JP2004163932A - 熱現像性組成物、フォトサーモグラフィ材料および画像形成方法 - Google Patents

熱現像性組成物、フォトサーモグラフィ材料および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 写真感度の増加に寄与し、とりわけ水性フォトサーモグラフ材料における熱処理寛容度及び保存安定性を向上させるトナー化合物を含んだ熱現像性組成物を提供する。
【解決手段】 非感光性の還元されることのできる銀イオン源と、前記還元されることのできる銀イオン用還元剤組成物とを含む熱現像性組成物であって、
一定の第4級フタラジン化合物をさらに含むことを特徴とする、熱現像性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一定のフタラジン化合物を含む熱現像性組成物及び画像形成材料に関する。特に、本発明は、これらのフタラジン化合物を含有するサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料に関する。また、本発明は、熱現像性材料の画像形成方法に関する。
熱を用いるが液体処理を施さないで画像形成及び/又は現像する、銀含有サーモグラフ画像形成材料及びフォトサーモグラフ画像形成材料(すなわち、熱現像性画像形成材料)は、当該技術分野において長年にわたって知られている。
銀含有サーモグラフ画像形成材料は、熱エネルギーを使用することにより画像を発生させる記録プロセスに使用される非感光性材料である。これらの材料は、一般的に、支持体と、前記支持体上に設けられた(a)還元されることのできる銀イオンの相対的又は完全に非感光性である給源と、(b)前記還元されることのできる銀イオン用還元組成物(通常現像主薬を含む)と、(c)好適な親水性又は疎水性バインダーとを含んでいる。
典型的なサーモグラフ構成体では、画像形成層は、長鎖脂肪酸の銀塩を主成分としている。典型的には、好ましい非感光性の還元されることのできる銀源は、炭素数10〜30個の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩である。ベヘン酸の銀塩又はベヘン酸と同様な分子量を有する酸の混合物の銀塩が、一般的に用いられる。高温で、カルボン酸銀の銀を、銀イオンの還元剤、例えば、没食子酸メチル、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン類、ヒンダードフェノール類、カテコール類、ピロガロール、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体、により還元することにより、銀元素像を形成する。一部のサーモグラフ構成体では、これらをサーマルプリンター又はサーマルファクシミリ等のサーモグラフ記録装置のサーマルヘッドと接触させることにより画像形成させる。このような構成体では、画像形成層の上部に粘着防止層を塗布して、利用する装置のサーマルヘッドにサーモグラフ構成体が粘着するのを防止する。次に、得られたサーモグラフ構成体を、高温、典型的には60〜225℃の範囲の温度に加熱することにより画像を形成する。
銀含有フォトサーモグラフ画像形成材料は、フォトサーモグラフ材料を特定の電磁放射線(例えば、X線、又は紫外線、可視光線若しくは赤外線)に像様露光し、熱エネルギーを使用して現像することにより画像を形成する記録プロセスに使用される感光性材料である。これらの材料は、「ドライシルバー」材料としても知られており、一般的には、支持体と、この支持体上に、(a)上記のような露光において露光粒子に潜像を形成させ、続いての現像工程において銀像を形成させる触媒として作用することのできる光触媒(すなわち、ハロゲン化銀等の感光性化合物)と、(b)還元されることのできる銀イオンの相対的又は完全に非感光性である給源と、(c)前記還元されることのできる銀イオン用還元組成物(通常現像主薬を含む)と、(d)親水性又は疎水性バインダーとを塗布したものとを含んでいる。次に、潜像を、熱エネルギーを加えることにより現像する。
米国特許第4,123,282号明細書 米国特許第4,585,734号明細書 米国特許第6,146,822号明細書 米国特許第6,300,044号明細書 米国特許第6,319,657号明細書 米国特許第6,383,752号明細書 米国特許第6,387,604号明細書 米国特許第6,413,710号明細書 米国特許第6,436,622号明細書 特開2002−0028414公報
当該技術分野において公知のフォトサーモグラフ材料には、一般的に所望の黒色調及び最大画像濃度(Dmax)を得るために、一種以上の「トナー」が含まれている。このために使用されている従来の化合物には、フタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、環状イミド類、ピラゾリン−5−オン類、ナフタルイミド類、コバルト錯体、N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類、ブロックトピラゾール類とイソチウロニウム誘導体とメロシアニン染料とフタラジン及びそれらの誘導体とフタラジノン及びフタラジノン誘導体との組合せ、フタラジン(又はそれらの誘導体)と、フタル酸誘導体とキナゾリンジオン類とベンゾオキサジン誘導体とナフトオキサジン誘導体とベンゾオキサジン−2,4−ジオン類とピリミジン類とasym−トリアジン類とテトラアザペンタレン誘導体のうちの一種以上との組合せ等がある。他の公知の「トナー」は、米国特許第4,123,282号(ウィンスロウ(Winslow))及び米国特許第4,585,734号(ウェイゲル(Weigel))に記載されている。
フタラジン又はその誘導体は、例えば、米国特許第6,413,710号(ショア(Shor)等)及び第6,146,822号(アサヌマ(Asanuma)等)に記載されているようなフォトサーモグラフ材料における最も一般的なトナーとなった。
フタラジン化合物を使用するのに伴う一つの特定の問題として、「自然経時(natural age)保存性」が悪いことを挙げることができる。自然経時保存性とは、画像形成及び熱現像前の種々の保存時間のフィルムの保存により生じるフィルムのセンシトメトリーの変化を意味する。これらの変化には、Dminの増加並びに写真感度(Dmax)及びコントラストの変化等がある。「自然経時保存性」は、「自然経時性」及び「保存経時性」と称されることもある。また、Dminの増加は、「自然経時カブリ」又は「保存経時カブリ」と称されることもある。
熱現像性材料におけるフタラジン化合物の使用に伴う別の問題として、プロセス寛容度が悪いことがある。このことは、処理時間又は処理温度の小さな変化により、写真感度又は画像濃度、色調若しくはコントラストが比較的大きく変化することを意味する。
写真感度の増加に寄与し、またとりわけ水性フォトサーモグラフ材料における熱処理寛容度及び保存安定性を向上させることもできるトナーが、依然として必要とされている。
本発明によれば、非感光性の還元されることのできる銀イオン源と、前記還元されることのできる銀イオン用還元剤組成物と、以下の構造式I又はII:
Figure 2004163932
(式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、R2及びR4は独立して一価の置換基を表し、R3は多価有機結合基であり、mは0又は4以下の整数であり、rは0又は4以下の整数であり、m又はrが2以上であるとき、複数のR2基又は複数のR4基は同一又は異なっていてもよく、複数のR2基又は複数のR4基が互いに近接しているとき、これらの基は縮合脂肪族環、芳香族環、又は複素環を形成していてもよく、qは1、2又は3であるが、但し、qが2又は3であるとき、R4基が複数のフタラジン部分について同一又は異なっていてもよく、Xはアニオンであり、n及びpは0又は4以下の整数であり且つ正味電荷をゼロとするのに必要な十分な対イオンを表す)
により表されるフタラジン化合物とを含む、熱現像性組成物が提供される。
また、本発明によれば、支持体と前記支持体上に設けられた少なくとも1層の熱現像性層とを含み、さらに上記構造式I又はIIにより表されるフタラジン化合物を含む、熱現像性材料が提供される。
さらに、本発明による白黒サーモグラフ材料は、支持体と;前記支持体上に設けられた1層以上の熱現像性画像形成層であって、バインダー、並びに反応的に関連した、非感光性の還元されることのできる銀イオン源及び前記非感光性の還元されることのできる銀イオン源用還元組成物を含む熱現像性画像形成層と;上記構造式I又はIIで表されるフタラジン化合物とを含む。
また、本発明によれば、支持体と;前記支持体上に設けられた1層以上の熱現像性画像形成層であって、バインダー、並びに反応的に関連した、感光性ハロゲン化銀、非感光性の還元されることのできる銀イオン源及び前記非感光性の還元されることのできる銀イオン源用還元組成物を含む熱現像性画像形成層と;上記構造式I又はIIで表されるフタラジン化合物とを含む、フォトサーモグラフ材料が提供される。
本発明の好ましい実施態様には、透明支持体と、前記透明支持体の前面に設けられた、
a)1層以上の熱現像性画像形成層であって、これらの熱現像性画像形成層の各層が、親水性バインダ、並びに反応的に関連した、
主として平板状粒子である予め形成した感光性臭化銀又はヨウ臭化銀、
少なくとも一種がベンゾトリアゾールの銀塩である、イミノ基含有化合物の一種以上の銀塩を含む非感光性の還元されることのできる銀イオン源、
少なくとも一種のヒンダードフェノール又はアスコルビン酸を含む非感光性源の還元されることのできる銀イオン用還元組成物、
を含むものと、
b)前記1層以上の熱現像性画像形成層上に設けられた保護オーバーコートと、
を含む白黒水性フォトサーモグラフ材料であって、
前記1層以上の熱現像性画像形成層が、上記構造式I又はIIで表されるフタラジン化合物をさらに含むものである、フォトサーモグラフ材料がある。
さらに、本発明によれば、
A)前記本発明の熱現像性材料の熱画像形成をおこなうことを含む、
