JP5022769B2 - 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉 - Google Patents
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熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、
ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lbが、プロフィールの一周期長Lcと鋼帯の最大板幅Wmaxの関係から、下記(2)式で規定されることを特徴とする。
R(x)=(D+2C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
ここで、D:ロールの中央直径
C:クラウン量
Lc:プロフィールの一周期長
である。
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc・・・(2)
R(x)=(D+2C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
ここで、D:ロールの中央直径
C:クラウン量
Lc:プロフィールの一周期長
である。
0.7・Wmax≦Lc≦1.2Wmax・・・(2)
0.6・Lc<Le≦Lc・・・(3)
Le≦Wmax<Lb・・・(4)
ただし、Wmaxは鋼帯の最大板幅である。
C=K・(Tr−Ts)・D/2+Co・・・(5)
(K=(15〜30)×10-6、Co=0.1〜1.5)
ただし、Kはロールの膨張係数、Coは基準クラウンの初期値である。
第1乃至第8の発明に係る鋼帯搬送ロール及び熱処理炉によれば、鋼帯搬送ロールにサーマルクラウンが生じた状態でも、鋼帯に絞りや押し傷が発生するのを防止し、併せて鋼帯に働くセンタリング力が局所的に発生することを最小にし、幅の狭い鋼帯から幅の広い鋼帯への操業条件の変更時などでも絞りの発生と蛇行の発生を少なくすることができる。
前述したように、第1及び第2の発明により、ロールクラウンの熱間プロフィールが変局部のない理想的な凸形状が得られ、凸形状に巻き付く鋼板の面圧は、凸形であるロールプロフィールに沿って滑らかに変化する(中央部では高く、エッジ部では低い)。第5の発明の如くロール粗度を同一にした場合、センタリング力は面圧に比例する。このセンタリング力は滑らかに変化しており、バックリングの起点となるセンタリング力の変化は、更に小さくなる。従って、バックリングの発生は更に抑えられる。なお、ロール表面の粗度を同一にした場合には、面粗度の作り込みが同一であり、製造費用の低減が図れると共に工期の短縮が図れる。
図1には、実施の形態1に係る鋼帯搬送ロール(ハースロール)1を座標(円筒座標)系(x,r)で表した様子を示す。座標系において、軸xはハースロール1の中心軸であり、r軸はハースロールの半径方向を示し、ハースロール1の中心(中心軸x上の長手方向中心)が座標系の(0,0)である。ロールバレル長Lbとは、ハースロール1の全長であり、プロフィールの一周期長Lcとは、ハースロール1の外形を規定する余弦曲線の一周期の長さである。鋼帯(図1では図示省略)の最大板幅Wmaxは、このハースロール1に適用される、つまりこのハースロール1が用いられた熱処理炉で処理される鋼帯の最大幅である。ロールの中央直径Dは、ハースロール1の中央部の直径であり、ハースロール1の最大直径である。クラウン量Cは、ロール半径R(x=0)から、ロールプロフィール1周期長でのロール半径R(x=1/2Lc)を引いた値である。
R(x)=(D+2C・(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
また、適用する鋼帯の最大板幅Wmaxに基づいて、ハースロール1の外径のプロフィールの一周期長Lc、ロールバレル長Lbは下記(2)式によって求められる。
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc・・・(2)
図2には、実施の形態2に係るハースロール2を座標(円筒座標)系(x,r)で表した様子を示す。座標系において、軸xはハースロール2の中心軸であり、r軸はハースロールの半径方向を示し、ハースロール2の中心(中心軸x上の長手方向中心)が座標系の(0,0)である。ロールバレル長Lb、プロフィールの一周期長Lc、鋼帯の最大板幅Wmaxは、実施の形態1で定義したとおりである。ロールの中央直径D、クラウン量Cについても実施の形態1と同様である。余弦区間Leは、余弦曲線が適用される範囲であり、余弦曲線は、前記(1)式で規定される。この余弦区間Leの外側においては、余弦曲線に接する直線とされる。
0.7・Wmax≦Lc<≦1.2・Wmax・・・(3)
0.6・Lc<Le≦Lc・・・(4)
Le≦Wmax<Lb・・・(5)
(1)鋼板最大幅 Wmax=1350mm
(2)ロールバレル長 Lb(mm)=1800mm(Wmaxと許容蛇行量から決定)
(3)ロールの中央直径 D(mm)=800mm
(4)クラウン量 C(mm)=4.6mm
(5)プロフィールの一周期長 Lc(mm)=2000mm
このプロフィールの一周期長Lcは、上記(2)式の
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc
で決定し、数値計算により最適な値に絞り込んだものであり、1800≦Lc≦2250のほぼ中間値である2000mmを採用した。
C=K・(Tr−Ts)・D/2+Co・・・(6)
