JP2781071B2 - 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 - Google Patents
磁歪式トルクセンサ軸の製造方法Info
- Publication number
- JP2781071B2 JP2781071B2 JP3009428A JP942891A JP2781071B2 JP 2781071 B2 JP2781071 B2 JP 2781071B2 JP 3009428 A JP3009428 A JP 3009428A JP 942891 A JP942891 A JP 942891A JP 2781071 B2 JP2781071 B2 JP 2781071B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- shaft
- carburizing
- tempering
- torque sensor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
の製造方法に関する。
ンサ軸として利用した磁歪式トルクセンサとして、特許
第169326号に開示されるナーリング方式のセンサが従来
から知られている。このような磁歪式トルクセンサで
は、センサ軸にトルクが加わると、そのトルクに応じて
磁気異方性部の透磁率が変化するため、検出コイルや磁
気ヘッドなどを用いてこの透磁率の変化を検出すること
で、加えられたトルクの大きさを求めることができる。
に、磁気特性の安定化を図るため、アメリカ特許第4,82
3,620号明細書には、特にその図35および図36におい
て、センサ軸に浸炭焼入れ焼戻し処理を施すことが開示
されている。
戻し処理によりセンサ軸を製作した場合において、この
種のセンサ軸に通常使用されるSNCM420(JISのニッケル
クロムモリブデン鋼)やSAE9310(SAEニッケルクロムモリ
ブデン鋼)では、浸炭時に、軸の最外表面層の20μm程
度の部分に浸炭異常層が発生する。この浸炭異常層は、
マルテンサイト組織ではなく、不完全焼入れ組織として
のトルースタイト組織からなる。この浸炭異常層が発生
したセンサ軸に繰返し応力を印加すると、最外表面層が
疲労してマイクロクラックが発生し、センサ特性に経年
変化が生じやすくなる。
浸炭焼入れ時に残留オーステナイトが発生し、繰返し応
力を印加するとこれが強磁性マルテンサイトに変化し
て、これも経年変化の原因となる。
し、特にセンサ部の最外表面層の組織の健全化を図って
センサ特性に経年変化が生じないようにし、かつセンサ
のヒステリシスの低減をも図って、理想的なトルクセン
サ軸を得ることを目的とする。
本発明は、軸体の一部分にナーリング加工によりセンサ
部を形成し、軸体におけるセンサ部以外の部分に浸炭焼
入れ焼戻し処理を施し、かつセンサ部に浸炭防止焼入れ
焼戻し処理を施すことでこのセンサ部に異常層を発生さ
せずかつ残留オーステナイトを発生させない熱処理を施
し、その後、少なくとも前記センサ部にショットピーニ
ング処理を施すものである。
が向上するうえに、センサ部に浸炭防止焼入れ焼戻し処
理を施すことでこのセンサ部に異常層を発生させずかつ
残留オーステナイトを発生させない熱処理を施すことに
より、このセンサ部における主として軸の最外表面層が
健全な組織になり、したがって繰り返し応力の印可にも
とづくマイクロクラックの発生や軸材料の強磁性マルテ
ンサイトへの変化などが防止され、このためセンサ特性
に経年変化が生じることが防止される。また、このまま
の状態ではセンサのヒステリシスが大きいままである
が、ショットピーニングによってヒステリシスが低減す
ることになる。
で1は軸体であり、その両端には他の軸との継手部2、
3がそれぞれ形成されている。軸体1の中央には一対の
センサ部4、5が形成され、これらセンサ部4、5は、
ナーリング加工によって形成された磁気異方性部によっ
て構成されている。6、7はベアリング取付け部で、軸
体1をベアリング支持するときに利用される。
製造方法について説明する。軸体1を図示の構造となる
ように機械加工したなら、続いてこれに熱処理とショッ
トピーニング処理とを施す。熱処理は、センサ部4、5
に異常層を発生させずかつ残留オーステナイトを発生さ
せない熱処理とする。
おけるセンサ部4、5以外の部分、すなわち継手部2、
3およびベアリング取付け部6、7に、浸炭焼入れ焼戻
し処理を施す。そして、センサ部4、5には、銅メッキ
などを利用した浸炭防止熱処理を施す。
が行われないため、浸炭処理にともなう不都合が生じ
ず、その最外表面層の組織が健全なものとなる。しか
も、このセンサ部4、5には、後述するようにショット
ピーニングが行われ、センサ品質の向上と軸強度の向上
とが同時に達成される。これに対し他の部分では、浸炭
処理による強度の向上が図られる。このため、センサ軸
全体の強度が向上する。
より、上述のように特にセンサ部4、5の最外表面層の
組織の健全化が図られ、センサ軸材の品質が安定化し
て、センサ特性の経年変化が起こりにくくなる。また軸
体1における特にセンサ部4、5以外の部分では、熱処
理による強度の向上が図られる。一方、センサ部4、5
では上述の組織の健全化による強度の向上があり、セン
サ軸全体の疲労強度の向上を達成することができる。
