JP5022769B2 - 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉 Download PDF

Info

Publication number
JP5022769B2
JP5022769B2 JP2007126211A JP2007126211A JP5022769B2 JP 5022769 B2 JP5022769 B2 JP 5022769B2 JP 2007126211 A JP2007126211 A JP 2007126211A JP 2007126211 A JP2007126211 A JP 2007126211A JP 5022769 B2 JP5022769 B2 JP 5022769B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
steel strip
profile
heat treatment
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007126211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008280586A (ja
Inventor
秀昭 末盛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Primetals Technologies Holdings Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Metals Machinery Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Metals Machinery Inc filed Critical Mitsubishi Hitachi Metals Machinery Inc
Priority to JP2007126211A priority Critical patent/JP5022769B2/ja
Publication of JP2008280586A publication Critical patent/JP2008280586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5022769B2 publication Critical patent/JP5022769B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、冷延鋼帯の熱処理を行う炉に適用される鋼帯搬送ロールに関する。
冷間圧延により製造された冷延鋼帯は、必要に応じ熱処理が施される。この熱処理は、冷延鋼板を熱処理炉内に導き、熱処理炉内を移動させることによりなされる。熱処理炉内での鋼帯の移動は、鋼帯を鋼帯搬送ロール(ハースロール)に巻き掛け、例えば上下方向に繰り返し移動させることによりなされる。ところで鋼帯には曲がりや部分的な伸びなどが存在し、ロールに巻き掛けて移動する際には、曲り等に起因して蛇行が生ずる。蛇行を防止する手段としてハースロールにクラウンを設けることが実施されている。
しかし、最近では、1つの熱処理炉で対応しなければならない鋼帯のサイズが狭幅のものから広幅のものまで広い範囲にわたってきている。例えば、自動車ボディ成形用の鋼板として、より幅広の鋼板が要求されるようになってきている。熱処理炉で自動車用鋼板を処理する場合、従来、処理対象としていたのは板幅800〜1500mmの板幅レンジのものであった。最近では、同一のラインで板幅1200〜2000mmの程度の範囲の板幅、場合によってはそれ以上の板幅の通板も要求されている。このように板幅のレンジが広くなると、従来のように単純にロールの形状を工夫しただけでは蛇行などの搬送トラブルを十分に回避することができなくなる。
ハースロールの表面にテーパを付けた1段テーパロールについては、最適なロール形状がすでに知られており、従来の板幅レンジの操業において、蛇行と絞り発生を防ぐ有効な手段とされている。しかし、このような1段テーパロールは、例えば、最大と最小の板幅比が2倍以上のような広い板幅レンジにはそのまま適用することはできない。比較的広幅の鋼帯に用いられるハースロールとして特許文献1に開示のものがある。
特開2000-192150公報
特許文献1に記載のハースロールは、ロールの表面を、中央の平坦部、その両側に2段のテーパ部を対称に形成し、平坦部に続く第1のテーパ部の傾きが更に続く第2のテーパ部の傾きより大きくなるようにしたものであるが、図12(a)(b)に示すように、ハースロール101の平坦部101aとテーパ部101bとのつなぎ目101cで、鋼板(鋼帯)102に押し傷103が付き、また絞り104が入ってしまうという問題があった。押し傷103は、平坦部101aとテーパ部101bとのつなぎ目101cが鋼帯102の表面に当たることによりできる。
