JP2795871B2 - 薄肉鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

薄肉鋳片の連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ツインドラム方式の連続鋳造機により割れ
の無い薄肉鋳片を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、金属の連続鋳造の分野では、製造コストの切下
げ,新材質の創出等を目的として、最終形状に近い薄肉
鋳片を製造する技術の開発が強く望まれている。この要
求に対して、ツインドラム方式,単ドラム方式,ドラム
−ベルト方式,単ベルト方式,ツインベルト方式等、各
種の方法が提案され、その一部は工業生産のレベルまで
達している。
第2図は、これら連続鋳造方法の一つであるツインド
ラム方式を説明するための概略図である。タンディッシ
ュ1等の中間容器から浸漬ノズル2を介して、一対の冷
却ドラム3a,3bの間に形成されたり湯溜り部4に溶融金
属が供給される。湯溜り部4の溶融金属は、冷却ドラム
3a,3bを介して抜熱され、冷却ドラム3a,3bの周面に凝固
シェルを形成する。この凝固シェルは、冷却ドラム3a,3
bの回転に伴ってキッシングポイント5に送られる間に
成長する。そして、両方の冷却ドラム3a,3b周面に形成
された凝固シェルは、キッシングポイント5で一体化さ
れ、薄肉鋳片6として送り出される。薄肉鋳片6は、ピ
ンチロール7等を経て次工程に搬送される。
この薄肉鋳片6鋳造過程で、冷却ドラム3a,3bの周面
を洗浄状態に維持することが、凝固シェルの生成・成長
を安定化させる上で必要となる。そこで、クリーニング
ブラシ8によって、冷却ドラム3a,3bの周面を磨きなが
ら鋳造する方法が特願昭62−294464号で提案されてい
る。また、ドラムコータ9によってセラミックスを冷却
ドラム3a,3bの周面に吹き付け、緩冷却条件下で凝固シ
ェルを生成・成長させる方法も、特願昭62−3484号で提
案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
キッシングポイント5から送り出された薄肉鋳片6
は、従来の連続鋳造に比較して溶融金属を急冷・凝固さ
せて鋳造したものであり、しかも薄肉であるため、表面
に多数の割れが発生し易い。薄肉鋳片6に割れを発生さ
せる原因としては、冷却ドラム3a,3b周面での不均一凝
固,凝固シェル収縮時の局部的な応力集中,冷却ドラム
3a,3b周面に付着した異物等がある。そのため、これら
割れ発生原因を取り除き、品質の優れた薄肉鋳片6を製
造するため、これまでに種々の提案がされている。
しかし、薄肉鋳片に割れが発生する原因としては、前
述した鋳造条件の他に、鋳造される溶融金属自体に起因
するものがあることを本発明者等は見出した。たとえ
ば、溶鋼に硫化物系の非金属介在物があるとき、この非
金属介在物が割れの起点となって、鋳造された薄肉鋳片
に多数の微少割れを誘発させる。この傾向は、特にステ
ンレス溶鋼の場合に顕著に見られる。
そこで、本発明は、注湯されるステンレス溶鋼に対し
て特定された調整を施すことにより、不純物を除去或い
は無害化し、溶融状態から凝固する際に割れ発生の起点
となる核を減少させ、割れのない薄肉鋳片を製造するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の連続鋳造方法は、その目的を達成するため、
Si及び/又はMnで脱酸・溶製したステンレス溶鋼をタン
ディッシュに注湯した後、溶存酸素濃度が150ppm以下に
なるまでAl,Ti,Zrの一種又は二種以上を添加し、次いで
CaSi合金,CaNi合金,CaMg合金,Ca−希土類系合金の一種
又は二種以上を添加して溶鋼のCa濃度を5〜80ppmと
し、調整されたステンレス溶鋼をツインドラム式連続鋳
造機の湯溜り部に注入することを特徴とする。
〔作用〕
旧来の連続鋳造に比較して、溶融金属から薄肉鋳片を
直接製造するツインドラム方式等の連続鋳造方法におい
ては、溶融金属の降温が急激に行われる。そのため、溶
融金属に含まれている不純物は、溶融金属が冷却ドラム
を介して抜熱される際に、多数の微細粒子として析出す
る。たとえば、S,P等は、Fe,Cr,Ni,Mn,O等と反応して非
金属介在物となる。この非金属介在物は、マトリックス
と物性が異なり、凝固シェルの生成・成長及び冷却・収
縮が行われるとき、析出した非金属介在物の周囲に応力
が集中し易くなる。この応力集中が、鋳造された薄肉鋳
片に微少な割れを発生させる原因であると考えられる。
この微少割れを解消するためには、非金属介在物の析
出を抑制すること、及び析出した場合にあっても無害な
形態にすることが必要である。この点から、本発明にお
いては、ステンレス溶鋼の調整条件を調査した。
通常のステンレス溶綱は、溶存酸素700〜1500ppm,溶
存水素3〜13ppm,S30〜150ppm,P100〜400ppm程度の不純
物元素を含有している。そこで、前段階として、転炉,
取鍋等においてステンレス溶鋼を脱酸・溶製し、溶存酸
素150〜300ppm,溶存水素3〜13ppm,S30〜150ppm,P100〜
400ppmに調整する。このときの脱酸・溶製条件は、後続
するタンディッシュでの脱酸やカルシウム系合金の添加
を考慮して、前述した範囲に定められる。
脱酸・溶製されたステンレス溶鋼は、タンディッシュ
に注湯された後、Al,Ti,Zr等の添加により溶存酸素濃度
150ppm以下に脱酸される。たとえば、Alを添加したと