5の組織を健全化しただけの状態では、まだセンサのヒ
ステリシスが大きく、実用的なセンサとしては使用に耐
えない。
4、5にショットピーニングを施す。このショットピー
ニングは、図示のように、センサ部4、5のみに施して
もよいし、あるいは軸体1の全体に施してもよい。ショ
ットピーニング処理の効果はアメリカ特許第4,933,580
号明細書に開示されているが、このショットピーニング
処理を行うことでヒステリシスの低減が可能となり、感
度の向上した高品質のセンサ特性が得られる。この結
果、組織が健全で、しかもヒステリシスの少ない理想的
なトルクセンサ軸が得られる。
こでは、磁歪式トルクセンサ軸の材料として広く知らた
SAE9310 に相当するJISのSNCM815を軸材として用い、
(1) 軸体の全面に浸炭焼入れ焼戻しを施した場合、(2)
軸体の全面に浸炭焼入れ焼戻しを施し、その後にショッ
トピーニングを施した場合、(3)センサ部への浸炭を防
止した焼入れ焼戻しを施し、その後にショットピーニン
グを施した場合のそれぞれをプロットしている。
べ、これにショットピーニング処理を付加した場合の方
が、ヒステリシスおよび感度ともに大きな改善が見られ
る。また、センサ部への浸炭を防止した焼入れ焼戻しの
後にショットピーニングを施すと、さらにヒステリシス
および感度が向上し、特性のすぐれたトルクセンサ軸と
なっている。
におけるセンサ部以外の部分に浸炭焼入れ焼戻し処理を
施し、かつセンサ部に浸炭防止焼入れ焼戻し処理を施す
ことでこのセンサ部に異常層を発生させずかつ残留オー
ステナイトを発生させない熱処理を施すことにより、こ
のセンサ部における主として軸の最外表面層が健全な組
織になり、したがって繰り返し応力の印可にもとづくマ
イクロクラックの発生や軸材料の強磁性マルテンサイト
への変化などを防止でき、したがってセンサ部の最外表
面層の組織を健全化することが可能となって、焼入れ焼
戻し処理により所要の軸全体の強度を有したうえでセン
サ特性の経年変化の少ないトルクセンサ軸を得ることが
できるのみならず、熱処理の後、少なくともセンサ部に
ショットピーニング処理を施すため、ヒステリシスの低
減をも図ることができ、品質の高い理想的なトルクセン
サ軸を製造することができる。
説明するための、軸体の全体図である。
性を、従来例の特性とともに示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 軸体の一部分にナーリング加工によりセ
ンサ部を形成し、軸体におけるセンサ部以外の部分に浸
炭焼入れ焼戻し処理を施し、かつセンサ部に浸炭防止焼
入れ焼戻し処理を施すことでこのセンサ部に異常層を発
生させずかつ残留オーステナイトを発生させない熱処理
を施し、その後、少なくとも前記センサ部にショットピ
ーニング処理を施すことを特徴とする磁歪式トルクセン
サ軸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3009428A JP2781071B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3009428A JP2781071B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04246123A JPH04246123A (ja) | 1992-09-02 |
JP2781071B2 true JP2781071B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=11720067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3009428A Expired - Lifetime JP2781071B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2781071B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004005873A1 (ja) * | 2002-07-03 | 2004-01-15 | Suzuki Motor Corporation | 磁歪式トルクセンサシャフトおよびその製造方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2974554B2 (ja) * | 1993-08-23 | 1999-11-10 | 日産自動車株式会社 | 磁歪測定軸 |
KR100314964B1 (ko) * | 1999-06-23 | 2001-11-23 | 조형래 | 내마모, 내충격성 향상을 위한 굴삭기용 브레이크 로드 |
JP4552342B2 (ja) | 2000-06-30 | 2010-09-29 | 株式会社デンソー | ガスセンサの製造方法 |
JP6740908B2 (ja) * | 2017-01-11 | 2020-08-19 | 日立金属株式会社 | 磁歪式トルクセンサ用シャフトの製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5768701U (ja) * | 1980-10-14 | 1982-04-24 | ||
