JPH11136893A - 永久磁石形モータ - Google Patents

永久磁石形モータ

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JPH11136893A
JPH11136893A JP9295425A JP29542597A JPH11136893A JP H11136893 A JPH11136893 A JP H11136893A JP 9295425 A JP9295425 A JP 9295425A JP 29542597 A JP29542597 A JP 29542597A JP H11136893 A JPH11136893 A JP H11136893A
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JP
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skew
rotation axis
permanent magnet
axis direction
stator
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JP9295425A
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Isamu Nitta
勇 新田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コギングトルク、低振動、低騒音、低回転
むらであるとともに、高出力効率を有する永久磁石形モ
ータを提供する 【解決手段】 磁極数が2n、突極数が3nの組合せ、
又は磁極数が4n、突極数が3nの組合せ構造をなす永
久磁石形モータにおいて、磁極境界の回転軸方向中央部
に回転軸方向に対して arctan(72πr/(90LP))≦θ≦arctan( (720/7)πr/(9
0LP))[deg] θ:スキュー角 L:固定子軸方向長さ r:空隙半径
P:磁極数 の範囲のスキュー角θを有するスキュー12を設け、そ
の回転軸方向両端部夫々にスキュー角θよりも小さいス
キュー角又は負のスキュー角を有する同一長、同一角の
スキュー11、13を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高出力効率を保持
しつつコギングトルクを低減できるスキューを備えた永
久磁石形モータに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】周知のように、永久磁
石形モータ、中でも突極構造を有するものにおいては、
突極を有する電機子鉄心と界磁部である永久磁石との間
の相対的な幾何学的位置関係によってリラクタンスが変
化し、磁極各部に作用する力が回転軸に対して非対称と
なるため、いわゆるコギングトルクが発生し、それがト
ルクむらや振動、騒音の原因となる。
【0003】こうしたコギングトルクを低減する一つの
方法として、従来より、回転子永久磁石の異極間の境界
にスキューを設け、突極と永久磁石との間の幾何学的位
置関係を軸方向に対し平均化することが行われている。
例えば特開平2−74136号公報には、回転子の磁極
数が4、固定子の突極数が6の永久磁石形モータにおい
て、回転子の永久磁石に回転軸方向から機械角45[d
eg]一定のスキューを設ける手段が示されている。こ
の場合のスキュー角の値は、回転力が作用する磁束分布
状態と固定力が作用する磁束分布状態とをバランスさせ
ることに着目して定めたものである。
【0004】このような回転軸方向に対して一定の傾斜
角を有するスキュー(以下、単一スキューと称す)を設
けると、一般にそのスキュー角が大きいほど磁束密度の
高調波成分を減少させることができ、その結果コギング
トルクを抑制することができる。しかしながら、スキュ
ー角を増大すると、同時に磁束密度の基本波成分も減少
してしまうので、駆動トルクが低下しモータの出力効率
が悪化するという問題があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、低コギングトルク、低振動、低騒音、
低回転むらであるとともに、高出力効率を有する永久磁
