JP4698062B2 - ブラシレスdcモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシレスDCモータのコギングトルクの低減に関するものであり、特に電気特性を犠牲にせず容易にコギングトルクを低減させたブラシレスDCモータを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来ブラシレスDCモータ(以下、モータと略す。)では巻線を施すスロットの存在故に生起されるコギングトルクが発生する。即ち、ロータとステータとの相対移動時にロータの磁極から発生する界磁磁束は、ロータの磁極がステータのスロット開口部を横切る度に周期的に変化して、ギャップでの磁束分布を変化させている。従って、このコギングトルクの周期及び大きさはステータに設けられたスロットの数とロータの磁極数に依存しており、回転角度に対する波形はスロット開口部やロータの磁極の形状や寸法によって大きく変化する。
【0003】
従来、このコギングトルク対策には様々な方法が提案されているが、一般的に行われているものとしてはロータの回転方向においてロータとステータ間の磁気的な空間距離(ギャップ)をロータ磁極の両端において大きくさせ不等となるように構成し、任意のステータティース(以下、ティースという)へ鎖交する磁束の変化を滑らかにしている。また、ロータの磁極を回転軸の方向に関してスキューを施すことでロータの磁極極間部がティースを横切る際のステータへの鎖交磁束の変化を緩和させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
不等ギャップによるコギングトルク対策では通常永久磁石の形状を加工することで対応しており、その形状はティース形状やスロット開口部の大きさに応じて変える必要がある。また、ロータに永久磁石を内蔵させるタイプにおいてはロータの外径形状に関して曲率を変えて対策しようと試みたりしているが、永久磁石の形状の決定やロータ外径の曲率の決定には多数の試作や多種の解析を行っているのが現状である。このようにしてコギングトルクはかなり改善されるものの十分とはいえなかった。また、この様な処置を施すことでコギングトルクを低減しようとすればするほどロータの極間部でのギャップを大幅に広げることとなり、ロータからステータへの鎖交磁束は低下することになる。
【0005】
また、別の方法として先に述べたようにロータ磁極にスキューを施す方法がある。この場合、スキューの角度が大きければ効果が期待できるのであるが、これにより磁極の有効磁束がスキュー角度に比例して減少しモータ特性の悪化を引き起こしてしまう。これは、モータとしての電気的特性面から見れば、スキューの存在する部位の永久磁石はモータ性能としての有効な磁束として作用せず無駄な永久磁石を使用していると言える。
【0006】
更に、近年多くのモータが小型化、高性能化を目的として高磁束密度の希土類の永久磁石を使用しており永久磁石のサイズも小さくなってきている。従って、磁気装荷が大きくなるが故にコギングトルクそのものも大きくなってしまい従来構造によるコギングトルク低減方法では十分な対応が困難となってきている。また、永久磁石の加工方法においても小さい形状のものを精度良く行わなくてはならず加工が難しくなってきている。スキューを施すものにあっては、永久磁石の組み合わせで行おうとするとセグメントでの永久磁石自身にスキューを施すことになり全く量産性のないものとなってしまう。図13にスキューが施された永久磁石を組み合わせたロータの斜視図を示す。該図ではロータの表面に回転軸方向にスキュー角度θSを有する永久磁石4個を円周方向に並べ4極のロータを構成している。
【0007】
