JPH10174396A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JPH10174396A
JPH10174396A JP8323947A JP32394796A JPH10174396A JP H10174396 A JPH10174396 A JP H10174396A JP 8323947 A JP8323947 A JP 8323947A JP 32394796 A JP32394796 A JP 32394796A JP H10174396 A JPH10174396 A JP H10174396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で高出力化し易く、アウタロータ磁極3
のトルク変動を低減でき、且つアウタロータ磁極3の製
造コストを低減できるようにする。 【解決手段】 アウタロータ型永久磁石界磁ブラシレス
モータ1を、電機子鉄心4の12個のティース4A〜4
Lに1スロットピッチで集中巻きされた三相の電機子コ
イル5A〜5Lを有するインナステータ2と、このイン
ナステータ2の外側に空隙を介して回転自在に配された
10極のアウタロータ磁極3とから構成した。そして、
アウタロータ磁極3を、磁路の一部を形成するロータヨ
ーク6と、このロータヨーク6の内周面に等間隔で固定
された5極の永久磁石磁極7A〜7Eと、隣設する2個
の永久磁石磁極間のロータヨーク6を内径側に凸となる
ように変形させて設けた5極の軟磁性材磁極6A〜6E
とから構成することにより、永久磁石界磁における永久
磁石の使用量を半分に減らした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアウタロー
タ型永久磁石界磁ブラシレスモータ等の回転電機の磁極
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、小型で高出力化し易い永久磁石
界磁ブラシレスモータの中でも、電機子巻線を1スロッ
トピッチで集中して巻回(以下、集中巻と略称する)し
たアウタロータ型永久磁石界磁ブラシレスモータ等の回
転電機は、電機子巻線のコイルエンドを短くでき、更に
小型で高出力化に有利なものであった。
【0003】一方、集中巻したアウタロータ型永久磁石
界磁ブラシレスモータは、固定電機子の電機子鉄心の外
周に複数個の電機子ティースが設けられているために回
転界磁の回転位置によって磁束が変化することによりト
ルク変動(トルクリップルともコギングトルクとも言
う)が大きくなり易いという問題が生じていた。そこ
で、永久磁石磁極の磁極数と電機子ティースの個数とを
好適な組合せにすると出力低下を招くことなく、トルク
変動を低減できるようにした技術が特開昭62−110
468号公報に記載されている。
【0004】この特開昭62−110468号公報に
は、永久磁石磁極の磁極数Mと固定電機子の突極磁極の
磁極数(電機子ティースの個数)Nを、M=N−2、あ
るいはM=N+2で、且つN=6n(nは2以上の整
数)の関係式を満たすようにすれば、電機子巻線係数
(電機子巻線が磁極の磁束をどれだけ有効に利用できる
かを表す指標)が大きくなるので、出力を向上できる旨
の内容が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の特開
昭62−110468号公報に記載された技術(従来の
技術)においては、前記M、Nの関係式から、永久磁石
磁極の磁極数Mは少なくとも10極以上必要であること
が分かる。このため、10極以上の永久磁石磁極を一体
成形できない体格のブラシレスモータでは、永久磁石磁
極の部品点数が多いことや、継鉄の内周面への永久磁石
磁極の位置決め固定方法が複雑であること等により、磁
極部を製造する際の製造作業性が悪く、磁極部の製造コ
ストの上昇を招いてしまう。したがって、比較的高出力
で安価なブラシレスモータに上記の構造を採用すること
は困難であった。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、小型で高出力化し易い
回転電機を提供することである。また、磁極部のトルク
変動を低減でき、且つ磁極部の製造コストを低減できる
