JP2004229404A - リラクタンスモータおよびリラクタンスモータ用ステータの磁石 - Google Patents

リラクタンスモータおよびリラクタンスモータ用ステータの磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】小型化と振動の低減を可能にすると共に製造コストの上昇を押さえ、従来の小型DCモータとの置き換えが容易な新規な構成のリラクタンスモータを提供すること。
【解決手段】このリラクタンスモータは、突極数を2m(mは1以上の自然数)とし、各突極11の先端の隣接する隙間に、対向する磁極が同極となり、かつその磁極が突極11の先端の横部に接するように計2m個の磁石12を配置し、または配置したと仮定した状態から一部の磁石を取り除き、突極に巻線が施されたステータと、突起部21の数をn(nは1以外の自然数)としたとき、n/mが2以下の自然数とならないようにした突起部21であって、突極11に対向して設けられる極歯または磁気抵抗減少部を有するロータと、を有している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全く新規な構造のリラクタンスモータおよびリラクタンスモータ用ステータの磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
高価な永久磁石を使用する必要がないスイッチドリラクタンスモータ(以下SRモータという)が知られている(技術文献1参照)。このSRモータは、固定子(ステータ)と集中巻きされた相巻き線を持ち、向かい合う突極がNとSの逆極となるように、その相巻き線が巻かれている。各相は、半導体パワースイッチで切り替え運転される。
【0003】
SRモータの回転子には相巻き線がなく、一般的に、回転子は固定子の磁極数より2個少ない突極数となっていると言われているが他の組み合わせのものも知られている。すなわち、3相機では、固定子6極、回転子4極、4相機では固定子8極、回転子6極の組み合わせが広く用いられているが、他の組み合わせのものも良く用いられている。このSRモータは、相電流のパルス電流と同期させるため、回転子の位置を検出するためのエンコーダ信号を必要としている。すなわち、SRモータは、回転子の位置センサ検出信号によって、固定子の相巻き線のパルス信号を半導体スイッチで同期させるという制御によって回転子を回転させている。
【0004】
このSRモータの優位性は、運転効率の高さにある。また、ブラシレスDCモータと比較した場合、SRモータでは、ロータに永久磁石を使用していないので、高遠心力対応(磁石の飛散防止)、運転効率の向上、製造コストの面で有利とされる(技術文献1参照)。このようなSRモータの分野では、最近センサレスのものも現れてきている(特許文献1、2参照)。
【0005】
本出願の発明者は、先に小型高トルク化のために、コイルと永久磁石の両方を備えたハイブリッド型のモータ(ステッピングモータ)を開発した(特許文献3)。
【0006】
その後、さらにその基本アイデアを展開し、E字型突極を有する複数の磁気ヨークを備え、そのE字型の突極間に筒状磁性体を配置することで、エネルギー効率を向上させた自己起動型同期電動機を発明した(特許文献4参照。また、本発明者は、さらなる小型高トルクを追求したハイブリッド磁石型直流モータを開発し、提案した(特許文献5)。
【0007】
【技術文献1】日経メカニカル 1997年2月3日発行 No.499 P50〜61「SRモータが欧米で急成長」
【特許文献1】特開2001−309691号公報(要約書)
【特許文献2】特開2002−186283号公報(要約書)
【特許文献3】特開2000−150228号公報(要約書)
【特許文献4】特開2001−258221号公報(図1)
【特許文献5】特開2002−247825号公報(要約書)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のSRモータは、磁気抵抗を利用して回転させるモータであるため、トルクを大きくするにはエアギャップを小さくする必要がある。このような原理を用いたSRモータを小型化するにはエアギャップを極小とする必要があるため、小型化がきわめて難しい。また、SRモータは振動が大きくなりがちで、高機能の電子機器には適さないとされている。
【0009】
本出願の発明者の1人である荻野は、上述したように、ハイブリッド型磁石を発明し、さらには、そのハイブリッド型磁石を展開してステッピングモータ、自己起動型同期電動機、さらにはハイブリッド磁石型直流機を創作してきた。
【0010】
しかしながら、モータへの展開は思ったようには成功していない。これは特許文献3、4、5のステッピングモータ、同期電動機、直流機は特殊な構成となりすぎ、製造コストが高くなりすぎることが主な原因と考えられる。また、構成が特殊なため展開がしづらく、従来のモータ、特に小型DCモータからの置き換えが容易ではないことも原因の1つと思われる。
【0011】
また、本出願の発明者たちは、1つのハイブリッド型磁石を1つの突極として構成し、複数の同形状のハイブリッド型磁石を円形状に配置したモータを開発し、雑誌に発表した(2002年12月20日発行の「WEDGE」1月号 P80〜P81)。しかし、このハイブリッド型磁石を単にモータに展開した構成のものは、振動面で十分満足できるものとはなっていない。また、モータに展開する場合には、磁束の効率的利用を十分考慮する必要があるが、その面でも不十分となっている。
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、小型化と振動の低減を可能にすると共に製造コストの上昇を押さえ、従来の小型DCモータとの置き換えが容易な新規な構成のリラクタンスモータを提供することを目的とする。また、他の発明は、モータに展開した場合にも、磁束の効率的利用が十分可能となるリラクタンスモータを提供することを目的とする。さらに、他の発明は、ハイブリッド型磁石を利用したリラクタンスモータのステータの製造を効率化でき、リラクタンスモータを低価格化できるリラクタンスモータ用ステータの磁石を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明のリラクタンスモータは、突極数を2m(mは1以上の自然数)とし、各突極の先端の隣接する隙間に、対向する磁極が同極となり、かつその磁極が突極の先端の横部に接するように計2m個の磁石を配置し、または配置したと仮定した状態から一部の磁石を取り除き、突極に巻線2を施したステータと、突起部の数をn(nは1以外の自然数)としたとき、n/mが2以下の自然数とならないようにした突起部であって、突極に対向して設けられる極歯または磁気抵抗減少部を有するロータと、を有している。
【0014】
本発明のリラクタンスモータは、ステータの突極数が偶数で機械的バランスの良いステータとすることができる。しかも、磁石を各突極間にはさみ込んでいるので、ステータが略円形状となり、より一層機械的にバランスの良いものとなる。これらの構成によって振動低減の面で有利なものとなる。
【0015】
また、本発明のリラクタンスモータは、磁石をいわゆる同極対向的に入れているので、磁石のN極とN極にはさまれた突極をN極となるように励磁し、磁石のS極とS極にはさまれた突極をS極となるように励磁することで、励磁時には励磁の磁束と磁石の磁束との協働関係がきわめて強力となり、ロータに働く力がパワーアップされる。このため、ステータとロータの間のエアギャップを広くすることができ、リラクタンスモータでありながら、小型化が可能となる。
【0016】
また、本発明のリラクタンスモータは、従来の小型DCモータやリラクタンスモータとほとんど同一構造とすることができるので、製造コストは上昇せず小型DCモータからの置き換えも容易となる。
【0017】
また、他の発明は、上述の発明のリラクタンスモータに加え、磁石のN極とN極にはさまれる突極の励磁される際の極がN極となり、磁石のS極とS極にはさまれる突極の励磁される際の極がS極となるように、かつN極に励磁された突極とS極に励磁された突極が少なくとも1組形成されるように巻線に電流を流して回転駆動させている。
【0018】
本発明では、磁石のN極とN極にはさまれた突極をN極となるように励磁し、同時に磁石のS極とS極にはさまれた突極をS極となるように励磁している。このため、励磁時には磁束の流れがスムーズとなると共に励磁の磁束と磁石の磁束との協働関係がきわめて強力となり、ロータに働く力がパワーアップされる。このため、ステータとロータの間のエアギャップを広くすることができ、リラクタンスモータでありながら、小型化が可能となる。
【0019】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、mを2とし、駆動相数を4とし、各巻線を巻線毎に同一方向に巻かれたものとし、各巻線に流す電流の方向を各巻線毎に常に同一方向としている。
【0020】
この発明のリラクタンスモータは、4つの突極を有する4相駆動モータとなる。しかも巻線がそれぞれ同一方向に巻かれ、常に同一方向の電流が流されるため、簡易な機械的構成、簡易な回路構成とすることができる。
【0021】
また、mを4以上の整数とし、駆動相数を4以上とするのが好ましい。この構成を採用すると、ステータの突極が8個以上となり、しかも4相以上の駆動となるので、トルクリップルの影響がきわめて小さくなり、振動低減が一層達成されることとなる。
【0022】
また、他の発明は、上述の各発明のリラクタンスモータに加え、ロータの回転位置を検出して、巻線に流す電流を切り替えている。この発明によれば、いわゆるスイッチドリラクタンスモータとなり、高度なプログラミングによって巻線に流す電流を制御することで、スムーズな回転を有するモータとすることができる。なお、ロータの回転位置の検出としては、エンコーダ等の位置検出部材を利用するものや、巻線に発生する逆起電流や逆起電力を検出することで回転位置を検出するいわゆるセンサレス方式等を採用することができる。
【0023】
