JP2799418B2 - 強誘電性液晶電気光学装置 - Google Patents

強誘電性液晶電気光学装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は強誘電性液晶を用いた電気光学装置に関し、
液晶の物性値である弾性定数と表示の書換不良現象との
関係を明確にし、装置に用いるに適する強誘電性液晶に
関するものである。
〔従来の技術〕
強誘電性液晶を用いた電気光学装置は、それの有する
利点つまり高速応答性、高視野角性、メモリー性、高コ
ントラスト性を有し、大画面表示や種々の光学装置など
のTN型液晶電気光学装置では用いることができなかった
分野への応用が期待されている。
強誘電性液晶については高速応答性や電気光学装置と
して使用可能な状態つまり液晶がカイラルスメクティッ
クC相を示す温度範囲が広く、さらには印加電界に対す
る高速応答性を十分に生かすような材料の開発に力が注
がれている。
特に高速応答性に関してはピリミジン系の液晶が応答
速度が速いため、これを用いれば強誘電性液晶の特長で
ある高速応答性を有効に生かすことができるものと思わ
れていた。
そして、強誘電性液晶の高速応答性や高コントラスト
性を生かすために、一対の基板間に強誘電性液晶を介在
した液晶電気光学装置について、一対の基板の両方に液
晶配向層を形成してより均一な配向を得ようとする傾向
にある。またこの液晶配向層は基板間ショートの削減や
液晶に有効に電界を加えるために抵抗値の大きいものが
用いられていた。
〔従来の技術の問題点〕
しかしながら、強誘電性液晶がおりなす物理現象と材
料物性との関わりについての研究は非常におくれてい
て、ほとんど無視されているという状態にある。ここで
述べた物理現象とは強誘電性液晶が有する自発分極のた
めに液晶と配向層との界面に生ずる電荷の問題や強誘電
性液晶が形成する層構造の問題など従来のTN型液晶には
存在しなかった現象である。
液晶の持つ自発分極のために液晶と配向層との界面に
生ずる電荷の問題について簡単に述べると、強誘電性液
晶表示装置において長時間同一の表示を続けた場合、液
晶の自発分極により液晶と配向膜との界面に電荷が蓄積
される。そして次に違う表示をしようとしても前記電荷
のために自発分極が引きつけられて、液晶をスイッチン
グするためのパルスを印加してもスイッチングしない部
分が生じてしまう(「焼け」と称する)。
また強誘電性液晶の層構造について簡単に説明する
と、強誘電性液晶はスメクティック相の状態であるため
必ず法線が基板に平行になるような層構造を有してい
る。そしてこの層構造は外部からの衝撃に対し非常に脆
く容易に崩れてしまう。さらに一旦崩れた層構造は一度
液晶を加熱して等方相に相転移させることによってのみ
元に戻すことができる。従って液晶表示装置に強誘電性
液晶を用いた場合、例えば基板表面を指で押したりする
と液晶の配向が乱れ、指を離しても元には戻らないため
外力が液晶に加わらないようにする必要があった。
以上述べた点等に関して液晶自体の側からの検討がお
くれたことにより、夢のような材料として当初注目され
た強誘電性液晶であるにも関わらず開発が非常におくれ
ている。
特に「焼け」が発生した時、偏光顕微鏡を用いて液晶
を観察すると駆動回路から液晶をスイッチングするため
の信号が加えられているにも関わらずスイッチングして
いないドメイン(「反転異常ドメイン」と称する)が生
じている。このような「焼け」が生じてしまっては完全
に表示が行えなくなり、また光シャッターとして用いる
ことも不可能になる。
この「焼け」の対策として、液晶の持つ自発分極を小
さくする方法も考えられているが、強誘電性液晶の応答
速度は自発分極にほぼ比例するため自発分極を小さくす
るとそれに比例して応答速度が遅くなってしまうため、
前に述べた強誘電性液晶の高速応答性を有効に生かすこ
とができなかった。
そして前に述べたピリミジン系の液晶を用いようとす