可視画像形成方法が提供される。
前記熱現像性材料が透明支持体を含む場合には、この画像形成法は、さらに
B)画像形成放射線源と、前記画像形成放射線に感受性を有する画像形成可能材料との間に、熱画像形成された熱現像性材料を配置することと、
C)画像形成可能材料を、前記熱画像形成されたサーモグラフ材料における可視画像を介して画像形成放射線に暴露して画像形成可能材料に画像を形成すること、
を含むことができる。
さらに、本発明によれば、
A)本発明のフォトサーモグラフ材料を電磁放射線に像様露光して潜像を形成することと、
B)露光されたフォトサーモグラフ材料を同時又は順次に加熱して潜像を現像することにより可視画像とすること、
を含む、可視画像形成方法が提供される。
前記フォトサーモグラフ材料が透明支持体を含む場合には、この画像形成法は、さらに
C)画像形成放射線源と、前記画像形成放射線に感度を有する画像形成可能材料との間に、可視画像を有する露光され且つ熱現像されたフォトサーモグラフ材料を配置することと、
D)画像形成可能材料を、前記露光され且つ熱現像されたフォトサーモグラフ材料における可視画像を介して画像形成放射線に暴露して画像形成可能材料に画像を形成すること、
を含むことができる。
さらに、本発明によれば、本発明のフォトサーモグラフ材料を、一枚以上の蛍光体増感紙と関連させて配置して含む、画像形成アセンブリが提供される。これらの実施態様では、フォトサーモグラフ材料は、前記支持体の両面に1層以上の熱現像性層を有することができる。
本発明は、本明細書において定義される上記フタラジン化合物を使用することにより、数多くの利点が得られる。これらのフタラジン化合物は、水性サーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料並びに溶剤系サーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料等の種々の熱現像性材料に使用できる。これらのフタラジン化合物は、特に、上記有機銀塩がイミノ基含有化合物の塩(銀ベンゾトリアゾール等)であり、写真感度が顕著に改善されることが認められた水性フォトサーモグラフ材料に有用である。さらに、処理時間を長くした場合のDminの増加が減少するので、熱処理寛容度が改善される。さらに、本発明のフタラジン化合物により、自然経時保存性の改善されたサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料が提供される。
本発明の熱現像性材料は、サーモグラフ材料とフォトサーモグラフ材料の両方を含む。以下の考察ではしばしば好ましいフォトサーモグラフの実施態様を取り上げるが、サーモグラフ材料は、1層以上の画像形成層を用いて同様に構成され、且つ非感光性銀塩、還元組成物、バインダー及びこのような実施態様に使用されることが公知の他の成分を用いて白黒画像又はカラー画像を形成できることは、画像形成技術の当業者には容易に理解されるところであろう。
本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料は、白黒又はカラーサーモグラフィ及びフォトサーモグラフィ並びに電子生成白黒又はカラーハードコピー記録に使用することができる。本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料は、マイクロフィルム用途、放射線画像形成(例えば、デジタル医療用画像形成)、X線ラジオグラフィ及び工業用ラジオグラフィに使用することができる。さらに、これらの熱現像性材料の350〜450nmでの吸光度は、グラフィックアートの領域(例えば、イメージセッティング及びフォトタイプセッティング)、印刷版の製造、コンタクトプリント、デュープリケーティング(「デューピング」)及び校正刷りに使用できるようにするには、低いこと(0.5未満)が望ましい。
本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料は、可視線又はX線に応答してヒト又は動物被験体の医療用画像を形成するのに特に有用である。このような用途には、胸部画像形成、マンモグラフィ、歯の画像形成、整形外科用画像形成、一般医療用ラジオグラフィ、治療用ラジオグラフィ、獣医用ラジオグラフィ及びオートラジオグラフィ等があるが、これらには限定されない。X線とともに利用する場合、本発明のフォトサーモグラフ材料は、1枚以上の蛍光体増感紙か、フォトサーモグラフ乳剤内に配合した蛍光体か、これらの組合せと組合せて使用できる。また、本発明の材料は、可視線又はX線の非医療用途(X線リソグラフィ及び工業用ラジオグラフィ等)にも有用である。
本発明のフォトサーモグラフ材料は、可視線又はX線の非医療用途(X線リソグラフィ及び工業用ラジオグラフィ等)にも有用である。このような画像形成用途では、フォトサーモグラフ材料が「両面型」であり、支持体の両面にフォトサーモグラフ塗膜を有することが特に望ましい。
本発明のフォトサーモグラフ材料では、画像形成に必要な構成要素は、1層以上の層の形態であることができる。感光性光触媒(感光性ハロゲン化銀等)若しくは非感光性の還元されることのできる銀イオン源又はそれらの両方を含有する層(1層又は多層)を、ここではフォトサーモグラフ乳剤層(1層又は多層)と称する。光触媒と非感光性の還元されることのできる銀イオン源とは、触媒的近接状態(すなわち、互いに反応的に関連した状態)にあり、好ましくは同じ乳剤層にある。
同様に、本発明のサーモグラフ材料では、画像形成に必要な構成要素は、1層以上の層の形態であることができる。非感光性の還元されることのできる銀イオン源を含有する層(1層又は多層)を、ここではサーモグラフ乳剤層(1層又は多層)と称する。
定義
ここで使用される、
本発明のフォトサーモグラフ材料の説明において、成分とは、「少なくとも一種」のこのような成分(例えば、構造式I及びIIで表されるフタラジン化合物)を意味する。
「サーモグラフ材料(単一又は複数)」とは、少なくとも1層のサーモグラフ乳剤層若しくは画像形成層又は一組の画像形成層(還元されることのできる銀イオンの源は一つの層に存在しており、他の必須成分又は望ましい添加物は隣接する塗膜層に所望のように分布されている)並びに支持体、上塗り層、受像層、ブロッキング層及び下塗り層又はプライマー層を含む構成物を意味する。これらの材料も、1種以上の画像形成成分が異なる層にあるが、これらが、熱画像形成及び熱現像中に互いに容易に接触するような「反応的に関連」している多層構成であってもよい。例えば、一つの層が非感光性の還元されることのできる銀イオン源を含むことができ、別の層が還元組成物を含むことができるが、2つの反応性成分は互いに反応的に関連している。
「フォトサーモグラフ材料(単一又は複数)」とは、少なくとも1層のフォトサーモグラフ乳剤層又は一組のフォトサーモグラフ層(感光性ハロゲン化銀及び還元されることのできる銀イオンの源が一つの層に存在しており、他の必須成分又は所望の添加物が、同じ層又は隣接する塗膜層に所望のように分布されている)並びに支持体、上塗り層、受像層、ブロッキング層、ハレーション防止層、下塗り層又はプライマー層を含む構成物を意味する。これらの材料も、1種以上の画像形成成分が異なる層にあるが、これらが、画像形成及び/又は現像中に互いに容易に接触するような「反応的に関連」している多層構成であってもよい。例えば、一つの層が非感光性の還元されることのできる銀イオン源を含むことができ、別の層が還元組成物を含むことができるが、2つの反応性成分は互いに反応的に関連している。
「触媒的近接」又は「反応的関連」は、複数の材料が、同一又は隣接する層に位置していて、これらが熱画像形成及び熱現像中にお互いに容易に接触するようになっていることを意味する。
用語「両面型」及び「両面塗布型」は、支持体の両面(前面及び裏面)上に同一又は異なる熱現像性乳剤層を1層以上有するフォトサーモグラフ材料を定義するのに使用される。
光触媒
上記したように、本発明のフォトサーモグラフ材料は、フォトサーモグラフ乳剤層(1層又は多層)に1種以上の光触媒を含んでいる。有用な光触媒としては、典型的にはハロゲン化銀、例えば、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、臭ヨウ化銀、塩臭ヨウ化銀、塩臭化銀及び当業者が容易に分かる他の光触媒が挙げられる。また、ハロゲン化銀の混合物は、いずれかの好適な割合で使用することができる。好ましい実施態様においては、ハロゲン化銀は、臭化銀を少なくとも70モル%を含有し、残部が塩化銀とヨウ化銀である。より好ましくは、臭化銀の量は、少なくとも90モル%である。臭化銀と臭ヨウ化銀がより好ましいハロゲン化銀であり、後者のハロゲン化銀であるヨウ化銀の含量は総ハロゲン化銀基準で10モル%以下である。ハロゲン化銀粒子を調製及び沈殿させる典型的な手法が、リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)、1978年、アイテム17643に記載されている。
水性フォトサーモグラフ材料のある実施態様では、例えば、同時係属しており且つ本発明の譲受人に譲渡された米国出願第10/246,265号(出願日2002年9月18日;マスカスキー(Maskasky)及びスカッシア(Scaccia))に記載されているように、ヨウ化物がより高含量で感光性ハロゲン化銀粒子に存在していてもよく、特に20モル%〜ヨウ化物の飽和限界で存在させて、画像安定性を増加させたり、「焼きだし」を減少させることができる。
本発明において使用される感光性ハロゲン化銀粒子の形状は、何ら限定されることはない。立方状及び平板状の形態を有するハロゲン化銀粒子が、好ましい。
ハロゲン化銀粒子は、全体にわたってハロゲン化物の比が均一でもよい。ハロゲン化銀粒子は、例えば、臭化銀とヨウ化銀の比率が連続して変わる勾配のついたハロゲン化物含量を有していてよく、また、ある一つのハロゲン化物比の別々のコアと別のハロゲン化物比の別々のシェルとを有するコア−シェル型であってもよい。例えば、平板状粒子の中央領域は、これらの粒子の外側又は環状領域よりも少なくとも1モル%多いヨウ化物を含有していてもよい。
