JP2799893B2 - 形状異方性軟磁性合金粉末 - Google Patents
形状異方性軟磁性合金粉末Info
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- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,高い磁化を有するFeを主成分とする金属粉
末を通常の機械的粉砕法により粉砕し,しかも粉末に形
状異方性を付与する事により,特定の方向にのみ軟磁性
特性が向上した,しかも耐食性に優れた形状異方性軟磁
性合金粉末に関するものである。
末を通常の機械的粉砕法により粉砕し,しかも粉末に形
状異方性を付与する事により,特定の方向にのみ軟磁性
特性が向上した,しかも耐食性に優れた形状異方性軟磁
性合金粉末に関するものである。
[従来の技術] 従来,安価にして高い磁化を有する鉄(Fe)は,磁性
材料においては最も重要な物質となっている。一般に,F
eを多量に含有する金属は磁化が容易である軟磁性をし
めす。これら鉄を主成分とする軟磁性合金は,塊状や板
状で使用される事が通例となっていた。
材料においては最も重要な物質となっている。一般に,F
eを多量に含有する金属は磁化が容易である軟磁性をし
めす。これら鉄を主成分とする軟磁性合金は,塊状や板
状で使用される事が通例となっていた。
しかしながら,近年形状が容易に選択できる軟磁性粉
末を使用した成形,塗布等の手法が活用されている。
末を使用した成形,塗布等の手法が活用されている。
一般に,磁性粉末は金属の占める割合が少なくなるた
めに,単位体積当りの磁化量が小さくなる傾向となる。
それに加えて,粒状化にともない反磁界の影響も大きく
なり,磁化特性が低下する傾向となる。
めに,単位体積当りの磁化量が小さくなる傾向となる。
それに加えて,粒状化にともない反磁界の影響も大きく
なり,磁化特性が低下する傾向となる。
これらの負の減少を軽減するためには,磁性粉末に形
状異方性を付与し,特定の方向にのみ磁化を容易にする
方法が有用となる。
状異方性を付与し,特定の方向にのみ磁化を容易にする
方法が有用となる。
[発明が解決しようとする課題] 一般に,Feを主成分とする軟磁性合金は,粘く,通常
の機械的粉砕法では,粉末化することができないとされ
てきた。そのため,溶湯噴霧法により合金粒子を得る方
法や,液体急冷法により薄帯を製造した後粉砕し合金粉
末とする方法が,Feを多量に含有する金属粉末の一般的
に製法とされている。
の機械的粉砕法では,粉末化することができないとされ
てきた。そのため,溶湯噴霧法により合金粒子を得る方
法や,液体急冷法により薄帯を製造した後粉砕し合金粉
末とする方法が,Feを多量に含有する金属粉末の一般的
に製法とされている。
しかしながら,この製法は高価な設備を導入する必要
がある事,処理量が少ない事,安定した製造条件が狭い
事などの工業的な不利益も多い。
がある事,処理量が少ない事,安定した製造条件が狭い
事などの工業的な不利益も多い。
又,一般にFe系合金粉末は,粒径の減少とともに比表
面積が増大し,耐食性が著しく劣化する傾向にある。
面積が増大し,耐食性が著しく劣化する傾向にある。
そこで,本発明の技術的課題は,これら製造上の欠点
を除去するために,旧来より実施され,技術的には殆ど
確立したとされるインゴットの製造と機械的粉砕によ
り,Feを主成分とした合成粉末を得るもので,安価な設
備を使用し,安定した製造状態で,Feを主成分とし,耐
食性に優れた,形状異方性軟磁性合金粉末を提供する事
にある。
を除去するために,旧来より実施され,技術的には殆ど
確立したとされるインゴットの製造と機械的粉砕によ
り,Feを主成分とした合成粉末を得るもので,安価な設
備を使用し,安定した製造状態で,Feを主成分とし,耐
食性に優れた,形状異方性軟磁性合金粉末を提供する事
にある。
[課題を解決するための手段] 本発明は,旧来使用されている一般的な製造設備を使
用して,Feを主成分とする形状異方性を有する軟磁性合
金粉末を安価にして安定的に製造できるように構成した
もので,通常の溶解法で製造された合金インゴットを,
一般的に粉砕に使用されている設備を使用して製造でき
るようにFe系合金の組成を調整するものであり,SiをXwt
