JPH027446B2 - - Google Patents

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JPH027446B2
JPH027446B2 JP9438982A JP9438982A JPH027446B2 JP H027446 B2 JPH027446 B2 JP H027446B2 JP 9438982 A JP9438982 A JP 9438982A JP 9438982 A JP9438982 A JP 9438982A JP H027446 B2 JPH027446 B2 JP H027446B2
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silver
organic
silver halide
polymer
photosensitive
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Kenji Kagami
Masao Suzuki
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Oriental Photo Industrial Co Ltd
Original Assignee
Oriental Photo Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH027446B2 publication Critical patent/JPH027446B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49818Silver halides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、熱現像性感光材料の感光成分として
好適な感光性ハロゲン化銀の製造方法に関するも
のである。 特公昭43―4921号公報及び同43―4924号公報等
には、被還元性有機銀塩、還元剤及び触媒量の感
光性ハロゲン化銀の3成分から成る熱現像性感光
材料が記載されている。この熱現像性感光材料
は、像露光後通常100℃以上の加熱により安定で
良質な画像を得ることができる。すなわちこの熱
現像性感光材料は、感光性ハロゲン化銀の含有量
が少ないために画像形成後湿式による安定化処理
を必要としないという特徴を有している。 かかる熱現像性感光材料の光感度を左右する因
子は感光性ハロゲン化銀である。この感光性ハロ
ゲン化銀の調整方法として次の2つの方法が提案
されている。第1の方法は、特公昭43―4924号公
報及び特公昭53―40484号公報等に記載された方
法で被還元性有機銀塩の一部をハロゲン化合物に
より感光性ハロゲン化銀に交換する方法、所謂現
場内ハロゲン化銀の調製方法である。第2の方法
は、特公昭43―4921号公報に記載された方法で、
感光性ハロゲン化銀をあらかじめ被還元性有機銀
塩とは別の場所で形成し、次いで被還元性有機銀
塩と混合する方法、所謂現場外ハロゲン化銀の調
製方法である。本発明は上記の調製方法のうち、
後者の技術に好適に使用しうる感光性ハロゲン化
銀の製造方法に関するものである。 特公昭43―4921号公報に記載された現場外ハロ
ゲン化銀を用いた熱現像性感光材料は、特公昭43
―4924号公報に述べられているように、感光性ハ
ロゲン化銀と被還元性有機銀塩の接触が不十分で
あるため、現場内ハロゲン化銀を用いた熱現像性
感光材料よりも写真特性が劣るとされていた。従
つてこれまでにも被還元性有機銀塩と有効に接触
しうる感光性ハロゲン化銀の製造が数多く試みら
れており、例えば、英国特許第1362970号明細書、
特開昭47―9171号公報、同47―9308号公報、同47
―9432号公報、同50―32926号公報、同50―32928
号公報、同54―4117号公報及び特公昭52―17415
号公報等に記載されている。しかしこれ等の製造
方法で調製される感光性ハロゲン化銀は、粒子サ
イズが小さく、粒度分布が広い為に、この感光性
ハロゲン化銀を使用して熱現像性感光材料を製造
しても、高感度で高階調度な写真特性が得られな
かつたり、感光性ハロゲン化銀の製造工程が繁雑
になるなどの問題があつた。 本発明者等は、熱現像性感光材料に適した感光
性ハロゲン化銀の製造方法を長期にわたり研究し
た結果、有機溶媒中に懸濁分散した有機脂肪酸銀
とハロゲン化合物を化学量論的な割合で反応させ
ることにより、懸濁分散された有機脂肪酸銀の全
部若しくはほとんど全部が感光性ハロゲン化銀に
変換されることを見い出した。更に本発明者等は
この様にして得られた感光性ハロゲン化銀は熱現
像性感光材料の感光体として好適であり、特にハ
ロゲン化合物として有機ハロゲン化合物を用いて
調製した感光性ハロゲン化銀は、熱現像性感光材
料の写真特性(感度、最大濃度、階調性等)を飛
躍的に改良することを見い出し、特願昭56―
71787号として特許出願をした。 本発明は、上記特願昭56―71787号の改良に関
