JP2776033B2 - 連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方法 - Google Patents

連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱帯を有する連続焼
鈍炉、具体的には加熱帯、均熱帯、低温保持帯および最
終冷却帯からなる連続焼鈍炉における鋼帯の連続焼鈍に
際して、ハースロールにクラウン調節装置を設けずに設
備投資の上昇を可能な限り抑制して、鋼帯の蛇行を解消
し、円滑な連続焼鈍を行うことができる連続焼鈍炉にお
ける鋼帯の蛇行防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼帯の連続焼鈍工程は、鋼帯を
事前に設定した加熱および冷却のヒートサイクルによ
り、適正な通板速度および適正な張力の条件下で、加熱
帯、均熱帯、低温保持帯および最終冷却帯を有する連続
焼鈍炉に連続的に通板することにより、前記鋼帯に所望
の機械的性質を付与する工程である。
【0003】図4(a) は鋼帯の連続焼鈍炉の一例の構成
を一部省略して模式的に示す略式説明図であり、図4
(b) は図4(a) の連続焼鈍炉による鋼帯および炉内温度
の代表的なヒートパターンを示すグラフであり、さらに
図4(c) は鋼帯に生じる蛇行および絞りの程度をヒート
クラウンとの関係で示す説明図である。
【0004】図4(a) において、1は直火加熱帯を、2
は加熱帯を、3は均熱帯を、4は冷却帯を、5は低温保
持帯を、6は最終冷却帯を、7はハースロールを、さら
に8は鋼帯をそれぞれ示す。図4(b) において、aまた
はa’は加熱帯2のみを用いて鋼帯8の加熱を行った場
合の板温度または炉内温度をそれぞれ示す。図4(c)に
おいて、実線は加熱帯2のみにより加熱を行った場合の
ヒートクラウン量を示す。
【0005】なお、図4(c) において、ヒートクラウン
が凸の場合には絞りが発生し、ヒートクラウンが凹の場
合には蛇行が発生している。これは、凸クラウンのロー
ルに鋼帯が巻きつくと鋼帯の張力はその幅方向の中心を
最大として周辺部に行くにつれて暫減するようにして分
布し、鋼帯に生じる張力は不均一になるため、鋼帯の幅
方向の中心部に向けて圧縮応力が作用して鋼帯の座屈、
すなわち絞りが発生するためであり、一方、凹クラウン
のロールに鋼帯が巻きつくと、ロールの回転により、鋼
帯をロールの中央部から縁部へ向かわせようとする力が
鋼帯の縁部から作用するが (これを「糸巻き効果」とい
い、例えばロール胴長方向のロール中心部に向けてロー
ル径が増加するテーパー部に鋼帯が存在する場合にはむ
しろ蛇行を防止するように作用する) 、凹クラウンの場
合には前記糸巻き効果が鋼帯をロール胴長方向の縁部に
移動させるように作用し易いために、鋼帯の蛇行を生じ
るためである。
【0006】特に竪型炉の場合には、炉内には多数のハ
ースロール7が設置されており、このハースロール7の
周りを鋼帯8が高速で安定して通板することができるよ
うに、このハースロール7にはイニシャルクラウンが付
与されている。一方、鋼帯8がハースロール7の周囲を
連続的に通板することによって、鋼帯8には前述のよう
に蛇行が発生し、最悪の場合、鋼帯8が破断してしまう
という問題が発生する。
【0007】そこで、鋼帯8の蛇行を防止するために、
従来より様々な技術が提案されている。例えば、特開
昭57−177930号公報、実開昭58−10546 号公報には、ハ
ースロールを加熱または冷却することにより、ハースロ
ール自体のクラウン量を調節する技術が、実開昭55−
172359号公報には、ロールネック部に、軸の半径方向の
特に上下の向きに加圧するロールベンディング用加圧装
置を設けて、ハースロールのクラウン量を調節する技術
が、特開昭55−100919号公報、同61−41725 号公報ま
たは同63−38532 号公報には、温度調節されたガス等を
ハースロールの内部または外部に吹き付けて、ヒートク
ラウン量を調節する技術が、特開昭57−137431号公報
には、クラウン量をコントロールすることができるハー
スロールを用いる技術が、または特開平2−163326号
公報には、耐熱鋼からなる中空ロールの内周面に熱伝導
率の大きな金属を層状に設けてハースロールとし、ヒー
トクラウンを発生させないようにロール軸方向の温度の
