JPWO2019044867A1 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】過剰な量のオイルが圧縮機構内に取り込まれることを防止する。【解決手段】スクロール圧縮機(1)の圧縮機構(3)を構成する固定スクロール(10)に、作動流体を圧縮機構に吸入するための少なくとも一つの作動流体吸入口(10d1、10d2、10d3)が設けられる。固定スクロールの外周壁(10c)のうち下部には、ハウジング(2)の低圧室(21)の下部に停留するオイルを圧縮機構に導入するためのオイル導入路(10e)が外周壁(10c)を貫通するように設けられている。固定スクロールの外周壁(10c)には、この外周壁のオイル導入路(10e)が設けられている箇所に対して、旋回スクロール(11)の公転方向に進んだ位置であって、かつ旋回スクロールの巻き終わり(11d)が最も下に位置しているときの当該巻き終わりの位置よりも下方に、圧縮機構から余分なオイルを排出するオイル排出路(10f)が、外周壁(10c)を貫通するように設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用空調装置の冷凍サイクル等に用いることができるスクロール型圧縮機に関する。
スクロール型圧縮機は、端板と、端板から立設された渦巻壁を有する固定スクロールと、端板と、端板から立設された渦巻壁を有する旋回スクロールとを備えた圧縮機構を有する。旋回スクロールが公転することにより固定スクロールの渦巻壁と旋回スクロールの渦巻壁との間に形成された圧縮室が容積を減じながらスクロールの中心部に移動し、これにより作動流体の圧縮が行われる。圧縮室の気密性を担保するとともに渦巻壁表面の摩耗を防止するため、渦巻壁の表面に薄い油膜を形成する必要がある。
このため、横型のスクロール型圧縮機においては、圧縮機構内に潤滑オイルが供給される。この目的のため、例えば、圧縮機構特に固定スクロールの下部に位置している穴、溝あるいはこれらを組み合わせたものからなるオイル導入路が設けられる(例えば特許文献1を参照)。このような構成を有するスクロール型圧縮機では、ある特定の運転条件下、例えば圧縮機構の下部に多くのオイルが溜まっている状況下において、過剰な量のオイルが両スクロール間に取り込まれ、圧縮機の効率低下または損傷をもたらしうるオイル圧縮が発生することがある。
特開平1−155087号公報
本発明は、過剰な量のオイルが圧縮機構内に取り込まれることを防止することができるスクロール型圧縮機を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態によれば、ハウジングと、ハウジング内に設けられた電動機と、ハウジング内に設けられて電動機により駆動されるスクロール式の圧縮機構とを備えた横置き型のスクロール圧縮機が提供される。 この圧縮機において、ハウジングは、ハウジングに作動流体を吸入するための吸入ポートと、圧縮機構により圧縮された作動流体をハウジングから吐出するための吐出ポートを有している。 ハウジングの内部において、圧縮機構の一側に吸入ポートと連通する低圧室が形成され、圧縮機構の他側に吐出ポートと連通する高圧室が形成され、圧縮機構は、固定スクロールと、固定スクロールに噛み合わされるとともに固定スクロールに対して公転する旋回スクロールを備え、固定スクロールは、端板と、当該端板の外周縁から旋回スクロールに向けて立設された円筒状の外周壁と、外周壁の半径方向内側において端板から旋回スクロールに向けて立設された渦巻壁と、を有し、旋回スクロールは、端板と、当該端板から固定スクロールに向けて立設された渦巻壁と、を有している。 固定スクロールには、作動流体を圧縮機構に導入するための少なくとも一つの作動流体導入口が設けられている。 固定スクロールの外周壁の下部には、低圧室の下部に停留するオイルを圧縮機構に導入するためのオイル導入路が外周壁を貫通するように設けられている。 固定スクロールの外周壁には、外周壁のオイル導入路が設けられている箇所に対して、旋回スクロールの公転方向に進んだ位置であって、かつ旋回スクロールの巻き終わりが最も下に位置しているときの当該巻き終わりの位置よりも下方に、圧縮機構から余分なオイルを排出するオイル排出路が、外周壁を貫通するように設けられている。
