JP2792442B2 - 鋼板表面の砥石掛け方法および装置 - Google Patents

鋼板表面の砥石掛け方法および装置

Info

Publication number
JP2792442B2
JP2792442B2 JP21212294A JP21212294A JP2792442B2 JP 2792442 B2 JP2792442 B2 JP 2792442B2 JP 21212294 A JP21212294 A JP 21212294A JP 21212294 A JP21212294 A JP 21212294A JP 2792442 B2 JP2792442 B2 JP 2792442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
steel plate
steel sheet
width
grindstone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21212294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0854326A (ja
Inventor
敦史 川口
孝 島田
久男 海老原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Ltd
Priority to JP21212294A priority Critical patent/JP2792442B2/ja
Publication of JPH0854326A publication Critical patent/JPH0854326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2792442B2 publication Critical patent/JP2792442B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼板の検査工程にお
いて、鋼板表面の微小欠陥の判定に使用される、鋼板の
砥石掛け方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷延鋼板あるいはメッキ鋼板の
表面には、その製造工程において種々の点状、線状ある
いは面上の形態を有する凹凸状欠陥が発生する場合があ
る。これらの欠陥は、その検査工程において、欠陥の有
無、欠陥のグレ−ドを判定するにあたり、主として鋼板
を走行させながら目視または欠陥検出計によって行って
いる。しかしながら、これらの欠陥の内、微小な欠陥に
ついては、鋼板を停止した上で検査員が鋼板表面の砥石
掛け作業を行ない、欠陥を明瞭にして欠陥判定を行なっ
ている。
【0003】砥石掛け作業を、図13〜16によって説
明する。砥石掛け作業は、砥石により鋼板表面を軽度に
研削する作業である。図13および14において、1は
鋼板、2は砥石、3は鋼板表面上の微小凸状欠陥、4は
微小凹状欠陥であり、図13および14はそれぞれ、凸
状欠陥および凹状欠陥を有する鋼板1の表面を砥石2に
より研削する直前の状態を示す縦断面図である。図15
および16は、図13および14中の鋼板1を砥石掛け
した後の状態を示すもので、図中、5は、砥石によって
研削された部位(研削部)、5’は、砥石掛けによって
も研削されなかった非研削部を示す。即ち、鋼板表面を
砥石掛けすることにより、研削部5と非研削部5’との
光沢の差異から、鋼板表面の微小欠陥の存在を明確に
し、その判別が可能となる。
【0004】図17は、線状欠陥に対して砥石掛けした
場合の砥石稼働面の中心点の軌跡を示す平面図である。
同図中、11は鋼板長さ方向の線状欠陥、12は鋼板幅
方向の線状欠陥であり、両タイプの線状欠陥が同一鋼板
表面に存在する場合である。前述の研削部と非研削部と
の間に表面粗さの差異を明瞭につけるために、いずれの
タイプの線状欠陥に対しても砥石掛けの軌跡を、同図中
に実線で示したように欠陥に対して直交させ、研削量を
一定とし且つ1往復間の送り量を一定とするように砥石
掛けをすることが望ましい。
