JP2022091053A - 土留め擁壁の補強体および補強体の設置工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成した造成地であって、擁壁側に近接して建造物が存在する場合、土留め擁壁の補強物設置工事をするために大型機械を搬入することができない場合であっても、既存の擁壁を斜面側への倒壊を防ぐだけでなく、直下型地震の際における既存の擁壁が沈下するのを防ぎ造成地は災害に対して安全を確保する補強体およびその設置工法を提供する。【解決手段】傾斜地Sに設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体Hにおいて、補強体を擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部を補強材で充填して擁壁の倒壊を防止するように構成した。【選択図】図1

Description

この発明は、一般的な傾斜地における造成された住宅地の土留め擁壁の補強体および補強体の設置工法に関する。
集中豪雨が続いた場合やいわゆる直下型の大地震が発生した際に、住宅地が平坦な場合には住宅地や住宅が崩壊することは余程のことがないと生じ難いと考えられる。然しながら、住宅地が山岳地である場合や傾斜面を切り開いて造成されている場合には、それぞれの住宅地ごとに土留め擁壁によって一定地区を平坦な住宅地として造成されているため、集中豪雨が続いた場合やいわゆる直下型の大地震が発生した際に、住宅地の土留め擁壁の崩落や、地盤の沈下により住宅が重大な損壊を受けることになる。
このような土留め擁壁の崩落を防ぐ手段として、一つの提案として特許文献1には、既設の土留め傾斜面の補強工法が開示されている。即ち、土留め傾斜法面自体の崩落防止のための強化工法であって、土留め傾斜面の個々の部分的が崩落するのを防止するものであり、土留め傾斜面自体が部分的に崩壊しないような強化工法を開示している。
即ち、既設の石壁9の最下段に、コンクリートプレキャスト板1を間隙をあけて配置し、その取り付け孔10から内部まで削孔して取り付け孔から異形鉄筋51を挿入した後、該削孔部5及びプレキャスト板の裏側間隙42にモルタル61,62を注入し、夫々異形鉄筋51の突出端部をプレキャスト板1に一体連結し、石壁9に固着した最下段のプレキャスト板1の上端部に、二段目のプレキャスト板1を石壁9の間に間隙をあけて配置し、そのプレキャスト板1に透設された取り付け孔10から削孔し該削孔部5に異形鉄筋51を挿入した後、該削孔部及び二段目のプレキャスト板の裏側間隙にモルタルを注入し、夫々異形鉄筋51の突出端部を二段目のプレキャスト板に一体連結し、これを上の段に繰り返すことで複数段にプレキャスト板1を石壁9の外側に備えた補強傾斜面を形成するものである。このような構成によって、既設の土留め傾斜面の補強工法を提供できるものである。
特開平9-324433号公報(図4参照)
しかしながら、このような構成においては、土留め傾斜法面自体の崩落防止のための強化工法を提供するに過ぎない。つまり、上記従来技術によれば、土留め傾斜面における法面自体を強化して、法面が個々に破砕しないようにするものである。
そして、この従来例では、土留め傾斜面における法面自体を強化しても、土留め傾斜面全体が倒壊したり沈下したりすることに対しては対応できておらず、その点に関しては何ら開示されていない。即ち、このように開示されている補強工法では、既設の土留め傾斜面全体の倒壊や沈下に対して崩壊を防止できないもので、住宅造成地そのものの崩壊を防止できない。
また、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成した造成地であって、該擁壁側に近接して建造物が存在する場合には、該土留め擁壁の補強物設置工事をするために大型機械を搬入することができず、専ら手作業による工事を遂行しなければならない。
本発明はこのような要望に応えて、集中豪雨が続いた場合やいわゆる直下型の大地震が発生した際に、住宅地の土留め擁壁全体が崩落により崩壊または沈下し住宅が重大な損壊を受けることがないように、手作業による工事を遂行して傾斜地における造成された住宅地の土留め擁壁の補強体および補強体の設置工法を提案することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し該擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体において、前記補強体を前記擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、前記補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部に補強材を充填して前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し該擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体において、前記補強体を前記擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、前記補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、前記既設の土留め擁壁の下部分には前記脚部に連接させて補強部を形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部を補強材で充填して前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側の平坦地で該擁壁側に近接して建造物が建設された状態における前記擁壁の補強体の設置工法において、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側の平坦地で該擁壁側に近接して建造物が建設された状態における前記擁壁の補強体の設置工法において、前記既設の土留め擁壁の下部分には補強部を形成するとともに、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して前記補強部とともに一体形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し該擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体において、前記補強体を前記擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、前記補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部に補強材を充填して前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とするような構成を提供できる。
