JP2791331B2 - 感光性ハロゲン化銀の製造方法 - Google Patents

感光性ハロゲン化銀の製造方法

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JP2791331B2
JP2791331B2 JP3078951A JP7895191A JP2791331B2 JP 2791331 B2 JP2791331 B2 JP 2791331B2 JP 3078951 A JP3078951 A JP 3078951A JP 7895191 A JP7895191 A JP 7895191A JP 2791331 B2 JP2791331 B2 JP 2791331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式熱現像性感光材料
のための感光性ハロゲン化銀の製造方法に関し、特に高
照度不軌を改良した感光性ハロゲン化銀の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】湿式現像処理をするハロゲン化銀写真感
光材料は、光感度、階調性、画質などの点で他の感光材
料、例えば、ジアゾ写真、電子写真等に比較して優れて
おり、広く用いられて来た。しかし湿式現像処理は処理
液の調合や処理温度や時間の管理を正確に行う必要があ
った。更に近年、気体や固体レーザーの光源が一般化す
る傾向が、一層の処理時間の簡便さと短縮化を要求して
いる。湿式現像処理をさける為に加熱現像による迅速処
理の熱現像性感光材料が知られている。この熱現像性感
光材料は、例えば「写真工学の基礎」、非銀塩写真編
(1982年コロナ社出版) の242 〜255 頁、特公昭43−49
21号公報、同43−4924号公報等に記載され、感光性ハロ
ゲン化銀、還元剤、有機銀塩酸化剤および疎水性バイン
ダーから構成され、これら組成物を有機溶媒中に溶解も
しくは分散し支持体上に塗布乾燥して製造される。しか
し乍ら、この熱現像性感光材料の技術は、レーザーによ
る高照度、短時間露光による画像書き込みには高照度不
軌を生じて、使用することが出来なかった。この理由
は、この熱現像性感光材料の感光成分である感光性ハロ
ゲン化銀の有機溶媒中での製造方法が湿式ハロゲン化銀
感光材料のそれと本質的に異っており、従来の相反則不
軌の技術、例えば特公昭43−4935号公報、特公昭49−33
781 号公報に記載されるロジウム、イリジウム、タリウ
ム等の重金属のドーピング技術がそのまま応用できない
からである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、相反則不軌特に高照度不軌の改良された感光性ハロ
ゲン化銀を有機溶媒中で製造する技術を確立することに
あり、もってレーザー等による高速画像書き込み(1×
10-5sec 〜1×10-7sec /dot)が可能な熱現像性感光材
料に適した感光性ハロゲン化銀の製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、銀イオ
ン供給体(a) とハロゲンイオン供給体(b) を有機溶媒
(c) 中で反応させて感光性ハロゲン化銀を製造する工程
において、銀イオン供給体(a) とハロゲンイオン供給体
(b) の反応工程の少なくとも90%経過後にイリジウムイ
オン供給体(d) を添加することにより達成することがで
きた。さらに、銀イオン供給体(a) 1モル当り、イリジ
ウムイオン供給体(d) 5×10-5から5×10-3モルの添
加量で添加することにより、より好ましい結果が得られ
た。反応工程の少なくとも90%経過後にイリジウムイオ
ン供給体(d) を添加することにより得られた感光性ハロ
ゲン化銀は、ハロゲン化銀結晶の表面付近にイリジウム
イオンを含む。イリジウムイオン供給体(d) の添加量
が、反応にかかわる全銀イオン供給体(a) 1モルに対し
て5×10-5モルより少ないと効果が低く、又、5×10-3
モルを越えると減感と共にカブリ濃度が増大する。
【0005】本発明の感光性ハロゲン化銀は、塩化銀、
臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀で
あり、特に90モル%以上が臭化銀である感光性ハロゲン
化銀が好ましい。
【0006】本発明の感光性ハロゲン化銀の製造方法
は、公知の方法を応用することができる。この調製方法