図13(a)(b)(c)には、鋼板102に絞り104が発生する様子を示してある。鋼帯102はハースロール101に巻き掛けられて搬送されるのであるが、鋼帯102が幅広であるとハースロール101の左右のテーパ部101bにかかる部分が大きく、テーパ部101bより鋼帯102に大きなセンタリング力が作用し、それによって図13(b)に示すように平坦部101aとテーパ部01bとのつなぎ目に対応する部分が微小に浮き上がり(h1)、鋼帯102がハースロール101を離れる直前では図13(c)に示すように絞りh2となってしまう。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、熱処理炉で鋼帯を搬送する際に、鋼帯に絞りの発生を抑制し且つ押し傷が発生するのを防止し、併せて鋼帯に働くセンタリング力が局所的に発生することを最小にし、操業条件の変更時などでも絞りの発生と蛇行の発生を少なくすることができる鋼帯搬送ロール(ハースロール)を提供することを目的とする。
上記課題を達成する第1の発明に係る鋼帯搬送ロールは、
熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、
ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lbが、プロフィールの一周期長Lcと鋼帯の最大板幅Wmaxの関係から、下記(2)式で規定されることを特徴とする。
R(x)=(D+C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
ここで、D:ロールの中央直径
C:クラウン量
Lc:プロフィールの一周期長
である。
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc・・・(2)
上記課題を達成する第2の発明に係る鋼帯搬送ロールは、熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lb、プロフィールの一周期長Lc、及び下記(1)式を適用する余弦区間Leが下記(2)(3)(4)式で規定され、更に、ロール軸方向のx座標の−0.5Lb≦x<−0.5Leの区間は、x=−0.5Leの位置で(1)式に接する直線とし、x座標の0.5Le<x≦0.5Lbの区間は、x=0.5Leの位置で(1)式に接する直線としたことを特徴とするものである。
R(x)=(D+C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
ここで、D:ロールの中央直径
C:クラウン量
Lc:プロフィールの一周期長
である。
0.7・Wmax≦Lc≦1.2Wmax・・・(2)
0.6・Lc<Le≦Lc・・・(3)
Le≦Wmax<Lb・・・(4)
ただし、Wmaxは鋼帯の最大板幅である。
上記課題を達成する第3の発明に係る鋼帯搬送ロールは、第1又は第2の発明に係る鋼帯搬送ロールにおいて、鋼帯熱処理で推定される鋼板温度Ts(℃)と、当該ロールの近傍の熱処理雰囲気温度でロールバレル本体が晒される温度Tr(℃)から、下記(5)式でロールのクラウン量Cを規定したことを特徴とするものである。
C=K・(Tr−Ts)・D/2+Co・・・(5)
(K=(15〜30)×10-6、Co=0.1〜1.5)
ただし、Kはロールの膨張係数、Coは基準クラウンの初期値である。
上記課題を解決する第4の発明に係る鋼帯搬送ロールは、第1又は第2の発明に係る鋼帯搬送ロールにおいて、ロール中央領域である(−3/8〜−1/8)・Lcから(1/8〜3/8)・Lcと、前記ロール中央領域を除いた範囲である両側のサイド領域とで、表面粗度を、ロール中央領域ではRaが3〜10μmの範囲、サイド領域ではRaが3〜0.5μmの範囲と変えたことを特徴とするものである。
上記課題を解決する第5の発明に係る鋼帯搬送ロールは、第1又は第2の発明に係る鋼帯搬送ロールに記載の鋼帯搬送ロールにおいて、ロール表面全領域の表面粗度Raを6μm以下1μm以上としたことを特徴とするものである。
上記課題を解決する第6の発明に係る鋼帯の熱処理炉は、第1乃至第5の発明に係る鋼帯搬送ロールを少なくとも一部に配してなることを特徴とするである。
鋼帯の熱処理炉における予熱帯、加熱帯、均熱帯等(図11参照)の加熱セクションのハースロールにおいては、ロールが晒される環境温度より鋼板温度が低く、ハースロールはロール側端部が各セクションの環境温度と同じ温度、ロール中央部分が鋼板温度と同じ温度となり、その温度差による熱膨張差でロールプロフィールが変わる。このロールプロフィールをサーマルクラウンと呼んでいる。
第1乃至第8の発明に係る鋼帯搬送ロール及び熱処理炉によれば、鋼帯搬送ロールにサーマルクラウンが生じた状態でも、鋼帯に絞りや押し傷が発生するのを防止し、併せて鋼帯に働くセンタリング力が局所的に発生することを最小にし、幅の狭い鋼帯から幅の広い鋼帯への操業条件の変更時などでも絞りの発生と蛇行の発生を少なくすることができる。
図14には、従来の一段テーパロールを示し、常温時のロールプロフィールと鋼板(鋼帯)の形状を図14(a)に示し、熱間運転中の炉内膨張を加味したロールプロフィールと鋼板の形状を図14(b)に示す。なお、鋼板温度を400℃、炉内温度を600℃と想定した場合である。図15には、特許文献1に記載された2段テーパロールを示し、常温時のロールプロフィールと鋼板の形状を図15(a)に示し、熱間運転中の炉内膨張を加味したロールプロフィールと鋼板の形状を図15(b)に示す。図16は、本発明に係る余弦カーブロールを示し、ロールプロフィールと鋼板の形状を図16(a)に示し、熱間運転中の炉内膨張を加味したロールプロフィールと鋼板の形状を図16(b)に示す。
