴマーとしては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレートなどが例示される。ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジメタクリレート等のエポキシジ(メタ)クリレートの例としては、「NKエステル BPE−100」、「NKエステル BPE−200」(以上、新中村化学工業(株)の製品)、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレートなどの例としては、「アロニックスM−5700」、「アロニックスM−7100」(以上、東亞合成(株)の製品)などが例示される。本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、これらの一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するラジカル重合性オリゴマーは単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するラジカル重合性オリゴマーは、好ましくはアクリル単量体100重量%中の0.2〜50重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは2.0〜25重量%使用されるのが望ましい。ラジカル重合性オリゴマーの使用量が、アクリル単量体100重量%中の0.2〜50重量%であると、接着剤の強靱性が改善され、耐熱性も改善され、接着剤の保存安定性がよく、耐衝撃性がよい。
さらに、本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、ヌレ剤、浸透・湿潤剤等の塗料添加剤が好適に使用される。本発明の可視光硬化型接着剤組成物では、ヌレ剤として、好ましくは非フッ素系化合物であって0.1%水溶液の表面張力が20〜40mN/mの化合物であることが、より好ましくは非フッ素系化合物であって0.1%水溶液の表面張力が20〜38mN/mの化合物であることが、さらに好ましくは非フッ素系化合物であって0.1%水溶液の表面張力が20〜35mN/mの化合物であることが推奨される。本発明では、ヌレ剤が非フッ素系化合物であって0.1%水溶液の表面張力が20〜40mN/mの化合物であるとき、接着剤の被着体に対するヌレ性、浸透性が向上する傾向が見られ、より強い接着力が発揮される場合が多く見られる。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物で好ましく使用される非フッ素系化合物であって0.1%水溶液の表面張力が20〜40mN/mのヌレ剤としては、例えば、「サーフィノール104E」、「サーフィノール104H」、「サーフィノール104A」、「サーフィノール104DPM」、「サーフィノール420」、「サーフィノール440」、「ダイノール604」(以上、エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社の製品)などが例示される。本発明のラジカル硬化型接着剤組成物では、これらの非フッ素系化合物であって0.1%水溶液の表面張力が20〜40mN/mの化合物は単独で使用しても、2種類以上の混合物として使用してもよい。
本発明の可視光硬化型接着剤組成物は、さらに、接着剤の粘性調節(レオロジーコントロール)や強度向上その他の目的のために、シリカ、カーボンブラック、モンモリロナイト、ガラス繊維などの各種フィラー、液状ポリブタジエン、両末端アクリル化液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、液状両末端アクリル化アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、MBS樹脂などのポリマー、オリゴマー類を添加することも可能である。
以下に、本発明の一例を実施例によって説明する。なお、以下で説明する実施例中、接着剤の引張強度試験はASTM D638にしたがい、23℃と80℃で行った。また、引張剪断強度試験は、ASTM D1002にしたがい、接着剤の厚みを500μmとして23℃で行った。
実施例1〜3および比較例1は、被着体として、ポリエステルフィルム(東レ(株)製ルミラーT−60、フィルム厚み100μm)同士の接着を行った。実施例4〜6、および、比較例2は、被着体として、アルミニウム合金(JIS A−2017P)を使用した。
また、接着剤の硬化条件は、実施例1〜3および比較例1は、蛍光灯のついた室内で60分間硬化を行った。実施例4〜6および比較例2は、蛍光灯のついた室内で5分間放置した後、100℃で30分間硬化を行った。
実施例1
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)(23℃における25%重量トルエン溶液粘度は350mPa・s)(以下、「TS−340」とも言う)35g、スチレン(以下、Stとも言う)の重合禁止剤であるt−ブチルカテコール(以下、TBCとも言う)0.05gをスチレン(St)52gに溶解したのち、エポキシジメタクリレートオリゴマー「BPE−200」(新中村化学工業(株)の製品、2,2´−ビス〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン)5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAとも言う)8gを加え、さらに、カンファーキノン1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下、MLDAとも言う)1gを添加して、可視光硬化型接着剤(1)を製造した。
実施例2
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)35g、メタクリル酸メチル(以下、MMAとも言う)の重合禁止剤であるp−メトキシフェノール(以下、MEHQとも言う)0.05gをメタクリル酸メチル(MMA)55gに溶解したのち、トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TMPTAとも言う)2g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)8gを加え、さらに、カンファーキノン1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(MLDA)1gを添加して、可視光硬化型接着剤(2)を製造した。
実施例3
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)35g、メタクリル酸メチル(MMA)の重合禁止剤であるp−メトキシフェノール(MEHQ)0.05gをメタクリル酸メチル(MMA)55gに溶解したのち、トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TMPTAとも言う)2g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)8gを加え、さらに、カンファーキノン1g、1,3−ジメチルバルビツール酸(以下、DMBAとも言う)1gを添加して、可視光硬化型接着剤(3)を製造した。
実施例4