は例えば米国特許第3713833 号、同3871887 号、特公昭
58−21249 号、特公昭55−1567号、特公平2−4889号、
特公平2−6045号、特公平2−7446号、特公平2−7447
号等、各公報等に記載されている。
【0007】本発明に用いられる銀イオン供給体(a) の
例としては、有機溶媒、特に後記する極性有機溶媒に可
溶な無機銀化合物及び極性有機溶媒に可溶若しくは、分
散可能な有機銀化合物である。具体的化合物例として
は、過塩素酸銀、硝酸銀等の無機銀塩、銀アンモニウム
錯塩、銀アミン錯塩のような銀錯塩、酢酸銀、トリフル
オロ酢酸銀、プロピオン酸銀、カプリン酸銀、ラウリン
酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸
銀、ベヘン酸銀、アジピン酸銀、セバシン酸銀、ベンゾ
トリアゾール銀、サッカリン銀、フタラジノン銀、3−
メルカプト−4−フェニル−1,2,4 −トリアゾール銀、
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デン銀、2−(S−エチルチオグリコールアミド)−ベン
ゾチアゾールの銀塩等の有機銀塩である。
【0008】本発明に用いられるハロゲンイオン供給体
(b) の例としては、有機溶媒、特に極性有機溶媒若しく
は水を含む極性有機溶媒に可溶な無機ハロゲン化合物若
しくは有機ハロゲン化合物である。具体的な化合物例と
しては、無機ハロゲン化合物としては、一般式MXn で表
わされる化合物を挙げることができる。但し式中M は、
水素原子又は金属原子(例えば、ストロンチウム、カド
ミウム、亜鉛、ナトリウム、バリウム、セシウム、カル
シウム、鉄、ニッケル、マグネシウム、カリウム、アル
ミニウム、アンチモン、金、コバルト、水銀、鉛、ベリ
リウム、リチウム、インジウム、ロジウム、パラジウ
ム、白金、ビスマス等)を表わし、X は塩素原子、臭素
原子及び沃素原子を、n は各陽イオンの原子価を示す。
無機ハロゲン化合物としては、更に含ハロゲン金属錯
体、例えばK2PtCl6 、K2PtBr6 、HAuCl4 、(NH4)3RuC
l6 、K3 RhCl6 などを挙げることができる。有機ハロゲ
ン化合物としては次の一般式(I)若しくは(II) で表
わされる化合物を挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】式中X は、塩素原子、臭素原子及び沃素原
子を表わし、Zは4〜8員環を形成するに必要な非金属
原子群を表わし、この4〜8員環は他の環と縮合しても
よい。Z は好ましくは5員環あるいは6員環であり、具
体例としてはピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、
イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリン環、オ
キサゾリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、ピペラ
ジン環、インドリン環等を挙げることができる。さらに
Z は4〜8員環のラクタム環、ヒダントイン環、シアヌ
ル環、ヘキサヒドロトリアジン環、インドリン環などを
形成してもよい。さらにこの環には、無置換若しくは置
換アルキル基、無置換若しくは置換アリール基、アルコ
キシ基、ハロゲン原子、オキソ基等の置換基を有してい
てもよい。A はカルボニル基、またはスルホニル基を表
わし、R1およびR2は水素原子、無置換若しくは置換アル
キル基、無置換若しくは置換アリール基、アルコキシ基
を表わす。
【0011】上記一般式(I)で示される代表的な化合
物例として、N −ブロムサクシンイミド、N −ブロムテ
トラフルオロサクシンイミド、N −ブロムフタルイミ
ド、N−ブロムグルタールイミド、1,3 −ジブロム−5,5
−ジメチル−2,4 −イミダゾリジンジオン、N,N'−ジ
ブロム−5,5 −ジエチルバルビツール酸、N −ブロムイ
ソシアヌル酸、N,N'−ジブロムイソシアヌル酸、N −ブ
ロムオキサゾリノン、N−ブロムフタラジノン、N −ク
ロルサクシンイミド、N −ヨードサクシンイミド、N −
クロルフタルイミド、N −ブロムサッカリン、N −ブロ
ムカプロラクタム、N −ブロムブチロラクタム、N,N'−
ジブロムチオヒダントイン等を挙げることができる。
