JP3049436B2 - 電気的接続部材及びその製造方法 - Google Patents

電気的接続部材及びその製造方法

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JP3049436B2 JP10220990A JP10220990A JP3049436B2 JP 3049436 B2 JP3049436 B2 JP 3049436B2 JP 10220990 A JP10220990 A JP 10220990A JP 10220990 A JP10220990 A JP 10220990A JP 3049436 B2 JP3049436 B2 JP 3049436B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気回路部品同士を電気的に接続する際に
用いられる電気的接続部材、及びその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
電気回路部品同士を電気的に接続する方法としては、
ワイヤボンディング方法、TAB(Tape Auto−mated Bond
ing)法等が従来より知られている。ところがこれらの
方法にあつては、両電気回路部品間の接続点数の増加に
対応できない、コスト高である等の難点があった。この
ような難点を解決すべく、絶縁性の保持体中に複数の導
電部材を互いに絶縁して備えた構成をなす電気的接続部
材を用いて、電気回路部品同士を電気的に接続すること
が公知である(特開昭63−222437号公報,特開昭63−22
4235号公報等)。
第8図は、このような電気的接続部材を用いた電気回
路部品間の電気的接続を示す模式図であり、図中31は電
気的接続部材、32,33は接続すべき電気回路部品を示
す。電気的接続部材31は、金属または合金からなる複数
の導電部材34を、夫々の導電部材34同士を、電気的に絶
縁して電気的絶縁材料からなる保持体35中に備えて構成
されており、導電部材34の一端部(以下バンプ部とい
う)38を一方の電気回路部品32側に露出させ、導電部材
34の他端部(以下バンプ部という)39を他方の電気回路
部品33側に露出させている(第8図(a))。そして、
一方の電気回路部品32の接続部36と電気回路部品32側に
露出した導電部材34のバンプ部38とを合金化することに
より両者を接合し、他方の電気回路部品33の接続部37と
電気回路部品33側に露出した導電部材34のバンプ部39と
を合金化することにより両者を接合して、電気回路部品
32,33同士を電気的に接続する(第8図(b))。
このような電気的接続部材においては、以下に示すよ
うな利点がある。
導電部材の大きさを微細にすることにより、電気回
路部品の接続部を小型化し、またそのため接続点数を増
加させることができ、よって電気回路部品同士のより高
密度な接続が可能である。
厚みが異なる電気回路部品であっても、電気的接続
部材の厚みを変更することにより電気回路部品の高さを
常に一定にすることが可能となり、多層接続が容易に行
え、より高密度な実装が可能である。
電気回路部品の接続部と接合される導電部材の突出
高さを高くすることにより、電気回路部品の接続部が表
面から落ち込んだものであっても安定した接合を行うこ
とが可能となり、複雑な形状をなす電気回路部品同士で
あっても容易に接続することが可能である。
電気回路部品から発生する熱が電気的接続部材の保
持体を通して放熱されるため熱による電気特性変動は極
めて小さい。また放熱特性が優れているため熱疲労の影
響が小さく信輻性も高くなる。
電気回路部品同士の接続における接続長が短くなる
ので、インピーダンスを低減できて電気回路部品の高速
化を図ることが可能である。
電気回路部品同士の電気的な多点接続を行うための上
述した電気的接続部材の製造方法としては、特願昭63−
133401号に提案されたものがある。以下、この製造方法
についてその工程を模式的に示す第9図に基づき簡単に
説明する。
まず、銅板等の金属シートからなる基体51を準備し
(第9図(a))、この基体51上に、スピンナーにより
感光性のポリイミド樹脂52を塗布して、100℃前後の温
度にてプリベイクを行う(第9図(b)),なお塗布す
るポリイミド樹脂52の膜厚は、硬化収縮による減少を考
慮して、製造される電気的接続部材における保持体の所
望の膜厚よりも厚くしておく。所定パターンをなしたフ
ォトマスク(図示せず)を介して光をポリイミド樹脂52
に照射した(露光した)後、現像を行う。露光された部