【0005】しかしながら、この砥石掛け作業は、鋼板
上に検査員が乗って行なうため、鋼板の走行を停止させ
なければならず、検査能率が低下する。また、人手作業
であることから、微小欠陥の判定のための均一な砥石掛
け作業には熟練を要する。更に、砥石掛け作業は重労働
であり、その作業そのものの解消が望まれていた。
【0006】これらの問題を解決するため、砥石掛け作
業の機械化を図った技術として、図18〜22に示すよ
うな各種の砥石掛け装置が提案されている。図18は、
実開昭61−148558号公報(以下、先行技術1と
いう)に、図19は、実開平2−63957号公報(以
下、先行技術2という)に開示された装置である。先行
技術1および2は、検査ラインを停止することなく、砥
石を板幅方向に移動ならしめる機構と、砥石を鋼板に押
しつける機構とを有する砥石掛け装置である。
【0007】図20および21は、実開昭59−183
745号公報(以下、先行技術3という)、図22は、
実開昭63−7450号公報(以下、先行技術4とい
う)に開示された装置である。先行技術3および4は、
砥石の代わりにサンドペ−パ−を用いて、砥石掛け作業
を行なう装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の砥石掛け装置においては、以下に示す問題があ
る。先行技術1および2においては、鋼板を走行させな
がら砥石掛けを行なうため、砥石掛けの軌跡が鋼板表面
の線状欠陥と直交せず、また、板幅方向に線状欠陥が存
在する場合には、その欠陥の判定が不可能になるという
問題がある。更に、鋼板の幅側端近傍の砥石掛けについ
ては、鋼板に対する砥石の押付け力により鋼板が著しく
たわみ、砥石可動面が鋼板表面に十分接触しないため、
鋼板幅側端近傍は均一に研削されないという問題があ
る。
【0009】先行技術3および4では、鋼板表面は鋼板
長さ方向にのみ研削されるので、鋼板長さ方向の欠陥の
判定をすることができない。更に、鋼板の幅側端近傍の
砥石掛けに関しては、鋼板の幅側端線によって押し付け
られた場所でサンドぺ−パ−が著しく損傷し、そのラン
ニングコストが莫大となる問題がある。
【0010】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、鋼板表面の、特に、幅側端近傍部分を、長さ
方向および幅方向に均一に砥石掛けを行なうことができ
る鋼板表面の砥石掛け方法およびその装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述した
問題を解決する手段として、図1および図2に示す鋼板
の砥石掛け装置を開発した。図1は、この発明の方法を
実施するために使用される装置の概略側面図であり、図
2は、砥石が押付け機構を介してハンドに連結された1
態様を示す概略側面図である。図1および図2に示すよ
うに、この装置は多軸ロボット6にア−ム7を設け、ア
−ム7の先端にハンド8を設け、そしてハンド8には、
押付け機構9が設けられ、押付け機構9を介して砥石2
が設けられている。多軸ロボット6は、表面を研削する
鋼板1の表面上の直交する2方向および鋼板表面に対す
る法線方向の、少なくとも3方向の自由度を有する。ハ
ンド8は、少なくとも鋼板表面に対する法線方向の自由
度を有し、そして押付け機構9は前記法線方向に対して
所定の押付け力を有する。更に、砥石掛けした後、欠陥
検出センサ−を設置することができる。
【0012】上記のように構成された装置は、本発明者
等が先に、特願平5−353268号において提案した
ように、鋼板表面を研削しつつ移動する砥石の、鋼板表
面上の軌跡を所定の範囲内に定めることにより、ライン
停止時間を最短にすることが可能となり、設備設置スペ
−スも狭く、設備費を安くし、且つ省力化を図ることが
できる。更に、本発明者等が先に、特願平5−3532
67号において提案したように、鋼板表面に対する法線
方向の押付け力を、砥石可動面の幅と鋼板の引張強度と
をパラメ−タ−とした所定値に設定することにより、研
削ムラを解消することができ、且つ鋼板表面の形状に追
随可能で、一定量の研削が行なえるので、均一な砥石掛