するものである。本発明者等は、特願昭56―
71787号記載の方法により調製されたポリマーを
含有する感光性ハロゲン化銀分散液を、この分散
液の分散溶媒と相溶しかつポリマーを析出しうる
溶媒中に注入することにより、ポリマーに包含さ
れた感光性ハロゲン化銀を析出させ、これを濾過
し乾燥させた。本発明者等はこの固体状態のポリ
マー中に包含された感光性ハロゲン化銀が長期保
存によつて感光性ハロゲン化銀の凝集をおこさ
ず、又この感光性ハロゲン化銀を感光体として用
いた熱現像性感光材料の写真特性が著しく改良さ
れることを見い出した。 本発明の感光性ハロゲン化銀は、成分(a)の有機
脂肪酸銀を成分(b)の有機溶媒中に懸濁分散させ、
この分散液に成分(c)の有機ハロゲン化合物を加え
ることにより形成される。かかる成分(a)の有機脂
肪酸銀は、有機溶媒に難溶若しくは不溶であり、
好ましくは炭素数5個以上の有機脂肪酸銀であ
り、例えばカプロン酸銀、カプリル酸銀、カプリ
ン酸銀、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミ
チン酸塩、ステアリン酸銀、アラシン酸銀、ベヘ
ン酸銀、リグノセリン酸銀、オレイン酸銀、リノ
ール酸銀、リノレイン酸銀、ヒドロキシステアリ
ン酸銀、11―ブロモウンデカン酸銀等の置換若し
くは無置換の飽和若しくは不飽和脂肪酸銀を挙げ
ることができる。有機脂肪酸銀の中で炭素数5個
以上のものは、形状の揃つた粒度分布の狭いハロ
ゲン化銀粒子を製造できるので特に好ましいもの
である。かかる有機脂肪酸銀の調製は、適当な溶
媒に溶解させた有機脂肪酸若しくは有機脂肪酸の
アルカリ金属塩等の溶液に、硝酸銀、アンモニア
然硝酸銀等の銀塩若しくは銀錯塩等の溶液を加え
て調整する方法が一般的である。 成分(b)の有機溶媒は、反応温度で液状であり成
分(a)有機脂肪酸銀を均一に分散し、かつ成分(c)有
機ハロゲン化合物及び成分(d)ポリマーを一定量溶
解することができれば特に限定されない。具体的
には、アルコール類、ケトン類、エステル類、芳
香族炭化水素類、酸アミド等を単独若しくは混合
物として使用することができる。 アルコール類の具体例としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、n―プロピルアルコー
ル、イソロピルアルコール、n―ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、sec―ブチルアルコ
ール、n―アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール、n―ヘキシルアルコール等の脂肪族飽和ア
ルコール、アリルアルコール、プロパルギルアル
コール等の脂肪族不飽和アルコール、シクロペン
タノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコ
ール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコー
ル等アラルキルアルコール、エチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール等を挙げるこ
とができる。 ケトン類の具体例としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロ
ピルメチルケトン、ブチルメチルケトン、イソブ
チルメチルケトン等の脂肪族飽和ケトン、メチル
ビニルケトン、メチルヘプテンケトン等の不飽和
脂肪族ケトン、シクロブタノン、シクロヘキサノ
ン等の脂環式ケトン、アセトフエノン、プロピオ
フエノン、ブチルフエノン等の芳香族ケトンを挙
げることができる。 エステル類の具体例としては、ギ酸メチル、ギ
酸プロピル、ギ酸アミル、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸
メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソ
プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸エ
チル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸イソプロピ
ル、安息香酸メチル、フタル酸エチル等を挙げる
ことができる。 芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、イン
デン、テトラリン等を挙げることができる。この
他に、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキサイド等の窒素原子や硫
黄原子を含む溶媒も使用することができる。 上記の有機溶媒のうち特に好ましいものは、ア
ルコール類若しくはケトン類の単独若しくは上記
の他の溶媒との混合物である。また水―アルコー
ル類、水―ケトン類の混合系も使用できる。 成分(c)の有機ハロゲン化合物は、成分(a)の有機
脂肪酸銀と反応して感光性ハロゲン化銀を形成し
