JP2816362B2 - 磁気シールド用粉末、磁気シールド材及び粉末製造法 - Google Patents

磁気シールド用粉末、磁気シールド材及び粉末製造法

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JP2816362B2 JP62326894A JP32689487A JP2816362B2 JP 2816362 B2 JP2816362 B2 JP 2816362B2 JP 62326894 A JP62326894 A JP 62326894A JP 32689487 A JP32689487 A JP 32689487A JP 2816362 B2 JP2816362 B2 JP 2816362B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は磁気シールド用軟磁性粉末とそれを用いた磁
気シールド材、及び前記軟磁性粉末の製造法に関し、特
に特定方向の磁界に対して大きいシールド効果を有する
扁平なアモルファス合金軟磁性粉末及びそれを用いた方
向性磁気シールド材及びかかるアモルファス合金軟磁性
粉末の製造方法に関する。 (従来技術とその問題点) 磁化物体その他の磁界発生源が他の物体や電気回路等
に影響を生じないようにするために磁気シールド材が用
いられている。磁気シールド材料には高透磁率の金属板
がシールド特性からは望ましいが用途が著しく制限され
る。粉末材料の場合にはこれを有機バインダーに分散し
て塗料の形でシールドの必要な個所に塗布したり、或い
は適当な可撓性支持体などに塗布してシールド板とした
り、様々な利用が可能なので都合が良い。 高透磁率の粉末を用いた磁気シールド材には各種の提
案がなされている。例えば特開昭58-59268号には高透磁
率合金の扁平粉を高分子化合物結合剤中に混合した磁気
シールド塗料が、又特開昭59-201493号には軟磁性アモ
ルファス合金を粉砕した扁平粉を高分子化合物結合剤中
に混合した磁気シールド塗料が示されている。 これらの扁平粉を用いた磁気シールド材は厚さ方向に
垂直な平面内で等方的なシールド特性を有している。ま
た特開昭59-201493号に示されるような合金扁平粉は、
遷移金属−半金属(メタロイド)系の合金を高温溶融状
態から冷ロール表面に接触させて高速急冷した薄帯を粉
砕して得た粉末を用いるけれども、薄帯の厚さの限界は
10μmであり、通常10〜50μm程度のものしか得られ
ず、これを粉砕して鱗片状の粉末にしても薄帯の厚さは
変わらないから、この粉末から磁気シールド塗膜を製造
してもシールド特性が非常に悪い。アモルファス合金自
体の磁気特性は非常に良いけれども、このような鱗片状
の粉末ではその磁気特性は充分に生かされない。 高速急冷した合金を粉砕して鱗片状にする方法は特開
昭58-197205号にその1例が示されている。しかしその
粉砕方法は従来公知のスタンプミル、乾式ボールミル、
湿式ボールミル、アトライター、振動ミルのいずれかを
用いるものである。また特開昭60-401号にはシート、リ
ボン、テープ、ワイヤ状の高速急冷アモルファス合金を
ガラス転移点以下の温度で脆化し、次いで粉砕する方法
を示しているが用いられる手段はロッドミル、ボールミ
ル、衝撃ミル、ディスクミル、スタンプミル、クラッシ
ャー、ロールである。しかし、これらの粉砕手段ではシ
ート、リボン等最小厚さ寸法以下に粉砕することはでき
ないし、また等方性の鱗片粉が得られるに過ぎないので
ある。これは従来の粉砕方法では合金の劈開の可能性は
なく、また圧延によって薄い膜を得ることもきわめて困
難であったからである。このような比較的大きい粉末は
塗料化しても均一塗布が難しく、また塗布して得た磁気
シールドは磁気的な均一性に欠け、磁界の大きな漏れを
生じる。 磁気シールドにより遮蔽すべき磁界は等方性の場合も
あるが特定の方向に強いことも多く、かかる場合にはこ