石形モータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の永久磁石形モータは、永久磁石を周方向に
交互に異極が隣接するよう配設した回転子と、周方向に
配設した複数個の突極に電機子巻線を巻回してなる固定
子とを有する永久磁石形モータであって、nを自然数と
したとき、回転子の磁極数が2n、固定子の突極数が3
nである組合せ、又は回転子の磁極数が4n、固定子の
突極数が3nである組合せに係る構造をなすと共に、永
久磁石の異極間の境界において、その回転軸方向中央部
に回転軸方向に対して(1)式の範囲のスキュー角θを
有するスキューを設け、その回転軸方向両端部夫々に回
転軸方向中央部に設けたスキューよりも傾きの小さい又
は逆方向に傾けた複数のスキューを設けたことを特徴と
する(請求項1)。 arctan(72πr/(90LP))≦θ≦arctan( (720/7)πr/(90LP))[deg] …(1) ただし θ:スキュー角 L:固定子軸方向長さ r:空隙半径 P:磁極数 斯様に構成すれば、磁束密度の基本波成分の減少分が小
さいスキュー角の範囲内において、コギングトルクの原
因となる磁気エネルギー変動の6次成分を略0にするこ
とができる。
【0007】また、この場合、回転軸方向両端部夫々に
設けたスキューのうち固定子と対向する部分の回転軸方
向長さとスキュー角が両端部で略同一となるようにする
と良い(請求項2)。斯様な対称構造すれば、回転子と
固定子との間のリラクタンスに起因する吸引/反発力が
回転軸方向に平均化され、モータの回転軸方向の振動を
小さくすることができる。
【0008】さらに、回転軸方向両端部夫々に設けたス
キューのスキュー角を両端部とも略0にしても良い(請
求項3)。斯様に構成すれば、磁気検出器が対向する回
転子の回転軸方向両端部における磁極境界部が回転軸方
向と略平行となるので、回転子の回転軸方向の振動に対
しても磁気検出器の検出位相がずれることなく安定した
磁極位置の検出が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1乃至図8を参照しながら説明する。図2は、外
転構造をなす永久磁石形モータの軸平行断面図を示して
いる。図示しない静止部位に取り付けられた固定子1
は、珪素鋼板を積層して作られる固定子コア2と、この
固定子コア2の外縁部に設けられた突極3とにより構成
されており、この突極3には電機子巻線4が巻装されて
いる。固定子1の外周外側には空隙5を隔てて略カップ
形状をなす回転子6が固定子1を包囲するように形成さ
れている。この回転子6は、磁気回路を形成する回転子
ヨーク7と、その回転子ヨーク7の円筒部内周面に取着
されて固定子1に対面する永久磁石8とにより構成され
ており、回転子ヨーク7のカップ形状底部の中心位置に
固着された回転軸9と軸受10を介して固定子1に対し
回転自在に支持されている。なお、図示しないが、永久
磁石8の回転軸方向両端部の内周面に対向して磁気検出
器が設けられている。
【0010】図3は、上記構造を有する永久磁石形モー
タの軸直角断面図を示している。固定子1は等幅の6つ
の突極3を等間隔に備え、永久磁石8は周方向に交互に
異極が隣接するように2つのN極と2つのS極(磁極数
4)とが着磁されている。この場合、回転子6の磁極数
が4、固定子1の突極数が6であるので、nを自然数と
した場合、磁極数が2n、突極数が3nとなる構造を有
している。ただし、本実施例においてはnが2の場合に
相当する。
【0011】さらに、永久磁石8の固定子対向面の周方
向への展開を示す図1を参照してその着磁構造について
説明する。永久磁石8の異極間の境界には、回転軸方向
から30[deg]の傾斜角をもつスキュー12と、回
転軸方向から−30[deg]の傾斜角をもつスキュー
11とスキュー13とが、軸方向の一端である上端から
他端である下端方向にスキュー11、12、13の順に
相互に異極間境界線が連続して繋がるように複合スキュ
ー構造をなして構成されている。これら各スキューの回
転軸方向長さは、永久磁石8の回転軸方向長さを1とし
て、スキュー12が4/6、スキュー11、13が共に
1/6である。また、後述するスキュー12のスキュー
幅は略90[deg]となるように設定されている。
【0012】次に本実施例の作用について説明する。初
