JP2786319B2 - 可変速スクロール圧縮機 - Google Patents

可変速スクロール圧縮機

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JP2786319B2 JP2188338A JP18833890A JP2786319B2 JP 2786319 B2 JP2786319 B2 JP 2786319B2 JP 2188338 A JP2188338 A JP 2188338A JP 18833890 A JP18833890 A JP 18833890A JP 2786319 B2 JP2786319 B2 JP 2786319B2
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和孝 末藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、冷凍空調用・冷蔵庫用等の冷媒用圧縮機あ
るいは空気用圧縮機として用いられる可変速スクロール
圧縮機に関する。
[従来の技術] 従来のスクロール圧縮機では、特開昭59−110886号に
記載のように、施回スクロールの鏡板外周面の側部空間
(鏡板外周ポケット)と施回スクロール背部の空間(以
下、背圧室と称する)を連通する給油溝(2ケ所ないし
4ケ所程度)を、施回スクロール鏡板に対するフレーム
の台座面あるいは施回スクロールの鏡板外周部に設け、
これにより、施回スクロールの上記側部空間に生じる油
圧力及び油圧変動を抑制し、圧縮機の動力低減作用をも
たせていた。第7図に示すように、この側部空間11fの
油圧力は、そこに油が充満すると、スクィズ作用などに
より、施回スクロール鏡板外周面がフレーム台座の内周
面と最も接近した位置より施回スクロールの施回方向前
方部が背圧室圧力より高い圧力になり、後方部が低い圧
力になる様な圧力分布を生じる。なお、第7図では側部
空間11fは誇張して広く描いてある。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術においては、駆動周波数の60Hz前後の低
・中速領域での施回スクロール鏡板外周面の側部空間の
油圧変動に伴う動力損失を小さくする効果はあるもの
の、該圧縮機が、インバータにより高速運転(例えば圧
縮機の回転数が10000rpm)化されると、上記従来技術で
は上記施回スクロール鏡板外周部まわりの動力損失を小
さく抑えられず、高速時での性能低下が問題となる。第
8図にその油圧変動の生じる圧力波形の例を示す。これ
は、主に、高速化されると鏡板外周部での油圧変動が依
然として存在していること、及び鏡板自体の施回運動に
伴う油の撹拌損失が顕著に増加するためである。また、
従来技術においては、フレーム台座の内周面と、これに
対向する施回スクロール鏡板外周面との径方向での最小
隙間が2mm前後の寸法となっているが、この最小隙間を
小さくしようとすると、上記性能低下がより一層大きく
なるため、該径方向隙間は小さくすることができない。
このため、スクロール圧縮機の外形をより小さくするこ
とができない。また上記側部空間に油が噛み込むと、オ
イルハンマー(油撃)現象に類似した作用のため、高速
域では騒音が高くなるという問題が発生する。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、その目
的とするところは、 (1)高速運転時における性能を格段に向上することが
出来、 (2)小形・軽量化が可能(フレームの外径を小さくで
きる)で、 (3)高速域での騒音低減可能な 可変速スクロール圧縮機を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成する為、本発明の可変速スクロール
圧縮機は特許請求の範囲の各請求項記載の構成を有す
る。
[作用] 放射状溝の存在により、圧縮機が高速運転の状態でも
施回スクロールの鏡板外周部の側部空間に溜まった油を
完全に背圧室側に連続的に排出させ、油撹拌損失をなく
す。また、放射溝構造により該溝部の外周方向の径方向
隙間を大きく設定でき、施回スクロールの施回運動に伴
う油圧変動を最小限にくいとめることができる。また、