けを可能ならしめ、微小欠陥の検査精度向上に寄与す
る。
【0013】しかしながら、上記砥石掛け装置によって
鋼板の砥石掛けを実施した結果、本発明者等は下記の課
題を見い出した。図6は、図1に示した砥石掛け装置に
よる鋼板表面上の砥石掛けの軌跡の1例を示す平面図で
ある。同図中、1は鋼板、2は砥石であり、図形ABC
Dによって囲まれた部分が砥石掛けを要する範囲であ
り、Pは砥石掛けの軌跡、Wは鋼板幅方向へ進行中の砥
石2の砥石稼働面の幅である。
【0014】図7〜9は、鋼板表面を砥石で研削中の砥
石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横断面図で
あって、図7、8および9はそれぞれ、図6中の砥石2
が鋼板1の幅側端の点D近傍、中央部および幅側端の点
Aの近傍にある時のEE線断面図である。砥石が鋼板幅
の中央部にある時は、図8からわかるように、砥石稼働
面全体が鋼板表面と接触するので、鋼板表面は均一に砥
石掛けされる。しかしながら、砥石が鋼板の幅側端近傍
にある時は、砥石を鋼板表面に対して押しつけると鋼板
の幅側端近傍が下方にたわむので、その部分の鋼板表面
に砥石可動面が十分接触しないため、鋼板表面を均一に
研削することは困難である。
【0015】上記課題を解決するために、本発明者等は
鋭意研究を重ね、以下のようにして鋼板の幅側端近傍の
表面を均一に砥石掛けすることが可能となった。即ち、
この発明による鋼板表面の砥石掛け方法は、長さ方向に
所定の張力で支持された鋼板の表面の少なくとも1方の
面に前記砥石を接触させつつ移動させて、前記鋼板の表
面を研削する方法において、前記鋼板の幅方向に砥石を
移動させて研削する場合には、前記鋼板の幅側端よりも
外側へ砥石稼働面がはみ出す位置まで移動させ、次いで
その位置から反対方向に移動させることを繰り返し行な
い、且つ、前記砥石稼働面の前記はみ出し部分の前記鋼
板幅方向の長さを、前記砥石稼働面の前記鋼板幅方向の
全長の5分の1(1/5)以上とし、前記鋼板の長さ方
向に前記砥石を移動させて研削する場合において、前記
鋼板の幅側端近傍を研削するときは、前記砥石稼働面の
幅側端を前記鋼板の幅側端に重ねつつ、且つ、前記砥石
稼働面を前記鋼板表面に接触させて研削することに特徴
を有するものである。
【0016】この発明による鋼板表面の砥石掛け装置
は、少なくとも互いに直交する3軸方向に自由度を有す
る移動機構と、前記移動機構に設けられたア−ムと、前
記ア−ムの先端に連結されたハンドと、押付け機構を介
して前記ハンドに設けられた砥石と、を備え、前記ア−
ムは、前記砥石稼働面の全体が、前記鋼板の幅側端の外
側へはみ出す位置まで移動可能なストロ−クを有するこ
とに特徴を有するものである。
【0017】また、更に、前記ハンドは、その軸線の廻
りの所定の回転角度に、前記砥石を回転させ停止させ保
持する機構を有することに特徴を有するものである。
【0018】
【作用】この発明による鋼板表面の砥石掛け方法におい
ては、鋼板の幅方向に砥石掛けする場合に、鋼板の幅側
端よりも外側へ砥石稼働面の1部分がはみ出す位置まで
移動させて鋼板表面を研削する。図10は、本発明法に
より鋼板表面を幅方向に砥石掛けする場合であって、鋼
板幅側端近傍を砥石掛けする場合の、砥石稼働面と鋼板
の幅側端近傍表面との接触状態を説明する横断面図であ
る。同図において、1’は鋼板の幅側端近傍表面、2’
は砥石稼働面、Lは砥石稼働面の鋼板幅方向の全長(以
下、砥石稼働面長さという)、L’は砥石稼働面の鋼板
幅側端からのはみ出し長さ(以下、砥石稼働面のはみ出
し長さという)である。本発明においては、砥石稼働面
のはみ出し長さ(L’)が、砥石稼働面長さ(L)の1
/5以上となるように、砥石を鋼板幅側端からはみ出す
位置まで移動させる。このため、鋼板の幅側端近傍表面
1’は、砥石稼働面2’と確実に接触し、鋼板の幅側端
近傍表面が均一に砥石掛けされ、研削される。
【0019】次に、鋼板表面を長さ方向に砥石掛けする
場合であって、鋼板の幅側端近傍を砥石掛けするとき
は、砥石稼働面の幅側端を鋼板の幅側端に重ねつつ、且
つ、砥石稼働面を鋼板表面と接触させて研削する。図1