うるものであり、好ましい有機ハロゲン化合物と
して、次の一般式()若しくは()で表わさ
れる化合物を挙げることができる。 式中Xは、塩素原子、臭素原子及び沃素原子を
表わし、Zは4〜8員環を形成するに必要な非金
属原子群を表わし、この4〜8員環は他の環と縮
合してもよい。Zは好ましくは5員環あるいは6
員環であり、具体例としてはピロール環、ピロリ
ン環、ピロリジン環、イミダゾリン環、イミダゾ
リジン環、ピラゾリン環、オキサゾリジン環、ピ
ペリジン環、オキサジン環、ピペラジン環、イン
ドリン環等を挙げることができる。さらにZは4
〜8員環のラクタム環、ヒダントイン環、シアヌ
ル環、ヘキサヒドロトリアジン環、インドリン環
などを形成してもよい。さらにこの環には、無置
換若しくは置換アルキル基、無置換若しくは置換
アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、オキ
ソ基等の置換基を有していてもよい。Aはカルボ
ニル基、またはスルホニル基を表わし、R1およ
びR2は水素原子、無置換若しくは置換アルキル
基、無置換若しくは置換アリール基、アルコキシ
基を表わす。 上記一般式()で示される代表的な化合物例
として、N―ブロムサクシンイミド、N―ブロム
テトラフルオロサクシンイミド、N―ブロムフタ
ルイミド、N―ブロムグルタールイミド、1,3
―ジブロム―5,5―ジメチル―2,4―イミダ
ゾリジンジオン、N,N′―ザブロム―5,5―
ジエチルバルビツール酸、N―ブロムイソシアヌ
ル酸、N,N′―ジブロムイソシアヌル酸、N―
ブロムオキサゾリノン、N―ブロムフタラジノ
ン、N―クロルサクシンイミド、N―ヨードサク
シンイミド、N―クロルフタルイミド、N―ブロ
ムサツカリン、N―ブロムカプロラクタム、N―
ブロムブチロラクタム、N,N′―ジブロムチオ
ヒダントイン等を挙げることができる。 上記一般式()で示される代表的な化合物例
として、N―ブロムアセトアミド、N―ブロムア
セトアニリド、N―ブロムベンゼンスルホニルア
ニリド、N―ブロムベンズアミド、N―クロルア
セトアミド、N―ブロムナフトアミド、N―ブロ
ム―P―ヒドロキシベンズアミド等を挙げること
ができる。 また有機ハロゲン化合物としてハロゲン化メラ
ミンも使用することができ、具体例としてはトリ
ブロムメラミン、トリクロルメラミン等を挙げる
ことができる。 更に有機ハロゲン化合物として下記一般式
()で表わされるC―ハロゲノ化合物も有効で
ある。 式中、Xは塩素原子、臭素原子及び沃素原子を
表わし、R3,R4,R5は互いに同一でも異なつて
いてもよく、水素原子、無置換若しくは置換のア
ルキル基、無置換若しくは置換アリール基、ニト
ロ基、アシル基、無置換若しくは置換アミド基、
無置換若しくは置換アリール基またはアルキル基
に結合したスルホニル基、又はハロゲン原子を表
わす。但しR3,R4,R5の少なくとも一つはハロ
ゲン原子の放出を助けるものであり、例えばニト
ロ基、無置換若しくは置換のアリール基、アルケ
ニル基、アシル基、アミド基、スルホニル基等を
表わす。 上記一般式()で表わされる化合物として
は、α―ハロケトン化合物、α―ハロアミド化合
物、ハロスルホニル化合物、ハロニトロ低級アル
カン化合物、ハロゲン原子に対しβ位炭素が不飽
和結合を持つ化合物等を挙げることができる。 一般式()で表わされる化合物の具体例とし
ては、α―ブロムアセトフエノン、α―クロルア
セトフエノン、α―ブロモ―α―フエニルアセト
フエノン、α―ブロモ―1,3―ジフエニル―
1,3―プロパンジオン、α―ブロモ―2,5―
ジメトキシアセトフエノン、α―ブロモメチルス
ルホニルベンゼン、α―ブロモ―α―ベンゼンス
ルホニルアセトアミド、α―クロル―α―(p―
トリルスルフオニル)アセトアミド、α―ブロモ
―γ―ニトロ―β―フエニルブチロフエノン、α
―ヨード―γ―ニトロ―β―フエニルブチロフエ
ノン、2―ブロモ―2―ニトロ―1,3―プロパ
ンジオール、2―ブロモ―2―ニトロトリメチレ
ン―1,3―ビス(フエニルカーボネート)、α
―ブロムトルエン、α,p―ジブロムトルエン、
α,α′―ジブロモ―m―キシレン、α,α,α′,
α′―テトラブロム―p―キシレン、3―ブロムプ
ロペン等を挙げることができる。上記の化合物例
の中でも、α―ブロムトルエン、3―ブロムプロ
ペン等のハロゲン原子のβ位の炭素が不飽和結合
を有している化合物は特に有用である。 本発明においてオニウムハライド化合物もハロ
ゲン化剤として有用であり、具体例として、アン
モニウムブロマイド、トリメチルフエニルアンモ
ニウムクロライド、セチルエチルジメチルアンモ
ニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムブロマイド、テトラエチルフオスフオニウム
ブロマイド、トリメチルスルフオニウムクロライ
ド等を挙げることができる。 成分(d)のポリマーとしては、例えばポリビニル
アセテート、ポリビニルプロピオネート、ポリメ
チルメタアクリレート、エチルセルロース、セル