上記溝の間の部分(放射状リブ部となる部分)はこれと
対向するフレーム台座面と常に摺動接触が可能となり、
施回スクロールを安定して支持することができる。その
結果、高速域では性能向上と相まって、運転電流の軽減
化、ひいては運転範囲の拡大につながる。また、オイル
ハンマ現象を回避することにより、騒音低減を図れる。
[実 施 例] 始めに、本発明の1実施例に係る可変速スクロール圧
縮機の全体的な説明を第21図によって行う。
第21図において密閉容器1内の上方に圧縮機部100
が、下方に電動機部3が収納されている。密閉容器1内
は上部室1a(吐出室)と電動機室1b,1cとに区画されて
いる。
圧縮機部100は固定スクロール5と施回スクロール6
を互いに噛合せて圧縮室(密閉空間)7を形成してい
る。固定スクロール5は、円板状の鏡板5aと、これに直
立しインボリュート曲線あるいはこれに近似の曲線に形
成されたラップ5bとからなり、その中心部に吐出口10、
外周部に吸入口16を備えている。施回スクロール6は円
板状の鏡板6aと、これに直立し、固定スクロールのラッ
プと同一形状に形成されたラップ6bと、鏡板6aの反ラッ
プ面に形成されたボス6cとからなっている。本例では、
固定スクロールには鋳鉄系材料を用い、他方、施回スク
ロールにはアルミ合金系材料を用いて高速化を図ってい
る。フレーム11は中央部に軸受部をを形成し、この軸受
部に回転軸14が支承され、回転軸14の先端の偏心軸(ク
ランクピン)14aは、上記ボス6cに施回運動が可能なよ
うに挿入されている。
フレーム11には固定スクロール5が複数本のボルトに
よって固定され、施回スクロール6はオルダムリングお
よびオルダムキーよりなるオルダム機構12によってフレ
ーム11に支承され、施回スクロール6は固定スクロール
5に対して自転しないで施回運動をするように形成され
ている。回転軸14の下部は、ロータ3bに固定された電動
機軸14bと一体に結合し、電動機部3と直結している。
固定スクロール5の吸入口16には密閉容器1を貫通し
て垂直方向の吸入管17が接続されている。吐出口10が開
孔している上部室1aは固定スクロール5およびフレーム
11の側面に形成した通路18a,18bを介して上部電動機室1
bと連通している。この上部電動機室1bは電動機ステー
タ3aと密閉容器1の側壁との間の通路19を介して下部電
動機室1cに連通している。また上部電動機室1bは密閉容
器1を貫通する吐出管20に連通している。
22は密閉容器底部の油溜りを示す。尚図中実線矢印は
冷媒ガスの流れ方向、破線矢印は油の流れ方向を示す。
上記密閉容器1は上部鏡板2a、胴体部2b、下部鏡板2c
で形成されている。主軸受部40には、油膜切れに対して
は信頼性の高いころがり軸受を用いている。
施回スクロール6の背面とフレーム11で囲まれた空間
41(これを「背圧室」と称する)には、施回、固定の両
スクロールで形成される複数の密閉空間7内のガス圧に
よるスラスト方向のガス力(この力は、施回スクロール
6を下方に押し下げようとする離反力となる。)に対抗
するため吸入圧力(低圧側圧力)と吐出圧力の中間の圧
力(記号Pmで示す)が作用する。この中間圧力の設定
は、施回スクロール6の鏡板6aに細孔6eと6d(第3図、
第5図参照)を設け、この細孔を介して密閉空間7内部
のガスを背圧室41に導き、施回スクロールの背面にガス
圧力を作用させて行う。この中間圧力のかけ方は特開昭
53−119412号及び特開昭55−37520号等にて開示されて
いるので詳細な説明を省略する。
次に第21図を用いて潤滑油の流れについて説明する。
潤滑油は密閉容器1の下部に油溜り22として溜められ
る。主軸14の下端は揚油管13aを介して容器底部の油溜
り22中に浸漬し、主軸上部には偏心軸部(クランクピ
ン)14aを備え、該偏心軸部14aが施回スクロール鏡板ボ
ス部6c内の施回軸受39を介して、スクロール圧縮要素部
である施回スクロール6と係合している。主軸14には、
各軸受部への給油を行うための中心縦孔13が主軸の下端
から主軸の上端面まで形成される。13aは主軸下端と底
部油溜り22を連ねる揚油管である。偏心軸部14aの下部
には、施回スクロールボス部6cの先端面と対向させる主