回転電機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、特別な部材を追加することなく、継鉄の一部を
内径側へ凸状に突出させた部分を軟磁性材磁極とするこ
とにより、永久磁石の使用量を減らすことができるの
で、磁極部の製造コストを低減することができる。ま
た、継鉄の一部を内径側へ凸状に突出させた部分を設け
ることにより、磁極部の剛性を増加することができる。
なお、永久磁石としてフェライト磁石を使用した時のよ
うに、継鉄の磁束密度に余裕のある場合には、最外周に
位置した軽量効果の大きい継鉄を薄肉化できるので、軽
量化を達成できる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、軟磁性材
磁極の中心を隣設する2個の永久磁石磁極間の中央より
電機子巻線を流れる電機子電流による増磁界側に位置す
るように軟磁性材磁極を配設することにより、電機子電
流による起磁力を有効に利用して軟磁性材磁極で効果的
に吸引トルクを発生できるので、小型、高出力化の上で
有利になる。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、軟磁性材
磁極の極弧率を0.3以上0.6以下の好適な範囲に設
定することにより、電機子巻線を流れる電機子電流によ
る起磁力を有効に利用して軟磁性材磁極で効果的に吸引
トルクを発生できるので、小型、高出力化の上で更に有
利になる。
【0010】請求項4に記載の発明によれば、異なる極
性の第1、第2着磁部を、無着磁部を挟んで同一磁極部
材により形成し、継鉄の一部を内径側へ凸状に突出させ
た軟磁性材磁極に隣接させたので、軟磁性材磁極は全領
域を電機子電流による増磁界側に配設でき効果的に吸引
トルクを発生できる。また、永久磁石磁極の第1着磁部
は永久磁石であるので、固定電機子の電機子鉄心との間
で反発トルクを発生できる。以上により、回転電機の性
能を維持しつつ、永久磁石の使用量を低減でき、磁極部
の製造コストを抑制できる。さらに、軟磁性材磁極を永
久磁石磁極の第1着磁部の端面を当接させる位置決め部
材として用いるので位置決めが容易となり、製作工程を
簡素化できる。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、軟磁性材
磁極の極弧率を0.15以上0.40以下の好適な範囲
に設定することにより、電機子巻線を流れる電機子電流
による起磁力を有効に利用して効果的に吸引トルクを発
生できるので、小型、高出力の上で更に有利になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施例の構成〕図1および図2は本発明の第1実
施例を示したもので、図1はアウタロータ型永久磁石界
磁ブラシレスモータの全体構造を示した図である。
【0013】アウタロータ型永久磁石界磁ブラシレスモ
ータ(以下ブラシレスモータと略す)1は、図示しない
固定部材に固定された固定電機子(以下インナステータ
と呼ぶ)2と、このインナステータ2の外側に所定の空
隙(エアギャップ:例えば0.4mm〜0.5mm)を
介して配設され、図示しない軸受部材によりインナステ
ータ2に対して回転自在に支承された回転界磁(以下ア
ウタロータ磁極と呼ぶ)3とを備えている。
【0014】インナステータ2は、軟磁性積層材(例え
ば鉄板または硅素鋼板)を多数積層してなる積層型コア
である電機子コア(電機子鉄心)4、およびこの電機子
コア4に巻装された三相の電機子コイル(電機子巻線)
5A〜5L等から構成されている。電機子コア4の外周
部には、外周端に突出した鍔状片を有する12個の電機
子ティース4A〜4Lが外側に突出するように形成され
ている。隣設する2個の電機子ティース4A、4B間に
は、スロットが形成されている。
【0015】そして、三相の電機子コイル5A〜5L
は、本発明の電機子巻線であって、電機子コア4の外周
部のN個の電機子ティース4A〜4Lに集中巻されてい
る。なお、本実施例の電機子ティースの個数は、下記の
数1の式(関係式)を満足するように設定されている。
そして、本実施例では電機子ティースの個数Nを12個
に設定している。
