JP2783058B2 - 蛍光体組成物 - Google Patents

蛍光体組成物

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清隆 荒井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蛍光ランプに用いる蛍光
体組成物に係り、特に、緑色発光蛍光体と、青色発光蛍
光体と、赤色発光蛍光体とを混合した蛍光体組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】高演色型蛍光ランプは複数の蛍光体を混
合した蛍光体組成物が塗布されてなっている。この蛍光
体組成物は、基本的に緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体
と赤色発光蛍光体よりなり、それを塗布してなるランプ
は一般に3波長発光型蛍光ランプと呼ばれている。ま
た、最近では3波長に限らず4波長、5波長発光型等の
多波長発光型の蛍光ランプも使用されるようになってき
た。
【0003】蛍光体組成物の成分として、例えば緑色発
光蛍光体にはセリウム、テルビウム付活リン酸ランタン
蛍光体(LaPO:Tb,Ce、以下LAP蛍光体と
いう。)、セリウムテルビウム付活アルミン酸マグネシ
ウム蛍光体(MgAl1119:Ce,Tb、以下C
AT蛍光体という。)等、青色発光蛍光体にはユーロピ
ウム付活ハロリン酸ストロンチウムバリウムカルシウム
蛍光体{(SrBaCa)10(POCl12
Eu)、以下SCA蛍光体という。}、ユーロピウム付
活ハロリン酸ストロンチウムカルシウム蛍光体{(Sr
Ca)10(POCl:Eu}、ユーロピウム
付活アルミン酸バリウムマグネシウム蛍光体(BaMg
Al1627:Eu、以下BAM蛍光体という。)
等、赤色発光蛍光体にはユーロピウム付活酸化イットリ
ウム蛍光体(Y:Eu、以下YOX蛍光体とい
う。)、ユーロピウム付活酸化イットリウムバナジウム
蛍光体(YVO:Eu)等が最も多用されている。
【0004】通常、蛍光ランプの蛍光膜を形成するに
は、蛍光体をビヒクルと呼ばれるバインダーに懸濁させ
た蛍光体塗布液のガラスバルブの上端からの流し込み、
またはランプ下端からの吸い上げによって行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光体
組成物は異なる種類の蛍光体が混合されているため、そ
の比重、粒径、粒度分布等の差により、ランプ塗布時、
ランプ上下に色差が生じる(以下、管端色差という)問
題があった。
【0006】この問題を解決するため、従来では蛍光体
の粒径、比重、粒度分布等の改良によって対応してき
た。例えば特開昭56−143654号公報において
は、比重の大きい蛍光体の粒径を、比重の小さい蛍光体
よりも大きくして沈降速度を近似させることが開示され
ている。
【0007】しかしながら、蛍光体の粒径、粒度分布等
を混合する蛍光体の種類によって変更することは生産技
術上好ましくなく、また光束を向上させる点においても
未だ満足できるものではなかった。
【0008】したがって本発明はこのような事情を鑑み
て成されたものであり、その目的とするところは管端色
差を減少させ、また光束にも優れた蛍光ランプを実現で
きる蛍光体組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】我々は管端色差の問題は
それを構成する蛍光体の比重、粒径等ではなく、蛍光体
表面の状態、特に蛍光体の「濡れ状態」にあることを新
たに突き止め本発明を成すに至った。即ち、本発明の蛍
光体組成物は、3つ以上の蛍光体を含む蛍光体組成物で
あって、捕水率の差が±10%以下である蛍光体を選択
したことを特徴とするものである。
【0010】濡れとは、固体表面に液体あるいは溶液が
接触し、表面が濡れると固体表面が消失して新しく固体
と液体あるいは溶液の界面が生成することをいう。本発
明でいう濡れとは詳しくは粉体の濡れやすさのことであ
り、これを蛍光体の捕水率として以下に示す式で表すも
のである。捕水率=添加水量/蛍光体の表面積さらに、
式中において、添加水量とは表面積が既知である一定量
の蛍光体にを添加した場合、その蛍光体表面が前記の
ような状態になって全て濡れるのに要する最少水量をい
う。
【0011】蛍光体の表面積は6W/(ρ・D)なる式
によって求めることができる(蛍光体ハンドブック、蛍
光体同学会編、オーム社、p385)。但し、この式に
おいて、Wは蛍光体の重量、ρは蛍光体の比重であり、
Dは蛍光体の体面積平均径でありフィッシャーサブシー
ブサイザー等の空気透過法によって求めることができ
る。
【0012】添加水量は、一定量の蛍光体を容器に入札
この容器にを滴下していき、振とうしながら、蛍光
体ととをなじませ、蛍光体表面が全て濡れ状態となる
時の最少水量とする
【0013】また粉体の濡れを測定する方法として、例
えばEnslinピペットを用いる方法が知られてい
る。この方法は、ガラス管に粉体を詰め、液体を接触さ
せ、その液体が粉末毛管中を浸透する速度により、液体
と粉体とが接触する界面の接触角の大きさを求め、粉体
の濡れやすさを評価する方法であるが、上記の方法でも
Enslinピペットの方法と相関性が得られた。
【0014】このような知見の元、我々は数々の実験の
結果、特に緑色発光蛍光体であるLAP蛍光体と、青色
発光蛍光体であるSCA蛍光体の濡れが近似しているこ
とを発見した。そして、これら蛍光体に赤色発光蛍光体
であるYOX蛍光体の濡れを近似させることにより管端
色差を少なくすることに成功した。
【0015】本発明の蛍光体組成物は、YOX蛍光体の
イットリウムを一部ガドリニウムで置換し、ガドリニウ
ムが50モル%以上含まれたユーロピウム付活酸化イッ
トリウムガドリニウム蛍光体{(YGd):E
u、以下YGX蛍光体という。}とすることにより、濡
れをLAP、SCA蛍光体に近似させ、これらを混合す
ることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】YGX蛍光体のGdの含有量によって捕水率
変化する状態を図1に示す。これは、容器に一定量の蛍
光体を入れ、これに純水またはブタノールを滴下してい
き、滴下しながら容器を振とうさせて、蛍光体と前記溶
媒とをなじませ、蛍光体表面が濡れ状態となったところ
で滴下を終了し、その滴下量を読み取って蛍光体の捕水
を測定した結果を示す図である。この図において、Y
GX蛍光体の捕水率は、Gdを含有しないYOX蛍光体
捕水率を100%として、その相対値でもって表して
いる。この図に示すようにGdの量が増加するに従って
YGX蛍光体の捕水率が減少し、蛍光体表面が濡れにく
くなることがわかる。
【0017】図2は上記のようにして測定した各発光色
の蛍光体の、特に捕水率を示す図である。この図に示す
ように、SCA蛍光体とLAP蛍光体との捕水率は非常
に近似しており、またYOX蛍光体とBAM蛍光体との
捕水率も近似していることがわかる。YGX蛍光体はY
OX蛍光体のイットリウムを一部ガドリニウムに置換し
ているためSCA,LAPと捕水率を近似させることが
できる。なお、YGX−1は実施例1のYGX蛍光体、
YGX−2は実施例2のYGX蛍光体である。
【0018】図3は図2の結果を元に数々の組み合わせ
の3波長発光型の蛍光ランプを試作し、その蛍光ランプ
の両端の色差を図4に示すように測定したものである。
図3に示すように捕水率の差を±10%以下としたSC
AとLAPとYGXからなる本発明の蛍光体組成物を有
する蛍光ランプ(実施例1)はΔXが0、ΔYが0.0
05以下と管端色差が少なく、逆にその差が±10%を
超えるBAM,CAT、YGXまたはBAM、CAT、
YOXからなる蛍光ランプは色度差が大きい。
【0019】以上より、本発明の蛍光体組成物は、捕水
が近似した蛍光体を混合したことにより、互いの蛍光
体の濡れやすさを近似させることができる。濡れやすさ
が近似する蛍光体は、これを蛍光体ビヒクルとした状態
で、立てられたガラスバルブに塗布する工程で均一に分
散して塗布できる。いいかえるとガラスバルブの上下端
で、同じように分散して塗布できるため、管端色差を著
しく少なくすることができる。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。但し、以下
に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための
蛍光体組成物を例示するものであって、本発明の蛍光体
組成物は、使用する蛍光体の種類、捕水率、粒径、比
重、混合量等を下記のように特定するものではない。本
発明の蛍光体組成物は特許請求の範囲において、種々の
変更を加えることができる。
【0021】[実施例1] 下記の〜の3種類の蛍光体を混合して蛍光ランプと
する。 青色発光蛍光体としてSCA蛍光体を27.3% この蛍光体の比重ρと体面積平均径Dと捕水率は以下の
通りである。 緑色発光蛍光体としてLAP蛍光体を33.6% 赤色発光蛍光体としてGdを50モル%含有するY
GX蛍光体を39.1%
【0022】[比較例] 赤色発光蛍光体にYOXを使用する他は実施例1と
同様にして蛍光ランプを試作した。YOX蛍光体はρ=
5.05、D=3.6μm、捕水率=655mg/m
であった。
【0023】実施例1及び比較例の蛍光ランプの管端色
差は図3に示す通りであり、さらに光束を比較したとこ
ろ、実施例1の蛍光ランプの初光束は比較例とほぼ同等
であり、1000時間後の光束維持率は、比較例が9
5.0%であったのに対し、実施例1の蛍光ランプは9
6.0%と改善された。
【0024】[実施例2] 赤色発光蛍光体にGdを66モル%含有するYGX
蛍光体を使用する他は実施例1と同様にして蛍光ランプ
を試作した。YGX蛍光体はρ=7.0、D=4.6μ
m、捕水率500mg/mであった。
【0025】[実施例3] 青色発光蛍光体であるSCA蛍光体のDを5.5μ
m、 緑色発光蛍光体であるLAP蛍光体のDを4.8μ
mとする他は実施例1と同様にして蛍光ランプを試作し
た。
【0026】実施例2および3で試作した蛍光ランプの
管端色差、初光束、および光束維持率は実施例1とほぼ
同等であった。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の蛍光体組成
物は、各蛍光体の捕水率、即ち「濡れ状態」を近似させ
たことにより、蛍光ランプの管端色差を減少させること
ができる。また、粒径、比重に関係なく「濡れ状態」で
蛍光体を混合して使用できるため、蛍光ランプの生産性
にも優れており、産業上のメリットは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 YGX蛍光体の捕水率がGdの含有量によっ
て変化する状態を示す図
【図2】 各種蛍光体の捕水率を示す図
【図3】 本発明の一実施例に係る蛍光体組成物を有す
る蛍光ランプと、従来の蛍光体組成物を有する蛍光ラン
プの管端色差を比較して示す図
【図4】 蛍光ランプの管端色差を説明して示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 清隆 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜 化学工業株式会社内 (72)発明者 一ノ宮 敬治 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−187785(JP,A) 特開 平2−135277(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 11/08 C09K 11/73 CPX C09K 11/78 CPB C09K 11/81 CPW

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3つ以上の蛍光体を含む蛍光体組成物で
    あって、捕水率の差が±10%以下である蛍光体を選択
    したことを特徴とする蛍光体組成物。ただし、捕水率
    は以下の式で求めた値とする。捕水率=添加量/蛍光
    体の表面積この式において、添加量とは表面積が既知
    である一定量の蛍光体にを添加した場合、その蛍光体
    表面が全て濡れるのに要する最少水量をいう。
  2. 【請求項2】 上記3つ以上の蛍光体が、緑色発光蛍光
    体と、青色発光蛍光体と、赤色発光蛍光体とを含む請求
    項1に記載される蛍光体組成物。
  3. 【請求項3】 前記緑色発光蛍光体はセリウム、テルビ
    ウム付活リン酸ランタン蛍光体であり、前記青色発光蛍
    光体はユーロピウム付活ハロリン酸ストロンチウムバリ
    ウムカルシウム蛍光体であり、前記赤色発光蛍光体はガ
    ドリニウムが50%以上含まれたユーロピウム付活酸化
    イットリウムガドリニウム蛍光体であることを特徴とす
    る請求項に記載される蛍光体組成物。
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KR100315106B1 (ko) * 1994-07-26 2002-02-19 김순택 표시소자
JP2001110309A (ja) * 1999-10-04 2001-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 蛍光ランプとその製造方法、およびこれを用いた照明装置と電子機器
CN112724974B (zh) * 2021-01-18 2022-08-16 河北师范大学 一种掺铕铈钆复合氧化物红色荧光粉及其制备方法和应用

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