さらに、他の発明は、上述の発明に加え、mを3の倍数(1を含む)とし、駆動相数を3相とし、またはmを2の倍数(1を含む)とし、駆動相数を4相とし、ステッピングモータとして動作させている。この構成とすることで、駆動相数が低くてもモータとしての使用が可能となる。よって、このモータの展開範囲を広くすることができ、各部品の低価格化を図ることができる。また、4相駆動の倍は、小型DCモータとしても兼用できる。
【0024】
また、他の発明は、上述の発明に加え、mを4以上の整数とし、駆動相数を2以上m以下としている。この発明のリラクタンスモータでは、基本相数を2組以上有するものとなり、しかもステータの突極が8個以上となるので、電磁気バランスが良くなると共に、トルクリップルや機械的バランスの面で有利なものとなる。
【0025】
また、他の発明のリラクタンスモータは、磁性部材からなる複数の突極の先端の隣接する隙間に磁石を先端の横部に接するように配置し、または配置したと仮定した状態から一部の磁石を取り除いた構成とすると共に突極を励磁するための巻線を有するステータと、突極に対向して設けられる極歯または磁気抵抗減少部となる突起部を有するロータと、を有するリラクタンスモータにおいて、磁石の残留磁束密度をaとし、磁性部材からなる突極の飽和磁束密度をbとし、突極の磁石側に飛び出た部分のロータと対向する部分の面積をWとし、磁石の突極との接触部分の面積をZとしたとき、(a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2となるようにステータの突極を形成している。
【0026】
この発明のリラクタンスモータでは、突極部分での磁束の効率的な利用が可能となり、モータとしての動作がスムーズとなり、効率が向上する。
【0027】
さらに、他の発明は、上述の各発明のリラクタンスモータを加え、ロータは、筒状の極歯形成体を有するものとし、この極歯形成体に、磁気抵抗が大きくなる貫通孔を周方向にn個設け、各貫通孔の周方向の隣接部分をn個の磁気抵抗減少部としている。
【0028】
このようにロータを構成すると、ロータを効率的かつ安価に製造することが可能となる。また、ロータのイナーシャも容易に低減化でき、応答スピードの速いリラクタンスモータとすることができる。
【0029】
また、他の発明のリラクタンスモータ用ステータの磁石は、円形状に配置される2m(mは1以上の自然数)個の柱状部と、この柱状部の一端側を連結する円形状の円形連結部と、を有し、各柱状部は、隣接する柱状部に対向する面の一方側がN極に、他方側がS極に、かつ隣接する柱状部の相対向する部分が同極となるように着磁されている。
【0030】
この発明の磁石は、空隙を介して対向する部分が同極となるように着磁されたものを一体的に扱うことが可能となり、ステータの突極間に磁石を入れ込む作業が極めて効率化され製造コストが大幅に低減する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るリラクタンスモータを図を参照しながら説明する。なお、まず第1の実施の形態について図1から図8に基づいて説明する。
【0032】
このリラクタンスモータは、従来のSRモータの良い部分と、ハイブリッド型磁石の良い点を合わせ持つものであり、しかも両者を単に組み合わせただけではなく、マグネットの配置、固定子の突極数、電流の流し方等、特にマグネットの配置を適切に配置することで、振動面で改善され、かつ従来の小型DCモータと置き換えることが容易に可能となるようにしたものである。
【0033】
この第1の実施の形態のリラクタンスモータは、上述したように、SRモータとハイブリッド型磁石を応用したものであり、以下HB−SRモータと呼ぶこととする。図1および図2に示すように、このHB−SRモータ10は、いわゆる5相駆動のモータで、ステータ1と、ロータ2と、ホルダ部3と、エンコーダ部4と、フレーム5とを有している。この第1の実施の形態のHB−SRモータ10は、その高さHが30mmで、その本体の直径Rが79mmとされる小型のモータとされている。
【0034】
ステータ1は、図2に示すように、10個の突極11a〜11jと、各突極11a〜11jの先端の隣接する隙間に配置される10個の磁石12a〜12jと、各突極11a〜11jの根元側にコイルを巻くことで設置される10個の巻線13a〜13jとを有している。なお、以下、突極11a〜11j、磁石12a〜12jおよび巻線13a〜13jのそれぞれについて、特に特定の突極、磁石および巻線を意味しないときは、突極11、磁石12および巻線13と呼ぶこととする。
【0035】
ステータ1の突極11を形成するステータ素材は、高透磁率材料、すなわち軟磁性材料であり、飽和磁束密度が2.15テスラときわめて高い純鉄で構成され、各突極11をつなぐ連結部14の中央には、ホルダ部3が差し込まれる係合孔15を有している薄板とされている。この薄板が積層されることで、ステータ鉄心を形成している。ステータ1の各突極11の先端幅となる機械的角度(スロット角)は、24度とされている。突極11の巻線13が施される根元側は、先端に比べ約半分の細さとされている。
【0036】
磁石12は、ロータ2に面する側が反対側の面に比べ長くされた断面台形の棒状とされ、また、突極11に対向する面の径方向長さが突極11の先端の径方向長さと同一または若干小さくされている。この磁石12は、ネオジウムを使用し残留磁束密度が1.20テスラとなる希土類磁石で、隣り合う磁石12の対向する磁極が同極となるように着磁されており、かつその磁極が突極11の先端の横部に接するように配置されている。各磁石12の幅は、突極11の半分の12度とされている。また、各磁石12の固定は、接着材にて突極11に接着することにより行われる。
【0037】
磁石12の軸方向長さは、図1に示すように、ステータ鉄心の軸方向長さと同一とされ、径方向の長さは、突極11の先端の径方向の幅と同一とされている。ここで、磁石12の径方向の長さ、すなわち突極11の先端の径方向の幅をL1とし、突極11の磁石12側に飛び出た部分であってロータ2に対向する部分の長さをL2としたとき、L1:L2=1:0.6となっている。また、このL1は、HB−SRモータ10のすべての対応する部分で同一長であり、L2もこのHB−SRモータ10のすべての対応する部分で同一長となっている。なお、磁石12の残留磁束密度をaとし、突極11の飽和磁束密度をbとし、突極11の磁石12側に飛び出た部分のロータ2と対向する部分の面積をWとし、磁石12の突極11との接触部分の面積をZとしたとき、(a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2となるようにステータ1を形成すると、突極11が巻線13で励磁され飽和したとき、磁石12の磁束を有効利用でき、効率の良いリラクタンスモータとなる。
【0038】
この実施の形態では、a=1.20テスラで、b=2.15テスラで、磁石12とステータ鉄心の軸方向長さが同一のため、W=L2、Z=L1として把握できる。このため、0.19×L1≦L2≦1.12×L1となり、L1=1とすると、0.19≦L2≦1.12となり、突極11の先端が磁石12側に飛び出る部分の幅は、突極11の先端の径方向の幅の0.19倍から1.12倍が好ましい値となる。なお、磁石12のさらなる有効活用を考慮すると、(a/b)×Z≦W≦(a/b)×Z×1.5がさらに好ましものとなる。
【0039】
巻線13は、各々、ステータ鉄心の連結部14側から突極11の先端に向かって同一方向にコイルが巻かれることで形成される。コイルのターン数は100〜200程度とされる。なお、コイルの巻き方向は、突極11の先端側を起点にして連結部14側に向けて巻くようにしても良い。巻き方は、整列巻きが好ましいが、他の巻き方でも良い。
【0040】
ロータ2は、6個の突起部21と、磁気ディスクを載置するためのハブ部22と、ホルダ部3内の軸受に支持される回転軸23とを有している。なお、以下では、突起部21について個別のものを指示する場合は、突起部21a〜21jのいずれかの符号を利用することとする。この突起部21は、極歯となるもので、突極11と対向することで、磁束の流れに安定点をもたらすものである。また、各突起部21は、機械的角度で24度の範囲に渡る大きさとされている。
【0041】
ロータ2の突起部21を形成するロータ素材は、高透磁率材料、すなわち軟磁性材料である純鉄で構成された薄板とされている。この薄板が積層されることでロータ鉄心を形成している。ロータ2の各突起部21の機械的角度は、24度とされ、各突起部21間の間隔は、36度とされている。また、フレーム5の図1の上面からハブ部22のディスク載置面22aまでの幅Wは、18.5mmとされている。
【0042】
ハブ部22は、アルミニウムで構成されているが、シリコンが20〜30重量%程度でアルミを65〜75重量%としたアルミシリコン合金で構成するようにしても良い。このハブ部22に回転軸23が圧入され固定されている。よって、このHB−SRモータ10は、いわゆる軸回転型モータとなっている。しかし、回転軸23をホルダー部3またはフレーム5に圧入し固定し、固定軸とし、その固定軸を中心としてロータ2(ロータ鉄心やハブ部22)が回転する、いわゆる軸固定型のモータとしても良い。
【0043】
ホルダ部3は、ステータ2を支持すると共に軸受を保持するものであり、この実施の形態ではアルミニウムまたは上述と同様なアルミシリコン合金で形成している。エンコーダ部4は、ロータ2の回転位置を検知するもので、ロータ2の外周に設けられたマークをフォトセンサで検知するようになっている。このエンコーダ部4は、フレーム5に載置されている回路基板6の上に設置されている。
【0044】
フレーム5は、ホルダ部3にその中央の孔が嵌合し、ホルダ部3の図1の下端が外方にかしめられることでホルダ部3に係止される。フレーム5としては、アルミその他の非磁性部材を採用しても良いが、磁性部材としたり、機能性樹脂材等としても良い。
【0045】
各巻線13の接続は、図3に示すとおりとなっている。スイッチ制御部31は、マイクロコンピュータで構成されており、エンコーダ部4にて検出される信号に基づいて巻線13へ流す電流のスイッチタイミングや、電流波形を決めるプログラムがその内部に記憶されている。図3に示されるように、各巻線13に流れる電流は、流れる際には常にその電流が一定方向に流れるように制御される。
【0046】