図14(b)、図15(b)、図16(b)に示すように、ロール中央部のロールシェルは鋼板が接し、鋼板温度とほぼ同じとなり、ロールエッジ部は炉内輻射により加熱され、炉内温度に近づき、ロール中央部より高温となっている。図14(b)、図15(b)に示すように、テーパロールの平坦部は若干逆ぞり形状になり、平坦部とテーパ部との境界が凸形状になる。この凸形状部分は、鋼板への押し傷や鋼板に座屈を生じさせる基点となる。また、図14(a)(b)の1段テーパのものでは、十分なセンタリング力が得られない。図15(a)(b)の2段テーパのものでは、狭い幅から広い幅の鋼板に対しセンタリング力が得られるが、押し傷や座屈の基点を取り除くことはできない。
これらに対し図16(a)(b)に示す本発明に係るロールでは、狭い幅から広い幅の鋼板に対してセンタリング力が得られ、且つ押し傷と座屈の基点である凸形状部分がなくなる。図16(b)に示すように、本発明に係るロールは、熱間時のロールプロフィールは、突起などの凹凸がなく、鋼板とロール面とのなじみが非常によい。これらは、余弦曲線を最適に設計することで、ロールの温度分布によって発生(膨張)するロールプロフィールを、温度差によるサーマルクラウンが付与されても最適なロールプロフィール形状が得られることを示している。
図17(a)は、1段のテーパがついたロールのプロフィールを示す概略図であり、このようなプロフィールのロールに鋼板が巻き付くと、ロールの平坦部とテーパ部とで巻き付きの入射角が変わり、この部分は鋼板のバックリングの基点となる。図17(b)には、ロールにおける巻き付き入射角の違いを示す。平坦部ではゼロであり、テーパ部で巻き付き角が変わり、図では左右逆方向の巻き付き角を積分して表してある。平坦部とテーパ部との境Bで大きく入射角が変わり、そこがバックリングの起点となる。そして、図17(c)には、1段テーパロールにより鋼板にかかる板幅方向の圧縮力(センタリング力)を示す。平坦部とテーパ部との境Sで大きく圧縮力は変わり、そこがロールと鋼板とのスリップの起点となり、押し傷の原因となる。
図18(a)は、本発明に係る鋼帯搬送ロールの、余弦カーブとなっているプロフィールの概略図であり、図18(b)は、このようなロールに鋼板が巻き付いたときの入射角の変化を示す。図18(b)に示すように、巻き付き入射角は滑らかに変化するようになる。従って、このロールにより鋼板にかかる圧縮力(センタリング力)も、図18(c)に示すように、滑らかに変化するようになり、つまり、本発明に係る鋼帯搬送ロールによれば、図17(c)に示したようなバックリングの起点となるような部分は生じない。
第4の発明に係る鋼帯搬送ロールによれば、ロール中央部の余弦曲線とその部分の表面粗度の両方が作用した合理的なセンタリング力が得られる。また、エッジ領域は、粗度を低くしたことで鋼帯をバックリングさせるに至るセンタリング力が作用することが少なくなり、かつロールプロフィールの傾斜も中央領域と同等以下である。
第1及び第2の発明により、ロールクラウンの熱間プロフィールが変局部のない理想的な凸形状が得られ、凸形状に巻き付く鋼板の面圧は、凸形であるロールプロフィールに沿って滑らかに変化する(中央部では高く、エッジ部では低い)。しかし、操業範囲で、板幅差が大きく且つ操業温度の範囲が大きい場合には、クラウン量を操業温度範囲に関連させて決定するため、クラウン量が大きく、広幅で接触面から、大きなセンタリング力が作用することがある。特に、広幅で腹伸びした鋼板では、エッジ部分の蛇行修正力により、ロール中央でバックリングの心配がある。このような場合に、第4の発明の如く、ロールのセンター部分の粗度に比べてエッジ部の粗度を変えて(小さくして)、エッジ部分からのセンタリング力を調整(小さく)することにより、バックリングの発生を抑えることができる。
第5の発明に係る鋼帯搬送ロールによれば、ロール表面粗度を2種類とする必要がなく、ロール表面粗度の最終調整が容易となる。
前述したように、第1及び第2の発明により、ロールクラウンの熱間プロフィールが変局部のない理想的な凸形状が得られ、凸形状に巻き付く鋼板の面圧は、凸形であるロールプロフィールに沿って滑らかに変化する(中央部では高く、エッジ部では低い)。第5の発明の如くロール粗度を同一にした場合、センタリング力は面圧に比例する。このセンタリング力は滑らかに変化しており、バックリングの起点となるセンタリング力の変化は、更に小さくなる。従って、バックリングの発生は更に抑えられる。なお、ロール表面の粗度を同一にした場合には、面粗度の作り込みが同一であり、製造費用の低減が図れると共に工期の短縮が図れる。
実施の形態1
図1には、実施の形態1に係る鋼帯搬送ロール(ハースロール)1を座標(円筒座標)系(x,r)で表した様子を示す。座標系において、軸xはハースロール1の中心軸であり、r軸はハースロールの半径方向を示し、ハースロール1の中心(中心軸x上の長手方向中心)が座標系の(0,0)である。ロールバレル長Lbとは、ハースロール1の全長であり、プロフィールの一周期長Lcとは、ハースロール1の外形を規定する余弦曲線の一周期の長さである。鋼帯(図1では図示省略)の最大板幅Wmaxは、このハースロール1に適用される、つまりこのハースロール1が用いられた熱処理炉で処理される鋼帯の最大幅である。ロールの中央直径Dは、ハースロール1の中央部の直径であり、ハースロール1の最大直径である。クラウン量Cは、ロール半径R(x=0)から、ロールプロフィール1周期長でのロール半径R(x=1/2Lc)を引いた値である。
