JP2009278699A - ロータの製造方法及びロータ、並びにブラシレスモータ - Google Patents

ロータの製造方法及びロータ、並びにブラシレスモータ Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の着磁領域の回転位置の検出タイミングとステータの磁極の制御タイミングとの間にズレが生じることを可及的に防止することができるロータの製造方法、ロータ及びブラシレスモータを提供する。
【解決手段】 永久磁石部4には、永久磁石部4の一端から他端に亘る複数の着磁領域43が、永久磁石部4の周方向へ位置を異ならせて設けてある。着磁領域43は、永久磁石部4の位置検出センサが対向配置される端部側の第1部分41と、永久磁石部4の他端部側の第2部分42とを連設して構成されており、第2部分42はその両端位置が、永久磁石部4の周方向へ略1ピッチずれるようにスキューされている。一方、第1部分41は、永久磁石部4の中心軸に対して第2部分42の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜するように形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インナーロータ型のブラシレスモータに組み込まれるロータを製造する方法、及び該製造方法によって製造されたロータ、並びに該ロータを備えるブラシレスモータに関する。
シャフトに円筒状の永久磁石を外嵌してなるロータを、巻線を巻回してなるステータ内に挿入してなる、所謂インナーロータ型のブラシレスモータ(以後、単にモータともいう)が開発されている。
このようなモータにあっては、低い回転速度において、回転ムラたるコギングが発生し易いため、例えば映像機器に使用した場合、再生画像にムラが生じていた。
そのため、後記する特許文献1には、次のようなロータが開示されている。
図7は、特許文献1に開示されたロータの要部を示す斜視図であり、図中、100は、鉄心部である。鉄心部100は、シャフトを挿通させる挿通孔102を有する肉厚円筒状の本体101の周面に、平面視が縦長平行四辺形状の複数の外皮部103,103,…を、本体101の周方向へ所定の間隔を隔てて互いに平行の姿勢になるように固着させて構成されている。かかる本体101及び外皮部103,103,…は、当該本体101又は外皮部103,103,…の形状に対応するキャビティを設けてなる鋳型をそれぞれ用意しておき、両鋳型を圧縮成形装置に交代にセットし、当該鋳型にアトマイズ鉄粉、又はFe−Co鉄粉等の原料粉を投入し、圧縮成形装置によって加圧して仮成形されている。
また、本体101の周面であって、前記外皮部103,103,…の間には、正面視が縦長平行四辺形状であり、平面視が円弧状の磁石部104,104,…が嵌合固着してあり、これによって磁石部104,104,…は、鉄心部100の挿通孔102の長手方向から適宜角度傾斜させた、所謂スキューになしてある。かかる磁石部104は、R−Fe−B系磁石粉又はSm−Fe−N系磁石粉等の原料粉を用いて前同様に加圧して仮成形されている。
このようなロータを製造するには、前述したように圧縮成形装置によって本体101、外皮部103,103,…、及び磁石部104,104,…を各別に仮成形しておき、本体101の周面に外皮部103,103,…、及び磁石部104,104,…を組み合わせ、円筒状のキャビティを有する鋳型をセットした圧縮成形装置にてそれらを加圧することによって本成形する。そして、挿通孔102に図示しないシャフトを挿通させる。
かかるロータにあっては、磁石部104,104,…がスキューされているため、ロータの回転中、固定子側に前記シャフトの軸長方向と平行に形成される複数の磁極及びスロットに対して、磁石部104が略連続的に対向し得るように構成することができるため、前述したコギングの発生を可及的に抑制することができる。
特開2006−180677号公報
しかしながら、このような従来のロータにあっては、固定子に設けられた複数の磁極を制御すべく、ロータの端面に対向配置させたセンサによって各磁石部104,104,…の端部の回転位置を検出しているが、前述したように各磁石部104,104,…はスキューされているため、各磁石部104,104,…の端部位置の検出タイミングと磁極の制御タイミングとの間にズレが生じ、モータの特性が低下するという問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、複数の着磁領域の回転位置の検出タイミングとステータの磁極の制御タイミングとの間にズレが生じることを可及的に防止することができるロータの製造方法及びロータ、並びに該ロータを備えるブラシレスモータを提供する。
