JP3414780B2 - ステッピングモータ - Google Patents
ステッピングモータInfo
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- JP3414780B2 JP3414780B2 JP03170993A JP3170993A JP3414780B2 JP 3414780 B2 JP3414780 B2 JP 3414780B2 JP 03170993 A JP03170993 A JP 03170993A JP 3170993 A JP3170993 A JP 3170993A JP 3414780 B2 JP3414780 B2 JP 3414780B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- stator
- stepping motor
- pole teeth
- permanent magnet
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- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器用アクチュエ
ータに係り、特に高精度普及型アクチュエータとしての
使用に好適なステッピングモータに関するものである。
ータに係り、特に高精度普及型アクチュエータとしての
使用に好適なステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】OA機器用のアクチュエータは、使用さ
れる地域、国の商用周波数の相違、または、OA機器自
体の効率アップの需要に対応するためなど種々の理由に
より、交流駆動(AC駆動と記す)から直流駆動(DC
駆動と記す)に移行しつつある状況にある。またDC駆
動のアクチュエータとしてはブラシ付きDCモータ、ブ
ラシレスDCモータ、ステッピングモータ等があるが、
ブラシ付きDCモータは機械式整流機構を備えるため、
寿命または電気的ノイズの点で問題点があり、したがっ
て、ブラシレスDCモータもしくはステッピングモータ
がDC駆動のアクチュエータの主流として多用されるに
至っている。しかし、OA機器の更なる低価格化の要求
に対しては、ブラシレスDCモータは、速度制御や位置
制御に必要な信号を得るための速度発電機やエンコーダ
を必要とし、いわゆるクローズドループ制御となるた
め、構造的に複雑になり低価格化に対応するには問題が
あり、一方、いわゆるオープンループ制御が可能なこと
からブラシレスDCモータより価格的に有利なステッピ
ングモータの場合には、効率が低いため出力の面で満足
できないという問題点があった。
れる地域、国の商用周波数の相違、または、OA機器自
体の効率アップの需要に対応するためなど種々の理由に
より、交流駆動(AC駆動と記す)から直流駆動(DC
駆動と記す)に移行しつつある状況にある。またDC駆
動のアクチュエータとしてはブラシ付きDCモータ、ブ
ラシレスDCモータ、ステッピングモータ等があるが、
ブラシ付きDCモータは機械式整流機構を備えるため、
寿命または電気的ノイズの点で問題点があり、したがっ
て、ブラシレスDCモータもしくはステッピングモータ
がDC駆動のアクチュエータの主流として多用されるに
至っている。しかし、OA機器の更なる低価格化の要求
に対しては、ブラシレスDCモータは、速度制御や位置
制御に必要な信号を得るための速度発電機やエンコーダ
を必要とし、いわゆるクローズドループ制御となるた
め、構造的に複雑になり低価格化に対応するには問題が
あり、一方、いわゆるオープンループ制御が可能なこと
からブラシレスDCモータより価格的に有利なステッピ
ングモータの場合には、効率が低いため出力の面で満足
できないという問題点があった。
【0003】図6は、従来技術におけるハイブリッド型
(以下HB型と記す)2相ステッピングモータの横断面
図、図7は同じく縦断面図を示す。図6、図7におい
て、固定子1は、固定子ヨーク11から中心に向かうラ
ジアル方向に形成された8個の磁極12に第1相コイル
14と第2相コイル14’が巻装されており、第1相コ
イル14と第2相コイル14’の両巻線に通電すること
により、磁極12の先端部に形成した極歯13を励磁す
るように構成されている。回転子2は、軸方向に沿って
N極/S極に磁化された永久磁石25を挟持して設けた