ハースロール1のプロフィールを決定する半径は、下記の(1)式によって規定される。
R(x)=(D+C・(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
また、適用する鋼帯の最大板幅Wmaxに基づいて、ハースロール1の外径のプロフィールの一周期長Lc、ロールバレル長Lbは下記(2)式によって求められる。
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc・・・(2)
上記(1)(2)式に基づいてハースロール1の外径形状を規定することにより、熱処理下で鋼帯を搬送する際、つまりサーマルクラウンが生じた状態で鋼帯を搬送する際、鋼帯に係るセンタリング力は、板幅によらず過度又は局部的に発生することを大幅に低減することができる。
実施の形態2
図2には、実施の形態2に係るハースロール2を座標(円筒座標)系(x,r)で表した様子を示す。座標系において、軸xはハースロール2の中心軸であり、r軸はハースロールの半径方向を示し、ハースロール2の中心(中心軸x上の長手方向中心)が座標系の(0,0)である。ロールバレル長Lb、プロフィールの一周期長Lc、鋼帯の最大板幅Wmaxは、実施の形態1で定義したとおりである。ロールの中央直径D、クラウン量Cについても実施の形態1と同様である。余弦区間Leは、余弦曲線が適用される範囲であり、余弦曲線は、前記(1)式で規定される。この余弦区間Leの外側においては、余弦曲線に接する直線とされる。
つまり、ハースロール2における、−Le/2≦x≦Le/2の間は、(1)式で表される余弦曲線とされ、その一方側の−Lb/2≦x≦−Le/2の間は、x=−Le/2の位置で(1)式で表される余弦曲線に接する直線とされ、他方側のLe/2≦x≦Lb/2の間は、x=Le/2の位置で(1)式で表される余弦曲線に接する直線とされる。
また、適用する鋼帯の最大板幅Wmaxに基づいて、ハースロール1の外径のプロフィールの一周期長Lc、余弦区間Le、ロールバレル長Lbは下記(3)(4)(5)式によって規定される。
0.7・Wmax≦Lc<≦1.2・Wmax・・・(3)
0.6・Lc<Le≦Lc・・・(4)
Le≦Wmax<Lb・・・(5)
上記(1)(3)(4)(5)式に基づいてハースロール2の外形を規定することにより、熱処理下で鋼帯を搬送する際、つまりサーマルクラウンが生じた状態で鋼帯を搬送する際、鋼帯に係るセンタリング力は、板幅によらず過度又は局部的に発生することのないものとなる。
図3には、実施例1に係るハースロール3を座標系(x,r)に表した様子を示す。ハースロール3の具体的な寸法は以下のとおりである。
(1)鋼板最大幅 Wmax=1350mm
(2)ロールバレル長 Lb(mm)=1800mm(Wmaxと許容蛇行量から決定)
(3)ロールの中央直径 D(mm)=800mm
(4)クラウン量 C(mm)=4.6mm
(5)プロフィールの一周期長 Lc(mm)=2000mm
このプロフィールの一周期長Lcは、上記(2)式の
0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc
で決定し、数値計算により最適な値に絞り込んだものであり、1800≦Lc≦2250のほぼ中間値である2000mmを採用した。
ハースロール3のクラウン量は、下記(6)式で規定される。
C=K・(Tr−Ts)・D/2+Co・・・(6)
ここで、Kはロールの膨張係数であり、一般的なNi−Cr系の耐熱合金の線膨張係数が20×10-6であり、実機の経験則から(15〜30)×10-6とした。Coは基準クラウンの初期値であり、実機の経験則から、多くの操業条件(常温での運転も含む)で、0.1〜1.5を用いることで、安定走行(蛇行しない、バックリングが発生しない)に適したクラウン形状が得られる。Ts(℃)は、熱処理される鋼帯の推定される温度であり、Tr(℃)は、熱処理時ロールバレル本体が晒される温度である。
この実施例においては、(6)式において、対象ロールを熱処理炉における加熱帯(図11参照)の入口部とし、鋼体熱処理で推定される鋼板温度Tsを350℃、ロールバレル本体が晒される温度Trを800℃とし、ロールの膨張係数Kを20×10-6、クラウンの初期値Coを1.0として、
C(mm)=20×10-6・(Tr−Ts)・D/2+1.0=4.6mm
とした。なお、図3には、鋼帯にかかるセンタリング力の大きさを併せて示してある。
上記のようにプロフィールが決定されたハースロール3の外形は、非常に滑らかな曲線プロフィールとなり、コーナ部は生ぜず、熱処理下で鋼帯を搬送する際、つまりサーマルクラウンが生じた状態で鋼帯を搬送する際、図12で示したような押し傷を鋼帯に発生させることはない。また、図13で示したようなテーパ部の傾斜で発生するセンタリング力がロール中央平坦部で浮き上がり、絞りへと成長することも少ない。
図4には、第2の発明の実施例である実施例2に係るハースロール4を座標系(x,r)に表した様子を示す。ハースロール4の具体的な寸法は以下のとおりである。