分にはポリイミド樹脂52が残存し、露光されない部分は
現像処理によりポリイミド樹脂52が除去されて複数の穴
53が形成される(第9図(c))。200〜400℃まて温度
を上げてポリイミド樹脂52の硬化を行った後、エッチン
グ液中に基体51を浸漬させてエッチングを行い、穴53に
連通する凹部54を基体51に形成する(第9図(d))。
次いで、基体51を共通電極として金メッキを施して、穴
53,凹部54に金55を充填し、バンプが形成されるまで金
メッキを続ける(第9図(e))。最後に基体51をエッ
チングにより除去して、電気的接続部材31を製造する
(第9図(f))。
このようにして製造される電気的接続部材31にあって
は、金55が導電部材34を構成し、ポリイミド樹脂52が保
持体35を構成する。なお、電気的接続部材31における各
部分の寸法は、ポリイミド樹脂52(保持体35)の厚さを
約10μm、穴53(導電部材34)の直径を約20μm,ピッチ
を約40μmとし、導電部材34の突出量を表裏とも数μm
程度とする。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述したような構成をなす電気的接続
部材、また特願昭63−133401号に提案された製造方法に
おいては、以下に述べるような問題点が残存しており、
更なる改良の余地があった。
電気的接続部材31における各導電部材34の両バンプ部
38,39は夫々に別々の電気回路部品の接続部に接合され
ることが一般的であるので、接合先の接続部の導電材料
または形状に合せて各バンプ部38,39の材料を選択した
方が良い。ところが、従来の製造方法では、メッキによ
り同一材料にて一括的に各バンプ部38,39を形成してお
り、各バンプ部38,39が異なる導電材料からなるような
電気的接続部材を製造することは困難である。
また、例えば銅板からなる基体51は完全に捨ててお
り、製造コストが嵩むという問題点がある。更に、導電
部材全体をメッキにより形成するので、このメッキ処理
に長時間を要し、生産性が低いという問題点もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、上
述したような問題点を解決して、両バンプ部を構成する
導電材料が異なっている導電部材を有する電気的接続部
材を提供することと、このような電気的接続部材を低コ
ストにてしかも短時間に製造することができる電気的接
続部材の製造方法を提供することとを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の電気的接続部材は、電気的絶縁性を有する樹
脂材からなる保持体と、該保持体中に互いに絶縁状態に
して備えられた複数の導電部材とを有し、前記各導電部
材の一方の端部が前記保持体の一方の面から突出してお
り、前記各導電部材の他方の端部が前記保持体の他方の
面から突出している電気的接続部材であって、前記導電
部材の一方の端部を構成する導電材料と他方の端部を構
成する導電材料とか異なり、前記導電部材の各端部を構
成する導電材料の一部は前記保持体の一方及び他方の面
と夫々平坦面で面接触していることを特徴とする。
本発明の第1の電気的接続部材の製造方法は、電気的
絶縁性を有する樹脂材からなる保持体と、該保持体中に
互いに絶縁状態にして備えられた複数の導電部材とを有
し、前記各導電部材の一端が前記保持体の一方の面にお
いて露出しており、前記各導電部材の他端か前記保持体
の他方の面において露出している電気的接続部材を製造
する方法であって、前記保持体となる樹脂層を導電材料
からなる基体上に設ける工程と、該樹脂層に前記基体ま
で貫通する複数の穴を形成し、穴内に前記基体を露出さ
せる工程と、前記基体とは異なる導電材料を前記複数の
穴に充填する工程と、前記露出された領域近傍以外の前
記基体を除去する工程とを有することを特微とする。
本発明の第2の電気的接続部材の製造方法は、電気的
絶縁性を有する樹脂材からなる保持体と、該保持体中に
互いに絶縁状態にして備えられた複数の導電部材とを有
し、前記各導電部材の一端が前記保持体の一方の面にお
いて露出しており、前記各導竃部材の他端が前記保持体
の他方の面において露出している電気的接続部材を製造
する方法であって、前記保持体となる樹脂層を導電材料
からなる基体上に設ける工程と、該樹脂層に前記基体ま
で貫通する複数の穴を形成し、前記基体を露出させる工
程と、前記露出された置域近傍以外の前記基体を除去す
る工程と、前記基体とは異なる導電材料を前記複数の穴
に充填する工程とを有することを特微とする。