このような構成によれば、土留め擁壁の補強物設置工事をするために大型機械を搬入することができない場合であっても、手作業による工事を遂行して住宅地の土留め擁壁全体が崩落により崩壊または沈下し住宅が重大な損壊を受けることがないように、傾斜地に造成された住宅地の土留め擁壁の補強体を提供できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し該擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体において、前記補強体を前記擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、前記補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、前記既設の土留め擁壁の下部分には前記脚部に連接させて補強部を形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部を補強材で充填して前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、既設の土留め擁壁の下部分には脚部に連接させて補強部を形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部を補強材で充填して前記擁壁の倒壊を防止することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側の平坦地で該擁壁側に近接して建造物が建設された状態における前記擁壁の補強体の設置工法において、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成した擁壁の補強体の設置工法を提供できる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側の平坦地で該擁壁側に近接して建造物が建設された状態における前記擁壁の補強体の設置工法において、前記既設の土留め擁壁の下部分には補強部を形成するとともに、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して前記補強部とともに一体形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、既設の土留め擁壁の下部分には補強部を形成するとともに、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して前記補強部とともに一体形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成した擁壁の補強体の設置工法を提供できる。
この発明の実施の一形態による土留め擁壁の補強体を敷設した状態の(a)断面図であり、(b)上方からの平面図である。 この発明の他の実施の一形態の土留め擁壁の補強体を敷設する際の説明のための断面図である。 この発明の他の実施の一形態に用いる土留め擁壁の補強体を強化した構造の説明図である。 従来例による土留めの崩壊、陥没防止構造の断面図である。 この発明の鋼管杭Kを掘削するための掘削状態を示す写真1である。 この発明の鋼管杭Kを掘削するための掘削切り刃を示す写真2である。 この発明の補強体Hと補強梁Rを示す写真3である。 この発明の補強体Hの施工が完成した状態を示す写真4である。
以下、この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1において、傾斜面Sに土留め擁壁Yを形成するに際して、土中に末端部Y1を水平方向に埋設するとともに垂直方向に土留め擁壁Y2を立ち上げてある。垂直方向の立ち上げの上には建築ブロックB1を積み上げ、さらに排水溝Uを設置するとともに建築ブロックB2を積み上げて平坦な造成地が形成されている。この造成地には建築ブロックB2からわずかな距離を隔てて家屋などの既設の建築物が存在する。
このような状況で集中豪雨が発生した場合には、多量の雨水を含むことによって既存の土留め擁壁Yが傾斜面S側に倒壊したり、或いは直下型の地震が発生した場合には、既存の土留め擁壁Yとともに造成地Gが地盤沈下したりする恐れが生じる。
そこで、図1に示すように既設の土留め擁壁Yの垂直方向の立ち上げY2に隣接させて立ち上がり擁壁H1を併設し、その下部には斜面方向へ水平に伸びる脚部H2が一体形成されている。この場合に既設の土留め擁壁Yの垂直方向の立ち上げY2と、これに隣接させて併設する立ち上がり擁壁H1とはケミカルアンカー(登録商標)などによって連結されるのが、既設の土留め擁壁Yの補強と沈下防止を確実強固にするために好ましい。
また、前記脚部H2の下側には予めグリ石Qが敷かれ、その上面側にはモルタルが平面上に敷かれ前記脚部H2の沈下を防ぎ設置工事が容易なようになっており、さらに前記脚部H2の下側には例えば四か所に鋼管杭K1、K2、K3、K4が前記脚部H2と一体形成して埋設されている。前記鋼管杭K1、K2、K3、K4は、前記脚部H2を設置する前に埋設するものであり、この場所が傾斜地に設けた既設の土留め擁壁の上部側に平坦地を形成した造成地であって、該擁壁側に近接して建造物が存在するから、補強物の設置工事をするために大型機械を搬入することができず、専ら手作業による工事を遂行しなければならない。
本発明はこのような要望に応えるものであり、大型機械が搬入できないために大型機械による作業ができない場合に適用される。従って、前記鋼管杭K1、K2、K3、K4を埋設するには、専ら手作業により例えば螺旋切刃(図5に示す写真1)によって垂直方向に穴を掘り、螺旋切刃の軸上部にはピン穴が形成されているからここに、横棒ハンドルを差し込んで旋回させながら掘削する。全体が地中に入ったら引き上げて付着した土を除去し、そこに一本の鋼管杭K1を埋めた後に、螺旋切り刃の軸に延長軸をつぎ足しピン穴にノックピンを差し込み回転止めとする。さらに垂直方向に穴を順次掘り進め二本目、三本目の鋼管杭を順次繋ぎ合わせて押し込めて埋めつつ地盤に至るまで作業を進める。
