JP4675647B2 - ステータ、回転機用コア及び回転機 - Google Patents
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そして、励磁巻線に電流を供給することで励磁させ、永久磁石部でローターの磁極の接近するものを吸引することでローターの回転トルクを増大させることができる。これにより、逆に励磁巻線に流す電流値を削減してもローターの回転トルクを維持することができるので、エネルギー効率が向上する。
この際、励磁巻線が軸心方向に沿って間隙を介して配置された少なくとも一対のステータティース磁脚部に巻回されているので、励磁巻線の巻線効率を上げて励磁巻線の占有率を高めることができる。このようにより多くの励磁巻線を巻回することで、ローターの回転トルクが維持されるので、エネルギー効率を向上させることができる。さらに、回転軸心に沿って分割して励磁巻線がステータティース磁脚部に巻回されているので、各励磁巻線による抵抗が大きくなることを防止する。
この発明によれば、複合軟磁性材を用いることにより渦電流損を低減することができることから、鉄損を確実に低減することが可能となる。また、磁気回路が回転軸心を含む平面及び回転軸心に対して垂直な平面で形成されるため、例えば珪素鋼板などのように両面に絶縁処理を施した鋼板を積層することによって渦電流損を低減する場合には、ステータティースにおいて珪素鋼板を回転軸心に対する垂直方向で積層し、ステータ基材において珪素鋼板を回転軸心に沿って積層する必要がある。しかし、複合軟磁性材は絶縁性効果物質で被覆した金属粉末を圧粉成形したものであるために、さまざまな形状で製造することができるので、珪素鋼板を用いて渦電流損を低減することと比較して、製造が容易となると共に、製造コストの削減が図れる。
この発明によれば、複合軟磁性材を用いた圧粉成形によってフランジ部を形成することで、ステータティース磁脚部のローターティースに対する対向面積が大きくすることができるため、ローターの回転トルクをより大きくすることができると共に、トルクリップルを低減することができる。
この発明によれば、上述したステータを備えることで、励磁巻線の占有率を高めることができ、より多くの励磁巻線を巻回することが可能となる。したがって、ローターの回転トルクを増大させることができる。
この発明によれば、上述と同様に、珪素鋼板を用いて渦電流損を低減することと比較して、製造が容易となると共に、製造コストの削減が図れる。
この発明によれば、上述した回転機用コアを備えることで、励磁巻線の占有率を高めることができ、より多くの励磁巻線を巻回することが可能となる。したがって、ローターの回転トルクを増大させることができる。
本実施形態による回転機1はインナーローターであって、図1から図5に示すように、回転軸2と、回転軸2の外周面に配置されたローター3と、回転軸2の中心軸の軸線周りに設けられたステータ4と、ステータ4の両端に配置されたブラケット5とによって構成されている。
ローターティース12は、ほぼ直方体形状を有しており、複合軟磁性材によって形成されている。なお、この複合軟磁性材の詳細については、後述する。また、ローターティース12は、所定の成形金型を用いて圧粉成形し、必要な熱処理などを行うことにより製造されている。そして、ローターティース12は、ローターティース取付部11の周面にネジ止め固定されており、ローターティース取付部11の周面にネジ止め固定された各ローターティース12の間が、樹脂材料13によってモールドされている。これにより、ローター3の回転時にローターティース12がローターティース取付部11から抜けることを防止する。
一対のステータ分割体21は、ローターティース12と同様に、それぞれ複合軟磁性材によって構成されており、円環ヨーク部(ステータ基材)23と、円環ヨーク部23の内周面から周方向等間隔で円環ヨーク部23の軸心に向かって突出するように設けられた10個のステータティース磁脚部24とによって構成されている。また、一対のステータ分割体21は、ローターティース12と同様に、所定の成形金型を用いて圧粉成形し、必要な熱処理などを行うことにより製造されている。
ステータティース磁脚部24は、突条部25から円環ヨーク部23の軸心に向かって突出するように設けられており、励磁巻線22が巻回されており、ほぼL字状形状を有している。そして、ステータティース磁脚部24の回転軸2の中心軸側の一端には、永久磁石26を取り付ける永久磁石取付凸部27が形成されている。
以上のように、ローター3とステータ4とによって、回転機用コアが形成される。
金属粉末としては、純鉄粉末などの鉄粉末や、シリコン(Si)を0.1〜10重量%含有して残部が鉄及び不可避不純物からなるFe−Si系鉄基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−3%Si粉末)や、Siを0.1〜10重量%、アルミニウム(Al)を0.1〜20重量%含有して残部がFe及び不可避不純物からなるFe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−9%Si−5%Alからなる組成を有するセンダスト粉末)や、Alを0.1〜20重量%含有して残部がFe及び不可避不純物からなるFe−Al系基軟磁性合金粉末(例えば、Fe−15%Alからなる組成を有するアルパーム粉末)や、クロム(Cr)を1〜20重量%含有すると共に必要に応じてAlを5重量%以下、Siを5重量%以下のうちの少なくとも1種を含有して残部がFe及び不可避不純物からなるFe−Cr系鉄基軟磁性合金粉末や、ニッケル(Ni)を35〜85重量%含有すると共に必要に応じてモリブデン(Mo)を5重量%以下、銅(Cu)を5重量%以下、Crを2重量%以下、マンガン(Mn)を0.5重量%以下のうちの少なくとも1種を含有して残部がFe及び不可避不純物からなるニッケル基軟磁性合金粉末や、コバルト(Co)を0.1〜52重量%、バナジウム(V)を0.1〜3重量%含有して残部がFe及び不可避不純物からなるFe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末などを用いることができる。