本発明の第3の電気的接続部材の製造方法は、第1ま
たは第2の電気的接続部材の製造方法であって、前記基
体を除去する工程の前に前記基体の樹脂層を設けた面と
は反対側の面の除去する領域以外に前記基体とは異なる
導電材料を設ける工程を有し、前記基体を除去する工程
においてこの設けられた導電材料をレジストとして前記
基体を除去することを特微とする。
本発明の第4の電気的接続部材の製造方法は、第1ま
たは第2の電気的接続部材の製造方法であって、前記基
体を除去する工程の前に前記基体の樹脂層を設けた面と
は反対側の面の除去する領域以外に絶縁性のレジストを
設ける工程を有し、前記基体を除去する工程の後に前記
レジストを除去する工程を有することを特徴とする。
本発明の第5の電気的接続部材の製造方法は、第1,第
2,第3または第4の電気的接続部材の製造方法であっ
て、すべての前記工程を終了した後に、残存する基体に
導電材料を被覆する工程を有することを特微とする。
本発明の第6の電気的接続部材の製造方法は、電気的
絶縁材からなる保持体と、該保持体中に互いに絶縁状態
にて備えられた複数の導電部材とを有し、前記各導電部
材の一端が前記保持体の一方の面において露出してお
り、前記各導電部材の他端が前記保持体の他方の面にお
いて露出している電気的接続部材を製造する方法におい
て、前記保持体となる絶縁層を導電材料からなる基体上
に設ける工程と、該絶縁層に複数の穴を形成し、前記基
体を露出させる工程と、前記複数の穴に前記基体とは異
なる導電材料を充填する工程と、前記基体の絶縁層を設
けた面とは反対側の面の露出された領域近傍以外にレジ
ストを設ける工程と、前記基体の該レジストが設けられ
ていない領域に導電材料を被覆する工程と、前記レジス
トを除去する工程と、前記レジストが設けられていた領
域の前記基体を除去する工程とを有することを特徴とす
る。
本発明の第7の電気的接続部材の製造方法は、電気的
絶縁材からなる保持体と、該保持体中に互いに絶縁状態
にて備えられた複数の導電部材とを有し、前記各導電部
材の一端が前記保持体の一方の面において露出してお
り、前記各導電部材の他端が前記保持体の他方の面にお
いて露出している電気的接続部材を製造する方法におい
て、前記保持体となる絶縁層を導電材料からなる基体上
に設ける工程と、該絶縁層に複数の穴を形成し、前記基
体を露出させる工程と、前記基体の絶縁層を設けた面と
は反対側の面の露出されだ領域近傍以外にレジストを設
ける工程と、前記基体とは異なる導電材料を、前記複数
の穴に充填すると共に前記基体の前記レジストが設けら
れていない領域に被覆する工程と、前記レジストを除去
する工程と、前記レジストが設けられていた領域の前記
基体を除去する工程とを有することを特微とする。
〔作用〕
本発明の電気的接続部材にあっては、接合される電気
的回路部品の接続部に合せて各導電部材の両バンブ部の
導電材料が異なっている。このようにしておくので、対
応する電気的回路部品の接続部への接合は、両バンブ部
とも良好である。
本発明の電気的接続部材の製造方法にあっては、基体
全部を除去するのではなく、基体の一部を導電部材の形
成に使用する。従って、導電材料を充填する(メッキす
る)時間は短縮され、充填する導電材料の使用量も減少
する。
本発明の別の電気的接続部材の製造方法にあっては、
導電部材の構成材として残存させた基体に別の導電材料
を被覆する。そうすると、形成されるバンプ部の形状は
丸くなる。
〔実施例〕
以下、本発明をその実施例を示す図面に基づいて具体
的に説明する。
第1図は本発明に係る電気的接続部材1の断面図であ
る。電気的接続部材1は、導電材料からなる複数の導電
部材2と、夫々の導電部材2同士が電気的絶縁状態にな
るように導電部材2を備えた例えばポリイミド樹脂から
なる保持体3とから構成されている。各導電部材2は、
その両端部が保持体3の両面から突出しており、バンプ
部2a,2bとなっている。バンプ部2aとバンプ部2bとでは
使用されている導電材料が異なっており、バンプ2aは金
(Au)からなり、バンプ部2bは銅(Cu)からなる。また
保持体3内に埋設されている柱状部2cはバンプ部2aと同
じ金からなる。なお、電気的接続部材1における各部分
の寸法は、保持体3の厚さが約10μm、導電部材2(柱
状部2c)の直径が約15μm、導電部材2の形成ピッチが
約40μm、導電部材2の突出量がバンプ部2a側は約5μ
m,バンプ部2b側は約5〜35μmである。
なおバンプ部2a,2bのうち、柱状部2cの径よりも大き
い部分であって、保持体3と対向する部分は保持体3と