感光性ハロゲン化銀は、非感光性の還元されることのできる銀イオン源に触媒的に近接した位置に配置される限り、どのような方法で乳剤層(1層又は多層)に加えられ(又は乳剤層内で生成され)てもよい。
ハロゲン化銀粒子は、前プロセスにより予め生成及び調製されることが好ましい。次に、予め調製したハロゲン化銀粒子を、非感光性の還元されることのできる銀イオン源に添加し、物理的に混合する。
ある配合では、予め調製したハロゲン化銀の存在下で還元されることのできる銀イオン源を生成することが有用である。このプロセスでは、還元されることのできる銀イオン源、例えば、長鎖脂肪酸カルボン酸銀(一般的に銀「ソープ」と称されている)を、予め生成したハロゲン化銀粒子の存在下で生成する。
一般的に、画像形成配合物に使用される非平板状ハロゲン化銀粒子は、所望の用途に応じて平均直径が数マイクロメートル(μm)以下で異なっていてもよい。通常、ハロゲン化銀粒子の平均粒度は、0.01〜1.5マイクロメートルである。ある実施態様によれば、平均粒度は、好ましくは0.03〜1.0マイクロメートル、より好ましくは0.05〜0.8マイクロメートルである。当業者は、ハロゲン化銀粒子については、粒子が分光増感される波長にも部分的に関係している一定の実用上の下限値があることが理解できるであろう。このような下限値は、例えば、典型的には0.01〜0.005マイクロメートルである。
本発明の最も好ましい実施態様によれば、ハロゲン化銀粒子は、「超薄」と考えられる平均厚さが少なくとも0.02マイクロメートルで且つ0.10マイクロメートル以下である平板状ハロゲン化銀粒子である。好ましくは、これらの超薄粒子の平均厚さは、少なくとも0.03マイクロメートル、より好ましくは少なくとも0.04マイクロメートルであって、0.08マイクロメートル以下、より好ましくは0.07マイクロメートル以下である。
さらに、これらの超薄平板状粒子の等価円直径(ECD)は、少なくとも0.5マイクロメートル、好ましくは少なくとも0.75マイクロメートル、より好ましくは少なくとも1マイクロメートルである。ECDは、8マイクロメートル以下、好ましくは6マイクロメートル以下、より好ましくは4マイクロメートル以下であることができる。
有用な平板状粒子のアスペクト比は、少なくとも5:1、好ましくは少なくとも10:1、より好ましくは少なくとも15:1である。実用的な目的では、平板状粒子のアスペクト比は、一般的に最大50:1である。
本発明のフォトサーモグラフ材料において使用される一種以上の感光性ハロゲン化銀の存在量は、非感光性の還元されることのできる銀イオン源の1モルあたり好ましくは0.005〜0.5モル、より好ましくは0.01〜0.25モル、最も好ましくは0.03〜0.15モルである。
化学増感剤
本発明のフォトサーモグラフ材に使用される感光性ハロゲン化銀は、変性せずに用いることができる。しかしながら、一種以上の通常の化学増感剤を感光性ハロゲン化銀の調製に使用して光感度を増加することができる。このような化合物は、イオウ、テルル又はセレンを含有していてもよいし、又は金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム若しくはそれらの組合せを含有する化合物、ハロゲン化錫等の還元剤、又はこれらの組合せを含んでいてもよい。
使用に際して、通常、イオウ増感剤を添加し、乳剤を適切な温度で所定時間攪拌することにより、イオウ増感を実施する。種々のイオウ化合物を使用できる。イオウ増感剤の一部の例を挙げると、チオスルフェート類、チオ尿素類、チオアミド類、チアゾール類、ローダミン類、硫化ホスフィン類、チオヒダントイン類、4−オキソ−オキサゾリジン−2−チオン類、二多硫化物類、メルカプト化合物類、ポリチオン酸塩及びイオウ元素などがある。
また、一定の4置換チオ尿素化合物も、本発明には有用である。このような化合物は、例えば、米国特許第6,296,998号(エイキンバリー(Eikenberrey)等)、米国特許第6,322,961号(ラム(Lam)等)及び米国特許第6,368,779号(リンチ(Lynch)等)に記載されている。また、米国特許第4,810,626号(バーグマイヤー(Burgmaier)等)に開示されている4置換中間カルコゲン(すなわち、イオウ、セレン及びテルル)チオ尿素化合物も、有用である。
イオウ増感剤の添加量は、種々の条件、例えば、化学的熟成時のハロゲン化銀のpH、温度及び粒度により異なるが、ハロゲン化銀1モル当たり好ましくは10-7〜10-2モル、より好ましくはハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-4モルである。
一つの好ましい実施態様によれば、フォトサーモグラフ乳剤の存在下においてイオウ含有分光増感色素を酸化分解することにより、化学増感をおこなう。このような増感は、米国特許第5,891,615号(ウィンスロウ等)に記載されている。
本発明で使用されるセレン増感剤又はテルル増感剤の量は、使用されるハロゲン化銀粒子又は化学的熟成条件により異なる。しかしながら、これらの増感剤の量は、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくはハロゲン化銀に対して10-7〜10-3モルのオーダーである。
本発明に使用される貴金属増感剤には、金、白金、パラジウム及びイリジウムなどがある。金増感が、特に好ましい。
使用に際して、本発明で使用されるハロゲン化銀乳剤の金増感に使用される金増感剤は、酸化数が1又は3でよく、金増感剤として一般的に使用される金化合物でよい。金(III)化合物と、イオウ含有化合物又はテルル含有化合物との組合せは、化学増感剤として有用であり、米国特許第6,423,481号(シンプソン(Simpson)等)に記載されている。
化学増感剤を、一般的にハロゲン化銀粒子の平均サイズによって異なるハロゲン化銀乳剤の通常の量を製造するのに使用できる。一般的に、総量は、総銀の1モル当たり少なくとも10-10モルであり、好ましくは総銀の1モル当たり10-8〜10-2モルである。上限は、使用される化合物(単一又は複数)、ハロゲン化銀レベル並びに平均粒度及び粒子の形態により異なることができ、当業者により容易に決定できる。
分光増感剤
本発明のフォトサーモグラフ材に使用される感光性ハロゲン化銀は、紫外線、可視線及び/又は赤外線に対するハロゲン化銀の感度を高めることが知られている種々の分光増感色素で分光増感することができる。用いることのできる増感色素の例として、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素、およびヘミオキサノール色素などがあるが、これらには限定されない。シアニン色素、メロシアニン色素及び複合メロシアニン色素が、特に有用である。
分光増感色素の好適な添加量は、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-10〜10-1モルであり、好ましくは10-7〜10-2モルである。
非感光性の還元されることのできる銀イオン源
本発明のフォトサーモグラフ材料に使用される非感光性の還元されることのできる銀イオン源は、還元されることのできる銀(1+)イオンを含有するいずれの有機化合物であってもよい。好ましくは、非感光性の還元されることのできる銀イオン源は、光に対して相対的安定であり、露光された光触媒(ハロゲン化銀等)及び還元組成物の存在下で50℃以上に加熱したときに銀像を形成する有機銀塩である。
窒素含有複素環式化合物の銀塩が好ましく、イミノ基を含有する化合物の銀塩の一種以上が、本発明の実施に使用される水性フォトサーモグラフ配合物において特に好ましい。これらの化合物の好ましい例には、ベンゾトリアゾール及びそれらの置換誘導体の銀塩(例えば、銀メチルベンゾトリアゾール及び銀5−クロロベンゾトリアゾール)、米国特許第4,220,709号(デモーリアック(deMauriac))に記載されているような1,2,4−トリアゾール類若しくは1−H−テトラゾール類、例えば、フェニルメルカプトテトラゾールの銀塩、並びに米国特許第4,260,677号(ウィンスロウ等)に記載されているようなイミダゾール類及びイミダゾール誘導体の銀塩などがあるが、これらには限定されない。特に好ましいものは、ベンゾトリアゾール及びそれらの置換誘導体の銀塩である。ベンゾトリアゾールの銀塩が、最も好ましい。
長鎖カルボン酸の銀塩を含む有機酸の銀塩も、使用することができる。これらの例としては、脂肪族カルボン酸(例えば、脂肪酸の炭素数10〜30個、好ましくは15〜28個)の銀塩などがある。これらの例としては、脂肪族カルボン酸の銀塩又は芳香族カルボン酸の銀塩などがある。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロン酸銀、リノール酸銀、酪酸銀、樟脳酸銀及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、少なくともベヘン酸銀を、単独で使用するか、あるいは他の銀塩との混合物で使用する。
本発明のある実施態様によれば、イミノ基を有する化合物の銀塩とカルボン酸銀との混合物を使用することができる。
一種以上の非感光性の還元されることのできる銀イオン源の存在量は、乳剤層の総乾燥質量基準で、好ましくは5質量%〜70質量%、より好ましくは10質量%〜50質量%である。別法では、還元されることのできる銀イオン源の存在量は、一般的に乾燥フォトサーモグラフ材料の1m2当たり0.001〜0.2モル、好ましくは乾燥フォトサーモグラフ材料の1m2当たり0.01〜0.05モルである。
フォトサーモグラフ材料における銀(全ての銀源からのもの)の総量は、一般的に少なくとも0.002モル/m2であり、好ましくは0.01〜0.05モル/m2である。
還元剤
サーモグラフ材料又はフォトサーモグラフ材料に使用されるときの、還元されることのできる銀イオン源用還元剤(又は2種以上の成分を含む還元剤組成物)は、銀(I)イオンを金属銀に還元できるいかなる材料であってもよく、好ましくは有機材料である。