軸受上部にバランスウエイト8が、主軸14と結合し一体
化して形成されている。潤滑油溜り22内に浸漬された揚
油管13aの下端は高圧の吐出圧力Pdを受けており、他
方、下流となる施回軸受39(第2図参照)及び主軸受40
のまわりは、中間圧力Pmを受けているため、(Pd−Pm)
の圧力差によって、容器底部の油溜り22中の潤滑油は中
心縦孔13内を上昇する。このように、各軸受部への給油
を中心縦孔給油による差圧給油法によって行う。
中心縦孔13内を上昇した潤滑油は、下軸受9及び主軸
受40へ給油されるとともに、偏心軸部14aの上部空間
(施回スクロールボス部6cのボス部底面と偏心軸部14a
の上端面との隙間の部分の油室)を介して施回軸受部39
に給油される。
軸受部39、40に給油された油は、背圧室41に流入し、
背圧室41に流入した油の一部は冷媒ガスと混合し、背圧
孔6c,6dを介して圧縮室7に流出する。一方、背圧室41
内の油の一部は側方へ、施回スクロールの鏡板1a外周面
の側部空間11f(第5図参照)に移動し、再び背圧室41
に戻る。
圧種室7に至った油は、冷媒ガスとともに加圧され、
固定スクロール5上方の吐出室1aさらに電動機室1bへと
移動する。この電動機室で冷媒ガスと油は分離され、油
は密閉容器底部の油溜り22に落下し、再び各摺動部に供
給される。
さて次に、本発明実施例の細部を第1図〜第6図によ
り説明する。
第1図と第2図は、本実施例に係る施回スクロール6
の形状を示す背面図と縦断面図であり、第3図はその上
面図、第4図は第2図を側方から見た部分図である。施
回スクロール鏡板6aは背面に厚さ方向に突出した外周突
出部6uを有する。該鏡板の背面には外周突出部6uを切欠
く形の多数の放射状溝6jが周部に満遍なく形成してあ
る。該放射状溝6jは第1図に示すように外側面(外周
面)6gの円周上等分(図の場合16ケ)に、かつ、第2図
に示す如くテーパ状に形成してある。この溝6jの断面は
第4図に示すように矩形状としている。テーパ角度θ
の値は実用的には20度〜30度の範囲とし、比較的傾斜の
ゆるい溝形状とする。
これらの溝6jの存在によって、施回スクロール鏡板外
周面での径方向すきまを大きく維持し、周壁面6g,溝6j
に作用する油による抗力を極力小さくすることができ
る。また施回スクロール鏡板外周面の側部空間11fに溜
った油をスムーズに背圧室41側に移動させることが可能
となる。
なお、施回スクロールの鏡板背面がフレーム台座面
(第5図の11e)と摺接する範囲は外周突出部6uの幅寸
法(第1図のlb寸法)となる。施回スクロール6の背面
においては、外周突出部6uとフレーム台座面11eとの摺
動作用を円滑に行わせるため該突出部6u以外の部分が凹
部6pを形成する。6e,6d(第3図)は背圧室41に中間圧
力を導入するための細孔である。
施回スクロール6の鏡板外周部における上記溝6jの深
さhmは、鏡板厚Hsの半分前後に設定され(第2図におい
てHo/Hs≒0.3〜0.5)るのが、鏡板6a自体の剛性等を考
慮して適正である。
なお、施回スクロール6の渦巻状ラップ6bによる重心
の偏りをなくし、施回スクロール6の重心をその鏡板6a
の中心Omと一致させる様に、本実施例においては、施回
スクロール鏡板の背面側にバランス取り用の扇形状の凹
部6q(2ケ所 第1図参照)を形成してあるが、但し、
前記放射状溝6jは等ピッチ配列である。
6yは施回スクロール鏡板6aの背面に穿ったオルダムキ
ー溝であり、本例では前記溝6jの1つと夫々つながって
いる。
第5図と第6図は、施回スクロールが施回運動するに
伴う、その鏡板外周部に溜った油の移動の様子を破線矢
印で示す部分断面図である。第5図は、フレーム台座の
内周側壁部11dと施回スクロール6の鏡板外周部の外側
面6g(第1図参照)との隙間11fが最小(これをgfで示
す)となるクランク角位置での施回スクロール鏡板外周
部まわりの部分断面図である。一方、第6図は上記隙間
11fが最大(これをgfoで示す)となるクランク角位置を
示した図である。放射状溝6jの最内端部6m(該溝6jの底
面の内端部、すなわち本例では溝6jのテーパ面と施回ス
クロール鏡板6aの背面との交線部)、及び、該鏡板6aの