2つの回転子ヨーク21、21’によって構成され、さ
らに回転子ヨーク21、21’の外周面には回転子側の
極歯23が形成されている。図8は、従来型の回転子2
を固定子1の外側に配置するいわゆるアウタロータ型ス
テッピングモータの横断面図、図9は同じく縦断面図で
ある。これは、インナロータ型に対して出力トルクの増
加を図るために創案されたもので、図8、図9は3相3
極のHB型ステッピングモータの例を示す。図8に示す
通り回転子2は2つの回転子ヨーク21、21’からな
り、軸方向に沿ってN極/S極に磁化された永久磁石2
5は回転子ヨーク21、21’によって挟持されるよう
に構成されている。回転子側極歯23は2つの回転子ヨ
ーク21、21’の内周面に形成されている。また、2
0は非磁性部材からなりカップ状に形成した回転子保持
体であって、回転子ヨーク21、21’と永久磁石25
を嵌装すると共に、その底部中心部に回転軸4を固着し
ている。マウントハウジング7は、固定子ヨーク11を
軸方向に嵌着しており、スリーブメタル8を介して回転
軸4を嵌合保持し回転子2を回転自在に支承している。
固定子ヨーク11から中心と反対のラジアル方向に形成
された3個の磁極12に巻装された励磁コイル14、1
4’によって磁極先端の固定子側極歯13を励磁する点
は、インナロータ型と内外の方向が逆であるが、その他
は同じ構成を有している。図10は、従来型の他のアウ
タロータ型の横断面図、図11は同じく縦断面図であ
る。図10、図11に示すように、固定子1は、軸方向
に互いに対向する固定子ヨーク11と11’および8極
の磁極12a、12b、…、12hと12’a、12’
b、…、12’hとに分割されており、その中間に軸方
向に沿ってN極/S極に磁化された永久磁石15が挟持
されている。8極の磁極12a、12b、…、12hと
8極の磁極12’a、12’b、…、12’hはそれぞ
れ同数で複数の固定子極歯13、13’を有すると共
に、励磁コイル14a、14b、…、14hが券装され
ている。さらに、固定子極歯13、13’と対向するラ
ジアル方向に、回転子極歯23を備えた回転子ヨーク2
1が回転自在に支承されている。
(以下HB型と記す)2相ステッピングモータの横断面
図、図7は同じく縦断面図を示す。図6、図7におい
て、固定子1は、固定子ヨーク11から中心に向かうラ
ジアル方向に形成された8個の磁極12に第1相コイル
14と第2相コイル14’が巻装されており、第1相コ
イル14と第2相コイル14’の両巻線に通電すること
により、磁極12の先端部に形成した極歯13を励磁す
るように構成されている。回転子2は、軸方向に沿って
N極/S極に磁化された永久磁石25を挟持して設けた
2つの回転子ヨーク21、21’によって構成され、さ
らに回転子ヨーク21、21’の外周面には回転子側の
極歯23が形成されている。図8は、従来型の回転子2
を固定子1の外側に配置するいわゆるアウタロータ型ス
テッピングモータの横断面図、図9は同じく縦断面図で
ある。これは、インナロータ型に対して出力トルクの増
加を図るために創案されたもので、図8、図9は3相3
極のHB型ステッピングモータの例を示す。図8に示す
通り回転子2は2つの回転子ヨーク21、21’からな
り、軸方向に沿ってN極/S極に磁化された永久磁石2
5は回転子ヨーク21、21’によって挟持されるよう
に構成されている。回転子側極歯23は2つの回転子ヨ
ーク21、21’の内周面に形成されている。また、2
0は非磁性部材からなりカップ状に形成した回転子保持
体であって、回転子ヨーク21、21’と永久磁石25
を嵌装すると共に、その底部中心部に回転軸4を固着し
ている。マウントハウジング7は、固定子ヨーク11を
軸方向に嵌着しており、スリーブメタル8を介して回転
軸4を嵌合保持し回転子2を回転自在に支承している。
固定子ヨーク11から中心と反対のラジアル方向に形成
された3個の磁極12に巻装された励磁コイル14、1
4’によって磁極先端の固定子側極歯13を励磁する点
は、インナロータ型と内外の方向が逆であるが、その他
は同じ構成を有している。図10は、従来型の他のアウ
タロータ型の横断面図、図11は同じく縦断面図であ
る。図10、図11に示すように、固定子1は、軸方向
に互いに対向する固定子ヨーク11と11’および8極
の磁極12a、12b、…、12hと12’a、12’