【0012】上記一般式(II) で示される代表的な化合
物例として、N −ブロムアセトアミド、N −ブロムアセ
トアニリド、N −ブロムベンゼンスルホニルアニリド、
N −ブロムベンズアミド、N −クロルアセトアミド、N
−ブロムナフトアミド、N −ブロム−P−ヒドロキシベ
ンズアミド等を挙げることができる。
【0013】また有機ハロゲン化合物としてハロゲン化
メラミンも使用することができ、具体例としてはトリブ
ロムメラミン、トリクロルメラミン等を挙げることがで
きる。
【0014】更に有機ハロゲン化合物として下記一般式
(III)で表わされるC −ハロゲノ化合物も有効である。
【0015】
【化2】
【0016】式中、X は塩素原子、臭素原子又は沃素原
子を表わし、R3、R4、R5は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、無置換若しくは置換アルキル基、無
置換若しくは置換アリール基、ニトロ基、アシル基、無
置換若しくは置換アミド基、無置換若しくは置換アリー
ル基またはアルキル基に結合したスルホニル基、又はハ
ロゲン原子を表わす。但しR3、R4、R5の少なくとも一つ
はハロゲン原子の放出を助けるものであり、例えばニト
ロ基、無置換若しくは置換のアリール基、アルケニル
基、アシル基、アミド基、スルホニル基等を表わす。
【0017】上記一般式(III)で表わされる化合物とし
ては、α−ハロケトン化合物、α−ハロアミド化合物、
ハロスルホニル化合物、ハロニトロ低級アルカン化合
物、ハロゲン原子に対しβ位炭素が不飽和結合を持つ化
合物等を挙げることができる。
【0018】一般式(III)で表わされる化合物の具体例
としては、α−ブロムアセトフェノン、α−クロルアセ
トフェノン、α−ブロモ−α−フェニルアセトフェノ
ン、α−ブロモ−1,3 −ジフェニル−1,3 −プロパンジ
オン、α−ブロモ−2,5 −ジメトキシアセトフェノン、
α−ブロムメチルスルホニルベンゼン、α−ブロモ−α
−ベンゼンスルホニルアセトアミド、α−クロル−α−
(p−トリルスルフォニル)アセトアミド、α−ブロモ−
γ−ニトロ−β−フェニルブチロフェノン、α−ヨード
−γ−ニトロ−β−フェニルブチロフェノン、2−ブロ
モ−2−ニトロ−1,3 −プロパンジオール、2−ブロモ
−2−ニトロトリメチレン−1,3 −ビス(フェニルカー
ボネート)、α−ブロムトルエン、α,p−ジブロムトル
エン、α,α’−ジブロム−m −キシレン、α,α,
α’,α’−テトラブロム−p−キシレン、3−ブロム
プロペン等を挙げることができる。上記の化合物例の中
でも、α−ブロムトルエン、3−ブロムプロペン等のハ
ロゲン原子のβ位の炭素が不飽和結合を有している化合
物は特に有用である。
【0019】本発明においてオニウムハライド化合物も
ハロゲンイオン供給体として有用であり、具体例とし
て、アンモニウムブロマイド、トリメチルフェニルアン
モニウムクロライド、セチルエチルジメチルアンモニウ
ムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマ
イド、テトラエチルフォスフォニウムブロマイド、トリ
メチルスルフォニウムクロライド等を挙げることができ
る。
【0020】本発明は、前記成分(a) の銀イオン供給体
と成分(b)のハロゲンイオン供給体を混合し、成分(a)
の銀イオン供給体の全部若しくはそのほとんどを感光性
ハロゲン化銀に変換する反応を有機溶媒下で行うもので
あるので、成分(b) のハロゲンイオン供給体の使用量は
成分(a) の銀イオン供給体に対して化学量論的な量でよ
い。しかし好ましくは過剰量、すなわち成分(a) の銀イ
オン供給体1モルに対し、成分(b) のハロゲンイオン供
給体を約1.0 モルから約3.0 モルの範囲で使用すること
が好ましい。
【0021】本発明において、成分(a) の銀イオン供給
体と成分(b) のハロゲンイオン供給体の反応に用いられ
る有機溶媒(c) は、反応温度で液状であり成分(a) の銀
イオン供給体を均一に溶解若しくは分散し、かつ成分
(b) のハロゲンイオン供給体を一定量溶解することがで
きれば特に限定されない。具体的には、アルコール類、
ケトン類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エス
テル類、エーテル類、酸アミド等を単独若しくは混合物
として使用することができる。