均一化を図る技術がそれぞれ提案されている。
【0008】これらの技術は、いずれも、ハースロール
自体のヒートクラウンないしはクラウンを適当な量に調
節することにより、鋼帯の蛇行を防止する技術である。
また、他の方法として、特開昭62−67123 号公報に
は、連続焼鈍炉内のハースロールを配置した部分を隔壁
または熱遮断板で他と区別し、その区別された室内の温
度をコントロールすることにより、鋼帯の蛇行を防止す
る技術が、特開昭62−196339号公報には、搬送ロール
の入側または出側、あるいは入側と出側の両方で、鋼帯
に熱歪を付与することにより、鋼帯の蛇行を防止する技
術が、さらに特公昭63−15331号公報には、ハースロ
ール自体のクラウン量をコントロールせずに、蛇行抑制
許容範囲内にヒートクラウンが収まるように、炉内温
度、熱処理速度をコントロールする連続焼鈍法がそれぞ
れ提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記ない
しにより示した技術を実施するためには、クラウン測
定装置およびクラウン制御装置を各ハースロール毎に設
ける必要があり、設備投資が非常に嵩むという問題があ
る。前記により示した技術も、前記ないしに示し
た技術と同様に、設備投資が嵩むという問題がある。前
記により示した技術は、やはり設備投資が嵩むととも
に、短時間で鋼帯に熱歪を与える必要があるため、エネ
ルギーロスが多く不経済である。また、この技術では、
鋼帯の平坦度と蛇行との関係を定量的に制御していない
こと、さらには鋼帯の幅方向の温度差により鋼帯の平坦
度を制御することが実際には容易でないことにより、そ
の実施は容易でない。
【0010】前述のにより示した技術は、設備投資の
点では問題はないが、ヒートクラウンを許容範囲内に抑
えるように操業する必要があるため、必然的に、炉内温
度と鋼板温度との差が小さくなる操業となるため、鋼帯
の通板速度または炉温の設定温度の操作許容範囲を狭く
限定することになって、設備能力限界またはその近傍で
の操業、すなわち高能率の操業を行うことができなくな
り、生産性の低下を免れない。
【0011】ここに、本発明の目的は、これらの従来の
技術では解決することができなかった鋼帯の蛇行の問題
を、設備投資の上昇を可能な限り抑制して、確実に解消
することができる連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方
法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々検討を重ねた。まず、操業中のハ
ースロールの表面温度の分布をロール胴長方向について
測定した。測定結果を、ハースロールが加熱帯に設置さ
れた場合を図5(a) に、ハースロールが冷却帯に設置さ
れた場合を図5(b) に、それぞれグラフで示す。図5
(a) から明らかなように、ハースロールが加熱帯に設置
された場合には、ハースロールの中央部は温度が低く端
部では高い、いわゆる凹型のクラウンとなり、一方、図
5(b) から明らかなように、ハースロールが冷却帯に設
置された場合には、前記加熱帯に設置された場合と逆の
結果、すなわちハースロールの中央部は温度が高く端部
では低い、いわゆる凸型のクラウンとなる。
【0013】このように、従来から知られているよう
に、本発明者は、ハースロールの設置位置により凹型ま
たは凸型という差異は生じるものの、高温状態の鋼帯か
ら受ける熱によりハースロールに生じる熱膨張差によ
り、ハースロールにはヒートクラウンが発生することを
確認した。すなわち、鋼帯に発生する蛇行に影響するハ
ースロールのクラウンを考慮するには、もともとのハー
スロール自体に付与されたイニシャルクラウンの他に、
前記ヒートクラウンを勘案しなければならない。
【0014】ところで、本発明者は、操業中のハースロ
ールに生じるクラウンに対して、イニシャルクラウンと
ヒートクラウンとのそれぞれが与える影響の大きさにつ
いても調査した。結果を図6にグラフで示す。図6の上
段はハースロールのロール胴長方向についての表面温度
の分布を示すグラフであり、図6の中段はハースロール
の(ヒートクラウン量+イニシャルクラウン量)を示す
グラフであり、さらに図6の下段はハースロールのイニ
シャルクラウン量を示すグラフである。なお、ヒートク