b、…、12’hとに分割されており、その中間に軸方
向に沿ってN極/S極に磁化された永久磁石15が挟持
されている。8極の磁極12a、12b、…、12hと
8極の磁極12’a、12’b、…、12’hはそれぞ
れ同数で複数の固定子極歯13、13’を有すると共
に、励磁コイル14a、14b、…、14hが券装され
ている。さらに、固定子極歯13、13’と対向するラ
ジアル方向に、回転子極歯23を備えた回転子ヨーク2
1が回転自在に支承されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図6、図7に示した回
転子2を固定子1に対して中心側に配置したタイプ(以
下インナロータ型と記す)のステッピングモータの構成
においては、回転子2の外径の増加、すなわち、回転子
側極歯23と軸心との距離を増加することが、出力トル
クの増加を図る手段として効果的であるにも拘らず、回
転子2が固定子1の中心側に配置されているため前記距
離を寸法的に拡大するには限界があった。
転子2を固定子1に対して中心側に配置したタイプ(以
下インナロータ型と記す)のステッピングモータの構成
においては、回転子2の外径の増加、すなわち、回転子
側極歯23と軸心との距離を増加することが、出力トル
クの増加を図る手段として効果的であるにも拘らず、回
転子2が固定子1の中心側に配置されているため前記距
離を寸法的に拡大するには限界があった。
【0005】図8、図9の従来技術は、回転子2を固定
子1の外側に配置するタイプ(以下アウタロータ型と記
す)であるから、回転子側極歯23と軸心との距離を大
きくすることができ、インナロータ型に比較して出力ト
ルクを増加できる長所を有するが、モータの外径寸法に
制限がある場合には、回転子2の直径方向の寸法にも制
約が生じ、永久磁石25の軸方向に対する有効面積を大
きくとれないため、磁化力が大きくならないという問題
点が発生していた。
子1の外側に配置するタイプ(以下アウタロータ型と記
す)であるから、回転子側極歯23と軸心との距離を大
きくすることができ、インナロータ型に比較して出力ト
ルクを増加できる長所を有するが、モータの外径寸法に
制限がある場合には、回転子2の直径方向の寸法にも制
約が生じ、永久磁石25の軸方向に対する有効面積を大
きくとれないため、磁化力が大きくならないという問題
点が発生していた。
【0006】また、図10、図11の従来技術は、永久
磁石15を固定子1側に備えているからモータの外径を
制限されても回転子2の内径を十分大きくとることがで
き、したがって、永久磁石15の軸方向有効面積を十分
に確保するのに好適な長所を有するが、永久磁石15を
貫通するように巻線14が巻装されるため、永久磁石1
5の有効面積を十分に確保するには、実公平2−231
03号公報に開示されているように、固定子側磁極13
と相似の形状に永久磁石25を整形するなどの配慮が必
要となり、コストアップの要因となっていた。
磁石15を固定子1側に備えているからモータの外径を
制限されても回転子2の内径を十分大きくとることがで
き、したがって、永久磁石15の軸方向有効面積を十分
に確保するのに好適な長所を有するが、永久磁石15を
貫通するように巻線14が巻装されるため、永久磁石1
5の有効面積を十分に確保するには、実公平2−231
03号公報に開示されているように、固定子側磁極13
と相似の形状に永久磁石25を整形するなどの配慮が必
要となり、コストアップの要因となっていた。
【0007】従来技術は、何れも、大きな出力トルクを
得るにはそれぞれに上記の問題点があり、市場のニーズ
に対応するために高出力のステッピングモータの実現が
要望されていた。
得るにはそれぞれに上記の問題点があり、市場のニーズ
に対応するために高出力のステッピングモータの実現が
要望されていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段は特許請求の範囲に記載されている。すなわ
ち、本発明の目的は、巻線の巻回により磁化され先端部
に複数極歯を備えた磁極を放射状に複数個配設してなる
固定子と、前記固定子の複数極歯と対向する複数極歯を
内径面に備えた環状の回転子とからなり、この環状の回
転子を回転自在に軸支する構成を有するアウタロータ型
ステッピングモータにおいて、前記回転子は、軸方向に
対向し互いに同形の複数の回転子ヨークを備えると共
