JP2796864B2 - 電気的接続部材の製造方法 - Google Patents

電気的接続部材の製造方法

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JP2796864B2
JP2796864B2 JP31994989A JP31994989A JP2796864B2 JP 2796864 B2 JP2796864 B2 JP 2796864B2 JP 31994989 A JP31994989 A JP 31994989A JP 31994989 A JP31994989 A JP 31994989A JP 2796864 B2 JP2796864 B2 JP 2796864B2
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祐一 池上
洋一 田村
高弘 岡林
和夫 近藤
康雄 中▲塚▼
徹夫 吉沢
豊秀 宮崎
浩史 近藤
隆 ▲榊▼
芳実 寺山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気回路部品同士を電気的に接続する電気的
接続部材を製造する方法に関する。
〔従来技術〕
電気回路部品同士を電気的に接続する方法としては、
ワイヤボンディング方法,TAB(Tape Automated Bondin
g)法等が公知である。ところがこれらの方法にあって
は、相隣する接続部同士が接触しないようにする為の最
小ピッチが比較的大きい為、接続部同士のピッチに小さ
いものが要求される場合には対応できないという問題点
があった。
このような問題点を解決すべく、絶縁保持体中に複数
の導電部材を相互に絶縁して保持させた構成をなす電気
的接続部材を用いて電気回路部品同士を電気的に接続す
ることが提案されている(特開昭63−222437号公報,特
開昭63−224235号公報)。
第3図は、このような電気的接続部材を用いた電気回
路部品間の電気的接続を示す模式図であり、図中31は電
気的接続部材,32,33は接続すべき電気回路部品を示す。
電気的接続部材31は、金属または合金からなる複数の棒
状の導電部材34を、夫々の導電部材34同士を電気的に絶
縁して、電気的絶縁材料からなる薄板状の保持体35中に
保持した構成をなし、導電部材34の両端を夫々バンプ38
及び39として電気回路部品32及び33側に突出してある
(第3図(a))。そして、一方の電気回路部品32の接
続部36と導電部材の34のバンプ38とを、また、他方の電
気回路部品33の接続部37と導電部材34のバンプ39とを夫
々例えば超音波加熱法等によって合金化することにより
接続し、電気回路部品32,33同士を電気的に接続する
(第3図(b))。
ところで上記電気的接続部材31を製造する方法として
本出願人の一方は第4図に示す方法を提案している(特
願昭63−133401号)。
まず、導電材製の基体40上に前記保持体35となる感光
性樹脂35aを塗布する(第4図(a))。次に後工程で
前記導電部材34を埋設する所定の位置を露光、現像する
ことにより、感光性樹脂35aに孔35bを形成して基体40を
露出させ、次いで温度を高めて感光性樹脂35aを硬化さ
せる(第4図(b))。そして孔35b内の近傍の基体40
のエッチングを行い孔35bの下部に凹部41を形成する
(第4図(c))。
その後、基体40に対する金等のメッキ処理を行うこと
により、凹部41及び孔35b内に導電部材34を充填してい
き、凹部41内に前記バンプ39を形成し、感光性樹脂35a
の上面にバンプ38を形成する(第4図(d))。
その後、基体40を金属エッチングによって除去するこ
とにより、前記電気的接続部材31が完成する(第4図
(e))。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前記導電部材34はメッキ処理によって形成
するのであるが、導電材料としては必然的にメッキ性が
良好な金属に限定される。この為、Al,Ti,Zr等の活性金
属、又はMo,W等の高融点金属は、通常の水溶液中のメッ
キでは実用に耐え得る導電部材を形成することは困難で
ある。
更に、例えば20μm程度の高さの導電部材を金の電解
メッキによって形成するには、60〜90分程度の時間を要
し、製造能率が低いという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、導
電部材の材質の選択に制約を加えることなく、しかも製