(1)本発明に係るロータの製造方法は、磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、ブラシレスモータ内に、内蔵される位置検出センサに前記基体の一端が対向するように組み込まれ、前記基体の一端から他端に亘る着磁領域を基体の周方向へ位置を異ならせて複数設けたロータを製造する方法において、前記着磁領域は、基体の一端側に第1部分を、また基体の他端側に第2部分を設けて構成し、前記第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させる一方、前記第1部分は前記軸長方向と平行に、又は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させることを特徴とする。
本発明のロータの製造方法にあっては、磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、ブラシレスモータ内に、内蔵される位置検出センサに前記基体の一端が対向するように組み込まれ、基体の一端から他端に亘る着磁領域を基体の周方向へ位置を異ならせて複数設ける場合、前記着磁領域は、基体の一端側に第1部分を、また基体の他端側に第2部分を設けて構成する。
具体的には、第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させる一方、第1部分は前記軸長方向と平行に形成する。又は、第1部分は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させる。
なお、第1部分は位置検出用に形成したものであり、第2部分の長さ寸法に比べて短くなしてある。従って、かかる第1部分及び第2部分によって構成される着磁領域は平面視が略へ字帯状をなしている。
このように、第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させるため、かかるロータがブラシレスモータに組み込まれた場合、当該ブラシレスモータのステータにロータのシャフトの軸長方向と平行に形成される複数の磁界及びスロットに対して、各着磁領域の第2部分が略連続的に対向することができるため、コギングの発生を可及的に抑制することができる。
一方、位置検出センサが対向配置される第1部分は、基体の中心軸の軸長方向と平行に形成し、又は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させるため、位置検出センサが第1部分を検出するタイミングと、第2部分の中心位置が位置検出センサが配置された位置を通過するタイミングとが略一致するため、ロータの回転中、各着磁領域の位置の検出タイミングと、ステータ側の制御タイミングとの間にズレが生じることを可及的に防止することができる。
(2)本発明に係るロータの製造方法は、前記基体を外嵌保持するジグ、基体を挿入する挿入部を設けてなり、基体に前記各第1部分を着磁させる着磁器、及び、基体を挿入する挿入部を設けてなり、基体に前記各第2部分を着磁させる他の着磁器を用い、前記基体の内周面に前記ジグとの位置合せを行うための第1被位置合せ部を形成しておき、また、前記ジグの外周面に前記第1被位置合せ部が嵌合する第1位置合せ部及び前記着磁器との位置合せを行うための第2被位置合せ部をそれぞれ設けておき、更に、前記着磁器の挿入部に臨む適宜位置及び前記他の着磁器の挿入部に臨む適宜位置にそれぞれ、前記第2被位置合せ部が嵌合する第2位置合せ部を設けておき、前記第1被位置合せ部と前記第1位置合せ部とが嵌合するように基体をジグに外嵌保持させ、このジグを支持して基体を、着磁器又は他の着磁器の挿入部内へ、前記第2被位置合せ部と前記第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、着磁器又は他の着磁器によって、各第1部分又は各第2部分を着磁した後、前記ジグを支持して基体を、他の着磁器又は着磁器の挿入部内へ、前記第2被位置合せ部と前記第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、他の着磁器又は着磁器によって、各第2部分又は各第1部分を着磁することを特徴とする。