の特定方向への磁気遮蔽効果を特に大きく設計したい
が、従来の鱗片状粉末を用いて塗布時に磁気配向しても
ほとんど効果がない。 アモルファス合金で、従来最も広く用いられているも
のの1つである振動ボールを用い、粉末の平均外径(本
明細書では後で定義するD50を用いる)と粉砕時間の関
係を見ると、(1)時間とともに平均外径D50は減少す
る。条件によりある程度のバラツキがあるが1〜30μm
位に落ちつき、それ以上粉砕は進まない。(2)粉砕に
より形状は当初扁平であるが時間ともに粒状化して来
る。(3)粉砕には2つの段階が観察され、第1段階で
はアモルファスリボンが粉砕されるが厚さ方向にはほと
んど粉砕されないため平均外径50μm〜数mm、厚さ10〜
50μの扁平粉となり、第2段階では扁平粉がさらに粉砕
されて不均一、不規則な粒状形となる。従来扁平粉と呼
ばれるのはこの第一段階のもので、上記公知例でも同様
である。しかしながら、このように厚さ10〜50μmと厚
いものは塗料化できない。一方、前記第2段階の最も小
さな数μm径のものになると塗料として使用できるが、
等方性のためシールド特性が悪くなる。 他の大きな問題は磁気シールドの耐食性である。従来
の金属又は合金を用いるシールド材は高温又は(及び)
高湿下で使用されると錆を生じることが多い。したがっ
て、耐食性の高い磁気シールド材の提供が待望されてい
る。 (発明の目的) 本発明の目的は、磁気シールド性と耐食性の良い磁気
シールド材、そのための扁平磁性粉末とその製造方法を
提供することにある。 本発明の他の目的は、扁平磁性粉末を均一に分散した
磁気シールド材、そのための扁平軟磁性粉末、及びその
製造方法を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、磁気シールド特性に方向
性がある磁気シールド材及びそのための扁平軟磁性粉末
を提供することである。 (発明の概要) 本発明は、at%で表わした合金組成がFeuCrxy(S
i、B)w(ただし、MはNb、Mo及びNiより選ばれた少な
くとも1種、x=2〜10、y=0〜10、x+y=3〜1
0、w=18〜38、uは残部at%)であり、粒子の平均厚
さ0.01〜1μm、平均外径/平均厚さ比10〜10000のア
モルファス軟磁性合金粒子よりなる磁気シールド用粉
末、この粉末を用いて磁気配向してなる磁気シールド
材、及び上記合金組成よりなる合金原料を、内外円筒の
対抗面に多数のピンがそれぞれ植立され且つ粉末媒体と
してビーズが充填された高剪断力ミルを用いて高い剪断
作用を所定時間加えることよりなる、粒子の平均厚さ0.
01〜0.7μm未満、平均外径/平均厚さ比10〜10000のア
モルファス軟磁性合金粒子よりなる磁気シールド用粉末
の製造法である。また場合により、シールド特性に支障
のない範囲でMの一部を少量のTi、V、W、Ta、Mn、Co
で置換しても良く、またSi、Bの一部が少量のP、Cで
置換されても良い。本発明のアモルファス粉末は粉末で
の最大透磁率μmが20以上も可能である。上記の組成の
粉末から製造したシールド材は、優れたシールド効果を
有するとともに、耐食性にすぐれているので耐食性の必
要な例えば高温或いは高湿下にも十分に使用に耐える。 本発明の方法は、上記組成の合金原料を高速急冷方法
により製造し、粗粉砕し、次いで内外円筒の対抗面に多
数のピンがそれぞれ植立され且つ粉砕媒体としてビーズ
が充填された高剪断力ミル(媒体撹拌ミル)を用いて高
い剪断作用を、粒子の平均厚さ0.01〜1μm、平均外径
/平均厚さ比10〜10000のアモルファス軟磁性合金粒子
が得られるまで加えて粉砕することを特徴とする。ここ
に高剪断力ミルは特開昭61-259739号などに記載されて
いる。粉砕条件により粒子の平面外形の平均長軸/短軸
比が1.2以上のものが容易に得られる。 本発明の磁気シールド材は、上記の粉末を樹脂等の結