平坦面で面接般した状態となっている。これによって、
保持体3とバンプ部2a,2bとの接合力が高められ、保持
体3からの脱落等を防止出来て信頼性が高められる。
第2図は本発明の電気的接続部材の別の実施例の断面
図である。電気的接続部材1は、前述の実施例と同様
に、複数の導電部材2を電気的絶縁状態にて保持体36こ
備えた構成をなしている。保持体3の一方の面から突出
するバンプ部2a及び柱状部2cは、前述の実施例と同様
に、金から構成されている。他方の面から突出するバン
プ部2bは、銅バンプ20bと金バンプ21bとからなり、銅バ
ンプ20bに金バンプ21bを被覆した構成をなす。なお、電
気的接続部材1における各部分の寸法は、保持体3の厚
さが約10μm、導電部材2(柱状部2c)の直径が約15μ
m、導電部材2の形成ピッチが約40μm、導電部材2の
突出量がバンプ部2a側は約5μm,バンプ部2b側は約8〜
40μm、銅バンプ2bの突出量が5〜35μmである。
なおバンプ部2a,2b(銅バンプ20b、金バンプ21b)も
保持体3の表面と平坦面で面接触して相互の接合力が高
められ、脱落等を防止出来る。
次に、このように両バンプ部において導電材料が異な
るような電気的接続部材の製造方法(本発明に係る電気
的接続部材の製造方法)の実施例について説明する。
(第1実施例) 第3図は第1実施例の工程を示す模式的断面図であ
る。まず、基体たる銅板11の一方の面にネガ型の感光性
樹脂であるポリイミド樹脂12をスピンナーにより塗布し
て、プリベイクを行う(第3図(a))。なお、塗布す
るポリイミド樹脂12の膜厚は、硬化収縮による減少を考
慮して、製造される電気的接続部材における保持体の所
望の膜厚よりも厚くしておく。次に、所定パターンをな
したフォトマスク(図示せず)を介して光をポリイミド
樹脂12に照射した(露光した)後、現像を行う。本例で
は、露光された部分にはポリイミド樹脂12が残存し、露
光されない部分は現像処理によりポリイミド樹脂12が除
去されて、複数の穴13がポリイミド樹脂12に形成される
(第3図(b))。その後、温度を上げてポリイミド樹
脂12の硬化を行う。
次に、この穴13の形成ピッチと等ピッチにて、銅板11
の下面の複数領域にレジスト膜14を塗布する(第3図
(c))。この際、塗布するレジスト膜14の径は、ポリ
イミド樹脂12に形成された穴13の径よりは大きく隣合う
穴13外周までの距離の半分より小さいこととする。この
ようにしておくことにより、製造される電気的接続部材
において、隣合う導電部材同士が導通することなくしか
も導電部材の抜け落ちがない。次いで、銅板11を共通電
極として用いた金メッキにより穴13に金15を充填し、ポ
リイミド樹脂12の表面より金15が突出するまで金メッキ
を続ける(第3図(d))。銅はエッチングするが金15
及びポリイミド樹脂12はエッチングしないようなエッチ
ング液を用いて、レジスト膜14をマスクとして銅板11を
エッチングし、レジスト膜14が塗布されていない領域の
銅板11を完全に除去する(第3図(e))。最後に、レ
ジスト膜14を除去して電気的接続部材1を製造する(第
3図(f))。
このようにして製造された電気的接続部材1において
は、メッキされた金15が導電部材2の一方のバンプ部2a
及び柱状部2cを構成し、銅板11の一部が導電部材2の他
方のバンプ部2bを構成する。
なお、本実施例では絶縁性のレジスト膜14を塗布する
こととしたが、導電性のレジスト膜14を設けることとし
ても良い。導電性のレジスト膜14を使用する場合には、
レジスト膜14を除去する工程は不要である。
(第2実施例) 第4図は第2実施例の工程を示す模式的断面図であ
る。第2実施例の第4図(a)〜第4図(f)における
工程は、第1実施例において説明した第3図(a)〜第
3図(f)における工程と全く同じであるので、同一部
分には同一符号を付してその説明は省略する。
金15からなる一方のバンプ部2a上に導電部材16をのせ
(第4図(g))、この導電部材16を共通電極として用
いた金メッキにより、銅バンプ20bに金バンプ21bを被覆
して、他方のバンプ部2bとする(第4図(h))。本実
施例では、銅板11の一部である銅バンプ20bに最後に金
メッキを施して新しいバンプ部2bとするので、下側のバ
ンプ部2bの形状は丸くなり、両方のバンプ部2a,2bを何
れも丸い形状とすることができる。
本実施例にて製造された電気的接続部材1にあって
は、メッキされた金15が導電部材2の一方のバンプ部2a
及び柱状部2cを構成し、銅板11の一部の銅バンプ20b及