ラウン量は、直径が 800mmのハースロールが図6に示す
温度分布となった場合の熱膨張量を示す。図6から明ら
かなように、ハースロールに設けたイニシャルクラウン
量は4.0mm /半径であり、ハースロールに生じるトータ
ルクラウン量 (イニシャルクラウン+ヒートクラウン)
は約2mm/半径であった。したがってヒートクラウン量
は約−2mm/半径であった。すなわち、従来から知られ
ているように、操業中のハースロールに生じるクラウン
量の多くはヒートクラウンに起因する影響が比較的大で
あることから、本発明者らは、クラウン量を低減させて
鋼帯に生じる蛇行を抑制するためには、ヒートクラウン
の発生量を低減することが不可欠であり、効果的である
ことを知見した。
【0015】一般的に、鋼帯の蛇行発生には、鋼帯の幅
当たりのクラウン量が影響するとされ、蛇行発生防止の
限界クラウン量:CCrは、鋼帯の寸法、通板張力、通板速
度で決定され、次式により表されるとされている。 CCr=a1・t/W+a2・V+a3・1/T・・・・・・・
ここで、 CCr: 蛇行発生限界クラウン量(mm) t: 板厚(mm) W: 板幅(mm) V: 鋼帯速度(m/min) T: 通板張力(kgf/mm2) a1〜a4: 係数 また、ハースロールの限界クラウン量:CCrと蛇行量 (ロ
ールセンターからの鋼板のずれ量) との関係を図7にグ
ラフで示す。図7から明らかなように、ロールクラウン
量が CCr以上の値となると蛇行量が小さくなる安全域と
なって蛇行は生じないが、 CCr未満の値となると蛇行が
生じてしまうことがわかる。
【0016】つまり、前記式で提示した蛇行発生限界
クラウン量 CCr以上となるように、操業中のハースロー
ルに生じるクラウン量(イニシャルクラウン量+ヒート
クラウン量)を抑制すれば、蛇行は発生しない、すなわ
ち、 CCr≦ Ci + Ch ・・・・・・・・ ここで、 Ci :イニシャルクラウン Ch :ヒートクラウン を満足するように、操業中のハースロールに生じるクラ
ウン量を抑制すれば蛇行は発生しない。
【0017】そこで、本発明者らは、操業中のハースロ
ールに生じるクラウン量を前記式および式を満足す
ることができる範囲に抑制できる手段について種々検討
した。その結果、本発明者らは、鋼帯の連続焼鈍に関
し、例えば加熱帯の上流工程に直火加熱帯を設けて、該
直火加熱帯により鋼帯を加熱することにより、前記鋼帯
からの熱伝導により、加熱帯のハースロールのロール胴
長方向の中心部の加熱を行うことができ、操業中のハー
スロールに生じるクラウン量を前記式および式を満
足する範囲に抑制することができることを知見した。図
3は、板厚 1.2mm、板幅 900mmの鋼帯を通板速度90m/s
、通板張力0.8kgf/mm2の条件で搬送している加熱帯に
設置されたハースロール (ロール径:800mm)のロール胴
長方向に関する温度分布を、前記加熱帯の上流に直火加
熱帯を設けて急速加熱(鋼帯温度:25℃→700 ℃)を行
った場合について示したグラフである。図3から明らか
なように、直火加熱帯により加熱を行った場合、ロール
胴長方向の温度は均一化されることを知見した。
【0018】本発明者らは、このような知見に基づいて
さらに検討を重ねた結果、加熱帯に搬送される前の鋼帯
に予め加熱を行うことにより、操業中のハースロールに
生じるヒートクラウンを蛇行発生限界クラウン量CC1
を下回らない範囲に制御することができることを知り、
本発明を完成した。ここに、本発明の要旨とするところ
は、加熱帯を有する連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止
方法であって、前記加熱帯の上流において例えば直火加
熱により、前記加熱帯に搬送される前の鋼帯に加熱を行
って前記加熱帯に設けられたハースロールのロール胴長
方向の中央部の温度を上昇させることにより、前記ハー
スロールのヒートクラウンを蛇行発生クラウン量を下回
らないように制御することを特徴とする連続焼鈍炉にお
ける鋼帯の蛇行防止方法である。
【0019】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。図
1(a)は、本発明にかかる連続焼鈍炉における鋼帯の
蛇行防止方法を実施するための装置の一例の構成を一部
省略して模式的に示す略式説明図であり、図1(b)