また、永久磁石を形状的にスキューを施さない方法としてはリング形状の永久磁石を使用することもある。この方法はスキューをさせた着磁ヨークにて着磁させ、電気的にリング形状の永久磁石にスキューを施す方法である。しかしながら、前述したようにスキューの部位にあたる無駄な領域が存在するため、モータ特性に関与しない磁石を使用しているという問題は解決されない。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、電気特性を犠牲にすることなく容易にコギングトルクを低減することが出来るブラシレスDCモータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るブラシレスDCモータは、永久磁石が装着されたロータと複数のスロットを有するステータとで構成されるブラシレスDCモータにおいて、前記ロータの軸孔の中心を基準とする所定の開角(以下本発明で使用する開角は全てロータ軸孔の中心を基準とする開角を指すものとする。)で設定されたロータの有効磁極開角θ2と該有効磁極開角θ2内に施された磁極凸部開角θ3とを有し、前記有効磁極開角θ2によって生ずるコギングトルクと前記磁極凸部開角θ3によって生ずるコギングトルクが互いに逆相になるよう夫々の開角を設定し、前記ロータの有効磁極開角θ2の極中心を基準として、前記ロータの有効磁極開角θ2が、電気角120°以上であり且つ、前記電気角120°に最も近いステータティース両端部と成す開角とし、前記電気角120°に最も近いステータティース両端部と成す開角において、少なくとも前記ロータの磁極凸部開角θ3を超える有効磁極開角θ2の部位において磁極凸部開角θ3のギャップより広くした凹部を設け、前記ロータの有効磁極開角θ2の凹部と、磁極凸部開角θ3の夫々の領域でのステータとのギャップが、有効磁極開角θ2の凹部をg2、磁極凸部開角θ3をg1としたとき、
0.75≦{(g1/g2) 2 +1}/2<1 …(1)
なる関係であることを特徴とする。
【0011】
また更に、本発明に係るブラシレスDCモータは、前記ロータの磁極凸部は、永久磁石を内蔵保持させた磁性材で構成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図1乃至図3を用いて説明する。図1はステータが12スロット、ロータが4極のモータである。但し、巻線については図を見易くするために省略してある。図中の1はステータ、2はロータ、3は永久磁石、4は永久磁石3が収納される空孔であり、空孔4内部は、永久磁石部以外は空気となるが非磁性材を充填してもよい。θ1はロータ2の構造上の磁極開角、θ2は磁気的な意味での有効磁極開角、θ3は磁極凸部開角である。θ1、θ2及びθ3は磁極の中心を基準として左右対称である。
【0013】
本実施の形態のモータの構成での磁極ピッチは12スロット/4極で表される3スロットピッチ毎となる。従って、1スロットピッチは機械角にて30°で、電気角は60°である。ここでロータ2においての磁極凸部開角θ3は、磁極を中心としてステータ1の2つのティースを跨いで該ティースの外側端の開角に一致させた角度に設定している。また、有効磁極開角θ2は、前記磁極凸部開角θ3を越えて左右に夫々ステータのスロット開口角度分開いた角度、即ち、磁極を中心としてステータ1の連続した3個のスロット開口部を跨いで該スロット開口部の外側端の開角に一致するよう設定する。
【0014】
この様にされた実施の形態のコギングトルクの様相について図2を用いて説明する。図2は図1のステータ1とロータ2の関係についてロータ2のひとつの磁極についてモータの円周方向に展開した図である。図1と同一の符号は同じもの及び同じ機能を有するものを示す。図2中のS1乃至S5はステータ1のティースを表し、R1、R2は磁極凸部における端部領域を、R3、R4は有効磁極の端部領域を表す。また、図2の(1)乃至(5)はロータ2を右方向へ順次移動させた場合について夫々図示したものであり、図2の(2)乃至(5)において図示されていないがR1乃至R4の端部領域は(1)と同じ領域である。夫々の図にはロータ2の磁極凸部の端部領域R1及びR2で作用する力と有効磁極の端部領域R3及びR4で作用する力を模擬的に矢印で示した。極毎のコギングトルクは該合成された力のベクトルの移動方向成分ということになる。
【0015】