1は、本発明法によって、鋼板表面の幅側端近傍を鋼板
長さ方向に砥石掛けする場合の、砥石稼働面と鋼板の幅
側端近傍表面との接触状態を説明する横断面図である。
同図において、Wは砥石稼働面2’の幅であり、砥石2
は、鋼板1の表面と接触しつつ紙面に垂直な方向に移動
する。同図に示した状態で鋼板表面を砥石掛けするた
め、鋼板の幅側端近傍表面1’は、砥石稼働面2’と十
分に接触し、鋼板の幅側端近傍表面が均一に砥石掛けさ
れ、研削される。
【0020】鋼板の幅側端近傍を砥石掛けする場合、鋼
板幅方向に砥石掛けするよりも鋼板長さ方向に砥石掛け
するときの方が、その部分の鋼板のたわみが大きいにも
かかわらず、上述した本発明法により十分均一に研削す
ることができる。
【0021】なお、図12は、本発明の範囲外の方法で
鋼板表面の幅側端近傍を鋼板長さ方向に砥石掛けする場
合の、砥石稼働面と鋼板の幅側端近傍表面との接触状態
を説明する横断面図である。これは、砥石稼働面2’の
第1幅側端線2”が鋼板の幅側端線の外側へはみ出した
状態で砥石掛けする場合である。このような場合は、砥
石稼働面2’の第2幅側端線(所謂、砥石のエッジ)2
*が鋼板表面と線接触となり、同図からわかるように非
砥石掛け部分が発生し、鋼板の幅側端近傍表面が均一に
砥石掛けされない。
【0022】次に、本発明装置の作用について説明す
る。本発明装置は、前述した図1および2のように、長
さ方向に所定の張力で支持された鋼板の表面に砥石を接
触させ、鋼板表面の所定の方向へ移動させることができ
る。砥石は、押付け装置を介してハンドに設けられてい
るので、所定の押付け力で鋼板表面を研削することがで
きる。その際、ハンドは、少なくとも互いに直交する3
軸方向に自由度を有する移動機構に設けられたア−ムの
先端に連結されており、ア−ムは、砥石稼働面が、鋼板
の幅側端の外側へはみ出す位置まで移動可能なストロ−
クを有するので、鋼板表面の全域を砥石で研削すること
ができる。そして、鋼板を幅方向に砥石掛けし、砥石が
幅側端近傍に来たとき、砥石の押付け力により鋼板のそ
の部分がたわんだ場合でも、所定の長さだけ砥石可動面
をはみ出させることにより鋼板を均一に研削することが
できる。
【0023】更に、砥石は、ハンドの軸線の廻りの所定
の回転角度に回転させ停止させることができるので、鋼
板表面を長さ方向に砥石掛けするとき、砥石稼働面の幅
側端線を鋼板の幅側端線に重ねつつ砥石掛けすることが
できるので、砥石稼働面の全面を鋼板表面に接触させる
ことができる。従って、鋼板幅側端近傍の鋼板表面を均
一に研削することができる。
【0024】本発明装置の他の実施態様について説明す
る。図5は、本発明の鋼板表面砥石掛け装置の実施態様
の1例を示す概略斜視図である。19は固定フレ−ム、
20は移動フレ−ム、21は移動ボックス、22はロ−
ラ、2は砥石、7はア−ム、8はハンドである。図5の
砥石掛け装置は、固定フレ−ム19の上端部にこれと垂
直方向に移動フレ−ム20を設け、その内部に移動ボッ
クス21を設け、移動ボックス21は、ア−ム7を介し
てハンド8および砥石2を支持している。ア−ム7は、
移動ボックス21内に設けられたスクリュ−ジャッキ機
構により昇降可能となっている。一方、固定フレ−ム1
9の下端部には、これと垂直方向に設けられた2本のロ
−ラ22が、ベアリンングボックス(図示せず)を介し
て回転自在に軸支されており、長さ方向に張力をかけら
れた鋼板1を2本のロ−ラ22で支持することができ
る。
【0025】砥石2は、図2に示したものと同じ押付け
機構9を介してハンド8に設けられており、ハンド8は
鉛直方向に延びたア−ム7を介して移動ボックス21に
連結されている。移動ボックス21は、移動フレ−ム2
0上に鋼板1の幅方向に敷設されたリニアガイド(図示
せず)の上を走行するための車輪を有し、駆動モ−タ
(図示せず)に連結されている。また、移動フレ−ム2
0は、固定フレ−ム19上に鋼板1の長さ方向に敷設さ
れたリニアガイド(図示せず)の上を走行するための車
輪を有し、駆動モ−タ(図示せず)に連結されている。
【0026】移動ボックス21の鋼板幅方向の可動スト
