JPH08298735A - 円筒状永久磁石同期電動機 - Google Patents
円筒状永久磁石同期電動機Info
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- JPH08298735A JPH08298735A JP7124433A JP12443395A JPH08298735A JP H08298735 A JPH08298735 A JP H08298735A JP 7124433 A JP7124433 A JP 7124433A JP 12443395 A JP12443395 A JP 12443395A JP H08298735 A JPH08298735 A JP H08298735A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】軸方向に複数に分割されかつスキューを施され
た円筒状永久磁石を有する同期電動機において、一部の
円筒状永久磁石が喪失しても磁極中心位置を不変とす
る。 【構成】隣合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂのスキュー方
向を反転させて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂに１溝
ピッチスキューを施し各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
の磁極中心５を一致させたので、若し円筒状永久磁石２
ｂが喪失しても健全な円筒状永久磁石２ａの磁極中心は
喪失前の磁極中心５と同一であり、軸方向のスラスト力
を発生することなく、かつ１溝ピッチスキューしてある
ので、コギングトルクを低減させることができる。
た円筒状永久磁石を有する同期電動機において、一部の
円筒状永久磁石が喪失しても磁極中心位置を不変とす
る。 【構成】隣合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂのスキュー方
向を反転させて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂに１溝
ピッチスキューを施し各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
の磁極中心５を一致させたので、若し円筒状永久磁石２
ｂが喪失しても健全な円筒状永久磁石２ａの磁極中心は
喪失前の磁極中心５と同一であり、軸方向のスラスト力
を発生することなく、かつ１溝ピッチスキューしてある
ので、コギングトルクを低減させることができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、軸方向に複数に分割
された円筒状永久磁石を有する回転子を備えた円筒状永
久磁石同期電動機に関する。
された円筒状永久磁石を有する回転子を備えた円筒状永
久磁石同期電動機に関する。
【０００２】
【従来の技術】電気自動車の駆動電動機として円筒状永
久磁石を有する回転子を備えた同期電動機が用いられて
いる。図１０は従来の円筒状永久磁石を有する回転子の
斜視図である。軸１の外周に円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
を接着材で接着させている。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
は製作限界から２箇，３箇ないし４箇に分割することが
ある。図１０は２分割した例を示す。回転子の円筒状永
久磁石の着磁時に、回転子全体を一括して１溝ピッチス
キューを施し、高調波磁束によるコギングトルクを低減
させている。３は複数の磁極のうち１つの磁極について
１溝ピッチのスキューラインを表す。円筒状永久磁石の
磁極数は従来１０極ないし１６極である。
久磁石を有する回転子を備えた同期電動機が用いられて
いる。図１０は従来の円筒状永久磁石を有する回転子の
斜視図である。軸１の外周に円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
を接着材で接着させている。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
は製作限界から２箇，３箇ないし４箇に分割することが
ある。図１０は２分割した例を示す。回転子の円筒状永
久磁石の着磁時に、回転子全体を一括して１溝ピッチス
キューを施し、高調波磁束によるコギングトルクを低減
させている。３は複数の磁極のうち１つの磁極について
１溝ピッチのスキューラインを表す。円筒状永久磁石の
磁極数は従来１０極ないし１６極である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】図１１は図１０の円筒
状永久磁石同期電動機の回転子の円筒状永久磁石が一部
喪失した状態を示す図である。軸方向に２分割された円
筒状永久磁石２ａ，２ｂからなる回転子においては、構
成要素である円筒状永久磁石２ｂが損傷するか、または
軸への固定が離れてトルク発生に寄与しなくなると、残
った円筒状永久磁石２ａはスキューが１／２溝ピッチと
なり、本来のコギョングトルクを相殺できなくなるばか
りか、等価的な磁極中心は６になる。円筒状永久磁石２
ｂ喪失前の磁極中心５と円筒状永久磁石２ｂ喪失後の等
価的な磁極中心６との偏差７が１／４溝ピッチとなり、
その結果磁極中心と電機子起磁力との相対位置がずれ、
トルク制御性が失われる可能性があった。
状永久磁石同期電動機の回転子の円筒状永久磁石が一部
喪失した状態を示す図である。軸方向に２分割された円
筒状永久磁石２ａ，２ｂからなる回転子においては、構
成要素である円筒状永久磁石２ｂが損傷するか、または
軸への固定が離れてトルク発生に寄与しなくなると、残
った円筒状永久磁石２ａはスキューが１／２溝ピッチと
なり、本来のコギョングトルクを相殺できなくなるばか
りか、等価的な磁極中心は６になる。円筒状永久磁石２
ｂ喪失前の磁極中心５と円筒状永久磁石２ｂ喪失後の等
価的な磁極中心６との偏差７が１／４溝ピッチとなり、
その結果磁極中心と電機子起磁力との相対位置がずれ、
トルク制御性が失われる可能性があった。
【０００４】この発明は、回転子の軸方向に複数に分割
され、かつスキューを施された円筒状永久磁石同期電動
機において、複数の円筒状永久磁石のうち一部が喪失し
たとき、残った健全な円筒状永久磁石の等価的な磁極中
心位置が喪失前と同一となるようにした円筒状永久磁石
同期電動機を提供することを目的とする。
され、かつスキューを施された円筒状永久磁石同期電動
機において、複数の円筒状永久磁石のうち一部が喪失し
たとき、残った健全な円筒状永久磁石の等価的な磁極中
心位置が喪失前と同一となるようにした円筒状永久磁石
同期電動機を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】軸方向に複数に分割され
かつスキューを施された円筒状永久磁石を有する回転子
と、この回転子の周りに対向する固定子とを備えた円筒
状永久磁石同期電動機において、隣合う前記円筒状永久
磁石のスキュー方向を反転させて前記各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁
石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を達
成する。
かつスキューを施された円筒状永久磁石を有する回転子
と、この回転子の周りに対向する固定子とを備えた円筒
状永久磁石同期電動機において、隣合う前記円筒状永久
磁石のスキュー方向を反転させて前記各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁
石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を達
成する。
【０００６】また、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｖ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｖ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
【０００７】また、軸方向に３分割された円筒状永久磁
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｎ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｎ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
【０００８】また、軸方向に４分割された円筒状永久磁
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｗ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｗ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
【０００９】軸方向に複数に分割されかつスキューを施
された円筒状永久磁石を有する回転子と、この回転子の
周りに対向する固定子とを備えた円筒状永久磁石同期電
動機において、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う前記円筒状永久磁石のスキ
ューラインを１溝ピッチずらせて各々の前記円筒状永久
磁石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を
達成する。
された円筒状永久磁石を有する回転子と、この回転子の
周りに対向する固定子とを備えた円筒状永久磁石同期電
動機において、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う前記円筒状永久磁石のスキ
ューラインを１溝ピッチずらせて各々の前記円筒状永久
磁石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を
達成する。
【００１０】また、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
【００１１】また、軸方向に３分割された円筒状永久磁
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
【００１２】さらに、軸方向に４分割された円筒状永久
磁石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキュー
ラインを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、
磁極中心を不変とする上に好適である。
磁石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキュー
ラインを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、
磁極中心を不変とする上に好適である。
【００１３】
【作用】この発明においては、軸方向に複数に分割され
かつスキューを施された円筒状永久磁石を備えた円筒状
永久磁石同期電動機において、隣合う円筒状永久磁石の
スキュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝
ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中
心を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が磁気喪失
または固定機構の破壊などによってトルク発生から離脱
したとき、残った健全な円筒状永久磁石は各々１溝ピッ
チスキューされているので、回転子の等価的な磁極中心
位置は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一である。その
結果、軸方向のスラストが発生することなく、かつ１溝
ピッチスキューによりコギングトルクを低減させること
がきる。
かつスキューを施された円筒状永久磁石を備えた円筒状
永久磁石同期電動機において、隣合う円筒状永久磁石の
スキュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝
ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中
心を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が磁気喪失
または固定機構の破壊などによってトルク発生から離脱
したとき、残った健全な円筒状永久磁石は各々１溝ピッ
チスキューされているので、回転子の等価的な磁極中心
位置は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一である。その
結果、軸方向のスラストが発生することなく、かつ１溝
ピッチスキューによりコギングトルクを低減させること
がきる。
【００１４】また、この発明においては、軸方向に複数
に分割されかつスキューを施された円筒状永久磁石を備
えた円筒状永久磁石同期電動機において、各々の円筒状
永久磁石のスキュー方向を同一として各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施すとともに、隣合う円筒
状永久磁石のスキューラインを１溝ピッチずらせて各々
の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させたので、円筒状
永久磁石の一部が磁気喪失または固定機構の破壊などに
よってトルク発生から離脱したとき、残った健全な円筒
状永久磁石は各々１溝ピッチスキューされているので、
回転子の等価的な磁極中心位置は円筒状永久磁石の一部
喪失前と同一である。その結果、軸方向のスラストが発
生することなく、かつ１溝ピッチスキューによりコギン
グトルクを低減させることがきる。
に分割されかつスキューを施された円筒状永久磁石を備
えた円筒状永久磁石同期電動機において、各々の円筒状
永久磁石のスキュー方向を同一として各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施すとともに、隣合う円筒
状永久磁石のスキューラインを１溝ピッチずらせて各々
の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させたので、円筒状
永久磁石の一部が磁気喪失または固定機構の破壊などに
よってトルク発生から離脱したとき、残った健全な円筒
状永久磁石は各々１溝ピッチスキューされているので、
回転子の等価的な磁極中心位置は円筒状永久磁石の一部
喪失前と同一である。その結果、軸方向のスラストが発
生することなく、かつ１溝ピッチスキューによりコギン
グトルクを低減させることがきる。
【００１５】
【実施例】実施例１ 図１はこの発明の軸方向に２分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図１にお
いて図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図１に
おいて、回転子は、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石２ａ，２ｂからなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂに
１溝ピッチスキューを施し、Ｖ字型にスキューさせ、磁
極中心を一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピ
ッチ、５は磁極中心を表す。図２は図１の一方の円筒状
永久磁石が喪失した状態を示す図である。図２におい
て、円筒状永久磁石２ｂが磁気喪失または軸１との接着
材がはがれてトルク発生から離脱したとき、健全な円筒
状永久磁石２ａは１溝ピッチスキューしてあるので、等
価的な磁極中心６は、円筒状永久磁石２ｂが喪失する前
の磁極中心５と一致する。その結果、軸方向のスラスト
力が発生することなく、１溝ピッチスキューの作用によ
りコギングトルクが発生することなく、かつ磁極中心が
不変なので速度制御性を維持できる。
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図１にお
いて図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図１に
おいて、回転子は、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石２ａ，２ｂからなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂに
１溝ピッチスキューを施し、Ｖ字型にスキューさせ、磁
極中心を一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピ
ッチ、５は磁極中心を表す。図２は図１の一方の円筒状
永久磁石が喪失した状態を示す図である。図２におい
て、円筒状永久磁石２ｂが磁気喪失または軸１との接着
材がはがれてトルク発生から離脱したとき、健全な円筒
状永久磁石２ａは１溝ピッチスキューしてあるので、等
価的な磁極中心６は、円筒状永久磁石２ｂが喪失する前
の磁極中心５と一致する。その結果、軸方向のスラスト
力が発生することなく、１溝ピッチスキューの作用によ
りコギングトルクが発生することなく、かつ磁極中心が
不変なので速度制御性を維持できる。
【００１６】実施例２ 図３はこの発明の軸方向に３分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図３にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図３において、回転子は、軸方向に３分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円
筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃのスキュー方向を反転さ
せ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃに１溝ピッチ
スキューを施してＮ字型にスキューさせた。３はスキュ
ーライン、４は１溝ピッチ、５は磁極中心を示す。若
し、円筒状永久磁石２ｃが喪失したとき、健全な円筒状
永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピッチスキューされてい
るので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃが喪
失する前の磁極中心と一致する。その結果、軸方向のス
ラスト力が発生することなく、１溝ピッチスキューの作
用によりコギングトルクが発生することなく、かつ磁極
中心が不変なので速度制御性を維持できる。
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図３にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図３において、回転子は、軸方向に３分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円
筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃのスキュー方向を反転さ
せ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃに１溝ピッチ
スキューを施してＮ字型にスキューさせた。３はスキュ
ーライン、４は１溝ピッチ、５は磁極中心を示す。若
し、円筒状永久磁石２ｃが喪失したとき、健全な円筒状
永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピッチスキューされてい
るので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃが喪
失する前の磁極中心と一致する。その結果、軸方向のス
ラスト力が発生することなく、１溝ピッチスキューの作
用によりコギングトルクが発生することなく、かつ磁極
中心が不変なので速度制御性を維持できる。
【００１７】実施例３ 図４はこの発明の軸方向に４分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図４にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図４において、回転子は、軸方向に４分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣
合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキュー
方向を反転させ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄに１溝ピッチスキューを施して、Ｗ字型にスキ
ューさせた。３はスキューライン、４は１溝ピッチ、５
は磁極中心を示す。若し、円筒状永久磁石２ｃが喪失し
たとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピ
ッチスキューされているので、等価的な磁極中心６は円
筒状永久磁石２ｃが喪失する前の磁極中心と一致する。
その結果、軸方向のスラスト力が発生することなく、１
溝ピッチスキューの作用によりコギングトルクが発生す
ることなく、かつ磁極中心が不変なので速度制御性を維
持できる。
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図４にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図４において、回転子は、軸方向に４分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣
合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキュー
方向を反転させ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄに１溝ピッチスキューを施して、Ｗ字型にスキ
ューさせた。３はスキューライン、４は１溝ピッチ、５
は磁極中心を示す。若し、円筒状永久磁石２ｃが喪失し
たとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピ
ッチスキューされているので、等価的な磁極中心６は円
筒状永久磁石２ｃが喪失する前の磁極中心と一致する。
その結果、軸方向のスラスト力が発生することなく、１
溝ピッチスキューの作用によりコギングトルクが発生す
ることなく、かつ磁極中心が不変なので速度制御性を維
持できる。
【００１８】実施例４ 図５はこの発明の軸方向に２分割された円筒状永久磁石
を備えた他の実施例を示す平面図である。図５において
図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図５におい
て、回転子は軸方向に２分割され各々同一方向に１溝ピ
ッチスキューされた円筒状永久磁石２ａ，２ｂからな
り、隣合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂのスキューライン
を１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
の磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、４は
１溝ピッチを示す。図６は図５の一方の円筒状永久磁石
が喪失した状態を示す図である。図６において円筒状永
久磁石２ｂが磁気喪失または軸との接着材がはがれトル
ク発生から離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａは
１溝ピッチスキューしてあるので等価的な磁極中心６は
円筒状永久磁石２ｂが喪失する前の磁極中心５と一致す
る。その結果、軸方向のスラスト力が発生することな
く、１溝ピッチスキューの作用によりコギングトルクが
発生することなく、かつ磁極中心が不変なので速度制御
性を維持できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂにスキュー
を施すには、円筒状永久磁石の鉄心に軸方向に２溝スキ
ューさせて着磁し、磁石形成後に一方の円筒状永久磁石
２ａを軸に固定し、他方の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピ
ッチずらせて軸１に固定すれば良い。
を備えた他の実施例を示す平面図である。図５において
図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図５におい
て、回転子は軸方向に２分割され各々同一方向に１溝ピ
ッチスキューされた円筒状永久磁石２ａ，２ｂからな
り、隣合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂのスキューライン
を１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
の磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、４は
１溝ピッチを示す。図６は図５の一方の円筒状永久磁石
が喪失した状態を示す図である。図６において円筒状永
久磁石２ｂが磁気喪失または軸との接着材がはがれトル
ク発生から離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａは
１溝ピッチスキューしてあるので等価的な磁極中心６は
円筒状永久磁石２ｂが喪失する前の磁極中心５と一致す
る。その結果、軸方向のスラスト力が発生することな
く、１溝ピッチスキューの作用によりコギングトルクが
発生することなく、かつ磁極中心が不変なので速度制御
性を維持できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂにスキュー
を施すには、円筒状永久磁石の鉄心に軸方向に２溝スキ
ューさせて着磁し、磁石形成後に一方の円筒状永久磁石
２ａを軸に固定し、他方の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピ
ッチずらせて軸１に固定すれば良い。
【００１９】実施例５ 図７はこの発明の軸方向に３分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図７
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図７において、回転子は軸方向に３分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円筒状永久磁石２
ａ，２ｂ，２ｃのスキューラインを１溝ピッチずらせて
各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃの磁極中心５を
一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピッチを示
す。図７において円筒状永久磁石２ｃが磁気喪失または
軸との接着材がはがれトルク発生から離脱したとき、健
全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは１溝ピッチスキューし
てあるので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃ
が喪失する前の磁極中心５と一致する。その結果、軸方
向のスラスト力が発生することなく、１溝ピッチスキュ
ーの作用によりコギングトルクが発生することなく、か
つ磁極中心が不変なので速度制御性を維持できる。円筒
状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃにスキューを施すには、円
筒状永久磁石の鉄心に軸方向に３溝スキューさせて着磁
し、磁石形成後に一方の円筒状永久磁石２ａを軸に固定
し他方の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピッチずらせて軸１
に固定し、さらに円筒状永久磁石２ｂに対し円筒状永久
磁石２ｃを１溝ピッチずらせて固定すれば良い。
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図７
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図７において、回転子は軸方向に３分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円筒状永久磁石２
ａ，２ｂ，２ｃのスキューラインを１溝ピッチずらせて
各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃの磁極中心５を
一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピッチを示
す。図７において円筒状永久磁石２ｃが磁気喪失または
軸との接着材がはがれトルク発生から離脱したとき、健
全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは１溝ピッチスキューし
てあるので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃ
が喪失する前の磁極中心５と一致する。その結果、軸方
向のスラスト力が発生することなく、１溝ピッチスキュ
ーの作用によりコギングトルクが発生することなく、か
つ磁極中心が不変なので速度制御性を維持できる。円筒
状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃにスキューを施すには、円
筒状永久磁石の鉄心に軸方向に３溝スキューさせて着磁
し、磁石形成後に一方の円筒状永久磁石２ａを軸に固定
し他方の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピッチずらせて軸１
に固定し、さらに円筒状永久磁石２ｂに対し円筒状永久
磁石２ｃを１溝ピッチずらせて固定すれば良い。
【００２０】実施例６ 図８はこの発明の軸方向に４分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図８
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図８において、回転子は軸方向に４分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣合う円筒状永久
磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキューラインを１溝ピ
ッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，
２ｄの磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、
４は１溝ピッチを示す。図８において円筒状永久磁石２
ｄが磁気喪失または軸との接着材がはがれトルク発生か
ら離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃは１溝ピッチスキューしてあるので、等価的な磁極中
心６は円筒状永久磁石２ｄが喪失する前の磁極中心５と
一致する。 その結果、軸方向のスラスト力が発生する
ことなく、１溝ピッチスキューの作用によりコギングト
ルクが発生することなく、かつ磁極中心が不変なので速