本発明のロータの製造方法にあっては、永久磁石部の基体を外嵌保持するジグ、基体を挿入する挿入部を設けてなり、基体に各第1部分を着磁させる着磁器、及び、基体を挿入する挿入部を設けてなり、基体に各第2部分を着磁させる他の着磁器を用意しておく。
また、前記基体の内周面にジグとの位置合せを行うため凹部(凸部)といった第1被位置合せ部を形成しておく。一方、ジグの外周面であって前記基体が外嵌する部分に、基体の第1被位置合せ部が嵌合する凸部(凹部)といった第1位置合せ部を設け、またジグの外周面であって前記基体が外嵌する部分以外の部分の適宜位置に、着磁器との位置合せを行うための凸部(凹部)といった第2被位置合せ部を設けておく。
更に、着磁器の挿入部に臨む適宜位置及び他の着磁器の挿入部に臨む適宜位置にそれぞれ、ジグの第2被位置合せ部が嵌合する凹部(凸部)といった第2位置合せ部を設けておく。
そして、基体の第1被位置合せ部とジグの第1位置合せ部とが嵌合するように基体をジグに外嵌保持させ、このジグを支持して基体を、着磁器の挿入部内へ、ジグの第2被位置合せ部と着磁器の第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、当該着磁器によって、各第1部分を着磁する。その後、ジグを支持して基体を、他の着磁器の挿入部内へ、ジグの第2被位置合せ部と当該他の着磁器の第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、当該他の着磁器によって、各第2部分を着磁する。
または、基体を外嵌保持したジグを支持して基体を、他の着磁器の挿入部内へ、ジグの第2被位置合せ部と他の基体の第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、当該他の着磁器によって、各第2部分を着磁する。その後、ジグを支持して基体を、着磁器の挿入部内へ、ジグの第2被位置合せ部と着磁器の第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、当該着磁器によって、各第1部分を着磁する。
これによって、第1部分及び第2部分を高精度に基体に形成することができる。また、一体成形した基体に、第1部分及び第2部分から構成される着磁領域を設けた永久磁石部を製造することができるため、製造効率が高い。
(3)本発明に係るロータは、磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、ブラシレスモータ内に、内蔵される位置検出センサに前記基体の一端が対向するように組み込まれ、前記基体の一端から他端に亘る着磁領域が基体の周方向へ位置を異ならせて複数設けてあるロータにおいて、前記着磁領域は、基体の一端側に第1部分を、また基体の他端側に第2部分を設けて構成してなり、第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させてあり、第1部分は前記軸長方向と平行に、又は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させてあることを特徴とする。
本発明のロータにあっては、磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、ブラシレスモータ内に、内蔵される位置検出センサに前記基体の一端が対向するように組み込まれ、基体の一端から他端に亘る着磁領域を基体の周方向へ位置を異ならせて複数設ける場合、前記着磁領域は、基体の一端側に第1部分を、また基体の他端側に第2部分を設けて構成してある。
具体的には、第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させてあり、一方、第1部分は前記軸長方向と平行に形成してある。又は、第1部分は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させてある。
前述したように、第1部分は位置検出用に形成したものであり、第2部分の長さ寸法に比べて短くなしてある。従って、かかる第1部分及び第2部分によって構成される着磁領域は平面視が略へ字帯状をなしている。
前述したように、第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させるため、かかるロータがブラシレスモータに組み込まれた場合、当該ブラシレスモータのステータにロータのシャフトの軸長方向と平行に形成される複数の磁界及びスロットに対して、各着磁領域の第2部分が略連続的に対向することができるため、コギングの発生を可及的に抑制することができる。