上記の本発明の実施形態によれば、オイル排出路を設けたことにより、過剰な量のオイルが圧縮機構内に取り込まれることを防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る横型のスクロール圧縮機の全外構成を示す軸方向断面図である。 図2は、図1に示した支持ブロックの後端面を図1の矢印IIの方向から見た側面図である。 図3は、図1に示したスラストプレートを図1の矢印IIの方向から見た側面図である。 図4は、図1に示した固定スクロールを、旋回スクロールの側から軸線方向に見た側面図である。 図5は、図4に示した固定スクロールの斜視図である。 図6Aは、図1に示した固定スクロールに対する旋回スクロールの公転について説明する図であり、旋回スクロールが基準位置にある状態を示す図である。 図6Bは、図1に示した固定スクロールに対する旋回スクロールの公転について説明する図であり、旋回スクロールが基準位置から90度進んだ位置にある状態を示す図である。 図6Cは、図1に示した固定スクロールに対する旋回スクロールの公転について説明する図であり、旋回スクロールが基準位置から180度進んだ位置にある状態を示す図である。 図6Dは、図1に示した固定スクロールに対する旋回スクロールの公転について説明する図であり、旋回スクロールが基準位置から270度進んだ位置にある状態を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るスクロール型圧縮機として、圧縮機構と電動機とを一体化した横型の電動スクロール型圧縮機(以下、簡便のため単に「圧縮機」と呼ぶ)について、添付図面を参照して説明する。この圧縮機は、冷媒を作動流体とする冷凍サイクル内で使用するのに適している。この圧縮機は、自動車用空調装置の冷凍サイクル内で好適に用いられるが、この用途には限定されない。
圧縮機1は、ハウジング2を有する。ハウジング2内には、スクロール式の圧縮機構3と、圧縮機構3を駆動する電動機4とが設けられている。
ハウジング2は、このハウジング2に作動流体(ここでは冷媒)を吸入するための吸入ポート20と、圧縮機構3により圧縮された作動流体をこのハウジング2から吐出するための吐出ポート30とを有している。
ハウジング2の内部には、圧縮機構3の一側(図1中の右側)に吸入ポート20と連通する低圧室21が形成され、圧縮機構3の他側(図1中の左側)に吐出ポート30と連通する高圧室(後述する吐出室23及び気液分離室25などを含む室)が形成されている。
なお、本明細書において、図1の左右方向を「軸線方向」、図1における左側を「後側」、図1における右側を「前側」と呼ぶこともある。
ハウジング2内の軸線方向略中央部には、支持ブロック5が設けられている。支持ブロック5にはベアリング6が設けられている。ハウジング2の前壁部2aにもベアリング7が設けられている。軸線方向に延びる駆動軸8が、ベアリング6、7を介して回転可能に支持されている。駆動軸8には電動機4のロータ4aが固定されており、ハウジング2には電動機4のステータ4bが固定されている。電動機4は、上述した低圧室内に配置されている。
圧縮機構3は、固定スクロール10と、固定スクロール10に噛み合わされるとともに固定スクロール10に対して公転する旋回スクロール11とを備えている。固定スクロール10は、円板形の端板10aと、端板10aの外周縁から旋回スクロール11に向けて立設された円筒状の外周壁10cと、外周壁10cの半径方向内側において端板10aから旋回スクロール11に向けて立設された渦巻壁10bとを有している。旋回スクロール11は、円板形の端板11aと、端板11aから固定スクロール10に向けて立設された渦巻壁11bと、を有している。
端板11aにはベアリング受け11e及び複数の円形凹部11fが形成されている。各円形凹部11f内には、支持ブロック5に圧入された回り止めピン9が収容されている。各円形凹部11f内には、回り止めピン9との接触に耐えうるような硬質材料からなるリングが嵌入されている。
駆動軸8の後端の駆動軸8の回転軸線からずれた位置に形成された穴には、偏心ピン8aの前端部が圧入されている。偏心ピン8aの後端部はブッシュ12に形成された穴に嵌入されている。ブッシュ12には、当該ブッシュ12と一体のバランスウエイト12aが設けられている。ベアリング13の内輪にブッシュ12が嵌入されており、ベアリング13の外輪が旋回スクロール11のベアリング受け11eに取り付けられている。上記構成により、駆動軸8を回転させることにより、旋回スクロール11は、駆動軸8の軸心を中心として公転(偏心回転)することができる。