ロースアセテート、ニトロセルロース、ポリエチ
レン、エチレン―酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル―酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、ポリビ
ニルアセタール、アクリレ樹脂、ポリスチレン、
エポキシ樹脂、変性メラミン樹脂、アルキド樹
脂、ポリアミド、塩化ゴム、アクリロニトリル―
ブタジエン―スチレン三元共重合体、シリコンブ
ロツクコーポリマー、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンオキサイド、高分子量パラフイン及び
特開昭47―9432号公報に記載されるビニルコーポ
リマー等を挙げることができる。上記ポリマーの
中で好ましいものは、アルコール類若しくはケト
ン類の単独若しくは他の有機溶媒との混合溶媒に
溶解しうるもので、特に好ましいポリマーはポリ
ビニルアセタール類である。 成分(e)のポリマーを析出させる溶媒は、成分(b)
の有機溶媒と相溶し成分(d)のポリマーを析出させ
るものであり、任意に選択される。例として成分
(b)の有機溶媒としてアルコール類、成分(d)のポリ
マーとしてポリビニルアセタール類を使用した場
合の好適なポリマーを析出させる溶媒としては、
水、ジエチルエーテル、ジピロピルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチ
ルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エ
チルイソアルミエーテル等の飽和脂肪族エーテル
類、ジアリルエーテル、エチルアリルエーテル等
の不飽和脂肪族エーテル類、アニソール、フエニ
ルエーテルのごとき芳香族エーテル類、テトラハ
イドロフラン、ジオキサン等の環式エーテル類、
n―ヘプタン、n―ヘキサン、3―メチルペンタ
ン、2,3―ジメチルブタン、シクロヘキサン、
シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素類、シク
ロヘキセン、シクロペンタジエン、シクロペンテ
ン等の不飽和脂肪族炭化水素類が挙げられる。 次に本発明の感光性ハロゲン化銀の製造方法の
好ましい態様を示す。成分(a)の有機脂肪酸銀は成
分(b)の有機溶媒に公知の分散技術、例えばホモミ
キサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機
等により懸濁分散される。成分(a)の有機脂肪酸銀
と成分(b)の有機溶媒の比(重量)は任意に設定し
うるが、操作上1:4〜1:10が好ましい。この
成分(a)及び成分(b)からなる分散物に成分(d)のポリ
マーの1部若しくは全量を溶解しておくことが好
ましい。ポリマーの存在は、成分(a)の有機脂肪酸
銀の分散性を高め、成分(a)の有機脂肪酸銀と成分
(c)の有機ハロゲン化合物の均一反応を行わせ、更
に形成された感光性ハロゲン化銀の不規則な成長
と凝集を防ぐことができる。この保護コロイド性
についてはポリビニルアセタール類が最も優れて
いる。この感光性ハロゲン化銀形成時における成
分(d)のポリマーの使用量は、成分(a)の有機脂肪酸
銀1gに対し約0.05gから約20g、好ましくは約
0.1gから約10gの範囲である。 上記の方法で調製された成分(a)及び(b)若しくは
成分(a),(b)及び(d)から成る分散物は、安全光下で
撹拌下、適当な有機溶媒(例えばアセトン)に溶
解させた成分(c)の有機ハロゲン化合物と一定温度
で混合される。成分(c)の有機ハロゲン化合物の使
用量は、成分(a)の有機脂肪酸銀に対して化学量論
的な量でよい。しかし好ましくは過剰量、すなわ
ち成分(a)の有機脂肪酸銀1モルに対し、成分(c)の
有機ハロゲン化合物を約1.0モルから約3.0モルの
範囲で使用することが好ましい。 成分(a)の有機脂肪酸銀を含む分散物〔以下液(A)
と記載する〕と適当な溶媒に溶解した成分(c)の有
機ハロゲン化合物〔以下液(B)と記載する〕との混
合方法は、写真技術の分野において公知な技術、
例えば正流法、逆流法、同時混合法等を用いるこ
とができる。しかし簡便で好ましい方法は、撹拌
されている液(A)へ液(B)を添加する方法である。液
(B)の添加方法は、一気に添加する方法、間歇に添
加する方法、及び連続して徐徐に添加する方法の
いずれによつても感光性ハロゲン化銀が形成され
る。しかし、ハロゲン化銀粒子の粒子径及び形状
を揃え、粒子を成長させる為には、間歇若しくは
徐々に連続して添加する方法が好ましい。又上記
添加方法に、特公昭54―24012号公報に記載の酸
化還元電位の制御下で添加を行う方法も応用でき
る。液(B)の添加に要する時間は、反応条件、例え
ば撹拌スピード、反応温度により変化することか
ら一義的に設定することはできない。しかし操作
上30分から5時間に設定するのが好ましい。反応
開始から反応終了までの反応時間は、液(B)の添加
終了時までとすることもできるが、一般的には液