%,CrをYwt%(X,Yは,5≦X<23,0<Y≦36で,X+Y/2≦
23となる範囲。但し,X≠23,Y≠0は含まない)残部が実
質的にFeからなる強磁性粉末であって,各粉末粒子は板
状粒子で,その板面に平行な一方向に磁化容易軸を有す
ることを特徴とする。
用して,Feを主成分とする形状異方性を有する軟磁性合
金粉末を安価にして安定的に製造できるように構成した
もので,通常の溶解法で製造された合金インゴットを,
一般的に粉砕に使用されている設備を使用して製造でき
るようにFe系合金の組成を調整するものであり,SiをXwt
%,CrをYwt%(X,Yは,5≦X<23,0<Y≦36で,X+Y/2≦
23となる範囲。但し,X≠23,Y≠0は含まない)残部が実
質的にFeからなる強磁性粉末であって,各粉末粒子は板
状粒子で,その板面に平行な一方向に磁化容易軸を有す
ることを特徴とする。
一般に,Fe系合金は一部の合金(例えばFe−Co系)を
除き,Feの含有量が多いほど高い磁化を有する傾向にあ
る。従って,安価にして,高い磁化特性を示す金属材料
は高Fe側で実現される事になり,工業上極めて有用な機
能性材料となっている。そこで本発明では,強磁性粉末
を提供する事が目的であるので,4πIs5KG以上の特性を
有する事を条件として設定した。
除き,Feの含有量が多いほど高い磁化を有する傾向にあ
る。従って,安価にして,高い磁化特性を示す金属材料
は高Fe側で実現される事になり,工業上極めて有用な機
能性材料となっている。そこで本発明では,強磁性粉末
を提供する事が目的であるので,4πIs5KG以上の特性を
有する事を条件として設定した。
本発明ではFe中にSiをXwt%,CrをYwt%(X,Yは,5≦X
<23,0<Y≦36で,X+Y/2≦23となる範囲内。但し,X=2
3,Y=0は含まない)含有した合金を旧来から使用され
ている粉砕設備で粉砕する事により,形状異方性を有す
る軟磁性合金粉末を安価にして,安定的に製造できるよ
うにしたものである。
<23,0<Y≦36で,X+Y/2≦23となる範囲内。但し,X=2
3,Y=0は含まない)含有した合金を旧来から使用され
ている粉砕設備で粉砕する事により,形状異方性を有す
る軟磁性合金粉末を安価にして,安定的に製造できるよ
うにしたものである。
ここで,本発明において,Fe中のSi含有量を5wt%以上
(5wt%を含む)としたのは,これ以下では合金インゴ
ットが粘く,ジョークラッシャー等による一般的な機械
的粗粉砕機の粉砕が不可能であったり困難となるからで
ある。
(5wt%を含む)としたのは,これ以下では合金インゴ
ットが粘く,ジョークラッシャー等による一般的な機械
的粗粉砕機の粉砕が不可能であったり困難となるからで
ある。
一方,Fe中のSi含有量を23wt%以下(23wt%を含む)
としたのは,これ以上の領域では,Cr含有量を0wt%とし
ても,合金粉末の磁化が5KG以下となり,Fe系合金の特徴
である高磁化特性が,著しく減少する状態となるからで
ある。
としたのは,これ以上の領域では,Cr含有量を0wt%とし
ても,合金粉末の磁化が5KG以下となり,Fe系合金の特徴
である高磁化特性が,著しく減少する状態となるからで
ある。
又,本発明において,Cr量を0〜36wt%(0は含まな
い)とし,Si量とCr量との半分との和を23wt%以下(Si
wt%+1/2Cr wt%≦23)としたのは,Si量が5〜23wt%
の範囲で,Cr量が36wt%を超えるか,或いはSi wt%+1/
2Cr wt%が23を超えると,合金粉末の磁化5KG以上が達
成できないからである。
い)とし,Si量とCr量との半分との和を23wt%以下(Si
wt%+1/2Cr wt%≦23)としたのは,Si量が5〜23wt%
の範囲で,Cr量が36wt%を超えるか,或いはSi wt%+1/
2Cr wt%が23を超えると,合金粉末の磁化5KG以上が達
成できないからである。
又,粉末の形状異方性化は主に,ジョークラッシャー
等による組粉砕した粉末を,ボールミル等で,比較的小
さい機械的応力を繰返し加えていく工程で実現される。
ここで得られた形状異方性粉末形状は,一般には板状と
なっており,反磁界の関係で板面方向が磁化容易方向と
なる。この形状異方性化は粒子の長径/短径(寸法比)
が1(球状)でなければ発生するものであり,本発明に