造能率を高めることが可能な改良された電気的接続部材
の製造方法の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本願に係る第1発明の電気的接続部材の製造方法は、
基体と電気的絶縁材製の保持体とを積層してなる母材に
前記保持体の表面から前記基体の内部にまで至る複数の
孔を形成し、該孔にその一端が前記表面から露出するよ
うに導電部材を相互に絶縁させて装備した後、前記基体
を除去して前記保持体の裏面から前記導電部材の他端を
露出させる電気的接続部材の製造方法であって、前記複
数の孔が形成された母材の前記保持体の表面を、前記複
数の孔を個別に露出させるマスクによって覆い、前記複
数の孔に導電性材料を溶射により充填して前記導電部材
とする第1の工程と、前記マスクを除去する第2の工程
とを有することを特徴とする。
本願に係る第2発明の電気的接続部材の製造方法は、
第1発明の前記第1の工程における導電性材料の充填を
溶射に代えて蒸着によって行うことを特徴とする。
本願に係る第3発明の電気的接続部材の製造方法は、
基体と電気的絶縁材製の保持体とを積層してなる母材に
前記保持体の表面から前記基体の内部にまで至る複数の
孔を形成し、該孔にその一端が前記表面から露出するよ
うに導電部材を相互に絶縁させて装備した後、前記基体
を除去して前記保持体の裏面から前記導電部材の他端を
露出させる電気的接続部材の製造方法であって、前記保
持体の表面に導電性材料を溶射して前記母材の孔に導電
性材料を充填する第1の工程と、相隣する孔に充填され
た導電性材料が相互に絶縁状態になるように前記保持体
の表面に積層する導電性材料を除去して前記導電部材を
形成する第2の工程とを有することを特徴とする。
本願に係る第4発明の電気的接続部材の製造方法は、
第3発明の前記第1の工程における導電性材料の充填を
溶射に代えて蒸着によって行うことを特徴とする。
〔作用〕
本願の第1発明にあっては、複数の孔が形成された母
材における保持体の表面を、孔を個別に露出させるマス
クによって覆う。そしてマスクの上から導電性材料を溶
射することによって母材の孔に導電性材料が充填されて
導電部材として形成され、その後、マスクが除去され
る。
本願の第2発明にあっては、第1発明の導電性材料の
充填が溶射に代えて蒸着によって行われる。
本願の第3発明にあっては、保持体の表面に導電性材
料が直接溶射されることにより、母材に形成された孔に
導電性材料が充填される。そして相隣する孔に充填され
た導電性材料が相互に絶縁状態になるように、保持体の
表面に積層する導電性材料が除去されることにより、導
電部材が形成される。
本願の第4発明にあっては、第3発明の導電性材料の
充填が溶射に代えて蒸着によって行われる。
〔実施例〕
以下、本発明をその実施例を示す図面に基づいて具体
的に説明する。
第1図は本願に係る第1発明及び第2発明の製造工程
を示す模式的断面図である。第1図(a)〜(c)は前
述した従来方法と同一であり、基体1として例えば銅箔
を用い、該基体1上に前記保持体たる絶縁層2として例
えばポリイミド樹脂をスピンコート法等の方法によって
塗布してプリベイクを行ったものが母材として用意され
る(第1図(a))。ここで基体1は後の食刻工程にお
いて容易に食刻でき、導電性材料の溶射、又は蒸着工程
において変質せず、更に基体除去工程において容易に除
去することが可能であれば、金属,樹脂,セラミックス
等どのような材料でも良い。また、絶縁層2はポリイミ
ド樹脂の他にエポキシ樹脂等も使用でき、製品に要求さ
れる性能、又はコストに応じて材料を選択すれば良い。
次に導電部材の配設パターンが形成されたフォトマス
クを介し絶縁層2に光を照射(露光)し、現像を行う。
本実施例においてはネガ型のフォトマスクを使用するこ
とにより、光が照射された部分に現像後ポリイミド樹脂
が残り、光が照射されていない部分は現像によりポリイ
ミド樹脂が除去され、複数の孔3が形成される(第1図
(b))。その後、温度を高めてポリイミド樹脂のイミ
ド化を行い、絶縁層2を硬化させる。
次に前記孔3によって露出された孔3内の近傍の基体
1を必要量エッチングして孔3に連通する凹部3を基体
1に形成する(第1図(c))。このエッチングの進行
程度により、凹部4の深さを調節でき、後工程で凹部4
内に形成されるバンプの突出高さを調節できる。
次に絶縁層2の孔3を個別に露出させる複数の孔5aが
形成されたマスク5を絶縁層2上に載置する(第1図
(d))。つまり、孔5aは孔3と整合して連通するよう