(B)の添加終了後さらに30分から24時間の間反応を
続けるのが好ましい。 本発明の感光性ハロゲン化銀の形成法におい
て、成分(a)の有機脂肪酸銀の銀イオンの解離と、
成分(b)のハロゲン化合物のハロゲンイオンの発生
を助ける為に、反応温度は0℃以上、特に約20℃
以上100℃以下の温度に設定することが好ましい。
反応の終了時は経験的に定められるが、特開昭54
―24012号公報に記載されている酸化還元電位を
測定することにより判断できる。又ハロゲン化合
物としてN―ハロゲノ化合物を用いた場合は、特
公昭53―40484号公報等に記載されているメロシ
アニン染料の脱色によつても判断できる。かくし
て成分(a)の有機脂肪酸銀の全て若しくはそのほと
んどが、感光性ハロゲン化銀に変換された分散液
を得る。 この分散液は、必要であれば成分(b)の有機溶媒
に相溶し、かつ成分(d)のポリマーを溶解しない成
分(e)の溶媒に注入する前に、成分(d)のポリマーを
この感光性ハロゲン化銀を含む分散液に所定量溶
解させる。又あらかじめ反応前に成分(d)のポリマ
ーを溶解させてある場合も、更に成分(d)のポリマ
ーを加えるか若しくは成分(b)の有機溶媒を加え
て、この分散液のポリマー濃度を調節する。この
場合のポリマー濃度は、成分(b)の有機溶媒に対し
て0.1から15.0重量%の範囲で、好ましくは1.0か
ら8.0重量%の範囲である。上記範囲内のポリマ
ー濃度にすることにより、感光性ハロゲン化銀が
ポリマー中に包含された状態で得られかつ感光性
ハロゲン化銀の収率も高い。 上記の方法によつて調節された少なくとも感光
性ハロゲン化銀と成分(d)のポリマーを含む分散液
は、通常の撹拌装置で撹拌されている成分(e)の溶
媒中に注入される。ここで成分(e)の溶媒を成分(b)
の有機溶媒に対し容量で2倍以上使用することが
好ましい。成分(e)を成分(b)に対し2倍以上使用す
ることにより収率よく感光性ハロゲン化銀が得ら
れる。 このようにして成分(e)の溶媒中で析出した成分
(d)のポリマーと、これに包含された感光性ハロゲ
ン化銀は、濾過により濾取する。濾過方法として
は、通常使用する方法、例えば、加圧濾過、真空
濾過、遠心濾過等を挙げることができる。更に、
この感光性ハロゲン化銀を包含するポリマーは、
常温、加温、更に減圧により乾燥することができ
る。 本発明により調製される感光性ハロゲン化銀
は、塩化銀、沃化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化
銀、沃塩化銀及び塩沃臭化銀であり、本発明によ
り調製された感光性ハロゲン化銀を感光触媒とし
て使用することにより優れた熱現像性感光材料が
調製される。 即ち支持体上に少なくとも(イ)被還元性有機銀塩
及び還元剤からなる酸化―還元画線形成成分、(ロ)
感光性ハロゲン化銀及び(ハ)バインダーからなる感
光性組成物の少なくとも一つの層を有する熱現像
性感光材料において、(ロ)感光性ハロゲン化銀とし
て、本発明に従つて調製された感光性ハロゲン化
銀を好適に用いることができる。 成分(イ)の被還元性有機銀塩および還元剤から成
る酸化―還元画像形成成分において、被還元性有
機銀塩とは、光に対して比較的安定な無色、白
色、若しくは淡色の銀塩であり、共存するハロゲ
ン化銀が感光し生じる金属銀を核として、温度80
℃以上好ましくは100℃以上の温度で加熱された
場合、還元剤と反応して銀画像を形成するもので
ある。具体的には特公昭43―4924号および特開昭
46―6074号公報に記載の有機酸の銀塩、或いはイ
ミノ基又はメルカプト基を有する有機化合物の銀
塩であり、特に炭素数12〜24個の長鎖脂肪酸の銀
塩は、室内光下で暗着色化等の不都合な変化を受
け難いため好ましいものである。具体的には、ベ
ヘン酸銀、ステアリン酸銀、パルミチン酸銀、ミ
リスチン酸銀、ラウリン酸銀、オレイン酸銀又は
ヒドロキシステアリン酸銀を挙げることができ、
そのうち特にベヘン酸銀が最も有効である。又上
記の被還元性有機銀塩は、特公昭43―4924号公
報、同53―40484号公報等に記載される方法によ
つて、その銀塩の一部がハロゲン化銀に変換され
ているものも使用できる。 この成分(イ)の被還元性有機銀塩は、あらかじめ
適当な溶媒に公知の分散技術、例えばホモミキサ
ー、ボールミル、超音波分散等により分散され、
更に還元剤、成分(ロ)の感光性ハロゲン化銀及び成
分(ハ)のバインダー等が添加され、溶解若しくは分
散される。 前述の酸化―還元画像形成成分に用いる還元剤
は種々のものを挙げることができる。一般的に
は、通常のハロゲン化銀感光材料に用いられる現
像薬、具体的にはハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、クロロハイドロキノン、メチルヒドロ
キシナフタレン、N,N′―ジエチル―P―フエ
ニレンジアミン、アミノフエノール、アスコルピ
ン酸、1―フエニル―3―ピラゾリドンなどを挙
げることができ、又これらの他に2,2′―メチレ
ンビス(6―t―ブチル―4―メチルフエノー