度制御性を維持できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄにスキューを施すには、円筒状永久磁石の鉄心
に軸方向に４溝スキューさせて着磁し、磁石形成後に一
方の円筒状永久磁石２ａを軸に固定し他方の円筒状永久
磁石２ｂを１溝ピッチずらせて軸１に固定し、次いで円
筒状永久磁石２ｂに対し円筒状永久磁石２ｃを１溝ピッ
チずらせて固定し、さらに円筒状永久磁石２ｃに対し円
筒状永久磁石２ｄを１溝ピッチずらせて固定すれば良
い。
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図８
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図８において、回転子は軸方向に４分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣合う円筒状永久
磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキューラインを１溝ピ
ッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，
２ｄの磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、
４は１溝ピッチを示す。図８において円筒状永久磁石２
ｄが磁気喪失または軸との接着材がはがれトルク発生か
ら離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃは１溝ピッチスキューしてあるので、等価的な磁極中
心６は円筒状永久磁石２ｄが喪失する前の磁極中心５と
一致する。 その結果、軸方向のスラスト力が発生する
ことなく、１溝ピッチスキューの作用によりコギングト
ルクが発生することなく、かつ磁極中心が不変なので速
度制御性を維持できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄにスキューを施すには、円筒状永久磁石の鉄心
に軸方向に４溝スキューさせて着磁し、磁石形成後に一
方の円筒状永久磁石２ａを軸に固定し他方の円筒状永久
磁石２ｂを１溝ピッチずらせて軸１に固定し、次いで円
筒状永久磁石２ｂに対し円筒状永久磁石２ｃを１溝ピッ
チずらせて固定し、さらに円筒状永久磁石２ｃに対し円
筒状永久磁石２ｄを１溝ピッチずらせて固定すれば良
い。
【００２１】実施例７ 図９はこの発明の実施例による円筒状永久磁石同期電動
機を用いた電気自動車の制御系統図である。図９におい
て、アクセル８からトルク指令が与えられる。また円筒
状永久磁石同期電動機１０に接続されたセンサ１１より
磁極中心の情報がコントローラ９へ与えられる。コント
ローラ９へバッテリ５から電力が供給されている。コン
トローラ９にはトルク指令に準じた電力がセンサ１１の
情報（磁極中心）に合わせたタイミングで電動機１０に
加えられる。電動機１０のトルクはディファレンシァル
ギア１４及びドライブシャフト１７を経てタイヤ１３へ
伝えられる。１５は信号線，１６は強電線である。若し
電動機１０の回転子の一方の円筒状永久磁石が喪失した
場合、従来の構造では円筒状永久磁石の磁極中心が変化
し、センサ１１はそれを補正しないためずれた電力が電
動機１０に加えられて、トルク制御性が失われてしま
う。しかし、この発明の円筒状永久磁石同期電動機のご
とく、各々の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させた同
期電動機を用いれば、一方の永久磁石が失われた場合で
も磁極中心は保持されるので、ずれた電力が電動機に加
えられることなく、速度制御性を維持できる。
機を用いた電気自動車の制御系統図である。図９におい
て、アクセル８からトルク指令が与えられる。また円筒
状永久磁石同期電動機１０に接続されたセンサ１１より
磁極中心の情報がコントローラ９へ与えられる。コント
ローラ９へバッテリ５から電力が供給されている。コン
トローラ９にはトルク指令に準じた電力がセンサ１１の
情報（磁極中心）に合わせたタイミングで電動機１０に
加えられる。電動機１０のトルクはディファレンシァル
ギア１４及びドライブシャフト１７を経てタイヤ１３へ
伝えられる。１５は信号線，１６は強電線である。若し
電動機１０の回転子の一方の円筒状永久磁石が喪失した
場合、従来の構造では円筒状永久磁石の磁極中心が変化
し、センサ１１はそれを補正しないためずれた電力が電
動機１０に加えられて、トルク制御性が失われてしま
う。しかし、この発明の円筒状永久磁石同期電動機のご
とく、各々の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させた同
期電動機を用いれば、一方の永久磁石が失われた場合で
も磁極中心は保持されるので、ずれた電力が電動機に加
えられることなく、速度制御性を維持できる。
【００２２】
【発明の効果】この発明においては、軸方向に分割され
た円筒状永久磁石について、隣合う円筒状永久磁石のス
キュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝ピ
ッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中心
を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が喪失したと
き、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極中心は円
筒状永久磁石の一部喪失前と同じなので、軸方向のスラ
スト力を発生することなくかつ１溝ピッチスキューして
あるので、コギングトルクを低減させ、しかも磁極中心
位置が電機子起磁力との相対位置を変えないので、ずれ
た電力が加えられることなく速度制御性を維持できる。
た円筒状永久磁石について、隣合う円筒状永久磁石のス
キュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝ピ
ッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中心
を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が喪失したと
き、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極中心は円
筒状永久磁石の一部喪失前と同じなので、軸方向のスラ
スト力を発生することなくかつ１溝ピッチスキューして
あるので、コギングトルクを低減させ、しかも磁極中心
位置が電機子起磁力との相対位置を変えないので、ずれ
た電力が加えられることなく速度制御性を維持できる。
【００２３】この発明においては、軸方向に分割された
円筒状永久磁石について、各々の円筒状永久磁石のスキ
ュー方向を同一としかつ隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ーラインを１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石の
極中心を一致させたので、円筒状永久磁石の１部が喪失
したとき、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極中
心は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一なので、軸方向
のスラスト力を発生することなくかつ１溝ピッチスキュ
ーしてあるので、コギングトルクを低減させ、しかも磁
極中心位置が電機子起磁力との相対位置を変えないの
で、ずれた電力が加えられることなく速度制御性を維持
できる。
円筒状永久磁石について、各々の円筒状永久磁石のスキ
ュー方向を同一としかつ隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ーラインを１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石の
極中心を一致させたので、円筒状永久磁石の１部が喪失
したとき、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極中
心は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一なので、軸方向
のスラスト力を発生することなくかつ１溝ピッチスキュ
ーしてあるので、コギングトルクを低減させ、しかも磁
極中心位置が電機子起磁力との相対位置を変えないの
で、ずれた電力が加えられることなく速度制御性を維持
できる。
【図１】この発明の実施例１による円筒状永久磁石同期
電動機回転子の平面図である。
電動機回転子の平面図である。
【図２】図１の回転子の円筒状永久磁石の一部喪失時の
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図３】この発明の実施例２による円筒状永久磁石同期
電動機回転子の平面図である。
電動機回転子の平面図である。
【図４】この発明の実施例３による円筒状永久磁石同期
電動機回転子の平面図である。
電動機回転子の平面図である。
【図５】この発明の実施例４による円筒状永久磁石同期
電動機回転子の平面図である。
電動機回転子の平面図である。
【図６】図５の回転子の円筒状永久磁石の一部喪失時の
状態を示す図である。
状態を示す図である。
【図７】この発明の実施例５による円筒状永久磁石同期
電動機回転子の平面図である。
電動機回転子の平面図である。
【図８】この発明の実施例６による円筒状永久磁石同期
電動機回転子の平面図である。
電動機回転子の平面図である。
【図９】この発明の実施例７による電気自動車の制御系
統図である。
統図である。
【図１０】従来の円筒状永久磁石同期電動機の回転子の
斜視図である。
斜視図である。
【図１１】図１０の回転子の円筒状永久磁石の一部喪失
時の状態を示す図である。
時の状態を示す図である。
１ 軸 ２ａ 円筒状永久磁石 ２ｂ 円筒状永久磁石 ２ｃ 円筒状永久磁石 ２ｄ 円筒状永久磁石 ３ スキューライン ４ １溝ピッチ ５ 磁極中心 ６ 等価的な磁極中心 ７ １／４溝ピッチ ８ アクセル ９ コントローラ １０ 円筒状永久磁石同期電動機 １１ センサ １２ バッテリ
【手続補正書】
【提出日】平成７年５月１７日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、軸方向に複数に分割
された円筒状永久磁石を有する回転子を備えた円筒状永
久磁石同期電動機に関する。
された円筒状永久磁石を有する回転子を備えた円筒状永
久磁石同期電動機に関する。
【０００２】
【従来の技術】電気自動車の駆動電動機として円筒状永
久磁石を有する回転子を備えた同期電動機が用いられて
いる。図１０は従来の円筒状永久磁石を有する回転子の
斜視図である。軸１の外周に円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
を接着材で接着させている。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
は製作限界から２箇，３箇ないし４箇に分割することが
ある。図１０は２分割した例を示す。回転子の円筒状永
久磁石の着磁時に、回転子全体を一括して１溝ピッチス
キューを施し、高周波磁束によるコギングトルクを低減
させている。３は複数の磁極のうち１つの磁極について
１溝ピッチのスキューラインを表す。円筒状永久磁石の
磁極数は従来１０極ないし１６極である。
久磁石を有する回転子を備えた同期電動機が用いられて
いる。図１０は従来の円筒状永久磁石を有する回転子の
斜視図である。軸１の外周に円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
を接着材で接着させている。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
は製作限界から２箇，３箇ないし４箇に分割することが
ある。図１０は２分割した例を示す。回転子の円筒状永
久磁石の着磁時に、回転子全体を一括して１溝ピッチス
キューを施し、高周波磁束によるコギングトルクを低減
させている。３は複数の磁極のうち１つの磁極について
１溝ピッチのスキューラインを表す。円筒状永久磁石の
磁極数は従来１０極ないし１６極である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】図１１は図１０の円筒
状永久磁石同期電動機の回転子の円筒状永久磁石が一部
喪失した状態を示す図である。軸方向に２分割された円
筒状永久磁石２ａ，２ｂからなる回転子においては、構
成要素である円筒状永久磁石２ｂが損傷するか、または
軸への固定が離れてトルク発生に寄与しなくなると、残
った円筒状永久磁石２ａはスキューが１／２溝ピッチと
なり、本来の目的であるコギングトルクの相殺が行われ
ないばかりか、等価的な磁極中心は６になる。円筒状永
久磁石２ｂ喪失前の磁極中心５と円筒状永久磁石２ｂ喪
失後の等価的な磁極中心６との偏差７が１／４溝ピッチ
となり、その結果磁極中心と電機子起磁力との相対位置
がずれ、トルク制御性が失われる可能性があった。
状永久磁石同期電動機の回転子の円筒状永久磁石が一部
喪失した状態を示す図である。軸方向に２分割された円
筒状永久磁石２ａ，２ｂからなる回転子においては、構
成要素である円筒状永久磁石２ｂが損傷するか、または
軸への固定が離れてトルク発生に寄与しなくなると、残
った円筒状永久磁石２ａはスキューが１／２溝ピッチと
なり、本来の目的であるコギングトルクの相殺が行われ
ないばかりか、等価的な磁極中心は６になる。円筒状永
久磁石２ｂ喪失前の磁極中心５と円筒状永久磁石２ｂ喪
失後の等価的な磁極中心６との偏差７が１／４溝ピッチ
となり、その結果磁極中心と電機子起磁力との相対位置
がずれ、トルク制御性が失われる可能性があった。
【０００４】この発明は、回転子の軸方向に複数に分割
され、かつスキューを施された円筒状永久磁石同期電動
機において、複数の円筒状永久磁石のうち一部が喪失し
たとき、残った健全な円筒状永久磁石の等価的な磁極中
心位置が喪失前と同一となるようにした円筒状永久磁石
同期電動機を提供することを目的とする。
され、かつスキューを施された円筒状永久磁石同期電動
機において、複数の円筒状永久磁石のうち一部が喪失し
たとき、残った健全な円筒状永久磁石の等価的な磁極中
心位置が喪失前と同一となるようにした円筒状永久磁石
同期電動機を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】軸方向に複数に分割され
かつスキューを施された円筒状永久磁石を有する回転子
と、この回転子の周りに対向する固定子とを備えた円筒
状永久磁石同期電動機において、隣合う前記円筒状永久
磁石のスキュー方向を反転させて前記各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁
石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を達
成する。
かつスキューを施された円筒状永久磁石を有する回転子
と、この回転子の周りに対向する固定子とを備えた円筒
状永久磁石同期電動機において、隣合う前記円筒状永久
磁石のスキュー方向を反転させて前記各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁
石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を達
成する。
【０００６】また、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｖ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｖ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
【０００７】また、軸方向に３分割された円筒状永久磁
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｎ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｎ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
【０００８】また、軸方向に４分割された円筒状永久磁
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｗ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
石からなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反
転させて各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施し、Ｗ字型にスキューさせれば、磁極中心を不変
とする上に好適である。
【０００９】軸方向に複数に分割されかつスキューを施
された円筒状永久磁石を有する回転子と、この回転子の
周りに対向する固定子とを備えた円筒状永久磁石同期電
動機において、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う前記円筒状永久磁石のスキ
ューラインを１溝ピッチずらせて各々の前記円筒状永久
磁石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を
達成する。
された円筒状永久磁石を有する回転子と、この回転子の
周りに対向する固定子とを備えた円筒状永久磁石同期電
動機において、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う前記円筒状永久磁石のスキ
ューラインを１溝ピッチずらせて各々の前記円筒状永久
磁石の磁極中心を一致させたことによって、上記目的を
達成する。
【００１０】また、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
【００１１】また、軸方向に３分割された円筒状永久磁
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同
一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキュ
ーを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラ
インを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、磁
極中心を不変とする上に好適である。
【００１２】さらに、軸方向に４分割された円筒状永久
磁石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキュー
ラインを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、
磁極中心を不変とする上に好適である。
磁石からなり、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う円筒状永久磁石のスキュー
ラインを１溝ピッチずらせて稲妻型にスキューすれば、
磁極中心を不変とする上に好適である。
【００１３】
【作用】この発明においては、軸方向に複数に分割され
かつスキューを施された円筒状永久磁石を備えた円筒状
永久磁石同期電動機において、隣合う円筒状永久磁石の
スキュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝
ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中
心を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が磁気喪失
または固定機構の破壊などによってトルク発生から離脱
したとき、残った健全な円筒状永久磁石は各々１溝ピッ
チスキューされているので、回転子の等価的な磁極中心
位置は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一である。その
結果、１溝ピッチスキューによりコギングトルクを低減
させることができる。
かつスキューを施された円筒状永久磁石を備えた円筒状
永久磁石同期電動機において、隣合う円筒状永久磁石の
スキュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝
ピッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中
心を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が磁気喪失
または固定機構の破壊などによってトルク発生から離脱
したとき、残った健全な円筒状永久磁石は各々１溝ピッ
チスキューされているので、回転子の等価的な磁極中心
位置は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一である。その
結果、１溝ピッチスキューによりコギングトルクを低減
させることができる。
【００１４】また、この発明においては、軸方向に複数
に分割されかつスキューを施された円筒状永久磁石を備
えた円筒状永久磁石同期電動機において、各々の円筒状
永久磁石のスキュー方向を同一として各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施すとともに、隣合う円筒
状永久磁石のスキューラインを１溝ピッチずらせて各々
の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させたので、円筒状
永久磁石の一部が磁気喪失または固定機構の破壊などに
よってトルク発生から離脱したとき、残った健全な円筒
状永久磁石は各々１溝ピッチスキューされているので、
回転子の等価的な磁極中心位置は円筒状永久磁石の一部
喪失前と同一である。その結果、１溝ピッチスキューに
よりコギングトルクを低減させることができる。
に分割されかつスキューを施された円筒状永久磁石を備
えた円筒状永久磁石同期電動機において、各々の円筒状
永久磁石のスキュー方向を同一として各々の円筒状永久
磁石に１溝ピッチスキューを施すとともに、隣合う円筒
状永久磁石のスキューラインを１溝ピッチずらせて各々
の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させたので、円筒状
永久磁石の一部が磁気喪失または固定機構の破壊などに
よってトルク発生から離脱したとき、残った健全な円筒
状永久磁石は各々１溝ピッチスキューされているので、
回転子の等価的な磁極中心位置は円筒状永久磁石の一部
喪失前と同一である。その結果、１溝ピッチスキューに
よりコギングトルクを低減させることができる。
【００１５】
【実施例】実施例１ 図１はこの発明の軸方向に２分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図１にお
いて図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図１に
おいて、回転子は、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石２ａ，２ｂからなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂに
１溝ピッチスキューを施し、Ｖ字型にスキューさせ、磁
極中心を一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピ
ッチ、５は磁極中心を表す。図２は図１の一方の円筒状
永久磁石が喪失した状態を示す図である。図２におい
て、円筒状永久磁石２ｂが磁気喪失または軸１との接着
材がはがれてトルク発生から離脱したとき、健全な円筒
状永久磁石２ａは１溝ピッチスキューしてあるので、等
価的な磁極中心６は、円筒状永久磁石２ｂが喪失する前
の磁極中心５と一致する。その結果、１溝ピッチスキュ
ーの作用によりコギンクトルクが発生することなく、か
つ磁極中心が不変なので速度制御性を維持できる。
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図１にお
いて図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図１に
おいて、回転子は、軸方向に２分割された円筒状永久磁
石２ａ，２ｂからなり、隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂに
１溝ピッチスキューを施し、Ｖ字型にスキューさせ、磁
極中心を一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピ
ッチ、５は磁極中心を表す。図２は図１の一方の円筒状
永久磁石が喪失した状態を示す図である。図２におい
て、円筒状永久磁石２ｂが磁気喪失または軸１との接着
材がはがれてトルク発生から離脱したとき、健全な円筒
状永久磁石２ａは１溝ピッチスキューしてあるので、等
価的な磁極中心６は、円筒状永久磁石２ｂが喪失する前
の磁極中心５と一致する。その結果、１溝ピッチスキュ
ーの作用によりコギンクトルクが発生することなく、か
つ磁極中心が不変なので速度制御性を維持できる。
【００１６】実施例２ 図３はこの発明の軸方向に３分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図３にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図３において、回転子は、軸方向に３分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円
筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃのスキュー方向を反転さ
せ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃに１溝ピッチ
スキューを施してＮ字型にスキューさせた。３はスキュ
ーライン、４は１溝ピッチ、５は磁極中心を示す。若
し、円筒状永久磁石２ｃが喪失したとき、健全な円筒状
永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピッチスキューされてい
るので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃが喪
失する前の磁極中心と一致する。その結果、１溝ピッチ
スキューの作用によりコギンクトルクが発生することな
く、かつ磁極中心が不変なので速度制御性を維持でき
る。
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図３にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図３において、回転子は、軸方向に３分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円
筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃのスキュー方向を反転さ
せ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃに１溝ピッチ
スキューを施してＮ字型にスキューさせた。３はスキュ
ーライン、４は１溝ピッチ、５は磁極中心を示す。若
し、円筒状永久磁石２ｃが喪失したとき、健全な円筒状
永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピッチスキューされてい
るので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃが喪
失する前の磁極中心と一致する。その結果、１溝ピッチ
スキューの作用によりコギンクトルクが発生することな
く、かつ磁極中心が不変なので速度制御性を維持でき
る。
【００１７】実施例３ 図４はこの発明の軸方向に４分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図４にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図４において、回転子は、軸方向に４分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣
合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキュー
方向を反転させ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄに１溝ピッチスキューを施して、Ｗ字型にスキ
ューさせた。３はスキューライン、４は１溝ピッチ、５
は磁極中心を示す。若し、円筒状永久磁石２ｃが喪失し
たとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピ
ッチスキューされているので、等価的な磁極中心６は円
筒状永久磁石２ｃが喪失する前の磁極中心と一致する。
その結果、１溝ピッチスキューの作用によりコギンクト
ルクが発生することなく、かつ磁極中心が不変なので速
度制御性を維持できる。
を備えた回転子の実施例を示す平面図である。図４にお
いて、図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を省
略する。図４において、回転子は、軸方向に４分割され
た円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣
合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキュー
方向を反転させ各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄに１溝ピッチスキューを施して、Ｗ字型にスキ
ューさせた。３はスキューライン、４は１溝ピッチ、５
は磁極中心を示す。若し、円筒状永久磁石２ｃが喪失し
たとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは各々１溝ピ
ッチスキューされているので、等価的な磁極中心６は円
筒状永久磁石２ｃが喪失する前の磁極中心と一致する。
その結果、１溝ピッチスキューの作用によりコギンクト
ルクが発生することなく、かつ磁極中心が不変なので速
度制御性を維持できる。
【００１８】実施例４ 図５はこの発明の軸方向に２分割された円筒状永久磁石
を備えた他の実施例を示す平面図である。図５において
図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図５におい
て、回転子は軸方向に２分割され各々同一方向に１溝ピ
ッチスキューされた円筒状永久磁石２ａ，２ｂからな
り、隣合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂのスキューライン
を１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
の磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、４は
１溝ピッチを示す。図６は図５の一方の円筒状永久磁石
が喪失した状態を示す図である。図６において円筒状永
久磁石２ｂが磁気喪失または軸との接着材がはがれトル
ク発生から離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａは
１溝ピッチスキューしてあるので等価的な磁極中心は円
筒状永久磁石２ｂが喪失する前の磁極中心５と一致す
る。その結果、１溝ピッチスキューの作用によりコギン
クトルクが発生することなく、かつ磁極中心が不変なの
で速度制御性を維持できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
にスキューを施すには、円筒状永久磁石の鉄心に軸方向
に２溝スキューさせて着磁し、磁石形成後に一方の円筒
状永久磁石２ａを軸に固定し、他方の円筒状永久磁石２
ｂを１溝ピッチずらせて軸１に固定すれば良い。
を備えた他の実施例を示す平面図である。図５において
図１０と同じ部位は同じ符号を付してある。図５におい
て、回転子は軸方向に２分割され各々同一方向に１溝ピ
ッチスキューされた円筒状永久磁石２ａ，２ｂからな
り、隣合う円筒状永久磁石２ａ，２ｂのスキューライン
を１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
の磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、４は
１溝ピッチを示す。図６は図５の一方の円筒状永久磁石
が喪失した状態を示す図である。図６において円筒状永
久磁石２ｂが磁気喪失または軸との接着材がはがれトル
ク発生から離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａは
１溝ピッチスキューしてあるので等価的な磁極中心は円
筒状永久磁石２ｂが喪失する前の磁極中心５と一致す
る。その結果、１溝ピッチスキューの作用によりコギン
クトルクが発生することなく、かつ磁極中心が不変なの
で速度制御性を維持できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ
にスキューを施すには、円筒状永久磁石の鉄心に軸方向
に２溝スキューさせて着磁し、磁石形成後に一方の円筒
状永久磁石２ａを軸に固定し、他方の円筒状永久磁石２
ｂを１溝ピッチずらせて軸１に固定すれば良い。
【００１９】実施例５ 図７はこの発明の軸方向に３分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図７
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図７において、回転子は軸方向に３分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円筒状永久磁石２
ａ，２ｂ，２ｃのスキューラインを１溝ピッチずらせて
各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃの磁極中心５を
一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピッチを示
す。図７において円筒状永久磁石２ｃが磁気喪失または
軸との接着材がはがれトルク発生から離脱したとき、健
全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは１溝ピッチスキューし
てあるので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃ
が喪失する前の磁極中心５と一致する。その結果、１溝
ピッチスキューの作用によりコギンクトルクが発生する
ことなく、かつ磁極中心が不変なので速度制御性を維持
できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃにスキューを
施すには、円筒状永久磁石の鉄心に軸方向に３溝スキュ
ーさせて着磁し、磁石形成後に一方の円筒状永久磁石２
ａを軸に固定し他方の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピッチ
ずらせて軸１に固定し、さらに円筒状永久磁石２ｂに対
し円筒状永久磁石２ｃを１溝ピッチずらせて固定すれば
良い。
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図７
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図７において、回転子は軸方向に３分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃからなり、隣合う円筒状永久磁石２
ａ，２ｂ，２ｃのスキューラインを１溝ピッチずらせて
各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃの磁極中心５を
一致させた。３はスキューライン、４は１溝ピッチを示
す。図７において円筒状永久磁石２ｃが磁気喪失または
軸との接着材がはがれトルク発生から離脱したとき、健
全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂは１溝ピッチスキューし
てあるので、等価的な磁極中心６は円筒状永久磁石２ｃ
が喪失する前の磁極中心５と一致する。その結果、１溝
ピッチスキューの作用によりコギンクトルクが発生する
ことなく、かつ磁極中心が不変なので速度制御性を維持
できる。円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃにスキューを
施すには、円筒状永久磁石の鉄心に軸方向に３溝スキュ
ーさせて着磁し、磁石形成後に一方の円筒状永久磁石２
ａを軸に固定し他方の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピッチ
ずらせて軸１に固定し、さらに円筒状永久磁石２ｂに対
し円筒状永久磁石２ｃを１溝ピッチずらせて固定すれば
良い。
【００２０】実施例６ 図８はこの発明の軸方向に４分割された円筒状永久磁石
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図８
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図８において、回転子は軸方向に４分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣合う円筒状永久
磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキューラインを１溝ピ
ッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，
２ｄの磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、
４は１溝ピッチを示す。図８において円筒状永久磁石２
ｄが磁気喪失または軸との接着材がはがれトルク発生か
ら離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃは１溝ピッチスキューしてあるので、等価的な磁極中
心６は円筒状永久磁石２ｄが喪失する前の磁極中心５と
一致する。その結果、１溝ピッチスキューの作用により
コギングトルクが発生することなく、かつ磁極中心が不
変なので速度制御性を維持できる。円筒状永久磁石２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄにスキューを施すには、円筒状永
久磁石の鉄心に軸方向に４溝スキューさせて着磁し、磁
石形成後に一方の円筒状永久磁石２ａを軸に固定子他方
の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピッチずらせて軸１に固定
し、次いで円筒状永久磁石２ｂに対し円筒状永久磁石２
ｃを１溝ピッチずらせて固定し、さらに円筒状永久磁石
２ｃに対し円筒状永久磁石２ｄを１溝ピッチずらせて固
定すれば良い。
を備えた回転子の他の実施例を示す平面図である。図８
において図１０と同じ部位は同じ符号を付しその説明を
省略する。図８において、回転子は軸方向に４分割され
各々同一方向に１溝ピッチスキューされた円筒状永久磁
石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄからなり、隣合う円筒状永久
磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのスキューラインを１溝ピ
ッチずらせて各々の円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２ｃ，
２ｄの磁極中心５を一致させた。３はスキューライン、
４は１溝ピッチを示す。図８において円筒状永久磁石２
ｄが磁気喪失または軸との接着材がはがれトルク発生か
ら離脱したとき、健全な円筒状永久磁石２ａ，２ｂ，２
ｃは１溝ピッチスキューしてあるので、等価的な磁極中
心６は円筒状永久磁石２ｄが喪失する前の磁極中心５と
一致する。その結果、１溝ピッチスキューの作用により
コギングトルクが発生することなく、かつ磁極中心が不
変なので速度制御性を維持できる。円筒状永久磁石２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄにスキューを施すには、円筒状永
久磁石の鉄心に軸方向に４溝スキューさせて着磁し、磁
石形成後に一方の円筒状永久磁石２ａを軸に固定子他方
の円筒状永久磁石２ｂを１溝ピッチずらせて軸１に固定
し、次いで円筒状永久磁石２ｂに対し円筒状永久磁石２
ｃを１溝ピッチずらせて固定し、さらに円筒状永久磁石
２ｃに対し円筒状永久磁石２ｄを１溝ピッチずらせて固
定すれば良い。
【００２１】実施例７ 図９はこの発明の実施例による円筒状永久磁石同期電動
機を用いた電気自動車の制御系統図である。図９におい
て、アクセル８からトルク指令が与えられる。また円筒
状永久磁石同期電動機１０に接続されたセンサ１１より
磁極中心の情報がコントローラ９へ与えられる。コント
ローラ９へバッテリ５から電力が供給されている。コン
トローラ９にはトルク指令に準じた電力がセンサ１１の
情報（磁極中心）に合わせたタイミングで電動機１０に
加えられる。電動機１０のトルクはディファレンシャル
ギア１４及びドライブシャフト１７を経てタイヤ１３へ
伝えられる。１５は信号線，１６は強電線である。若し
電動機１０の回転子の一方の円筒状永久磁石が喪失した
場合、従来の構造では円筒状永久磁石の磁極中心が変化
し、センサ１１はそれを補正しないため、ずれた電力が
電動機１０に加えられて、トルク制御性が失われてしま
う。しかし、この発明の円筒状永久磁石同期電動機のご
とく、各々の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させた同
期電動機を用いれば、一方の永久磁石が失われた場合で
も磁極中心は保持されるので、ずれた電力が電動機に加
えられることなく、速度制御性を維持できる。
機を用いた電気自動車の制御系統図である。図９におい
て、アクセル８からトルク指令が与えられる。また円筒
状永久磁石同期電動機１０に接続されたセンサ１１より
磁極中心の情報がコントローラ９へ与えられる。コント
ローラ９へバッテリ５から電力が供給されている。コン
トローラ９にはトルク指令に準じた電力がセンサ１１の
情報（磁極中心）に合わせたタイミングで電動機１０に
加えられる。電動機１０のトルクはディファレンシャル
ギア１４及びドライブシャフト１７を経てタイヤ１３へ
伝えられる。１５は信号線，１６は強電線である。若し
電動機１０の回転子の一方の円筒状永久磁石が喪失した
場合、従来の構造では円筒状永久磁石の磁極中心が変化
し、センサ１１はそれを補正しないため、ずれた電力が
電動機１０に加えられて、トルク制御性が失われてしま
う。しかし、この発明の円筒状永久磁石同期電動機のご
とく、各々の円筒状永久磁石の磁極中心を一致させた同
期電動機を用いれば、一方の永久磁石が失われた場合で
も磁極中心は保持されるので、ずれた電力が電動機に加
えられることなく、速度制御性を維持できる。
【００２２】
【発明の効果】この発明においては、軸方向に分割され
た円筒状永久磁石について、隣合う円筒状永久磁石のス
キュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝ピ
ッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中心
を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が喪失したと
き、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極中心は円
筒状永久磁石の一部喪失前と同じなので、コギンクトル
クを低減させ、しかも磁極中心位置が電機子起磁力との
相対位置を変えないので、ずれた電力が加えられること
なく速度制御性を維持できる。
た円筒状永久磁石について、隣合う円筒状永久磁石のス
キュー方向を反転させて各々の円筒状永久磁石に１溝ピ
ッチスキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中心
を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が喪失したと
き、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極中心は円
筒状永久磁石の一部喪失前と同じなので、コギンクトル
クを低減させ、しかも磁極中心位置が電機子起磁力との
相対位置を変えないので、ずれた電力が加えられること
なく速度制御性を維持できる。
【００２３】この発明においては、軸方向に分割された
円筒状永久磁石について、各々の円筒状永久磁石のスキ
ュー方向を同一としかつ隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ーラインを１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石の
磁極中心を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が喪
失したとき、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極
中心は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一なので、コギ
ンクトルクを低減させ、しかも磁極中心位置が電機子起
磁力との相対位置を変えないので、ずれた電力が加えら
れることなく速度制御性を維持できる。
円筒状永久磁石について、各々の円筒状永久磁石のスキ
ュー方向を同一としかつ隣合う円筒状永久磁石のスキュ
ーラインを１溝ピッチずらせて各々の円筒状永久磁石の
磁極中心を一致させたので、円筒状永久磁石の一部が喪
失したとき、健全な円筒状永久磁石による等価的な磁極
中心は円筒状永久磁石の一部喪失前と同一なので、コギ
ンクトルクを低減させ、しかも磁極中心位置が電機子起
磁力との相対位置を変えないので、ずれた電力が加えら
れることなく速度制御性を維持できる。
フロントページの続き (72)発明者 常盤 信行 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 木下 繁則 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 北田 眞一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 平野 弘之 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 金子 雄太郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 山田 日吉 愛知県岩倉市東町東市場屋敷121
Claims (8)
- 【請求項１】軸方向に複数に分割されかつスキューを施
された円筒状永久磁石を有する回転子と、この回転子の
周りに対向する固定子とを備えた円筒状永久磁石同期電
動機において、隣合う前記円筒状永久磁石のスキュー方
向を反転させて前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチ
スキューを施し、各々の円筒状永久磁石の磁極中心を一
致させたことを特徴とする円筒状永久磁石同期電動機。 - 【請求項２】請求項１記載の円筒状永久磁石同期電動機
において、軸方向に２分割された円筒状永久磁石からな
り、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反転させて
各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキューを施
し、Ｖ字型にスキューさせたことを特徴とする円筒状永
久磁石同期電動機。 - 【請求項３】請求項１記載の円筒状永久磁石同期電動機
において、軸方向に３分割された円筒状永久磁石からな
り、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反転させて
各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキューを施
し、Ｎ字型にスキューさせたことを特徴とする円筒状永
久磁石同期電動機。 - 【請求項４】請求項１記載の円筒状永久磁石同期電動機
において、軸方向に４分割された円筒状永久磁石からな
り、隣合う円筒状永久磁石のスキュー方向を反転させて
各々の前記円筒状永久磁石に１溝ピッチスキューを施
し、Ｗ字型にスキューさせたことを特徴とする円筒状永
久磁石同期電動機。 - 【請求項５】軸方向に複数に分割されかつスキューを施
された円筒状永久磁石を有する回転子と、この回転子の
周りに対向する固定子とを備えた円筒状永久磁石同期電
動機において、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を
同一として前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキ
ューを施すとともに、隣合う前記円筒状永久磁石のスキ
ューラインを１溝ピッチずらせて各々の前記円筒状永久
磁石の磁極中心を一致させたことを特徴とする円筒状永
久磁石同期電動機。 - 【請求項６】請求項５記載の円筒状永久磁石同期電動機
において、軸方向に２分割された円筒状永久磁石からな
り、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同一として
前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキューを施す
とともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラインを１
溝ピッチずらせて稲妻型にスキューしたことを特徴とす
る円筒状永久磁石同期電動機。 - 【請求項７】請求項５記載の円筒状永久磁石同期電動機
において、軸方向に３分割された円筒状永久磁石からな
り、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同一として
前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキューを施す
とともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラインを１
溝ピッチずらせて稲妻型にスキューしたことを特徴とす
る円筒状永久磁石同期電動機。 - 【請求項８】請求項５記載の円筒状永久磁石同期電動機
において、軸方向に４分割された円筒状永久磁石からな
り、各々の円筒状永久磁石のスキュー方向を同一として
前記各々の円筒状永久磁石に１溝ピッチスキューを施す
とともに、隣合う円筒状永久磁石のスキューラインを１
溝ピッチずらせて稲妻型にスキューしたことを特徴とす
る円筒状永久磁石同期電動機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7124433A JPH08298735A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 円筒状永久磁石同期電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7124433A JPH08298735A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 円筒状永久磁石同期電動機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08298735A true JPH08298735A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14885373
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7124433A Pending JPH08298735A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 円筒状永久磁石同期電動機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08298735A (ja) |
Cited By (19)
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-
1995
- 1995-04-25 JP JP7124433A patent/JPH08298735A/ja active Pending
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