また、図6(b)に示すように、励磁巻線22に永久磁石26と同極同士となるように交流励磁電流または直流パルス電流を供給した場合には、ローターティース12への磁束の漏洩が生じて電流値が十分に大きくなると閉磁路の磁力線L1から磁力線L2、L3となってローターティース12中に放出される。これにより、ローターティース12がステータティース28に対して吸引される。
以上のように、各励磁巻線22に対して励磁電流または直流パルス電流などを適宜供給し、このような磁気回路に交番磁界を発生させることで、ローター3が軸心回りに回転することとなる。
この回転機40は、中心軸が回転軸心と合致するステータ41と、回転軸心の軸線周りに設けられたローター42と、ローター42の一端に配置されたブラケット43とによって構成されている。
シャフト51は、その中心軸ほぼ中央に、断面ほぼ正十角形であってステータティース52を取り付けるステータティース取付部53が設けられている。
ステータティース52は、上述した第1の実施形態と同様に複合軟磁性材によって形成されており、基端にステータティース取付部53に形成されたアリ溝54と係合するアリ凸部55が形成されている。そして、アリ溝54にアリ凸部55を係合させて接着することによって固定されている。
ローター基材61は、中央にシャフト51を挿通可能な貫通孔63が形成された底部64と、底部64の周縁部からほぼ垂直方向に設けられた周壁部65とによって構成されている。
ローターティース62は、上述した第1の実施形態と同様に複合軟磁性材によって形成されており、周壁部65の内面にネジ止めまたは接着にて固定されている。
例えば、上記第1の実施形態では複合軟磁性材によってローターティース、円環ヨーク部及びステータティースを形成しているが、例えば珪素鋼板などのように両面に絶縁処理を施した鋼板を積層することによって形成してもよい。このとき、一対のステータティース磁脚部とローターティースとの間で回転軸の中心軸を含む平面で磁気回路が形成されると共に、ステータティース磁脚部及び隣接する他の対のステータティース磁脚部とローターティースとの間で回転軸の中心軸に対して垂直な平面で磁気回路が形成される。したがって、これらの磁気回路による渦電流損を低減するために、ローターティース及びステータティースは回転軸の中心軸に対して垂直な方向で複数枚鋼板を積層することで形成し、円環ヨーク部は、回転軸の中心軸方向で複数枚鋼板を積層することで形成する。また、第2及び第3の実施形態においても同様である。
また、ステータティース磁脚部は回転軸の中心軸方向に一対設けられているが、2対以上設けられていてもよい。
4、31、41 ステータ
11 ローターティース取付部(ローター基材)
12 ローターティース
22 励磁巻線
23 円環ヨーク部(ステータ基材)
24、34 ステータティース磁脚部
26 永久磁石
28、52 ステータティース
32 巻回部
33 フランジ部
51 シャフト(ステータ基材)
61 ローター基材
Claims (6)
- 軸心が回転軸心と合致するステータ基材と、該ステータ基材から周方向等間隔で径方向に突出して設けられた複数のステータティースと、該ステータティースに巻回された励磁巻線とを有し、
前記ステータティースが、前記回転軸心に沿って間隙を介して配置された少なくとも一対のステータティース磁脚部と、該一対のステータティース磁脚部の先端を接続する永久磁石部とを備え、
前記励磁巻線が、前記ステータティース磁脚部のうち径方向に突出する部分それぞれに巻回されていることを特徴とするステータ。 - 前記ステータ基材及び前記ステータティース磁脚部が、絶縁性効果物質で被覆した金属粉末を圧粉成形した複合軟磁性材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
- 前記一対のステータティース磁脚部が、前記励磁巻線を巻回する巻回部と、巻回部の先端に設けられたフランジ部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のステータ。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のステータと、
軸心が前記回転軸心に合致するローター基材と、該ローター基材から周方向等間隔で径方向に突出して設けられた複数のローターティースとを有するローターと、を備えることを特徴とする回転機用コア。 - 前記ローターティースが、前記複合軟磁性材によって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の回転機用コア。
- 請求項4または5に記載の回転機用コアを備えることを特徴とする回転機。
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