は、図1(a)の連続焼鈍炉による鋼帯および炉内温度
の代表的なヒートパターンを示すグラフであり、さらに
図1(c)は、鋼帯に生じる蛇行および絞りをヒートク
ラウンとの関係で示す説明図である。なお、図中符号は
前述の図4(a)と同じであり、図1(b)中のb、
b’は板温、炉内温度をそれぞれ示す。図1(a)に示
す本発明の実施例においては、加熱帯2の上流工程に直
火加熱帯1が設けられている。本実施例においては前記
直火加熱帯1において加熱帯2に搬送される前の鋼帯8
直火加熱を行うが、本発明においては、前記加熱を行
う手段は特に限定を要するものでない。
【0020】一般的に、連続焼鈍炉においてはラジアン
トチューブによる間接加熱が最も一般的であり、本発明
のように鋼帯8を急速に加熱するためには、現在用いら
れているラジアントチューブを改良して負荷を高めたラ
ジアントチューブを用いたり、あるいは電磁誘導加熱ヒ
ーターを加熱帯2の上流工程に設けてもよい。しかし、
近年では、設備費用の低減の観点から、設備長短縮を図
って直火加熱方式が積極的に採り入れられるようになっ
てきており、直火加熱方式を用いることにより、いずれ
も1パスまたは2パスで鋼帯8を加熱することが可能と
なり好適である。加熱温度は、蛇行防止の観点から、7
00℃以上が望ましい。いずれの加熱方式によっても、
加熱帯2に送られる前の鋼帯8を700℃以上の温度域
に加熱することにより、加熱帯2に設置されているハー
スロールのクラウン量を所望の値に制限することができ
る。なお、直火加熱手段としては、直火還元バーナーを
用いる態様、無酸化バーナーを用いる態様や、電磁誘導
加熱を用いる態様等を例示することができる。
【0021】ただし、前記直火加熱帯1における加熱に
より、前記直火加熱帯1に設けたハースロールのヒート
クラウン量が大きくなり、ここでの蛇行が懸念される
が、直火加熱帯1のハースロールの設置部分を図1(a)
に示すように仕切り板9により隔ててロール室と加熱部
分とを作り、前記ロール室の室温のコントロールを行
い、ヒートクラウンを小さくするように制御すればよ
い。この前記ロール室を設けて鋼帯8の急速加熱を行う
手段は設備費上昇を伴うものであり、本発明の目的の一
つに反するようにも思われるが、仮に前記急速加熱を直
火加熱帯1を設けずに例えば加熱帯2の前半で行うとす
ると、加熱帯2における加熱方式は還元状態を確保する
ために間接加熱方式が用いられているため加熱能力が小
さく、加熱帯2におけるハースロールのクラウン量を所
望の値に制限するためには、直火加熱帯1を設けて急速
加熱を行う場合のパス数 (最大2パス) 以上のパス数を
要することになる。しかも、前記仕切り板9を用いて同
様にロール室と加熱部分とを隔てる必要もあり、設備費
の上昇は極めて大きくなってしまう。そこで、図1(a)
に示すように、直火加熱帯1を設けて鋼帯8の急速加熱
を行うとともに、前記直火加熱帯1ではロール室と加熱
部分との間に仕切りを設けることが設備費的には最も有
利である。
【0022】図1(b) から明らかなように、直火加熱帯
1により鋼帯8の急速加熱を行うことにより、板温は急
速に上昇し、加熱帯2に搬送される前に、およそ700 ℃
程度に加熱されることがわかる。これに伴って、図1
(c) から明らかなように、ハースロールの凹ヒートクラ
ウンは著しく軽減されており、蛇行の発生も大幅に改善
される。このようにして、本発明により、連続焼鈍時の
鋼帯に生じる蛇行を抑制することができる。図2は、さ
らに、本発明を実施する際に用いることができる装置の
構成を模式的に示す略式説明図であり、1は直火加熱帯
を、2は加熱帯を、10は直火加熱帯の出側板温計を、11
は加熱帯2の出側板温計をそれぞれ示す。図2におい
て、上位コンピューターにより、鋼帯の材質、寸法が演
算器に入力される。また直火加熱帯PLC からは張力実
績、速度実績が入力される。これらの値を基に、 CCr
算出される。
【0023】また、加熱帯2のハースロールの温度は適
宜手段により測定されて Ch が求められる。そして、事
前に決定されているイニシャルクラウン Ci と併せて前
記式、すなわち CCr≦ Ci + Ch ・・・・・・・・ ここで、 Ci :イニシャルクラウン Ch :ヒートクラウン が成り立つか否かが判定される。
【0024】前記式が成立すれば、蛇行は生じないた
めこのままの状態で連続焼鈍が行われ、一方前記式が