ル)、4,4′―ブチリデンビス(6―t―ブチル
―3―メチルフエノール)、4,4′―チオビス
(6―t―ブチル―3―メチルフエノール)など、
更には特開昭46―6074号公報に記載のビスナフト
ール系還元性化合物、或いはベルギー特許第
802519号明細書に記載の4―ベンゼンスルホンア
ミドフエノールなどのスルホンアミドフエノール
系化合物を挙げることができる。更に上記の還元
剤は2種以上を併用してもよい。かかる還元剤の
量は、被還元性有機銀塩1モル当り約0.05モル〜
約5モル、好ましくは約0.2モル〜約3モルの範
囲である。 前記成分(ロ)の感光性ハロゲン化銀は、特許請求
の範囲第1項、第2項又は第3項によつて調製さ
れるもので、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化
銀、沃塩化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀から選ばれ
る一種若しくは二種以上の混合物であつて、炭素
数5個以上更に好ましくは炭素数16個以上の有機
脂肪酸銀より調製され、又臭化銀として30モル%
以上含むものが好ましい。この成分(ロ)の感光性ハ
ロゲン化銀は、共存するポリマーが固形状態のま
ま、若しくは再度適当な有機溶媒に溶解させて被
還元性有機銀塩を含む分散物と混合される。成分
(ロ)の感光性ハロゲン化銀の添加時期は、被還元性
有機銀塩と接触可能な同一層に含有されれば熱現
像性感光材料の製造工程中に何れの時期であつて
もよく、又感光性ハロゲン化銀と被還元性有機銀
塩の均一分散物の調製は、通常の撹拌機、ボール
ミル分散、超音波分散等によつて容易に達成する
ことができる。成分(ロ)の感光性ハロゲン化銀の添
加量は、被還元性有機銀塩1モル当り約0.01モル
から約0.5モルの範囲であり、好ましくは約0.05
モルから約0.3モルの範囲である。この範囲外の
使用量、すなわち0.01モル以下では実用的な写真
特性を得ることができず、また0.5モル以上では
画像形成後の地色変化が著しい。 成分(ハ)のバインダーは、単独若しくは2種以上
を組合せて使用できる。バインダーの適当な材料
は疎水性あるいは親水性であることができ、又透
明若しくは半透明であることができる。具体的に
は、ポリビニルブチラール、セルロースアセテー
トブチレート、ポリメチルメタアクリレート、ポ
リビニルピロリドン、エチルセルローズ、酢酸セ
ルローズ、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、カナダ特許第774054号明細書に記
載のスルホベタイン繰り返し単位を有するもの等
を挙げることができるが、特にポリビニルブチラ
ールは好ましい。バインダーの使用量は、被還元
性有機銀塩に対して、重量比で約10対1〜1対10
が好ましく、さらに好ましくは約4対1〜1対2
の範囲である。 本発明の感光性ハロゲン化銀を用いて調製され
る熱現像性感光材料は、黒色画像を得るために色
調剤の1種以上を添加することが好ましい。例え
ば米国特許第3080254号明細書に記載のフタラジ
ノンとその誘導体、特開昭46―6074号公報に記載
の環式イミド類、特開昭50―32927号公報に記載
のフタラジンジオン化合物などを挙げることがで
きる。 さらに熱現像性感光材料は、現像時の熱カブリ
を防止する目的で公知のカブリ防止剤を使用でき
る。例えば特公昭47―11113号公報に記載される
水銀化合物、特開昭49―10724号、特公昭54―
25808号及び同54―23813号各公報に記載されるN
―ハロゲノ化合物、米国特許第3645739号明細書
及び特開昭48―89720号公報に記載されているス
テアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸や、サリ
チル酸、テトラブロム安息香酸、トリメリツト酸
などの酸安定剤等を挙げることができる。 又、該熱現像性感光材料には、適当な分光増感
剤を含有することができる。有用な増感色素は、
シアニン色素、メロシアニン色素、キサンテン色
素、特に「プロダクトライセシングインデツク
ス」Vol.92、第107〜110頁(1971年12月発行)あ
るいはベルギー特許第772371号明細書、特開昭47
―6329号、特開昭50―105127号、特開昭51―
127719号、特開昭52―80829号公報などに記載さ
れたものが有用である。 更に、画像形成後の光変色を防止する化合物を
含有することができる。例えば米国特許第
3839041号明細書に記載されたアゾールチオエー
テルやブロツクされたアゾールチオン類、米国特
許第3700457号明細書に記載されたテトラゾリル
チオン化合物、米国特許第3707377号明細書に記
載された含ハロゲン有機酸化剤、米国特許第
3893859号明細書に記載された1―カルバモイル
―2―テトラゾリン―5―チオン類等を使用する
ことができる。また、その他の適当な添加剤、例
えば現像促進剤、硬化剤、帯電防止剤(層)、紫
外線吸収剤、螢光増白剤、フイルター染料(層)