芳香族ジ−及びトリ−ヒドロキシ化合物(例えば、ヒドロキノン類、没食子酸及び没食子酸誘導体、カテコール類及びピロガロール類)、アミノフェノール類(例えば、N−メチルアミノフェノール)、スルホンアミドフェノール類、p−フェニレンジアミン類、アルコキシナフトール類(例えば、4−メトキシ−1−ナフトール)、ピラゾリジン−3−オン型還元剤(例えば、PHENIDONE(商標))、ピラゾリン−5−オン類、ポリヒドロキシスピロ−ビス−インダン類、インダン−1,3−ジオン誘導体、ヒドロキシテトロン酸類、ヒドロキシテトロンイミド類、ヒドロキシルアミン誘導体、例えば、米国特許第4,082,901号(ラリドン(Laridon)等)に記載のヒドロキシルアミン誘導体、ヒドラジン誘導体、ヒンダードフェノール類、アミドキシム類、アジン類、レダクトン類(例えば、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体)、ロイコ色素及び当業者にとって容易に明らかである他の材料などの通常の写真現像主薬を、還元剤として使用できる。
イミノ基(例えば、銀ベンゾトリアゾール等)含有化合物の銀塩を還元されることのできる銀イオン源として使用するとき、アスコルビン酸還元剤が好ましい。「アスコルビン酸」還元剤(現像主薬とも称される)は、アスコルビン酸、その錯体及びその誘導体を意味する。アスコルビン酸現像主薬は、米国特許第5,236,816号(プーロル(Purol)等)及びそこに引用されている文献を含む写真プロセスに関する相当数の刊行物に記載されている。
有用なアスコルビン酸現像主薬には、アスコルビン酸並びにその類似体、異性体、錯体及び誘導体などがある。
銀源としてのカルボン酸銀をフォトサーモグラフ材料に使用するとき、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。ある場合においては、還元剤組成物は、以下で述べる種々の補助現像主薬及び還元剤から選択することができるヒンダードフェノール現像主薬及び補助現像主薬等の2種以上の成分を含む。さらにコントラスト増強剤の添加を含む三成分系現像主薬混合物も、有用である。このようなコントラスト増強剤は、以下で述べる種々の種類の還元剤から選択できる。
種々のコントラスト増強剤を、ある種のフォトサーモグラフ材料に特定の補助現像主薬とともに使用できる。有用なコントラスト増強剤として、例えば、米国特許第5,545,505号(シンプソン)に記載されているようなヒドロキシルアミン類(ヒドロキシルアミン並びにそのアルキル置換誘導体及びアリール置換誘導体等)、アルカノールアミン類及びフタルアミド酸アンモニウム、例えば、米国特許第5,545,507号(シンプソン等)に記載されているようなヒドロキサム酸化合物、例えば、米国特許第5,558,983号(シンプソン等)に記載されているようなN−アシルヒドラジン化合物並びに米国特許第5,637,449号(ハリング(Harring)等)に記載されているような水素原子供与化合物などが挙げられるが、これらには限定されない。
サーモグラフ材料において銀源としてのカルボン酸銀とともに使用するとき、同一の芳香核上のオルト位又はパラ位に少なくとも2つのヒドロキシ基を有する芳香族ジ−及びトリ−ヒドロキシ化合物が、還元剤として好ましい。例えば、ヒドロキノン及び置換ヒドロキノン類、カテコール類、ピロガロール、没食子酸及び没食子酸エステル類(例えば、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル)及びタンニン酸が挙げられる。
カテコール型還元剤の特に好ましい種類の一つに、ベンゼン核がその核の2,3−位に存在する2つ以下のヒドロキシ基により置換され、且つその核の1位に、カルボニル基により核に置換基が結合しているベンゼン化合物がある。この種の化合物には、2,3−ジヒドロキシ−安息香酸、メチル2,3−ジヒドロキシ−ベンゾエート及びエチル2,3−ジヒドロキシ−ベンゾエートなどがある。
別の特に好ましい種類のカテコール型還元剤は、ベンゼン核がその核の3,4−位に存在する2つ以下のヒドロキシ基により置換され、且つその核の1位に、カルボニル基により核に置換基が結合しているベンゼン化合物がある。この種の化合物には、例えば、3,4−ジヒドロキシ−安息香酸、メチル3,4−ジヒドロキシ−ベンゾエート、エチル3,4−ジヒドロキシ−ベンゾエート、3,4−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド及びフェニル−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ケトンなどがある。このような化合物は、例えば、米国特許第5,582,953号(ユッテンダーレ(Uyttendaele)等)に記載されている。
本明細書に記載されている還元剤(又はその混合物)は、一般的に乳剤層の1〜10%(乾燥質量)の量で存在する。多層構成では、還元剤を乳剤層以外の層に添加する場合には、2〜15質量%のわずかにより高い割合であることが、より望ましい。補助現像主薬は、一般的に乳剤層塗膜の0.001〜1.5%(乾燥質量)の量で存在することができる。
蛍光体
ある実施態様によれば、例えば、米国特許第6,440,649号(シンプソン等)に記載されているように、蛍光体を感光性ハロゲン化銀含有画像形成層に添加して写真感度を増加することができる。
蛍光体は、励起により赤外線、可視線又は紫外線を放出する材料である。固有蛍光体は、本来(すなわち、固有的に)リン光性の材料である。「活性化」蛍光体は、一種以上のドーパントを意図的に添加した、固有蛍光体でも非固有蛍光体でもよい基礎材料からなるものである。これらのドーパントにより蛍光体が「活性化」され、活性化された蛍光体が赤外線、可視線又は紫外線を放出する。例えば、Gd22S:Tbでは、Tb原子(ドーパント/活性剤)が、蛍光体の光放出を生じさせる。BaFBr等のある種の蛍光体は、蓄積性蛍光体として知られている。これらの材料においては、ドーパントは、放射線の放出だけでなく蓄積にも関与する。
いずれかの通常又は有用な蛍光体を、画像形成層に単一又は混合物として使用できる。
トナー
画像を向上させる「トナー」又はそれらの誘導体は、本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料にとって必須成分である。トナーは、サーモグラフ画像形成層及びフォトサーモグラフ画像形成層に添加したときに、現像された銀像の色を黄色がかった橙色から褐黒又は青黒にシフト及び/又は熱現像を加速する化合物である。一般的に、ここに記載されている一種以上の必須のフタラジン化合物の存在量は、これらの化合物を含有させる層の総乾燥質量基準で0.01%〜10%、より好ましくは0.1%〜10%である。この量は、サーモグラフ材料又はフォトサーモグラフ材料の1m2当たり1×10-5〜1モルの範囲内であるとして定義することもできる。トナーは、乳剤層又は隣接する層に配合できる。
本発明の熱現像性材料は、以下の構造式I及びIIで表される一種以上のフタラジン化合物を含むことが必須である:
Figure 2004163932
(式中、R1は炭素数1〜20個の置換又は未置換アルキル基(例えば、置換又は未置換メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、カルボキシエチル基及びカルボキサミドエチル基)、環における炭素数が5〜10個である置換又は未置換シクロアルキル基(例えば、置換又は未置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基及びシクロヘキサノン−3−イル基)、アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、フェニル−ビニル及びカルボメトキシ−ビニル)又は芳香環における炭素数が6〜10個である置換又は未置換炭素環式アリール基(例えば、置換又は未置換フェニル基及びナフチル基)である。
好ましくは、R1は、鎖における炭素数が1〜10個である置換又は未置換アルキル基、置換又は未置換フェニル基、又は置換又は未置換シクロヘキシル基である。より好ましくは、R1は、鎖における炭素数が1〜4個である置換又は未置換アルキル基である。
2及びR4は、独立して同一又は異なる一価の置換基である。このような置換基には、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、置換又は未置換メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、ベンジル基及びカルボキシメチル基)、環における原子数が5〜10個である炭素環式又は複素環式脂肪族基(例えば、置換又は未置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピペリジニル基、モルホリニル基及びチオテトラヒドロピラニル基)、芳香環における原子数が5〜10個である炭素環式又は複素環式芳香族基(例えば、置換又は未置換フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、チアゾリル基及びフラニル基)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル(又はアリール)−SO2−基、アルキル(又はアリール)−SO−基、−SO3H基、−SO3 -基、ハロ基(例えば、F、Cl、Br及びI)、ニトロ基、シアノ基、第一アミノ基、第二アミノ基若しくは第三アミノ基、アルキル(又はアリール)−(C=O)−基、アルキル(又はアリール)−(C=O)O−基、アルキル(又はアリール)−O(C=O)−基及びR”R”’N(C=O)−基若しくはR”R”’NSO2−基(ここで、R”及びR”’は独立して水素、又は置換又は未置換アルキル又はアリール基である)などがあるが、これらには限定されない。上記置換基の全ては、さらに置換されていてもよいことは、理解されるところであろう。