ロ−クは、鋼板1の最大幅寸法と砥石可動面長さの2倍
との和以上の距離を有する。また、ハンド8とア−ム7
とは旋回ギア機構で連結されているので、砥石2を、ア
−ム7の軸線の廻りの任意の回転角度の方向に回転させ
停止させ、その方向に保持することができる。この実施
態様の砥石掛け装置は、以上のように構成されているの
で、鋼板表面を砥石により所定の押付け力により、鋼板
の長さ方向または幅方向に研削することができる。しか
も、鋼板を幅方向に砥石掛けする際、所定の長さだけ砥
石可動面をはみ出させることにより鋼板を均一に研削す
ることができる。また、鋼板を長さ方向に砥石掛けする
とき、砥石稼働面の幅側端を鋼板の幅側端に重ねつつ砥
石掛けすることができるので、鋼板幅側端近傍の鋼板表
面を均一に研削することができる。
【0027】
【実施例】次に、この発明を実施例により、図を参照し
ながら詳細に説明する。
【0028】〔実施例1〕冷間タンデム圧延機によって
冷間圧延された冷延鋼帯を、検査ラインで鋼板長さ方向
に所定の張力で支持し、鋼板表面の砥石掛け装置によっ
て鋼板の表面に砥石を接触させ、鋼板の幅方向に砥石を
直線的に多数回往復移動させた。砥石は、鋼板の幅側端
から外側へ砥石稼働面の1部がはみ出す位置まで移動さ
せた後折り返させた。砥石稼働面のはみ出し長さ
(L’)は、0〜150mmの範囲内において10mm
刻みで変化させ、各条件で砥石掛けした場合の鋼板表面
の研削状況を目視観察した。
【0029】鋼板表面の砥石掛け装置としては、前述し
た図1および図2に示した装置を、検査ラインの1方の
側面にセットして使用した。図2中の押付け機構9とし
ては、内部に空気10が封入されたゴム製のチュ−ブに
よって構成されたものを用いた。
【0030】砥石の移動速度は鋼板の幅方向に1.5m
/sec、砥石掛け中の鋼板の長さ方向送りピッチは、
15mmであり、鋼板の板幅は1000mmである。そ
の結果、鋼板表面上の砥石の軌跡は図6に示した軌跡
(P)パタ−ンを描いた。
【0031】表1に研削した鋼板および研削に用いた砥
石の諸元を示す。
【0032】
【表1】
【0033】上記砥石掛け試験結果を、図3にまとめ
た。同図は、鋼板表面を板幅方向に砥石掛けした場合
の、鋼板幅側端近傍の表面研削不良部の幅に及ぼす、砥
石稼働面のはみ出し長さの影響を示すグラフである。同
図からわかるように、砥石稼働面のはみ出し長さが30
mm未満の場合には、研削不良部の幅が広いが、砥石稼
働面のはみ出し長さを40mm以上にすると、研削不良
部の幅は5mm以内と狭く良好になる。ここで、砥石稼
働面のはみ出し長さ40mは、砥石稼働面全長200m
mの1/5に相当する。
【0034】〔実施例2〕冷間タンデム圧延機によって
冷間圧延された冷延鋼帯を、検査ラインで鋼板長さ方向
に所定の張力で支持し、鋼板表面の砥石掛け装置によっ
て鋼板の表面に砥石を接触させ、鋼板の長さ方向に砥石
を直線的に多数回往復移動させた。砥石稼働面の中心点
の鋼板表面上の軌跡は、図17に示した鋼板長さ方向の
砥石掛けの場合(同図中の右側)のパタ−ンと同じであ
る。砥石掛け中、鋼板表面の幅側端近傍を砥石掛けする
ときは、砥石稼働面が鋼板側端から外側へはみ出さない
状態の場合から、砥石稼働面が所定幅だけ鋼板側端から
はみ出す状態の場合までの間で、はみ出し幅の水準を5
mm刻みで変化させ、鋼板表面の研削状況を目視観察し
た。
【0035】鋼板表面の砥石掛け装置としては、前述し
た図1および図2に示した装置を、検査ラインの1方の
側面にセットして使用した。図2中の押付け機構9とし
ては、内部に空気10が封入されたゴム製のチュ−ブに
よって構成されたものを用いた。
【0036】砥石の移動速度は鋼板長さ方向に1.5m
/sec、砥石掛け中、鋼板の送りは停止させた。な
お、砥石の鋼板幅方向への送りピッチは15mmであ
る。使用した砥石掛け装置は、実施例1で使用したもの
と同一である。この砥石掛け試験においては、砥石の長
辺を砥石掛けの方向(鋼板の長さ方向)に平行にセット
した。研削した鋼板および研削に用いた砥石の諸元は前
記表1に示した通りである。
【0037】上記鋼板の砥石掛け試験結果を、図4にま