外周面6gに対向するフレーム台座の内周面11dの位置関
係を Dsf−2ε<Dfi ……(1) もしくは Dsf≒Dfi ……(2) と設定する。ここで、図示の如く、Dsfは各溝6jの最内
端部6mを通る円の直径(すなわち溝6jが偶数個あるとき
は、互いに反対側の溝の最内端部6m間の直径)であり、
Dfiはフレーム台座の内端側面11mの直径、εは施回スク
ロールの施回半径(クランクピン偏心量)である。この
様に設定することにより、施回スクロールの鏡板外周部
11fに溜った油を完全に、背圧室41側に排出させること
ができる。
上記した放射状溝6jの溝の大きさを実用的な範囲で設
定すると、溝面積比S0.2〜0.4とするのがよい。こ
こで溝面積比Sは施回スクロール鏡板の外周面の放射
状溝開口面積の合計を該鏡板の外周面の表面積で除した
値である。
本実施例の場合でいえば、次の如くである。
こに n:溝6jの数 Wm:溝6jの溝幅 hm:溝6jの溝深さ Dso:施回スクロールの外径 Hs:施回スクロールの鏡板外周部の板厚 上記溝面積比Sの大きさを目安にして溝部(開口
部)形状を決めればよい。従来技術では、Sの値が0.
05前後であったので、高速域では油の影響を排除する構
造にはなっていなかった。
施回スクロールの材質には、鋳鉄材を用いてもよく、
また高速化を実現するため軽量材であるアルミニウム合
金を使ってもよい。本実施例ではアルミ材を使うことに
より、高速化を達成するようにしている。なお放射状溝
を設けたことによりその部分は軽くなり、施回スクロー
ルの軽量化がさらに図れる 第8図と第9図は、本実施例の効果を従来例(特開昭
59−110886号)と比較して示した説明図である。第8図
には、高速域での施回スクロール外周側部空間の圧力変
動ΔPfの様子を示す。圧力変動ΔPfの幅が本実施例では
従来例の数分の1に減少する効果があることがわかる。
また、第9図に示すように、圧縮機の電動機3を駆動す
るインバータの駆動周波数が60Hz前後では両者に大きな
圧力変動の差はないが、高速化してくると(すなわち駆
動周波数を上げると)、両者に大きな圧力変動幅の差を
生じ、本発明の効果の大きなことが解る。この圧力変動
幅ΔPfとこの部分に生じる動力損失とは比例した関係が
ある。
第10図は、圧縮機の回転数Nをパラメータにして施回
スクロールの鏡板外周部の径方向すきま(最小すきま)
gfと圧縮機入力(所要動力)との関係を示した説明図で
ある。本実施例では、鏡板外周部に多数の放射状溝6jを
満遍なく形成し、実質の径方向隙間を大としているの
で、該最小すきまgfをより小さく設定しても、圧縮機の
入力変化は無く、小さい。一方、従来例では、gfに依る
入力変化が顕著でgf寸法が小さくなるほど、また高速回
転数であるほど、圧縮機の入力が高くなっている。これ
は、gf寸法をより小さくすると、従来例では油撹拌損失
が顕著に増加するためである。第10図から、本発明によ
れば、上記最小すきまgfを数mmから数百μmの値前後ま
で縮少化することが可能となり、スクロール圧縮機の外
径の細径化(重量低減化)が図れることになる。また放
射状溝は施回スクロール背面のオルダムキー溝6yと連な
って同一方向に設定されているので、側部空間11fから
背圧室41への排油作用が、施回スクロール鏡板外周部で
一様にスムースになされるので、オルダムリング部の摺
動部(キー溝6yの側端面)での潤滑がより確実になる。
第11図と第12図は、放射溝6jの断面形状を半円形状に
した実施例である。(この断面半円形の溝も、第2図と
同様、テーパ状をなしている。)第12図は第11図を側方
から見た部分図である。この構造とすることにより、施
回スクロール鏡板外周部の突出部6uの剛性が矩形方式よ
りも増す効果がある。また、これは施回スクロールのア
ルミ合金化の場合、成形面(温間鍛造による方法)で有
利な構造である。
第13図と第14図は、放射状溝6jを施回スクロールボス
部6cの根元部近傍まで形成した実施例である。これによ
り、更に施回スクロールの鏡板厚の部分的な薄肉化とそ
れに基づく軽量化を図るものである。また、溝6jのテー
パの傾斜角(第2図のθの角度)をより小さくしてい
るので、第14図に示した径方向すきまqwをより大きくす
ることができ、油撹拌損失をさらに小さくすることが可