さらに、複数のR2及びR4基がフタラジン環に結合している場合、2つのこれらの基はフタラジン核に縮合した置換又は未置換炭素環式若しくは複素環式脂肪族又は芳香族環(例えば、置換又は未置換ベンゾ、ピリジニル、シクロヘキシル又はジオキソラニル縮合環)を形成してもよい。
好ましくは、R2及びR4は、同一又は異なる炭素数1〜10個の置換又は未置換アルキル基、又は置換又は未置換フェニル基であり、より好ましくは、R2及びR4は、同一又は異なる置換又は未置換メチル基、エチル基、プロピル基、イソ−プロピル基又はブチル基である。
3は、一般的に鎖において1〜18個の炭素原子、酸素原子、窒素原子及びイオウ原子を含む多価有機結合基である。すなわち、結合基は、鎖に種々の炭素原子及びヘテロ原子を有する二価、三価又は四価脂肪族基(例えば、−S(=O)O−基、−O−基、−S−基、−SO2N−基、−S(=O)2−基、−S(=O)−基及び−C(=O)−基)であることができ、且つ未置換であっても、一つ以上の一価の脂肪族基により置換されていてもよい。R3は、三価又は四価であるとき、qはそれぞれ2又は3である。好ましくは、R3は、鎖に2〜10個の炭素原子、イオウ原子及び酸素原子を含む。
さらに、構造式I及びIIにおいて、mは0又は4以下の整数であり、rは0又は4以下の整数であり、qは1、2又は3であるが、但しqが2又は3であるとき、R4基は複数のフタラジン部分上で同一であっても、異なっていてもよい。好ましくは、m及びrは独立して0又は1であり、qは1である。
Xは好適な電荷中和アニオンを表し、n及びpは0又は4以下の整数であり、構造式I及びIIで表される化合物の正味電荷をゼロとするのに必要な十分なアニオンを表す。したがって、n又はpが0のとき、フタラジン化合物は、内部正電荷を釣り合わせる内部負電荷を有することができる。好ましくは、n及びpは、独立して0又は1である。
アニオンは、無機アニオン又は有機アニオン、例えば、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物)、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アリールジスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホニルメチド及びアミド)、スルフェートイオン、チオシアネートイオン、パークロレートイオン、テトラフルオロボレートイオン、ピクレートイオン、アセテートイオン、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート及びトリフルオロメタンスルホネートイオンでよい。好ましくは、Xは、単一負電荷を有するアニオンであり、式X-で表される。より好ましくは、Xは、ハロゲン化物イオンである。
本発明の実施においてトナーとして有用な構造式(I)及び(II)で表される代表的化合物には、以下の化合物I−1〜I−17及びII−1〜II−7などがある:
Figure 2004163932
Figure 2004163932
Figure 2004163932
Figure 2004163932
Figure 2004163932
Figure 2004163932
化合物I−1、I−3、I−5及びI−6が、好ましい。化合物I−1及びI−3が、最も好ましい。
必須のトナーが上記構造式I及びIIにより定義されるが、本発明の熱現像性材料も、当該技術分野において「トナー」として知られている一種以上の他の化合物を含むこともできる。
他の添加物
本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料は、他の添加物、例えば、保存寿命安定剤、カブリ防止剤、コントラスト増強剤、現像促進剤、アキュータンス色素、後処理安定剤又は安定剤前駆体、熱溶媒(メルトフォーマーとしても知られている)、保湿剤及び当業者が容易に分かるであろう他の画像改質剤が含まれていてもよい。
フォトサーモグラフ材料の特性(例えば、コントラスト、Dmin、感度またはカブリ)をさらに制御するために、式Ar−S−M1及び式Ar−S−S−Ar(式中、M1は、水素原子又はアルカリ金属原子を表わし、Arは、窒素原子、イオウ原子、酸素原子、セレン原子又はテルル原子の一つ以上を含む複素芳香環又は縮合複素芳香環を表す)で表される一種以上の複素芳香族メルカプト化合物又は複素芳香族ジスルフィド化合物を添加することが好ましいことがある。
また、フォトサーモグラフ材料は、ジクロロ基、ジブロモ基、トリクロロ基及びトリブロモ基を含むがこれらには限定されない一つ以上のポリハロ置換基を含む一種以上のポリハロカブリ防止剤を含んでいてもよい。カブリ防止剤は、芳香族複素環化合物及び炭素環式化合物を含む、脂肪族化合物、脂環族化合物又は芳香族化合物であることができる。
この種の特に有用なカブリ防止剤は、ポリハロカブリ防止剤、例えば、−SO2C(X’)3基(ここで、X’は、同一又は異なるハロゲン原子を表す)を有するポリハロカブリ防止剤である。
本発明のフォトサーモグラフ材料に、一種以上の熱溶媒(「ヒートソルベント」、「サーモソルベント」、「メルトフォーマー」、「メルトモディファイヤー」、「共融フォーマー」、「現像調節剤」、「ワックス」又は「可塑剤」と称されることもある)を含有させて、高温での銀現像酸化還元反応の反応速度を向上させることも有利である。
バインダー
本発明において使用される光触媒(例えば、使用する場合感光性ハロゲン化銀)、非感光性の還元されることのできる銀イオン源、還元剤組成物、トナー(単一又は複数)及び他の添加剤を、一種以上のバインダーに添加し塗布する。すなわち、水性配合物を使用して本発明のフォトサーモグラフ材料を調製する。異なる種類の親水性バインダーの混合物を使用することもできる。
有用な親水性バインダーとして、例えば、タンパク質及びタンパク質誘導体、ゼラチン及びゼラチン誘導体(アルカリ処理ゼラチン及び酸処理ゼラチンを含む硬化又は未硬化ゼラチン、及び脱イオンゼラチン)、セルロース系材料、例えば、ヒドロキシメチルセルロース及びセルロース系エステル類、アクリルアミド/メタクリルアミドポリマー、アクリル/メタクリルポリマー、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルアルコール類、ポリ(ビニルラクタム類)、スルホアルキルアクリレート若しくはスルホアルキルメタクリレートのポリマー、加水分解ポリビニルアセテート類、ポリアミド類、多糖類(例えば、デキストラン類及びデンプンエーテル類)及び水性写真乳剤に使用されることが一般的に知られている他の天然又は合成ビヒクルなどがあるが、これらには限定されない。
特に有用な親水性バインダーは、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール類及びセルロース系材料である。ゼラチン及びその誘導体が最も好ましく、バインダー混合物を使用するときには総バインダーの少なくとも75質量%の量で使用する。
疎水性バインダーも、使用することができる。典型的な疎水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアセタール類、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリスチレン類、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート類、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー及び当業者にとって容易に分かる他の材料などがあるが、これらには限定されない。コポリマー(ターポリマー等)も、ポリマーの定義に含まれる。ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)及びビニルコポリマー(例えば、ポリ酢酸ビニル及びポリ塩化ビニル)が、特に好ましい。特に好適なバインダーは、ポリビニルブチラール樹脂である。疎水性バインダーの水性分散液(又はラテックス)も、使用できる。
ポリマーバインダー(単一又は複数)は、そこに分散される成分を担持するのに十分な量で使用される。有効な量の範囲は、当業者により適切に決定できる。バインダーを、含有させる層の総乾燥質量基準で好ましくは10質量%〜90質量%のレベル、より好ましくは20質量%〜70質量%のレベルで使用する。両面フォトサーモグラフ材料におけるバインダーの量は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
支持体材料
本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料は、高分子支持体を含む。この高分子支持体は、好ましくは可撓性の透明フィルムであり、このフィルムは、所望の厚さを有し、用途に応じて一種以上の高分子材料から構成されている。支持体は、一般的に透明(とりわけ材料をフォトマスクとして使用する場合)又は少なくとも半透明であるが、場合によっては、不透明な支持体が有用なことがある。支持体は、熱現像中の寸法が安定であるとともに、その上に設ける層との接着性が好適であることが必要とされる。このような支持体を作製するのに有用な高分子材料には、ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート)、酢酸セルロース及び他のセルロースエステル類、ポリビニルアセタール、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリカーボネート類及びポリスチレン類(及びスチレン誘導体のポリマー)などがあるが、これらには限定されない。好ましい支持体は、ポリエステル類及びポリカーボネート類等の良好な熱安定性を有するポリマーから構成されている。
フォトサーモグラフ配合物
本発明のフォトサーモグラフ材料は、可塑剤並びに滑剤、艶消し剤、例えば、デンプン、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ及び高分子ビーズを含有することができる。また、高分子フッ素系界面活性剤も、米国特許第5,468,603号(カブ(Kub))に記載されているような塗布適性及び光学濃度の均一性の改善等の種々の目的で、フォトサーモグラフ材料の1層以上の層に含有させることが有用であろう。