旋回スクロール11は、円形凹部11fの円の範囲内だけ、支持ブロック5に対して動くことができる。駆動軸8の回転に伴い旋回スクロール11は自転しようとするが、円形凹部11f及び回り止めピン9によりその動きは制限される。つまり、円形凹部11fと回り止めピン9は、旋回スクロール11の公転運動を許容しつつ自転運動を防止する。
このような公転運動防止機能を実現するための機構として、オルダムリングを用いた機構を用いることもできる。
固定スクロール10の渦巻壁10bと、旋回スクロール11の渦巻壁11bとを噛み合わせることにより、両スクロール10、11の間に複数(例えば2つまたは3つ)の圧縮室15が形成される。旋回スクロール11の公転に伴い、各圧縮室15は徐々に内容積を減じながら中心側に移動してゆき、これにより、圧縮室15内の作動流体が圧縮される。
固定スクロール10の外周壁10cの前面及び旋回スクロール11の端板の前面と、支持ブロック5の後面との間には、高耐摩耗性材料からなる環状のスラストプレート16が挟持されている。
図3に示すように、スラストプレート16は、これと対面する固定スクロール10の端面の形状(図2を参照)に合わせた形状を有している。スラストプレート16の中央部には、ベアリング13及びバランスウエイト12aの偏心回転運動を許容するサイズの中央孔16cが形成されている。
スラストプレート16には、回り止めピン9と同数の穴16pが形成されており、各穴16pを回り止めピン9が貫通する。スラストプレート16は、回り止めピン9により、支持ブロック5に対して位置決めされる。
圧縮機1の運転中、吸入ポート20から低圧室内に導入された作動流体(冷凍サイクルの冷媒)は、電動機4の構成部品が設けられていない隙間を通って図1の左側に向けて流れ、固定スクロール10の外周壁10cに形成された作動流体吸入口10d1,10d2,10d3から圧縮機構3内に導入される。
作動流体は、前述したように固定スクロール10及び旋回スクロール11との間に形成される圧縮室15内で圧縮され、固定スクロール10の端板10aの中心部に形成された吐出孔10hから、ハウジング2内に設けられた吐出室23に流入する。吐出孔10hにはフラップバルブの形態の逆止弁24が設けられており、逆止弁24は、吐出孔10h近傍の圧縮室15内の圧力が吐出室23内の圧力よりも高いときに開く。
吐出室23の後方に全体として円柱形の気液分離室25が設けられている。吐出室23と気液分離室25との間の隔壁に貫通穴26が形成されている。気液分離室25内の貫通穴26の近傍の位置に、は円筒ガイド27が設けられている。貫通穴26から吐出された作動流体は、円筒ガイド27の周囲を回転しながら流れ、これにより作動流体(ガス状の冷媒)に含まれるオイル(液体)が遠心分離される。オイルが分離された作動流体(ガス状の冷媒)は、円筒ガイド27の内部空間を通って上方に流れ、吐出ポート30を介してハウジング2内から排出される。
一方、遠心分離されたオイルは、気液分離室25の内壁面に沿って流下し、気液分離室25の下部に溜まる。吐出室23の下方に貯油室28が形成されている。気液分離室25と貯油室28との間の隔壁に貫通穴29が形成されている。気液分離室25の下部に溜まったオイルは、貫通穴29を介して貯油室28に流入する。貯油室28内のオイルは、フィルタ31及びオリフィス32を介して、固定スクロール1
0の内部に形成されたオイル供給路33に流入する。
図2及び図3に示すように、支持ブロック5の後端面には、連続するオイル溝51,52,53が形成されている。オイル溝51の端部51aの位置は、上述したオイル供給路33の位置と一致している。スラストプレート16には、オイル供給路33の位置と一致する位置に開口16aが形成されている。オイル溝53の下流端は、ブッシュ12及びベアリング6,13などが収容されている空間5a内に開口している。
従って、貯油室28からオイル供給路33に流出したオイルは、空間5a内に流入し、旋回スクロール11とスラストプレート16との摺動面、ベアリング13などを潤滑した後、ベアリング6の間を通過してハウジング2の低圧室21(電動機4が収容されている室)の底部(下部)に溜まる。