JPS61157198U (ja) * | 1985-03-22 | 1986-09-29 | ||
JPS62207822A (ja) * | 1986-03-06 | 1987-09-12 | Mazda Motor Corp | ギヤの強度向上方法 |
JPS6369913A (ja) * | 1986-09-10 | 1988-03-30 | Nissan Motor Co Ltd | 鉄鋼部品の表面強化装置 |
JPH02221830A (ja) * | 1989-02-22 | 1990-09-04 | Kubota Ltd | 磁歪式トルクセンサ |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP3009428A patent/JP2781071B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004005873A1 (ja) * | 2002-07-03 | 2004-01-15 | Suzuki Motor Corporation | 磁歪式トルクセンサシャフトおよびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04246123A (ja) | 1992-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5004370A (en) | Hollow shaft having drive elements with axially varied material properties being secured on the hollow shaft by expansion of the hollow shaft | |
US5007165A (en) | Method of producing a cam shaft | |
US5225008A (en) | Method for manufacturing a high-strength spring | |
JP2781071B2 (ja) | 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 | |
FR2683484A1 (fr) | Feuillard a froid pour la fabrication de composants de precision emboutis et cementes en particulier de composants de roulements et de moteurs. | |
JP3170615B2 (ja) | 転がり軸受軌道輪の製造方法 | |
JP3100433B2 (ja) | トルクセンサ用検出軸およびその製造方法 | |
JP2983246B2 (ja) | 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 | |
JP3998733B2 (ja) | 高耐へたり高耐疲労コイルばね | |
JP2723150B2 (ja) | 鋼部材の表面処理方法 | |
JP3526750B2 (ja) | 磁歪式トルクセンサ | |
JP3123488B2 (ja) | 圧延用スリーブロールのシャフトの製造方法 | |
JP2839481B2 (ja) | 熱処理鋼部品及びその製造方法 | |
JPS60106641A (ja) | 内燃機関用クランク軸の機械的特性改善処理方法 | |
JP3095864B2 (ja) | トルク検出軸の製造方法 | |
JP2000283201A (ja) | コイルスプリング及びその製造方法 | |
JPH1053811A (ja) | 鋼部材の製造方法 | |
JPS6431927A (en) | Production of heat-treated steel parts | |
JPH02129422A (ja) | 高強度コイルばねおよびその製造方法 | |
JP3264471B2 (ja) | 磁歪式トルクセンサ軸 | |
JPS60168910A (ja) | シヨツトピ−ニングを施したドライブシヤフト | |
JPH03269229A (ja) | 磁歪式トルクセンサ軸 | |
JPH10158743A (ja) | 表面硬化処理方法および歯車 | |
JPH0290030A (ja) | トルク検出装置 | |
JP2534295Y2 (ja) | ボールジョイント用ボールスタッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080515 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090515 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100515 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100515 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110515 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110515 Year of fee payment: 13 |