ここで、Kはロールの膨張係数であり、一般的なNi−Cr系の耐熱合金の線膨張係数が20×10-6であり、実機の経験則から(15〜30)×10-6とした。Coは基準クラウンの初期値であり、実機の経験則から、多くの操業条件(常温での運転も含む)で、0.1〜1.5を用いることで、安定走行(蛇行しない、バックリングが発生しない)に適したクラウン形状が得られる。Ts(℃)は、熱処理される鋼帯の推定される温度であり、Tr(℃)は、熱処理時ロールバレル本体が晒される温度である。
C(mm)=20×10-6・(Tr−Ts)・D/2+1.0=4.6mm
とした。なお、図3には、鋼帯にかかるセンタリング力の大きさを併せて示してある。
(1)鋼板最大幅 Wmax=2000mm
(2)ロールバレル長 Lb(mm)=2400mm(Wmaxと許容蛇行量から決定)
(3)ロールの中央直径 D(mm)=1200mm
(4)クラウン量 C(mm)=6.4mm
(5)プロフィールの一周期長 Lc(mm)=2000mm
(6)余弦曲線区間 Le(mm)=1700mm
このプロフィールの一周期長Lc(mm)、余弦曲線区間Le(mm)は、前述の(3)(4)(5)式より決定し、数値計算により最適な値に絞り込んだものである。
0.7・Wmax≦Lc≦1.2・Wmax
0.6・Lc<Le≦Lc
Le≦Wmax<Le
から、Lc(mm)は、1400≦Lc≦2400のほぼ中間値である2000(mm)を採用し、Le(mm)は、1200≦Le≦2000のほぼ中間値である1700(mm)を採用した。余弦曲線区間Leの外側は直線部分であり、余弦曲線の両端(中心に対し左右850mmの位置)における余弦曲線に対する接線として表される。
C(mm)=20×10-6・(Tr−Ts)・D/2+1.0=6.4mm
に決定された。
図4には、鋼帯にかかるセンタリング力の大きさを併せて示してある。
図5は、狭幅鋼板5(板幅W=1200mm)が通販されているときの安定状態を示す。図5において、4aは冷間時のハースロールプロフィール、4bは熱間時のハースロールプロフィールである。なお、鋼板5のプロフィールは、ハースロールに巻き付いたプロフィールを示す。
このように、この実施例によれば、ロールプロフィールと表面粗度との組み合わせによって鋼帯の搬送に適切なセンタリング力を得ることができる。
Claims (6)
- 熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、
ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lbが、プロフィールの一周期長Lcと鋼帯の最大板幅Wmaxの関係から、下記(2)式で規定されることを特徴とする鋼帯搬送ロール。
R(x)=(D+2C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
ここで、D:ロールの中央直径
C:クラウン量
Lc:プロフィールの一周期長
である。
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc・・・(2) - 熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、
ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lb、プロフィールの一周期長Lc、及び下記(1)式を適用する余弦区間Leが下記(2)(3)(4)式で規定され、更に、ロール軸方向のx座標の−0.5Lb≦x<−0.5Leの区間は、x=−0.5Leの位置で(1)式に接する直線とし、x座標の0.5Le<x≦0.5Lbの区間では、x=0.5Leの位置で(1)式に接する直線としたことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
R(x)=(D+2C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
ここで、D:ロールの中央直径
C:クラウン量
Lc:プロフィールの一周期長
である。
0.7・Wmax≦Lc≦1.2Wmax・・・(2)
0.6・Lc<Le≦Lc・・・(3)
Le≦Wmax<Lb・・・(4)
ただし、Wmaxは鋼帯の最大板幅である。 - 請求項1又は2に記載の鋼帯搬送ロールにおいて、鋼帯熱処理で推定される鋼板温度Ts(℃)と、当該ロールの近傍の熱処理雰囲気温度でロールバレル本体が晒される温度Tr(℃)から、下記(5)式でロールのクラウン量Cを規定したことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
C=K・(Tr−Ts)・D/2+Co・・・(5)
(K=(15〜30)×10-6、Co=0.1〜1.5)
ただし、Kはロールの膨張係数、Coは基準クラウンの初期値である。 - 請求項1又は2に記載の鋼帯搬送ロールにおいて、ロール中央領域である(−3/8〜−1/8)・Lcから(1/8〜3/8)・Lcと、前記ロール中央領域を除いた範囲である両側のサイド領域とで、表面粗度を、ロール中央領域ではRaが3〜10μmの範囲、サイド領域ではRaが3〜0.5μmの範囲と変えたことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
- 請求項1又は2に記載の鋼帯搬送ロールにおいて、ロール表面全領域の表面粗度Raを6μm以下1μm以上としたことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の鋼帯搬送ロールを少なくとも一部に配してなることを特徴とする鋼帯の熱処理炉。
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