図4に、各巻線13に流される電流波形を示す。図4に示すように、電流は急激に増加し、時間△T1を経過すると、最大量LAとなり、時間tA−△tの間、その最大量LAを維持する。この電流は、時刻がtAを経過すると急激に減少し、時刻がtA+△t2となると最大量LAの1/3以下となり、その後徐々に減少していき、時刻が2×tAで零となる。
【0047】
図5に、各巻線13に流される電流の時間的変化および電流合計ならびに切り替えステップとその各ステップのステータ1内の磁束の流れを示す。なお、図5から図8では、突極11a〜11jの幅に対応させて区画領域U〜Z、A〜Dを割り当てている。
【0048】
まず、たとえば巻線13a,13fに電流を流す(図5のT16)。その際、突極11a,11fは逆極となるように電流が流される。この実施の形態では、突極11aはN極、突極11fはS極に励磁される。次に、T1時に、巻線13c,13hに電流を流し始める。このとき、巻線13a,13fにも電流が流れている。そして、時刻T1からT2の間(=ステップS1)では、巻線13a,13c,13f,13hに電流が流れる。
【0049】
その後、T2時点で巻線13a,13fの電流を切ると共に巻線13e,13jに電流を流し始める。このとき、巻線13c,13hにも電流が流れている。その後、T3時点で巻線13c,13hの電流を切ると同時に、巻線13b,13gへ電流を流す。
【0050】
以上のようにして順次電流を流していくと共に切っていく。なお、図5(B)のステップS2は、時刻T2〜T3に相当し、ステップS3は時刻T3〜T4に相当し、ステップS4は時刻T4〜T5に相当し、ステップS5は時刻T5〜T6に相当する。
【0051】
図3中に、各巻線13a〜13jによって各突極11a〜11jが励磁される磁極(N,S)を明示した。このように、この第1の実施の形態では、各巻線13に流される電流の方向は各巻線13について常に一定であり、励磁によって形成される極も常に一定となる。しかも励磁によって形成される極は、NS交互の配置となる。
【0052】
また、トルクリップルの原因となる電流の脈動は、図5の「合計」に示されるように、ほとんど上下動せず平行となり、トルクリップルもほとんど発生しない。
【0053】
次に、以上のように構成されるHB−SRモータ10の回転動作を説明すると共に、併せて磁束の流れについて説明する。
【0054】
図6に、図5の時刻T1〜T2の間の磁束の流れを示す。また、この図6の状態を回転初期位置として説明する。ここで、▲1▼〜(10)(図では、10も丸つき数字で示すが、明細書では、括弧付き数字で示す)の数字は、突極11a〜11jに対応させた数字である。図6に示されるように、T1〜T2時点では、巻線13a(▲1▼)と巻線13c(▲3▼)と巻線13f(▲6▼)と巻線13h(▲8▼)に電流が流される。このとき、巻線13aには、突極11a(▲1▼)がN極となるように電流が流され、巻線13cには突極11c(▲3▼)がN極となるように電流が流される。また、巻線13fと巻線13hには、各突極11f(▲6▼),11h(▲8▼)がそれぞれS極となるように電流が流される。
【0055】
この励磁によって、ステータ1内を流れる磁束は、突極11h(▲8▼)から突極11a(▲1▼)へ流れると共に、突極11f(▲6▼)から突極11c(▲3▼)へ流れる。このようにして、突極11hはS極に、突極11aはN極に、突極11fはS極に、突極11cはN極に励磁される。
【0056】
なお、回転速度との関係で、ロータ2とステータ1との配置関係が図6の状態となっているときは、電流波形的には、既にT2時点を超えていることもあり得るが、説明のしやすさを考え、この図6の状態は、時刻T2の直前とする。
【0057】
図6には、上述の励磁による磁束の他に、磁石12による磁束も示す。磁石12による磁束を含め、全ての磁束は対称的に配置されており、磁気バランスの良い状態となっている。このような磁気バランスは、他の状態でも同様となっており、常に磁気バランスの良い状態を保ちながらロータ2が回転していく。
【0058】
この図6に示す状態では、突極11c(▲3▼)と突起部21bとがわずかにずれ、かつ突極11h(▲8▼)と突起部21eとが同様にわずかにずれている。この両部分では、安定点となる位置、すなわち突極11c(▲3▼)と突起部21bとが完全に対向し、突極11h(▲8▼)と突起部21eとが完全に対向する位置に移行しようとする力が働く。他方、突極11a(▲1▼)と突起部21aとが完全に対向し、突極11e(▲6▼)と突起部21dとが完全に対向しているので、この両部分では最も安定的な位置となっている。
【0059】
このため、ロータ2全体としては、図6のロータ2の外周に示す矢示の方向の力を受け、図6で時計方向に回転しようとする。なお、この図6の状態の励磁状態を維持すると、ロータ2は回転していく。ロータ2が回転をさらに行うと、完全に対向している部分がずれていくこととなり、その部分で、反対方向に回転させようとする力が働く。そのような矢示方向とは逆の方向の力が働く以前に、電流を流す巻線13を切り替える。
【0060】
図7に、図6の直後の状態を示す。図7は、T2時点直後の磁束の流れを示す。この図7では、巻線13a(▲1▼)と巻線13f(▲6▼)への電流が遮断され、代わりに巻線13e(▲5▼)と巻線13j((10))に電流が流される。その電流方向は、突極11e(▲5▼)がN極に、突極11j((10))がS極となるようにされる。この結果、突極11h(▲8▼)からのステータ1内の磁束は突極11e(▲5▼)に流れ、突極11c(▲3▼)に流れる磁束は突極11j((10))から流れてくることとなる。
【0061】
図7の状態では、図6と比較し、突極11c(▲3▼)と突起部21b、突極11h(▲8▼)と突起部21eの位置関係と、それらに流れる磁束の流れは共に変わっておらず、ロータ2には、図6と同様に矢示方向(時計方向)に回転させようとする力が働く。一方、電流の切り替えによって、突極11e(▲5▼)がN極に、突極11j((10))がS極に励磁され始めるので、突起部21cは、突極11e(▲5▼)に対して安定的な位置となろうとし、突起部21fは、突極11j((10))に対して安定な位置となろうとする。このため、ロータ2には、4点で矢示方向(図7で時計方向)に回転させようとする力が働く。
【0062】
以後、図5に示すタイムチャートのとおりに電流を切り替えていく。励磁による磁束の流れと各相の切り替えの状態を図8にまとめて示す。図8でS1〜S5は、第1相駆動〜第5相駆動に相当する。また、このS1〜S5は、切り替えステップにも相当する。
【0063】
図8に示されるように、突極11a(▲1▼)は第1相駆動時(S1)と第5相駆動時(S5)のときに励磁され、その際はN極となる。このN極からロータ2側に射出される磁束は、両側の磁石12a,12bの対向するN極からの磁束と一体となってロータ2側へ射出していく。このため、ロータ2側に作用する力は、単に励磁された際の突極11a(▲1▼)の磁力作用のみに比べ大幅に向上する。
【0064】
突極11b(▲2▼)は、第3相駆動時(S3)と第4相駆動時(S4)のときに励磁され、その際はS極となる。このS極に入ってくるロータ2側からの磁束は、両側の磁石12b,12cの対向するS極にも向かうこととなる。このため、流れてくる磁束をより大きなものとすることができる。この結果、ロータ2側に作用する力は、単に励磁された際の突極11b(▲2▼)の磁力作用のみに比べ大幅に向上する。
【0065】
他の突極である突極11c(▲3▼),11e(▲5▼),11g(▲7▼),11i(▲9▼)は、突極11a(▲1▼)と同様にN極に励磁され、その作用も同様となる。一方、突極11d(▲4▼),11f(▲6▼),11h(▲8▼),11j((10))は、突極11b(▲2▼)と同様にS極に励磁され、その作用も同様となる。
【0066】
この第1の実施の形態のHB−SRモータ10は、ステータ1の突極数が10で2の5倍(偶数個)となっているので、機械的なバランスの良いものとなっている。また、駆動相数は5相となっており、しかも5相が2組あるものとなっている。このため、電磁気的にバランスの良いものとなっている。また、各突極11の間に、磁石12がはさみ込まれているので、機械的なバランスが一層良くなり、振動も発生しにくいものとなっている。
【0067】
また、ロータ2の突起部(極歯)21の数が6で、突起部21の数をn(1以外の自然数)としたとき、n/m(mは1以上の自然数で突極数の1/2)が6/5=1.2となり、1や2とはならないので、スムーズに回転することができる。
【0068】
また、各巻線13は、すべて同一方向、すなわち突極11の根元から先端またはその逆の方向のいずれか一方の方向に巻かれかついわゆる磁極集中巻きがなされている。しかも各巻線13にはそれぞれ常に一方向のみの電流が流される。このため、巻線作業がしやすくなり、かつスイッチングのための回路構成が簡易化される。
【0069】
また、上述したように磁石12ではさまれる突極11は、対向する磁石12の磁極と同一極となるように励磁されるので、ロータ2に作用する力が大幅にアップすることとなり、ロータ2とステータ1とのエアギャップを広げることができ、モータの小型化が可能となる。しかも、先に定義したa,b,W,Zの関係で言うと、(a/b)×Z≦W≦(a/b)×Z×1.5の範囲、すなわち0.56≦0.6=W≦0.84となり、磁石12の磁束の有効利用という面で非常に好ましいものとなる。
【0070】
さらに、エンコーダ部4によってロータ2の回転位置を検出して、巻線13に流す電流を切り替えているので、ロータ2の回転はスムーズなものとなる。加えて、エンコーダ部4は、光学式であるため、外磁界やモータ自体の磁界の影響を受けにくいものとなっている。
【0071】
このHB−SRモータ10は、巻線13に流れる電流が常に一定方向となり、流す電流が、図4に示すように、急激に電流が増加する引っ張り波形となり、かつ機械バランスが良い。また、このHB−SRモータ10は、電磁気バランスが良く、トルクリップルも少ない。しかも、単なる5相モータに比較し、パワーアップしている。
【0072】
次に、第2の実施の形態のHB−SRモータ40について、図9から図11に基づいて説明する。
【0073】