に、前記複数の回転子ヨークの何れか一方の外周面に当
接し、ラジアル方向に磁化された円筒状永久磁石を有す
ることを特徴とするアウタロータ型ステッピングモータ
によって達成される。
めの手段は特許請求の範囲に記載されている。すなわ
ち、本発明の目的は、巻線の巻回により磁化され先端部
に複数極歯を備えた磁極を放射状に複数個配設してなる
固定子と、前記固定子の複数極歯と対向する複数極歯を
内径面に備えた環状の回転子とからなり、この環状の回
転子を回転自在に軸支する構成を有するアウタロータ型
ステッピングモータにおいて、前記回転子は、軸方向に
対向し互いに同形の複数の回転子ヨークを備えると共
に、前記複数の回転子ヨークの何れか一方の外周面に当
接し、ラジアル方向に磁化された円筒状永久磁石を有す
ることを特徴とするアウタロータ型ステッピングモータ
によって達成される。
【0009】
【作用】上記の構成により、ステッピングモータ全体の
形状を大きくすることなく、回転子ヨークもしくは固定
子ヨークと当接する永久磁石の有効接触面積、すなわち
軸方向に対する永久磁石の投影面積を確保することがで
き出力のトルクアップを効率的に実現することができ
る。
形状を大きくすることなく、回転子ヨークもしくは固定
子ヨークと当接する永久磁石の有効接触面積、すなわち
軸方向に対する永久磁石の投影面積を確保することがで
き出力のトルクアップを効率的に実現することができ
る。
【0010】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明のアウタロータ型ステッピングモータ
の第1実施例の横断面図、図2は図1のX−X線断面図
である。図8に示した従来技術では、永久磁石25は2
つの回転子ヨーク21、21’の間に挟持されるように
設けられた円環状であったのに対し、本実施例の回転子
2は、軸方向に対向して設けた2つの回転子ヨーク2
1、21’を備えると共に、回転子ヨーク21と当接す
る外周に永久磁石25を設けている。永久磁石25と当
接しない側の他方の回転子ヨーク21’を磁化する手段
として、回転軸4と回転子ヨーク21、21’および永
久磁石25を一体に保持する回転子保持体20を磁性体
部材で形成する。これにより、回転子保持体20を永久
磁石25のバックヨークとして機能させ、回転子ヨーク
21および21’に対して1つの永久磁石25を兼用す
るように構成したものである。図1に示す点線矢印Aは
磁気回路の方向を示す。このように、永久磁石25は、
回転子ヨーク21、21’の何れか一方の外周面に当接
するように配設される。
る。図1は本発明のアウタロータ型ステッピングモータ
の第1実施例の横断面図、図2は図1のX−X線断面図
である。図8に示した従来技術では、永久磁石25は2
つの回転子ヨーク21、21’の間に挟持されるように
設けられた円環状であったのに対し、本実施例の回転子
2は、軸方向に対向して設けた2つの回転子ヨーク2
1、21’を備えると共に、回転子ヨーク21と当接す
る外周に永久磁石25を設けている。永久磁石25と当
接しない側の他方の回転子ヨーク21’を磁化する手段
として、回転軸4と回転子ヨーク21、21’および永
久磁石25を一体に保持する回転子保持体20を磁性体
部材で形成する。これにより、回転子保持体20を永久
磁石25のバックヨークとして機能させ、回転子ヨーク
21および21’に対して1つの永久磁石25を兼用す
るように構成したものである。図1に示す点線矢印Aは
磁気回路の方向を示す。このように、永久磁石25は、
回転子ヨーク21、21’の何れか一方の外周面に当接
するように配設される。
【0011】この永久磁石25は、内周側面と外周側面
がN極/S極またはS極/N極となるようラジアル方向
に着磁されることにより、図1のように、一方の回転子
ヨーク21と他方の回転子ヨーク21’とを逆方向に磁
化させ、この磁化のために永久磁石25の形状、構成、
配置に種々の変化を与えている点に本実施例の特徴があ
る。本実施例は3相3極構造を有し、磁極12a、12
b、12cには励磁コイル14、14’が巻回され、例
えば図2に示すように磁化され、極歯の励磁や動作等は
図9に示した従来技術と同様である。永久磁石25はラ
ジアル方向に内周側がS極、外周側がN極となるよう
に、2極磁化すると、回転子保持体20がバックヨーク
となっているため回転子ヨーク21がS極に、他方の回