なども用いることができる。 本発明の感光性ハロゲン化銀を用いて調製され
る熱現像性感光材料は、成分(イ)の被還元性有機銀
塩及び還元剤、成分(ロ)の感光性ハロゲン化銀及び
成分(ハ)のバインダーと、上記の各種添加剤を適当
な溶媒に分散若しくは溶解し支持体上に一層若し
くは多層に塗布することにより得られる。さらに
は、これら単層若しくは多層で形成された熱現像
性感光層の上に上塗りポリマー層を設けることも
できる。適当なポリマー層としては、例えば、ポ
リビニルブチラール、ポリスチレン、ポリメチル
メタアクリレート、ポリウレタンゴム、塩化ゴ
ム、エチルセルロース、セルロースアセテートブ
チレート、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニ
ルピロリドンなどを挙げることができる。 又、上記ポリマーを支持体上で下塗り層として
設け、その上に本発明の熱現像性感光層を重ねる
こともできる。 熱現像性感光材料に用いる支持体は、広範なも
のから選択して使用することができる。代表的な
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、酢酸セルロースなどの合成樹脂フイルム、
合成紙、ポリエチレンなどの樹脂フイルムで被覆
された紙、アート紙などの紙類または写真用バラ
イタ紙、アルミニウムなどの金属板(箔)類、通
常の方法により金属蒸着膜を有する合成樹脂フイ
ルム、ガラス板などを挙げることができる。 塗布方法は、ロールコート法、エアナイフ法、
キスコート法、カーテンコート法、バーコート
法、及びホツパーコート法などの公知の方法をと
ることができる。 本発明の感光性ハロゲン化銀を用いて調製され
る熱現像性感光材料は、キセノンランプ、水銀
灯、タングステンランプ、CRT、レーザ光など
の光源で露光され、次いで80℃〜180℃、好まし
くは110℃〜150℃の加熱温度範囲で現像される。
上述の温度範囲外でも加熱時間を延長若しくは短
縮することによつて現像することもできるが、現
像時間は通常約1秒〜60秒の範囲にするのが好ま
しい。加熱現像する手段は、加熱プレートまたは
加熱ドラムとに接触させることが通常の手段であ
るが、その他に加熱された雰囲気内に一時保持す
る手段を採用してもよく、或いは高周波加熱や赤
外光による加熱の手段を採用することもできる。 以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。 実施例 1 ステアリン酸銀10gをエタノール120mlにホモ
ミキサーを用いて分散した。この分散液にポリビ
ニルブチラール5.0gを加え、撹拌溶解して銀塩
のポリマー分散液を調製した。この分散液を赤色
安全光下で60℃に加熱調温し、撹拌下アセトン50
mlに溶解したN―ブロムアセトアミド4.2g(ス
テアリン酸銀に対(1.2倍モルを使用)を1時間
かけて滴下した。滴下後1時間反応温度を保ち撹
拌を続け、臭化銀のポリマー分散液()を得
た。この分散液の半量を激しく撹拌している水
400ml中へ徐々に滴下して臭化銀を包含したポリ
ビニルブチラールを析出させた。この析出物を
過後40℃で乾燥して本発明の臭化銀を包含するポ
リマー固形物()8.2gを得た。別にベヘン酸
銀10gとベヘン酸8gをキシレン140ml及びn―
ブタノール140mlの混合溶媒に分散した。この分
散物に上記の固形物()の2.2g及びポリビニ
ルブチラール16gを加え、撹拌して臭化銀を含む
ベヘン酸銀のポリマー分散液を調製し、さらに下
記の成分を順次添加して、感光性分散液()を
調製した。 2.2′―メチレンビス―(6―t―ブチル―4―
メチルフエノール) 8.0g 酢酸第2水銀 2mg 1―カルボキシメチル―5―〔(3―エチルナ
フト〔1.2―d〕オキサゾリン―2―イリデン)
―エチリデン〕―3―アリル―チオヒダントイ
ン 1.6mg この感光性分散液を写真用原紙上に1m2当り銀
量で0.55gとなる様に塗布し乾燥した。更にこの
塗布面上に下記の上塗り組成物を乾燥時1m2当り
1.5gになるように塗布して試料()を作成し
た。 上塗り組成物 セルロースアセテート 15g フタラジノン 7.5g アセトン 500ml 比較の為に、試料()と同様に比較の試料
()を作つたが、この場合は試料()で用い
た臭化銀を包含するポリマー固形物()に代え
て、上記の臭化銀のポリマー分散液()15.0g
を、本発明の処理を行なわずに用いた(試料
()と試料()に含まれる臭化銀の量は同じ
である)。次に試料()及び()を光学楔
(コダツクステツプタブレツトNo.2)を通しタン
グステン光700ルツクス秒の露光を与え、125℃の
温度で10秒間加熱現像を施こした。得られた画像
の感度(S)、反射最大濃度(Dmax)、熱カブリ
濃度(Dmin)及び階調度()を測定し、その
結果を表―1に示す。尚、表中の感度は熱カブリ
+0.15の濃度を与えるのに必要な露光量の逆数と
し、試料()の感度を100とした相対感度で表
示した(後述する実施例においても同様に表示し
た)。又上記操作はすべて赤色安全光下で行なつ