図2の(1)の状態では、ロータ2の磁極凸部は左側端部領域R1がティースS2の左側端部と一致し、磁極凸部の右側端部領域R2がティースS3の右側端部と一致しており、有効磁極の左側端部領域R3は磁極凸部より1スロット開口分左側に開いたティースS1の右側端部と、有効磁極の右側端部領域R4は磁極凸部より1スロット開口分右側に開いたティースS4の左側端部と一致している。コギングトルクはロータとステータとの相対的な状態で、ロータの磁極から発する磁束がギャップを介してステータのティースに鎖交する方向と量がバランスの取れる状態に落ち着こうとして当該ロータを移動させるべく作用する力である。従って、ロータの均一な状態の磁極角内にステータのティースやスロット開口部が存在してもロータからの磁束量や磁束の方向は変化が無くバランスがとれているため作用する力を合成すればコギングトルクとしては平均化され見かけ上存在しない。従って、コギングトルクとしてはロータの磁極両端付近の状況について考察すればよい。
【0016】
図2の(1)及び(3)においては、ロータ2の磁極凸部及び有効磁極に関し対向するステータのティースやスロット開口部が全く対称であるので当該磁極全体として作用する力はラジアル方向の力のみとなりロータ2の移動方向成分のコギングトルクは発生しない。又、(5)は(1)と同一の位置関係であるのでコギングトルクは発生しないことは論を待たない。
【0017】
ロータ2の移動が(1)から(2)の区間では端部領域R1に関してティースS2との吸引によって左方向、端部領域R4に関してティースS4との吸引により右方向の力が夫々働き、互いに逆方向であるので相殺される。端部領域R2とR3はスロット開口部に対面しているのでその力は弱い。端部領域R2はティースS3とS4の中央まではティースS3に吸引されて左方向に力が働き、該中央を越えるとティースS4に吸引され右方向の力が作用するようになる。端部領域R3はティースS1とS2との中央まではティースS1に吸引されて左方向に力が作用し、該中央を越えるとティースS2に吸引されて右方向の力を受ける。何れの状態においても互いに力の方向が逆に作用するので互いに相殺され移動方向成分の力は零であるか僅かな残差分しか存在しなくなる。
【0018】
図2の(2)から(3)のロータ2の移動においては端部領域R1及びR3についてはティースS2に吸引されて左方向の力が作用し、端部領域R2及びR4についてはティースS4に吸引され右方向の力が作用する。そして夫々の作用する力は互いに逆方向であるので相殺され移動方向成分の力は零であるか僅かな残差分しか存在しなくなる。尚、(3)から(4)のロータ2の移動は前述の(2)から(3)で説明したロータ2の移動方向が逆になった場合と同じであり、作用する力の向きは夫々逆向きになるだけでロータ2の各端部領域に作用する力は当該磁極全体的には何ら変わらないため説明は省略する。また、(4)から(5)に関しても(1)から(2)で説明したロータ2の移動方向が逆になった場合と同じであり、作用する力の向きは夫々逆向きになるだけでロータ2の各端部領域に作用する力は当該磁極全体的には何ら変わらないので前述の如く説明は省略する。
【0019】
以上の力の作用をロータ2の磁極凸部の端部領域R1及びR2の合成コギングトルクTC1と有効磁極の端部領域R3及びR4での合成コギングトルクTC2として図3に示した。即ち、磁極凸部がその端部において対向するステータのティースから抜け出ようとする時、該端部と同一磁極の反対側の端部で当該磁極の有効磁極の端部が最寄りのティースに重なり合うためコギングトルクは互いに逆位相となる。従って、総合的に合成されたコギングトルクTC0は零若しくは極僅かなTC1とTC2の差分しか残らない。
【0020】
また、別の実施の形態として図4にはロータ2の磁極開角θ1に対向するステータ1のティース数が多い場合について示している。実施の形態は図1乃至図3で用いた手法と同様にモータを円周方向に展開した図である。図に付した符号は図2に示した符号と同じもの及び同じ機能を有するものを示す。ロータ2の磁極凸部開角θ3の左側端部領域R1がティースS2の右側端部と一致し、磁極凸部開角θ3の右側端部領域R2がティースS6の左側端部と一致している。有効磁極開角θ2の左側端部領域R3は磁極凸部開角θ3より1ティース分左側に開いておりティースS2の左側端部と一致し、有効磁極開角θ2の右側端部領域R4は磁極凸部より1ティース分右側に開いておりティースS6の右側端部と一致している。
【0021】
従って、図1乃至図3で示したものと図4とを比較すると明らかな様に磁極凸部端部領域と有効磁極端部領域が単純に入れ替わっただけであるため、コギングトルクの状況は夫々の領域で逆位相となり、図1乃至図3で説明した状況と何等変わらず相殺されることとなり同じ効果を得ることができる。