米国特許第6,436,616号(ガイスラー(Geisler)等)は、フォトサーモグラフ材料を改質して「木目」効果として知られていること、すなわち、光学濃度むらを減少させる種々の手段を記載している。この効果は、支持体の処理、艶消し剤のトップコートへの添加、一定の層にアキュータンス色素を使用すること又はこの特許に記載されている他の方法を含むいくつかの手段により減少又は解消される。
本発明のフォトサーモグラフ材料は、帯電防止層又は導電層を含むことができる。帯電防止剤は、当該技術分野において周知である。
他の導電性組成物は、一種以上のフッ素系化合物を含む。各フッ素系化合物は、Rf−CH2CH2−SO3H(ここで、 Rfは4以上の完全フッ素化炭素原子を含む)とアミンとの反応生成物である。これらの帯電防止組成物は、同時係属しており且つ本発明の譲受人に譲渡された 米国出願第10/107,551号(出願日2002年3月27日;サキザデー(Sakizadeh)、ラベル(LaBelle)、オレム(Orem)及びブハヴ(Bhave))に、より詳細に記載されている。
さらなる導電性組成物には、構造式Rf−R−N(R’1)(R’2)(R’3+-(式中、Rfは炭素数4〜18個の直鎖又は分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、Rは炭素数が少なくとも4個であり且つ鎖にスルフィド基を有する二価の結合基であり、R’1、R’2、R’3は独立して水素又はアルキル基であるか、R’1、R’2及びR’3のうちのいずれか2つが一緒になって、カチオン窒素原子を有する5〜7員複素環を形成するのに必要な炭素原子及び窒素原子を表すことができ、X-は一価のアニオンである)で表される一種以上のフッ素系化合物などがある。
層を種々の塗布方法を用いて同時に塗布するとき、上記した2種以上のポリマーの単一相混合物を含む「キャリア」層配合物を、使用できる。このような配合物が、米国特許第6,355,405号(ルードマン(Ludemann)等)に記載されている。
好ましくは、2層以上の層を、スライド塗布法によりフィルム支持体に適用する。第二層がまだ濡れているうちに、第一層を第二層の上面に塗布することができる。これらの層を塗布するのに使用される第一流体及び第二流体は、同一であっても、異なっていてもよい。
第一層及び第二層をフィルム支持体の一方の面に塗布できるとともに、製造方法には、上記高分子支持体の反対面、すなわち、裏面に、ハレーション防止層、帯電防止層、あるいは艶消し剤(シリカ等)を含有する層、画像形成層、保護トップコート層又はそのような層の組合せを含む1層以上の追加の層を形成することも含まれる。
また、本発明のフォトサーモグラフ材料は、支持体の両面に熱現像性画像形成(又は乳剤)層を設け、且つ支持体の一方の面又は両面に設けられた層の下に設けられたハレーション防止用下層に少なくとも1種の熱漂白性組成物を含有させることも意図される。
支持体の両面に熱現像性層を配置してなるフォトサーモグラフ材料は、「クロスオーバー」の問題を生じることがしばしばある。クロスオーバーは、フォトサーモグラフ材料の一方の面に画像形成するのに使用される放射線が、支持体を通過し、支持体の他方の面に設けられたフォトサーモグラフ層に画像形成を生じさせるときに生じる。このような放射線により、画像品質(とりわけ鮮鋭度)が低下する。クロスオーバーが減少するほど、画像がより鮮鋭になる。クロスオーバーを減少させるためには、種々の方法を利用することができる。このような「クロスオーバー防止」材料は、明確にクロスオーバーを減少させるために含有させる材料であってもよく、アキュータンス色素又はハレーション防止色素であってもよい。どちらの状況においても、これらは、処理中に無色にする必要がある。
画像の鮮鋭度を高めるために、本発明のフォトサーモグラフ材料は、アキュータンス色素、フィルター色素、クロスオーバー防止色素、照射防止色素及び/又はハレーション防止色素を含有する1層以上の層を含むことができる。これらの色素は、露光波長に近い吸収を有するように選択され、非吸収光又は散乱光を吸収するように構成する。一種以上のハレーション防止色素を、公知の手法によって1層以上のハレーション防止層に、ハレーション防止用裏引き層としてか、ハレーション防止用下層としてか、ハレーション防止用オーバーコートとして含有させることができる。さらに、一種以上のアキュータンス色素を、公知の手法により、1層以上の層、例えば、熱現像性画像形成層、プライマー層、下層又はトップコート層(特に前面に)に含有させることができる。
本発明においては、処理中に熱で脱色又は漂白する、アキュータンス色素、フィルター色素、クロスオーバー防止色素、照射防止色素及び/又はハレーション防止色素を含有する組成物を用いることも有用である。特に有用な熱漂白性アキュータンス組成物、フィルター組成物、クロスオーバー防止組成物、イラジエーション防止組成物及び/又はハレーション防止組成物は、放射線吸収化合物をヘキサアリールビイミダゾール(「HABI」としても知られている)と組合せて含有している。このようなHABI化合物は、当該技術分野、例えば、米国特許第4,196,002号(レヴィンソン(Levinson)等)、米国特許第5,652,091号(ペリー(Perry)等)及び米国特許第5,672,562号(ペリー等)において周知である。このような熱漂白性組成物の例が、例えば、同時係属しており且つ本発明の譲受人に譲渡された米国出願第09/875,772号(出願日2001年6月6日;ゴスワミ(Goswami)、ラムズデン(Ramsden)、ゼレンスキー(Zielinski)、ベアード(Baird)、ウェインステイン(Weinstein)、ヘルバー(Helber)及びリンチ)及び米国出願第09/944,573号(出願日2001年8月31日;ラムズデン及びベアード)に記載されている。
実際の使用条件下で、組成物を少なくとも90℃の温度で少なくとも0.5秒間加熱して漂白する。
画像形成/現像
本発明の熱現像性材料は、いずれかの好適な画像形成源(典型的には、フォトサーモグラフ材料用のある種の放射線又は電子信号及びサーモグラフ材料用の熱エネルギー源)を用いて、材料の種類に合致するいずれかの好適な方法で画像形成できる。
ある実施態様によれば、材料は、少なくとも300nm〜1400nmの範囲、好ましくは300nm〜850nmの範囲の放射線に対して感度がある。画像形成は、本発明のフォトサーモグラフ材料を、紫外線、可視光、近赤外線及び赤外線等に感度のある好適な放射線源に暴露して潜像を形成することによりおこなうことができる。
材料を、X線又はスペクトルの紫外領域、スペクトルの可視領域若しくは電磁スペクトルの赤外領域の放射線に感度を有するようにすることができる。有用なX線画像形成源には、一般的な医療用、マンモグラフィ用、歯科用、工業用X線装置及び当業者において公知の他のX線発生装置などがある。
熱現像条件は使用構成に応じて異なるが、典型的には像様露光材料を好適な高温で加熱することを含む。したがって、潜像は、露光材料を適度な高温、例えば、50℃〜250℃(好ましくは80℃〜200℃及びより好ましくは100℃〜200℃)で十分な時間、一般的に1〜120秒間加熱することにより現像できる。加熱は、加熱板、スチームアイロン、ホットローラー又は加熱浴等のいずれかの好適な加熱手段を用いておこなうことができる。
本発明のサーモグラフ材料を画像形成するとき、画像を、熱ペン、サーマルプリントヘッド又はレーザーを用いて好適な温度での現像と同時にか、熱吸収材料と接触させた状態で加熱することにより「書き込む」ことができる。サーモグラフ材料に色素(例えば、赤外吸収色素)を含有させて、レーザ放射による直接現像を容易にすることができる。色素は、吸収された放射線を熱に変換する。
フォトマスクとしての使用
本発明のサーモグラフ材料及びフォトサーモグラフ材料は、非画像形成領域において350〜450nmの範囲において十分な透過性を有しているので、続いて紫外線又は短波長可視線に感度のある画像形成可能な媒体を露光する方法に使用することができる。例えば、フォトサーモグラフ材料に画像形成し続いて現像すると、可視画像が形成される。熱現像されたサーモグラフ材料又はフォトサーモグラフ材料は、可視画像がある領域において紫外線又は短波長可視線を吸収し、且つ可視画像がない紫外線又は短波長可視線を透過する。次に、熱現像された材料を、マスクとして使用し、画像形成放射線源(例えば、紫外線源又は短波長可視線エネルギー源)と、このような画像形成放射線に感度を有する画像形成可能材料、例えば、光ポリマー、ジアゾ材料、フォトレジスト又は感光性印刷版との間に配置できる。画像形成可能材料を、露光し且つ熱現像したフォトサーモグラフ材料における可視画像を介して画像形成放射線に当てると、画像形成可能材料に画像が形成される。この方法は、画像形成可能媒体が印刷版を含み且つフォトサーモグラフ材料がイメージセットフィルムとしての役割を果たす場合に特に有用である。
すなわち、本発明の一実施態様によれば、
A)本発明のフォトサーモグラフ材料を電磁放射線に像様露光して潜像を形成することと、
B)露光されたフォトサーモグラフ材料を同時又は順次に加熱して潜像を現像することにより可視画像とすること、
を含む、方法が提供される。
前記フォトサーモグラフ材料が透明支持体を含む場合には、この画像形成法は、さらに
C)画像形成放射線源と、前記画像形成放射線に感度を有する画像形成可能材料との間に、可視画像を有する露光され且つ熱現像されたフォトサーモグラフ材料を配置することと、
D)画像形成可能材料を、前記露光され且つ熱現像されたフォトサーモグラフ材料における可視画像を介して画像形成放射線に暴露して画像形成可能材料に画像を形成すること、
を含むことができる。
したがって、本発明の一実施態様によれば、
A)前記本発明のサーモグラフ材料の熱画像形成をおこなうこと
を含む方法が提供される。