第2の実施の形態のHB−SRモータ40は、第1の実施の形態のHB−SRモータ10とは、構造について全く同様であり、巻線13に流す電流のスイッチングが異なるのみである。具体的には、5相モータをいわゆる1−2相励磁によって駆動しているものである。よって、以下では、そのスイッチングのみを説明し、構成の説明は省略すると共に、第1の実施の形態と同一部材については同一の符号を利用することとする。
【0074】
まず、切り替えステップS1では、巻線13a(▲1▼)と巻線13f(▲6▼)に電流を流し、突極11a(▲1▼)をN極に、突極11f(▲6▼)をS極に励磁する。次に、この励磁を継続すると共に、巻線13c(▲3▼)と巻線13h(▲8▼)に電流を流し、突極11c(▲3▼)をN極とし、突極11h(▲8▼)をS極とする。この切り替えステップS12では、4つの巻線13a,13c,13f,13hに電流が流される。次の切り替えステップS2では、巻線13a,13fへの電流が切断され、巻線13c(▲3▼),13h(▲8▼)のみに電流が流れる。この状態では2つの巻線13c,13hのみに電流が流される。以後、図9および図10に示すような順に電流が切り替えられていく。
【0075】
このHB−SRモータ40に使用される電流波形は、図11に示すものとなっている。すなわち、時刻0からtAまでは徐々に電流が増加し、時刻tAから時刻2tAまでの間はその最大電流を維持し、時刻2tAから時刻3tAまでの間で徐々に電流が減少し、時刻3tAで零となる。このような電流波形であるため、電流合計値が平準化され、トルクリップルはほとんどなくなる。なお、電流波形としては、図4に示すような引っ張り波形としたり、矩形波としても良い。
【0076】
この第2の実施の形態のHB−SRモータ40は、第1の実施の形態のHB−SRモータ10と同様な作用効果を保有する。なお、この第2の実施の形態で採用している切り替えステップにおける、S12,S23,S34,S45,S51の5ステップを無くし、図12に示す5つのステップのみとしても良い。この場合、電流波形として矩形波を採用すると、いわゆるステッピングモータ的な駆動となる。
【0077】
また、切り替えステップを図13に示すようにしても良い。すなわち、各ステップにおける励磁突極は1つのみとして、ステータ1には、N極、S極が交互に発現するように所定の巻線13に電流を流す。この図13の場合、いわゆる10相モータとなり、電磁気バランスは他の例に比べ若干悪化するが他の有用な効果を維持するものとなる。
【0078】
次に、第3の実施の形態のHB−SRモータ50を、図14から図22に基づいて説明する。
【0079】
このHB−SRモータ50は、いわゆる4相駆動モータであり、4つの突極51(51a〜51d)を備えるステータ1Aと、3つの突起部(極歯)54(54a〜54c)を備えるロータ2Aとを有している。各突極51a〜51dは、それぞれ60度の開角度を有し、十字状に配置されている。ステータ1Aは、各突極51間に磁石52をはさみ込んだ構造とされ、各突極51の根元側の細くなっている部分に巻線53が施されている。なお、全体形状は、図1に示すものと同様とされている。
【0080】
4つの磁石52(52a〜52d)は、断面台形で角柱状とされている。なお、図17から図22では、磁石52の形状が断面台形ではなく、突極51の形状に沿った曲面を有する形状とされているが、図面の作成上、曲面としたのであって、実際は、断面直角四角形となっている。ただし、図面のように、突極51の形状に沿った曲面を有する形状としたり、断面直角四角形としたりしても良い。各磁石52の突極51と接する部分は、一方がN極に他方がS極に着磁されていると共にその接触部分の径方向長さは、突極51の径方向の幅と同一とされている。この磁石もネオジ磁石(Nd−Fe−B)とされているが、サマコバ磁石(Sn−Co)等他の希土類磁石やフェライト等の磁石としても良い。この点は第1の実施の形態の磁石12も同様である。また、磁石52の軸方向長さは、ステータ2Aのステータ鉄心の軸方向長さと同一とされ、磁石52の側面全体がステータ鉄心の突極51の側面全体に当接している。さらに、各磁石52の幅は、30度とされている。
【0081】
各巻線53a〜53dは、それぞれ集中巻きとされ、連結部14側から突極先端側に向けてコイルが巻かれることで形成されている。突極51や連結部14等を形成するステータ鉄心は、飽和磁束密度が2.0テスラとなる1枚の珪素鋼板で構成されているが、第1の実施の形態のHB−SRモータ10のステータ鉄心と同様に、純鉄の薄板を積層したものとしても良い。なお、珪素鋼板の薄板を積層することでステータ鉄心としても良い。
【0082】
このステータ1Aは、磁石52の残留磁束密度が1.2テスラで突極51の飽和磁束密度が上述のように2.0テスラで、突極51の先端の磁石52側に飛び出た部分の径方向長さL1と、その突出部分のロータ2Aに面する部分の周方向の長さL2との比、すなわちL1:L2が1:1.2となっている。また、L1は、このHB−SRモータ50のすべての対応部分で同一長となっており、さらにL2も同様となっている。
【0083】
ロータ2Aの鉄心は、パーマロイ(Fe−Ni合金)の薄板を重ね合わせて形成されている。ロータ2Aの突起部54は、それぞれ60度の範囲に渡って等間隔をもって構成されている。ロータ2Aの鉄心材料は、純鉄、珪素鋼板等他の軟磁性材料としても良い。
【0084】
このロータ2Aは、第1や第2の実施の形態およびそれらの変形例とは異なり、補極55(55a〜55c)が設けられている。この補極55は、突起部54の先端の一方側、図14では右側に30度の範囲に渡って設けられているが、他の値、たとえば15〜29度の範囲のいずれかの値を採用しても良い。この補極55は、積層された薄板の中央の1枚または2枚に形成され、しかも突起部54の先端側方が最もステータ1A側に突出し、徐々にステータ1Aから遠ざかるように一定の傾きを有するスロープとして形成されている。この補極55を設けることによってロータ2Aの回転をなめらかなものとすることができる。
【0085】
図15および図16に磁束の流れる方向と切り替えステップ(S1〜S4)との対応関係について示す。また、図17から図21にステータ1Aおよびロータ2Aに流れる磁束の状態を示す。
【0086】
第1相駆動時(=S1)、巻線53a,53dに電流が流れ、ステータ1A内の磁束は突極51dから突極51aに流れる(図17参照)。この結果、磁石52aのN極と磁石52bのN極にはさまれた突極51aはN極に励磁され、磁石52aのS極と磁石52dのS極にはさまれた突極51dはS極に励磁される。ロータ2Aに対しては、突極51dと突起部54cのずれ関係の存在によって、図17の矢示方向(図17で時計方向)の力が作用する。
【0087】
次に、第2相駆動時(=S2)では、突極51dをS極に維持し、かつ突極51cをN極とするように、巻線53c,53dに電流が流される。そのときの磁束の状態を図18に示す。突極51dと突起部54cとの間でロータ2Aを時計方向に回転させようとする力が働いているが、一方、突極51cと突起部54bとは全く重なり合う部分がないので、この部分では、ロータ2Aに作用する力はほとんど発生しない。しかし、補極55bの存在によって突極51cからロータ2A側に射出された磁束は、補極55bによってロータ2Aの内部に取り込まれ、ロータ2Aに対して時計方向へ回転させようとする力を発生させる。
【0088】
これらの力によって、ロータ2Aは各図で時計方向に30度回転し、図19の状態となる。すると、第3相駆動(=S3)の状態となり、巻線53b,53cに電流が流され、ステータ1A内の磁束は突極51bから突極51cへ流れていく(図20参照)。このとき、図18の状態と同様に、突極51dと突起部54bとの間の作用力と、突極51bと補極55aとの間の作用力の両者によって、ロータ2Aは時計方向の回転を継続する。
【0089】
この回転によってロータ2Aがさらに30度回転したときの状態を図21に示す。その後、図22に示す第4相駆動(=S4)の状態となり、ロータ2Aを時計方向へ回転させようとする力を継続して発生させる。以上のようにして、ロータ2Aは、回転を継続する。
【0090】
この第3の実施の形態のHB−SRモータ50は、ステータ1Aの突極数が4で、2の2倍(偶数個)となっているので、機械的バランスの良いものとなっている。また、突極数が4でかつ4相駆動であり、しかも巻線53がそれぞれ同一方向に巻かれ、同一方向に電流が流されるので、簡易なメカ構成、簡易な回路構成とすることができる。
【0091】
また、補極55の設置によってスムーズな回転と磁束の有効活用を図ることが可能となり、効率の良いモータとなる。また、上述したように、磁石52ではさまれる突極51は、対向する磁石52の磁極と同一極となるように励磁されるので、ロータ2Aに作用する力が大幅にアップすることとなり、ロータ2Aとステータ1Aとのエアギャップを広げることができ、モータの小型化が可能となる。
【0092】
さらに、エンコーダ部4によってロータ2Aの回転位置を検出して、巻線53に流す電流を切り替えているので、ロータ2Aの回転はスムーズなものとなる。加えて、エンコーダ部4は、光学式であるため、外磁界やモータ自体の磁界の影響を受けにくいものとなっている。
【0093】
次に、第4の実施の形態のHB−SRモータ60を図23から図27に基づいて説明する。
【0094】
このHB−SRモータ60は、いわゆる4相駆動モータであり、8つの突極61a〜61hを備えるステータ1Bと、6つの突起部(極歯)64a〜64fを備えるロータ2Bとを有している。各突極61a〜61hは、それぞれ30度の開角度を有し、等間隔に配置されている。ステータ1Bは、各突極61間に磁石62をはさみ込んだ構造とされ、各突極61の根元側の細くなっている部分に巻線63が施されている。なお、全体形状は、図1に示すものと同様とされている。
【0095】
8つの磁石62a〜62hは、幅が15度の断面直角四角形で角柱状とされているが、図では、その形状が断面直角四角形ではなく、突極61の形状に沿った曲面を有する形状とされている。これは、図面の作成上、曲面としたのであって、実際は、断面直角四角形となっている。ただし、図面のように、磁石62を突極61の形状に沿った曲面を有する形状としても良い。各磁石62の突極61と接する部分は、一方がN極に他方がS極に着磁されている。また、各磁石62の軸方向の長さは、ステータ1Bの鉄心部分の軸方向の長さと同一であり、磁石62の側面全体が突極61の先端の側面全体と当接している。この磁石もネオジ磁石(Nd−Fe−B)とされ、その残留磁束密度は、1.10テスラとされているが、サマコバ磁石(Sn−Co)等他の希土類磁石やフェライト等の磁石としても良い。
