JP2001083655A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2001083655A JP25555799A JP25555799A JP2001083655A JP 2001083655 A JP2001083655 A JP 2001083655A JP 25555799 A JP25555799 A JP 25555799A JP 25555799 A JP25555799 A JP 25555799A JP 2001083655 A JP2001083655 A JP 2001083655A
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    • Y10S430/145Infrared

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は高感度でかぶりが低くく、画
像の鮮鋭性が優れ、感材の生保存性が良好なレーザーイ
メージャー用熱現像感光材料、及び高い硬調性を有し、
高感度でかぶりが低く、生保存性の良好なイメージセッ
ター出力フィルム用熱現像感光材料を提供することにあ
る。 【解決手段】 支持体上に有機銀塩、バインダー、感光
性ハロゲン化銀を含有する少なくとも1層を有する熱現
像感光材料において、該熱現像感光材料を構成する層又
は支持体が下記一般式(1)で表される染料の少なくと
も1種を含有し、かつ、感光性ハロゲン化銀が下記一般
式(2a)〜(2d)から選ばれた分光増感色素の少な
くとも1種により増感されたことを特徴とする熱現像感
光材料。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、詳しくは、銀色調がよく、画像鮮鋭性の良好な、保
存性の劣化がなく、残色ステインが少ない、カブリが低
減された、感度低下、生保存性の改良された熱現像感光
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料において、露光時に、入射
光がハロゲン化銀、その他の添加剤、あるいは層の界面
によって反射、屈折し、これによって像がぼやけ、鮮鋭
性が劣化することが知られている。これを防ぐためにい
わゆるアンチハレーション(AH)染料やアンチイラジ
エーション(AI)染料が広く用いられてきた。
【0003】従来、AH、AI染料に要求される性能
は、所望の波長の光を吸収すること、ハロゲン化銀乳剤
に不要な影響を与えないこと、処理時に完全に脱色する
か、流出することで、処理後の感光材料に着色を残さな
いこと等であった。
【0004】又、近年の処理の迅速化やドライ化の傾向
により、医療用レーザーイメージャー用、あるいは硬調
化剤を含有し、600〜800nmに発振波長を有する
印刷用イメージセッターの出力用として熱現像感光材料
を用いた、処理に水を全く用いないドライ処理のシステ
ムが用いられてきている。それに伴い従来の感光材料に
おける残色と異なり処理後に染料由来の着色が残るいわ
ゆる残色ステインの問題が大きくなり、その改良が強く
求められていた。
【0005】熱現像感光材料は、例えば米国特許第3,
152,904号、3,457,075号、及びD.モ
ーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)
による「熱によって処理される銀システム(Therm
ally Processed Silver Sys
tems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド
・マテリアルズ(Imaging Processes
and Materials) Neblette
第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワー
ス(Walworth)、A.シェップ(Shepp)
編集、第2頁、1969年)に開示されており、有機銀
塩、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、及び
還元剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散
した状態で含有しており、露光後高温(例えば、80℃
以上)に加熱した場合に還元可能な銀源(酸化剤として
機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を
生成するもので、この酸化還元反応は露光により発生し
た潜像の触媒作用によって促進されるため露光に対応し
画像の形成がなされるというものである。
【0006】これらは処理に水を全く用いないため染料
の処理液中への流出が全く期待できないために、色素や
染料等の残色による可視領域の吸収が問題となり、その
改良がまたれていた。
【0007】赤外線を吸収できるAI、AH染料の代表
例は有機染料であり、これまで感光材料中に用いるA
I、AH染料には多くの化合物が提案されてきた。その
中でも特に多く用いられるのはシアニン染料、オキソノ
ール染料であるが、何れも可視部の吸収が大きく、分解
物が黄色の吸収をもつことから残色ステインの点では不
十分であり、化合物が比較的不安定で分解しやすい他、
コストが高いという欠点も有していた。
【0008】スクアリリウム染料は構造によっては赤外
吸収を有することが知られており、例えば、これらの染
料は、特開平10−36695号、特開平10−104
779号、特開平10−158253号等に知られてい
る。また、特表平2−216140号、特開平10−2
4654号等明細書には赤外スクアリリウム染料をA
I、AH染料として熱現像感光材料、ハロゲン化銀感光
材料に用いることが提案されている。しかしながら、特
開平10−24654号明細書等に記載の染料は分光吸
収特性が好ましくなく、可視部に吸収を有しているため
に、感光材料が着色してしまうという欠点がある。これ
らは、固体微粒子分散物にしても可視部の吸収が大き
く、満足できる性能を発揮するには至っていない。
【0009】これらの欠点を改良した、鮮鋭性の劣化を
防止することのできる熱現像感光材料により有利に用い
ることのできるスクアリリウム染料が、米国特許第4,
508,811号、特願平11−70309号、特願平
10−169729号に開示されている。これらのうち
特にチオピリリウム核を有するスクアリリウム染料及び
ピリリウム核を有するスクアリリウム染料、又スクアリ
リウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染
料、又はピリリウムクロコニウム染料は前述の可視部に
おける吸収が少なく、AH、AI染料として好ましい性
質を有している。
【0010】しかしながらこれらのスクアリリウム染料
やクロコニウム染料をAH、AI染料として、熱現像感
光材料に適用した場合にも、又、特に従来知られている
赤外増感色素と組み合わせた場合に減感やかぶりの上
昇、保存性の劣化を引き起こすことが知られており、こ
の解決が重要であった。
【0011】我々はこれらのスクアリリウム染料と組み
合わせて用いる赤外増感色素の種類を検討することによ
って、即ち特定の構造を有する赤外分光増感色素を用い
ることによって、低かぶりで高感度な熱現像感光材料が
得られることを見出したものであり、又それと同時に熱
現像感光材料の保存性の劣化も改良することができた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高感度
でかぶりが低く、画像の鮮鋭性が優れ、感材の生保存性
が良好なレーザーイメージャー用熱現像感光材料、及び
高い硬調性を有し、高感度でかぶりが低く、生保存性の
良好なイメージセッター出力フィルム用熱現像感光材料
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記手段によ
り達成された。
【0014】1.支持体上に有機銀塩、バインダー、感
光性ハロゲン化銀を含有する少なくとも1層を有する熱
現像感光材料において、該熱現像感光材料を構成する層
又は支持体が下記一般式(1)で表される染料の少なく
とも1種を含有し、かつ、感光性ハロゲン化銀が下記一
般式(2a)〜(2d)から選ばれた分光増感色素の少
なくとも1種により増感されたことを特徴とする熱現像
感光材料。
【0015】
【化4】
【0016】(一般式(1)において、Xは硫黄原子又
は酸素原子を表し、R1、R2は1価の置換基を表し、
m、nは0、1、2、3又は4を表す。)
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】(一般式(2a)、(2b)、(2c)及
び(2d)において、Y1、Y2及びY11は、各々、酸素
原子、硫黄原子、セレン原子、または−CH=CH−基
を表し、L1〜L9、L11〜L15は各々、メチン基を表
す。R1、R2、R11及びR12は各々、脂肪族基を表す。
3、R4、R13及びR14は各々、低級アルキル基、シク
ロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール
基、又は複素環基を表す。W1、W2、W3、W4、W11
12、W13及びW14は各々、水素原子、置換基、或いは
1とW2、W3とW4、W11とW12、W13とW14の間で結
合して縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。或いはR3とW1、R3とW2、R13とW11、R13とW
12、R4とW3、R4とW4、R14とW13、R14とW14の間
で結合して5員、6員の縮合環を形成するのに必要な非
金属原子群を表す。X1及びX11は各々、分子内の電荷
を相殺するに必要なイオンを表し、k1及びk11は各
々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの数を表
す。m1は0又は1を表す。n1、n2、n11及びn
12は各々、0、1又は2を表す。但し、n1とn2及
びn11とn12は同時に0とはならない。)2.前記
1に記載の熱現像感光材料を赤外レーザーで露光するこ
とを特徴とする画像形成方法。
【0020】3.露光面と走査レーザー光のなす角度が
実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機で露
光することを特徴とする前記2に記載の画像形成方法。
【0021】4.走査レーザー光が縦マルチであるレー
ザー走査露光機で露光することを特徴とする前記2に記
載の画像形成方法。
【0022】5.前記1に記載の熱現像感光材料を80
℃以上200℃以下の温度で加熱する事により現像する
事を特徴とする画像形成方法。
【0023】以下本発明を詳説する。
【0024】前記の通り、上記の一般式(1)で表され