一方、位置検出センサが対向配置される第1部分は、基体の中心軸の軸長方向と平行に形成してあり、又は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させてあるため、位置検出センサが第1部分を検出するタイミングと、第2部分の
中心位置が位置検出センサが配置された位置を通過するタイミングとが略一致するため、ロータの回転中、各着磁領域の位置の検出タイミングと、ステータ側の制御タイミングとの間にズレが生じることを可及的に防止することができる。
(4)また、本発明に係るロータは必要に応じて、前記永久磁石部は、各第1部分を設けてなる部材と、各第2部分を設けてなる他の部材とを連結して構成してあることを特徴とする。
基体を中心軸の軸長方向の適宜位置で2分割した如き、一の部材と他の部材とで構成し、前記部材に前述した複数の第1部分を、周方向へ位置を異ならせて設けておく。また、同様に、他の部材に前述した複数の第2部分を、周方向へ位置を異ならせて設けておく。なお、第1部分及び第2部分は同じ数ずつ互いに同じ幅寸法となるように設けておく。
そして、両部材は、各第1部分と各第2部分とが連通するように位置合せして連結してある。
これによって、比較的簡単な設備で永久磁石部を製造することができ、製造コストを廉価にすることができる。
(5)本発明に係るブラシレスモータは、磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、前記基体の一端から他端に亘る着磁領域が基体の周方向へ位置を異ならせて複数設けてあるロータと、前記基体の一端に対向配置され、各着磁領域の位置を検出する位置検出センサとを備えるブラシレスモータにおいて、前述したいずれかのロータを備えることを特徴とする。
本発明のブラシレスモータにあっては、前述したいずれかのロータを備えるため、前同様の作用・効果を奏する。
(本発明の実施形態)
図1は、本発明に係るブラシレスモータの一例を示す模式的正面断面図であり、図中、1は円筒状のハウジングである。ハウジング1の両端開口には環状のブラケット12,12が取り付けてあり、両ブラケット12,12の内面であって、ブラケット12,12の開口部の周囲には軸受15,15が配設してある。
ハウジング1内の中心軸周りには、その軸長方向と平行な姿勢になした複数のステータコア21,21,…を互いに所定寸法のスロットを隔てて環状に配置したステータ2が設けてある。各ステータコア21,12,…には、巻線22,22,…がそれぞれ巻回してあり、各巻線22,22,…には図示しない制御回路を介して外部から給電されるようになっている。
また、ハウジング1内には、ロータ3を構成するシャフト5がハウジング1の中心軸上に貫通させてあり、シャフト5はその両端側の部分を軸受15,15に内嵌させ、両軸受15,15によって回転自在に支持されている。シャフト5の前記巻線22,22,…に対向する領域には、SUM241といった磁性体を円筒状に成形してなる基体40にて構成された永久磁石部4が外嵌してあり、永久磁石部4と巻線22,22,…との間には所定の間隙が形成されている。この永久磁石部4には、後述するようにスキューされた複数の着磁領域が永久磁石部4の周方向へ位置を異ならせ配してある。
一方、ハウジング1内には、永久磁石部4の各着磁領域の回転方向の位置を検出する位置検出センサ7が、永久磁石部4の端部に対向するように配設してあり、位置検出センサ7の検出信号は前述した制御回路に与えられるようになっている。
図2は、図1に示したロータ3の永久磁石部4を示す模式的斜視図であり、前述した着磁領域を説明するものである。
図2に示した如く、永久磁石部4には、永久磁石部4の一端から他端に亘って帯状に設けられた複数の着磁領域43,43,…が、永久磁石部4の周方向へ位置を異ならせて設けてあり、相隣る着磁領域43,43,…は互いに異極になしてある。なお、これら着磁領域43,43,…の数は、前述したステータコア21,21,…(図1参照)の数に応じて設けられている。
かかる着磁領域43,43,…は、永久磁石部4の前述した位置検出センサ7(図1参照)が対向配置される端部側の第1部分41,41,…と、永久磁石部4の他端部側の第2部分42,42,…とを連設して構成されており、第1部分41,41,…の長さ寸法より第2部分42,42,…の長さ寸法の方が長くなしてある。
そして、各着磁領域43,43,…の1幅分の寸法を1ピッチとすると、第2部分42,42,…は、各第2部分42,42,…の両端位置が、永久磁石部4の周方向へ略1ピッチずれるようにスキューされている。すなわち、第2部分42,42,…は、永久磁石部4の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させて形成してある。