成立しなければ、蛇行が発生する可能性が極めて高くな
るため、前記式を満足するためのCh が算出され、直
火加熱帯1の負荷を上げるとともに加熱帯2の負荷を下
げる。すなわち、加熱帯2の出側における鋼帯の板温を
目標公差内にすればよいので、直火加熱帯1の出側の板
温の目標を上げ、相対的に加熱帯2の炉温を下げればよ
い。そして、前記式が成立するか否かを確認し、以後
この操作を前記式が成立するまで繰り返す。
【0025】このような本発明にかかる連続焼鈍装置を
用いて、板厚が 1.0mmの鋼帯に連続焼鈍を行って、蛇行
の発生量を従来と比較した。なお、蛇行の発生量は、加
熱帯前方に設置された ITVカメラを用い蛇行量を定量的
に求めた。
【0026】従来は、蛇行の発生率は30%であったが、
本発明により蛇行の発生率は5%に低減された。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、設
備投資を増大させずに、鋼帯の蛇行を確実に抑制するこ
とができる連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方法を提
供することができた。
【0028】かかる効果を有する本発明の意義は、極め
て著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する際に用いる連続焼鈍装置を示
す略式説明図であり、図1(a)は、本発明にかかる連
続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方法を実施するための
装置の一例の構成を一部省略して模式的に示す略式説明
図、図1(b)は、図1(a)の連続焼鈍炉による鋼帯お
よび炉内温度の代表的なヒートパターンを示すグラフ、
さらに図1(c) は、鋼帯に生じる蛇行および絞りをヒー
トクラウンとの関係で示す説明図である。
【図2】本発明を実施する際に用いることができる連続
焼鈍装置の構成を模式的に示す略式説明図である。
【図3】鋼帯を搬送している加熱帯に設置されたハース
ロールのロール胴長方向に関する温度分布を、前記加熱
帯の上流に直火加熱帯を設けて急速加熱を行った場合と
前記急速加熱を行っていない場合とを比較して示したグ
ラフである。
【図4】従来の連続焼鈍設備を示す略式説明図であり、
図4(a) は鋼帯の連続焼鈍炉の一例の構成を一部省略し
て模式的に示す略式説明図、図4(b) は図4(a) の連続
焼鈍炉による鋼帯および炉内温度の代表的なヒートパタ
ーンを示すグラフ、さらに図4(c) は鋼帯に生じる蛇行
および絞りの程度をヒートクラウンとの関係で示す説明
図である。
【図5】図5(a) および図5(b) はそれぞれ加熱帯また
は冷却帯におけるハースロールのロール胴長方向の温度
分布を示すグラフである。
【図6】従来の連続焼鈍ラインに設置されたハースロー
ルの温度、ヒートクラウン量およびイニシャルクラウン
量の和、およびイニシャルクラウン量をロール胴長方向
について示す略式説明図である。
【図7】ハースロールのクラウン量と蛇行量との関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 直火加熱帯 2 加熱帯 3 均熱帯 4 冷却帯 5 低温保持帯 6 最終冷却帯 7 ハースロール 8 鋼帯 9 仕切り板 10 直火加熱帯の出側板温計 11 加熱帯の出側板温計

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱帯を有する連続焼鈍炉における鋼帯
    の蛇行防止方法であって、前記加熱帯に搬送される前の
    鋼帯に加熱を行って前記加熱帯に設けられたハースロー
    ルのロール胴長方向の中央部の温度を上昇させることに
    より、前記ハースロールのヒートクラウンを蛇行発生ク
    ラウン量を下回らないように制御することを特徴とする
    連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方法。
  2. 【請求項2】 鋼帯への前記加熱は、前記加熱帯の上流
    おいて直火加熱により行う請求項1記載の連続焼鈍炉
    における鋼帯の蛇行防止方法。
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