びメッキされた金バンプ21bが導電部材2の他方のバン
プ部2bを構成する。
(第3実施例) 第5図は第3実施例の工程を示す模式的断面図であ
る。第1実施例と同様に、銅板11の一方の面にポリイミ
ド樹脂12を塗布して、プリベイクを行つた後(第5図
(a))、露光,現像を行ってポリイミド樹脂12に複数
の穴13を所定パターンに形成し(第5図(b))、温度
を上げてポリイミド樹脂12の硬化を行う。
次いで、銅板11を共通電極として用いた金メッキによ
り穴13に金15を充填し、ポリイミド樹脂12の表面より金
15が突出するまで金メッキを続ける(第5図(c))。
次に、金15が充填された穴13のピッチと等ピッチにて、
銅板11の下面の複数領域にレジスト膜14を塗布する(第
5図(d))。この際、塗布するレジスト膜14とポリイ
ミド樹脂12に形成された穴13との大きさ及び位置の関係
は第1実施例に同じである。次に、第1実施例と同様
に、レジスト膜14をマスクとして銅板11をエッチング
し、レジスト膜14が塗布されていない領域の銅板11を完
全に除去した後(第5図(e))、最後に、レジスト膜
14を除去して電気的接続部材1を製造する(第5図
(f))。
なお、本実施例では絶縁性のレジスト膜14を塗布する
こととしたが、導電性のレジスト膜14を設けることとし
ても良い。導電性のレジスト膜14を使用する場合には、
レジスト膜14を除去する工程は不要である。
(第4実施例) 第6図は第4実施例の工程を示す模式的断面図であ
る。第4実施例の第6図(a)〜第6図(f)における
工程は、第3実施例において説明した第5図(a)〜第
5図(f)における工程と全く同じであるので、同一部
分には同一符号を付してその説明は省略する。
金15からなる一方のバンプ部2a上に導電部材16をのせ
(第6図(g))、この導電部材16を共通電極として用
いた金メッキにより、銅バンプ20bに金バンプ21bを被覆
して、他方のバンプ部2bとする(第6図(h))。本実
施例では、第2実施例と同様に、銅板11の一部である銅
バンプ20bに最後に金メッキを施して新しいバンプ部2b
とするので、下側のバンプ部2bの形状は丸くなり、両方
のバンプ部2a,2bを何れも丸い形状とすることができ
る。
ところで、上述した各実施例では、導電部材となる導
電材料(金15)を穴13に充填した後、銅板11を部分エッ
チングしている。これとは異なり、まずレジスト膜14を
設けて銅板11を部分エッチングした後、穴13に導電部材
となる導電材料(金15)を充填しても、全く同様に、第
1図または第2図に示すような電気的接続部材1を製造
することが可能である。
(第5実施例) 第7図は第5実施例の工程を示す模式的断面図であ
る。第1実施例と同様に、銅板11の一方の面にポリイミ
ド樹脂12を塗布して、プリベイクを行った後(第7図
(a))、露光,現像を行ってポリイミド樹脂12に複数
の穴13を所定パターンに形成し(第7図(b))、温度
を上げてポリイミド樹脂12の硬化を行う。
次いで、銅板11を共通電極として用いた金メッキによ
り穴13に金15を充填し、ポリイミド樹脂12の表面より金
15が突出するまで金メッキを続ける(第7図(c))。
穴13が形成された部分を除いた銅板11の下面の複数領域
にレジスト膜14を塗布する(第7図(d))。この際、
レジスト膜14を塗布しない領域の径は、ポリイミド樹脂
12に形成された穴13の径よりは大きく隣合う穴13外周ま
での距離の半分より小さいこととする。このようにして
おくことにより、製造される電気的接続部材において、
隣合う導電部材同士が導通することなくしかも導電部材
の抜け落ちがない。また、レジスト膜14を塗布しない領
域のピッチは穴13の形成ピッチと同じである。
次に、金15からなる一方のバンプ部2a上に導電部材16
aをのせ(第7図(e))、銅板11を共通電極として金
メッキにより銅板11の下面に金バンプ21bを被覆する
(第7図(f))。レジスト膜14をエッチング除去した
後(第7図(g))、金バンプ21bが被覆されていない
部分の銅板11をエッチング除去して電気的接続部材1を
製造する(第7図(h))。
第5実施例の変形例について説明する。第7図(b)
の工程の次に穴13が形成された部分を除いた銅板11の下
面の複数領域にレジスト膜14を塗布する。この際、レジ
スト膜14を塗布しない領域の径は、ポリイミド樹脂12に
形成された穴13の径よりは大きく隣合う穴13外周までの
距離の半分より小さいこととする。このようにしておく
ことにより、製造される電気的接続部材において、隣合