前記サーモグラフ材料が透明支持体を含む場合には、この画像形成法は、さらに
B)画像形成放射線源と、前記画像形成放射線に感度を有する画像形成可能材料との間に、熱画像形成されたサーモグラフ材料を配置することと、
C)画像形成可能材料を、前記熱画像形成されたサーモグラフ材料における可視画像を介して画像形成放射線に暴露して画像形成可能材料に画像を形成すること、
を含むことができる。
画像形成アセンブリ
光感度をさらに増加させるために、本発明のX線に感度を有するフォトサーモグラフ材料を、「画像形成アセンブリ」として知られているものにおいて、1枚以上の蛍光体増感紙及び/又は金属スクリーンと関連させて使用することができる。増感紙は、X線を吸収し、且つ感光性ハロゲン化銀がより容易に吸収するより長い波長の電磁線を放出する。好ましくは、両面塗布感X線性フォトサーモグラフ材料(すなわち、支持体の両面に1層以上の熱現像性画像形成層を形成した材料)を、2枚の増感紙(1枚の増感紙を材料の「前面」に、もう一枚の増感紙を材料の「背面」に設ける)と組合せて使用する。
本発明の画像形成アセンブリは、本明細書で定義されているフォトサーモグラフ材料(特にX線又は可視光に感度を有するもの)と、材料の前面及び/又は背面に隣接して設けた1枚以上の蛍光体増感紙とから構成されている。増感紙は、典型的にはX線を吸収し、300nm超の波長を有する電磁放射線を放出するように構成される。
蛍光体増感紙は、例えば、米国特許第5,021,327号(バンチ(Bunch)等)に記載されているようなラジオグラフ画像形成に使用する際の通常の全ての要件を満たすいずれかの好適な形態をとることができる。種々のこのようなスクリーンは、LANEX(商標)、X−SIGHT(商標)及びInSight(商標)スケレタルスクリーン(いずれもイーストマンコダック社(Eastman Kodak Company)より入手可能)等のいくつかのソースから市販されているが、これらには限定されない。前面スクリーン及び背面スクリーンを、所望の放出型、所望の透光性、乳剤感度及びクロスオーバー%に応じて適切に選択することができる。所望ならば、金属(銅又は鉛等)スクリーンも含めることができる。
1枚以上の蛍光体増感紙と関連させた好適なフォトサーモグラフ材料と、1枚以上の金属スクリーンを好適なホルダー(カセットとして呼ばれることもしばしばある)に配置し、これらを輸送及び画像形成使用のために適切に包装することにより、画像形成アセンブリを作製できる。
例用材料及び方法:
以下の例に使用される全ての材料は、特記のない限りは、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Wilwaukee)にあるアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)等の標準的な商用ソースから容易に入手できる。全ての百分率は、特記のない限りは、質量基準である。以下のさらなる材料を、調製し、以下のように使用した。
フタラジン化合物の調製:
本発明において有用なフタラジン化合物は、当業者に周知の標準法により調製できる。例えば、化合物I−1の調製法が、A.LeBerre等,Bull.Soc.Chim.Fr.,1973,(7−8 Part2),2404−2408に記載されており、化合物I−2の調製法が、著者が同一であるBull.Soc.Chim.Fr.,1973,(2 Part2),640−647に記載されている。化合物I−5は、塩酸の代わりにテトラフルオロホウ酸を用いる以外は化合物I−1と類似の合成法により調製した。
トシル酸メチル13.3ミリモルとフタラジン13.3ミリモルの各々をアセトニトリル10mlに溶解して調製した溶液を室温で1日保持し、固体生成物を濾取し、乾燥して生成物3.73g(融点203〜205.5℃)を得ることにより、化合物I−3を調製した。化合物I−7を、6−メチルフタラジンから類似の方法で得た。化合物I−4を、トシル酸メチルの代わりに4−ブロモフェナシルブロミドを使用すること以外は類似の方法で得た(融点231〜235℃)。
フタラジン25.3ミリモルと塩化n−ブチル38.0ミリモルとをエタノール10mlに添加して得た混合物を12.5時間加熱還流することにより、化合物I−6を調製した。この溶液に、酢酸エチル50mlとヘプタン15mlを添加した。冷却及び濾過後、所望の化合物I−6 1.63gを得た。
化合物II−1を、以下のようにして調製した:ビスビニルスルホニルメタン95.97g(0.457モル)を、温メタノール700mlに溶解し、濾過して不溶物質を除去し、メタノール250mlにフタラジン121.73g(0.935ミリモル)を添加したものを濾過して得た溶液を添加した。十分な量のメタノールを添加して、最終溶液容積を1400mlとし、溶液を室温で放置して結晶化させた。5時間後、生成物を濾取し、メタノール50mlで洗浄し、乾燥して化合物II−1 212.98gを得た。
全ての化合物の構造を、プロトンNMR及び質量スペクトルデータにより確認した。
銀ベンゾトリアゾール塩分散液の調製:
攪拌反応容器に、石灰処理ゼラチン85gと、フタル化ゼラチン25gと、脱イオン水2000gとを入れた。ベンゾトリアゾール185gと、脱イオン水1405gと、2.5モル濃度の水酸化ナトリウム680gとを含有する溶液を、調製した(溶液B)。反応容器中の混合物に、溶液Bと必要の応じて2.5モル濃度の水酸化ナトリウム溶液を添加し、混合物を36℃の温度に維持することにより、pAg7.25及びpH8.0に調整した。硝酸銀228.5gと脱イオン水1222gとを含有する溶液(溶液C)を、反応がまに、流量=16(1+0.002t2)ml/分(ここで、tは、時間(単位:分間)である)で定義される加速流量で添加し、溶液Bを同時添加することによりpAgを7.25に維持した。このプロセスを、溶液Cがなくなったときに終了し、この時点で、フタル化ゼラチン80gと脱イオン水700gからなる溶液を40℃で反応がまに添加した。次に、混合物を攪拌し、2モル濃度の硫酸でpHを2.5に調整して銀塩乳剤を凝集させた。得られた凝集物を、脱イオン水5リットルで2回洗浄し、2.5モル濃度の水酸化ナトリウム溶液及び溶液BによりpH6.0及びpAg7.0に調整することにより再分散させた。得られた銀塩分散液は、銀ベンゾトリアゾール塩の微粒子が含有していた。
平板状粒子ハロゲン化銀乳剤の調製:
スターラーを備えた容器に、石灰処理骨ゼラチン4.21gと、臭化ナトリウム4.63gと、ヨウ化カリウム37.65mgと、消泡剤と、0.1モル濃度の硫酸1.25mlとを含有する水6リットルを入れた。次に、容器の内容物を、39℃で5分間保持した。次に、2.5378モル濃度の硝酸銀5.96mlと2.5モル濃度の臭化ナトリウム5.96mlとを、4秒かけて同時添加した。核形成後、4.69%次亜塩素酸ナトリウム溶液0.745mlを添加した。温度を、9分間かけて54℃に増加した。次に、5分間保持後、酸化されたメチオニン石灰処理骨ゼラチン100gを追加の消泡剤を含有する水1.412リットルに添加したものを、54℃で反応器に添加した。反応器温度を、7分間保持し、その後、チオシアン酸ナトリウム2.103gを含有する5モル濃度の塩化ナトリウム106mlを、添加した。反応を、1分間継続した。次の38分間中に、第一成長段階が生じ、0.6モル濃度のAgNO3溶液、0.6モル濃度の臭化ナトリウム溶液、及び0.29モル濃度のヨウ化銀懸濁液(リップマン(Lippmann))を添加して、公称均一ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。この成長セグメント中、流量を、9ml/分から42ml/分に増加(硝酸銀)及び0.8ml/分から3.7ml/分(ヨウ化銀)に増加した。臭化ナトリウムの流量を、必要に応じて変動させて一定pBrに維持した。この成長セグメントの終わりに、3.0モル濃度の臭化ナトリウム78.8mlを添加し、3.6分間保持した。次の75分間中に、第二成長段階が生じ、3.5モル濃度の硝酸銀溶液、4.0モル濃度の臭化ナトリウム溶液及び0.29モル濃度のヨウ化銀懸濁液(リップマン)を添加して公称ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中、流量を、8.6ml/分から30ml/分に増加(硝酸銀)及び4.5ml/分から15.6ml/分(ヨウ化銀)に増加した。臭化ナトリウムの流量を、必要に応じて変動させて一定pBrに維持した。
次の15.8分間中に、第三成長段階が生じ、3.5モル濃度の硝酸銀溶液、4.0モル濃度の臭化ナトリウム溶液、及び0.29モル濃度のヨウ化銀懸濁液(リップマン)を添加して、公称ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中、流量は、35ml/分(硝酸銀)及び15.6ml/分(ヨウ化銀)であった。このセグメント中、温度を47.8℃に減少させた。
次の32.9分間中に、第四成長段階が生じ、3.5モル濃度の硝酸銀溶液、4.0モル濃度の臭化ナトリウム溶液、及び0.29モル濃度のヨウ化銀懸濁液(リップマン)を添加して、公称ヨウ化物レベル4.2モル%を維持した。このセグメント中、流量を、35ml/分(硝酸銀)及び15.6ml/分(ヨウ化銀)で一定に保持した。このセグメント中、温度を35℃に減少させた。
合計12モルのヨウ臭化銀(4.2%バルクヨウ化物)を、形成した。フタル化石灰処理骨ゼラチン430.7gを用いて、得られた乳剤を凝集させ、脱イオン水で洗浄した。石灰処理骨ゼラチン(269.3g)を、微生物剤とともに添加し、pH及びpBrをそれぞれ6及び2.5に調整した。
得られた乳剤を、走査電子顕微鏡法により試験した。平板状粒子が、総投影面積の99%超を占めた。粒子の平均ECDは、2.369マイクロメートルであった。平均平板厚さは、0.062マイクロメートルであった。
この乳剤を、金増感剤(テトラクロロ金酸カリウム)とイオウ増感剤(エイケンベリー等による米国特許第6,296,998号に記載されている化合物SS−1)との組合せを用いて、60℃で10分間さらに増感し、青増感色素SSD−1(以下に示す)(ハロゲン化銀1モル当たり1.0ミリモル)を添加してから化学増感剤を添加した。