【数1】N=6n(nは2以上の整数)
【0016】ここで、2組の電機子コイル5A、5B
は、対になって逆極性に結線され、同相(U相)を形成
している。そして、図2中の矢印FU1、FU2は、あ
る通電状態での電機子コイル5A、5Bの電機子起磁力
を表すものであり、矢印方向がN極性を表している。す
なわち、電機子コイル5Aの空隙への起磁力は片側の極
性(S極性)であり、電機子コイル5Bの空隙への起磁
力は他方側の極性(N極性)であり、互いに逆極性とな
っている。
【0017】また、2組の電機子コイル5A、5Bから
180゜の位置にある2組の電機子コイル5G、5Hも
対になって逆極性に結線され、同相(U相)を形成して
いる。そして、U相を形成する電機子コイル5A、5
B、5G、5Hは、直列に結線されてU相電機子コイル
群を構成している。
【0018】他のV相、W相も同様に結線されている。
すなわち、V相を形成する電機子コイル5C、5D、5
I、5Jは、直列に結線されてV相電機子コイル群を構
成している。また、W相を形成する電機子コイル5E、
5F、5K、5Lは、直列に結線されてW相電機子コイ
ル群を構成している。そして、全体でU相、V相、W相
の三相スター結線またはデルタ結線されている。
【0019】アウタロータ磁極3は、本発明の磁極部で
あって、図示しない出力軸にトルク伝達するように機械
的に結合されている。そして、アウタロータ磁極3は、
ロータヨーク6と、このロータヨーク6の内周面に接着
剤等により固定された永久磁石磁極7A〜7Eとから構
成された永久磁石界磁である。永久磁石磁極7A〜7E
は、強く磁化されて磁気を永久に保持する硬磁性材(永
久磁石)よりなる。本実施例では、永久磁石磁極7A〜
7Eを構成する永久磁石として例えばフェライト磁石を
使用している。
【0020】ロータヨーク6は、軟磁性材よりなる略円
筒形状の継鉄であって、磁気回路の一部分を形成すると
同時に、機械的構造物でもある。そして、ロータヨーク
6の一部、すなわち、ロータヨーク6の周方向に72°
毎の5箇所は、軟磁性材よりなる軟磁性材磁極6A〜6
Eとされている。これらの軟磁性材磁極6A〜6Eは、
ロータヨーク6の一部を、インナステータ2(内径)側
へ凸状に突出するように、例えばプレス成形等により変
形加工して形成した突条部分である。軟磁性材磁極6A
〜6Eの磁極弧部は、永久磁石磁極7A〜7Eの磁極弧
部と同様に12個の電機子ティース4A〜4Lの外周端
との間に例えば0.4mm〜0.5mmのエアギャップ
を介して対向するように形成されている。
【0021】以上により、ロータヨーク6、永久磁石磁
極7A〜7Eおよび軟磁性材磁極6A〜6EとからM極
のアウタロータ磁極3が構成される。なお、アウタロー
タ磁極3の磁極数は、下記の数2の式(関係式)を満足
するように設定され、本実施例では電機子ティース4A
〜4Lの個数Nが12個のため、M=10極である。
【数2】M=N−2、あるいはM=N+2
【0022】次に、軟磁性材磁極6A〜6Eを図2に基
づいて詳細に説明する。軟磁性材磁極6A〜6Eのうち
軟磁性材磁極6Aを代表して説明する。軟磁性材磁極6
Aは、その中心が隣設する2個の永久磁石磁極7A、7
B間の中央(π/5)より、α1(例えば2゜)だけ電
機子コイルを流れる電機子電流による増磁界側(電機子
コイルに発生する起磁力により吸引される側)に配設さ
れている。
【0023】また、軟磁性材磁極6Aの極弧長をb1と
し、10極のアウタロータ磁極3の磁極ピッチをτとす
ると、極弧率(b1/τ)は、0.3〜0.6の範囲
(本実施例では、0.44)になっている。その他の軟
磁性材磁極6B〜6Eも同様な構造を有している。
【0024】〔第1実施例の作用〕次に、本実施例のブ
ラシレスモータ1の作動を図1および図2に基づいて説
明する。
【0025】U相電機子コイル群およびV相電機子コイ
ル群が通電状態の時には、永久磁石磁極7Aに対し、電
機子コイル5Aの起磁力FU1が吸引方向に作用し、右
回り(時計回り)のトルクが発生しロータヨーク6に右
回りトルクが作用する。そして、軟磁性材磁極6Aに対
し、電機子コイル5Bの起磁力FU2が吸引方向に作用
し、右回りのトルクが発生しロータヨーク6に作用す
る。また、軟磁性材磁極6Aに対しては、電機子コイル