とめた。同図は、鋼板表面を鋼板長さ方向に砥石掛けし
た場合の、鋼板幅側端近傍の表面研削不良部の幅に及ぼ
す、砥石稼働面のはみ出し幅の影響を示すグラフであ
る。同図からわかるように、砥石稼働面が鋼板幅側端か
ら5mm以上はみ出すと、研削不良部の幅が大きくなる
が、砥石稼働面のはみ出し幅をなくして砥石稼働面の幅
側端を鋼板の幅側端に合わせると、研削不良部の幅は1
0mm未満と狭く良好になる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
鋼板表面を、鋼板の幅方向に砥石掛けする場合、あるい
は鋼板の長さ方向に砥石掛けする場合のいずれにおいて
も、特に幅側端近傍の表面を均一に研削することができ
るので、その部分に発生する微小な表面欠陥の検出精度
の向上を図ることができ、鋼板の表面品質保証体制のレ
ベルアップを図ることができる、工業上有益な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の砥石掛け装置の1実施態様を示す概
略側面図である。
【図2】図1中のハンドの構成を示す概略側面図であ
る。
【図3】この発明の範囲内および範囲外の鋼板表面の砥
石掛け方法により、板幅方向に砥石掛けした場合の、鋼
板幅側端近傍の表面研削不良部の幅に及ぼす、砥石稼働
面のはみ出し長さの影響を示すグラフである。
【図4】この発明の範囲内および範囲外の鋼板表面の砥
石掛け方法により、鋼板長さ方向に砥石掛けした場合
の、鋼板幅側端近傍の表面研削不良部の幅に及ぼす、砥
石稼働稼働面のはみ出し幅の影響を示すグラフである。
【図5】この発明の砥石掛け装置の他の実施態様を示す
概略斜視図である。
【図6】図1に示した砥石掛け装置による、鋼板表面上
の砥石掛けの軌跡の1例を示す概略平面図である。
【図7】従来の鋼板表面の砥石掛け方法により、鋼板幅
方向に砥石掛けした場合の、1方の鋼板幅側端近傍にお
ける砥石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横断
面図である。
【図8】この発明の鋼板表面の砥石掛け方法により、鋼
板幅方向に砥石掛けした場合の、鋼板幅中央部における
砥石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横断面図
である。
【図9】従来の鋼板表面の砥石掛け方法により、鋼板幅
方向に砥石掛けした場合の、他方の鋼板幅側端近傍にお
ける砥石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横断
面図である。
【図10】この発明の鋼板表面の砥石掛け方法により、
鋼板幅方向に砥石掛けした場合の、鋼板幅側端近傍にお
ける砥石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横断
面図である。
【図11】この発明の鋼板表面の砥石掛け方法により、
鋼板長さ方向に砥石掛けした場合の、鋼板幅側端近傍に
おける砥石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横
断面図である。
【図12】従来の鋼板表面の砥石掛け方法により、鋼板
長さ方向に砥石掛けした場合の、鋼板幅側端近傍におけ
る砥石稼働面と鋼板表面との接触状態を示す概略横断面
図である。
【図13】表面疵を有する鋼板の表面を砥石掛けする直
前の鋼板表面および表面疵、並びに砥石稼働面の状態の
1例を示す概略縦断面図である。
【図14】表面疵を有する鋼板の表面を砥石掛けする直
前の鋼板表面および表面疵、並びに砥石稼働面の状態の
他の例を示す概略縦断面図である。
【図15】図13の状態の鋼板表面を砥石掛けした後の
状態を示す概略縦断面図である。
【図16】図14の状態の鋼板表面を砥石掛けした後の
状態を示す概略縦断面図である。
【図17】鋼板の長さ方向の表面線状欠陥、および鋼板
の幅方向の表面線状欠陥を有する鋼板の、この発明の方
法による表面砥石掛けの軌跡の1例を示す概略平面図で
ある。
【図18】先行技術1を示す概略斜視図である。
【図19】先行技術2を示す概略正面図である。