【0096】
各巻線63a〜63hは、それぞれ集中巻きとされ、連結部14側から突極先端側に向けてコイルが巻かれることで形成されている。突極61や連結部14等を形成するステータ鉄心は、複数枚の飽和磁束密度が1.9テスラとなる珪素鋼板で構成されているが、第1の実施の形態のHB−SRモータ10のステータ鉄心と同様に、純鉄の薄板を積層したものとしても良い。
【0097】
このHB−SRモータ60は、磁石62の径方向の長さ、すなわち、突極61と磁石62の接触部分の長さL1と、突極61の磁石62側に飛び出た部分のロータ2Bに対応する部分の幅L2との比は、1:0.8とされている。これにより、各突極61が巻線63への通電によって励磁された際、励磁による磁束が突極61を通過していくときでも、磁石62のほとんどの磁束が、ロータ2Bに作用するように、突極61の磁石62側に飛び出た部分を通過していくことが可能となる。
【0098】
ロータ2Bの鉄心は、飽和磁束密度が1.9ステラとなる珪素鋼板の薄板を重ね合わせて形成されている。ロータ2Bの突起部64は、それぞれ30度の範囲に渡って等間隔をもって構成されている。ロータ2Bの鉄心材料は、純鉄、パーマロイ等他の軟磁性材料としても良い。
【0099】
このロータ2Bは、第3の実施の形態と同様に、補極65(65a〜65f)が設けられている。この補極65は、突起部64の先端の一方側、図23では右側に15度の範囲に渡って設けられているが、他の値、たとえば、7〜14度の範囲のいずれかの値としても良い。この補極65は、積層された薄板の中央の1枚または2枚に形成され、しかも突起部64の先端側方が最もステータ1B側に突出し、徐々にステータ1Bから遠ざかるように一定の傾きを有する直線状のスロープとして形成されている。
【0100】
この補極65を設けることによってロータ2Bの回転をなめらかなものとすることができる。なお、この補極65や先の補極55を直線状のスロープを有するものとせず、円形状に突出したスロープとしたり、逆に曲線状に凹んだスロープとしても良い。
【0101】
図24および図25に磁束の流れる方向と切り替えステップ(S1〜S4)との対応関係について示す。また、図26および図27に、ステータ1Bおよびロータ2Bに流れる磁束の状態を示す。このHB−SRモータ60の詳細な動作については、その説明を省略するが、励磁の変化やロータ2Bの動きは、第1、第2、第3の実施の形態のHB−SRモータ10,40,50と基本的には同一の思想に基づいて動作する。
【0102】
次に、第5の実施の形態のHB−SRモータ70について、図28から図30を参照しながら説明する。
【0103】
このHB−SRモータ70は、図28に示すような構成のステータ71を有するいわゆる3相駆動モータであると共にブラシとコミュテータとで電流を切り替えるブラシ付きモータである。コミュテータ72は、ロータ(図示省略)と共に一体回転する。このコミュテータ72は、平面構造で、ブラシ73,74がコミュテータ72に接触している。このコミュテータ72とブラシ73,74がスイッチ制御部31を構成している。
【0104】
巻線や磁石の配置関係は、上述した他の実施の形態と同様であり、ここでは特にその説明を行わない。なお、突極数は6個であり、ロータ(図示省略)の突起部は2個、4個、5個のいずれでも良く、さらには7個以上でも良い。
【0105】
第1相駆動時(=S1)では、ステータ71内の磁束が区画領域Uに相当する突極(以下、単に突極Uという)から区画領域Xに相当する突極(以下、単に突極Xという)に流れるように、各突極U,Xに巻かれた巻線に電流を流す。この状態をコミュテータ72の部分で見ると、図29で示す状態となる。すなわち、αで表されるブラシ73がコミュテータ72のU領域に接触し、βで表されるブラシ74がコミュテータ72のX領域に接触している。
【0106】
コミュテータ72のU領域は、突極Uの巻線に接続され、ブラシ73が接触することで突極UがS極となるように突極Uの巻線中を電流が流れる。コミュテータ72のX領域は、突極Xの巻線に接続され、ブラシ74が接触することで突極XがN極となるように突極Xの巻線中を電流が流れる。この結果、ステータ71内の磁束は、図28の矢示S1で示す方向に流れることとなる。
【0107】
第2相駆動時(S2)では、磁束は図28の矢示S2の方向に流れる。すなわち、ロータの回転と共にコミュテータ72も図29の矢示方向に回転し、ブラシ73がY領域にブラシ74がY領域に接触することとなる。この結果、区画領域Yに相当する突極がS極に、区画領域Vに相当する突極がN極に励磁される。
【0108】
ロータと共にコミュテータ72がさらに回転すると、ブラシ73がW領域に、ブラシ74がZ領域に接触し、第3相駆動状態となる。第3相駆動時(S3)では、磁束は図28の矢示S3の方向に流れる。以上の状態を繰り返すことで、ロータは回転すると共に、巻線に流れる電流は切り替えられていく。
【0109】
次に、本発明の第6の実施の形態のHB−SRモータ80について、図31および図32ならびに図14から図16に基づいて説明する。
【0110】
このHB−SRモータ80は、第3の実施の形態の突極数が4で突起部数が4の4相駆動モータのスイッチングをブラシで切り替えるものである。このため、突極51や磁石52や巻線53の配置関係およびロータ2Aの突起部54の配置関係は、第3の実施の形態と同様となっている。また、ブラシの構成は、第5の実施の形態のブラシ73,74と同様となっている。
【0111】
ロータ2Aと一体回転するコミュテータ81は、外周にX領域とV領域を有し、内周にU領域とW領域を有している。しかも、外周と内周の切り替え部分が90度ずれて配置されている。ブラシ73は、コミュテータ81の外周部分(X領域とV領域)に接触し、ブラシ74はコミュテータ81の内周部分(U領域とW領域)に接触する。
【0112】
第1相駆動時(S1)では、ブラシ73がコミュテータ81のX領域に接触し、巻線53dに電流が流れ、突極51d(区画領域Xに相当)がS極に励磁される。また、ブラシ74がU領域に接触し、巻線53aに電流が流れ、突極51a(区画領域Uに相当)がN極に励磁される。この結果、ステータ1A内には、図15の矢示S1で示す磁束(突極51dから突極51aに流れる磁束)が形成される。
【0113】
その後、コミュテータ81の回転によってブラシ74は、W領域に接触することとなる。このため、巻線53cに電流が流れ、突極51c(区画領域Wに相当)がN極に励磁されることとなる。このため、ステータ1A内には、図15の矢示S2で示す磁束(突極51dから突極51cに流れる磁束)が形成される。
【0114】
ロータ2Aがさらに回転し、コミュテータ81もさらに回転すると、第3相駆動時(S3)となる。この第3相駆動時では、ブラシ73がX領域からV領域へと接触位置が切り替わっている。ブラシ74は、W領域との接触を継続している。この結果、突極51cではN極への励磁が継続される一方、突極51b(区画領域Vに相当)が新たにS極に励磁されることとなる。これにより、ステータ1A内には、図15の矢示S3で示される磁束(突極51bから突極51cに流れる磁束)が形成される。
【0115】
コミュテータ81がさらに回転すると、ブラシ74がW領域からU領域へと切り替わる。これらによって突極51aが再びN極に励磁され、ステータ1A内の磁束は突極51bから突極51aへと流れていく(図15の矢示S4参照)。以上のようにして、ロータ2Aの回転と共にコミュテータ81によって巻線53に流れる電流が切り替えられ、ロータ2Aの回転を継続させる。
【0116】
第5および第6の実施の形態のHB−SRモータ70,80は、いわゆる平面型のコミュテータ72,81を有するブラシ付きモータとなっており、薄型化に好適で、かつスパークが少ないものとなっている。また、他のHB−SRモータ10,40,50,60と同様にコギングが無いものとなっている。なお、コミュテータとしては平面型ではなく、一般的な軸方向型、すなわち筒型(回転軸の軸方向の周囲に設置される構造のもの)としても良い。
【0117】
次に、第7の実施の形態のリラクタンスモータ90を図33および図34に基づいて説明する。
【0118】
このリラクタンスモータ90は、ステッピングモータとしても、小型DCモータとしても使用できる兼用モータで、4相駆動のインナロータモータとされている。リラクタンスモータ90は、ステータ1Cと、ロータ2Cと、2つの軸受部91と、2つの軸受保持ケース部92と、ケース93とを有している。このリラクタンスモータ90の外径φ1は、15mmとされ、高さH1は13mmとされている。しかし、この高さH1を6mmとし、超小型モータとしても良い。
【0119】
ステータ1Cは、第4の実施の形態のHB−SRモータ60のステータ1Bと同一構造で、異なる点はステータ1Bがロータ2Bの中央に配置されているのに対し、ステータ1Cがロータ2Cの外周に配置される点である。このため、以下の説明では、HB−SRモータ60に対応する部分には、そのHB−SRモータ60の説明の際に利用した符号を使用することとする。
【0120】
ステータ1Cは、8つの突極61と、8つの磁石62Aと、各突極61の根元の幅狭部分に巻回される8つの巻線63とを有している。なお、磁石62Aは、突極61の先端幅W1が1.7mmとされているのに対し、約1/3の0.6mmの磁石幅W2とされている。また、磁石62Aは、焼結により製造されたネオジ磁石とされ、その磁力はBHmaxで、40MGOe程度となっていると共に残留磁束密度が1.26テスラとされている。
【0121】
また、ステータ1Cは、飽和磁束密度が1.8テスラとなる8層以上の珪素鋼板の薄板から構成されている。なお、高さH1を6mm程度としたときは、3層または4層程度となる。また、ステッピングモータと小型DCモータの兼用とするため、この先端幅W1と磁石幅W2の比を1:1/2〜1:1/4とするのが好ましい。さらに、先に示したL1とL2に比を全ての場所で1:0.35としている。