転子ヨーク21’がN極に磁化されるから、回転子ヨー
ク21と回転子ヨーク21’を極歯ピッチの1/2ずら
せるように配置すると、図2に示した回転子2と固定子
1の極歯位置関係で安定する。この状態から12a、1
2b、12cのうち、例えば、12b、12a、12
c、12bという順序で前の状態の極性から異なる極性
の3極のうち1極づつ極性を反転させることにより、例
えば、回転子ヨーク21のピッチの1/6が3相の場合
のステップ角度となって回転する。3相の場合には、2
相に比較して回転子の鎖交磁束のうち第3次高周波成分
が少なくなるため、回転時における振動が小さいことが
知られており、アウタロータ型で回転むらの少ないステ
ッピングモータとしては、3相の採用が原価低減の見地
から有利である。3相ステッピングモータの特徴は固定
子の主極数(ポール数)を3n(nは整数)とする。
がN極/S極またはS極/N極となるようラジアル方向
に着磁されることにより、図1のように、一方の回転子
ヨーク21と他方の回転子ヨーク21’とを逆方向に磁
化させ、この磁化のために永久磁石25の形状、構成、
配置に種々の変化を与えている点に本実施例の特徴があ
る。本実施例は3相3極構造を有し、磁極12a、12
b、12cには励磁コイル14、14’が巻回され、例
えば図2に示すように磁化され、極歯の励磁や動作等は
図9に示した従来技術と同様である。永久磁石25はラ
ジアル方向に内周側がS極、外周側がN極となるよう
に、2極磁化すると、回転子保持体20がバックヨーク
となっているため回転子ヨーク21がS極に、他方の回
転子ヨーク21’がN極に磁化されるから、回転子ヨー
ク21と回転子ヨーク21’を極歯ピッチの1/2ずら
せるように配置すると、図2に示した回転子2と固定子
1の極歯位置関係で安定する。この状態から12a、1
2b、12cのうち、例えば、12b、12a、12
c、12bという順序で前の状態の極性から異なる極性
の3極のうち1極づつ極性を反転させることにより、例
えば、回転子ヨーク21のピッチの1/6が3相の場合
のステップ角度となって回転する。3相の場合には、2
相に比較して回転子の鎖交磁束のうち第3次高周波成分
が少なくなるため、回転時における振動が小さいことが
知られており、アウタロータ型で回転むらの少ないステ
ッピングモータとしては、3相の採用が原価低減の見地
から有利である。3相ステッピングモータの特徴は固定
子の主極数(ポール数)を3n(nは整数)とする。
【0012】インナロータ型に比べてアウタロータ型が
高トルク化に有利である。すなわち固定子と対向する回
転子の半径をR、軸方向の有効長をLとし、固定子と回
転子間の平均発生法線力f〔N/m2〕が一定のとき、
全法線力FはF=2πRLfとなるから、トルクTは、
T=FR=2πR2Lfとなり、モータの容積が一定な
らばトルクTは回転子の半径R2に比例する。このと
き、インナロータ型では回転子の半径を大きくするには
限界があり、コイル巻回のスペースが減少して温度の上
昇を招くことになる。アウタロータ型の場合は回転子の
半径をモータサイズの限界まで拡大することができ、し
かも固定子が内側にあるため、前記コイルスペースが十
分に確保されるから、温度の上昇を抑えてしかも高出力
化を実現することができ、インナロータ型と比較して同
一サイズのモータで約2倍の高出力化と高効率化が得ら
れる。
高トルク化に有利である。すなわち固定子と対向する回
転子の半径をR、軸方向の有効長をLとし、固定子と回
転子間の平均発生法線力f〔N/m2〕が一定のとき、
全法線力FはF=2πRLfとなるから、トルクTは、
T=FR=2πR2Lfとなり、モータの容積が一定な
らばトルクTは回転子の半径R2に比例する。このと
き、インナロータ型では回転子の半径を大きくするには
限界があり、コイル巻回のスペースが減少して温度の上
昇を招くことになる。アウタロータ型の場合は回転子の
半径をモータサイズの限界まで拡大することができ、し
かも固定子が内側にあるため、前記コイルスペースが十
分に確保されるから、温度の上昇を抑えてしかも高出力
化を実現することができ、インナロータ型と比較して同
一サイズのモータで約2倍の高出力化と高効率化が得ら
れる。
【0013】図3は本発明の第2の実施例を示す縦断面
図で、アウタロータ型である点は第1の実施例と同様で
あるが、図示の通り2つの回転子ヨーク21、21’の