【図20】先行技術3を示す概略正面図である。
【図21】先行技術3を示す概略側面図である。
【図22】先行技術4を示す概略斜視図である。
【符号の説明】 1 鋼板、 1’鋼板の幅側端近傍表面、 2 砥石、 2’砥石稼働面、 2”砥石稼働面の第1幅側端線、 2* 砥石稼働面の第2幅側端線、 3 微小凸状欠陥、 4 微小凹状欠陥、 5 研削部、 5’非研削部、 6 多軸ロボット、 7 ア−ム、 8 ハンド、 9 押付け機構、 10 空気、 11 長さ方向表面線状疵、 12 幅方向表面線状疵、 13 ベルトサンダ−、 14 押付けシリンダ−、 15 トラバ−スシリンダ−、 16 バネ、 17 サンドペ−パ−ロ−ル、 18 砥石掛け装置、 19 固定フレ−ム、 20 移動フレ−ム、 21 移動ボックス、 22 ロ−ラ、 23 支持台、 24 弾性体、 25 ロ−ル、 26 モ−タ−、 27 歯車、 L 砥石稼働面長さ、 L’ 砥石稼働面のはみ出し長さ、 W 砥石稼働面の幅、 P 砥石掛けの軌跡、 図形ABCD 砥石掛け範囲。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−186035(JP,A) 特開 平7−186036(JP,A) 実開 平2−63957(JP,U) 実開 昭63−7450(JP,U) 実開 昭61−148558(JP,U) 実開 昭59−183745(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 1/32 B24B 7/12 B24B 27/033

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に所定の張力で支持された鋼板
    の表面の少なくとも1方の面に砥石を接触させつつ移動
    させて、前記鋼板の表面を研削する方法において、 前記鋼板の幅方向に前記砥石を移動させて研削する場合
    には、前記鋼板の幅側端よりも外側へ砥石稼働面がはみ
    出す位置まで移動させ、次いでその位置から反対方向に
    移動させることを繰り返し行ない、且つ、前記砥石稼働
    面の前記はみ出し部分の前記鋼板幅方向の長さを、前記
    砥石稼働面の前記鋼板幅方向の全長の5分の1以上と
    し、 前記鋼板の長さ方向に前記砥石を移動させて研削する場
    合において、前記鋼板の幅側端近傍を研削するときは、
    前記砥石稼働面の幅側端を前記鋼板の幅側端に重ねつ
    つ、且つ、前記砥石稼働面を前記鋼板表面に接触させて
    研削することを特徴とする、鋼板表面の砥石掛け方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも互いに直交する3軸方向に自
    由度を有する移動機構と、前記移動機構に設けられたア
    −ムと、前記ア−ムの先端に連結されたハンドと、押付
    け機構を介して前記ハンドに設けられた砥石と、を備
    え、 前記ア−ムは、前記砥石稼働面の全体が、前記鋼板の幅
    側端の外側へはみ出す位置まで移動可能なストロ−クを
    有することを特徴とする、鋼板表面の砥石掛け装置。
  3. 【請求項3】 前記ハンドは、その軸線の廻りの所定の
    回転角度に、前記砥石を回転させ停止させ保持する機構
    を有することを特徴とする請求項2記載の鋼板表面の砥
    石掛け装置。
JP21212294A 1994-08-12 1994-08-12 鋼板表面の砥石掛け方法および装置 Expired - Fee Related JP2792442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21212294A JP2792442B2 (ja) 1994-08-12 1994-08-12 鋼板表面の砥石掛け方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21212294A JP2792442B2 (ja) 1994-08-12 1994-08-12 鋼板表面の砥石掛け方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0854326A JPH0854326A (ja) 1996-02-27