合剤中に一様に分散して成るものである。好ましくは、
この配合物を板または膜状に成形し、或いは所定個所に
塗布する際に配向磁界をかけ、或いは機械配向すること
により、方向性の高い磁気シールド材とすることができ
る。 本発明によると、粉末が扁平かつ微細であるから樹脂
等の結合剤中の均一に分散したとき磁気シールド効果の
場所的にバラツキがないし、また磁気シールド効果もよ
い。平均厚さの10倍以上の平均外径を有する磁性粉末を
用いるため、磁性粉分散体を成膜するときに自然に面内
異方性が生じ、膜面に垂直な方向へのシールド効果が高
くなる。さらに、磁気配向を行えば本発明の磁性粉末は
大きい配向能力を有するから方向性が必要な場合に特に
効果的なシールド材を提供できる。 本発明の重要な他の利益は、耐食性が良く、高温(又
は)高湿下の長期の使用においても錆び等の腐蝕現象が
生じないことである。 (発明の具体的な説明) 本発明はアモルファス軟磁性合金を用いて扁平粒子よ
り成る粉末及びそれを利用した磁気シールド材を提供す
る。 合金組成 アモルファス合金は高速急冷法により製造されるリボ
ン、鱗片、シートその他の形状のものから粉砕して得ら
れるものである。又、水アトマイズ法により作成された
アモルファス合金粉も同様に用いることが出来る。本発
明で使用するアモルファス合金の組成としては強磁性遷
移金属であるFeと半金属であるSi,Bを主成分とし必須の
添加成分としてCrを含有させる。必要に応じて更にFeの
一部をM(ここにMは10at%以下のNb、Ti、V、W、T
a、Mo、Mn、Co、Niより選ばれた少なくとも1種であ
る)で置換しても良く、また半金属の一部をC、Pで置
換しても良い。 より具体的に述べると、このような合金はat%で表わ
した合金組成がFeuCrxy(Si,B,X)w(ただしMはNb、
Ti、V、W、Ta、Mo、Mn、Co、Niより選ばれた少なくと
も1種、x=2〜10、y=0〜10、x+y=3〜10、w
=18〜38好ましくは20〜25、uは残部、XはSi,Bの少な
くとも一部と置換しても良いP、Cの少なくとも一種)
である。上記において、Siの量は半金属全量に対して0
〜80at%、好ましくは40〜75at%の量で含有する。上記
において、Z=FeuCrxyとしたとき、Z−B−Si系合
金が特に好ましく、この系統を三角組成図で表わしたと
き、第1図に○×で示した試験点のうち、○で示したも
のがアモルファス軟磁性合金となるものでこれらを含む
領域にある組成を用いることができる。なお、Si,Bのう
ちの一部はC、Pで置換しても同様の結果を生じる。こ
のうち点5、6、7、8の上側の部分は高速急冷法で機
械的に強じんなアモルファス合金を生成する領域である
から、粉砕に先立って磁性を損なわない範囲の高温に加
熱して脆化を行なう。しかしこの場合には粉砕コストが
高くなる欠点がある。したがってコストの低下が要求さ
れる場合には、このような領域外の点5、6、7、8を
結ぶ線と点1、2、3、4を結ぶ線との間の領域のアモ
ルファス合金は脆く粉砕しやすいことが分かった。これ
を数値で示すと、第1図の3角組成図のZ、B、Siの座
標点(Z、B、Si)で表わして好ましい範囲は1(63、
32、5)、2(62、23、15)、3(63、15、22)、4
(68、5、27)、5(80、5、15)、6(77、7、1
6)、7(75、13、12)、及び8(77、18、5)を順に
結んだ範囲内となる。ただし数値はat%である。Feの一
部をCrで置換したので粉砕性が上がるだけでなく耐食性
が向上する。またMとしてNb及び(又は)Moを用いた場
合にも脆化及び耐食性の向上に良い影響がある。 ここに数値範囲について説明すると、Crは耐食性と脆
さを向上させる因子として重要であり、x=2より小さ
いと耐食性が充分に向上しない。Mは合金の本質を変え
るわけではないが、必要に応じて添加可能であるが、10
%を超えると飽和磁束を低下するおそれがある。ただし