(1)鋼板最大幅 Wmax=2000mm
(2)ロールバレル長 Lb(mm)=2400mm(Wmaxと許容蛇行量から決定)
(3)ロールの中央直径 D(mm)=1200mm
(4)クラウン量 C(mm)=6.4mm
(5)プロフィールの一周期長 Lc(mm)=2000mm
(6)余弦曲線区間 Le(mm)=1700mm
このプロフィールの一周期長Lc(mm)、余弦曲線区間Le(mm)は、前述の(3)(4)(5)式より決定し、数値計算により最適な値に絞り込んだものである。
0.7・Wmax≦Lc≦1.2・Wmax
0.6・Lc<Le≦Lc
Le≦Wmax<Le
から、Lc(mm)は、1400≦Lc≦2400のほぼ中間値である2000(mm)を採用し、Le(mm)は、1200≦Le≦2000のほぼ中間値である1700(mm)を採用した。余弦曲線区間Leの外側は直線部分であり、余弦曲線の両端(中心に対し左右850mmの位置)における余弦曲線に対する接線として表される。
ハースロール4のクラウン量は、前述の(6)式で規定される。(6)式を適用するに当たっては、対象ロールを熱処理炉における加熱帯の入口部とし、鋼体の熱処理で推定される鋼板温度Tsを350℃、ロールバレル本体が晒される温度Trを800℃とし、ロールの膨張係数Kを20×10-6、基準クラウンの初期値Coを1.0として、
C(mm)=20×10-6・(Tr−Ts)・D/2+1.0=6.4mm
に決定された。
図4には、鋼帯にかかるセンタリング力の大きさを併せて示してある。
上記のようにプロフィールが決定されたハースロール4の外形は、非常に滑らかな曲線プロフィールとなり、図12で示したような押し傷を発生させるコーナ部は生ぜず、鋼帯の搬送の際に鋼帯にロール形状による押し傷を発生させることはない。また、図 13で示したようなテーパ部の傾斜で発生するセンタリング力がロール中央平坦部で浮き上がり、絞りへと成長することもない。
実施例2に係るハースロール4の板幅を変えて適用した場合の熱間におけるロールプロフィール(サーマルクラウン)を図5〜8に示す。
図5は、狭幅鋼板5(板幅W=1200mm)が通販されているときの安定状態を示す。図5において、4aは冷間時のハースロールプロフィール、4bは熱間時のハースロールプロフィールである。なお、鋼板5のプロフィールは、ハースロールに巻き付いたプロフィールを示す。
図5に示すように、ハースロール4にはサーマルクラウンが発生しているものの、鋼板5はハースロール4のプロフィール4bに滑らかに沿っている。鋼板5のエッジ5aは、若干浮き上がり傾向であるが、走行に支障を来たす量ではない。冷間時のイニシャルクラウン4aが維持された状態であり、所定のセンタリング力が得られ、蛇行等が抑制される。ハースロール4と鋼板5との接触状況から見て、押し傷の発生のおそれはなく、絞りの発生も大幅に抑制される。
図6には、搬送させる鋼板(鋼帯)を、狭幅鋼板(W=1200mm)5から少し幅の広い(W=1500mm)の鋼板6に切り替えた直後の過渡的な状況を示す。なお、張力は図5に示した状態と同じとする。狭幅1200mmの鋼板5を通したときに形成されたサーマルクラウン4bの両端の凸状の部分4cにやや幅の広い鋼板6の両端が乗り上げた状態になっている。鋼板6のエッジは若干浮き上がり傾向となるため、鋼帯6に、図12、13で示したような絞りは発生しない。サーマルクラウン(ロールプロフィール)4bは、ロール形状を本発明に基づき特定したことによるものであり、従来のサーマルクラウンより小さい。
図7は、板幅1500mmの鋼板6が通板され、一定時間経過後の状態を示す。鋼板6の板幅に応じたサーマルクラウン(ロールプロフィール)4dとなる。鋼板6が掛かっていない部分では凸状部分4が発生しているものの鋼板6はハースロール4のプロフィール4dに滑らかに沿っている。図6に示した状態より、鋼板の板幅が1200mmから1500mmに増加した分トータルの張力は約25%増加し、鋼板の断面張力はW=1200mmのときと同じとなっている。図7は、冷間時のイニシャルクラウンが維持された状態であり、所定のセンタリング力が得られ、蛇行等のおそれは少ない。ロールとの接触状況から、押し傷の発生や絞りの発生のおそれも少ない。
図8は、最大板幅W=2000mmの鋼板7が通板されているときの安定状態を示す。図8に示すようにロールプロフィール4fにおいて、サーマルクラウンはほとんど発生していない。最大板幅の鋼板7は、ハースロール4のプロフィール4fにほとんど滑らかに沿っている。冷間時イニシャルクラウン4aがほとんど維持された状態であり、所定のセンタリング力が得られ蛇行等のおそれは少なく、安定走行に最適である。また、ロールとの接触状況から見て、押し傷の発生や絞りの発生は少ない。
図5〜8より、鋼板の板幅W=1200mm、W=1500mm、最大幅W=2000mmの安定状態では、ロールプロフィールに鋼板5、6、7が滑らかに沿っており、鋼板サイズが大きくなっても過度のセンタリング力や局部的なセンタリング力、また横滑りの発生が減少することを示している。従って、幅が狭い鋼板でも適度なセンタリング力が得られ、蛇行防止が図られる。また、広幅の切り替わりの過渡的状況においても、炉内張力の変更タイミングを少し遅らせることで絞りの発生を防止できる。