に、孔3の配列状態と略等しい配列状態でマスク5に連
通されており、孔5aの大きさを孔3より一回り大きく形
成しておくことにより次工程で孔5a内に形成される導電
部材のバンプにより導電部材が絶縁層2から欠落するこ
とがない。
そして、導電性材料を溶射、又は蒸着によって基体1
の凹部4及び絶縁層の2の孔3に充填していき、絶縁層
2の表面を越える、マスク5の孔5a内の所望の高さ、即
ち所望のバンプ高さまで導電性材料が充填されると、溶
射、又は蒸着処理を終了する(第4図(e))。これに
より導電性材料が導電部材6として形成され、絶縁層2
の表面にバンプ61が、基体1の凹部4内にバンプ62が夫
々形成される。
ここで溶射法としてはプラズマ溶射、アーク溶射、ガ
ス炎溶射等の方法が利用でき、また蒸着法としては加熱
抵抗、プラズマ、レーザ光、電子ビーム等の熱源を用い
た各種のPVD法、又はCVD法が利用可能である。これらの
方法は使用する導電性材料の種類、形成する厚さ等の条
件に基づいて選択すれば良い。また、溶射、あるいは蒸
着処理の途中で導電性材料の組成を変化させて多層構造
の導電部材6を形成できることは周知である。
最後に、マスク5を除去し、絶縁層2及び導電部材6
をエッチングしないようなエッチング液を用いて基体1
をエッチング除去することにより、電気的接続部材10を
製造する(第1図(f))。
第2図は、本願の第3発明及び第4発明の製造工程を
示す模式的断面図である。第2図(a)〜第2図(c)
までの工程は、前述した第1及び第2発明による第1図
(a)〜第1図(c)までの製造工程と同一であり、説
明は省略する。
第2図(d)に示す工程では、前記マスク5を載置す
ることなく、絶縁層2の表面に導電性材料を溶射、又は
蒸着することによって基体1の凹部4及び絶縁層2の孔
3に導電性材料を充填していき、絶縁層2の表面を越え
る所望の高さになるまで導電性材料6aを積層させる。
次に絶縁層2の表面に積層された導電性材料を、各孔
3の周囲を含む孔3の上部が相互に接触しない状態で残
るように、それ以外の部分をエッチング除去する(第2
図(e))。これにより絶縁層2の表面にバンプ61が形
成され、前工程で凹部4内に形成されたバンプ62と共に
導電部材6が形成される。
最後は基体1をエッチング除去することにより、電気
的接続部材11を製造する(第2図(f))。
下記第1表は本発明方法と、従来技術による方法とに
よる電気的接続部材の製造結果を示す。
本発明方法による製品No.1〜No.3までは、いずれも良
好な性状の電気的接続部材を高能率に製造可能であっ
た。しかし、製品No.1の導電性材料と同じ材料により電
解メッキを行った従来方法の製品No.4では導電部材の性
状は良好であったものの、形成に長時間を要する為、製
造能率が低い。また、製品No.5及びNo.6については導電
性材料に製品No.2及び3と同じ材料を使用しているが、
これらのメッキ性が劣る為、導電部材の性状が悪く、製
造歩留が悪いという結果を得た。
〔効果〕
以上の如く本発明に係る電気的接続部材の製造方法に
あっては、導電部材をメッキ処理によって形成せず、導
電性材料を溶射、又は蒸着することによって形成するの
で、メッキ性に劣る導電性材料も使用できるようにな
り、また形成時間も大幅に短縮できる。この結果、作用
する導電性材料の選択に制約が加えられることなく、良
好な性状の電気的接続部材を高能率に製造できる等、本
発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1発明及び第2発明の製造工程を示す模式的
断面図、第2図は第3発明及び第4発明の製造工程を示
す模式的断面図、第3図は電気的接続部材の構成を示す
模式図、第4図は電気的接続部材の従来の製造工程を示
す模式的断面図である。 1……基体、2……絶縁層、3……孔、4……凹部、5
……マスク、5a……孔、6……導電部材、10,11……電