5Cの起磁力FV1が吸引方向に作用し、若干左回りの
トルクが発生する。
【0026】しかるに、本実施例では、軟磁性材磁極6
Aの中心を隣設する2個の永久磁石磁極7A、7Bの中
央より、α1(例えば2°)だけ電機子電流による増磁
界側に位置するようにロータヨーク6の一部を内径側へ
凸状に変形加工しているので、電機子コイル5Bの起磁
力FU2による右回りトルクが支配的であり、電機子コ
イル5Cの起磁力FV1による左回りトルクは無視でき
る大きさになっている。
【0027】また、永久磁石磁極7Bに対しては、電機
子コイル5Cの起磁力FV1が吸引方向に作用し、且つ
電機子コイル5Dの起磁力FV2が反発方向に作用する
ため、どちらも右回りのトルクを発生し、ロータヨーク
6に右回りトルクが足し合わされて作用する。
【0028】なお、図1に、現在通電状態にあるU相電
機子コイル群の全起磁力FU1〜FU4およびV相電機
子コイル群の全起磁力FV1〜FV4の方向を同じく矢
印で示し、アウタロータ磁極3との作用関係を示した。
以上、図1からも分かるように、ブラシレスモータ1の
下半分についても、右回りのトルクが発生し、ブラシレ
スモータ1全体として、ロータヨーク6に右回りトルク
が加算されて作用する。
【0029】〔第1実施例の効果〕以上のように、本実
施例のブラシレスモータ1によれば、ロータヨーク6の
一部を内径側に凸状に変形加工して特別な部材を追加す
ることなく、極性がS極の軟磁性材磁極6A〜6Eとし
たので、永久磁石の使用量を半分に減らすことができ
る。これにより、永久磁石をロータヨーク6の内周面に
接着剤等で接合する組付作業が容易となると共に、永久
磁石の個数を半減できるので、アウタロータ磁極3の製
造コストを低減できる。
【0030】また、本実施例のブラシレスモータ1によ
れば、アウターロータ磁極3を構成するロータヨーク6
の一部を凸状に変形加工することにより設けた軟磁性材
磁極6A〜6Eがロータヨーク6を補強する補強用リブ
として機能することにより、アウターロータ磁極3の剛
性を増加させることができる。さらに、ロータヨーク6
の磁束密度に余裕のある場合(永久磁石としてフェライ
ト磁石を使用した場合)には、アウタロータ磁極3の最
外周に位置し、軽量効果の大きいロータヨーク6を薄肉
化できるので、ブラシレスモータ1の軽量化を図ること
ができる。そして、アウターロータ磁極3の慣性モーメ
ントを低減できるという効果もある。
【0031】また、本実施例のブラシレスモータ1によ
れば、アウターロータ磁極3の剛性が高いので、12個
の電機子コイル5A〜5L間の吸引力および反発力によ
るアウターロータ磁極3の振動を低減できるので、低振
動で低騒音のブラシレスモータ1を提供できる。さら
に、本実施例のブラシレスモータ1によれば、軟磁性材
磁極6A〜6Eの磁極数は奇数の5個であるが、電機子
起磁力が発生する電機子ティース4A〜4Lとは、図1
から分かるように、アウタロータ磁極3のほぼ回転軸対
称の位置で対峙しており、電機子起磁力の大きさも回転
軸対称であるので、アウターロータ磁極3を偏心させる
力を小さくできる。
【0032】〔第2実施例の構成〕図3および図4は本
発明の第2実施例を示したもので、図3はアウタロータ
型永久磁石界磁ブラシレスモータの全体構造を示した図
である。
【0033】本実施例は、第1実施例と同じ10極12
ティース(スロット)のブラシレスモータ1であるが、
図3に示したように、第1実施例のものとアウタロータ
磁極3の構造が異なっている。本実施例のアウタロータ
磁極3は、ロータヨーク6の一部を内径側に凸状に変形
加工してなる軟磁性材磁極6A〜6Eの極弧(円周方向
の長さ)を第1実施例よりも狭めている。なお、上述の
ように軟磁性材磁極6A〜6Eは、磁極弧の長さが第1
実施例と異なるが、機能的に近い部材であるため、第1
実施例との対応をとるため、同じ番号を図中に付した。
【0034】そして、アウタロータ磁極3は、軟磁性材
磁極6A〜6Eに隣接するS極着磁部9A〜9Eと、第
1実施例の永久磁石磁極7A〜7Eと同一の機能を有す
るN極着磁部10A〜10Eとを無着磁部11A〜11
Eを挟んで同一磁石磁極材料(例えば樹脂または陶器)
により一体化した永久磁石磁極12A〜12Eを備えて