MとしてNb及び(又は)Moを1%以上用いると脆化性及
び耐食性が更に向上する。x+yが10を超えると飽和磁
束Bsが小さくなる。w=18〜38は非晶質形成域であり、
そのうち、特に第1図の点1〜8の範囲である。この領
域から得た合金の磁気シールド特性は申し分のないこと
が分った。なお、脆さはアモルファス薄帯を一定厚に形
成し、それを直径xの棒の周りに曲げたときに薄帯が折
れるときのxで表わした。図の線5−6−7−8の部分
で0mmに近く、また線1−2−3−4のところで約5mmで
あった。 本発明のアモルファス合金は従来公知の任意の高速急
冷法によって製造しうる。このような製造方法の例は特
公昭61-4302号などに記載されている。例えば所定の合
金組成のインゴットを高温で溶融し、それを回転してい
る銅製単ロールなどに吹きつけて高速冷却し、得られた
薄帯または鱗片状体を粗粉砕して粗大粒子とする。又、
同様に水アトマイズ法により作成したアモルファス合金
粉も同様に用いることが出来る。 粗粉砕は公知の任意の方法で行って良く、平均外径数
μm〜約50μm直径の粒状粉あるいは水アトマイズ法等
公知の粉末製造法により作った同様寸法の粉末を用い
る。 粉砕工程 高速急冷合金は次いで粉砕処理にかけられる。しかし
ながら、上に引用した公知の粉砕材を用いた粉砕では、
高速急冷で得た薄帯や鱗片の厚さ以下に粉砕することは
不可能であり、より小さい粒子径の粉末が得られたとし
てもその割合は極く少量にとどまる。本発明者は種々の
粉砕機を試みたところ、内外円筒の対抗面に多数のピン
がそれぞれ植立され且つ粉砕媒体としてガラス等のビー
ズが充填され、内外円筒が高速相対回転される高剪断力
ミルを用いることにより非常に薄い鱗片状の粒子が容易
に得られることを見出した。この型のミルは公知であ
り、特開昭61-259739号などに記載がある。 アモルファス合金をこの型の高剪断力ミルで粉砕する
と本発明で所望とする100μm以下の平均外径(後で定
義する)が容易に得られることが分かった。しかも驚く
べきことにこの型のミルによる強力な剪断作用のために
アモルファス合金薄帯はその平均厚さが0.01〜1μmに
減じることが分かった。従って、得られる粉末粒子の形
状は予想もしない小さい厚さの扁平体となった。さらに
意外なことには、こうした扁平粒子を面の方向から見る
と、不定形ではなくて長軸を有する粒子形を示すことが
分かった。長軸をa、短軸をbとするときa/b≧1.2とな
っていた。 この現象を概念的に説明すると、この型のピン型ミル
は強いせん断力により粒状粉を薄く「そぐ」と共に、そ
がれて薄くなったものを「圧延」する。特異なこの粉砕
性はアモルファス合金の組成に密度に関連している。こ
のような組成を選択することによって望ましい形状、寸
法の磁気シールド用アモルファス合金粉末を得ることが
できた。従来からアモルファス合金はじん性の高い高強
度の高速急冷合金リボン状アモルファス合金の開発が主
体であった。しかしながら、本発明の製造方法を用いる
ことにより、脆化したアモルファス合金粉が薄く圧延さ
れ、鱗片粉になることが分った。 粉末の必要な条件 このような扁平粒子は磁気シールドに最適であること
が分った。粒子の平均厚さ0.01〜1μmで平均外径(光
散乱法を用いた粒度分析計を用いて測定した平均粒径で
あり、粒径の小さい方から重量を累計して50%になった
ときの直径。これはD50として知られている)が100μ
m以下とすると、平均外径/平均厚さ比(アスペクト比
と言う)は約10000が最大となる。これ以上の粒径や厚
さは粉砕条件を緩くすれば良いだけのことではあるが、
本発明では上記の数値範囲を満足する粉末を用いるべき
である。その理由は次に述べる。また、用途により方向
性のある磁気シールドが要求される場合には軸比a/b≧
1.2以上のものを使用することが好ましく、実際上記の
型のミルによればこのようなアモルファス合金粉末も容