う導電部材同士が導通することなくしかも導電部材の抜
け落ちがない。また、レジスト膜14を塗布しない領域の
ピッチは穴13の形成ピッチと同じである。銅板11を共通
電極として金メッキをポリイミド樹脂12側と銅板11側に
金バンプを被覆し、レジスト膜14をエッチング除去した
後に金バンプ21bが被覆されていない部分の銅板11をエ
ッチング除去して電気的接続部材1を製造する。
本実施例にて製造された電気的接続部材1にあって
は、メッキされた金15が導電部材2の一方のバンプ部2a
及び柱状部2cを構成し、銅板11の一部の銅バンプ20b及
びメッキされた金バンプ21bが導電部材2の他方のバン
プ部2bを構成する。
なお、この第5実施例において、穴13に金15を充填す
る工程とレジスト膜14を銅板11に塗布する工程とは順序
を変えても良い。
なお、上述の第2,第4実施例において、バンプ部2a及
び柱状部2cを構成する導電材料と同一の導電材料を被覆
してバンプ部2bを形成することとしたが、別の導電材料
を被覆してバンプ部2bを形成することとしても良い。ま
た、この被覆する方法は、メッキ法に限るものではな
く、他の方法、例えばCVD(chemical vapor depositio
n)による選択成長を採用しても良い。
上述の全実施例では、メッキ法により導電部材2のバ
ンプ部2a及び柱状部2cとなる金15を充填することとした
が、他の方法、例えばCVDによる選択成長を行うことと
しても良い。
本発明で製造される電気的接続部材は、電気的絶縁材
からなる保持体に複数の導電部材が露出している。ま
た、配線パターンの存在するものもある。その際、配線
パターンは保持体の内部に存在していても良いし、保持
体の一方又は両方の面上に存在しても良い。備えられて
いる個々の導電部材と配線パターンとは電気的に接続さ
れていても良いし、接続されていなくても良い。更に、
その電気的接続は、保持体の内部で接続されていても良
いし、保持体の面の一方又は両方で接続されていても良
い。配線パターンの材質は金属材料に限らず、他の導電
材料でも良い。なお、導電部材の接続部の端は凸状にな
っている方が好ましい。また、電気的接続部材は、1層
あるいは2層以上の多層からなるものでも良い。
また本実施例では導電部材2のバンプ部2a及び柱状部
2cの材料として金15を使用したが、金(Au)の他に、C
u,Ag,Be,Ca,Hg,Ho,Ni,W,Fe,Ti,In,Ta,Zn,Al,Sn,Pb−Sn
等の金属または合金を使用できる。導電部材2は、一種
の金属及び合金から形成されていても良いし、数種類の
金属及び合金を混合して形成されていても良い。また、
金属材料に有機材料または無機材料の一方あるいは両方
を含有せしめた材料でも良い。なお導電部材2の断面形
状は、円形,四角形その他の形状とすることができる
が、応力の過度の集中を避けるためには角がない形状が
望ましい。また、導電部材2は保持体3中に垂直に配す
る必要はなく、保持体3の一方の面側から保持体3の他
方の面側に斜行していても良い。また、導電部材2の太
さは特に限定されない。なお、導電部材34の露出部は保
持体35と同一の面としても良いし、保持体3の面から突
出させても良い。ただ、安定して電気回路部品の接続部
と接続を行い、接続部の信頼性を確保するためには、電
気回路部品の接続部と接続される導電部材2は、保持体
3から安定して突出することが望ましい。
また本実施例では導電部材2の他方のバンプ部2bを構
成する基体として銅板11を用いたが、これに限らず、A
u,Ag,Be,Ca,Mg,Mo,Ni,W,Fe,Ti,In,Ta,Zn,Al,Sn,Pb−Sn
等の金属または合金の薄板を使用できる。
更に本実施例では、保持体3となる樹脂層としてポリ
イミド樹脂12を用いたが、特に限定されない。露光,現
像処理により穴13を形成する場合には、感光性の樹脂で
ある必要はあるが、もし露光,現像処理ではなくて例え
ば光エネルギビームの照射により穴13を形成する場合に
は、感光性の樹脂である必要もない。また、樹脂中に、
粉体,繊維,板状体,棒状体,球状体等の所望の形状を
なした、無機材料,金属材料,合金材料の一種または複
数種が、分散して含有せしめても良い。含有される金属
材料,合金材料として具体的には、Au,Ag,Cu,Al,Be,Ca,
Mg,Mo,Fe,Ni,Co,Mn,W,Cr,Nb,Zr,Ti,Ta,Zn,Sn,Pb−Sn等
があげられ、含有される無機材料として、SiO2,B2O3,Al
2O3,Na2O,K2O,CaO,ZnO,BaO,PbO,Sb2O3,As2O3,La2O3,ZrO