るスクアリリウム染料やクロコニウム染料をAH、AI
染料として、熱現像感光材料に適用した場合、従来知ら
れている赤外増感色素と組み合わせもちいた場合、減感
やかぶりの上昇し、保存性の劣化が生じる。これらの問
題は、熱現像感光材料に分光増感色素として用いるシア
ニン色素や、メロシアニン色素の種類より変化すること
がわかり、スクアリリウム染料の存在がこれらの色素の
吸着性に影響を与えていることが考えられるため、我々
はこれらのスクアリリウム染料と組み合わせて用いる赤
外増感色素の種類について種々検討を行った。その結
果、上記スクアリリウム染料により吸着性の影響を受け
にくい赤外分光増感色素を用いることで、赤外分光増感
色素のハロゲン化銀への吸着を改善し、ハロゲン化銀粒
子の化学増感及び分光増感をコントロールし、それによ
り安定な感光核を作る事ができ、上記問題が解決出来る
ことを本発明者は見出した。
【0025】即ち、一般式(1)で表されるスクアリリ
ウム染料と、一般式(2a)〜(2d)で表される赤外
増感色素を組み合わせて用いることによって、低かぶり
で高感度な熱現像感光材料が得られることを見出したも
のであり、又それと同時に熱現像感光材料の保存性の劣
化も改良することができた。
【0026】以下に先ず、本発明で用いられる赤外染料
化合物について説明する。
【0027】本発明において用いられる染料は、チオピ
リリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書では
チオピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)及びピリリ
ウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではピリ
リウムスクアリリウム染料と呼ぶ)、又スクアリリウム
染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染料、又は
ピリリウムクロコニウム染料である。
【0028】尚、スクアリリウム核を有する化合物と
は、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−
4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有す
る化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒ
ドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここ
で、ヒドロキシ基は解離していてもよい。以下本明細書
ではこれらの色素を便宜的に一括してスクアリリウム染
料とよぶ。
【0029】以下に先ず、本発明で用いられる一般式
(1)で表される化合物について説明する。
【0030】本発明の一般式(1)において、R1、R2
は各々1価の置換基を表す。1価の置換基には特に制限
はないが、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、ターシャリーブチル基、メトキシエチル
基、メトキシエトキシエチル基、2−エチルヘキシル
基、2−ヘキシルデシル基、ベンジル基等)、アリール
基(例えばフェニル基、4−クロロフェニル基、2、6
−ジメチルフェニル基等)であることが好ましく、アル
キル基であることがより好ましく、ターシャリーブチル
基であることが特に好ましい。R1、R2は共同して環を
形成してもよい。m、nは各々0から4の整数を表し、
2以下であることが好ましい。
【0031】以下に本発明に用いられる染料を例示す
る。しかしながら本発明はこれらの染料に限定されな
い。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】これらのスクアリリウム染料については特
願平10−309493号に記載された方法により合成
が出来る。
【0036】これらの、一般式(1)で示される染料を
熱現像感光層中へ添加する場合には、溶剤に溶解し溶液
として添加するのが一般的であるが、所謂、固体分散と
いわれる方法により、微粒子上に分散し添加することも
出来る。熱現像感光層中に添加するとき最も効果的に光
の散乱を抑える効果が大きく、分光増感極大波長が、7
80nm〜830nmの赤外領域に分光増感された熱現
像感光層に添加したとき、大きな鮮鋭性の改良を達成す
ることが出来る。
【0037】本発明において、固体分散状の染料とは粒
子の平均体積を同体積の球に換算したときの球の半径
(以下、換算半径とも言う)が1000μm以下の染料
を言う。光散乱が少ない点で換算半径が200μm以下
であることが好ましく、換算半径が100μm以下であ
ることが最も好ましい。
【0038】本発明において、分子分散状の染料とは、
固体状でなく、実質的に分子単位で独立に存在している
染料を言い、溶液状や分子単位でバインダー、ラテック
ス等の分散媒に分散された状態を例に挙げることができ
る。
【0039】染料を溶液状で本発明に用いる場合、溶媒
は高沸点溶媒であることが好ましい。高沸点溶媒は沸点
が100℃以上の溶媒であり、好ましくは沸点が120
℃以上の溶媒であり、最も好ましくは沸点が140℃以
上の溶媒である。分散媒には特に制限はないが、水やゼ
ラチン、ポリビニルピロリドン等のポリマー、それらの
混合物等を挙げることができる。
【0040】これらの染料は近赤外領域に分光増感され
た感光材料に適用することが好ましく、分光増感極大波
長が780から830nmの近赤外感光性の熱現像感光
材料に適用すると鮮鋭性を特に大幅に改良することがで
きてより好ましい。
【0041】本発明をレーザー光を用いて露光する熱現
像感光材料に適用すると鮮鋭性が高く特に好ましい。
【0042】本発明の熱現像感光材料は支持体の何れの
側に染料を有することも可能であるが、乳剤と異なる側
に染料を有することが好ましい。
【0043】また、本発明においては、本発明の染料を
支持体そのものに加えると、鮮鋭性の改良効果が大きく
て好ましい。
【0044】本発明を支持体の両面に一般式(1)で示
される染料を含有する熱現像感光材料に適用すると、鮮
鋭性が高いという本発明の効果が得られやすく、最も好
ましい。
【0045】次に、一般式(2a)〜(2d)で表され
る分光増感色素の詳細について説明する。
【0046】前記一般式(2a)〜(2d)において、
1、R2、R11及びR12で各々、示される脂肪族基とし
ては、例えば、炭素原子数1〜10の分岐或は直鎖のア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチ
ル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、炭素原子
数3〜10のアルケニル基(例えば、2−プロペニル
基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、
3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−
ヘキセニル基等)、炭素原子数7〜10のアラルキル基
(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)が挙げられ
る。上述した基は、更に、低級アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基等)、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ビニル
基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、
p−ブロモフェニル基等)、トリフルオロメチル基、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキ
シエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノ
キシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、スルホニ
ル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタ
ンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アル
コキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ
基、ビスカルボキシメチルアミノ基等)、アリール基
(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、複
素環基(例えば、テトラヒドロフルフリル、2−ピロリ
ジノン−1−イル基等)、アシル基(例えば、アセチル
基、ベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、ウレイド
基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基
等)、チオウレイド基(例えば、チオウレイド基、3−
メチルチオウレイド基等)、アルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例え
ば、フェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、2−
チエニルチオ基、3−チエニルチオ、2−イミダゾリル
チオ基等)、カルボニルオキシ基(例えば、アセチルオ
キシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基
等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベン
ゾイルアミノ基等)、チオアミド基(例えば、チオアセ
トアミド基、チオベンゾイルアミノ基等)等の基、ある
いは、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ホスフォノ
基、スルファート基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ス
ルフィノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル
基、N−メチルカルバモイル基、N,N−テトラメチレ
ンカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、ス
ルファモイル基、N,N−3−オキサペンタメチレンア
ミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メ
タンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド基等)、ス
ルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニ
ルアミノカルボニル、エタンスルホニルアミノカルボニ
ル基等)、アシルアミノスルホニル基(例えば、アセト
アミドスルホニル、メトキシアセトアミドスルホニル基
等)、アシルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミ
ドカルボニル、メトキシアセトアミドカルボニル基
等)、スルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタ
ンスルフィニルアミノカルボニル、エタンスルフィニル
アミノカルボニル基等)、等の親水性の基で置換されて
いても良い。これら親水性の基を置換した脂肪族基の具
体的例としては、カルボキシメチル、カルボキシエチ
ル、カルボキシブチル、カルボキペンチル、3−スルフ
ァートブチル、3−スルホプロピル、2−ヒドロキシ−
3−スルホプロピル基、4−スルホブチル、5−スルホ
ペンチル、3−スルホペンチル、3−スルフィノブチ
ル、3−ホスフォノプロピル、ヒドロキシエチル、N−
メタンスルホニルカルバモイルメチル、2−カルボキシ
−2−プロペニル、o−スルホベンジル、p−スルホフ
ェネチル、p−カルボキシベンジル等の各基が挙げられ
る。
【0047】R3、R4、R13及びR14で各々、表される
低級アルキル基としては例えば、アルキル基として炭素
数5以下の直鎖、分岐の基であり、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イ
ソプロピル基などが挙げられる。シクロアルキル基とし
ては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基などが挙げられる。アルケニル基としては
例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチ
ル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル
−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられ、ア
ラルキル基としては例えば、ベンジル基、フェネチル
基、p−メトキシフェニルメチル基、o−アセチルアミ
ノフェニルエチル基などが挙げられ、アリール基として
は置換、非置換のものを含み、例えば、フェニル基、2
−ナフチル基、1−ナフチル基、o−トリル基、o−メ
トキシフェニル基、m−クロロフェニル基、m−ブロモ
フェニル基、p−トリル基、p−エトキシフェニル基な
どの基が挙げられ、複素環基としては置換、非置換のも
のを含み、例えば、2−フリル基、5−メチル−2−フ
リル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダ
ゾリル基、2−メチル−1−イミダゾリル基、4−フェ
ニル−2−チアゾリル基、5−ヒドロキシ−2−ベンゾ
チアゾリル基、2−ピリジル基、1−ピロリル基などの
基が挙げられる。これらの各基には低級アルキル基(例
えば、メチル基、エチル基等)、低級アルコキシ基(例
えば、メトキシ基、エトキシ基等)、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、沃素原子)、アリール基(例えば、フェニル基トリ
ル基、クロロフェニル基等)メルカプト基、低級アルキ
ルチオ基(例えば、メトルチオ基、エチルチオ基等)等
の基が置換できる。
【0048】W1〜W4、W11〜W14で各々、示される置
換基は具体的には、アルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、ブチル基、イソブチル基等)、アリール基(単
環並びに多環のものを含み、例えば、フェニル基、ナフ
チル基等)、複素環基(例えば、チエニル、フリル、ピ
リジル、カルバゾリル、ピロリル、インドリル等の各
基)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子等)、ビニル基、アリール基(例えば、フェニ
ル基、p−トリル基、p−ブロモフェニル基等)、トリ
フルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ
基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、アリールオ
キシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基
等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p
−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基
(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、ビスカルボキシ
メチルアミノ基等)、アリール基(例えば、フェニル
基、カルボキシフェニル基等)、複素環基(例えば、テ
トラヒドロフルフリル、2−ピロリジノン−1−イル基
等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基
等)、ウレイド基(例えば、ウレイド基、3−メチルウ
レイド基、3−フェニルウレイド基等)、チオウレイド
基(例えば、チオウレイド基、3−メチルチオウレイド
基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチル
チオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基
等)、ヒドロキシ基、スチリル基等が挙げられる。
【0049】これらの基にはR1等で示される脂肪族基
の説明で挙げた基が置換でき、置換されたアルキル基の
具体例としては、例えば、2−メトキシエチル、2−ヒ
ドロキシエチル、3−エトキシカルボニルプロピル、2
−カルバモイルエチル、2−メタンスルホニルエチル、
3−メタンスルホニルアミノプロピル、ベンジル、フェ
ネチル、カルボキメチル、カルボキシエチル、アリル、
2−フリルエチル等の各期が挙げられ、置換されたアリ
ール基の具体例としては、例えば、p−カルボキシフェ
ニル、p−N,N−ジメチルアミノフェニル、p−モル
フォリノフェニル、p−メトキシフェニル、3,4−ジ
メトキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニ
ル、3−クロロフェニル、p−ニトロフェニル等の各基
が挙げられ、置換された複素環基の具体例としては、例
えば、5−クロロ−2−ピリジル、5−エトキシカルボ
ニル−2−ピリジル、5−カルバモイル−2−ピリジル
等の各基が挙げられる。
【0050】W1とW2、W3とW4、W11とW12、W13
14、R3とW1、R3とW2、R13とW11、R13とW12
4とW3、R4とW4、R14とW13、R14とW14の間が各
々、互いに連結して形成することができる縮合環として
は、例えば、5員、6員の飽和又は不飽和の縮合炭素環
が挙げられる。これらの縮合環上には任意の位置に置換
することができ、これら置換される基としては前述の脂
肪族基に置換できる基で説明した基が挙げられる。
【0051】前記一般式(2a)〜(2d)に於て、L
1〜L9、L11〜L15で示されるメチン基は各々、独立に
置換もしくは未置換メチン基を表す。置換される基の具
体例としては、置換もしくは無置換の、低級アルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、iso−プロピル基、
ベンジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、
エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキ
シ基、ナフトキシ基等)、アリール基(例えば、フェニ
ル基、ナフチル基、p−トリル基、o−カルボキシフェ
ニル基等)、−N(V1,V2)、−SR又は複素環基
(例えば、2−チエニル基、2−フリル基、N,N′−
ビス(メトキシエチル)バルビツール酸基等)を表す。
ここでRは前述したような低級アルキル基、アリール基
又は複素環基を表し、V1とV2は各々、置換もしくは無
置換の、低級アルキル基又はアリール基を表し、V1
2とは互いに連結して5員又は6員の含窒素複素環を
形成することもできる。また、メチン基はお互いに隣接
するメチン基同士、或いは一つ隔たったメチン基と互い
に連結して5員又は6員環を形成することができる。
【0052】前記一般式(2a)〜(2d)で示される
化合物に於て、カチオン或いはアニオンの電荷を有する
基が置換されている場合には各々、分子内の電荷が相殺
するように当量のアニオン或いはカチオンで対イオンが
形成される。例えば、X1、X11で各々、示される分子
内の電荷を相殺するに必要なイオンに於いてカチオンの
具体例としては、プロトン、有機アンモニウムイオン
(例えば、トリエチルアンモニウム、トリエタノールア
ンモニウム等の各イオン)、無機カチオン(例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム等の各カチオン)が挙げ
られ、酸アニオンの具体例としては例えば、ハロゲンイ
オン(例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン
等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩素酸イオ
ン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチル硫酸イ
オン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ト
リフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0053】以下に、上記一般式(2a)〜(2d)で
表される感光色素の代表的なものを示すが、本発明はこ
れらの化合物に限定されるものではない
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】
【0057】
【化13】
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】
【化18】
【0063】
【化19】
【0064】
【化20】
【0065】上記の赤外感光色素は、例えばエフ・エム
・ハーマー著、The Chemistry of H
eterocylic Compounds第18巻、
The Cyanine Dyes and Rela