このオイルは、ハウジング2の底壁に形成された溝2gと、この溝2gに対向する位置において支持ブロック5の後面に形成された溝5gとを通って、ハウジング2の底部の圧縮機構3の下部領域にある油溜まり2bに流入する。この油溜まり2b内のオイルにより、圧縮機構3の潤滑及びシールが行われる。
次に、圧縮機構3の構成及び動作について、図4、図5及び図6A〜Dを参照して詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、固定スクロール10の外周壁10cの上半部には、圧縮機構3の内部に作動流体を吸入するための1つ以上(本例では3つ)の作動流体吸入口10d1、10d2、10d3が形成されている。
また、固定スクロール10の外周壁10cの下部(好ましくは最も低い位置かその近傍)には、ハウジング2の低圧室21の底部から溝2g,5gを介して油溜まり2bに流入して、この油溜まり2bに溜まっているオイルを、圧縮機構3の内部(つまり固定スクロール10旋回スクロール11との間)に導入するためのオイル導入路10eが形成されている。
さらに、固定スクロール10の外周壁10cには、圧縮機構3から余分なオイルを排出するためのオイル排出路10fが、外周壁10cを貫通するように設けられている。オイル排出路10fが設けられている位置は、外周壁10cのオイル導入路10eが設けられている箇所に対して、旋回スクロール11の公転方向(図4、図5における時計回り方向)にある進角θ(但し0度<θ<180度)だけ進んだ位置であって、かつ、旋回スクロール11の巻き終わり11dが最も下に位置しているときの当該巻き終わり11dの位置よりも下方の位置である。
なお、オイル導入路10eを圧縮機構3の最下部付近に設けることが好ましいこと、並びに、作動流体吸入口10d1、10d2、10d3と旋回スクロール11の巻き終わり11dとの配置関係を考慮すると、オイル排出路10fは圧縮機構3の下半部に配置することが好ましい。従って、上記進角θは具体的には例えば20度〜90度程度に設定される(但し、これには限定されない)。
オイル排出路10f(特にその底面10g)は、固定スクロール10の半径方向外側にゆくに従って低くなるように傾斜している。
上記のように定義された進角(オイル導入路10eの位置を基準として旋回スクロール11の公転方向に測定した角度)は、上述した複数の作動流体吸入口10d1、10d2、10d3の位置を表すために用いることもできる。
上述した複数(本例では3つ)の作動流体吸入口10d1、10d2、10d3のうち、オイル導入路10eからの進角が最も小さい作動流体吸入口10d1は、固定スクロール10の外周壁10cのうち、旋回スクロール11の巻き終わり11d(渦巻壁11bの巻き終わり11d)の近傍に設けられている。オイル排出路10fは、オイル導入路10eと、進角が最も小さい作動流体吸入口10d1との間に設けられている。
図6Aは、旋回スクロール11が基準位置である0(零)度の位置にある状態を示している。旋回スクロール11は図6A〜図6Dに示されているように、図中における時計回りに公転する。旋回スクロール11は、図6Bにおいて基準位置から90度進んだ位置にあり、図6Cにおいて基準位置から180度進んだ位置にあり、そして図6Dにおいて基準位置から270度進んだ位置にある。
図6A〜図6Dにおいて、旋回スクロール11の端板11aが太い実線の円で示されている。なお、端板11aの高さH1(軸線方向長さ)(図1を参照)は、軸線方向に測定した固定スクロール10の渦巻壁10bの頂部から外周壁10cの頂部までの距離H2とほぼ等しい。
図4に示すように(図5も参照)、時計の約2時の位置から約8時の位置の範囲内に、外周壁10cと渦巻壁10bとの間に、渦巻壁10bの頂部と同じ高さ位置(軸線方向位置)にある面10iが広がっている。図示例においては、面10iはその全体が軸線に垂直な平坦面であるが、面10iの一部に軽量化あるいはオイルの整流を目的とした溝または凹所を形成してもよい。
図4及び図5に示すように、外周壁10cにより囲まれた領域のうち、渦巻壁10bの頂部及び面10i以外の領域は、旋回スクロール11の渦巻壁11bを受け入れる渦巻き状の凹所10jとなっている。凹所10jの深さ(軸線方向に測定した面10iから凹所10jまでの距離)は、渦巻壁11bの高さとほぼ等しい。