【0022】アルコール類の具体例としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n −プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n −ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec −ブチルアルコール、n −
アミルアルコール、イソアミルアルコール、n −ヘキシ
ルアルコール等の脂肪族飽和アルコール、アリルアルコ
ール、プロパルギルアルコール等の脂肪族不飽和アルコ
ール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂
環式アルコール、ベンジルアルコール、シンナミルアル
コール等のアラルキルアルコール、エチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール等を挙げることがで
きる。
【0023】ケトン類の具体例としては、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロピ
ルメチルケトン、ブチルメチルケトン、イソブチルメチ
ルケトン等の脂肪族飽和ケトン、メチルビニルケトン、
メチルヘプテンケトン等の不飽和脂肪族ケトン、シクロ
ブタノン、シクロヘキサノン等の脂環式ケトン、アセト
フェノン、プロピオフェノン、ブチルフェノン等の芳香
族ケトンを挙げることができる。
【0024】エステル類の具体例としては、ギ酸メチ
ル、ギ酸プロピル、ギ酸アミル、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソプロピル、
酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸エチル、イソ吉草酸
メチル、イソ吉草酸イソプロピル、安息香酸メチル、フ
タル酸エチル等を挙げることができる。
【0025】エーテル類の具体例としては、ジエチルエ
ーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、メチルブチルエーテル、エチル
プロピルエーテル、エチルイソアミルエーテル等の飽和
脂肪族エーテル、ジアリルエーテル、エチルアリルエー
テル等の不飽和脂肪族エーテル、アニソール、フェニル
エーテルのごとき芳香族エーテル、テトラハイドロフラ
ン、ジオキサン等の環式エーテルを挙げることができ
る。
【0026】脂肪族炭化水素類の具体例としては、n −
ヘプタン、n −ヘキサン、3−メチルペンタン、2,3 −
ジメチルブタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の
飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキセン、シクロペンタジ
エン、シクロペンテン等の不飽和脂肪族炭化水素を挙げ
ることができる。
【0027】芳香族炭化水素類の具体例としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、インデ
ン、テトラリン等を挙げることができる。この他に、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキサイド等の窒素原子や硫黄原子を含む溶媒も使
用することができる。
【0028】上記の有機溶媒のうち特に好ましいもの
は、極性のアルコール類若しくはケトン類の単独若しく
は上記の他の溶媒との混合物である。また水−アルコー
ル類、水−ケトン類の混合系も使用できる。
【0029】上記反応構成物のうち、特に熱現像性感光
材料の感光成分として、銀イオン供給体として有機脂肪
酸銀塩、ハロゲンイオン供給体として上記一般式
(I)、(II) で示されるN −ハロゲノ化合物の組み合
せが、写真特性上特に好ましい。
【0030】本発明の銀イオン供給体(a) とハロゲンイ
オン供給体(b) の反応は、通常の反応方法、例えば正流
法、逆流法、同時混合法により行われ、通常は供給体
(a) 、(b) の種類によって選択され、例えば、(a) 、
(b) 共に反応溶媒に可溶なものであれば、同時混合法
が、(a) が不溶の長鎖脂肪酸銀塩であれば逆流法が好ま
しい。
【0031】本発明に使用されるイリジウムイオン供給
体(d) は、イリジウム塩又はイリジウム錯塩で三ハロゲ