これによって、図1に示したロータ3の回転中、ステータ2にロータ3のシャフト5の軸長方向と平行に形成される複数の巻線22,22,…及びスロットに対して、各着磁領域43,43,…の第2部分42,42,…が略連続的に対向することができるため、前述したコギングの発生を可及的に抑制することができる。
一方、各着磁領域43,43,…の第1部分41,41,…は、永久磁石部4の中心軸に対して第2部分42,42,…の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜するように形成されており、第1部分41,41,…の周方向の中央位置P1,P1,…と、対応する第2部分42,42,…の中心位置P2,P2,…とがそれぞれ、永久磁石部4の中心軸と平行をなす直線上に略位置するようになしてある。
なお、第1部分41の長さ寸法は、上述した条件を満足する範囲内で可及的に短くするとよい。
これによって、永久磁石部4の回転中、図1に示した位置検出センサ7が、任意の着磁領域43の第1部分41の周方向の中央位置を検出するタイミングと、当該着磁領域43の第2部分42の中心が位置検出センサ7の位置を通過するタイミングとが略一致するため、永久磁石部4の回転中、各着磁領域43,43,…の位置の検出タイミングと、ステータ2の各巻線22,22,…の制御タイミングとの間にズレが生じることを可及的に防止することができる。
次に、このような永久磁石部4を製造する方法について説明する。
図3から図5は図2に示した永久磁石部4を製造する方法の一例を説明する説明図であり、それぞれ縦断面図で示してある。
図3に示した如く、磁性材を円筒状に成形してなり、後述する着磁操作によって永久磁石部4を構成する基体40が予め作製されている。
基体40の一端側の内周面には短寸溝状の切欠き部(第1被位置合せ部)45が設けてあり、該切欠き部45によって後述するジグ8との位置合わせができるようになしてある。
ジグ8は、円柱状の大径部82の一端に、該大径部82の外径より小さい外径の小径部81を大径部82の中心軸と小径部81の中心軸とが一致するように設けてなり、小径部81を前記基体40に内嵌させ、基体40の端部を小径部81と大径部82との段差部83に当接させて、該段差部83にて基体40を担持するようになっている。
前記小径部81の基部側の周面には前述した切欠き部45に嵌合する第1位置合せ部85が突設してあり、また、大径部82の他端側周面には、後述する着磁器9a,9b(図4及び図5参照)に位置合せするための第2被位置合せ部82aが突設してある。
一方、前記小径部81の端面中央には雌螺子部84が削設してあり、該雌螺子部84に、基体40の他端を閉止する蓋部86の中央を長寸の止め螺子87を貫通させてなる固定具89の前記止め螺子87を螺合させるようになしてある。
そして、ジグ8の小径部81に基体40を外嵌させ、基体40の切欠き部45を小径部81の第1位置合せ部85に嵌合させることによって、基体40とジグ8とを位置合せした後、基体40の開口端部に固定具89の蓋部86を嵌合させ、止め螺子87をジグ8の雌螺子部84に螺合させることによって、基体40をジグ8に固定保持する。
このようなジグ8の大径部82を図示しない搬送機のチャックで支持し、該搬送機によってジグ8及び基体40を吊下した状態で、図4に示した着磁器9aに搬送し、そこで前記第2部分42,42,…の着磁を行う。
図4に示した如く、第2部分42,42,…の着磁を行う着磁器9aは、厚底になした円柱殻状のハウジング91aの天井部中央に、ジグ8及び基体40を挿入させる開口部を設けてなり、天井部の開口部に臨む部分の所定位置には、前記ジグ8の第2被位置合せ部82aが内嵌する溝部(第2位置合せ部)93aが設けてある。また、ハウジング91aの内底部は、前述した固定具89の蓋部86を担持するようになしてあり、内底部中央には止め螺子87の頭部を嵌入させるための凹部が設けてある。
そして、搬送機によって搬送されたジグ8及び基体40を基体40側から、着磁器9aの前記開口部を通過させてハウジング91a内に搬入し、基体40を固定している固定具89の止め螺子87の頭部を前記凹部に嵌入させるとともに、蓋部86をハウジング91aの内底部に担持させる。このとき、ジグ8に設けた第2被位置合せ部82aをハウジング91aに設けられた溝部93aに内嵌させて、ジグ8及び基体40と着磁器9aとを位置合せさせる。