能となる。また高速域での油に起因した騒音の低減化が
さらに図れる。
第15図と第16図は更に他の実施例を示す。この実施例
では、施回スクロールの重心をその鏡板の中心Omに一致
させる手段として、第1図の如き凹部6qを設ける代わり
に、図示の角度範囲θmに在る放射状溝6j′と、その他
の放射状6jとで溝幅Wm1,Wm2もしくは溝長lm1,lm2を異な
らしめ、溝6j′の存する角度範囲θmを調整すること
で、アンバランス量を調整して重心を鏡板中心と一致さ
せているのが特徴である。
第17図および第18図は本発明の更に他の実施例におけ
るフレーム形状の上面図および立断面図である。前述し
たように、フレーム台座面11eは施回スクロール鏡板の
背面外周突出部6uと摺動接触する。前記各実施例では施
回スクロールのみに放射状溝を形成したが、本実施例で
はフレーム台座面11eにも施回スクロールと同様な放射
状溝11jを形成している。このような構成とすることに
より、前記した溝面積比Sをさらに大きくとれること
になり、側部空間11fに溜った油の影響(動力増加現
象)を更に小さくする効果が得られる。第19図は、第17
図の溝11jの位置をオルダムキー溝4fに対してθの角
度だけずらした実施例を示す。このθの角度は、施回
スクロール溝6jのピッチを考慮して決められよう。この
両者の溝位置(6jと11fの相対位置)をずらすのは、側
部空間11fから背圧室41側への油の移動をよりスムース
に行わせるためである。第20図は、前述の施回スクロー
ル6と如上のフレーム11とを組合せた場合の部分断面図
である。このようにフレーム側にも油逃し溝構造を付加
することにより、油の移動がさらに容易となる。
第22図は本発明に基づく、施回スクロール鏡板6aの外
周部に設ける放射状溝6jの断面の例示図である。(a)
の如きテーパ溝に限らず、(b)の如き直溝、または
(c)の如く直溝部とテーパ部とがつながった溝でもよ
い。いずれにおいても、先述した溝面積比Sの値を満
たす様に設立するのが好ましい。
フレーム台座面11eにも同様な形状の放射状溝を設け
得る。
なお、施回スクロールに軽量材質であるアルミニウム
合金(例えば4Y−32材など)を使用した場合、本発明で
はその鏡板背面に放射状溝構造を形成しているため鏡板
自体の剛性には大きな変化を及ぼすものでなく、施回ス
クロールのアルミ合金化に支障をきたさない。むしろ圧
縮機の高速化を達成するためには、本発明と施回スクロ
ールのアルミ合金化構造は極めて有用な手段となり得
る。
[発明の効果] 本発明によれば次の効果がある。
(1)高速運転時の圧縮機の性能を大幅に向上できると
ともに、高速域での運転圧力範囲が広くとれる。
(2)施回スクロールの薄肉化、軽量化が図れ、高速時
での振動低減、騒音低減への効果が得られる。
(3)圧縮機の外径を従来機に対して数mm縮少すること
ができ、これにより、圧縮機の小形軽量化が図れる。
(4)上記(2)と(3)項から圧縮機の製造コストの
低減を大きく図ることができる。
(5)施回スクロールの高速施回運動と相まって該スク
ロールの挙動の安定化が図れる。
(6)施回スクロールの剛性を適度に維持しつつ、施回
スクロール鏡板外周部における油撹拌損失を低減し、圧
縮機としての全断熱効率を向上することができる。
以上のことから、本発明は、圧縮機の性能向上の他、
圧縮機全体の信頼性向上、小形軽量化及び製造コストの
低廉化など多くの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図および第4図は夫々、本発明の
1実施例における施回スクロールの背面図、側断面図、
上面図および側面部分図、第5図および第6図は該施回
スクロールを組込んだスクロール圧縮機の要部断面図、
第7図は施回スクロール鏡板外周の側部空間の油圧分布
を示す図、第8図は同空間の油圧変動波形を示す図、第
9図は圧縮機駆動周波数と上記圧力変動の幅との関係を
示す図、第10図は施回スクロール鏡板外周面とフレーム
内面図との最小隙間と圧縮機入力との関係を示す図、第
11図および第12図は本発明の他の実施例に係る施回スク
ロールの背面図および側面部分図、第13図及び第14図は