【0122】
ロータ2Cは、珪素鋼板の薄板を8枚以上重ねて形成され、その外周に6つの突起部64を有するものとなっている。このインナロータ型のモータは、イナーシャが小さくなり起動しやすいものとなる。また、ステータ1Cとロータ2Cとが共に珪素鋼板の積層とされているので、渦電流が低減されている。
【0123】
次に、本発明の第8の実施の形態のHB−SRモータ100を、図35から図38を参照して説明する。
【0124】
このHB−SRモータ100は、モータをポンプとして利用するポンプモータである。HB−SRモータ100は、ボビン構造の3層のステータ101と、ステータ101に対向しそのステータ101の中央に配置されるポンプ羽根を兼ねるスクリュー型のロータ102と、ロータ102を囲むケース103と、対象となる液体を導入する導入管104と、液体を排出する排出管105とを有している。
【0125】
ロータ102が組み込まれる空間は、凹状のケース体103aと蓋体103bからなるケース103によって外界と遮断されている。ロータ102は、両端の軸受106,107によって支持されている。ロータ102が組み込まれる空間、すなわち円柱形の空間には、液体が注入されている。
【0126】
ステータ101は、3つのステータ構成部101a,101b,101cと、各ステータ構成部101a,101b,101cを分離する2つのドーナッツ状の樹脂部108を有している。各ステータ構成部101a,101b,101c(以下、代表して101aという)は、図36に示すように、凹状でかつ円形の孔111とN極に励磁される極歯112を有し純鉄で構成されたN極用ステータ113と、全体がドーナッツ状の平板形状で円形の孔114とS極に励磁される極歯115を有し純鉄で構成されたS極用ステータ116と、円弧状の2つの磁石117,117を備えている。なお、N極用ステータ113とS極用ステータ116との間には、図35に示すように、円柱状に巻回されたコイルを有する3つのボビン巻線118が配置されている。
【0127】
磁石117は、両端の一方がN極に、他方がS極に着磁された残留磁束密度が1.10テスラのネオジ磁石とされている。その磁石117の軸方向の長さL11は、突極となる極歯112,115の両横部の軸方向長さL12と同一とされ、径方向の幅も同一とされている。そして、極歯112,115の軸方向延長部121,121と磁石117,117とで1つの円筒リングを形成するように、磁石117,117が極歯112,115に接着される。
【0128】
なお、極歯112,115は、180度対称に配置され、それぞれの極歯112,115は径方向に突出する根元部122と、その根元部122から延長され軸方向に伸びる軸方向延長部121とで構成されている。先に示したL11(L12)と、根元部122から周方向に突出している飛び出し部分の長さL2との比は、1:0.52とされている。N極用ステータ113の外周壁部123がS極用ステータ116の外周の平面部に当接している。
【0129】
ロータ102は、純鉄で構成され、かつ60度ずつずらして配置された3つの棒状の鉄心125,126,127と各鉄心125,126,127の中心を貫くと共にそれらが固定される回転中心軸128と、各鉄心125,126,127をインサートするように取り囲む樹脂材からなる円柱状樹脂部129と、円柱状樹脂部129に形成されている2筋の螺旋溝130,131とを備えている。各鉄心125,126,127の外周面は、円柱状樹脂部129の外周面と同一曲面となっており、ロータ102には突起は形成されていないが、各鉄心125,126,127の部分は、いわゆる磁気抵抗減少部となり、突起部の一種となっている。
【0130】
このHB−SRモータ100は、その直径φ2が6mmとされ、超小型のモータとなっている。直径φ2を6mmとせず、3〜10mm程度としても良い。また、ステータ101の樹脂部108を各ステータ構成部101a,101b,101cを覆うように、すなわちステータ101a,101b,101cをインサート成形するように形成しても良い。また、この樹脂部108を設けないようにしても良い。さらに図35等では、ステータ101を覆うケースを設けていないが、ケース103とステータ101を覆うと共に、それらを固定するモータケースを設けても良い。
【0131】
HB−SRモータ100のロータ102を回転駆動させるには、まずステータ構成部101aのボビン巻線118に電流を流し、突極となる極歯112をN極に、突極となる極歯115をS極に励磁し、鉄心125を両極歯112,115と対向する位置に引き込む。次に、ステータ構成部101bのボビン巻線118に電流を流すことで、同様の励磁を行い、鉄心126をステータ構成部101bの両極歯112,115に対向する位置まで回転させる。このとき、ステータ構成部101aへの電流供給はなされていない。
【0132】
次に、ステータ構成部101bへの電流供給を断つと共に、ステータ構成部101cへの電流供給を行う。これにより、ステータ構成部101cの極歯112はN極に、極歯115はS極に励磁される。この結果、鉄心127が両極歯112,115に引きつけられ回転する。以上を繰り返すことで、ロータ102は回転を継続する。なお、電流の切り替え毎にロータ102は60度回転する。ロータ102が一定方向に回転することで、液体は螺旋溝130,131を伝わって導入管104側から排出管105側へ流れていく。
【0133】
上述の第8の実施の形態のHB−SRモータ100は、そのロータ102が2筋の螺旋溝130,131を有したものとなっているが、螺旋溝は1本(1筋)としても良く、また3本以上としても良い。また、ステータ構成部を4層以上に重ね、一方ロータ102の鉄心を4個以上ずらしながら重ねたものとしても良い。また、ロータ102の鉄心をずらすことなく同一位置関係で重ねて配置し、一方、ステータ構成部をずらして重ねるようにしても良い。
【0134】
また、ステータ101の各ステータ構成部101a,101b,101cに、N極用の極歯112を2個とS極用の極歯115を2個、それぞれ設けるようにし、鉄心125,126,127をそれぞれ十字形としても良い。また、他の実施の形態のように、さらに多数の突極と突起部(鉄心面)を設けるようにしても良い。また、ポンプモータとして利用する場合、他の実施の形態のリラクタンスモータを採用しても良い。また、ロータとポンプ羽根を別体とすると共にポンプ羽根を液体中に置き、ロータは液体と接触しないように配置しても良い。
【0135】
次に、本発明の第9の実施の形態のリラクタンスモータ140を図39および図40に基づいて説明する。
【0136】
このリラクタンスモータ140は、ビデオカメラ等のレンズの送り機構やノートパソコンのCD(Compact Disc)駆動機構中のCDピックアンプレンズを送るレンズ送り機構等に採用されるステッピングモータである。
【0137】
このリラクタンスモータ140は、12個の突極を有するステータ1Dと、10個の突起部となる磁気抵抗減少部141を有するロータ2Dと、ロータ2Dと一体回転するスクリュー軸142と、スクリュー軸142の軸受被支持部143を支持する軸受部144と、を有している。なお、このリラクタンスモータ140は、モータ保持体145でスクリュー軸142と軸受部144とを保持している。
【0138】
なお、突極を6個とし、磁気抵抗減少部141を8個とし、24分割(1ステップ15度)のステッピングモータとしたり、他の極数や突起部として48分割(1ステップ7.5度)のステッピングモータとしても良い。このようなステッピングモータとすると、低コギング、低コストのステッピングモータとすることができる。
【0139】
スクリュー軸142の図で右側部には、スクリュー溝が形成され図示しないレンズ送り機構が係合している。スクリュー軸142は、スラスト方向を両端のボール軸受146,147で支持され、径方向については2つのラジアル軸受148,149で支持されている。
【0140】
ステータ1Dの鉄心は、珪素鋼板の薄板を積層したもので、他の実施の形態に示すように、各突極の先端の隙間に磁石がはさみ込まれ、かつその磁石は対向する部分が同極となるように設置されている。磁石は、ネオジ磁石、サマコバ磁石等が採用されている。また、磁石の残留磁束密度をaとし、ステータ1Dの鉄心の飽和磁束密度をbとし、突極の磁石側に飛び出た部分のロータ2Dと対向する部分の面積をWとし、磁石の突極との接触部分の面積をZとしたとき、(a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2となるように、ステータ1Dの突極を形成している。
【0141】
ロータ2Dは、純鉄からなる極歯形成体151で構成されている。この極歯形成体151は、平板を絞り加工することによって筒状とし、その後、周方向に10個の貫通孔152を設けることで、各貫通孔152の周方向の隣接部分を磁気抵抗減少部141としたものである。貫通孔152の軸方向の長さは、ステータ1Dの軸方向長さおよび磁石の軸方向長さと同一とされ、各貫通孔152がステータ1Dと対向できるように配置されている。
【0142】
このリラクタンスモータ140の径方向の長さφ3は、この実施の形態では、3mmとされている。この長さφ3を2〜5mmとすると、超小型のレンズ送り機構に適用することが可能となる。また、スクリュー軸142には、スクリューが形成され、スクリュー軸142とロータ2Dとが一対化されているので高精度なステッピングモータとなる。
【0143】
次に本発明の第10の実施の形態のリラクタンスモータ160を、図41および図42に基づいて説明する。
【0144】
このリラクタンスモータ160は、上述した各種のHB−SRモータ10,40,50,60,70,80,100やリラクタンスモータ90,140やその他の変形例のモータにおける磁石部分の形状を変更したものである。このため、以下では、その磁石部分についてのみ説明する。
【0145】
このリラクタンスモータ用ステータの磁石161は、図41に示すように、円形状に配置された2m(mは1以上の自然数)個の柱状部162(この図41では6個の柱状部)と、この柱状部162の一端側を連結する円形状の円形連結部163とを有している。各柱状部162は、隣接する柱状部162に対向する面の一方側がN極に、他方側がS極に着磁され、かつ隣接する柱状部162の相対向する部分が同極となるように着磁されている。