一方、図4に示したように、ハウジング91aの内周面には、前述した第2部分42,42,…を着磁する複数のヨーク92a,92a,…が、ハウジング91aの中心軸回りに所定の間隔で立設してあり、各ヨーク92a,92a,…で囲まれた領域は、基体40を挿入する挿入部94aになっている。各ヨーク92a,92a,…はそれぞれ、挿入部94aに挿入された基体40の前記大径部82側の端部から他端部の近傍までの領域に亘って、基体40の中心軸の軸長方向に対して所定の角度だけ傾斜させて互いに平行に設けてある。また、これら各ヨーク92a,92a,…には図示しない巻線がそれぞれ巻回してある。
そして、着磁器9aは、各巻線に通電されると、ヨーク92a,92a,…の形状に応じた磁界をそれぞれ生成し、生成した各磁界によって挿入部94a内の基体40の所定領域を着磁して、基体40に第2部分42,42,…を基体40の周方向へ位置を異ならせて形成する。
このようにして、基体40に第2部分42,42,…を形成した後、ジグ8の大径部82を前述した搬送機のチャックで支持し、該搬送機によってジグ8及び基体40を吊下した状態で、図5に示した着磁器9bへ搬送し、そこで前記第1部分41,41,…の着磁を行う。
図5に示した如く、第1部分41,41,…の着磁を行う着磁器9bは、図4に示した第2部分42,42,…を着磁するヨーク92a,92a,…と同じ数のヨーク92b,92b,…を、挿入部94bに挿入された基体40の前記他端部からその近傍までの領域に亘って、基体40の中心軸の軸長方向と平行に設けた以外は、図4に示した着磁器9aと略同じ構成になしてある。
なお、図中、図4に対応する部分には対応する番号を付してその説明を省略する。
なお、挿入部94bに挿入された基体40の第2部分42,42,…の大部分の領域は、ハウジング91bの内周壁によって遮蔽されている。
このような着磁器9bにあっても、前同様、各ヨーク92b,92b,…の形状に応じた磁界をそれぞれ生成し、生成した各磁界によって挿入部94b内の基体40の所定領域を着磁して、基体40に第1部分41,41,…を基体40の周方向へ位置を異ならせて形成する。
このように、基体40に設けた切欠き部(第1被位置合せ部)45とジグ8に設けた第1位置合せ部85とを嵌合させて、基体40をジグ8に位置合せして外嵌保持させ、また、ジグ8に設けた第2被位置合せ部85と着磁器9a,9bに設けた溝部(第2位置合せ部)93a,93bとを嵌合させて、基体40を保持したジグ8を着磁器9a,9bの挿入部94a,94bに位置合せして挿入することができるため、第1部分41,41,…及び第2部分42,42,…を高精度に基体40に形成することができる。また、一体成形した基体40に、第1部分41,41,…及び第2部分42,42,…から構成される着磁領域43,43,…を設けた永久磁石部4を製造することができるため、製造効率が高い。
なお、本実施の形態にあっては、第2部分42,42,…を着磁した後に、第1部分41,41,…を着磁するようにしたが、本発明はこれに限らず、第1部分41,41,…を着磁した後に、第2部分42,42,…を着磁するようにしてもよい。
ところで、基体40は一体ではなく、図6に示した如く、第1部分41,41,…を形成した部材40aと、第2部分42,42,…を形成した他の部材40bとをそれぞれ製造しておき、両部材40a,40bを、第1部分41,41,…及び第2部分42,42,…が連通するように接着させてもよい。
これによって、比較的簡単な設備で永久磁石部を製造することができ、永久磁石部の製造設備に要するコストを廉価にすることができる。
一方、図6に示したように、各着磁領域43,43,…の第1部分41,41,…を、永久磁石部4の中心軸と略平行に形成することができる。このとき、永久磁石部4が図6中の矢符方向へ回転される場合、第1部分41の回転方向の先頭位置P3と、第2部分42の中心位置P2とが永久磁石部4の中心軸と平行をなす直線上に略位置するようになしてある。
これによって、永久磁石部4の回転中、図1に示した位置検出センサ7が任意の着磁領域43の第1部分41の先頭位置を検出するタイミングと、当該着磁領域43の第2部分42の中心が位置検出センサ7の位置を通過するタイミングとが略一致するため、永久磁石部4の回転中、各着磁領域43,43,…の位置の検出タイミングと、ステータ2の各巻線22,22,…の制御タイミングとの間にズレが生じることを低減することができる。
なお、第1部分41の長さ寸法及び第2部分42の長さ寸法は、前述した先頭位置P3及び中心位置P2が永久磁石部4の中心軸と平行をなす直線上に略位置するように定めればよい。