き、溶存酸素は、Alと反応し、Al2O3となって溶鋼から
浮上分離する。ところで、ステンレス溶鋼においては、
溶存酸素が150ppm超となると、次に添加するCa系添加剤
中のCaが酸素と反応してCaOを形成してしまい、SやP
との反応が促進しなくなるため、Ca系添加剤の添加前に
は溶存酸素濃度を150ppm以下に抑える必要がある。
このように、溶存酸素濃度150ppm以下に調整されたス
テンレス溶鋼に、CaSi,CaNi,CaMg,Ca−希土類等の合金
を添加する。このCa系添加剤は、ステンレス溶鋼に依然
として残存する酸素をカルシウムアルミネートとして固
定する。また、SはCaSとして固定され、MnSの析出が無
くなるために、割れに対して有害な硫化物であるMnSの
影響が無くなる。さらに、Pも僅かではあるがCaPとし
て固定され、有害な(Fe,Mn)Pの生成が抑えられる。
このO,S,P等の悪影響を抑えるためには、Ca系添加剤
で処理した後のステンレス溶鋼に含まれるCaを10〜30pp
mにすることが必要である。ここで、Caを10〜30ppm溶鋼
中に残留させる理由は、MnSや(Fe,Mn)Pの生成温度
が、前者では1400℃程度,後者では1200℃程度とステン
レス鋼の凝固温度よりも低く、それに比べてCaSの生成
温度は1500℃以上と溶鋼中ですでに生成しているためで
ある。すなわち、CaSを生成させ浮上させても、なお平
衡的に溶存するSがあるため、凝固後に生じる析出物を
固定するには溶存Caが必要である。なお、Pは、一部Ca
で固定されているが、全てCaで固定されているとは考え
にくく、一部の固定でも割れ防止には効果が出ていると
考えられる。
このように、本発明に従って調整されたステンレス溶
鋼は、応力集中が起こり易い核の析出が抑えられる。そ
の結果、鋳造された薄肉鋳片は、微細割れのない優れた
品質の製品となる。
〔実施例〕
SUS304組成をもつ温度1490℃のステンレス溶鋼から、
第2図に示したツインドラム方式の連続造機を使用し、
板幅800mm,肉厚2mmの薄肉鋳片を鋳造速度80m/分で鋳造
した。第1表は、各段階におけるステンレス溶鋼の清浄
度及び鋳造された薄肉鋳片に発生した微細割れを示す。
なお、微細割れは、鋳片を酸洗した後、10mごとに1mの
鋳片をサンプリングし目視で観察し、その総長が0.5m/m
2以上発生しているものを×,0.1〜0.5m/m2発生している
ものをΔ,0.01〜0.1m/m2発生しているものを○,微細割
れが0.01m/m2以下のものを◎で評価した。また、脱酸剤
としてはAlを使用したが、Ti,Zr系脱酸剤を使用した場
合にも同様な結果が得られた。
第1表から明らかなように本実施例においては、鋳造
された薄肉鋳片に含まれているO,Sが微量で、かつP濃
度も低下しており、微細割れが極めて少なくなっている
ことが判る。これに対して、比較的多量のO,S,Pを含む
鋳片にあっては、大きな非金属介在物が析出し、その周
囲に微細割れが発生していた。
また、鋳造された薄肉鋳片に含まれているCa含有量と
割れとの関係を調べたところ、第1図に示すような関係
にあることが判った。なお、第1図において、割れ発生
指数は、薄肉鋳片1m2当りの割れ長さ(m)で示してい
る。第1図から明らかなように、Ca処理による効果は、
Ca含有量が5ppmを超えると顕著に現れる。しかし、鋳片
に多量のCaを含有させることは、高価なCa系添加剤を消
費するばかりか、CaO系のスラグが鋳片をドラムの間に
巻き込み、却って割れ発生を助長させることになる。こ
の点から、Ca処理された後のステンレス溶鋼におけるCa
含有量を5〜80ppmと規定した。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明においては、湯溜り部
に注湯される前のステンレス溶鋼に対して特定された条
件下で脱酸等の処理を行うことにより、溶鋼から凝固シ
ェルが生成・成長するときに割れ発生の核となる酸化
物,硫化物等の析出を抑えている。これによって、割れ
の少ない薄肉鋳片を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は薄肉鋳片のCa含有量と割れ発生の関係を表した
グラフ、第2図はツインドラム方式の連続鋳造装置を示
す概略図である。 1:タンディッシュ、2:浸漬ノズル 3a,3b:冷却ドラム、4:湯溜り部 5:キッシングポイント、6:薄肉鋳片 7:ピンチロール、8:クリーニングブラシ 9:ドラムコータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−156711(JP,A) 特開 昭64−11925(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 7/00 C21C 7/04 B22D 11/06 330

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si及び/又はMnで脱酸・溶製したステンレ
    ス溶鋼をタンディッシュに注湯した後、溶存酸素濃度が
    150ppm以下になるまでAl,Ti,Zrの一種又は二種以上を添
    加し、次いでCaSi合金,CaNi合金,CaMg合金,Ca−希土類
    系合金の一種又は二種以上を添加して溶鋼のCa濃度を5
    〜80ppmとし、調整されたステンレス溶鋼をツインドラ
    ム式連続鋳造機の湯溜り部に注入することを特徴とする
    薄肉鋳片の連続鋳造方法。
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