ted Compounds(A.Weissberg
er ed.Interscience社刊、NewY
ork 1964年)、特開平3−138638号、同
10−73900号、特表平9−510022号、米国
特許第2734900号、英国特許第774779号明
細書、特願平10−269843号、特願平11−58
686号明細書に記載の方法によって合成することがで
きる。
【0066】本発明において感光色素は単独で用いても
よいが、2種以上の感光色素を組み合わせて用いること
もできる。感光色素は単独で用いた場合、及び組み合わ
せた場合には、合計でハロゲン化銀1モル当たり各々、
1×10-6モル〜5×10-3モル、好ましくは1×10
-5モル〜2.5×10-3モル、更に好ましくは4×10
-5モル〜1×10-3モルの割合でハロゲン化銀乳剤中に
含有される。本発明において感光色素を2種以上組み合
わせて用いるとき、感光色素は任意の割合でハロゲン化
銀乳剤中に含有できる。
【0067】本発明の感光色素は、直接乳剤中へ所謂固
体分散といわれる方法で分散することができる。また、
これらはまず適当な溶媒、例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロパノール、メチルセロソル
ブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒
などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加することも
できる。溶解に超音波を使用することもできる。また、
この感光色素の添加方法としては米国特許第3,46
9,987号などに記載のごとき、色素を揮発性の有機
溶媒に溶解し、該溶液を親水性コロイド中に分散し、こ
の分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭46−241
85号などに記載のごとき、水不溶性色素を溶解するこ
となしに水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤へ
添加する方法;米国特許第3,822,135号に記載
のごとき、界面活性剤に色素を溶解し、該溶液を乳剤中
へ添加する方法;特開昭51−74624号に記載のご
とき、長波長側にシフトさせる化合物を用いて溶解し、
該溶液を乳剤中へ添加する方法;特開昭50−8082
6号に記載のごとき、色素を実質的に水を含まない酸に
溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法などが好ましく
用いられる。その他、乳剤への添加には米国特許第2,
912,343号、同第3,342,605号、同第
2,996,287号、同第3,429,835号など
に記載の方法を用いる事ができる。
【0068】また上記感光色素は適当な支持体上に塗布
される前にハロゲン化銀乳剤中に一様に分散してよい
が、勿論ハロゲン化銀乳剤の調製のどの過程においても
分散することができる。
【0069】本発明の感光色素を2種以上組み合わせる
場合、感光色素はそれぞれ独立して、またはあらかじめ
混合して上記のごとき方法によりハロゲン化銀乳剤中に
分散できる。本発明の感光色素とともに、強色増感を目
的として可視域に吸収を持つ色素や、それ自身分光増感
作用を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しない
物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでも
よい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組み合わ
せ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージ
ャ(Research Disclosure)176
巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ
項、或いは特公昭49−25500号、同43−493
3号、特開昭59−19032号、同59−19224
2号、特開平3−15049号、特開昭62−1234
54号に記載されている。
【0070】又、これらをハロゲン化銀(乃至、ハロゲ
ン化銀乳剤中ではなく)ハロゲン化銀と有機銀塩が混合
され接触状態にあるハロゲン化銀−有機銀塩分散液を含
有する熱現像感光層中に添加してもよく、その場合、熱
現像感光層塗布液中に、分光増感色素を適当な溶解し添
加する。添加のタイミングは、どの段階で添加しても良
いが、一般的にはハロゲン化銀乳剤を含有する有機銀塩
分散液を調製した後から塗布前までの期間に添加するの
が生産上は便利である。この場合も、本発明にかかわる
分光増感色素は単独のみでなく幾つか組み合わせて添加
してもよいし、又前記強色増感を示す物質と併用しても
よい。又上記のように色素が溶解しない溶媒中に分散さ
れたいわゆる固体分散状態で添加してもよい。
【0071】本発明において有機銀塩は還元可能な銀源
であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘ
テロ有機酸の銀塩、特に長鎖(炭素原子数10〜30、
好ましくは15〜25)の脂肪族カルボン酸及び含窒素
複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イ
オンに対する総安定度定数を有する有機又は無機の銀塩
錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Researc
h Disclosure第17029及び29963
に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例え
ば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パ
ルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアル
キルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピ
ル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,
3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置
換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体
(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸類
(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキ
シ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸)とのポリマー
反応生成物の銀錯体)、チオン類の銀塩又は錯体(例え
ば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメ
チル−4−チアゾリン−2−チオン、及び3−カルボキ
シメチル−4−チアゾリン−2−チオン)、イミダゾー
ル、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール
及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチ
オ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾール
から選択される窒素酸と銀との錯体または塩;サッカリ
ン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメ
ルカプタン類の銀塩。これらの中好ましい銀源は長鎖カ
ルボン酸銀塩であり、ベヘン酸銀、ステアリン酸、パル
ミチン酸、アラキドン酸等である。有機銀塩の好ましい
塗布銀量として3g/m2以下で含有せしめる。更に好
ましくは2g/m2以下である。
【0072】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。
【0073】本発明の熱現像感光材料に使用される感光
性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブルジ
ェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法によ
り、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいず
れかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、次い
で本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中
に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲン化
銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光
性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米
国特許第3,706,564号、同第3,706,56
5号、同第3,713,833号、同第3,748,1
43号、英国特許第1,362,970号各明細書に記
載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外の
ポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,18
6号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀
乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許第
4,076,539号明細書に記載されているように感
光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製する
ことによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各
手段を適用することが出来る。
【0074】ハロゲン化銀は、光センサーとして機能す
るものであり、画像形成後の白濁を低く抑える為又、良
好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好まし
い。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.