気的接続部材、61,62……バンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡林 高弘 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 近藤 和夫 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 中▲塚▼ 康雄 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 吉沢 徹夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 宮崎 豊秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 近藤 浩史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 ▲榊▼ 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 寺山 芳実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−49385(JP,A) 特開 昭64−2208(JP,A) 特開 昭63−40218(JP,A) 特開 昭58−18238(JP,A) 特開 昭52−115391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 13/00 501 H01R 11/01 H01R 43/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と電気的絶縁材製の保持体とを積層し
    てなる母材に前記保持体の表面から前記基体の内部にま
    で至る複数の孔を形成し、該孔にその一端が前記表面か
    ら露出するように導電部材を相互に絶縁させて装備した
    後、前記基体を除去して前記保持体の裏面から前記導電
    部材の他端を露出させる電気的接続部材の製造方法であ
    って、 前記複数の孔が形成された母材の前記保持体の表面を、
    前記複数の孔を個別に露出させるマスクによって覆い、
    前記複数の孔に導電性材料を溶射により充填して前記導
    電部材とする第1の工程と、 前記マスクを除去する第2の工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
  2. 【請求項2】基体と電気的絶縁材製の保持体とを積層し
    てなる母材に前記保持体の表面から前記基体の内部にま
    で至る複数の孔を形成し、該孔にその一端が前記表面か
    ら露出するように導電部材を相互に絶縁させて装備した
    後、前記基体を除去して前記保持体の裏面から前記導電
    部材の他端を露出させる電気的接続部材の製造方法であ
    って、 前記複数の孔が形成された母材の前記保持体の表面を、
    前記複数の孔を個別に露出させるマスクによって覆い、
    前記複数の孔に導電性材料を蒸着により充填して前記導
    電部材とする第1の工程と、 前記マスクを除去する第2の工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
  3. 【請求項3】基体と電気的絶縁材製の保持体とを積層し
    てなる母材に前記保持体の表面から前記基体の内部にま
    で至る複数の孔を形成し、該孔にその一端が前記表面か
    ら露出するように導電部材を相互に絶縁させて装備した
    後、前記基体を除去して前記保持体の裏面から前記導電
    部材の他端を露出させる電気的接続部材の製造方法であ
    って、 前記保持体の表面に導電性材料を溶射して前記母材の孔
    に導電性材料を充填する第1の工程と、 相隣する孔に充填された導電性材料が相互に絶縁状態に
    なるように前記保持体の表面に積層する導電性材料を除
    去して前記導電部材を形成する第2の工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
  4. 【請求項4】基体と電気的絶縁材製の保持体とを積層し
    てなる母材に前記保持体の表面から前記基体の内部にま
    で至る複数の孔を形成し、該孔にその一端が前記表面か
    ら露出するように導電部材を相互に絶縁させて装備した
    後、前記基体を除去して前記保持体の裏面から前記導電
    部材の他端を露出させる電気的接続部材の製造方法であ
    って、 前記保持体の表面に導電性材料を蒸着して前記母材の孔
    に導電性材料を充填する第1の工程と、 相隣する孔に充填された導電性材料が相互に絶縁状態に
    なるように前記保持体の表面に積層する導電性材料を除
    去して前記導電部材を形成する第2の工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
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