易に製造しうる。先ず、アスペクト比(平均外径/平均
厚さ)は本発明の場合10〜10000を用いる。アスペクト
比が10未満では扁平粒子に対する反磁界の影響が大きく
なり、透磁率など実効の磁気特性が低下し、シールド特
性が低下する。一方10000以上では平均外径の小さな粉
末の製造が困難となり、そのため成形性を劣化する。よ
り好ましいアスペクト比は30〜2000である。 粒子の平均厚さは0.01〜1μmを用いる。平均厚さが
0.01μm未満になると粉末粒子間の厚さ方向の隙間が増
し、透磁率などの実効の磁気特性が劣化し、シールド特
性を減じる。一方、1μmよりも厚いとアスペクト比は
10より低くなり、同様に磁気特性及びシールド特性を低
下する。より好ましい平均厚さは0.01〜0.5μmであ
る。 平均外径については100μm以下、より好ましくは3
〜60μmである。平均外径が3μm未満であると粉末間
の隙間が大きくなり、透磁率を減じ、シールド効果を減
じる。一方、100μmより大きいと、成形むらを生じ易
く、シールド特性の位置的むら(ノイズ)が増大する。 次に、軸比a/bについてはシールドに方向性がある場
合には1.2以上のできるだけ大きい値が望ましい。これ
は粉砕条件によって定まる。磁界源が方向性を有する場
合にはその方向へ配向磁場を作用させながら磁性塗料を
硬化させればその方向の透磁率の向上ができ、磁気シー
ルド効果を大きくすることができる。面内方向に均一な
磁化容界方向があれば良い場合には配向磁界を用いなく
ても自然に所期の特性を達成しうる。 以下、従来例と本発明の実施例とを参照して本発明を
具体的に説明する。 従来例1 平均外径78μm、平均厚さ24μmのFe80Si1010高速
急冷アモルファス合金を約1時間粉砕した。粉砕装置と
しては次表の公知の粉砕機を用いた。結果を表1に示
す。従来例2 平均外径106μm、平均厚さ19μmのFe70Cr5Si169
高速急冷アモルファス合金を約1時間粉砕した。粉砕装
置としては次表の公知の粉砕機を用いた。結果を表2に
示す。この結果から分るように、スタンプミル等の従来
の粉砕方式では1時間程度の粉砕では塗料化が可能な程
度の粉末化はできないこと、また平均厚さは元の厚さと
ほとんど変わらないことが分かる。ただしジェットミル
の場合には粉砕が進むが粒子は扁平にならず粒状化す
る。そこで、以下の実施例では比較例としてジェットミ
ルを採用し、これを本発明で用いる先に定義した高剪断
力ミルによる粉砕と対比した。 実施例1 振動ボールミルを長時間使用して製造した平均粒子径
20μmのFe74Cr3Nb3Si812合金と、Fe80Si1010合金
をそれぞれ用いて塗料化できる段階まで粉砕した。前者
の粉砕には高剪断力ミル(実施例)を用いた。後者の粉
砕には高剪断力ミル(参考例)及びジェットミル(従来
例)を用いた。高剪断力ミルの粉砕条件は周速7.8m/
秒、ボール径1.5mm、ボール充てん量80%であった。ジ
ェットミルの粉砕条件はガス圧6kg/cm2、処理能力50g/
時であった。結果を表3に示す。 なお、シールド比は、粉末をエポキシ樹脂中に分散し
て塗料化し、シールド板に成形し、このシールド板をSN
対向磁極の側面から一定距離のところに位置づけ漏れ磁
束φを測定し、これとシールド板がない場合の磁束φ0
と比較した比φ/φ0である。また、耐食性は、5%食
塩水に24時間浸漬後、錆の発生のないとき○、あるとき
×で表わした。表3から明らかなように、従来例では粒
状のアモルファス合金粉末しか得られず、そのため大き
い漏れ磁束が生じる。また参考例では塗料化に優れ、シ
ールド比も7%と良いが、耐食性に劣ることが分かる。
これから、Fe-Si-B系合金はシールド材として優れてお
り、この系統の材料の耐食性を改善できれば良いことが
示される。実施例では、塗料化、シールド比、及び耐食
性のいずれの点でも優れた特性を示した。これはCr、Nb