る場合については、従来の配向制御法では液晶がユニフ
ォーム状態に配向せず、ツイスト状態になってしまうた
め、高コントラストが得られなかった。
〔発明の目的〕
上記問題点を解決するため本発明は高速応答性を有す
るピリミジ系液晶について高コントラスト性や前記「焼
け」現象の低減或いは解消を目的とする。
〔発明の構成〕
本発明人は鋭意研究の末、ピリミジン系液晶の層内変
形ベンドの弾性定数が小さいことを見出し、一般の弾性
定数の小さい液晶を電界を印加しない状態で双安定配
向、或いは単安定配向させるための構成を発明するとと
もに、前記「焼け」現象を回避するための構成を発明し
た。
なお、一般に弾性定数としては層内変形ベンドの弾性
定数以外にもスプレイ弾性定数も存在するが本発明中で
特に重要なのは層内変形ベンドの弾性定数である。
本発明は透明電極を有する一対の基板間に強誘電性液
晶を介在せしめた強誘電性液晶電気光学装置であって、
前記強誘電性液晶の弾性定数が1×10-12N(ニュート
ン)以下であって、かつ前記一対の基板のうち少なくと
も一方の基板の液晶の接する面には液晶配向層を有し、
該液晶配向層の抵抗が小さいことを特徴とする。液晶配
向層の抵抗値の具体的な値としては、108Ω程度以下で
あれば良い。また低抵抗の配向層としてはLB膜を用いる
のも非常に有効である。或いは一方の基板のみに配向層
を形成した場合にはその配向層の抵抗値は必ずしも小さ
くなくても良い。
また、高コントラストを得るためには、一方の基板に
形成される配向層と他方の基板に形成される配向層とを
違う物質で作製して、電界を印加しない状態においては
液晶分子が単安定状態になっている場合も非常に有効で
ある。
〔作用〕
本発明の構成を用いることにより、弾性定数の大きく
ない強誘電性液晶でも表示装置などへの応用に十分耐え
うる双安定配向、或いは単安定配向が得られる。この場
合、偏光顕微鏡観察では一様なユニフォーム配向が認め
られる。しかしこの場合、強誘電性液晶の弾性定数が小
さいために自発分極は基板に対して完全に垂直にはなっ
ていないために、自発分極の存在による配向層界面での
電荷の蓄積という問題が低減する。その結果、前記反転
異常ドメインの発生は抑止できる。
以下実施例を用いて本発明を説明する。
〔実施例1〕 液晶の弾性定数を測定した経緯について、まず垂直配
向セルの作製工程について述べる。
透明電極を有する一対の基板をシランカップリング材
の水溶液に浸し、垂直配向層を形成した2枚の基板を10
0μm厚のPET(ポリエチレンテレフタレート)を介して
貼り合わせた後、液晶を注入した。これを偏光顕微鏡を
用いて観察すると黒く十字にコノスコープ像が見える。
これは液晶が垂直配向をしている証拠である。
これに対し、基板面に垂直な方向に電界を印加し、コ
ノスコープ像の変位βを測定する。
次にくさび形セルの作製工程について述べる。
ガラス基板にポリイミドを成膜し、ラビング処理を行
う。この基板を未処理の透明基板と一方を一枚のPETを
介し、他方をガラス同士が接触するように貼り合わせる
ことにより、基板間隔が0μmから50μmまて変化する
くさび形セルが得られる。これに垂直配向セルに注入し
たのと同じ強誘電性液晶を注入し、強誘電性液晶のらせ
ん構造が消失する臨界セル厚dcを測定する。そして次式
により層内変形ベンドの弾性定数B1を求める。
ただし式中においてPsは液晶の自発分極、l0は液晶の
らせんピッチの長さ、B3はスプレイの弾性定数、Eは電
界、βは変位(deg)を示す。
層内変形ベンドの弾性定数について4種類(ピリミジ
ン系2種、エステル系2種)の液晶の測定を行い、その
結果を第1表に示す。なお液晶についてA,B液晶はそれ
ぞれピリミジン系、C,D液晶はそれぞれエステル系であ
る。
次に、上で述べた4種類の液晶を用いてセルを作製す
る。セルの構成を第1図に示す。
一対のソーダガラス(1)上に公知のDCマグネトロン