ン化イリジウム塩、四ハロゲン化イリジウム塩、ヘキサ
ハロゲノイリジウム(III)酸塩、ヘキサハロゲノイリジ
ウム(IV) 酸塩であり、有用な具体的化合物は塩化イリ
ジウム(III)、塩化イリジウム(IV) 、塩化ナトリウム
イリジウム(III)二水和物、塩化ナトリウムイリジウム
(IV) 六水和物などである。
【0032】本発明において、イリジウムイオン供給体
(d) の添加は、供給体(a) 、(b) と別個の液として添加
するか若しくは(b) と混合して添加することができる。
各成分の反応に際しての添加方法は一気に添加する方
法、間欠的に添加する方法、連続的に添加する方法、あ
るいはそれ等を組み合せた方法を目的に応じて選択して
よい。イリジウムイオン供給体(d) の溶媒としては、極
性有機溶媒が好ましく、特に有機溶媒(c) と相溶性の良
い有機溶媒、例えば極性のアルコール類若しくはケトン
類が好ましい。尚、イリジウムイオン供給体(d) を溶け
やすくするために有機溶媒に水を加えてもよい。
【0033】本発明においては反応溶液中に溶媒に可溶
なポリマーを添加しておくことができる。有機溶媒に可
溶なポリマーの添加は、成分(a) と成分(b) のハロゲン
化合物の均一な反応を行わせ、又形成された感光性ハロ
ゲン化銀の不規則な成長と凝集を防ぐこともできる。こ
の目的のために使用できるポリマーは、例えばポリビニ
ルアセテート、ポリビニルプロピオネート、ポリメチル
メタアクリレート、エチルセルロース、セルロースアセ
テート、ニトロセルロース、ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプ
ロピレン、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリ
スチレン、エポキシ樹脂、変性メラミン樹脂、アルキド
樹脂、ポリアミド、塩化ゴム、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン三元共重合体、シリコンブロックコー
ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサ
イド、高分子量パラフィン及び特開昭47−9432号公報に
記載されるビニルコーポリマー等を挙げることができ
る。上記ポリマーの中で好ましいものは、アルコール類
若しくはケトン類の単独若しくは他の有機溶媒との混合
溶媒に溶解しうるもので、特に好ましくはポリマーはポ
リビニルアセタール類である。この有機溶媒に可溶なポ
リマーの使用量は、成分(a) の銀イオン供給体の銀塩1
gに対し約0.05gから約20g、好ましくは約0.1 gから
約10gの範囲である。
【0034】次に、本発明の製造方法に関して、特に好
ましい態様を説明する。赤色の安全光下で有機脂肪酸銀
塩(例えばステアリン酸銀)を極性有機溶媒(例えばメ
チルアルコール)中に均一に分散し、更に該有機溶媒に
可溶なポリマー(例えばポリビニルブチラール)を加え
て溶解して、ポリマーと銀イオン供給体を含む分散液を
調製する。この分散液を一定温度に保ち、これに予め用
意したハロゲンイオン供給体の有機溶媒溶液(例えばN
−ブロムサクシンイミド−アセトン)を同一の速度で徐
々に添加し、銀イオン供給体(a) とハロゲンイオン供給
体(b) の反応工程の少なくとも90%経過後、特に好まし
くは95%の経過後にイリジウムイオン溶液〔例えば塩化
ナトリウムイリジウム(IV) 六水和物−メタノール〕を
別に添加して、ハロゲンイオン供給体の添加終了と同時
に完了する。この間の反応時間は、約30秒から約5時
間、好ましくは約3分から3時間、目的、更に操作必要
上選択できる。このようにして得られた感光性ハロゲン
化銀は、包含するイリジウムイオンのほとんどがハロゲ
ン化銀結晶の表面付近に集中している。尚、上記の調製
は、好ましい一例を示して説明したものであり、本発明
の目的に添った感光性ハロゲン化銀を調製できればこれ
に限定されるものではない。
【0035】更に本発明の感光性ハロゲン化銀の製造方
法では、特公平2−6045号、同2−7447号各公報に開示
された金属化合物を反応に関与させて、粒子コントロー
ルすることができるし、又、反応中の銀イオン濃度を測
定制御して粒子径及び粒子分布を制御することができ
る。
【0036】又、本発明の感光性ハロゲン化銀の製造方
法では、反応終了後特公平2−7446号公報で開示され