それぞれに、永久磁石25、25’が当接するよう配置
して磁化力の向上を図っている。この実施例に示す2個
の永久磁石25、25’は軸方向に一体的に連接した構
造のもの1個を設置してもよく、回転子保持体20はバ
ックヨークを兼ね、その磁気回路は、図3の点線矢印B
で示す。永久磁石として等方性アルニコ磁石などラジア
ル方向の厚みが比較的大きいものを使用する場合は、必
ずしもバックヨークを必要とせず、この場合は着磁方向
はラジアル方向に近似の方向となるが、永久磁石25の
ラジアル方向の肉厚を極力薄くして、回転子半径Rを大
きくするには、ラジアル異方性の希土類磁石、例えばネ
オジムが最適で、バックヨークを設けてラジアル方向に
磁化することが永久磁石の特性を引き出すのに最も有効
である。
図で、アウタロータ型である点は第1の実施例と同様で
あるが、図示の通り2つの回転子ヨーク21、21’の
それぞれに、永久磁石25、25’が当接するよう配置
して磁化力の向上を図っている。この実施例に示す2個
の永久磁石25、25’は軸方向に一体的に連接した構
造のもの1個を設置してもよく、回転子保持体20はバ
ックヨークを兼ね、その磁気回路は、図3の点線矢印B
で示す。永久磁石として等方性アルニコ磁石などラジア
ル方向の厚みが比較的大きいものを使用する場合は、必
ずしもバックヨークを必要とせず、この場合は着磁方向
はラジアル方向に近似の方向となるが、永久磁石25の
ラジアル方向の肉厚を極力薄くして、回転子半径Rを大
きくするには、ラジアル異方性の希土類磁石、例えばネ
オジムが最適で、バックヨークを設けてラジアル方向に
磁化することが永久磁石の特性を引き出すのに最も有効
である。
【0014】図4は本発明の第3の実施例を示す縦断面
図、図5は同横断面図である。本実施例は、永久磁石3
を回転子側に配置するのでなく、固定子側に配置したも
のである。本実施例は、固定子1を軸方向に2つの固定
子ヨーク11、11’に分割すると共に、その内周面、
すなわち回転軸4を支承するスリーブメタル8と当接す
る面に円筒状またはセグメント型永久磁石15、15’
を配置している。そして励磁コイル14、14’は2つ
の固定子ヨーク11、11’に跨るように巻装される。
本実施例の場合も第1実施例と同様に、回転子ヨーク2
1、21’の極歯23を1/2ピッチずらせ、固定子ヨ
ーク11、11’を軸方向に密着して配置してもよく、
この場合には、回転子保持体20は非磁性体であっても
よい。回転子保持体20を磁性体としバックヨークを兼
ねるように構成したが、図4の点線矢印Cのように磁気
回路を形成するように回転子ヨーク21、21’をラジ
アル方向に磁化する点に本実施例の特徴がある。9は非
磁性スペーサを示す。本実施例も、第1実施例のよう
に、永久磁石15、15’のうち、一方を省略して磁気
回路を形成し、または永久磁石15、15’を一体とし
て肉厚とし、ラジアル方向に近似の方向に磁化すること
が可能であるが、本実施例の構成の方が効率が向上し、
これにより図10に示した従来技術の問題点は解決され
る。
図、図5は同横断面図である。本実施例は、永久磁石3
を回転子側に配置するのでなく、固定子側に配置したも
のである。本実施例は、固定子1を軸方向に2つの固定
子ヨーク11、11’に分割すると共に、その内周面、
すなわち回転軸4を支承するスリーブメタル8と当接す
る面に円筒状またはセグメント型永久磁石15、15’
を配置している。そして励磁コイル14、14’は2つ
の固定子ヨーク11、11’に跨るように巻装される。
本実施例の場合も第1実施例と同様に、回転子ヨーク2
1、21’の極歯23を1/2ピッチずらせ、固定子ヨ
ーク11、11’を軸方向に密着して配置してもよく、
この場合には、回転子保持体20は非磁性体であっても
よい。回転子保持体20を磁性体としバックヨークを兼
ねるように構成したが、図4の点線矢印Cのように磁気
回路を形成するように回転子ヨーク21、21’をラジ
アル方向に磁化する点に本実施例の特徴がある。9は非
磁性スペーサを示す。本実施例も、第1実施例のよう
に、永久磁石15、15’のうち、一方を省略して磁気
回路を形成し、または永久磁石15、15’を一体とし
て肉厚とし、ラジアル方向に近似の方向に磁化すること
が可能であるが、本実施例の構成の方が効率が向上し、
これにより図10に示した従来技術の問題点は解決され
る。