スパッタ法を用いてITOを成膜した後、フォトリソ法に
より電極(2)を作製した。
そして一方の基板の電極作製面にオフセット印刷法を
用いポリアミック酸を塗布した後、250℃で3時間加熱
を行い液晶配向層(3)でありポリイミド薄膜を得た。
そして、綿布を用いてラビング処理を行った後、直径2
μmのSiO2粒子をスペーサーとして散布した。ただし、
スペーサーは図示しない。
他方の基板上にはエポキシ系シール材をスクリーン印
刷法を用いて印刷し、スペーサー散布済の基板と貼り合
わせた後、前に述べた液晶A乃至Dをそれぞれ真空注入
法を用いて別のセルに注入した。
偏光顕微鏡を用いてそれぞれのセルを観察したとこ
ろ、どの液晶も無電界時には単安定配向をしていたが信
号を加えると高コントラストなスイッチングが可能であ
った。なお4枚のセルについてコントラストの大きな違
いはなかった。
だが、±20V、周波数20Hzの矩形波を液晶に印加した
ところそれぞれの応答時間は第2表に示す通りとなっ
た。
本実施例においては、応答速度の速いピリミジン系液
晶を用いて双安定配向は得られなかったが高コントラス
トなスイッチングが得られた。
〔実施例2〕 実施例1で用いたセルを10日間一定の画面の表示を行
った後、別の表示を行った時のコントラスト比の変化を
調べた。結果を第3表に示す。
第3表からわかるように、エステル系の液晶では「焼
け」現象が顕著に現れたために、初期状態でピリミジン
系液晶とほとんど変わらなかったコントラストの値が10
日後には大幅に現象してしまった。それに対しピリミジ
ン系液晶ではコントラスト値の減少がエステル系液晶に
比較して非常に小さい。
〔効果〕 以上述べたように本発明を用いることにより、応答速
度の速いピリミジン系の強誘電性液晶を単安定配向また
は双安定配向させることができその結果、表示の際に高
いコントラストが得られる。
さらに、本発明では従来指摘されなかった層内変形ベ
ンドの弾性定数と液晶の配向の関係を明らかにし、ピリ
ミジン系強誘電性液晶だけでなく層内変形ベンドの弾性
定数の小さい液晶すべての場合について単安定配向或い
は双安定配向というユニフォーム配向を実現することが
でき、高コントラストが得られるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の液晶電気光学装置の概略図の一例を示
す。 1……ソーダガラス 2……電極 3……液晶配向層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極を有する一対の基板間に強誘電性
    液晶を介在せしめた強誘電性液晶電気光学装置であっ
    て、前記強誘電性液晶の層内変形ベンドの弾性定数が1
    ×10-12N(ニュートン)以下であってかつ前記一対の基
    板のうち少なくとも一方の基板の液晶の接する面には液
    晶配向層を有し、該液晶配向層の抵抗が108Ω以下であ
    ることを特徴とする強誘電性液晶電気光学装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において液晶配向層
    はLB膜であることを特徴とする強誘電性液晶電気光学装
    置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、一方の基
    板に形成された液晶配向層と他方の基板に形成された液
    晶配向層とが違う物質よりなることを特徴とする強誘電
    性液晶電気光学装置。
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JPH0711637B2 (ja) * 1986-11-10 1995-02-08 キヤノン株式会社 強誘電性液晶素子
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