01μm〜0.1μm、特に0.02μm〜0.08μ
mが好ましい。又、ハロゲン化銀の形状としては特に制
限はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない
球状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組
成としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭
化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよ
い。
【0075】ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述
の有機銀塩の総量に対し50%以下好ましくは25%〜
0.1%、更に好ましくは15%〜0.1%の間であ
る。
【0076】本発明の熱現像感光材料に使用される感光
性ハロゲン化銀は又、英国特許第1,447,454号
明細書に記載されている様に、有機銀塩を調製する際に
ハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と
共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成
とほぼ同時に生成させることも出来る。
【0077】更に他の方法としては、予め調製された有
機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシー
ト材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩
の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもできる。
このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有
効に接触しており好ましい作用を呈する。ハロゲン化銀
形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を
生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該
当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別する事
が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物を混
入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲン
化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。かか
る試験によって有効であることが確かめられたハロゲン
化銀形成成分としては、無機ハロゲン化物、オニウムハ
ライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合
物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例につ
いては米国特許第4,009,039号、同第3,45
7,075号、同第4,003,749号、英国特許第
1,498,956号各明細書及び特開昭53−270
27号、同53−25420号各公報に詳説されるが以
下にその一例を示す。
【0078】(1)無機ハロゲン化物:例えばMXn
表されるハロゲン化物(ここでMは、H、NH4、及び
金属原子を表し、nはMがH及びNH4の時は1を、M
が金属原子の時はその原子価を表す。金属原子として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜
鉛、カドミウム、水銀、錫、アンチモン、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、セリウム等
がある。)。又、臭素水などのハロゲン分子も有効であ
る。
【0079】(2)オニウムハライド類:例えばトリメ
チルフェニルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジ
メチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルア
ンモニウムブロマイドの様な第4級アンモニウムハライ
ド、テトラエチルフォスフォニウムブロマイドの様な第
4級フォスフォニウムハライド、トリメチルスルフォニ
ウムアイオダイドの様な第3級スルフォニウムハライド
がある。
【0080】(3)ハロゲン化炭化水素類:例えばヨー
ドフォルム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム
−2−メチルプロパン等。
【0081】(4)N−ハロゲン化合物:例えばN−ク
ロロ琥珀酸イミド、N−ブロム琥珀酸イミド、N−ブロ
ムフタルイミド、N−ブロムアセトアミド、N−ヨード
琥珀酸イミド、N−ブロムフタラゾン、N−ブロムオキ
サゾリノン、N−クロロフタラゾン、N−ブロモアセト
アニリド、N,N−ジブロモベンゼンスルホンアミド、
N−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド、1,
3−ジブロモ−4,4−ジメチルヒダントイン、N−ブ
ロモウラゾール等。
【0082】(5)その他のハロゲン含有化合物:例え
ば、塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチ
ル、2−ブロム酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロ
ベンゾフェノン等がある。
【0083】これらのハロゲン化銀形成成分は有機銀塩
に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その範
囲は有機銀塩1モルに対し0.001モル乃至0.7モ
ル、好ましくは0.03モル乃至0.5モルである。ハ
ロゲン化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されて
もよい。又、これらの方法により形成されたハロゲン化
銀は上記のように別途調製されたハロゲン化銀と併用し
てもよい。この反応は後述する結合剤として使用される
ポリマーの存在下に行われることが好ましい。この際の
ポリマーの使用量は有機銀塩1重量部当たり0.01乃
至100重量部、好ましくは0.1乃至10重量部であ
る。
【0084】本発明においては、本発明に係る化合物に
よる分光増感に加えて、従来知られている下記の化学増
感を行うことができ、化学増感の工程の条件、例えばp
Ag、温度、時間等については当業界で一般に行われて
いる条件で行うことができる。
【0085】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、
白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、
クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感
する事が出来る。この化学増感の方法及び手順について
は、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許
第1,518,850号各明細書、特開昭51−224
30号、同51−78319号、同51−81124号
各公報に記載されている。又、二酸化チオ尿素およびア
スコルビン酸等の還元剤を用いた還元増感、あるいは硝
酸銀のような水溶性銀塩を用いた、いわゆる銀熟成のよ
うな還元増感技術も用いることができる。
【0086】又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の
一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第
3,980,482号明細書に記載されているように、
増感を達成するために低分子量のアミド化合物を共存さ
せてもよい。
【0087】又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照
度不軌や、階調調整の為に元素周期律表の6族から11
族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、O
s、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させ
ることが出来る。特に錯イオンとして添加するのが好ま
しく、例えば照度不軌のためにIrCl6 2-等のIr錯
イオンを添加してもよい。これらの金属のイオン又は錯
体イオンは一種類でもよいし、同種の金属及び異種の金
属を二種以上併用してもよい。これらの金属のイオン又
は錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化
銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であ
り、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。
【0088】これらの金属のイオン又は錯体イオンを提
供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハ
ロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロ
ゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、
化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核
形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、
更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最
も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際して
は、数回に亘って分割して添加してもよく、ハロゲン化
銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭6
3−29603号、特開平2−306236号、同3−
167545号、同4−76534号、同6−1101
46号、同5−273683号等に記載されている様に
粒子内に分布をもたせて含有させることもできる。
【0089】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶
性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液
とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液と
して添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を
調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶
液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製
時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある
別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等があ
る。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合
物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶
性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に
添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もし
くは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶
液を反応容器に投入することもできる。
【0090】本発明の熱現像感光材料には還元剤を内蔵
させる。好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,
448号、同第3,773,512号、同第3,59
3,863号、及びResearch Disclos
ure第17029及び29963に記載されており、
次のものがある。
【0091】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキ
セノン);還元剤の前駆体としてアミノリダクトン類
(reductones)エステル(例えば、ピペリジ
ノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロ
キシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N
−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾ
ン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラ
ゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーア
ミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、
ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピ
ルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニ
ル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例え
ば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミド
アニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシム類;アジン類(例えば、脂肪
族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸
の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシ
ルアミンの組み合わせ;リダクトン及び/又はヒドラジ
ン;ヒドロキサム酸類;アジン類とスルホンアミドフェ
ノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導
体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベン
ゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホン
アミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,
3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類
(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエト
キシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類
(例えば、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−
メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、(2−
ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−
(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、1,
1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)−2−メチルプロパン、1,1,5,5−テトラキ
ス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−
2,4−エチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニ
ル)プロパンビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−
5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,5−エチ
リデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノー
ル)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピラ
ゾリドン類。
【0092】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマ
ー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルム
を形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポ
リ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水
性でも非親水性でもよい。しかしながら、これらのバイ
ンダーの中でも特に好ましいのは、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルブチ
ラールのような非水溶性のポリマーであり、この中で熱
現像感光層に用いる特に好ましいポリマーとしてはポリ
ビニルアセタール類があげられ、その中でも特に好まし
いのはポリビニルブチラールであり、保護層バックコー
ト層として特に好ましいポリマーとしてはセルロースア
セテート及びセルロースアセテートブチレートがあげら
れる。
【0093】本発明においては、感光性層のバインダー
量が1.5〜6g/m2であることが好ましい。さらに
好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5g/m2
満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用にたえない
場合がある。
【0094】本発明においては、感光性層側にマット剤
を含有することが好ましく、本発明の寸法の繰り返し精
度を高めるには、ポリマーマット剤又は無機マット剤を
熱現像感光層側の全バインダーに対し、重量比で0.5
〜10%含有することが好ましい。
【0095】本発明において用いられるマット剤の材質
は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機
物としては、スイス特許第330,158号等に記載の
シリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガ
ラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のア
ルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等を
マット剤として用いることができる。有機物としては、
米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベル
ギー特許第625,451号や英国特許第981,19
8号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643
号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第33
0,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタア
クリレート、米国特許第3,079,257号等に記載
のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,16
9号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット
剤を用いることができる。
【0096】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒
径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
【0097】本発明に用いられるマット剤は、平均粒径
が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好
ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイ
ズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好
ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好まし
くは30%以下となるマット剤である。
【0098】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。
【0099】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に係るマット剤は任意の構成層中に含むことがで
きるが、本発明の目的を達成するために好ましくは感光
性層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から見
て最も外側の層である。
【0100】本発明に係るマット剤の添加方法は、予め
塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、
塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を
噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット
剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0101】本発明の熱現像感光材料には、色調剤を添
加することが好ましい。好適な色調剤の例はResea
rch Disclosure第17029号に開示さ
れており、次のものがある。
【0102】イミド類(例えば、フタルイミド);環状
イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン
(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド
類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);フタ
ラジノン、フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金
属塩(例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6
−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラ
ジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジ
オン);フタラジノンとスルフィン酸誘導体の組み合わ
せ(例えば、6−クロロフタラジノン+ベンゼンスルフ
ィン酸ナトリウム又は8−メチルフタラジノン+p−ト
リスルホン酸ナトリウム);フタラジンとフタル酸の組
み合わせ;フタラジン(フタラジンの付加物を含む)と
マレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレン
ジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水
物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニト
ロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択
される少なくとも1つの化合物との組み合わせ;キナゾ
リンジオン類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘導
体;ベンズオキサジン−2,4−ジオン類(例えば、
1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミ
ジン類及び不斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒ
ドロキシピリミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導
体(例えば、3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニ
ル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペン
タレン)。好ましい色調剤としてはフタラゾン又はフタ
ラジンとフタル酸の組み合わせである。
【0103】熱現像感光材料に用いる支持体の素材とし
ては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、
紙、金属(例えばアルミニウム)等が挙げられるが、情
報記録材料としての取り扱い上は可撓性のあるシート又
はロールに加工できるものが好適である。従って本発明
の熱現像感光材料における支持体としては、プラスチッ
クフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、ポ
リエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミド
フィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテ
ートフィルム又はポリカーボネートフィルム等)が好ま
しく、本発明においては2軸延伸したポリエチレンテレ
フタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとし
ては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μ
mである。
【0104】本発明においては帯電性を改良するために
金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電性
化合物を構成層中に含ませることができる。これらはい
ずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層,バ
ッキング層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。
本発明においては米国特許5,244,773号カラム
14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いら
れる。
【0105】感光層、保護層及びバックコート層等本発
明の感光材料上に必要な各層を塗設する方法に特に制限
はなく、従来知られている、エアナイフコーティング、
ディップコーティング、バーコーティング、カーテンコ
ーティング、ホッパーコーティングなどの方法を用いる
ことができる。又、これらの層を2層以上同時に塗布し
てもよい。塗布液の溶媒としてはMEK、酢酸エチル、
トルエンの様な有機溶媒が好ましく用いられる。
【0106】本発明の熱現像感光材料は支持体上に少な
くとも一層の感光性層を有している。支持体の上に感光
性層のみを形成しても良いが、感光性層の上に少なくと
も1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光性
層に通過する光の量又は波長分布を制御するために感光
性層と同じ側又は反対側にフィルター層を形成しても良
いし、感光性層に染料又は顔料を含ませても良い。染料
としては特願平7−11184号の化合物が好ましい。
感光性層は複数層にしても良く、また階調の調節のため
感度を高感層/低感層又は低感層/高感層にしても良
い。各種の添加剤は感光性層、非感光性層、又はその他
の形成層のいずれに添加しても良い。本発明の熱現像感
光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良
い。
【0107】本発明の熱現像感光材料には本発明に係わ
る赤外分光増感色素の他にも、特公昭48−42172
号、同51−9609号、同55−39818号、特開
昭62−284343号、特開平2−105135号に
記載されたチアカルボシアニン類、赤外半導体レーザー
光源に対しては特開昭59−191032号、特開昭6
0−80841号に記載されたトリカルボシアニン類、
特開昭59−192242号、特開平3−67242号
の一般式(IIIa)、一般式(IIIb)に記載された4−
キノリン核を含有するジカルボシアニン類など赤外領域
に分光増感作用を有する色素を併用して用いる事ができ
る。
【0108】本発明の熱現像感光材料は、好ましくはモ
ノシート型(画像形成するために供与した材料は全て観
察される画像シートとして完成される型)熱現像感光材
料である。感材中の分光増感色素の種類によって露光用
レーザー光の波長が必要に応じて変更することができ
る。
【0109】また、本発明の赤外レーザー露光用熱現像
感光材料の露光は、赤外半導体レーザー(780nm、
820nm)が好ましく用いられるが、赤外半導体レー
ザー露光の波長が750nm以上、さらに好ましくは8
00nm以上であるとよい。
【0110】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査
レーザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレ
ーザー走査露光機を用いることが好ましい。
【0111】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好
ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度
以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以
下、最も好ましくは70度以上82度以下であることを
いう。
【0112】レーザー光が、感光材料に走査されるとき
の感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましく
は200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度
の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。
【0113】なお、ビームスポット直径の下限は10μ
mである。このようなレーザー走査露光を行うことによ
り干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣
化を減じることが出来る。
【0114】また、本発明における露光は縦マルチであ
る走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて
行うことも好ましい。縦単一モードの走査レーザー光に
比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。
【0115】縦マルチ化するには、合波による、戻り光
を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。
なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味
し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10
nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に
制限はないが、通常60nm程度である。
【0116】加熱することで有機銀塩(酸化剤として機
能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を
生成する。この反応過程は、外部から水等の処理液の供
給なしに進行する。
【0117】本発明の熱現像感光材料は常温で安定であ
るが、露光後高温(例えば、80℃〜200℃)に加熱
することで、有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元
剤との間の酸化還元反応を通じて露光部に銀を生成する
ことで現像される。加熱温度としては80℃以上200
℃以下が好ましく、さらに好ましいのは100℃以上1
50℃以下である。加熱温度が80℃以下では短時間に
十分な画像濃度が得られず、又200℃以上ではバイン
ダーが溶融し、ローラーへの転写など、画像そのものだ
けでなく搬送性や、現像機等へも悪影響を及ぼす。
【0118】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0119】実施例1 (支持体の作製)濃度0.160(コニカ(株)製デン
シトメータPDA−65)に青色着色した、厚み175
μmのPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ
放電処理を施した。
【0120】〔感光性乳剤Aの調製〕 (感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900ml中に
平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び臭化
カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0
に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと
(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム及
び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10-4モル含む
水溶液370mlをpAg7.7に保ちながらコントロ
ールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。そ
の後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5
に調整して平均粒子サイズ0.06μm、粒子サイズの
変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭
化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いてハ
ロゲン化銀粒子を凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエ
タノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に
調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0121】〈Em−1〉上記感光性ハロゲン化銀乳剤
Aを所定量分割し、化学増感を施しないで、ハロゲン化
銀粒子を得た。
【0122】〈Em−2〉上記感光性ハロゲン化銀乳剤
Aを所定量分割し、55℃に昇温して、化合物Aを5×
10-5モル添加した。引き続きチオシアン酸アンモニウ
ム7×10-5モル、塩化金酸5.3×10-5モルを加え
た。また、沃化銀微粒子0.3モル%を添加した。10
0分間熟成した後に38℃に冷却して化学増感を終了
し、ハロゲン化銀粒子を得た。尚、添加量はAgX1モ
ル当たりとして添加した。
【0123】
【化21】
【0124】(粉末有機銀塩の調製)4720mlの純
水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、
ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速
で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液54
0.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55
℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機
酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、Em−
1、Em−2(それぞれ銀0.038モルを含む)それ
ぞれと純水450mlを添加し5分間撹拌した。次に1
Mの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、
さらに20分撹拌し、濾過により水溶性塩類を除去し
た。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱
イオン水による水洗、濾過を繰り返し、遠心脱水を実施
した後、重量減がなくなるまで加熱した窒素気流下乾燥
を行い、粉末有機銀塩それぞれB−1、B−2を得た。
【0125】(感光性乳剤分散液の調製)ポリビニルブ
チラール粉末(Monsanto社 Butvar B
−79)14.57gをメチルエチルケトン1457g
に溶解し、ディゾルバー型ホモジナイザにて撹拌しなが
ら上記の粉末有機銀塩500gを徐々に添加して十分に
混合した。その後1mmZrビーズ(東レ製)を80%
充填したメディア型分散機(Gettzmann社製)
にて周速13m、ミル内滞留時間0.5分間にて分散を
行ない感光性乳剤分散液B−1及びB−2を調製した。
【0126】〔感光層塗布液C−1の調製〕前記感光性
乳剤分散液B−1を500g用いて、これに窒素気流下
でメチルエチルケトン(MEK)100gを撹拌しなが
ら加え24℃に保温した。下記のかぶり防止剤1(10
%メタノール溶液2.50ml)を添加し1時間撹拌
し、さらにそれぞれ臭化カルシウム(10%メタノール
溶液4ml)を添加して15分撹拌した。下記の色素吸
着助剤と酢酸カリウムの1:5混合液(色素吸着助剤2
0wt%エタノール溶液)1.8mlを加え15分撹拌
した。次に表1に記載のような赤外増感色素、及び4−
クロロ−2−ベンゾイル安息香酸、および強色増感剤
(5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール)の
混合溶液(混合比率1:250:20、増感色素で0.