た、反応時用いたポリマーを析出しうる溶媒中に反応液
を混合することにより、反応副生物若しくは未反応物を
洗浄除去することができる。
【0037】更に本発明の感光性ハロゲン化銀の製造方
法では、公知の化学増感方法、例えば硫黄増感、金増
感、還元増感等を施して固有感度を高めることができる
し、又、公知のメロシアニン色素、ヘミシアニン色素、
シアニン色素等により分光増感も可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明するが、
本発明はこれら限定されるものではない。
【0039】実施例1 (感光性ハロゲン化銀の製造) 赤色安全光下、臭化リチウム3.6gとポリビニルブチラー
ル7.2gをエチルアルコール120ml に溶解させ、これを30
℃に保ち、これに撹拌下、予め用意したトリフルオロ酢
酸銀9gを溶解したアセトン120ml のうち115ml を6分
間で連続的に添加した。更に残りの5mlを塩化イリジウ
ム (IV)6.7mgのエタノール溶液5mlと同時に40秒間で連
続的に添加した。これを時間を置かずに撹拌している水
1.2 l中へ投じ沈殿物を得た。これを濾別し乾燥後、イ
リジウムを含む、臭化銀−ポリビニルブチラール固形物
(A-1) を得た。比較の為に塩化イリジウム (IV) を加え
ないで臭化銀−ポリビニルブチラール固形物(B-1) を得
た。
【0040】(熱現像性感光材料の製造)ベヘン酸銀51
g、ベヘン酸39gをキシレン440ml 及びn −ブタノール
440ml から成る分散溶媒に入れホモミキサーを用いて分
散した。この分散液にバインダーとしてポリビニルブチ
ラール80gを加え、撹拌して銀塩のポリマー分散液を調
製した。この分散液を90gずつ分け取り、それぞれ下記
に示す臭化銀分散物を混合溶解した。 (1) 調製した固形物(A-1) の1.0 g (2) 調製した比較固形物(B-1) の1.0 g 上記2種類の臭化銀を含むベヘン酸銀のポリマーの分散
液の各々に、次の成分を順次添加して感光性スラリーを
調製した。2,2'−ビス−(2−ヒドロキシ−3,5 −ジメ
チルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン4gとエ
タノール10mlから成る溶液 酢酸第2水銀 0.005g この2種の感光性スラリーを50μのPET フィルム上に1
m2当り銀量で0.55gとなるように塗布し、乾燥した。更
にこの塗布面上に下記の上塗り組成物を乾燥時1m2当り
2.0gになる様に塗布乾燥し、画像用試料(A-2) 、(B-2)
を作成した。上塗り組成物 セルロースアセテート 15.0g フタラジノン 8.0g アセトン 300 ml 上記の試料(A-2) 及び(B-2) を赤色安全光下で0.1の濃
度差を持つステップタブレットを通して、キセノンフラ
ッシュにより露光し、125 ℃、5秒の熱現像を行った。
照射条件は10-5sec の露光時間で材料面での光エネルギ
ー量は0.2mJ/cm2 であった。比較としてタングステン光
により同様に露光し、熱現像した。但し照射条件は1se
c の露光時間で材料面での光エネルギー量は0.7mJ/cm2
であった。各特性曲線を図1、図2に示す。但し、図
1、2の横軸エネルギーの相関はない。結果から明らか
なように本発明品は高照度不軌を改良していることが分
かる。
【0041】実施例2 (感光性ハロゲン化銀の製造) 赤色安全光下、ステアリン酸銀55.0gをイソプロピルア
ルコール1l中に分散した。更にこれにポリビニルブチ
ラール樹脂37.5gを加え溶解させて、銀塩のポリマー懸
濁分散物を調製した。これを10等分し50℃に調温して、
各々にアセトン30mlに溶解させたN −ブロムサクシンイ
ミド2.6gを30分間で添加し、その間、塩化ナトリウムイ
リジウム (IV) 六水和物−メタノール5mlを、添加時期
と濃度を変えて加えた(添加量、添加時期は表1に記
載)。更に、30分間反応を続け、各々を撹拌している水
400ml に投じて沈殿物を得た。これを濾別し乾燥後、感
光性ハロゲン化銀(C-1),(D-1),(E-1),(F-1),(G-1),(H-
1),(I-1),(J-1),(K-1),(L-1)を得た。表1中の「Ir(IV)
添加時期」で、「開始時」とはN −ブロムサクシンイミ
ド添加開始と同時に添加し始め2分間で添加したことを
示し、「中間時」とはN −ブロムサクシンイミド添加開