めに、軸方向中央部に設けるスキュー12の傾斜角を、
回転軸方向に対して(1)式の範囲のスキュー角θに設
定すべき理由について説明する。
【0013】突極構造を有する永久磁石形モータが、n
を自然数として回転子の磁極数が2n、固定子の突極数
が3nである組合せ、又は回転子の磁極数が4n、固定
子の突極数が3nである組合せに係る構造をなす場合に
は、コギングトルクを発生させる空隙部5の磁気エネル
ギー変動は、1磁極対を基本周期として、磁極数と突極
数の最小公倍数である6次の高調波成分が現れる。この
とき、6次を越える成分についても現れるが、その磁気
エネルギー変動は極めて小さいため6次成分のみを考慮
すれば十分である。
【0014】さて、磁気エネルギーは磁束密度の2乗に
比例するので、磁束密度を各次高調波成分の和として表
し、2乗演算の結果上記6次成分が生じる磁束密度の高
調波次数の組合せを考える。この場合、m次成分とn次
成分の乗算により、(m+n)次と(m−n)次の2つ
の成分が互いに逆位相として生じることに留意する。ま
た、本実施例における磁束密度波形は所謂正負対称波形
となるので、偶数次に関する高調波成分は0になる。こ
れらを考慮すると、磁気エネルギー変動の6次成分を発
生させる磁束密度の高調波成分の組合せは、n次×(6
−n)次の相互作用である1次と5次、3次と3次の2
種、及びn次×(6+n)次の相互作用である1次と7
次、3次と9次、5次と11次等となる。ただし、n次
×(6+n)次の相互作用については、n=1以外の場
合の作用は極端に小さくなる。従って、以下においては
1次と5次、3次と3次、及び1次と7次の3つの相互
作用について考慮すれば十分である。
【0015】なお、このときの磁気エネルギー変動の6
次成分は、次式により求められる。 磁気エネルギー変動の6次成分= (磁束密度の1次成分と5次成分の相互作用) +(磁束密度の3次成分と3次成分の相互作用) −(磁束密度の1次成分と7次成分の相互作用)…(2)
【0016】図4は、単一スキュー構造におけるスキュ
ー幅(電気角)に対する1次、3次、5次、7次の各磁
束密度成分の変化を示した図である。その横軸はスキュ
ー幅(電気角)[deg]を表し、その縦軸はスキュー
角0[deg]のとき、つまりスキューを設けないとき
の各次磁束密度成分を1として規格化した場合の各次高
調波成分の変化比率を表している。スキュー角0におけ
る実際の各次高調波成分は、基本波成分を1とするとn
次高調波成分は略1/nとなっている。
【0017】ここで、スキュー幅(電気角)[deg]
とは、磁極境界の回転軸方向からの傾斜角として定義さ
れるスキュー角を、1対のN極とS極から構成される磁
極幅が電気角360[deg]として定義される周方向
角度に等価的に変換したものである。より具体的には、
単一スキューにおいて、スキューの永久磁石下端部にお
ける周方向角度位置ψ1と、スキューの永久磁石上端部
における周方向角度位置ψ2との差の絶対値(=|ψ1
−ψ2|)を電気角で表したものであり、スキュー角と
の間には次式に示す変換関係を有する。
【0018】 θ=arctan(ψπr/(90LP)) …(3) ただし、θ:スキュー角[deg] ψ:スキュー幅(電気角)[deg] r:空隙半径 L:固定子軸方向長さ P:磁極数
【0019】以下、図4と上記(2)式を参照しなが
ら、コギングトルクの原因となる磁気エネルギー変動の
6次成分を有効に減少させることのできるスキュー幅を
検討する。図4における磁束密度の基本波成分及び各次
高調波成分は、スキュー幅の増加に対して減少傾向を示
し、その成分比率が最初に0となった後は0を中心とし
て正負に振動しながら減衰していく。各次高調波成分が
最初に0となるスキュー幅は、3次が120[de
g]、5次が72[deg]、7次が720/14[d
eg]である。
【0020】スキュー幅0[deg]において(2)式
に示す磁気エネルギー変動の6次成分を概算すると、そ
の結果は正となりコギングトルクが発生することが分か
る。この状態からスキュー幅を徐々に増加していくと、
0[deg]から720/14[deg]までのスキュ
ー幅領域Aにおいては高次磁束密度成分ほど減少率が大
きいので、(2)式の第1項と第2項の減少割合に比べ
1次成分と7次成分との相互作用である第3項の減少割