おいては,板状粒子の厚さが約0.01〜1000μm,直径が約
1〜5000μmの範囲で調整が容易に実施できる。一般的
な傾向として,偏平度の向上した粒子は,板状粒子の直
径が数10μmで,厚さが1μm前後で実現される事が多
い。
等による組粉砕した粉末を,ボールミル等で,比較的小
さい機械的応力を繰返し加えていく工程で実現される。
ここで得られた形状異方性粉末形状は,一般には板状と
なっており,反磁界の関係で板面方向が磁化容易方向と
なる。この形状異方性化は粒子の長径/短径(寸法比)
が1(球状)でなければ発生するものであり,本発明に
おいては,板状粒子の厚さが約0.01〜1000μm,直径が約
1〜5000μmの範囲で調整が容易に実施できる。一般的
な傾向として,偏平度の向上した粒子は,板状粒子の直
径が数10μmで,厚さが1μm前後で実現される事が多
い。
尚,後述の本発明の実施例では,ジョークラッシャー
と回転ボールミルによる粉砕・偏平化についてのみ述べ
ているが,旧来からの粉砕機として知られているハンマ
ーミル・スタンプミル・ロールミル等による粉砕や,振
動ミル・遠心ミル・遊星ミル等のボールによるエネルギ
ー伝達で粉砕する機種での工程を付加したり,代替して
も本発明の合金組成の効果が表れる事は自明の理であ
る。
と回転ボールミルによる粉砕・偏平化についてのみ述べ
ているが,旧来からの粉砕機として知られているハンマ
ーミル・スタンプミル・ロールミル等による粉砕や,振
動ミル・遠心ミル・遊星ミル等のボールによるエネルギ
ー伝達で粉砕する機種での工程を付加したり,代替して
も本発明の合金組成の効果が表れる事は自明の理であ
る。
[実施例] 次に,本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
る。
実施例1 純度が99.8%以上の鉄(Fe)及びケイ素(Si)及びク
ロム(Cr)を使用し,アルゴン雰囲気中で,高周波加熱
により,Siが3,4,5,6,8,10,15,20,25wt%,Crが1,3,5,7,1
0,15,20,25,30,35wt%で,残部のFeの厚さ約20mmのイン
ゴット90種類を作成した。
ロム(Cr)を使用し,アルゴン雰囲気中で,高周波加熱
により,Siが3,4,5,6,8,10,15,20,25wt%,Crが1,3,5,7,1
0,15,20,25,30,35wt%で,残部のFeの厚さ約20mmのイン
ゴット90種類を作成した。
次に,これらインゴットをハンマーを用いて,最大長
辺が約10cm以下になるように破砕した。
辺が約10cm以下になるように破砕した。
次に,これらインゴットの破砕片を用いて,市販され
ているジョークラッシャー(1HP)による粉砕を実施し
た。尚インゴット破砕片は1個ずつ投入した。
ているジョークラッシャー(1HP)による粉砕を実施し
た。尚インゴット破砕片は1個ずつ投入した。
その結果,第1表に示す粉末が得られた。表中,×印
はインゴットの粉砕が不可能であり,△印は粉砕が不可
能ではないが困難な状況と判断され,○印は粉砕が充分
に可能な状況と判断でき,◎印は容易に粉砕でき, は著しく容易に粉砕できる状況を示している。
はインゴットの粉砕が不可能であり,△印は粉砕が不可
能ではないが困難な状況と判断され,○印は粉砕が充分
に可能な状況と判断でき,◎印は容易に粉砕でき, は著しく容易に粉砕できる状況を示している。
第1表から,Fe−Si合金で,Siを5wt%以上含有させる
事により,市販されている通常の粉砕機によっても,粉
砕が可能となる事が判明した。
事により,市販されている通常の粉砕機によっても,粉
砕が可能となる事が判明した。
実施例2 実施例1で得られた,Siが5,10,15,20wt%,Crが5,10,1
5,20,25,30,35wt%残部Feの28種類の粗粉砕粉末をそれ
ぞれ1mm以下に分級した。
5,20,25,30,35wt%残部Feの28種類の粗粉砕粉末をそれ
ぞれ1mm以下に分級した。
次にこれら粉末をステンレスボール及びエタノールを
用いて湿式でボールミル粉砕した。ここで,ステンレス
ボール径及び回転数,運転時間を変化させる事により,
平均直径が約30〜50μm,平均の厚さが3〜5μmで,直
径/厚さの平均が約7〜13の板状粒子からなる合金粉末
を各々得た。
用いて湿式でボールミル粉砕した。ここで,ステンレス