の添加により耐食性が上がることを示している。 実施例2 振動ボールミルを長時間使用して製造した平均粒子径
20μmのFe72Cr3Mo3Si139合金と、Fe80Si1010合金
をそれぞれ用いて塗料化できる段階まで粉砕した。次い
で高剪断力ミルを用いて内外筒の相対周速度と粉末の諸
特性の関係を調べた。その結果を表4に示す。表中試料
1ないし4はFe80Si1010合金を用いた例であり、試料
5ないし8はFe72Cr3Mo3Si139合金を用いた例であ
る。試料5〜8は試料1〜4よりも短い粉砕時間を用い
た。 表4から分るように、特にせん断力が十分に発生する
ようにピンでボールを高速に攪拌することが重要とな
る。 実施例3 表3のジェットミルによるD50が5μmの粉末の最大
透磁率μmを測定した。また高剪断力ミルを用いてFe80
Si1010合金による扁平状粉末(試料2、3)を作り、
同様に測定した。さらに本発明により高剪断力ミルを用
いてFe65Cr2Ni8Si178合金による扁平粉末(試料4、
5)を作り同様に測定した。これらを更に塗料化し、シ
ールド板にし、そのシールド比を測定した。結果を表5
に示した。粉砕時間は試料4〜5の方が短かった。 表5から分かるように粉末のアスペクト比はシールド
最大透磁率とシールド比に関係していることが分かる。
アスペクト比は試料2で60、試料3で200、試料4で11
2、試料5で225であり、アスペクト比が大きい程シール
ド効果が良い。これは扁平な粒子が平面方向に配列し易
いこと、磁化容易方向が平面内方向になることによる。
また、本発明では添加金属としてCr,Niを含有している
ために耐食性が改善されることが分かる。 実施例4、5 Fe80Si1010(参考例)、Fe68Cr3Nb3Si188(実施
例4)、Fe67Cr3Nb1Mo2Si918(実施例5)を振動ボー
ルミルで粉砕した平均粒径20μmの粗粒粉を、ピン型ミ
ルで粉砕を行なった。周速7.8m/秒、ボール径1.5mm、ボ
ール充填量80%の条件を用いた。表6の結果を得た。 表6の参考例から分かるように、扁平粒子のアスペク
ト比が大きくても、厚さが1μm程度と厚くなるとシー
ルド比が悪くなることが分かる。よって、1μm以下の
厚さを用いることが望ましい。またアスペクト比は10以
上が必要である。また、参考例及び実施例から平均長軸
/短軸比(a/b)は粉砕時間が長い程大きくなることが
分かる。更に、参考例では耐食性が低かったが、実施例
の試料は耐食性にもすぐれていた。 参考例1 第2図の線1〜8内の組成で色々な軸比a/bのアモル
ファス合金粉末を調整した。ただし比較し易いように平
均外径約52μm、平均厚さ約0.9μmの粒子粉末で統一
して実験した。これらの粉末をエポキシ樹脂中で磁場配
向して磁場方向が面内方向となるシールド板を作製し
た。 磁石の磁界に沿って磁化容易方向を配置した場合の漏
れφはa/b比と共に減じそれが約1.2以上になると約20%
以下に減じた。一方磁化容易方向が磁界と垂直になる場
合にはa/b比に関係なく約80〜90%以上の漏れが生じ
た。このように、本発明の粉末は非常に効果的に作用す
る。耐食性に問題があった。 参考例2 平均外径30μm、平均厚さ0.2μmのアモルファス合
金粉末を第3図の線1〜8で囲まれる種々の組成で作製
した。これらを実施例1の方法でのシールド板にした。
φ/φ0を測定したところ、すべて0.05以下になった。
これはアスペクト比が150と大きくa/b比も大きいためで
ある。またφ/φ0が0.05(=5%)以下ということ
は、この種のシールド板でほぼ最高の水準にある。しか
し耐食性に問題があった。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の粉末を得るのに好適なアモルファス合
金組成を示す3元図、及び第2図は参考例で用いた磁気
シールド粉末の組成を示す3元図である。