【0015】図4の本実施例の永久磁石15、15’と
図1の実施例の永久磁石25とを比較すると、回転軸4
の中心からの距離の相違だけ本実施例の方が回転子2の
慣性が小さく、界磁磁束が十分なときは、永久磁石の量
を小さくすることが可能となるから原価低減には有効で
ある。永久磁石15、15’は、軸方向に一体的に2分
割され、内周面と外周面が逆極性に磁化されていてもよ
く、図1、または図3の実施例における回転子2側に設
けた永久磁石25の場合と同様である。
図1の実施例の永久磁石25とを比較すると、回転軸4
の中心からの距離の相違だけ本実施例の方が回転子2の
慣性が小さく、界磁磁束が十分なときは、永久磁石の量
を小さくすることが可能となるから原価低減には有効で
ある。永久磁石15、15’は、軸方向に一体的に2分
割され、内周面と外周面が逆極性に磁化されていてもよ
く、図1、または図3の実施例における回転子2側に設
けた永久磁石25の場合と同様である。
【0016】上記実施例のアウタロータ型ステッピング
モータは、従来技術に比し、回転子ヨークの外周面に永
久磁石を配置したものでは、回転軸方向に対する永久磁
石の有効面積を大きくとることができ、高出力トルクを
実現することが可能となり、固定子ヨークの内周面に永
久磁石を配置したものでは、円板状永久磁石を用い巻線
スロット面積を減少するために鉄芯の磁極形状と近似す
る特殊な形状とした従来技術に比し大幅なコストダウン
が可能となる。
モータは、従来技術に比し、回転子ヨークの外周面に永
久磁石を配置したものでは、回転軸方向に対する永久磁
石の有効面積を大きくとることができ、高出力トルクを
実現することが可能となり、固定子ヨークの内周面に永
久磁石を配置したものでは、円板状永久磁石を用い巻線
スロット面積を減少するために鉄芯の磁極形状と近似す
る特殊な形状とした従来技術に比し大幅なコストダウン
が可能となる。
【0017】
【発明の効果】本発明の実施により、ラジアル方向に磁
化された永久磁石の回転軸方向の有効面積は、従来の構
成よりも増加する効果を有し、その結果として回転子ま
たは固定子の外径寸法を節減し、小型で高出力のアウタ
ロータ型のステッピングモータを低原価で提供すること
ができる。
化された永久磁石の回転軸方向の有効面積は、従来の構
成よりも増加する効果を有し、その結果として回転子ま
たは固定子の外径寸法を節減し、小型で高出力のアウタ
ロータ型のステッピングモータを低原価で提供すること
ができる。
【図1】本発明のアウタロータ型ステッピングモータの
第1実施例の横断面図である。
第1実施例の横断面図である。
【図2】第1実施例のX−X線断面図である。
【図3】本発明のアウタロータ型ステッピングモータの
第2実施例の横断面図である。
第2実施例の横断面図である。
【図4】本発明のアウタロータ型ステッピングモータの
第3実施例の横断面図である。
第3実施例の横断面図である。
【図5】第3実施例の縦断面図である。
【図6】従来技術のインナロータ型ステッピングモータ
の横断面図である。
の横断面図である。
【図7】図6の縦断面図である。
【図8】従来技術のアウタロータ型ステッピングモータ
の横断面図である。
の横断面図である。
【図9】図8の縦断面図である。
【図10】従来技術のアウタロータ型ステッピングモー
タの横断面図である。
タの横断面図である。
【図11】図10の縦断面図である。
1…固定子 2…回転子
4…回転軸 7…マウントハ
ウジング 8…スリーブメタル 9…非磁性スペ
ーサ 11、11’…固定子ヨーク 12、12’…磁極 13、13’…固定子側極歯 14…第1相励磁コイル 14’…第2相励磁コイル 15、15’…円筒状永久磁石 20…回転子保
持体 21、21’…回転子ヨーク 22、22’…磁極 23…回転子側極歯 25、25’…永久磁石
ウジング 8…スリーブメタル 9…非磁性スペ
ーサ 11、11’…固定子ヨーク 12、12’…磁極 13、13’…固定子側極歯 14…第1相励磁コイル 14’…第2相励磁コイル 15、15’…円筒状永久磁石 20…回転子保
持体 21、21’…回転子ヨーク 22、22’…磁極 23…回転子側極歯 25、25’…永久磁石
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭61−94554(JP,A)
特開 昭63−114561(JP,A)