1%メタノール溶液、7ml)を添加して1時間撹拌し
た後に温度を13℃まで降温してさらに30分撹拌す
る。これを13℃に保温したまま、ポリビニルブチラー
ル48gを添加して充分溶解させてから、以下の添加物
を添加した。(これらの操作はすべて窒素気流下で行っ
た。) フタラジン 1.5g テトラクロロフタル酸 0.5g 4−メチルフタル酸 0.5g 一般式(1)の染料(表1に記載) 染料の吸収極大の光学濃度を0.9に なるような量 現像剤(1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −2−メチルプロパン) 15g デスモデュ N3300 (モーベイ社、脂肪族イソシアネート) 1.10g かぶり防止剤2(2−(トリブロムメチルスルホニル)−キノリン) 1.55g
【0127】
【化22】
【0128】〔感光層塗布液C−2の調製〕前記感光性
乳剤分散液B−2を500g用いて、これに窒素気流下
でメチルエチルケトン(MEK)100gを撹拌しなが
ら加え21℃に保温した。前記のかぶり防止剤1(10
%メタノール溶液2.50ml)を添加し1時間撹拌
し、さらにそれぞれ臭化亜鉛(10%メタノール溶液4
ml)を添加して15分撹拌した。前記の色素吸着助剤
と酢酸カリウムの1:5混合液(色素吸着助剤20wt
%エタノール溶液)1.8mlを加え15分撹拌した。
次に表1に記載のような赤外増感色素、及び4−クロロ
−2−ベンゾイル安息香酸、および強色増感剤(5−メ
チル−2−メルカプトベンズイミダゾール)の混合溶液
(混合比率1:250:20、増感色素で0.1%メタ
ノール溶液、7ml)を添加して1時間撹拌した後に温
度を13℃まで降温してさらに30分撹拌する。これを
13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール48gを
添加して充分溶解させてから、以下の添加物を添加し
た。(これらの操作はすべて窒素気流下で行った。) フタラジン 1.5g テトラクロロフタル酸 0.5g 4−メチルフタル酸 0.5g 比較染料又は一般式(1)の染料(表1に記載):染料の吸収極大の光学濃度 を0.9なるような量 現像剤(1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −2−メチルプロパン) 15g デスモデュ N3300 (モーベイ社、脂肪族イソシアネート) 1.10g かぶり防止剤2(2−(トリブロムメチルスルホニル)−キノリン) 1.0g かぶり防止剤3 0.9g
【0129】
【化23】
【0130】〈感光層面側塗布〉感光層:前記の組成の
液をそれぞれ塗布銀量1.8g/m2、バインダーとし
てのポリビニルブチラールを8.5g/m2になる様に
前記支持体上に塗布した。
【0131】さらに以下の各層を順次形成し、試料N
o.1〜18を作製した。尚、乾燥は窒素気流下で各々
75℃、5分間で行った。
【0132】〈バック面側塗布〉以下の組成の液を湿潤
厚さ80ミクロンになるように塗布した。
【0133】 ポリビニルブチラール(10%イソプロパノール溶液) 150ml 比較染料または一般式(1)の染料(表1に記載)の吸
収極大の光学濃度が0.7なるような量 〈表面保護層〉以下の組成の液を湿潤厚さ100μmに
なる様に各感光層上に塗布した。
【0134】 アセトン 175ml 2−プロパノール 40ml メタノール 15ml セルロースアセテート 8g フタラジノン(4.5%DMF溶液) 8ml フタラジン 1.5g 4−メチルフタル酸 0.72g テトラクロロフタル酸 0.22g テトラクロロフタル酸無水物 0.5g 平均粒径4μmの単分散シリカ バインダーに対して1重量%
【0135】
【表1】
【0136】
【化24】
【0137】
【化25】
【0138】
【化26】
【0139】センシトメトリーの評価 上記で作製した熱現像感光材料を半切りサイズに加工し
た後、810nmの半導体レーザーを用いて像様露光し
た。塗布試料の露光面と露光レーザー光の角度は80d
egとした。又、レーザーの出力は75mWであり、但
し高周波重畳をし縦マルチモードで出力した。露光時間
は1×10-7秒で露光した。熱現像処理はヒートドラム
を用いて均一加熱を行い、処理は120℃、15秒で行
った。かぶり、感度(かぶりより1.0高い濃度を与え
る露光量の比の逆数)を測定した。但し、試料No.1
の値を100とした相対値で示す。結果を表2に示す。
【0140】又、鮮鋭性、残色ステイン、生保存性の評
価を以下の様に行った。これも表2に示す。
【0141】鮮鋭性の評価 試料の10本/mmにおけるMTFを測定し、試料N
o.1のMTF値を100とする相対値で示す。
【0142】残色ステインの評価 現像済み試料のかぶり部分について可視光領域の分光吸
収を測定し、試料No.1の可視部の吸収極大の光学濃
度を100とする相対値を示す。値が小さいほど残色性
がよい。
【0143】生保存性の評価 作製した熱現像感光材料を内部が25℃で湿度55%に
保たれた密閉容器中に入れた後50℃で7日間経時した
(強制経時)。比較として同じ熱現像感光材料を25℃
で湿度55%にて遮光容器中に7日経時保存した(比較
用経時)。これらの試料をセンシトメトリーの評価に用
いたものと同じ処理を行い、かぶり部分の濃度も測定し
た。
【0144】(かぶりの増加)=(強制経時のかぶり)
−(比較用経時のかぶり) を算出し感光材料の生保存性をみた。
【0145】かぶりの増加を保存かぶりとして、試料N
o.1の値を100として、試料No.2〜18につい
て算出した結果を表2に示す。
【0146】
【表2】
【0147】表2より本発明の試料はかぶりが低く、十
分な感度があり、残色ステインがなく、良好な鮮鋭性を
有し、かつ、感材の生保存安定性も良好であることがわ
かる。
【0148】
【発明の効果】本発明により、画像の鮮鋭性がよく高い
赤外感度を有する熱現像感光材料を得ることが出来、レ
ーザーイメージャー用或いはイメージセッター出力フィ
ルム用として適した熱現像感光材料を得ることが出来
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に有機銀塩、バインダー、感光
    性ハロゲン化銀を含有する少なくとも1層を有する熱現
    像感光材料において、該熱現像感光材料を構成する層又
    は支持体が下記一般式(1)で表される染料の少なくと
    も1種を含有し、かつ、感光性ハロゲン化銀が下記一般
    式(2a)〜(2d)から選ばれた分光増感色素の少な
    くとも1種により増感されたことを特徴とする熱現像感
    光材料。 【化1】 (一般式(1)において、Xは硫黄原子又は酸素原子を
    表し、R1、R2は1価の置換基を表し、m、nは0、
    1、2、3又は4を表す。) 【化2】 【化3】 (一般式(2a)、(2b)、(2c)及び(2d)に
    おいて、Y1、Y2及びY11は、各々、酸素原子、硫黄原
    子、セレン原子、または−CH=CH−基を表し、L1
    〜L9、L11〜L15は各々、メチン基を表す。R1
    2、R11及びR12は各々、脂肪族基を表す。R3
    4、R13及びR14は各々、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、
    又は複素環基を表す。W1、W2、W3、W4、W11
    12、W13及びW14は各々、水素原子、置換基、或いは
    1とW2、W3とW4、W11とW12、W13とW14の間で結
    合して縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    す。或いはR3とW1、R3とW2、R13とW11、R13とW
    12、R4とW3、R4とW4、R14とW13、R14とW14の間
    で結合して5員、6員の縮合環を形成するのに必要な非
    金属原子群を表す。X1及びX11は各々、分子内の電荷
    を相殺するに必要なイオンを表し、k1及びk11は各
    々、分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの数を表
    す。m1は0又は1を表す。n1、n2、n11及びn
    12は各々、0、1又は2を表す。但し、n1とn2及
    びn11とn12は同時に0とはならない。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱現像感光材料を赤外
    レーザーで露光することを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 露光面と走査レーザー光のなす角度が実
    質的に垂直になることがないレーザー走査露光機で露光
    することを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 走査レーザー光が縦マルチであるレーザ
    ー走査露光機で露光することを特徴とする請求項2に記
    載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の熱現像感光材料を80
    ℃以上200℃以下の温度で加熱する事により現像する
    事を特徴とする画像形成方法。
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