合が大きくなり、依然として(2)式を0にすることが
できない。また、7次成分のみが負となる720/14
[deg]から72[deg]のスキュー幅領域Bにお
いては、(2)式の(符号を含めた)第3項が負から正
に転じるのでやはり(2)式を0にすることができな
い。従って、0[deg]から72[deg]までのス
キュー幅を設けても、エネルギー変動の6次成分は減少
するものの0にすることはできず、コギングトルクは残
存してしまう。
【0021】一方、720/7[deg]よりも大きい
スキュー幅(領域D)とした場合には、各次高調波成分
とも十分に減衰しているために、もはや(2)式の演算
結果に依らずともエネルギー変動の6次成分は十分に小
さいと考えられる。しかしながら、この場合にはトルク
を発生させる磁束密度の基本波成分も10%以上減少し
てしまうため、効率の悪化を招き好ましくない。
【0022】そこで、これらの中間領域C、つまり72
[deg]から720/7[deg]のスキュー幅を設
けた場合について考察する。この場合には、磁束密度の
基本波成分と3次成分が正、5次成分と7次成分が負の
値を有し、(2)式において第1項が負、第2項と第3
項が(符号を含めて)正となる。これら各項の値はスキ
ュー幅により変動するが、例えばスキュー12のように
90[deg]のスキュー幅では、1次と5次の相互作
用である第1項が最も大きく、次いで1次と7次の相互
作用である第3項、3次と3次の相互作用である第2項
の順となる。
【0023】図5は、このときの(2)式各項に示され
る各相互作用によるエネルギー変動成分を示したもの
で、各相互作用を示す棒グラフのうち左側(右斜め斜
線)がスキュー幅90[deg]の単一スキューの場合
を、右側(左斜め斜線)は後に詳述する図1に示す複合
スキューの場合を表している。この図において、1次と
5次の相互作用は(2)式の第1項に対応し5次成分が
負の値を有するため逆位相成分となり、3次と3次の相
互作用は(2)式の第2項に対応し常に正位相成分とな
る。また、1次と7次の相互作用は(2)式の第3項に
対応し、7次成分が負の値を有するため第3項の負符号
と併せて正位相成分となる。これら各相互作用の成分は
正位相成分と逆位相成分とで相殺され、これら各相互作
用の合計であるエネルギー変動が小さくなっていること
が分かる。
【0024】従って、図4、図5、及び(2)式によれ
ば、上記中間領域C、つまり(1)式に示す範囲にある
スキュー角θを設定すると、負の値を有する最大項であ
る第1項と、正の値を有する第2項、第3項とを相殺さ
せることで、エネルギー変動の6次成分を減少させるこ
とが可能となる。また、本中間領域Cにおいては、磁束
密度の基本波成分の減少も略10%以内に止まるので、
スキューのトルクに与える影響が比較的小さく、高効率
のモータを構成することができる。
【0025】次に、永久磁石8の軸方向中央部に設けた
スキュー12に加え、回転軸方向両端部夫々に負のスキ
ュー角(又はスキュー12よりも小さいスキュー角)を
有するスキュー11、13を設けた複合スキュー構造と
する理由について説明する。図5において単一スキュー
の場合、各相互作用の合計は小さいものの依然負の値と
して存在している。この状態から更にエネルギー変動を
0に近付けるためには、各次磁束密度成分の値を操作す
る必要がある。この場合、スキュー幅を変化させること
も考えられるが、更に自由度の高い有効な方法として図
1に示すような複合スキューを用いる方法が良い。
【0026】図6と図7は、夫々スキュー幅に対する5
次及び7次の磁束密度成分の変化を示した図である。そ
の横軸はスキュー幅(電気角)[deg]を表し、その
縦軸は単一スキューのスキュー角0[deg]のとき、
つまりスキューを設けないときの各次磁束密度成分を1
として規格化した場合の変化比率を表している。これら
の図において、太実線は図1に示す複合スキュー構造、
即ちスキュー11、13のスキュー角が−30[de
g]一定でスキュー12のスキュー幅(スキュー角)を
変化させる場合、一点鎖線は後述する図9に示す複合ス
キュー構造、細実線は単一スキュー構造を示す。
【0027】単一スキューと複合スキューの場合を比較
すると、複合スキューとすることで5次及び7次成分が
増加するが、その増加割合は5次成分よりも7次成分の
方が大きく、また図示しないが、基本波成分と3次成分