更に、最大板幅の鋼帯に関しても、ロールプロフィールの工夫によって局部的なセンタリング力が発生することなく、炉内の張力は、狭板幅と同等クラスのユニット張力(kg/mm2)まで設定可能であり、高速での操業で鋼板の通板性が改善される。従って、板幅範囲の広い操業においても、押し傷、蛇行及び絞りが発生しにくい最適のロールである。
この実施例は、ロールプロフィールを特定するだけでなく、更にロール表面の粗度を特定したものである。図9には、第3の実施例に係るハースロール8を座標系(x,r)で表した様子を示す。ハースロールの表面には、ロールの駆動力を鋼帯に伝えることを目的として、表面粗度を持たせるための表面処理がなされる。この実施例では、ロールプロフィールの適正化と共に表面粗度とを組み合わせることにより鋼帯搬送の更なる適切化を図ったものである。
このハースロール8は、例えば実施例1と同様にしてハースロールのプロフィールを余弦曲線とし、更にロール表面における中央領域とサイド領域の表面粗度Raを特定したものである。ハースロール8の中央領域A1は、(−3/8〜−1/8)・Lcから(1/8〜3/8)・Lcの範囲であり、サイド領域A2は、ハースロール1における上記中央領域A1を除いた範囲である。中央領域A1の表面粗度Raを3〜10μmの範囲とし、サイド領域A2の表面粗度Raを3〜0.5μmの範囲とする。この実施例では、中央領域A1の表面粗度Raを6μmとし、サイド領域A2の表面粗度Raを1μm以下とした。なお、中央領域で表面粗度Raを3〜10としたのは、表面粗度を10μm以上とすると鋼帯に傷を付けるおそれがあるからであり、3μm以下とするとセンタリング力の効果が期待できないからである。また、サイド領域の表面粗度Raを3〜0.5μmとしたのは、3μm以上とすると鋼帯に座屈を生じさせるようなセンタリング力が作用するおそれがあるからであり、0.5μm以下とした場合にはロールと鋼帯とのすべりによる鋼帯の搬送力の伝達が減少するためである。表面粗度は、ハースロール8の表面を溶射又はめっき等の表面処理時に任意に加工される。
ロール表面粗度Raを6μmとしたロール中央領域A1は、余弦曲線の一周期(Lc)の−1/8Lc〜1/8Lcの区域で、余弦曲線の凸部の中央近傍である。この部分では、余弦曲線の傾斜によるセンタリング力と同部粗度によるセンタリング力の両方が作用したセンタリング力が得られる。また、エッジ領域A2では、粗度を低くしたことで鋼帯をバックリングさせるに至るセンタリング力が鋼帯に作用することが少なく、かつロールプロフィールの傾斜も中央領域A1と同等以下となっている。このことは、ロールによる駆動力を鋼板に伝え、かつ理想的なセンタリング力を与えることのできるロールプロフィールと粗度を持っていると言える。また、得られるセンタリング力は、余弦曲線に沿って滑らかに付与でき、鋼帯がバックリングする危険を更に排除することができる。
このように、この実施例によれば、ロールプロフィールと表面粗度との組み合わせによって鋼帯の搬送に適切なセンタリング力を得ることができる。
図10には、第4の実施例に係るハースロール9を座標系(x,r)で表した様子を示す。このハースロール9も実施例3と同様にプロフィールを余弦曲線とすると共にロール表面の粗度を特定したものであるが、表面粗度を中央領域とサイド領域とに分けず全体に亙って同じ粗度としたものである。表面粗度Raは6〜1の範囲で決められるが、この実施例では5μmとした。
このハースロールによれば、実施例3の如くロール表面粗度を2種類にする必要がなく、ロール表面粗度の最終調整が容易となる。また、余弦曲線の中央近傍の傾斜が大きく、表面粗度と合わせて通板性に適した余弦曲線に沿った滑らかなセンタリング力が得られる。一方、余弦曲線の中央近傍を除く領域は、比較的傾斜がなだらかであり、鋼板をバックリングさせるに至るセンタリング力は発生しない。また、同部は、ロール中央部分と比べ鋼板の接触圧が小さくなる。この接触圧が小さいことにより、ロールエッジ部の鋼帯への駆動力伝達が幾分低いが、ロールの全領域で駆動力を滑らかに付与でき、鋼帯の搬送を安定させることができる。また、ロールの粗度調整の製造工程が少なくなり、鋼帯搬送ロールの製造コストを削減することができる。
図11には、本発明に係るハースロールを適用した縦型熱処理炉21の概略を示す。この縦型熱処理炉21は、溶融亜鉛めっきを施すめっき浴22に至る手前側に設けられているもので、予熱帯(PHS)23、加熱帯(HS)24、均熱帯(SS)25からなる入側セクションと、冷却帯(CS)26からなる出側セクションとからなる。予熱帯23の下部に鋼帯27の入り口が設けられ、そこにはシールローラ28が設けられている。予熱帯23内の上部及び下部にはハースロール29が設けられている。予熱帯23と加熱帯24とはその下部において搬送路30により連結されている。搬送路30内にもハースロール29が設けられている。加熱帯24には上下に多数のハースロール29が交互に配置されている。加熱帯24と均熱帯25とは壁31により仕切られ、上部の連通口32にてつなげられている。均熱帯25にはハースロール29が上下に配置されている。均熱帯25と冷却帯26とは搬送路33により連結されている。搬送路33内にもハースロール29が設けられている。冷却帯26内にはハースロール29が上下に配置されている。冷却帯26の下部には出口34が設けられている。