そして例えば四か所に四本の鋼管杭を埋設した後、前記鋼管杭K1、K2、K3、K4の内部には、最下段部および最上段部に例えばコンクリートなどの硬化剤を注入することによりそれぞれ補強される。さらに、前記鋼管杭K1、K2、K3、K4の周辺には地盤硬化注入剤を染み込ませて周りを固定強化する。
図6に示す写真2はその際の作業状況を示し、順次数本の鋼管杭Kを埋めて螺旋切り刃を引き上げた状態である。
また、図2は発明の他の実施形態における既設の土留め擁壁Yを補強するための立ち上がり擁壁H1および脚部H2などを敷設する際の説明図であり、既存の擁壁Yの下側を水平方向に掘削し、既存の擁壁Yから斜面S側へ離れた位置に鋼管杭K2(K4)を上方に延長させ、これに接するように横棒Mの支えを介在させて鉄板(またはコンクリートパネル)Tを設置する。その後、既存の擁壁Yの下側と鉄板Tとの隙間にコンクリートW1を注入して、既存の擁壁Yの下側が沈下しないように強化する。この部分が乾燥して強化された後に、さらにこの部分の下側を掘削して空間を作りそこにも二回目のコンクリートW2を注入する。
その際、二回目にコンクリートを注入する前に、掘削した空間から斜面S側を平坦にして、そこにグリ石Qを敷き詰めておく。そして、二回目のコンクリートW2を注入する。図7に示す写真3はその状態を示す。この二回目のコンクリートが乾燥して強化されたら、杭Pおよび鉄板Tならびに横棒Mを撤去して、図1に示す立ち上がり擁壁H1および脚部H2を含む補強体Hを形成し、コンクリートWと補強体Hとは鉄筋などにより強固に連結して敷設され一体に形成される。この作業が終了したら、上述した作業手順で上方に延長させた鋼管杭K2(K4)は取り払い図1aの位置に対応させる。
図3は、その状態を示すものであり、従って補強体Hは既存の擁壁Yを斜面側への倒壊を防ぐだけでなく、直下型地震の際における既存の擁壁が補強体Hとは別に沈下すのを防ぐ効果もある。そのために、造成地Gは災害に対して安全を確保できるようになる。
なお、上記図1に示す実施態様においては、前記補強体Hの前記立ち上がり擁壁H1の一部に、前記脚部H2の先端側と前記立ち上がり擁壁H1の頂とを結ぶ領域に補強梁R1を形成設置することにより、既存の前記擁壁Yを強化する効果を確実にできる。図8に示す写真4はこの擁壁を強化した作業完了状態を示し、擁壁Yに接近して上方に既設の住宅が存在する。さらに、この補強梁R2を既設のブロックB1の上部まで覆うように延長すれば、既設のブロックB1を補強できるようになる。その際にブロックB1と補強梁R2との間には、相互間の微動によって崩壊が生じないようにするために緩衝材Cを設置しておくことが好ましい。
ここで、上記説明に置いて、立ち上がり擁壁H1および脚部H2並びに鋼管杭K1、K2、K3、K4は補強体Hを構成し、さらに、コンクリートW1、W2並びに補強梁R1、R2を含む構成は強化された補強体Hを構成する。また、立ち上がり擁壁H1は、既設の擁壁Yに沿って全領域に設置されるのが好ましいが、脚部H2および鋼管杭K1、K2、K3、K4は全領域ではなく一部の位置に設置すればよい。なお、上記補強体の工事には写真3に示すように、構造体の骨組みには全て鉄筋を使用して補強される。
上述した通りに補強体Hを形成する手順によれば、既存の擁壁の倒壊を防ぐ補強体の設置工法ならびに前記擁壁の倒壊を防止するように構成した擁壁の強化された補強体の設置工法を提供できる。
以上述べた通りに、本願発明による補強体Hは既存の擁壁Yを斜面側への倒壊を防ぐだけでなく、直下型地震の際における既存の擁壁が沈下するのを防ぎ造成地Gは災害に対して安全を確保できる。なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本願発明の技術思想の範囲内で適宜実施形態を変更して実施することができる。
S・・・傾斜地
Y・・・既存の擁壁
B・・・ブロック
G・・・造成地
H・・・補強体
K・・・鋼管杭
T・・・鉄板(コンクリートパネル)
Q・・・グリ石

Claims (4)

  1. 傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し該擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体において、前記補強体を前記擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、前記補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部を補強材で充填して前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする補強体。
  2. 傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側に平坦地を形成し該擁壁側に近接する建造物および擁壁の補強体において、前記補強体を前記擁壁下部の斜面側に隣接して併設するとともに、前記補強体の下側基部から斜面側へ水平方向に延びる脚部を一体形成し、前記既設の土留め擁壁の下部分には前記脚部に連接させて補強部を形成し、前記脚部には複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて形成するとともに内部を補強材で充填して前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする補強体。
  3. 傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側の平坦地で該擁壁側に近接して建造物が建設された状態における前記擁壁の補強体の設置工法において、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする補強体の設置工法。
  4. 傾斜地に設けた土留め擁壁の上部側の平坦地で該擁壁側に近接して建造物が建設された状態における前記擁壁の補強体の設置工法において、前記既設の土留め擁壁の下部分には補強部を形成するとともに、前記擁壁の基部から前記傾斜面側へ離れた位置に複数の中空鋼管杭を地中地盤側へ延伸させて設置し、前記複数の中空鋼管杭内部に補強材を注入して前記鋼管杭基部を地中に固着するとともに前記複数の中空鋼管杭の上部を包含する脚部を前記擁壁下部から斜面側へ水平方向に延びるように隣接して前記補強部とともに一体形成した後に、前記脚部から前記擁壁に沿って上方に向けて補強体を一体形成することにより前記擁壁の倒壊を防止するように構成したことを特徴とする補強体の設置工法。
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