ボール径及び回転数,運転時間を変化させる事により,
平均直径が約30〜50μm,平均の厚さが3〜5μmで,直
径/厚さの平均が約7〜13の板状粒子からなる合金粉末
を各々得た。
次にこれら粒子に対し,液状のエポキシ樹脂を2wt%
混合した後,金型を使用して,約500kg/mm2の圧力で一
方向に加圧圧縮して一辺約13mmの立方体の圧粉体を得
た。
混合した後,金型を使用して,約500kg/mm2の圧力で一
方向に加圧圧縮して一辺約13mmの立方体の圧粉体を得
た。
この圧粉体について,粉末の圧縮方向と平行な方向及
びそれと直交する方向の磁気特性を測定した。
びそれと直交する方向の磁気特性を測定した。
その結果を第1図に示す。図中4πlsは,粉末の占績
率を100%に換算した値である。又,粉末の圧縮方向に
よる磁化特性は,粉末圧縮方向と平行な方向に比べ,そ
れと直交する方向は,磁化曲線の立上がりが急峻であ
り,IHCも低い値を示している。これは,粉末圧縮方向と
直交する方向が磁化容易となっている事を示している。
率を100%に換算した値である。又,粉末の圧縮方向に
よる磁化特性は,粉末圧縮方向と平行な方向に比べ,そ
れと直交する方向は,磁化曲線の立上がりが急峻であ
り,IHCも低い値を示している。これは,粉末圧縮方向と
直交する方向が磁化容易となっている事を示している。
この圧粉体の断面を顕微鏡にて観察したところ,粉末
圧縮方向と直交する方向に,板状合金粒子の長軸がそろ
った積層状態となっていた。
圧縮方向と直交する方向に,板状合金粒子の長軸がそろ
った積層状態となっていた。
したがって,圧粉体の磁化異方性特性は,粉末の形状
による磁化容易特性に起因している事がわかる。
による磁化容易特性に起因している事がわかる。
第2図に,4πls値を試料のSi量及びCr量に対する,磁
気特性の等高線図として示した。図より4πls≧5KG以
上が,Si+1/2Cr≦23の範囲で達成されることが判明し
た。
気特性の等高線図として示した。図より4πls≧5KG以
上が,Si+1/2Cr≦23の範囲で達成されることが判明し
た。
実施例3 実施例1で得られたSiが5,20wt%,Crが1,3,5,10,15,2
0wt%残部Feの微粉砕粉末及び,比較用にSiが5,20wt%,
Crが0wt%で残部Feの合金を,実施例2と同様の方法で
微粉砕した粉末を,温度80℃,湿度95%の恒温・恒湿の
環境下で1000時間保持し,粉末の磁気特性の変化を測定
した。磁気特性の測定は,実施例2と同様に,エポキシ
樹脂を混合後圧縮成形し,この圧粉体について加圧方向
と直交する方向の磁気特性を測定した。
0wt%残部Feの微粉砕粉末及び,比較用にSiが5,20wt%,
Crが0wt%で残部Feの合金を,実施例2と同様の方法で
微粉砕した粉末を,温度80℃,湿度95%の恒温・恒湿の
環境下で1000時間保持し,粉末の磁気特性の変化を測定
した。磁気特性の測定は,実施例2と同様に,エポキシ
樹脂を混合後圧縮成形し,この圧粉体について加圧方向
と直交する方向の磁気特性を測定した。
その結果を,第3図に示す。第3図において,Crを添
加しない粉末は,1000時間保持により,4πlsの減少が著
しく,明らかに酸化による磁気特性の劣化が見られる
が,Crを添加することにより,1000時間保持後の磁気特性
の劣化が顕著に改善されている。
加しない粉末は,1000時間保持により,4πlsの減少が著
しく,明らかに酸化による磁気特性の劣化が見られる
が,Crを添加することにより,1000時間保持後の磁気特性
の劣化が顕著に改善されている。
この結果より,本合金粉末が著しく耐食性に優れたも
のであることがわかる。
のであることがわかる。
[発明の効果] 以上説明したように,本発明の形状異方性軟磁性合金
粉末の製造によれば,安価な設備を使用し,安定した製
造状態で,Feを主成分とした耐食性に優れた形状異方性
軟磁性合金粉末を提供することができる。
粉末の製造によれば,安価な設備を使用し,安定した製
造状態で,Feを主成分とした耐食性に優れた形状異方性
軟磁性合金粉末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例1における,Fe−Si−Cr合金粉末のCr含
有量と磁気特性(4πls,IHC)の関係を示す図である。