【0022】
更に、別の実施の形態として図5には、ロータ2の磁極凸部開角θ3の左側端部領域R1がティースS3の左側端部と一致し、磁極凸部開角θ3の右側端部領域R2がティースS4の右側端部と一致している。有効磁極開角θ2の両側端部領域R3、R4と磁極凸部開角θ3の両側端部領域R1、R2との間に夫々ステータの1スロットピッチ分に相当する開角が介在しており、有効磁極開角θ2の左側端部領域R3がティースS1の右側端部と一致し、有効磁極開角θ2の右側端部領域R4がティースS6の左側端部と一致している。尚、図5では有効磁極開角θ2の両側端部領域R3、R4と磁極凸部開角θ3の両側端部領域R1、R2との間夫々ステータの1スロットピッチ分に相当する開角が介在する状態を示したがスロットピッチ数を限定するものではなく複数のスロットピッチが介在しても同様の効果が得られる。
【0023】
即ち、各端部領域での力の作用は対向するステータピッチ毎に変化するのでロータ2の磁極凸部開角θ3の両側端部領域R1、R2と有効磁極開角θ2の両側端部領域R3、R4との間に複数のスロットピッチに相当する開角の差が生じても、各端部での力の作用は変わらず、力が作用するステータのティースが違うだけであり何ら問題なく本発明の効果を得ることができる。よって、ステータの1つの励磁極に含まれるスロット数が多ければ有効磁極開角θ2と磁極凸部開角θ3の組み合わせが階乗的に増えて設計自由度が増し、コギングトルクの相殺の状況は変わらない。
【0024】
以上の説明より本発明の実施の形態においては、有効磁極開角θ2によって生ずるコギングトルクと磁極凸部開角θ3によって生ずるコギングトルクが互いに逆相になるよう夫々の開角を設定することによりコギングトルクを低減することができる。
【0025】
本発明の別の実施の形態について図6及び図7を用いて説明する。通常、三相モータにおいては、相電圧として電気角90°を中心にした120°の位相領域にて通電が行われる事はよく知られている。これは、電気角120°という値がモータに給電すべき3相の位相差と合致するが故に回転ベクトル的に3相の内の2相を選択して、これを120°でつなぎ合わせることでモータの安定した回転が維持可能であり、該電気角90°を中心にした120°の区間領域において一定の電力を供給した場合と正弦波で180°区間電力を供給した場合とが等価であることによる。従って、最小限該電気角120°通電領域に相当する機械角において磁束の変化領域を作り出せるロータの有効磁極であればよいこととなる。これにより相対的に関連する永久磁石の円周方向での幅を小さく設定することが可能となるためコスト面で有利である。
【0026】
このことを図6に示す。図6はモータ巻線の3相誘起電圧波形を相電圧で示しており、図中の記号U、V、Wは相を表し、添え字は極性を表している。U+の波形に対し電気角30°から90°の区間に対応する波形をV−とし、U+の波形に対し電気角90°から150°の区間に対応する波形をW−として、これら2相の状態が出来るよう通電すればモータとして回転させることが出来る。次の電気角ではV+を基準に、更に次の電気角ではW+を基準にU+の場合と同様にすることで回転を維持させることが出来る。また、例えばU+とV−の状態である区間の電気角30°から60°区間で選択されなかったW+については非通電とされることになるがその量は僅かである。従って、モータとしての電気特性の低下は少ない。
【0027】
従って、前記のことから明らかなように、本発明において電気特性を余り損なわずしてコギングトルクを低い状態にするには、電気的特性面からロータ2の有効磁極開角を電気角120°に近い角度であって、有効磁極開角θ2が120°を超えるティースの両端部と成す開角とし且つ、磁極凸部開角θ3が有効磁極開角θ2内の領域であり電気角120°に近い角度であって、磁極凸部開角θ3が120°より狭いティースの両端部と成す開角に設定することによりコギングトルクを低減することができる。
【0028】