鋼帯27は、予熱帯23の入り口のシールローラ28に案内されて予熱帯23内に入り予熱され、次いで搬送路30より加熱帯24に入り上下方向に繰り返し移動されながら加熱され、次いで均熱帯24に入り、均熱が図られる。鋼帯27は更に搬送路33より冷却帯26に入り冷却され、冷却された鋼帯27は、めっき浴22に導かれる。
予熱帯23では、鋼板を100℃〜300℃程度に加熱する。加熱帯24は、一般的な無酸化炉の加熱セクションで、ラジエント・チューブ・バーナー等を用いて間接加熱(チューブからの輻射加熱)で鋼板を加熱する。連続焼鈍ライン(CAL)や連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)では、鋼板を加熱し、固溶元素を拡散させるため組織を一部固溶させたり、内部の残留応力を解放したりするために680℃〜850℃まで加熱する。均熱帯25では、一般的には、加熱帯24での加熱温度を5秒から20秒程度保持し、固溶元素が拡散する時間を確保する目的と、熱処理温度を均質にし、精度良く保持し品質を安定させる目的を併せ持っている。冷却帯26では、鋼帯を任意の速度で冷却することで、要求される機械的品質を得られ、且つめっき処理の温度まで冷却する。
縦型熱処理炉21の予熱帯23、過熱帯24、均熱帯25からなる入側セクションのハースロール29においては、ロールが晒される環境温度より鋼板温度が低く、ハースロールは、ロール側端部が各セクションの環境温度と同じ温度、ロール中央部が鋼板温度と同じ温度となり、その温度差による熱膨張差で発生するロールプロフィールがサーマルクラウンである。ハースロール29の全部又は一部を上述の実施例で特定した形状のイニシャルクラウン(常温時のプロフィール)のロールとすれば、全ての板サイズ、操業条件において、蛇行、バックリングの危険性を大幅に抑制したプロフィルロール群の配置が可能である。
ハースロール29を上述の実施の形態、実施例で特定したイニシャルクラウンとするのは、全てのハースロール29でなくても良い。サーマルクラウンの発生が大きい(温度差が大きい)セクションとなる予熱炉23や加熱炉24のハースロール29に適用すると効果的である。また、本発明に係るハースロールの形状は、均熱帯25のように温度差が少ないセクション、冷却帯26のように温度差が逆になるセクションでも、蛇行・バックリングが発生しないように図られている。従って、予熱帯23、加熱帯24だけ、又は加熱帯24だけに用いてもよいし、均熱帯25、冷却帯27に用いてもよい。
具体的には、入側セクションにおいて、予熱帯23におけるハースロール群、加熱帯24におけるハースロール群、均熱帯25におけるハースロール群のプロフィール周期長Lcを段階的に又は順次小さくなるようにするのである。例えば、予熱帯23におけるハースロール群の各ハースロールのプロフィール周期長Lcより、加熱帯24におけるハースロール群の各鋼帯搬送ロールのプロフィール周期長Lcを50mm短くし、加熱帯におけるハースロール群の各ハースロールのプロフィール周期長Lcより、均熱帯におけるハースロール群のプロフィール周期長を50mm小さくするようにしたり、各帯域におけるロール群を構成する各ハースロールの周期長Lcをその帯域の中で50mmずつ小さくするようにしたりするである。
また、出側セクションである冷却帯26にお搬送ロール群のプロフィール周期長Lcが炉中央からに炉の出側向けて段階的に又は順次大きくなるようにするのである。出側セクションが、恒温変態帯、急速冷却帯、最終冷却帯からなる場合には、恒温冷却帯における鋼帯搬送ロール群の各鋼帯搬送ロールのプロフィール周期長Lcより、急速冷却帯における鋼帯搬送ロール群の各鋼帯搬送ロールのプロフィール周期長Lcを100mm大きくし、急速冷却帯における鋼帯搬送ロール群の各鋼帯搬送ロールのプロフィール周期長Lcより、最終冷却帯における鋼帯搬送ロール群のプロフィール周期長Lcを200mm大きくするようにしたり、各帯域におけるロール群を構成する各鋼板搬送ロールの周期長Lcをその帯域の中で所定量ずつ大きくするようにしたりするである。出側セクションの帯域の構成が、記急速冷却帯、保持帯、最終冷却帯からなる場合も同様とすることができる。
本発明の実施の形態に係るハースロールを座標系と共に示す模式図である。 本発明の他の実施の形態に係るハースロールを座標系と共に示す模式図である。 実施例1に係るハースロールの模式図である。 実施例2に係るハースロールの模式図である。 実施例2に係るハースロールに板幅1200mmの鋼板を通したときのロールプロフィールを示す模式図である。 図5に示すハースロールにおいて鋼板の板幅を1500mmに変えた直後の過渡的な状況の模式図である。 図6において変えた1500mm幅の鋼板による運転が安定したときのハースロールのプロフィールの模式図である。 2000mmの鋼板を通した状態のハースロールの模式図である。 中央部とその両側とで表面粗度を変えたハースロールの実施例の模式図である。 表面粗度を均一としたハースロールの実施例の模式図である。 本発明に係るハースロールを適用した縦型熱処理炉の概略図である。 ハースロールにかかる鋼帯に絞りが発生する様子を示した模式図である。 鋼帯に押し傷、絞りが発生する様子を模式的に示し、(a)は側面図、(b)(c)は断面図である。 