【0146】
各柱状部162への着磁は、たとえば図42に示されるような着磁治具165を利用して行われる。この着治は、着磁治具165を利用して同時に各柱状部162に対してなされる。着磁された磁石161は、図41(A)の状態のまま、突極間にその柱状部162がはまり込むように組み込まれる。柱状部162の幅L1が上述してきた突極との接触幅である長さL1に相当する。
【0147】
突極の軸方向長さは、柱状部162の突出長である長さL3と同一としている。このため、磁石161を突極に組み込むと、円形連結部163側が突極から外方に突出するものの柱状部162の先端側はステータ鉄心と同一平面を形成することとなる。
【0148】
以上、第1から第10の実施の形態のリラクタンスモータを説明してきたが、本発明のリラクタンスモータのステータ側の突極の数とロータ側の突起部の数に基づいて、回転、非回転の関係をまとめると図42に示すとおりとなる。
【0149】
図43に示す関係を数式でまとめると、以下のとおりとなる。すなわち、突極数を2m(mは1以上の自然数)とし、各突極の先端の隣接する隙間に、対向する磁極が同極となり、かつその磁極が突極の先端の横部に接するように計2m個の磁石を配置し、各突極に巻線が施されたステータと、突起部の数をn(nは1以外の自然数)としたとき、n/mが2以下の自然数とならないようにした突起部であって、突極に対向して設けられる極歯または磁気抵抗減少部を有するロータと、を有するようなリラクタンスモータであることが回転することの条件となる。
【0150】
なお、磁石をすべての突極間に配置する構成とするのではなく、その一部を取り除いた構成としても良い。たとえば、すべての突極間に配置したら上述のような関係となる磁石を、1つおきに取り除く(間引く)ようにしても良い。また、全体から1つまたは2つの磁石のみを取り除くようにしても良い。また、逆に、1つまたは2つもしくは3つのみの磁石が配置される構成としても良い。
【0151】
また、各実施の形態や変形例で示すリラクタンスモータは、図44に示すように、単なる突極と巻線からなるモータの場合に比べ大きなトルクを発生させ得るものとなる。図44に示すグラフは、第1の実施の形態のHB−SRモータ10の場合を示しているが、他の実施の形態のリラクタンスモータにおいても、同様に従来のリラクタンスモータより大きなトルクを発生するという傾向が現れている。
【0152】
また、図45に示すように、本発明のリラクタンスモータは、トルクが非常に大きくなる範囲まで回転を継続する。この図45は、HB−SRモータ10のトルクに対する速度、効率、電流を示すグラフであり、トルクが300mN・mのときでも200rpmの回転を維持する。このようなトルク大のときでも回転維持が可能となる現象は、他の実施の形態のリラクタンスモータにも発生する。
【0153】
本発明の各リラクタンスモータでは、励磁時の各突極の根元部分を通る磁束がその突極の飽和磁束密度以上となるように各突極を励磁することで、磁石の磁束をロータ側に出射させている。また、各突極の励磁を切ることで、磁石の磁束は、ロータ側には向かわず、突極内、すなわちステータ内に入ってくる。このように突極の励磁、非励磁の繰り返しによって、ステータの突極を磁化、非磁化させると共に磁化の際にステータ内の磁束(特に、磁石の磁束)を有効活用することで、ロータを効率的に回転させている。
【0154】
以上、各実施の形態で示す、リラクタンスモータは、本発明の好適な実施の例であるが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能である。たとえば、ステータ鉄心やロータ鉄心としては、純鉄、珪素鋼の他に、パーマロイ(Fe−Ni合金)、電磁ステンレス、鉄系アモルファスやCo系アモルファス等のアモルファス、ナノ結晶合金、センダスト(Fe−Al−Si系合金)等の他の軟磁性材料(高透磁率材料)としても良い。また、ステータ鉄心やロータ鉄心としては、薄板の積層の他に積層を行わない単一部材としても良い。
【0155】
また、磁石の残留磁束密度をaとし、磁性部材からなる突極の飽和磁束密度をbとし、突極の磁石側に飛び出た部分のロータと対向する部分の面積をWとし、磁石の突極との接触部分の面積をZとしたとき、(a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2となるようにステータの突極を形成するのが好ましいが、(a/b)×Z≦W≦(a/b)×Z×1.5の範囲とすると、モータとしてさらに好ましものとなる。これは、突極を飽和磁束密度以上の磁束が発生するように励磁すると、磁石の磁束は、励磁による磁束が流れていく部分には流れ込めなくなり、磁石の磁束は突極の飛び出た部分を通ってロータ側に向かうためである。その流路を十分とらないと、磁石の磁束の有効活用は不十分となる。
【0156】
また、突極の飛び出た部分をあまり長くないようにすると、磁石の占める割合が高まり、磁石をはさみ込んだ効果がより一層現れてくるようになると共に、リラクタンスモータのステータを小型化できることとなる。なお、上述の範囲、すなわち (a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2の範囲を外れた場合であっても、従来のリラクタンスモータに比べ、モータとして良い性能を持つものとなる。
【0157】
さらに、上述の範囲にステータの突極や磁石を設定した構成は、本発明のいわゆる磁石同極対向型のリラクタンスモータばかりでなく、本発明を行う以前に創作したハイブリッド型磁石を1つの突極として構成し、複数の同じ形状のハイブリッド型磁石を円形状に順に配置したモータにも採用することができる。すなわち、本発明者が過去に創作したハイブリッド型磁石を単に組み込むことで構成したモータであっても、ステータの突極等の関係を(a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2の範囲としたり、(a/b)×Z≦W≦(a/b)×Z×1.5とすることで、効率良く回転するモータとすることができる。すなわち、上述の各範囲とすることは、磁石の並べ方や突極の並べ方に依存することなく、十分な効果を常に発生する。
【0158】
また、上述の各実施の形態では、磁石の軸方向長さとステータ鉄心の軸方向長さを同一とし、ぴったり当接させ端部が平面構造となるものとしたが、磁石の軸方向長さをステータ鉄心より短くしたり長くしたりしても良い。また、磁石の径方向の長さとステータの突極の先端の径方向長さを同一とし、ぴったり当接させるものとしたが、磁石の径方向の長さを突極の先端の径方向の長さより短くしたり長くしたりしても良い。
【0159】
また、上述の各実施の形態では、1つの突極に1つの巻線を施すものとしたが、2つの突極に対して1つの巻線を施すようにしたり、1つの突極部分に、バイファイラ巻きをして流す方向を変え、流す電流の方向によって磁化される極を変化させるようにしても良い。
【0160】
また、上述の各実施の形態では、ロータとステータが径方向に配置されるいわゆる周対向型モータとして説明したが、ロータとステータを軸方向に重ねて配置する。いわゆる平面対向型モータとしても良い。また、インナーロータ型とアウターロータ型の例をそれぞれ示したが、アウターロータ型として示したものをインナーロータ型とし、インナーロータ型として示したものをアウターロータ型にそれぞれ変更するようにしても良い。
【0161】
また、ステータ鉄心としては、複数の突極が予め一体的に設置されているものの他に、突極を1個ずつ独立に構成し、それらを円形状に配置することで、ステータ鉄心を構成したり、2つの突極または3つ以上の突極を独立に構成し、それらを円形状に配置することでステータ鉄心を構成したりするものとしても良い。
【0162】
さらに、リラクタンスモータ用ステータの磁石161としては、形状的には、同一形状の構成とした上で、着磁を各柱状部162で全く同一、すなわちN極とS極が常に同一関係となるように施したものとしても良い。このような着磁を施したリラクタンスモータ用ステータの磁石は、いわゆる同極対向型の磁石を利用した本発明のリラクタンスモータではなく、異極対向型の磁石を利用したリラクタンスモータに適用することが可能となる。
【0163】
また、リラクタンスモータ140のロータ2Dは、本発明のリラクタンスモータ以外に、従来からのリラクタンスモータにも適用できると共に、上述したいわゆる異極対向型の磁石を利用したリラクタンスモータにも適用することができる

【0164】
さらに、本発明の各リラクタンスモータの突極、磁石、突起部の各機械的角度(幅)は、上述した各値ではなく、他の値としても良い。たとえば、1群の突極、磁石、突起部の各値のいずれか1つまたは複数を上述した値のプラスマイナス10%の範囲内のものとしたり、1群のものの中でいずれか1つまたは複数をプラスマイナス10%を越える値のものとしても良い。
【0165】
【発明の効果】
本発明のリラクタンスモータは、小型化と振動の低減を可能にすると共に製造コストの上昇を押さえ、従来の小型DCモータとの置き換えが容易となる。また、他の発明では、モータに展開した場合にも、磁束の効率的利用が十分可能となるリラクタンスモータを提供することができる。
【0166】