いる。
【0035】S極着磁部9A〜9Eは、本発明の第1着
磁部であって、硬磁性材によりなり、軟磁性材磁極6A
〜6Eと同一の極性であるS極に着磁されている。そし
て、S極着磁部9A〜9Eは、軟磁性材磁極6A〜6E
と共にS極の磁極弧(軟磁性材磁極6A〜6Eの磁極弧
残部)を構成する。N極着磁部10A〜10Eは、本発
明の第2着磁部であって、軟磁性材磁極6A〜6Eと異
なる極性であるN極に着磁されている他磁極の磁極弧で
ある。無着磁部11A〜11Eは、N極にもS極にも着
磁されない部分で、磁石磁極材料により形成されてい
る。これらの無着磁部11A〜11Eの内周面には、無
駄な磁石磁極材料を減らすために設けた凹部11が設け
られている。
【0036】次に、永久磁石磁極12A〜12Eのうち
の1個の永久磁石磁極12Bを例にしてアウタロータ磁
極3を図4に基づいて説明する。永久磁石磁極12B
は、S極着磁部9BとN極着磁部10Bとで無着磁部1
1Aを挟んで着磁された一体部品であり、軟磁性材磁極
6Aの端部に隣接または当接させて位置決めされ、ロー
タヨーク6の内周面に接着剤等により固定されている。
【0037】また、図4に示したように、S極着磁部9
Bの磁極弧は、N極着磁部10Bの磁極弧の約半分の長
さとなっており、電機子起磁力による減磁側の磁束をS
極着磁部9Bが受け持っている。一方、電機子起磁力に
よる増磁側の磁束を軟磁性材磁極6Aが受け持ってい
る。
【0038】そして、軟磁性材磁極6Aは、その中心が
2個の永久磁石磁極12A、12B間の中央(π/5)
より、α2(本実施例では、6゜)だけ電機子電流によ
る増磁界側(電機子起磁力により吸引される側)に配設
されている。また、軟磁性材磁極6Aの磁極弧の極弧長
をb2とし、磁極ピッチをτとすると、軟磁性材磁極6
Aの極弧率(b2/τ)は、0.15〜0.40の範囲
(本実施例では、0.28)になっている。
【0039】そして、無着磁部11Bの内周面の凹部1
1は無駄な磁石磁極材料を減らすために設けた凹みであ
るが、永久磁石磁極12Bの成形性を考慮して凹部11
をなくしても性能的には、さしつかえない。また、無着
磁部11Bは、空隙側に磁荷がなければ良く、無着磁部
11Bの内部に極異方性の磁路を形成して有効磁束密度
を高めても良い。なお、永久磁石磁極12B以外の永久
磁石磁極12A、12C〜12Eも同様な構造を有して
いる。
【0040】〔第2実施例の作用〕次に、本実施例のブ
ラシレスモータ1の作動を図3および図4に基づいて説
明する。なお、説明は第1実施例との違いを中心に1個
の磁極体にて説明する。
【0041】U相電機子コイル群およびV相電機子コイ
ル群が通電状態の時には、軟磁性材磁極6Aに対して、
電機子コイル5Bの起磁力FU2が吸引方向に作用し、
右回りのトルクが発生しロータヨーク6に作用する。な
お、軟磁性材磁極6A〜6Eの磁極弧の長さが第1実施
例よりも短いので、電機子コイル5Cの起磁力FV1に
よる第1実施例のような左回りのトルクは全く発生しな
い。
【0042】また、永久磁石磁極12Bに対しては、電
機子コイル5Cの起磁力FV1が、S極着磁部9Bに対
し反発方向に作用し、N極着磁部10Bに対し吸引方向
に作用する。さらに、電機子コイル5Dの起磁力FV2
がN極着磁部10Bに対し反発方向に作用し、どれも右
回りのトルクが発生し、ロータヨーク6に右回りトルク
が足し合わされて作用する。
【0043】なお、図3に、現在通電状態にあるU相電
機子コイル群の全起磁力FU1〜FU4およびV相電機
子コイル群の全起磁力FV1〜FV4の方向を同じく矢
印で示し、アウタロータ磁極3との作用関係を示した。
以上、図3から分かるようにブラシレスモータ1の下半
分についても、右回りのトルクが発生し、ブラシレスモ
ータ1全体としてロータヨーク6に右回りトルクが加算
されて作用する。
【0044】〔第2実施例の効果〕本実施例のブラシレ
スモータ1によれば、S極着磁部9A〜9EとN極着磁
部10A〜10Eを無着磁部11A〜11Eを挟んで同
一の磁石磁極部材により一体成形し、ロータヨーク6の
一部を内径側に突出するように変形加工してなる軟磁性
材磁極6A〜6Eに隣接または当接させている。これに
より、軟磁性材磁極6A〜6Eは全領域を電機子電流に