た。
【表】 表―1の結果より、本発明により調製された感
光性ハロゲン化銀を用いて製造された試料()
は、比較試料()に比べ感度、反射最大濃度及
び熱カブリ濃度を改良することが分かる。 実施例 2 パルミチン酸銀10gをn―ブタノール120mlに
ホモミキサーを用いて分散した。この分散液を赤
色安全光下で50℃に加熱調温し、撹拌下アセトン
50mlに溶解したN―ブロムサクシンイミド5.8g
(パルミチン酸銀に対(1.2倍モルを使用)を1時
間かけて滴下した。滴下後2時間反応温度を保ち
撹拌を続け臭化銀の分散液()を得た。この分
散液の半量にポリ酢酸ビニル2.5gを加え撹拌溶
解してポリマーを含む分散液()を調製した。
このポリマーを含む分散液()を激しく撹拌し
ているシクロヘキサン600ml中へ徐々に滴下して、
臭化銀を包含したポリ酢酸ビニルを析出させた。
この析出物を過後40℃で乾燥して固形物()
の4.8gを得た。比較の為に残りの臭化銀の分散
液()はポリ酢酸ビニルを加えずにシクロヘキ
サン中に滴下し、過乾燥後固形物()の1.8
gを得た。この固形物()は臭化銀の単一物
で、過が困難でありかつ収率も低かつた。 実施例1と同様に固形物()の1.24gを用い
て試料()を作成し、又固形物()の0.63g
を用いて比較の試料()を作成した(試料
()と試料()に含まれる臭化銀の量は同じ
である)。試料()と()を実施例1と同様
に処理して、表―2に示す結果を得た。
【表】 表―2の結果から、ポリマーを使用しないで調
製した比較の試料()では、本発明の効果が達
成できないことが分かる。 実施例 3 ベヘン酸銀60gをイソプロピルアルコール720
mlにホモミキサーを用いて分散し、更にポリビニ
ルブチラール20gを加え撹拌溶解して銀塩のポリ
マー分散液を調製した。この分散液を赤色安全光
下で65℃に加熱調温し、撹拌下アセトン300mlに
溶解したN―ブロムサイシンイミド28.6g(ベヘ
ン酸塩に対し1.2倍モルを使用)を1時間かけて
滴下した。滴下後1時間反応温度を保ち撹拌を続
け、臭化銀のポリマー分散液()を得た。この
分散液()を6等分して、その内5個をそれぞ
れ異なる容量の水に注入して臭化銀を含むポリビ
ニルブチラールを析出させた。次にこれ等を同一
条件で吸引過し、それぞれの所用時間を測定し
た。得られた過物を乾燥して、固形物(),
(),(),()及び()を得た。この分散
液()及び固形物()〜()を用いて、実
施例1と同様にして、分散液()は17.1g、固
形物()〜()は2.27gをそれぞれ用いて試
料(),(),(),(),()及び()

熱現像性感光材料を作成しその写真特性を測定し
た。水/イソプロピルアルコール比、過所要時
間及び写真特性を表―3に示す。尚、所要時間は
固形物()の過時間を100とした相対時間で
表示した。
【表】
【表】 表―3の結果より、ポリマーを十分に析出さ
せ、過の所要時間を短縮し、更に写真特性の改
良を計る為には、成分(e)のポリマーを析出させる
溶媒の容量は成分(b)の有機溶媒の容量の2倍以上
が好ましいことがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)有機脂肪酸銀を(b)有機溶媒中に懸濁分散さ
    せた状態で、(a)有機脂肪酸銀と(c)有機ハロゲン化
    合物を化学量論的に反応させ、感光性ハロゲン化
    銀を形成する熱現像性感光材料用感光性ハロゲン
    化銀の製造方法において、 (a) 有機脂肪酸銀を含む(b)有機溶媒中にあらかじ
    め(d)ポリマーを溶解させ、(a)有機脂肪酸銀と(c)
    有機ハロゲン化合物を反応させて(d)ポリマーを
    含む感光性ハロゲン化銀分散液を得るか、また
    は、 (b) 有機溶媒中で(a)有機脂肪酸銀と(c)有機ハロゲ
    ン化合物を反応させた後に、(d)ポリマーを溶解
    させ、(d)ポリマーを含む感光性ハロゲン化銀分
    散液を得、 この(d)ポリマーを含む感光性ハロゲン化銀分散
    液を(b)有機溶媒に相溶しかつ(d)ポリマーを析出さ
    せる(e)溶媒中に注入することにより析出した(d)ポ
    リマー中に感光性ハロゲン化銀を包含させ、この
    感光性ハロゲン化銀を包含する(d)ポリマーを濾過
    することを特徴とする熱現像性感光材料用感光性
    ハロゲン化銀の製造方法。 2 (a)有機脂肪酸銀が炭素数5個以上の有機脂肪
    酸銀であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の熱現像性感光材料用感光性ハロゲン化銀
    の製造方法。 3 (d)ポリマーを析出させる(e)溶媒を(b)有機溶媒
    に対して容積比で2倍以上使用することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の熱現像性感光材
    料用感光性ハロゲン化銀の製造方法。
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