図中の実線は,加圧方向と垂直な方向での測定値を示
し,破線は加圧方向と水平な方向での測定値を示してい
る。 図中の各印はそれぞれ, を示している。 又IHCについては,代表値として5wt%Si,5〜35wt%Cr,
残部Fe,及び15wt%Si,5〜25wt%Cr,残部Feの測定値だけ
を示した。 第2図は,実施例1における,Fe−Si−Cr合金粉末のSi
含有量とCr含有量に対する,磁気特性(4πls)の等高
線を示す図である。図中の は,測定した試料の組成点を示しており,添字は測定値
(4πls)を示す。図中の実線は,4πls=5KGの等高線
を示し,一点鎖線は,4πls=10KGの等高線を示してい
る。 第3図は実施例2における,Fe−Si−Cr合金粉末の恒温
・恒湿1000時間保持後のCr量と磁気特性(4πls)変化
の関係を示す図である。 図中の各印はそれぞれ, を示している。
有量と磁気特性(4πls,IHC)の関係を示す図である。
図中の実線は,加圧方向と垂直な方向での測定値を示
し,破線は加圧方向と水平な方向での測定値を示してい
る。 図中の各印はそれぞれ, を示している。 又IHCについては,代表値として5wt%Si,5〜35wt%Cr,
残部Fe,及び15wt%Si,5〜25wt%Cr,残部Feの測定値だけ
を示した。 第2図は,実施例1における,Fe−Si−Cr合金粉末のSi
含有量とCr含有量に対する,磁気特性(4πls)の等高
線を示す図である。図中の は,測定した試料の組成点を示しており,添字は測定値
(4πls)を示す。図中の実線は,4πls=5KGの等高線
を示し,一点鎖線は,4πls=10KGの等高線を示してい
る。 第3図は実施例2における,Fe−Si−Cr合金粉末の恒温
・恒湿1000時間保持後のCr量と磁気特性(4πls)変化
の関係を示す図である。 図中の各印はそれぞれ, を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−39509(JP,A) 特開 平1−139702(JP,A) 特開 平1−269208(JP,A) 特開 昭55−61006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/20
Claims (1)
- 【請求項1】SiをXwt%,CrをYwt%(但し,5≦X<23,0
<Y≦36でX+Y/2≦23となる範囲内であって,X≠23,Y
≠0),残部が実質的にFeからなる強磁性粉末であっ
て, 各粉末粒子は板状の粒子で,その板面に平行な一方向に
磁化容易軸を有することを特徴とする形状異方性軟磁性
合金粉末。
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JP1338596A JP2799893B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 形状異方性軟磁性合金粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1338596A JP2799893B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 形状異方性軟磁性合金粉末 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH03201415A JPH03201415A (ja) | 1991-09-03 |
JP2799893B2 true JP2799893B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=18319662
Family Applications (1)
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-
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- 1989-12-28 JP JP1338596A patent/JP2799893B2/ja not_active Expired - Lifetime
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