よる増磁界側に配設でき効果的に吸引トルクを発生でき
る。
【0045】また、軟磁性材磁極6A〜6Eの磁極弧残
部はS極着磁部(永久磁石)9A〜9Eにより構成され
ているので、固定電機子2との間で反発トルクを発生で
きる。このように、増磁側の磁束を軟磁性材磁極6A〜
6Eが受け持ち、減磁側の磁束をS極着磁部9A〜9E
に受け持たせるようにアウタロータ磁極3を構成したの
で、第1実施例に比べてブラシレスモータ1の性能を維
持しつつ、永久磁石の部品点数を低減でき、アウタロー
タ磁極3の製造コストを抑制できる。
【0046】また、軟磁性材磁極6A〜6Eを永久磁石
磁極12A〜12Eの端面を当接させる位置決め部材と
して用いるので、永久磁石磁極12A〜12Eの位置決
めが非常に容易になり、アウタロータ磁極3の製作工程
が簡素化できる。さらに、本実施例のブラシレスモータ
1によれば、軟磁性材磁極6A〜6Eの磁極弧の極弧率
を0.15〜0.40とトルク発生に好適な範囲に設定
しているので、電機子電流による起磁力を有効に利用し
て吸引トルクを発生でき、小型で高出力化のブラシレス
モータ1を製作できる。
【0047】〔他の実施例〕以上、アウタロータ磁極3
の磁極数を10、電機子ティース(スロット)4A〜4
Lの個数を12個に設定したブラシレスモータ1の場合
を第1、第2実施例で説明したが、これ以外の組合せも
可能であり、以下に有効な磁極数M、個数Nの組合せ実
施例を説明する。
【0048】アウタロータ磁極3の磁束をどれだけ有効
利用できるか(以下巻線利用率と略称する)は、短節巻
係数と分布巻係数の積で本来検討すべきであるが、簡便
のため短節巻係数だけを用いて説明する。短節巻係数を
kpとすると、短節巻係数kpとアウタロータ磁極3の
磁極数M、電機子ティース4A〜4Lの数Nには下記の
数3の式(関係式)が成り立つ。
【数3】kp=sin{(π/2)×(M/N)}
【0049】上記の関係式を基に、アウタロータ磁極3
の磁極数M=10〜20、電機子ティースの個数N=1
2〜24の範囲で短節巻係数kpを計算すると、短節巻
係数kpが、良好なもの(0.9以上)は以下のM、N
の組合せである。ただし、電機子ティースの個数は、電
機子起磁力が回転中心軸回りにバランスする偶数場合の
みとした。(M,N)=(10,12)、(14,1
2)、(16,18)、(20,18)、(20,2
4)となり、何れもkp≧0.95である。また、説明
は省くが、前記組合せで巻線利用率は、全て、0.93
以上にできる。
【0050】以上から、磁束有効利用率が良好なM、N
の組合せを整理すると下記の数4の式(関係式)および
数5の式(関係式)を満足する個数Nおよび磁極数Mが
望ましい。
【数4】N=6n(nは2以上の整数)
【数5】M=N−2、あるいはM=N+2
【0051】すなわち、電機子ティースの個数Nとアウ
タロータ磁極3の磁極数Mの関係が以上の組合せの場
合、電機子起磁力を有効に利用できるため、ブラシレス
モータ1の出力低下を招くことなく、アウタロータ磁極
3のトルク変動を低減でき、且つブラシレスモータ1を
小型化で高出力化する上で有利になる。また、電機子テ
ィースの個数Nを6n(偶数)としたので、電機子起磁
力が回転中心軸回りにバランスし、軟磁性材磁極6A〜
6Eに電機子起磁力が作用してアウターロータ磁極3を
偏心させる力を小さくできる。
【0052】〔変形例〕本実施例では、永久磁石として
フェライト磁石を用いたが、ネオジウム磁石等の希土類
磁石、アルニコ磁石あるいは樹脂磁石(ナイロン樹脂、
Nd、Fe、B粉末を焼結したもの)を用いても良い。
また、永久磁石磁極と軟磁性材磁極との磁極数は同一で
なくても良く、上記実施例における永久磁石磁極の一部
を更に軟磁性磁極に置換する等しても良い。本実施例で
は、本発明をアウタロータ型永久磁石界磁ブラシレスモ
ータに適用したが、本発明をその他の電動機や発電機に
適用しても良い。
【0053】そして、ロータヨーク6として、磁化およ
び消磁し易い軟磁性材(例えば純鉄、鋳鉄、軟鋼板、硅
素鋼板等)を丸めてシームレス溶接等をして略円筒形状
にしたものをプレス成形した略円筒形状の継鉄を使用し
ても良い。また、ロータヨーク6として、略円環状の軟
磁性積層材(例えば鉄板または硅素鋼板)を多数積層し