旋回スクロール11を旋回させると、固定スクロール10の外周壁10cに形成された作動流体吸入口10d1,10d2,10d3から作動流体が固定スクロール10の外周壁10cの内側の空間に吸入される。この吸入された作動流体は、固定スクロール10の渦巻壁10bと旋回スクロール11の渦巻壁11bとの間に形成される2つの圧縮室15で圧縮され、吐出孔10hを介して吐出室23に吐出される。この圧縮のメカニズムは当業者において周知であるため詳細な説明は省略する。
以下に圧縮機構3へのオイル供給動作について説明する。
図6Aには、ハウジング2の底部の圧縮機構3の下部領域にある油溜まり2b内にあるオイルの液位(液面高さ)が、最高液位となっている状態が示されている。オイルの液位が最高となるのは、例えば運転開始直後等においてハウジング2内のオイルが全て下に落ちている場合等が考えられる。定常運転状態では、オイルが冷凍サイクル内およびハウジング2内を循環しているため、油溜まり2b内にあるオイルの液位は図6Aに示した液位より低くなる。想定しうるあらゆる運転状態において、オイルの液面が少なくともオイル導入路10eの最上端より高く、圧縮機構3で必要とされる最小限の量のオイルが圧縮機構3の内部に侵入することが保証されるように、オイル量が設定される。また、オイルが最高液位にあるときに、オイルの液面が固定スクロール10の渦巻き状の凹所10jの最下部よりも低い高さ位置にあるように、オイル量が設定される。
図6Aに示した状態から旋回スクロール11が時計方向に公転(偏心回転)すると、図6B〜図6Dに示すように、旋回スクロール11の端板11aの外周面の下部が、圧縮機構3の内部に侵入したオイルを掻き上げる(図6Bの矢印F1を参照)。なお、図6B〜図6Dでは、線図の見やすさのため、オイルの記載は省略している。
高速で旋回する旋回スクロール11の端板11aにより掻き上げられたオイルの一部は、ミスト状になり圧縮機構3の内部の周縁空間を巡回する。なお、周縁空間とは、主として、凹所10j内において固定スクロール10の外周壁10cの内周面と旋回スクロール11の渦巻壁11bの外周面により挟まれた第1空間(これは「吸入室」とも呼ばれる)と、凹所10jが形成されていない角度範囲(面10iが形成されている角度範囲)において旋回スクロール11の端板11の外周面と固定スクロール10の外周壁10cの内周面とにより挟まれた第2空間とから構成される空間である。
周縁空間を巡回するオイルミストが、吸入室(上記第1空間)から、圧縮室15に入り、固定スクロール10と旋回スクロール11との対向面例えば渦巻壁10bと渦巻壁11bの対向面間をシールするとともに両渦巻壁の接触部における焼き付きを防止する。
オイル排出路10fが無い場合には、オイル導入路10eを介して圧縮機構3に侵入したオイルは、旋回スクロール11の端板11aにより掻き上げられ続け、動力損失を引き起こすとともに過剰に濃厚なオイルミストを生じさせる。過剰に濃厚なオイルミストが吸入室(上記第1空間)から圧縮室15内に導入されると、圧縮機の効率低下または損傷をもたらすオイル圧縮が発生するおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、旋回スクロール11の端板11aにより掻き上げられたオイルの一部は、固定スクロール10に設けられたオイル排出路10fを介して、圧縮機構3の周縁空間内から排出される(図6Bの矢印F2を参照)。このため、上記周縁空間内に過剰な量のオイルミストが存在することを防止することができる。オイル排出路10fから排出されたオイルは、ハウジング2の内壁面にそって流下し、油溜まり2bに戻る。
本実施形態では、固定スクロール10の外周壁10cに、外周壁10cのオイル導入路10eが設けられている箇所に対して、旋回スクロール11の公転方向に進んだ位置であって、かつ、旋回スクロール11の巻き終わり11dが最も下に位置しているときの当該巻き終わり11dの位置(この位置は、凹所10jの端部(ここから凹所10j内にオイルが取り込まれる)の位置とほぼ一致する)よりも下方に、オイル排出路10fが、外周壁10cを貫通するように設けられている。
この位置にオイル排出路10fを設けることにより、以下の利点が得られる。オイルの液位が高いときに旋回スクロール11の端板11aにより掻き上げられたオイルを、それが凹所10jに入り込む前に、排出することが容易となる。吸入室(上記第1空間)が形成されうる範囲にオイル排出路10fに設けると、作動流体吸入口10d1,10d2,10d3から圧縮機構3内に吸入される作動流体の流れがオイル排出を妨げる傾向にある。しかし、上述した位置にオイル排出路10fに設けることにより、そのような問題は解消されるか低減される。
また、オイル排出路10fが固定スクロール10の径方向外側にゆくに従って低くなるように傾斜しているため、一旦固定スクロール10から排出されかかったオイルが固定スクロール10内に戻されることが防止される。
上記の実施形態によれば、オイル導入路10eを設けることにより圧縮機構3のシール及び潤滑のために十分な量のオイルを圧縮機構3内に導入することができる。これに加えて、オイル排出路10fを設けることにより過剰な量のオイルを圧縮機構3内に存在することを防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、圧縮機構3のシール及び潤滑を確実に行うことができ、しかも、効率低下またはオイル圧縮を防止することができる、適正な量のオイルが圧縮機構3内を巡回するようにすることができる。
1 圧縮機 2 ハウジング 3 圧縮機構 4 電動機 10 固定スクロール 10a 端板 10b 渦巻壁 10c 外周壁 10d1、10d2、10d3 作動流体吸入口 10e オイル導入路 10f オイル排出路 11 旋回スクロール 11a 端板 11b 渦巻壁 11d スクロールの巻き終わり 20 吸入ポート 21 低圧室 30 吐出ポート 23,25 高圧室(吐出室23及び気液分離室25)

Claims (3)

  1. ハウジング(2)と、前記ハウジング内に設けられた電動機(4)と、前記ハウジング内に設けられて前記電動機により駆動されるスクロール式の圧縮機構(3)とを備えた横置き型のスクロール圧縮機において、 前記ハウジング(2)は、前記ハウジングに作動流体を吸入するための吸入ポート(20)と、前記圧縮機構(3)により圧縮された作動流体を前記ハウジングから吐出するための吐出ポート(30)を有し、前記ハウジングの内部において、前記圧縮機構の一側に前記吸入ポートと連通する低圧室(21)が形成され、前記圧縮機構の他側に前記吐出ポートと連通する高圧室(23,25)が形成され、 前記圧縮機構は、固定スクロール(10)と、前記固定スクロールに噛み合わされるとともに前記固定スクロールに対して公転する旋回スクロール(11)を備え、前記固定スクロールは、端板(10a)と、当該端板の外周縁から前記旋回スクロールに向けて立設された円筒状の外周壁(10c)と、前記外周壁の半径方向内側において前記端板から前記旋回スクロールに向けて立設された渦巻壁(10b)と、を有し、前記旋回スクロールは、端板(11a)と、当該端板から前記固定スクロールに向けて立設された渦巻壁(11b)と、を有し、 前記固定スクロール(10)には、作動流体を前記圧縮機構に吸入するための少なくとも一つの作動流体吸入口(10d1、10d2、10d3)が設けられ、 前記固定スクロール(10)の前記外周壁(10c)の下部には、前記低圧室の下部に停留するオイルを前記圧縮機構に導入するためのオイル導入路(10e)が前記外周壁(10c)を貫通するように設けられ、 さらに前記固定スクロール(10)の前記外周壁(10c)には、前記外周壁(10c)の前記オイル導入路(10e)が設けられている箇所に対して、前記旋回スクロール(11)の公転方向に進んだ位置であって、かつ前記旋回スクロール(11)の巻き終わり(11d)が最も下に位置しているときの当該巻き終わり(11d)の位置よりも下方に、前記圧縮機構から余分なオイルを排出するオイル排出路(10f)が、外周壁(10c)を貫通するように設けられているスクロール圧縮機。
  2. 前記少なくも一つの作動流体吸入口のうちの一つ(10d1)は、前記固定スクロール(10)の前記外周壁(10c)のうち、前記旋回スクロールの巻き終わり(11d)の近傍に設けられており、前記オイル排出路(10f)は、前記オイル導入路(10e)と、前記巻き終わり(11d)の近傍に設けられた前記作動流体吸入口(10d1)との間に設けられている、請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記オイル排出路(10f)は、前記固定スクロール(10)の径方向外側にゆくに従って低くなるように傾斜している、請求項1記載のスクロール圧縮機。
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