JP2796138B2 - ステッピングモータのクローポール形ヨークの極歯構造 - Google Patents

ステッピングモータのクローポール形ヨークの極歯構造

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は2相PM(永久磁石)形のステッピングモー
タに関し、特に、ステータを構成するクローポール形ヨ
ークの極歯構造の改良に関する。
《従来の技術》 この発明の対象である2相PM形ステッピングモータの
全体的な構成を第3図および第4図に示している。両図
に示すように、ほぼ同一構成の2相分のヨークユニット
1と2でもって円筒状のステータの主要部が構成されて
いる。ヨークユニット1は板金部品である外ヨーク部品
3と中ヨーク部品4を組み合わせることでコイル5を収
納するドーナツ形の空間が形成されているとともに、そ
の内周部には外ヨーク部品3および中ヨーク部品4にそ
れぞれ形成された極歯3a、4aが交互に向かい合って非接
触の噛み合い状態に配置されている。ヨークユニット2
も同じ構成で、外ヨーク部品6と中ヨーク部品7を組み
合わすことで形成されたドーナツ形の空間内にコイル8
が収納され、その内周部において、外ヨーク部品6の極
歯6aと中ヨーク部品7の極歯7aが交互に向い合って非接
触状態の噛み合い状態に配置されている。ロータ9は多
極着磁された円筒形の永久磁石9bの中心にロータ軸9aを
取り付けたもので、前記ステータ内の内周部にロータ9
が配置され、ヨークユニット1に固着された前フランジ
10の軸受11とヨークユニット2に固着された後フランジ
12の軸受13とでロータ9が軸支されている。
なお、この種のステッピングモータについては『やさ
しく学ぶステッピングモータと使い方』(総合電子出版
社)に詳しく解説されている。
《発明が解決しようとする課題》 前述したような構成の従来の2相PM形ステッピングモ
ータでは、以下に述べるような理由により磁気的効率が
低くなっており、そのため出力特性の効率が低いという
問題があった。
第4図に示すように、各ヨーク部品3、4、6、7に
形成されている極歯3a、4a、6a、7aは全て同一寸法、同
一形状になっている。また、第3図に示すように、軸受
11、13の配置やその他の理由により、ロータ9の永久磁
石9bの実効長Bはステータ磁気回路の実効長(ヨークユ
ニット1と2を合せた実効長)より少し小さく、ロータ
永久磁石9bの両端部分にそれぞれ長さdの無効エリアが
存在する。
中ヨーク部品4、7の極歯4a、7aはヨークユニット1
と2の接合面側からステータの両端面側に突出してお
り、これを外向き極歯4a、7aと称することにする。これ
に対し、外ヨーク部品3、6の極歯3a、6aはステータ両
端面側からヨークユニット1と2の接合面側に突出して
おり、これを内向き極歯3a、6aと称する。
ここで外向き極歯4a、7aはその全面積にわたってロー
タ永久磁石9bの外周に近接して対向しているのに対し、
永久磁石9bの両端部に前述した長さdの無効エリアが存
在するために、内向き極歯3a、6aの根元部分は永久磁石
9bの外周に近接対向しておらず、磁石9bとの対向面積は
外向き極歯4a、7aより小さくなっている。このことがモ
ータ全体としての磁気回路の効率低下の一つの要因にな
っており、高効率で高トルクのモータを実現する上での
障害になっている。
この発明は前述した従来の問題点に鑑みなされたもの
で、その目的は、ロータ磁石の有効長がステータ有効長
より短くても、できる限り磁気回路の効率を高くして高
効率で高トルクのモータを実現できるようにすることに
ある。
《課題を解決するための手段》 そこでこの発明では、前述したような基本構成の2相
PM形ステッピングモータにおいて、ステータの両端面側
から両ヨークユニットの接合面側に突出している極歯
(内向き極歯)の突出長さを両ヨークユニットの接合面
側からステータの両端面側に突出している極歯(外向き
極歯)の突出長さより大きくした。
《作 用》 内向き極歯の長さを外向き極歯より長くしたことで、
内向き極歯とロータ永久磁石との近接対向面積を増大さ
せ、外向き極歯とロータ永久磁石との対向面積と等しく
することができる。
《実施例》 第3図に示したモータの断面図は本発明の実施例にも
共通するものであり、また第4図の部分破断斜視図も以
下に説明する点を除いて本発明の実施例とほぼ共通する
ものである。
本実施例では、先に詳しく説明した従来の2相PM形ス
テッピングモータの構成において、内向き極歯3a、6aの
寸法、形状を外向き極歯4a、7aと異ならせた点を特徴と
するものである。
第1図および第2図に本発明の特徴部分を抽出して具
体的に示している。両図のように、外ヨーク部品3、6
に形成された内向き極歯3a、6aの突出長さL1を、中ヨー
ク部品4、7に形成された外向き極歯4a、7aの突出長さ
L2より大きく形成している。前述のように、内向き極歯
3a、6aの根元部分は第3図の無効エリアdがあるために
ロータ永久磁石9bと対向しないが、L1をL2より長くする
ことで内向き極歯3a、6aと磁石9bとの対向面積を外向き
極歯4a、7aのそれと等しくなるように構成している。
《発明の効果》 以上詳細に説明したように、この発明によれば、ヨー
クユニットを構成する外ヨーク部品と中ヨーク部品に形
成する極歯の寸法、形状を少し変更するという極めて簡
単な手段により、ロータ永久磁石と各極歯の対向面積を
等しくすることができ、これによってモータ全体として
の磁気回路の効率が向上し、従来より高効率で高トルク
のモータを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における要部構成である極歯
部分の展開図、第2図は同じ実施例における1つのヨー
クユニットの極歯部分の斜視図、第3図は本発明の実施
例および従来に共通する構成を表現した2相PM形ステッ
ピングモータの断面図、第4図は従来の2相PM形ステッ
ピングモータの一部切欠き断面図である。 1、2……ヨークユニット 3、6……外ヨーク部品(板金部品) 3a、6a……内向き極歯 4,7……中ヨーク部品(板金部品) 4a、7a……外向き極歯 5……コイル 9……ロータ 9b……永久磁石

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの板金部品を組み合わせてなることで
    コイルを収納するドーナツ形の空間が形成されるととも
    に、その内周部には両板金部品に形成された極歯が交互
    に向い合って非接触の噛み合い状態に配置される組み立
    て品を1相分のクローポール形ヨークユニットとし、2
    個のヨークユニットを接合してステータが構成される2
    相PM形ステッピングモータにおいて、ステータの両端面
    側から両ヨークユニットの接合面側に突出している極歯
    の突出長さが、両ヨークユニットの接合面側からステー
    タの両端面側に突出している極歯の突出長さより大きい
    ことを特徴とするステッピングモータのクローポール形
    ヨークの極歯構造。
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