さらに、他の発明では、ハイブリッド型磁石を利用したリラクタンスモータのステータの製造を効率化でき、リラクタンスモータを低価格化できるリラクタンスモータ用ステータの磁石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータの端面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ鉄心部分とロータ鉄心部分の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータの巻線の接続関係を示すと共にスイッチ制御部とその周辺の回路を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータの巻線に流される電流波形を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータの各巻線に流される電流状況を示す図で、(A)は各巻線に流される電流の時間的変化および電流合計を示し、(B)は切り替えステップとその各ステップのステータ内の磁束の流れをまとめた表である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、時刻T1〜T2間における磁束の流れを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、時刻T2時点直後における磁束の流れを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るリラクタンスモータのの励磁による磁束の流れと各相の切り替えの状態をまとめて示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るリラクタンスモータの励磁磁束の流れをまとめて示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るリラクタンスモータの切り替えステップと各ステップの際に励磁される突極を○印で示した図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るリラクタンスモータの巻線に流される電流波形を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るリラクタンスモータの変形例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るリラクタンスモータの他の変形例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ鉄心部分とロータ鉄心部分の平面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ内を流れる磁束と切り替えステップを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ内の磁束の流れと、切り替えステップと、突極の磁化状態とを対応させてまとめた表である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第1相駆動時の状態を示す図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第2相駆動開始時の状態を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第2相駆動終了時の状態を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第3相駆動開始時の状態を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第3相駆動終了時の状態を示す図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第4相駆動開始時の状態を示す図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ鉄心部分とロータ鉄心部分の平面図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ内を流れる磁束と切り替えステップを示す図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ内の磁束の流れと、切り替えステップと、突極の磁化状態とを対応させてまとめた表である。
【図26】本発明の第4の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第1相駆動時の状態を示す図である。
【図27】本発明の第4の実施の形態に係るリラクタンスモータの磁束の流れを示す図で、第2相駆動時の状態を示す図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ内を流れる磁束と切り替えステップを示す図である。
【図29】本発明の第5の実施の形態に係るリラクタンスモータに使用されるコミュテータ部分を示す図である。
【図30】本発明の第5の実施の形態に係るリラクタンスモータの切り替えステップと、励磁される突極と、ブラシとを対応させてまとめた表である。
【図31】本発明の第6の実施の形態に係るリラクタンスモータに使用されるコミュテータ部分を示す図である。
【図32】本発明の第6の実施の形態に係るリラクタンスモータの切り替えステップと、励磁される突極と、ブラシとを対応させてまとめた表である。
【図33】本発明の第7の実施の形態に係るリラクタンスモータの端面断面図である。
【図34】本発明の第7の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータ鉄心部分とロータ鉄心部分の平面図である。
【図35】本発明の第8の実施の形態に係るリラクタンスモータの端面断面図である。
【図36】本発明の第8の実施の形態に係るリラクタンスモータの1つのステータ構成部(ボビン巻線を除く)の分解斜視図である。
【図37】図35のA−A線断面図である。
【図38】本発明の第8の実施の形態に係るリラクタンスモータのロータを示す図で、鉄心を実線で示し、他の部分を一点鎖線で示した図である。
【図39】本発明の第9の実施の形態に係るリラクタンスモータの断面図である。
【図40】本発明の第9の実施の形態に係るリラクタンスモータのロータとなる極歯形成体の斜視図である。
【図41】本発明の第10の実施の形態に係るリラクタンスモータのステータに組み込まれる磁石の斜視図である。
【図42】本発明の第10の実施の形態に係るリラクタンスモータ用ステータの磁石の着磁方法を説明するための図である。
【図43】本発明の第1から第10の実施の形態に係るリラクタンスモータにおけるステータの突極の数と、ロータの突起部の数との関係をまとめた表で、表中の○印を付されたモータが本発明に該当することを示す図である。
【図44】本発明のリラクタンスモータが従来に比べ、トルクアップしていることを示すデータをグラフ化した図である。
【図45】本発明のリラクタンスモータが従来に比べ、大きなトルク範囲まで回転可能であることを示すデータをグラフ化した図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 ロータ
10 HB−SRモータ(リラクタンスモータ)
11 突極
12 磁石
13 巻線
21 突起部
141 軸抵抗減少部
151 極歯形成体
152 貫通孔
161 リラクタンスモータ用ステータの磁石
162 柱状部
163 円形連結部

Claims (10)

  1. 突極数を2m(mは1以上の自然数)とし、各突極の先端の隣接する隙間に、対向する磁極が同極となり、かつその磁極が上記突極の先端の横部に接するように計2m個の磁石を配置し、または配置したと仮定した状態から一部の磁石を取り除き、突極に巻線を施したステータと、
    突起部の数をn(nは1以外の自然数)としたとき、n/mが2以下の自然数とならないようにした突起部であって、上記突極に対向して設けられる極歯または磁気抵抗減少部を有するロータと、
    を有することを特徴とするリラクタンスモータ。
  2. 前記磁石のN極とN極にはさまれる前記突極が励磁される際にN極となり、前記磁石のS極とS極にはさまれる前記突極が励磁される際にS極となるように、かつN極に励磁された突極とS極に励磁された突極が少なくとも1組形成されるように前記巻線に電流を流して回転駆動させることを特徴とする請求項1記載のリラクタンスモータ。
  3. mを2とし、駆動相数を4とし、前記各巻線を巻線毎に同一方向に巻かれたものとし、各巻線に流す電流の方向を各巻線毎に常に同一方向としたことを特徴とする請求項1または2記載のリラクタンスモータ。
  4. mを4以上の整数とし、駆動相数を4以上としたことを特徴とする請求項1または2記載のリラクタンスモータ。
  5. 前記ロータの回転位置を検出して、前記巻線に流す電流を切り替えることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のリラクタンスモータ。
  6. mを3の倍数(1を含む)とし、駆動相数を3相とし、またはmを2の倍数(1を含む)とし、駆動相数を4相とし、ステッピングモータとして動作させることを特徴とする請求項1記載のリラクタンスモータ。
  7. mを4以上の整数とし、駆動相数を2以上m以下としたことを特徴とする請求項1記載のリラクタンスモータ。
  8. 磁性部材からなる複数の突極の先端の隣接する隙間に磁石を上記先端の横部に接するように配置し、または配置したと仮定した状態から一部の磁石を取り除いた構成にすると共に上記突極を励磁するための巻線を有するステータと、上記突極に対向して設けられる極歯または磁気抵抗減少部となる突起部を有するロータと、を有するリラクタンスモータにおいて、
    上記磁石の残留磁束密度をaとし、上記磁性部材からなる突極の飽和磁束密度をbとし、上記突極の上記磁石側に飛び出た部分の上記ロータと対向する部分の面積をWとし、上記磁石の上記突極との接触部分の面積をZとしたとき、(a/b)×Z×1/3≦W≦(a/b)×Z×2となるように、上記ステータの上記突極を形成したことを特徴とするリラクタンスモータ。
  9. 前記ロータは、筒状の極歯形成体を有するものとし、この極歯形成体に、磁気抵抗が大きくなる貫通孔を周方向にn個設け、上記各貫通孔の周方向の隣接部分を前記n個の磁気抵抗減少部としたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のリラクタンスモータ。
  10. 円形状に配置される2m(mは1以上の自然数)個の柱状部と、この柱状部の一端側を連結する円形状の円形連結部と、を有し、上記各柱状部は、隣接する柱状部に対向する面の一方側がN極に、他方側がS極に、かつ隣接する柱状部の相対向する部分が同極となるように着磁されたリラクタンスモータ用ステータの磁石。
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