更に他の実施例に係る施回スクロール背面図および断面
図、第15図および第16図は更に他の実施例の施回スクロ
ール背面図および断面図、第17図および第18図は更に他
の実施例にかかるフレームの上面図および断面図、第19
図は放射状溝をずらせた他の実施例のフレーム上面図、
第20図は上記フレームを用いたスクロール圧縮機の要部
断面図、第21図は本発明の実施例に係るスクロール圧縮
機の全体を示す断面図、第22図(a),(b),(c)
は放射状溝の形の例示図である。 6j,6j′……放射状溝 6g……施回スクロール鏡板外周面 11e……フレーム台座面 11d……フレーム台座内周面 6m……放射状溝の最内端部 11j……放射状溝
フロントページの続き (72)発明者 岡本 譲治 静岡県清水市村松390番地 株式会社日 立製作所清水工場内 (72)発明者 尼田 敦士 静岡県清水市村松390番地 株式会社日 立製作所清水工場内 (56)参考文献 特開 昭59−119091(JP,A) 特開 平1−130081(JP,A) 特開 昭59−87291(JP,A) 特開 昭61−98985(JP,A) 特開 昭62−218678(JP,A) 特開 昭59−110886(JP,A) 特開 平3−294682(JP,A) 特開 平3−242484(JP,A) 特開 平2−199283(JP,A) 特開 平1−121583(JP,A) 特公 平1−14436(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/02 311

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールと施回スクロールを有し、
    これら一対のスクロールは鏡板とこれに直立した渦巻き
    状のラップからなり、両スクロールを互いにラップを内
    側にしてかみ合せ、固定スクロールを固定するフレーム
    の台座面と固定スクロールの鏡板との間に施回スクロー
    ルの鏡板外周部を微小隙間を保ってはさみ込み、施回ス
    クロールの鏡板背部の背圧室にはフレームと施回スクロ
    ールの鏡板との間にオルダムキーとリングとからなるオ
    ルダム機構を備え、主軸先端の偏心軸を施回スクロール
    の鏡板背面に設けられた施回軸受に嵌合し、施回スクロ
    ールを自転することなく固定スクロールに対し施回運動
    させて両スクロールにより形成される密閉空間を外側か
    ら中心へ移動させ容積を減少してガスを圧縮するように
    なされ、主軸内には軸方向に給油孔が穿設され、下部の
    油溜りから上記フレームに設けられた主軸用軸受及び施
    回スクロールに設けられた施回軸受に上記給油孔を経て
    連通し、さらに両軸受隙間を介し背圧室を経て施回スク
    ロールの鏡板外周部の側部空間に通じる油経路が形成さ
    れ、駆動周波数が低周波数領域から高周波数領域にわた
    ってインバータ駆動されるスクロール圧縮機において、 施回スクロールの鏡板外周部の背面部に、上記鏡板外周
    部の側部空間と背圧室とを連通する多数の放射状溝を形
    成し、該放射状溝は、少なくともフレーム台座面との摺
    動作用を行わせるための外周突出部以外の部分で施回ス
    クロールの背面に形成される凹部に達するまで、もしく
    は、前記施回軸受を内包する施回スクロールボス部の根
    元部近傍まで延長して設けられ、該放射状溝の開口面積
    が鏡板外周面の側部面積に対してほぼ0.2〜0.4の比率に
    設定すると共に、施回スクロール全体の重心をその鏡板
    の中心に一致させる様に前記放射状溝の深さ、幅、長さ
    又はそれらの組合せの調整をしたことを特徴とする可変
    速スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】前記放射状溝はテーパ状部を有し、該放射
    状溝により施回スクロール鏡板厚の部分的な薄肉化とそ
    れに基づく軽量化を図ったことを特徴とする請求項1に
    記載の可変速スクロール圧縮機。
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