本発明に係るブラシレスモータの一例を示す模式的正面断面図である。 図1に示したロータの永久磁石部を示す模式的斜視図である。 図2に示した永久磁石部を製造する方法の一例を説明する説明図である。 図2に示した永久磁石部を製造する方法の一例を説明する説明図である。 図2に示した永久磁石部を製造する方法の一例を説明する説明図である。 本発明に係る永久磁石部の他の製造方法を説明する説明図である。 従来のロータの要部を示す斜視図である。
符号の説明
1 ハウジング
2 ステータ
3 ロータ
4 永久磁石部
5 シャフト
7 位置検出センサ
8 ジグ
9a 着磁器
9b 着磁器
40 基体
41 第1部分
42 第2部分
43 着磁領域
45 切欠き部(第1被位置合せ部)
81 小径部
82 大径部
82a 第2被位置合せ部
85 第1位置合せ部
91a ハウジング
92a ヨーク
93a 溝部(第2位置合せ部)

Claims (5)

  1. 磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、ブラシレスモータ内に、内蔵される位置検出センサに前記基体の一端が対向するように組み込まれ、前記基体の一端から他端に亘る着磁領域を基体の周方向へ位置を異ならせて複数設けたロータを製造する方法において、
    前記着磁領域は、基体の一端側に第1部分を、また基体の他端側に第2部分を設けて構成し、
    前記第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させる一方、前記第1部分は前記軸長方向と平行に、又は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させる
    ことを特徴とするロータの製造方法。
  2. 前記基体を外嵌保持するジグ、基体を挿入する挿入部を設けてなり、基体に前記各第1部分を着磁させる着磁器、及び、基体を挿入する挿入部を設けてなり、基体に前記各第2部分を着磁させる他の着磁器を用い、
    前記基体の内周面に前記ジグとの位置合せを行うための第1被位置合せ部を形成しておき、また、前記ジグの外周面に前記第1被位置合せ部が嵌合する第1位置合せ部及び前記着磁器との位置合せを行うための第2被位置合せ部をそれぞれ設けておき、更に、前記着磁器の挿入部に臨む適宜位置及び前記他の着磁器の挿入部に臨む適宜位置にそれぞれ、前記第2被位置合せ部が嵌合する第2位置合せ部を設けておき、
    前記第1被位置合せ部と前記第1位置合せ部とが嵌合するように基体をジグに外嵌保持させ、このジグを支持して基体を、着磁器又は他の着磁器の挿入部内へ、前記第2被位置合せ部と前記第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、着磁器又は他の着磁器によって、各第1部分又は各第2部分を着磁した後、前記ジグを支持して基体を、他の着磁器又は着磁器の挿入部内へ、前記第2被位置合せ部と前記第2位置合せ部とが嵌合するように挿入し、他の着磁器又は着磁器によって、各第2部分又は各第1部分を着磁する
    請求項1記載のロータの製造方法。
  3. 磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、ブラシレスモータ内に、内蔵される位置検出センサに前記基体の一端が対向するように組み込まれ、前記基体の一端から他端に亘る着磁領域が基体の周方向へ位置を異ならせて複数設けてあるロータにおいて、
    前記着磁領域は、基体の一端側に第1部分を、また基体の他端側に第2部分を設けて構成してなり、第2部分は前記基体の中心軸の軸長方向に対して適宜角度傾斜させてあり、第1部分は前記軸長方向と平行に、又は前記軸長方向に対して第2部分の傾斜方向とは逆の方向へ傾斜させてあることを特徴とするロータ。
  4. 前記永久磁石部は、各第1部分を設けてなる部材と、各第2部分を設けてなる他の部材とを連結して構成してある請求項3記載のロータ。
  5. 磁性体を筒状に成形した基体を有する永久磁石部をシャフトに外嵌してなり、前記基体の一端から他端に亘る着磁領域が基体の周方向へ位置を異ならせて複数設けてあるロータと、前記基体の一端に対向配置され、各着磁領域の位置を検出する位置検出センサとを備えるブラシレスモータにおいて、
    請求項3又は4記載のロータを備えることを特徴とするブラシレスモータ。
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