て連結した円筒形状の継鉄を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラシレスモータの全体構造を示した構成図で
ある(第1実施例)。
【図2】ブラシレスモータの主要構造を示した構成図で
ある(第1実施例)。
【図3】ブラシレスモータの全体構造を示した構成図で
ある(第2実施例)。
【図4】ブラシレスモータの主要構造を示した構成図で
ある(第2実施例)。
【符号の説明】
1 アウタロータ型永久磁石界磁ブラシレスモータ(回
転電機) 2 インナステータ(固定電機子) 3 アウタロータ磁極(磁極部) 4 電機子コア(電機子鉄心) 6 ロータヨーク(継鉄) 4A〜4L 電機子ティース 5A〜5L 電機子コイル(電機子巻線) 6A〜6E 軟磁性材磁極 7A〜7E 永久磁石磁極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周にN個の電機子ティースを配設した電
    機子鉄心、および前記N個のティースに1スロットピッ
    チで集中して巻回された三相の電機子巻線を有する固定
    電機子と、この固定電機子の外側に空隙を介して回転自
    在に配設されたM極の磁極部とを備え、 前記電機子ティースの個数をN、前記磁極部の磁極数を
    Mとすると、 N=6n(nは2以上の整数)、 M=N−2、あるいはM=N+2 の関係を満足する回転電機において、 前記M極の磁極部は、軟磁性材料よりなる継鉄と、 この継鉄の一部を前記電機子鉄心側に凸となるように変
    形加工してなる軟磁性材磁極と、 前記継鉄の内周面に固定された永久磁石磁極とからなる
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の回転電機において、 前記軟磁性材磁極は、その軟磁性材磁極の中心が隣設す
    る2個の永久磁石磁極間の中央より、電機子電流による
    増磁界側に偏って位置するように設けられたことを特徴
    とする回転電機。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の回転電機
    において、 前記軟磁性材磁極の極弧率は、0.3以上0.6以下の
    範囲内にあることを特徴とする回転電機。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の回転電機において、 前記軟磁性材磁極は、その軟磁性材磁極の中心が電機子
    電流による増磁界側に偏って位置するように設けられ、 前記永久磁石磁極は、前記軟磁性材磁極に隣接すると共
    に、前記軟磁性材磁極と同一の極性の第1着磁部、この
    第1着磁部と異なる極性の第2着磁部、および前記第1
    着磁部と前記第2着磁部との間に設けられた無着磁部を
    有し、前記第1着磁部と前記第2着磁部とを前記無着磁
    部を挟んで同一磁極部材で一体化したことを特徴とする
    回転電機。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の回転電機において、 前記軟磁性材磁極の極孤率は、0.15以上0.40以
    下の範囲内にあることを特徴とする回転電機。
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US7105971B2 (en) 2002-04-15 2006-09-12 Denso Corporation Permanent-magnet rotor for an inner rotor type electric rotary machine and magnet-saving type rotor for a synchronous motor
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KR101302511B1 (ko) * 2012-03-30 2013-09-03 한양대학교 산학협력단 표면부착형 영구자석 전동기 및 이에 포함되는 회전자
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