特開 昭63−124761(JP,A)
特開 昭53−67819(JP,A)
特開 昭62−31361(JP,A)
特開 平2−294257(JP,A)
特開 平2−164262(JP,A)
特開 昭60−70958(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H02K 37/00
Claims (4)
- 【請求項1】巻線の巻回により磁化され先端部に複数極
歯を備えた磁極を放射状に複数個配設してなる固定子
と、前記固定子の複数極歯と対向する複数極歯を内径面
に備えた環状の回転子とからなり、この環状の回転子を
回転自在に軸支する構成を有するアウタロータ型ステッ
ピングモータにおいて、 前記回転子は、軸方向に対向し互いに同形の複数の回転
子ヨークを備えると共に、 前記複数の回転子ヨークの何れか一方の外周面に当接
し、ラジアル方向に磁化された円筒状永久磁石を有する
ことを特徴とするアウタロータ型ステッピングモータ。 - 【請求項2】先端部が複数極歯からなる磁極を放射状に
複数個配置してなる磁性体材料の固定子と、前記固定子
の複数極歯と対向する複数極歯を内径面に有する磁性体
材料の環状回転子を回転軸に軸支する構成を有するアウ
タロ−タ型ステッピングモ−タにおいて、 前記固定子は、軸方向に対向し互いに同形の複数の固定
子ヨ−クを備えると共に、 前記複数の固定子ヨ−クの少なくとも何れか一方の内周
面に当接し、ラジアル方向に磁化された円筒状磁石を備
えてラジアル方向及びスラスト方向の両方を含む磁路を
形成していることを特徴とするアウタロ−タ型ステッピ
ングモ−タ。 - 【請求項3】 前記円筒状永久磁石は、セグメント型永
久磁石であるを特徴とする請求項1若しくは請求項2の
何れかに記載のアウタロータ型ステッピングモータ。 - 【請求項4】 前記固定子は、磁極数が3n(n:正の
整数)個であることを特徴とする請求項1若しくは請求
項2の何れかに記載のアウタロータ型ステッピングモー
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03170993A JP3414780B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | ステッピングモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03170993A JP3414780B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | ステッピングモータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06245471A JPH06245471A (ja) | 1994-09-02 |
JP3414780B2 true JP3414780B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=12338605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03170993A Expired - Fee Related JP3414780B2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | ステッピングモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3414780B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5969957A (en) * | 1998-02-04 | 1999-10-19 | Soft Switching Technologies Corporation | Single phase to three phase converter |
-
1993
- 1993-02-22 JP JP03170993A patent/JP3414780B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06245471A (ja) | 1994-09-02 |
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