については複合スキューにしてもほとんど変化しない。
このことから、単一スキューを複合スキューとすること
で、図5に示す各エネルギー変動のうち、3次と3次の
相互作用はそのままで、1次と7次の相互作用を1次と
5次の相互作用よりも増加させることが可能となる。そ
の結果、図5の複合スキューの合計に示すように、これ
ら3つの相互作用の和を略0にすることができる。な
お、図6、図7に示すように、単一スキューを複合スキ
ューとしても、各次高調波成分が0となる位置はほとん
ど変化しないので、前述した最適スキュー角θはそのま
ま適用可能である。
【0028】図8は、単一スキューと複合スキューの場
合の磁束密度分布を示したもので、その横軸は電気角
を、その縦軸は空隙5の磁束密度を表す。また、太実線
は図1に示す複合スキュー構造の磁束密度分布を、細実
線は単一スキュー構造の磁束密度分布を表している。複
合スキューとすることで頂部がより平坦になり高調波成
分が増加していることが分かる。
【0029】以上述べたように本実施例によれば、空隙
部エネルギーの6次変動成分を生じる構造の永久磁石形
モータにおいて、永久磁石8の磁極境界の回転軸方向中
央部に回転軸方向に対して(1)式の範囲内にあるスキ
ュー(スキュー角30[deg])を設けたので、エネ
ルギー変動の6次成分を最適に減少させると共にトルク
の減少を最小限に抑えることができる。さらに、その回
転軸方向両端部夫々に負のスキュー角−30[deg]
を有するスキューを設けた複合スキュー構造としたの
で、その場合の各次成分の増加割合が次数によって異な
る特性を利用することによりエネルギー変動の6次成分
を略0にすることができる。その結果、コギングトルク
を極小化でき、低振動、低騒音、低回転むらを達成でき
る。また、従来の単一スキューと同等量のコギングトル
クを許容した場合、スキュー角を小さく設定することが
できるので、磁束密度の基本波成分の減少分が小さくな
り出力効率を高くすることができる。
【0030】さらに、本実施例においては、回転軸方向
両端部夫々に設けたスキュー11、13のうち固定子と
対向する部分の回転軸方向長さとスキュー角が同一とな
る対称構造としたので、スキュー部分における回転子と
固定子との間のリラクタンスに起因する吸引/反発力が
回転軸方向においても平均化され、一層モータの振動を
小さくすることができる。なお、本実施例のように、中
央部と両端部のスキュー方向を逆転させた場合には、良
好なスキュー効果が得られる分両端部の長さをより短く
できるので、軸方向の長さが短いモータにも適用するこ
とが可能となる。
【0031】次に、本発明の第2実施例について図9を
参照しながら説明する。図9は永久磁石8の固定子対向
面の周方向への展開を示したものである。永久磁石8の
異極間の境界には、回転軸方向から30[deg]の傾
斜角をもつスキュー15と、回転軸方向に平行(スキュ
ー角0)であるスキュー14とスキュー16とが、上端
から下端方向にスキュー14、15、16の順に相互に
異極間境界線が連続して繋がるように構成されている。
これら各スキューの回転軸方向長さは、永久磁石8の回
転軸方向長さを1として、スキュー15が4/6、スキ
ュー14、16が共に1/6である。また、スキュー1
5のスキュー幅は略90[deg]となるように設定さ
れている。この永久磁石8のスキュー14、16のうち
固定子に対向していない部分(図示せず)には非接触の
磁器検出器が配置され、磁極位置を検出するようになっ
ている。
【0032】上記構造を有する本実施例においても、そ
のスキュー15の角度は第1実施例と同様に(1)式に
示す範囲にあるため、エネルギーの6次変動成分を最適
に減少させることができる。また、図6と図7の一点鎖
線に示すように、複合スキューとすることでスキュー幅
に対する7次成分の変化量が5次成分の変化量よりも大
きくなるので、前述した作用に従って(2)式の各項を
相殺させることにより、エネルギー変動を単一スキュー
の場合よりも小さくすることができる。
【0033】さらに、本第2実施例によれば、磁器検出
器が近接する永久磁石8の磁極境界部を回転軸と平行に
構成したので、回転子が回転軸方向に振動しても検出位
相のずれがなく、安定した磁極位置の検出が可能とな
る。