2,P2O5,TiO2,MgO,SiC,BeO,BP,BN,AIN,B4C,TaC,TiB2,CrB
2,TiN,Si3N4,Ta2O5等のセラミック,ダイヤモンド,ガ
ラス,カーボン,ボロン等があげられる。
〔発明の効果〕
本発明の電気的接続部材では、突出する両バンプ部の
導電材料が異なっているので、接合する電気回路部品の
接続部に合せて夫々のバンプ部の導電材料を任意に選択
することができ、接続部と導電部材との安定した接合を
実現でき、電気回路部品同士の高密度、微細な接続を達
成できる。
また本発明の製造方法では、基体を導電部材の一部と
して有効に利用するので、導電部材を形成する際に充填
する導電材料の使用量を少なくでき、製造コストの低減
化を図ることができる。また、この導電材料を充填する
時間を短くできるので、製造時間の短縮化を図ることが
できる。そして、突出する両バンプ部の導電材料が異な
っている導電部材を有する電気的接続部材を、安価に、
容易に製造することが可能である。
また、最後に残存する基体に別の導電材料を被覆する
場合には、両方のバンプの形状を丸くすることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電気的接続部材の断面図、第2図
は本発明に係る電気的接続部材の別の実施例の断面図、
第3図は本発明に係る製造方法の第1実施例の工程を示
す模式的断面図、第4図は本発明に係る製造方法の第2
実施例の工程を示す模式的断面図、第5図は本発明に係
る製造方法の第3実施例の工程を示す模式的断面図、第
6図は本発明に係る製造方法の第4実施例の工程を示す
模式的断面図、第7図は本発明に係る製造方法の第5実
施例の工程を示す模式的断面図、第8図は電気的接続部
材の使用例を示す模式図、第9図は従来の製造方法の工
程を示す模式的断面図である。 1…電気的接続部材、2…導電部材、2a,2b…バンプ
部、2c…柱状部、20b…銅バンプ、21b…金バンプ、3…
保持体、11…銅板、12…ポリイミド樹脂、13…穴、14…
レジスト膜、15…金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 豊秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 近藤 浩史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 ▲榊▼ 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 田村 洋一 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 岡林 高弘 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 近藤 和夫 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 中塚 康雄 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 池上 祐一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−276512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 11/01 H01L 21/60 311

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気的絶縁性を有する樹脂材からなる保持
    体と、該保持体中に互いに絶縁状態にして備えられた複
    数の導電部材とを有し、前記各導電部材の一方の端部が
    前記保持体の一方の面から突出しており、前記各導電部
    材の他方の端部が前記保持体の他方の面から突出してい
    る電気的接続部材であって、 前記導電部材の一方の端部を構成する導電材料と他方の
    端部を構成する導電材料とが異なり、前記導電部材の各
    端部を構成する導電材料の一部は、前記保持体の一方又
    は他方の面と、夫々の平面で接触していることを特徴と
    する電気的接続部材。
  2. 【請求項2】電気的絶縁性を有する樹脂材からなる保持
    体と、該保持体中に互いに絶縁状態にして備えられた複
    数の導電部材とを有し、前記各導電部材の一端が前記保
    持体の一方の面において露出しており、前記各導電部材
    の他端が前記保持体の他方の面において露出している電