フロントページの続き (72)発明者 長 勤 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 清水 宏純 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 平井 一法 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 保坂 洋 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京 磁気印刷株式会社内 (72)発明者 三村 升平 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京 磁気印刷株式会社内 (72)発明者 牧村 篤 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京 磁気印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−201493(JP,A) 特開 昭58−59268(JP,A) 特開 昭61−259739(JP,A) 特開 昭62−156204(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.at%で表わした合金組成がFeuCrxy(Si、B)
    w(ただし、MはNb、Mo及びNiより選ばれた少なくとも
    1種、x=2〜10、y=0〜10、x+y=3〜10、w=
    18〜38、uは残部at%)であり、粒子の平均厚さ0.01〜
    0.7μm未満、平均外径/平均厚さ比10〜10000のアモル
    ファス軟磁性合金粒子よりなる磁気シールド用粉末。 2.合金がZ=FeuCrxyとしたとき、Z、B及びSiよ
    りなる三元合金を必須とし、その組成がこれらを三角組
    成図で表わしたときに、次の各点を順に結んだ線内の領
    域にある前記第1項記載の磁気シールド用粉末。ただ
    し、かっこ内はZ、B、Siのat%をそれぞれ示す。(6
    3、32、5)、(62、23、15)、(63、15、22)、(6
    8、5、27)、(80、5、15)、(77、7、16)、(7
    5、13、12)、及び(77、18、5)。 3.粉末の最大透磁率μmが20以上である前記第1項又
    は第2項のいずれかに記載の磁気シールド用粉末。 4.at%で表わして合金組成がFeuCrxy(Si、B)
    w(ただしMはNb、Mo及びNiより選ばれた少なくとも1
    種、x=2〜10、Y=0〜10、x+y=3〜10、w=18
    〜38、uは残部at%)であり、合金粒子の平均厚さ0.01
    〜0.7μm未満、平均外径/平均厚さ比10〜10000、長軸
    /短軸比(平均)≧1.2のアモルファス軟磁性合金粉末
    を磁気配向してなる磁気シールド材。 5.at%で表わして合金組成がFeuCrxy(Si、B)
    w(ただしMはNb、Mo及びNiより選ばれた少なくとも1
    種、x=2〜10、y=0〜10、x+y=3〜10、w=18
    〜38、uは残部at%)である合金原料を、内外円筒の対
    抗面に多数のピンがそれぞれ植立され且つ粉砕媒体とし
    てビーズが充填された高剪断力ミルを用いて高い剪断作
    用を所定時間加えることよりなる、粒子の平均厚さ0.01
    〜0.7μm未満、平均外径/平均厚さ比10〜10000のアモ
    ルファス軟磁性合金粒子よりなる磁気シールド用粉末の
    製造法。
JP62326894A 1987-07-31 1987-12-25 磁気シールド用粉末、磁気シールド材及び粉末製造法 Expired - Lifetime JP2816362B2 (ja)

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