また、本実施の形態を1ティース1極の所謂集中巻されるモータに適用する場合について図7を用いて説明する。図7は3相の4極モータの構成を6スロットのステータで構成する場合について示している。この場合でも前述のロータ2の磁極開角に対向して各極内に複数のティースがある場合と同様の構成でコギングトルクを低減することが出来る。図1におけるロータ2に対向するティースが単一となるだけであり、コギングトルクの低減の様相は同じとなるため説明は省略する。図7の実施の形態では1スロットピッチの開角は機械角で60°、電気角で120°である。
【0029】
従って、本発明を適用する場合はステータ1のティース幅開角と同じロータの磁極凸部開角θ3とし、有効磁極開角θ2は前記ティースを挟む両隣のティースの両端部と成す開角に設定すれば良い。該設定ではロータ2の有効磁極開角θ2は電気角120°にステータの1スロット開口角分加えられたものとなり、磁極凸部開角θ3は電気角120°からステータの1スロット開口角分差し引かれたものとなり、モータとしてのコギングトルクは低減され且つ、モータとしての電気特性の確保もされる。
【0030】
本発明の別の実施の形態であるロータ2とステータ1とが対向する磁気的ギャップについて図8及び図9を用いて説明する。図8は図1と同じものであるが、ロータ2の磁極凸部開角θ3での磁気的ギャップをg1、ロータ2の有効磁極開角θ2部で前記磁極凸部開角θ3を除く領域での磁気的ギャップをg2として図示している。尚、図8においては前記有効磁極開角θ2を越える当該磁極の部位における磁気的ギャップもg2と同じとして示している。また、磁極凸部開角θ3のロータ外径側の端部から有効磁極開角θ2のロータ外径側の端部引かれた直線(図8中の破線)と電気角で120°となる開角θ4を示す線との交点をP5として示している。またロータ2の軸孔の中心を基準として交点P5を通る円弧線(図8中の一点鎖線)も示してある。
【0031】
図6及び図7で説明したように、この種の三相モータでは電気角120°の開角の有効磁極とすることで電気特性とコストの能力が相対的に高いのであるからギャップの磁束分布においても該状況に呼応した状態となるよう構成される必要がある。該モータを選択された2相への通電の組み合わせで回転させる場合、夫々の相が電気角120°で切り替えられることで連続的な安定した給電が行える事は図6の説明の通りである。
【0032】
もし、該モータの電気特性において純粋な正弦波駆動と同様な電気特性を得ようとした場合、少なくとも通電切り替えから次の通電切り替えまでに相当する電気角領域での誘起電圧の大きさが正弦波の場合と同等以上の値を持つ必要がある。従って、ロータはこの様な誘起電圧を発生させる磁束分布状態を有していなくてはならない。よって、必要な誘起電圧波形とそのための磁束分布は殆ど相似で、対象となる通電領域に対応するロータの磁極の部位は任意の相を構成する巻線がほどこされたティースを通過しようとするロータ外径側の磁極凸部開角θ3の端部付近から有効磁極開角θ2の端部までの領域に対応する。
【0033】
本発明では、該領域における磁束密度が磁極凸部開角θ3のギャップでの磁束密度を1としたときの磁束密度比φrを0.75≦φr<1となる値に選定する。該磁束密度比φrの値の範囲においてどの値を選択するかはモータに要求される電気特性とコギングトルクの低減程度によって判断される。
【0034】
今、任意の選択された2相が通電される領域での対象となる誘起電圧波形は、電気角30°から90°までの変化となる。このときの誘起電圧は正弦波の場合では電気角90°時点の値を1としたとき電気角30°で0.5から値が増加し電気角90°時点の1まで変化する。この区間での平均は
(0.5+1)/2=0.75 …(2)
であり、この区間における誘起電圧の等価面積での誘起電圧値は
【0035】
【数1】
Figure 0004698062
【0036】
である。
また、対象領域での電気角中間時点での誘起電圧値は該電気角が60°の位相であることから
sin(60°)≒0.866 …(4)