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)35g、メタクリル酸メチル(MMA)の重合禁止剤であるp−メトキシフェノール(MEHQ)0.05gをメタクリル酸メチル(MMA)55gに溶解したのち、トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TMPTAとも言う)2g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)8gを加え、さらに、カンファーキノン1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(MLDA)1g、「サノールLS−744」(三共ライフテック(株)(2007年7月現在、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)の製品、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)(以下、サノールLS−744とも言う)1gを添加して、可視光硬化型接着剤(4)を製造した。
実施例5
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)35g、メタクリル酸メチル(MMA)の重合禁止剤であるp−メトキシフェノール(MEHQ)0.05gをメタクリル酸メチル(MMA)44g、アクリル酸2−メトキシエチル(以下、MEAとも言う)11gに溶解したのち、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)2g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)8gを加え、さらに、カンファーキノン1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(MLDA)1g、「サノールLS−744」1gを添加して、可視光硬化型接着剤(5)を製造した。
実施例6
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)35g、メタクリル酸メチル(MMA)の重合禁止剤であるp−メトキシフェノール(MEHQ)0.05gをメタクリル酸テトラヒドロフルフリル(以下、THFMAとも言う)44g、アクリル酸2−メトキシエチル(以下、MEAとも言う)11gに溶解したのち、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)2g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)8gを加え、さらに、カンファーキノン1g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(MLDA)1g、「サノールLS−744」1gを添加して、可視光硬化型接着剤(6)を製造した。
比較例1
実施例1において、カンファーキノンを配合しない以外は実施例1と同様にして、可視光硬化型接着剤(7)を製造した。
比較例2
クロロスルホン化ポリエチレン「TOSO−CSM TS−340」(東ソー(株)の製品)35g、t−ブチルカテコール(TBC)0.05gをスチレン(St)52gに溶解したのち、エポキシジメタクリレートオリゴマー「BPE−200」(新中村化学工業(株)の製品)5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)8gを加え、さらに、N,N−ジメチル−p−トルイジン(以下、DMPTとも言う)2gを添加して、接着剤主剤(7)を製造した。
接着剤主剤(7)102.05gに硬化剤の過酸化ベンゾイル(以下、BPOとも言う)2gを混合し、可視光硬化型接着剤(8)を製造した。
実施例、比較例の可視光硬化型接着剤の組成一覧を表1に、試験結果を表2に示した。
Figure 2009067814
Figure 2009067814
1. 接着剤1は、クロロスルホン化ポリエチレンと相溶性のよいスチレンが使用されているため、大きい伸び率を示した。
2. 接着剤2は、硬化性のよいメタクリル酸メチルが使用されているため、引張応力が高くなり、バランスのとれた接着剤となった。接着剤3は、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(MLDA)に変え、1,3−ジメチルバルビツール酸(DMBA)が使用されている。接着剤2同様、バランスがとれた接着剤となった。
3. 接着剤4は、接着剤2に加え、さらに、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(サノールLS−744)が使用されている。空気による硬化阻害がより回避され、硬化性がいっそう改善されて耐熱性、引張剪断強度が向上した。
4. 接着剤5、接着剤6は、アクリル単量体としてアクリル酸2−メトキシエチル(MEA)が用いられており、硬化剤として、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(サノールLS−744)が併用されている。応力、伸び率、接着力ともにバランスがとれて良好な値を示した。
5. 接着剤7は、接着剤が硬化しなかったため試験を行うことができなかった。接着剤8は空気による硬化阻害の影響を受け硬化が不十分で全ての試験を行うことができなかった。

Claims (5)

  1. クロロスルホン化ポリエチレン、スチレンおよび/またはアクリル単量体、
    下記構造式のカンファーキノン、および
    Figure 2009067814
    下記構造式のアミノ基含有アクリル単量体、
    Figure 2009067814
    (ここで、R1,R2は、水素原子または炭素原子数1〜3個のアルキル基を表す。)
    または、下記構造式のバルビツール酸誘導体、
    Figure 2009067814
    (ここで、R3,R4,R5は、水素原子または炭素原子数1〜4個のアルキル基を表す。)
    を含む可視光硬化型接着剤組成物。
  2. クロロスルホン化ポリエチレンが、23℃における25重量%トルエン溶液粘度が200〜2000mPa・sを有するものである請求項1に記載の可視光硬化型接着剤組成物。
  3. 可視光硬化型接着剤組成物が、さらに下記構造式のヒンダードアミン化合物を含む請求項1または2に記載の可視光硬化型接着剤組成物。
    Figure 2009067814
    (ここで、R6は、水素原子または炭素原子数1〜6個のアルキル基を表す。)
  4. アクリル単量体が、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸テトラヒドロフルフリルを含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の可視光硬化型接着剤組成物。
  5. 接着剤組成物が、さらに、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するラジカル重合性オリゴマーを含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の可視光硬化型接着剤組成物。
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