    気的接続部材を製造する方法であって、 前記保持体となる樹脂層を導電材料からなる基体上に設
    ける工程と、 該樹脂層に前記基体まで貫通する複数の穴を形成し、穴
    内に前記基体を露出させる工程と、 前記基体とは異なる導電材料を前記複数の穴に充填する
    工程と、 前記露出された領域近傍以外の前記基体を除去する工程
    と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
  3. 【請求項3】電気的絶縁性を有する樹脂材からなる保持
    体と、該保持体中に互いに絶縁状態にして備えられた複
    数の導電部材とを有し、前記各導電部材の一端が前記保
    持体の一方の面において露出しており、前記各導電部材
    の他端が前記保持体の他方の面において露出している電
    気的接続部材を製造する方法であって、 前記保持体となる樹脂層を導電材料からなる基体上に設
    ける工程と、 該樹脂層に前記基体まで貫通する複数の穴を形成し、前
    記基体を露出させる工程と、 前記露出された領域近傍以外の前記基体を除去する工程
    と、 前記基体とは異なる導電材料を前記複数の穴に充填する
    工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記基体を除去する工程の前に前記基体の
    樹脂層を設けた面とは反対側の面の除去する領域以外に
    前記基体とは異なる導電材料を設ける工程を有し、前記
    基体を除去する工程においてこの設けられた導電材料を
    レジストとして前記基体を除去する請求項2または3記
    載の電気的接続部材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記基体を除去する工程の前に前記基体の
    樹脂層を設けた面とは反対側の面の除去する領域以外に
    絶縁性のレジストを設ける工程を有し、前記基体を除去
    する工程の後に前記レジストを除去する工程を有する請
    求項2または3記載の電気的接続部材の製造方法。
  6. 【請求項6】すべての前記工程を終了した後に、残存す
    る基体に導電材料を被覆する工程を有する請求項2,3,4
    または5記載の電気的接続部材の製造方法。
  7. 【請求項7】電気的絶縁材からなる保持体と、該保持体
    中に互いに絶縁状態にて備えられた複数の導電部材とを
    有し、前記各導電部材の一端が前記保持体の一方の面に
    おいて露出しており、前記各導電部材の他端が前記保持
    体の他方の面において露出している電気的接続部材を製
    造する方法において、 前記保持体となる絶縁層を導電材料からなる基体上に設
    ける工程と、 該絶縁層に複数の穴を形成し、前記基体を露出させる工
    程と、 前記複数の穴に前記基体とは異なる導電材料を充填する
    工程と、 前記基体の絶縁層を設けた面とは反対側の面の露出され
    た領域近傍以外にレジストを設ける工程と、 前記基体の該レジストが設けられていない領域に導電材
    料を被覆する工程と、 前記レジストを除去する工程と、 前記レジストが設けられていた領域の前記基体を除去す
    る工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
  8. 【請求項8】電気的絶縁材からなる保持体と、該保持体
    中に互いに絶縁状態にて備えられた複数の導電部材とを
    有し、前記各導電部材の一端が前記保持体の一方の面に
    おいて露出しており、前記各導電部材の他端が前記保持
    体の他方の面において露出している電気的接続部材を製
    造する方法において、 前記保持体となる絶縁層を導電材料からなる基体上に設
    ける工程と、 該絶縁層に複数の穴を形成し、前記基体を露出させる工
    程と、 前記基体の絶縁層を設けた面とは反対側の面の露出され
    た領域近傍以外にレジストを設ける工程と、 前記基体とは異なる導電材料を、前記複数の穴に充填す
    ると共に前記基体の前記レジストが設けられていない領
    域に被覆する工程と、 前記レジストを除去する工程と、 前記レジストが設けられていた領域の前記基体を除去す
    る工程と を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。
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