となる。選択された相の誘起電圧が当該通電領域で正弦波と等価な誘起電圧値を有するには前記の値を示すような磁束分布領域が求められる。モータとして高出力を望むならば高めの値に設定する。どの付近の値を使用するかはコギングトルクの低減具合と要求される電気特性との兼ね合いで決定する事になるが、電気特性に関して相の通電切り替えを円滑に行わせようとする場合等は式(4)に示される値付近及びそれ以上の値を使用し、実効的に同一電気特性を得ようとする場合は式(3)に示される値付近及びそれ以上の値を使用し、若干の電気特性の低下が許容できる場合は式(2)に示される値付近及びそれ以上の値を使用してギャップを決定するとよい。また、磁極凸部開角θ3と有効磁極開角θ2における部位について、互いにコギングトルクを相殺するように有効な磁束密度の配分を適宜選定すればよい。
【0037】
従って、ロータの磁極凸部によるコギングトルクと該磁極凸部を除く有効磁極部位でのコギングトルクに直接的に関与する磁束量が夫々の部位でのギャップの大きさの二乗に反比例するので、どちらかのギャップが決定されれば次の計算式で他方のギャップを求めることが出来る。
0.75≦{(g1/g2)2 +1}/2<1 …(
前記の説明の内容を図8で確認すると、電気角120°の開角θ4の区間で必要な誘起電圧を生じさせるのに要する磁束分布を確保するには、少なくとも同様にロータ2の磁極においても電気角120°の開角θ4以上の領域で有効磁極開角θ2が必要である。図8においては有効磁極開角θ2が電気角120°の開角θ4を超え少なくとも1つのスロット開口角分広くとられている。また、ロータ2の外径側の磁極凸部開角θ3については電気角120°の開角θ4から1つのスロット開口角分狭くとられている。磁極凸部開角θ3での磁束密度を1として該ロータ外径側の磁極凸部開角θ3の端部から有効磁極開角θ2のロータ外径側端部とを結んだ線と当該磁極に関して電気角120°の開角θ4の開角線との交点P5において前述の如く磁束量が有ればモータとしての電気特性を維持することができる。
【0038】
本発明ではこの交点P5での磁束密度比φrを0.75〜1までの間の任意の値になるようにギャップg2を設定するのであるからモータとしての誘起電圧に関して120°の区間での所望の誘起電圧を確保することが出来る。図9は図8の当該磁極のギャップでの磁束分布の様子を表したものである。図9においてθ4が電気角120°に相当しており、モータとしての通電対象区間に呼応する領域での磁束密度が確保される。尚、本発明の主旨によれば、磁極凸部開角θ3のギャップの磁束と該磁極凸部開角θ3を超える領域のギャップでの磁束密度が同じである1の場合は磁極凸部開角θ3の意味が無くなりコギングトルクの低減にはならないので該磁束密度の比としてこれを選択することは出来ない。
【0039】
更に、本発明の別の実施の形態について図10を用いて説明する。図10はロータ2の磁極凸部開角θ3と有効磁極開角θ2を永久磁石単体で構成する場合の例である。また、更に別の例として図11に本発明の実施の形態を示す。図11は図7や図8が平板状の永久磁石で構成されているのに対して、円弧状の永久磁石で構成されている。図10も図11も磁極凸部開角θ3や有効磁極開角θ2の設定やこれらの構成のロータ2と組み合わされるステータ1との各部のギャップの決定は前述の如く行う。
【0040】
図12に本発明の更に他の実施の形態を示す。この実施の形態は、図11と同様に円状の永久磁石で構成されているが、永久磁石を円状(図11)ではなく菱形状に配置している。磁石の配向に対して磁性材での磁束分布が分散し、ギャップにおいて平板磁石の場合と同様の磁束分布となるので図1と同様の効果が得られる。磁極凸部開角θ3や有効磁極開角θ2の設定やこれらの構成のロータ2と組み合わされるステータ1との各部のギャップの決定は前述の如く行う。なお、この場合の有効磁極開角θ2は、永久磁石から磁束が磁性材を介してギャップ側へ伝達されるので、ロータ2の外周部近傍においてギャップへの磁気抵抗が低い部位となる。
【0041】
上述した実施の形態において図10以外のロータ構造示しているように、本発明のロータ2の磁極凸部開角θ3をロータの磁性材を使用して形成することで該部位のギャップへの磁束経路を確保させるとともにスロットによる磁気抵抗の大きな部位に対して永久磁石から見た磁気抵抗を緩和させることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、永久磁石にスキューを施すことなくコギングトルクの大幅な低減が可能であり、従来のようにコギングトルクを低減するだけのためにスキュー領域の永久磁石が使われることが無いためコストの低減が図れる。特に近年の永久磁石に高価な希土類磁石を使用してモータの性能を改善しようとする場合のスキューを施したモータと比較するとその差は大きなものがある。