始から15分後2分間で添加したことを示し、「終了時」
とはN −ブロムサクシンイミド添加終了2分前より添加
し、N −ブロムサクシンイミド添加終了と同時に終了し
たことを示す。
【0042】(熱現像性感光材料の製造)実施例1と同
様にして製造したが、この場合は感光性ハロゲン化銀(C
-1) 〜(L-1) の各々を0.95g用いて、それに対応した画
像用試料(C-2) 〜(L-2)を作成した。実施例1と同様に
露光現像を行った。表1に結果を示す。尚、評価は下記
の5段階で行った。 ◎;改良、○;かなり改良、△;やや改良、−;変化な
し、×;カブリ増大
【0043】
【表1】
【0044】実施例3 (感光性ハロゲン化銀の製造) 赤色安全光下、ベヘン酸銀52.5gをエチルアルコール84
0ml中に分散した。更にこれにポリビニルブチラール樹
脂31.5gを加え溶解させて、銀塩のポリマー懸濁分散物
を調製した。これを7等分し60℃に調温して、攪拌しつ
つ各々にN −ブロムサクシンイミド2.4g及び臭化ナトリ
ウム0.009gを溶解させたアセトン/メタノール(5/
1;体積比)の混合溶媒25mlを60分間で均一に滴下し
た。この際、塩化ナトリウムイリジウム (IV) 六水和物
−メタノール5mlを、滴下時期と添加量を各々変えてハ
ロゲン化銀中の単位体積当り同一濃度となるように添加
した。更に、60分間反応を続け、各々を撹拌している水
500ml に投じて沈殿物を得た。これを濾別し乾燥後、感
光性ハロゲン化銀(M-1),(N-1),(O-1),(P-1),(Q-1),(R-
1),(S-1) を得た。表2に各試料の添加時期を示す。
【0045】(熱現像性感光材料の製造)感光性ハロゲ
ン化銀(M-1) 〜(S-1) の各々を1.0g用いた以外は実施例
1と同様にして製造し、それに対応した画像用試料(M-
2) 〜(S-2) を作成した。実施例1と同様に露光現像を
行った。表2に結果を示す。表2中、*は高照度不軌に
より測定不可能なものを示す。本発明の感光性ハロゲン
化銀を用いた試料N-2 〜Q-2 はカブリ濃度が低く、且つ
高照度不軌を改良する結果を得た。又、試料P-2 とQ-2
は特に優れていることがわかる。
【0046】
【表2】
【0047】応用例1 実施例3で製造した画像用試料(P-2) と同様に熱現像性
感光材料(P) を作成したが、この場合は、緑色安全光
下、下記の増感色素の2mgのN,N-ジメチルホルムアミド
1mlに溶解させ、添加して分光増感した。これをHe−Ne
レーザー装置(5mW) により1ドット5×10-6sec で文
字書き込みをし熱現像したところ鮮明な画像を得た。
【0048】
【化3】
【0049】
【発明の効果】本発明により、ガスレーザー、半導体レ
ーザー等の光源による高速画像書き込みに対応し、画像
品質に優れ、メンテナンスフリーの乾式熱現像性感光材
料に適した感光性ハロゲン化銀の製造方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明試料と比較試料をキセノンフラッシュに
より露光し熱現像した際の特性曲線を示すグラフであ
る。
【図2】本発明試料と比較試料をタングステン光により
露光し熱現像した際の特性曲線を示すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀イオン供給体(a) とハロゲンイオン供
    給体(b) を有機溶媒(c) 中で反応させて感光性ハロゲン
    化銀を製造する工程において、銀イオン供給体(a) とハ
    ロゲンイオン供給体(b) の反応工程の少なくとも90%経
    過後にイリジウムイオン供給体(d) を添加することを特
    徴とする感光性ハロゲン化銀の製造方法。
  2. 【請求項2】 該イリジウムイオン供給体(d) が反応に
    かかわる全銀イオン供給体(a) に対して5×10 -5 から5
    ×10 -3 のモル比で添加されることを特徴とする請求項1
    記載の感光性ハロゲン化銀の製造方法。
  3. 【請求項3】 該銀イオン供給体(a)が炭素数5以上の
    有機脂肪酸銀塩であり、該ハロゲンイオン供給体(b) が
    N −ハロゲノ化合物の組合せであることを特徴とする請
    求項2記載の感光性ハロゲン化銀の製造方法。
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