【0034】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、例えば内転形モータ構造
や3つよりも多いスキューを有する複合スキュー構造で
あっても同様に適用でき、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更して実施することができる。また、突極という
概念は、円周に多数のスロットを有する固定子鉄心にコ
イルを分布巻きした場合の構成においては、コイル辺間
の鉄心部分をいう。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明では、永久磁石の異極間
の境界において、回転軸方向中央部に(1)式の範囲内
のスキュー角を有するスキューを設けると共に、回転軸
方向両端部夫々に前記スキュー角θよりも小さいスキュ
ー角又は負のスキュー角を有する複数のスキューを設け
たので、コギングトルクの原因となる磁気エネルギーの
6次成分を略0にすることができ、低振動、低騒音、低
回転むらを実現できる。また、コギングトルクの抑制効
果が大きい分、従来の単一スキューよりもスキュー角を
小さく設定することができるので、磁束密度の基本波成
分の減少が小さく高出力効率が得られる。
【0036】請求項2の発明では、回転軸方向両端部夫
々に設けたスキューのうち固定子と対向する部分の回転
軸方向長さとスキュー角が両端部で略同一となる対称構
造としたので、回転子と固定子との間の吸引/反発力が
回転軸方向に平均化され、モータの回転軸方向の振動を
小さくすることができる。
【0037】請求項3の発明では、回転軸方向両端部夫
々に設けたスキューのスキュー角を両端部とも略0にし
たので、回転子の回転軸方向の振動に対しても磁気検出
器の検出位相のずれがなく、安定した磁極位置の検出が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回転子の永久磁石配
置部分の展開図
【図2】永久磁石形モータの軸平行断面図
【図3】永久磁石形モータの軸直角断面図
【図4】単一スキューのスキュー幅(電気角)と各次磁
束密度成分との関係を示す図
【図5】磁束密度の相互作用によるエネルギー変動成分
を示す図
【図6】複合スキューにおける5次成分の図4相当図
【図7】複合スキューにおける7次成分の図4相当図
【図8】単一スキューと複合スキューの磁束密度分布図
【図9】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
1は固定子、3は突極、6は回転子、8は永久磁石、1
1〜16はスキューである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を周方向に交互に異極が隣接す
    るよう配設した回転子と、周方向に配設した複数個の突
    極に電機子巻線を巻回してなる固定子とを有する永久磁
    石形モータであって、nを自然数としたとき、前記回転
    子の磁極数が2n、前記固定子の突極数が3nである組
    合せ、又は前記回転子の磁極数が4n、前記固定子の突
    極数が3nである組合せに係る構造をなすと共に、前記
    永久磁石の異極間の境界において、その回転軸方向中央
    部に回転軸方向に対して以下の式の範囲のスキュー角θ
    を有するスキューを設け、その回転軸方向両端部夫々に
    前記回転軸方向中央部に設けたスキューよりも傾きの小
    さい又は逆方向に傾けた複数のスキューを設けたことを
    特徴とする永久磁石形モータ。 arctan(72πr/(90LP))≦θ≦arctan( (720/7)πr/(9
    0LP))[deg] ただし θ:スキュー角 L:固定子軸方向長さ r:空隙半径 P:磁極数
  2. 【請求項2】 回転軸方向両端部夫々に設けたスキュー
    のうち固定子と対向する部分の回転軸方向長さとスキュ
    ー角が両端部で略同一であることを特徴とする請求項1
    記載の永久磁石形モータ。
  3. 【請求項3】 回転軸方向両端部夫々に設けたスキュー
    のスキュー角が両端部とも略0であることを特徴とする
    請求項1記載の永久磁石形モータ。
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