【0043】
また、この種のモータの駆動によく用いられる相電圧に関して電気角120°の通電に呼応して選択的に有効磁極開角を狭くしてもコギングトルクの低減に何ら影響を受けることなく実施可能である。また、本発明を実施する場合も多くの実施の形態で示されたようにロータのコアを打ち抜く際に必要な凸部を施すだけでよく、該ロータの製造に対して容易である。
【0044】
更に、該凸部は、モータの駆動制御がロータの位置に対して相対的に進み電流で制御される場合、リラクタンストルクに関与する磁束通路として利用できるので制御手法適用の選択範囲が広がるものである。また、コギングトルクの低減が集中巻や分布巻といったステータの種類を選ばず可能である。従って、この種のモータの殆どに適用可能である。この様に、本発明を適用することでモータが組み込まれる機器のコギングトルクによる騒音や振動が低減及び解消され、応用によってはコギングトルクそのものを嫌う機器に使用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す分布巻モータの横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態での力の作用を示す説明図である。
【図3】図1におけるコギングトルクの様相を示す図である。
【図4】本発明の別の実施の形態での力の作用を示す説明図である。
【図5】本発明の別の実施の形態での力の作用を示す説明図である。
【図6】三相モータの誘起電圧タイミングを示す図である。
【図7】本発明の別の実施の形態を示す集中巻モータの横断面図である。
【図8】本発明の別の実施の形態においてのギャップの大きさを説明する図である。
【図9】図8におけるギャップの磁束分布を示す図である。
【図10】本発明を適用した別のロータ構造の一例を示す図である。
【図11】本発明を適用した別のロータ構造の一例を示す図である。
【図12】本発明を適用した別のロータ構造の一例を示す図である。
【図13】従来例を示すロータの斜視図である。
【符号の説明】
θ1 磁極開角
θ2 有効磁極開角
θ3 磁極凸部開角
θ4 電気角120°開角
TC0〜TC2 コギングトルク波
1 ステータ
2 ロータ
3 永久磁石
4 空孔
U+,V+,W+ 相誘起電圧の正方向波形
V−,W− 相誘起電圧の負方向波形
g1,g2 ギャップ
P5 交点
θs スキュー角度
S1〜S8 ティース
R1〜R4 端部領域
φr 磁束密度比

Claims (2)

  1. 永久磁石が装着されたロータと複数のスロットを有するステータとで構成されるブラシレスDCモータにおいて、前記ロータの軸孔の中心を基準とする所定の開角で設定されたロータの有効磁極開角θ2と該有効磁極開角θ2内に施された磁極凸部開角θ3とを有し、前記有効磁極開角θ2によって生ずるコギングトルクと前記磁極凸部開角θ3によって生ずるコギングトルクが互いに逆相になるよう夫々の開角を設定し
    前記ロータの有効磁極開角θ2の極中心を基準として、前記ロータの有効磁極開角θ2が、電気角120°以上であり且つ、前記電気角120°に最も近いステータティース両端部と成す開角とし、前記電気角120°に最も近いステータティース両端部と成す開角において、少なくとも前記ロータの磁極凸部開角θ3を超える有効磁極開角θ2の部位において磁極凸部開角θ3のギャップより広くした凹部を設け、
    前記ロータの有効磁極開角θ2の凹部と、磁極凸部開角θ3の夫々の領域でのステータとのギャップが、有効磁極開角θ2の凹部をg2、磁極凸部開角θ3をg1としたとき、
    0.75≦{(g1/g2) 2 +1}/2<1
    なる関係であることを特徴とするブラシレスDCモータ。
  2. 前記ロータの磁極凸部は、永久磁石を内蔵保持させた磁性材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモータ。
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