JP2792442B2 true JP2792442B2 (ja) 1998-09-03

Family

ID=16617251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21212294A Expired - Fee Related JP2792442B2 (ja) 1994-08-12 1994-08-12 鋼板表面の砥石掛け方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2792442B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023068848A1 (ko) * 2021-10-20 2023-04-27 주식회사 포스코 강판의 표면검사장치

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105856035B (zh) * 2016-05-20 2018-02-06 王恒标 钢材表面杂屑磨除装置
CN109648440A (zh) * 2019-01-22 2019-04-19 安徽理工大学 一种用于生锈钢板的打磨装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023068848A1 (ko) * 2021-10-20 2023-04-27 주식회사 포스코 강판의 표면검사장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0854326A (ja) 1996-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6419443B2 (en) Glass product machining apparatus
CN101486167A (zh) 通过转动的修整工具修整加工轮的装置和方法以及具有这种装置的加工工具
JP2000061787A (ja) 研削盤
JP2792442B2 (ja) 鋼板表面の砥石掛け方法および装置
US20180306684A1 (en) Device for detection of defects in strips
JPH0890397A (ja) 鋼板の微小欠陥検出用砥石掛け構造
JPH0760626A (ja) ガラス板の加工装置
JP3704846B2 (ja) 圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法および装置
JPH05306977A (ja) ストリップ欠陥検査用自動砥石掛装置
JP3786238B2 (ja) オンラインロール研削方法及び装置
JPH07186035A (ja) 鋼板の砥石掛方法
JPH11333678A (ja) 圧延鋼板の表面検査用砥石掛け方法
JP3029956B2 (ja) オンラインロール研削方法
JPH07256542A (ja) 断面円形工作物の研摩装置
KR102530027B1 (ko) 스트립 표면 결함 검사용 연마 장치
JPH07156055A (ja) 鋼板の表面疵自動研削装置
JPH07186036A (ja) 鋼板の砥石掛装置および方法
JPS59224256A (ja) 鋼板疵取り装置
CN216577191U (zh) 一种带钢表层缺陷快速打磨装置
KR100423357B1 (ko) 밸런싱 유닛이 구비된 폴리싱머신
JPH0222207Y2 (ja)
JPH0675652U (ja) 鋼板表面検査用砥石掛け装置
JP3886637B2 (ja) ベルト研磨装置用駆動ロールの平行度調整方法
JPH1010023A (ja) 連続ラインにおけるストリップの研削方法およびその装置
JPH0788751A (ja) 金属ワーク端面バリ取り仕上装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees