JP2782263B2 - 地下構造物およびその施工方法 - Google Patents
地下構造物およびその施工方法Info
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- JP2782263B2 JP2782263B2 JP2093023A JP9302390A JP2782263B2 JP 2782263 B2 JP2782263 B2 JP 2782263B2 JP 2093023 A JP2093023 A JP 2093023A JP 9302390 A JP9302390 A JP 9302390A JP 2782263 B2 JP2782263 B2 JP 2782263B2
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- caisson
- underground structure
- earth anchor
- underground
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- Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は地下構造物の埋設技術に関し、詳細には構造
物の自重沈下と浮力上昇の両条件を同時に考慮する必要
がある地下構造物およびその施工方法に関する。
物の自重沈下と浮力上昇の両条件を同時に考慮する必要
がある地下構造物およびその施工方法に関する。
〈従来の技術〉 例えば地下立体駐車場などの地下構造物の設計にあた
っては、地下構造物の自重による沈下と浮力による浮上
を考慮しなければならない。
っては、地下構造物の自重による沈下と浮力による浮上
を考慮しなければならない。
具体的には、地下構造物と一体に構築した複数の基礎
杭により地下構造物の沈下防止や浮上防止を図ってい
る。
杭により地下構造物の沈下防止や浮上防止を図ってい
る。
〈本発明が解決しようとする問題点〉 前記した従来の地下構造物の施工技術にはつぎのよう
な問題点がある。
な問題点がある。
〈イ〉 基礎杭の構築工事に多大の工費を要する。
〈ロ〉 地上部からの施工となるため工期が長くかか
る。
る。
〈ハ〉 山留を行って開削する場合、資材や機材の搬出
入量が多くなり、施工が煩雑になる。
入量が多くなり、施工が煩雑になる。
〈本発明の目的〉 本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的
とするところは地上構造物の自重による沈下と浮力によ
る浮上を効果的に防止できる、地下構造物を提供するこ
とにある。
とするところは地上構造物の自重による沈下と浮力によ
る浮上を効果的に防止できる、地下構造物を提供するこ
とにある。
さらに本発明の目的は基礎工事費の低減が図れ、かつ
施工性に優れた地下構造物の施工方法を提供することに
ある。
施工性に優れた地下構造物の施工方法を提供することに
ある。
〈問題点を解決するための手段〉 即ち本発明は設計上構造物の自重と浮力とを同時に考
慮しなければならない地下構造物において、少なくとも
構造物の底面の一部に支持層に根入れして構造物の自重
を支持する支持面を有し、支持層と地下構造物との間に
構造物の回転、浮上防止用のアースアンカーが張設して
あることを特徴とする、地下構造物である。
慮しなければならない地下構造物において、少なくとも
構造物の底面の一部に支持層に根入れして構造物の自重
を支持する支持面を有し、支持層と地下構造物との間に
構造物の回転、浮上防止用のアースアンカーが張設して
あることを特徴とする、地下構造物である。
さらにら本発明は設計上構造物の自重と浮力とを同時
に考慮しなければならない地下構造物の施工方法におい
て、有底構造の中央ケーソンを支持層に根入れして沈設
し、中央ケーソンより断面が大径である外殻ケーソンを
中央ケーソンの外側に配置し、支持層に到達するアース
アンカーを構築し、アースアンカーから反力を得ながら
外殻ケーソンを地中に圧入し、その後外殻ケーソンの下
部に中央ケーソンと一体の底版を構築し、前記アースア
ンカーの上部を外殻ケーソンの底版に定着して構築する
ことを特徴とする、地下構造物の施工方法である。
に考慮しなければならない地下構造物の施工方法におい
て、有底構造の中央ケーソンを支持層に根入れして沈設
し、中央ケーソンより断面が大径である外殻ケーソンを
中央ケーソンの外側に配置し、支持層に到達するアース
アンカーを構築し、アースアンカーから反力を得ながら
外殻ケーソンを地中に圧入し、その後外殻ケーソンの下
部に中央ケーソンと一体の底版を構築し、前記アースア
ンカーの上部を外殻ケーソンの底版に定着して構築する
ことを特徴とする、地下構造物の施工方法である。
〈本発明の説明〉 以下、図面を参照しながら本発明について説明する。
〈イ〉地下構造物の構造 第1図に本発明に係る地下構造物の縦断面図を示す。
この地下構造物は、有底構造の中央ケーソン1と、中
央ケーソン1の側方に張り出して一体に形成された有底
構造の外殻ケーソン2と、ケーソンの底面から下方に向
けて定着した複数のアースアンカー3とよりなる。
央ケーソン1の側方に張り出して一体に形成された有底
構造の外殻ケーソン2と、ケーソンの底面から下方に向
けて定着した複数のアースアンカー3とよりなる。
本実施例では、外殻ケーソン2内の空間を自動車格納
室として多段的に区画し、中央ケーソン1内の空間をエ
レベータホールや排気孔とする地下立体駐車場の場合に
ついて説明するが、中央ケーソン1および外殻ケーソン
2の内部空間は、使用目的に応じて区画する。
室として多段的に区画し、中央ケーソン1内の空間をエ
レベータホールや排気孔とする地下立体駐車場の場合に
ついて説明するが、中央ケーソン1および外殻ケーソン
2の内部空間は、使用目的に応じて区画する。
また、中央ケーソン1および外殻ケーソン2の断面形
や全体形状は特に制限を受けず、使用目的に応じて適宜
設計する。
や全体形状は特に制限を受けず、使用目的に応じて適宜
設計する。
〈ロ〉沈下防止手段 本発明の地下構造物は、基本的に支持層4に根入れし
た構造物の一部、すなわち中央ケーソン1の底版4によ
って地下構造物の自重を支持する。
た構造物の一部、すなわち中央ケーソン1の底版4によ
って地下構造物の自重を支持する。
したがって、この底版4が自重支持面として機能し、
外殻ケーソン2の底版5が地下構造物の自重を補助的に
支持する。
外殻ケーソン2の底版5が地下構造物の自重を補助的に
支持する。
〈ハ〉浮上防止手段 本発明は地下構造物の底版と支持層5との間に定着し
たアースアンカー3の引き抜き反力を利用して、地下構
造物の浮上と回転モーメントに対抗する。
たアースアンカー3の引き抜き反力を利用して、地下構
造物の浮上と回転モーメントに対抗する。
〈作用〉 つぎに前記地下構造物の施工方法について説明する。
〈イ〉中央ケーソンの沈設、底版構築(第2図) 上下端を開放した中央ケーソン1を公知の方法で沈設
する。
する。
中央ケーソン1の沈設深さは、その下端が支持層5に
到達するまでとする。つぎに中央ケーソン1の底部にコ
ンクリートなどを打設して底版4を構築する。
到達するまでとする。つぎに中央ケーソン1の底部にコ
ンクリートなどを打設して底版4を構築する。
〈ロ〉外殻ケーソンの圧入(第3図) 中央ケーソン1の同心上に上下端を開放した外殻ケー
ソン2をセットする。
ソン2をセットする。
そして、外殻ケーソン2の内側で支持層5に到達する
複数のアースアンカー3を設置する。
複数のアースアンカー3を設置する。
外殻ケーソン2に配備したセンターホール型の圧入ジ
ャッキ6に各アースアンカー3の上部を挿通する。
ャッキ6に各アースアンカー3の上部を挿通する。
各圧入ジャッキ6の伸縮操作と並行して外殻ケーソン
2と中央ケーソン1の周面間の掘削作業を行いながら外
殻ケーソン2を所定の深度まで圧入する。
2と中央ケーソン1の周面間の掘削作業を行いながら外
殻ケーソン2を所定の深度まで圧入する。
このように外殻ケーソン2の圧入は、各アースアンカ
ー3の引き抜き抵抗力を利用して行う。
ー3の引き抜き抵抗力を利用して行う。
また、部分的に圧入ジャッキ6を操作して外殻ケーソ
ン2の方向修正を行うことも可能である。
ン2の方向修正を行うことも可能である。
本実施例のように外殻ケーソン2の上端を地表面より
下位に圧入する場合は、孔壁の崩落を防止するため各種
の仮設擁壁を設けておく必要がある。
下位に圧入する場合は、孔壁の崩落を防止するため各種
の仮設擁壁を設けておく必要がある。
〈ハ〉外殻底版の構築、アンカーの定着(第4図) 外殻ケーソン2を所定の深さまで圧入したら、外殻ケ
ーソン2の底部にコンクリートを打設して底版7を構築
する。
ーソン2の底部にコンクリートを打設して底版7を構築
する。
これにより外殻ケーソン2は底版7を介して中央ケー
ソン1の周面に一体に接続することになる。
ソン1の周面に一体に接続することになる。
さらに、各アースアンカー3の上端を底版7に定着
し、各アースアンカー3の引き抜き反力を利用して地下
構造物の回転モーメントおよび浮上に対抗する。
し、各アースアンカー3の引き抜き反力を利用して地下
構造物の回転モーメントおよび浮上に対抗する。
したがって、各アースアンカー3は外殻ケーソン2の
圧入時の反力源に加えて、施工後の地下構造物の回転、
浮上防止部材として機能する。
圧入時の反力源に加えて、施工後の地下構造物の回転、
浮上防止部材として機能する。
つぎに外殻ケーソン2の上口に天版8を構築した後、
埋め戻しを行う。
埋め戻しを行う。
〈ニ〉内部構築 外殻ケーソン2内の区画工事等は天版8の構築前に行
うか、或は中央ケーソン1を利用して天版8の構築工事
と並行して行ってもよい。
うか、或は中央ケーソン1を利用して天版8の構築工事
と並行して行ってもよい。
そして、最終的に第1図に示すように地下構造物を完
成する。
成する。
第1図の地下構造物は例えば、外殻ケーソン2内に段
階的に区画形成した空間9は注射空間として、また中央
ケーソン1の空間10はエレベーターホールとして、また
中央ケーソン1の下部空間11或はエレベータ用ピット及
び機械室などのユーティリティー施設として夫々活用で
きる。
階的に区画形成した空間9は注射空間として、また中央
ケーソン1の空間10はエレベーターホールとして、また
中央ケーソン1の下部空間11或はエレベータ用ピット及
び機械室などのユーティリティー施設として夫々活用で
きる。
〈その他の実施例1〉 前記実施例は中央ケーソン1の底版4のみを支持層5
に根入れした場合について説明したが、外殻ケーソン2
の底版7も一緒に或は底版7のみを支持層5に根入れし
てもよい。
に根入れした場合について説明したが、外殻ケーソン2
の底版7も一緒に或は底版7のみを支持層5に根入れし
てもよい。
さらにまた、底版4に地下構造物回転、浮上防止用の
アースアンカー3を定着する場合もある。
アースアンカー3を定着する場合もある。
〈その他の実施例2〉 以上の実施例は中央ケーソン1を外殻ケーソン2の施
工に先行して構築する場合について説明したが、その逆
に外殻ケーソン2を先行して構築してもよい。
工に先行して構築する場合について説明したが、その逆
に外殻ケーソン2を先行して構築してもよい。
〈本発明の効果〉 本発明は以上説明したようになるから次の効果が得ら
れる。
れる。
〈イ〉 地下構造物の一部を支持層に根入れすることで
地下構造物に自重を支持でき、かつ構造物と支持層との
間に張設したアースアンカーによって地下構造物の回転
および浮上を効果的に防止できる。
地下構造物に自重を支持でき、かつ構造物と支持層との
間に張設したアースアンカーによって地下構造物の回転
および浮上を効果的に防止できる。
そのため、従来のような基礎杭工事が不要となり、経
済的な地下構造物が得られる。
済的な地下構造物が得られる。
〈ロ〉 アースアンカーは外殻ケーソン圧入時の反力源
として、および施工後の地下構造物の回転、浮上防止部
材として有効に活用できる。
として、および施工後の地下構造物の回転、浮上防止部
材として有効に活用できる。
〈ハ〉 中央ケーソンを地下部構築のための各種機材搬
入用通路として利用できる。
入用通路として利用できる。
〈ニ〉 外殻ケーソンの天版工事を先行して完了させた
場合、地上部分を早期に開放できるから、道路に近接し
て施工される地下駐車場或は公園などの工事において、
交通への障害または第三者に与える影響が少なくて済
む。
場合、地上部分を早期に開放できるから、道路に近接し
て施工される地下駐車場或は公園などの工事において、
交通への障害または第三者に与える影響が少なくて済
む。
第1図:本発明に係る地下構造物の完成時の縦断面図 第2図:中央ケーソン沈設時の縦断面図 第3図:外殻ケーソン圧入時の縦断面図 第4図:アースアンカーを外殻ケーソンに定着した時の
縦断面図
縦断面図
Claims (2)
- 【請求項1】設計上構造物の自重と浮力とを同時に考慮
しなければならない地下構造物において、 少なくとも構造物の底面の一部に支持層に根入れして構
造物の自重を支持する支持面を有し、 支持層と地下構造物との間に構造物の回転、浮上防止用
のアースアンカーが張設してあることを特徴とする、 地下構造物。 - 【請求項2】設計上構造物の自重と浮力とを同時に考慮
しなければならない地下構造物の施工方法において、 有底構造の中央ケーソンを支持層に根入れして沈設し、 中央ケーソンより断面が大径である外殻ケーソンを中央
ケーソンの外側に配置し、 支持層に到達するアースアンカーを構築し、 アースアンカーから反力を得ながら外殻ケーソンを地中
に圧入し、 その後外殻ケーソンの下部に中央ケーソンと一体の底版
を構築し、 前記アースアンカーの上部を外殻ケーソンの底版に定着
して構築することを特徴とする、 地下構造物の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2093023A JP2782263B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | 地下構造物およびその施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2093023A JP2782263B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | 地下構造物およびその施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03293429A JPH03293429A (ja) | 1991-12-25 |
JP2782263B2 true JP2782263B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=14070892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2093023A Expired - Lifetime JP2782263B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | 地下構造物およびその施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2782263B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0433742U (ja) * | 1990-07-13 | 1992-03-19 |
-
1990
- 1990-04-10 JP JP2093023A patent/JP2782263B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03293429A (ja) | 1991-12-25 |
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