Figure 2004163932
フォトサーモグラフ画像形成層の作製:
表Iに示す化合物を含有するフォトサーモグラフ乳剤を調製した。各配合物を、通常のナイフ塗布機を用いて、7ミル(178マイクロメートル)の透明青色着色ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム支持体上に単一層として塗布した。試料を、47.2℃(117°F)で7分間乾燥した。
Figure 2004163932
得られたフォトサーモグラフフィルムを、P−16フィルター及び0.7中性濃度フィルターを備えたEG&Gフラッシュ感光計を用いて10-3秒間像様露光した。露光後、フィルムを、加熱ドラムで15秒間又は20秒間150℃で加熱することにより現像して連続トーンウエッジを生成した。自然経時保存のために、試料を、例において示した温度及び湿度で規定時間の間保持した後、画像形成及び熱現像をおこなった。
デンシトメトリー測定を、特注コンピュータ走査デンシトメーターであって、ISO規格5−2及び5−3を満たし、市販のデンシトメーターによる測定に相当すると思われるものでおこなった。次に、ウエッジ濃度を、フォトサーモグラフ材料の感度に適切なフィルターを用いたコンピュータデンシトメーターを用いて測定して濃度−対数露光量(すなわち、D対数E曲線)グラフを得た。Dminは、現像後の非露光領域の濃度であり、8つの最低濃度値の平均値である。
「相対感度−1」を、Dminより0.25高い濃度値で求めた。「相対感度−2」を、Dminより1.00高い濃度値で求めた。対照の感度を100として、感度値を標準化した。
例1〜3:
以下の表IIに示す例は、本発明の範囲内のフタラジン化合物をフォトサーモグラフ材料に添加することにより、感度が大きく増加することを示している。さらに、フタラジン化合物により、現像時間を15秒から20秒に増加したときのDminの増加が小さくなり、よりよい熱処理寛容度が得られた。
全ての試料を、150℃で15秒間又は20秒間加熱して現像することにより、黒色画像を得た。
「PHZ」は、フタラジンを意味する。この化合物は、本発明の範囲外であり、比較例である。
Figure 2004163932
例4〜8:
以下の表IIIに示す例は、異なるブロッキング基、R1及びR2置換基並びに対アニオンX-を有する本発明の範囲内のフタラジン化合物は、21℃及び相対湿度40%での自然経時保存した場合、7日後によりよいフィルム安定性が得られることを示している。
全ての試料を、150℃で20秒間加熱して現像することにより、黒色画像を得た。
「PHZ」はフタラジンを意味し、「6−CH3PHZ」は6−メチル−フタラジンを意味する。これらの化合物の両方とも、本発明の範囲外であり、比較例である。
Figure 2004163932
例9:
以下の例において、サーモグラフ材料における本発明の範囲内のフタラジン化合物の使用を示す。
サーモグラフ画像形成層の作製:
表IVに示す成分を含有するサーモグラフ配合物乳剤を、調製した。配合物を、通常のナイフ塗布機を用いて、178マイクロメートル(7ミル)の透明青色着色ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム支持体上に単一層として塗布し、47.2℃(117°F)で7分間乾燥した。
Figure 2004163932
サーモグラフ材料を切断して、20.32cm×2.54cmのストリップ(8インチ×1インチ)とした。ストリップを、Reichert Heizbank加熱ブロックシステム(Kofler Reichert、オーストリア)により、68℃から212℃の温度勾配で20秒間加熱した。画像形成したストリップの濃度を、可視フィルターを備えたMacBeth Model TR924デンシトメーターにより測定した。反応を、三重反復した。以下の表Vに示す結果から、本発明のフタラジン化合物を含有するサーモグラフ材料により、約170℃の現像温度で高濃度黒色画像が得られることが明らかである。
Figure 2004163932

Claims (8)

  1. 非感光性の還元されることのできる銀イオン源と、前記還元されることのできる銀イオン用還元剤組成物とを含む熱現像性組成物であって、
    以下の構造式I又はII:
    Figure 2004163932
    (式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、R2及びR4は独立して一価の置換基を表し、R3は多価有機結合基であり、mは0又は4以下の整数であり、rは0又は4以下の整数であり、m又はrが2以上であるとき、複数のR2基又は複数のR4基は同一又は異なっていてもよく、複数のR2基又は複数のR4基が互いに近接しているとき、これらの基は縮合脂肪族環、芳香族環、又は複素環を形成していてもよく、qは1、2又は3であるが、但し、qが2又は3であるとき、R4基が複数のフタラジン部分について同一又は異なっていてもよく、Xはアニオンであり、n及びpは0又は4以下の整数であり且つ正味電荷をゼロとするのに必要な十分な対イオンを表す)
    により表されるフタラジン化合物をさらに含むことを特徴とする、熱現像性組成物。
  2. 支持体と前記支持体上に設けられた少なくとも1層の熱現像性層とを含む熱現像性材料であって、さらに、以下の構造式I又はII:
    Figure 2004163932
    (式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、R2及びR4は独立して一価の置換基を表し、R3は多価有機結合基であり、mは0又は4以下の整数であり、rは0又は4以下の整数であり、m又はrが2以上であるとき、複数のR2基又は複数のR4基は同一又は異なっていてもよく、複数のR2基又は複数のR4基が互いに近接しているとき、これらの基は縮合脂肪族環、芳香族環、又は複素環を形成していてもよく、qは1、2又は3であるが、但し、qが2又は3であるとき、R4基が複数のフタラジン部分について同一又は異なっていてもよく、Xはアニオンであり、n及びpは0又は4以下の整数であり且つ正味電荷をゼロとするのに必要な十分な対イオンを表す)
    により表されるフタラジン化合物をさらに含むことを特徴とする、熱現像性材料。
  3. 支持体と前記支持体上に設けられた1層以上の熱現像性画像形成層とを含み、前記熱現像性画像形成層がバインダー、並びに反応的に関連した、感光性ハロゲン化銀、非感光性の還元されることのできる銀イオン源及び前記非感光性源の還元されることのできる銀イオン用還元組成物を含むものである、フォトサーモグラフ材料であって、
    以下の構造式I又はII:
    Figure 2004163932
    [式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアリール基であり、R2及びR4は独立してアルキル基、炭素環式脂肪族基若しくは複素環式脂肪族基、炭素環式芳香族基若しくは複素環式芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル(又はアリール)−SO2−基、アルキル(又はアリール)−SO−基、−SO3H基、−SO3 -基、ハロ基、ニトロ基、シアノ基、第一アミノ基、第二アミノ基若しくは第三アミノ基、アルキル(又はアリール)−(C=O)−基、アルキル(又はアリール)−(C=O)O−基、アルキル(又はアリール)−O(C=O)−基及びR”R”’N(C=O)−基若しくはR”R”’NSO2−基(ここで、R”及びR”’は独立して水素、アルキル又はアリール基である)であり、mは0又は4以下の整数であり、rは0又は4以下の整数であり、m又はrが2以上であるとき、複数のR2基又は複数のR4基は同一又は異なっていてもよく、複数のR2基又は複数のR4基が互いに近接しているとき、これらの基は縮合脂肪族環、芳香族環、又は複素環を形成していてもよく、R3は多価有機結合基であり、qは1、2又は3であるが、但し、qが2又は3であるとき、R4基が複数のフタラジン部分について同一又は異なっていてもよく、Xはアニオンであり、n及びpは0又は4以下の整数であり且つ正味電荷をゼロとするのに必要な十分な対イオンを表す]
    で表されるフタラジン化合物をさらに含むことを特徴とする、フォトサーモグラフ材料。
  4. 前記フタラジン化合物が、以下の化合物式I−1〜I−17及びII−1〜II−7:
    Figure 2004163932
    Figure 2004163932
    Figure 2004163932
    Figure 2004163932
    Figure 2004163932
    により表されるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の材料。
  5. 前記非感光性の還元されることのできる銀イオン源が、ベンゾトリアゾールの銀塩若しくはベンゾトリアゾールの置換誘導体の銀塩、又はそのような銀塩の混合物であり、そしてさらに主として一種以上の親水性バインダーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の材料。
  6. A)請求項2,4及び5のいずれか一項に記載のサーモグラフ材料の熱画像形成をおこなうこと、
    を含む可視画像形成方法。
  7. A)請求項3〜5のいずれか一項に記載のフォトサーモグラフ材料を電磁放射線に像様露光して潜像を形成することと、
    B)露光されたフォトサーモグラフ材料を同時又は順次に加熱して潜像を現像することにより可視画像とすること、
    を含む、可視画像形成方法。
  8. 請求項3〜5,及び請求項7のいずれか一項に記載のフォトサーモグラフ材料を、一枚又は二枚以上の蛍光体増感紙と関連させて配置して含む、画像形成アセンブリ。
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