従来の一段テーパロールを示し、(a)はロールプロフィールと鋼板の形状の概略図、(b)は熱間運転中の炉内膨張を加味したロールプロフィールと鋼板の形状の概略図である。 従来の二段テーパロールを示し、(a)はロールプロフィールと鋼板の形状の概略図、(b)は熱間運転中の炉内膨張を加味したロールプロフィールと鋼板の形状の概略図である。 本発明に係る余弦カーブロールを示し、(a)はロールプロフィールと鋼板の形状を示す概略図であり、(b)は熱間運転中の炉内膨張を加味したロールプロフィールと鋼板の形状の概略図である。 一段テーパロールにより鋼帯に押し傷、絞りが発生する様子を模式的に示すものであり、(a)は1段のテーパがついたロールのプロフィールを示す模式図、(b)はロールにおける巻き付き入射角の違い模式図、(c)は1段テーパロールにより鋼帯にかかる板幅方向の圧縮力を示す模式図である。 本発明に係る鋼帯搬送ロールによれば、鋼帯に押し傷、絞りが発生しにくいことを模式的に示すものであり、(a)は本発明に係る余弦カーブとなっているプロフィールを示す模式図であり、(b)は、このようなロールに鋼板が巻き付いたときの入射角の変化を示す模式図、(c)は本発明に係る鋼帯搬送ロールによりに鋼帯にかかる板幅方向の圧縮力を示す模式図である。
符号の説明
1,2,3,4,8,9,29 ハースロール、5,6,7,27 鋼帯(鋼板)、21 縦型熱処理炉、23 予熱帯、24 加熱帯、25 均熱帯、26 冷却帯、Lc ロールプロフィールの一周期長。

Claims (6)

  1. 熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、
    ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lbが、プロフィールの一周期長Lcと鋼帯の最大板幅Wmaxの関係から、下記(2)式で規定されることを特徴とする鋼帯搬送ロール。
    R(x)=(D+2C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
    ここで、D:ロールの中央直径
    C:クラウン量
    Lc:プロフィールの一周期長
    である。
    0.6・Lc≦Wmax<Lb≦Lc・・・(2)
  2. 熱処理炉内で鋼帯を巻き掛ける鋼帯搬送ロールであって、
    ロールの中心軸をx軸としたとき、ロール中央部におけるロール軸座標xに対するロール半径R(x)が下記(1)式で定められる余弦曲線をなし、かつロールバレル長Lb、プロフィールの一周期長Lc、及び下記(1)式を適用する余弦区間Leが下記(2)(3)(4)式で規定され、更に、ロール軸方向のx座標の−0.5Lb≦x<−0.5Leの区間は、x=−0.5Leの位置で(1)式に接する直線とし、x座標の0.5Le<x≦0.5Lbの区間では、x=0.5Leの位置で(1)式に接する直線としたことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
    R(x)=(D+2C(cos(2π・x/Lc)−1))/2・・・(1)
    ここで、D:ロールの中央直径
    C:クラウン量
    Lc:プロフィールの一周期長
    である。
    0.7・Wmax≦Lc≦1.2Wmax・・・(2)
    0.6・Lc<Le≦Lc・・・(3)
    Le≦Wmax<Lb・・・(4)
    ただし、Wmaxは鋼帯の最大板幅である。
  3. 請求項1又は2に記載の鋼帯搬送ロールにおいて、鋼帯熱処理で推定される鋼板温度Ts(℃)と、当該ロールの近傍の熱処理雰囲気温度でロールバレル本体が晒される温度Tr(℃)から、下記(5)式でロールのクラウン量Cを規定したことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
    C=K・(Tr−Ts)・D/2+Co・・・(5)
    (K=(15〜30)×10-6、Co=0.1〜1.5)
    ただし、Kはロールの膨張係数、Coは基準クラウンの初期値である。
  4. 請求項1又は2に記載の鋼帯搬送ロールにおいて、ロール中央領域である(−3/8〜−1/8)・Lcから(1/8〜3/8)・Lcと、前記ロール中央領域を除いた範囲である両側のサイド領域とで、表面粗度を、ロール中央領域ではRaが3〜10μmの範囲、サイド領域ではRaが3〜0.5μmの範囲と変えたことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
  5. 請求項1又は2に記載の鋼帯搬送ロールにおいて、ロール表面全領域の表面粗度Raを6μm以下1μm以上としたことを特徴とする鋼帯搬送ロール。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の鋼帯搬送ロールを少なくとも一部に配してなることを特徴とする鋼帯の熱処理炉。
JP2007126211A 2007-05-11 2007-05-11 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉 Expired - Fee Related JP5022769B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126211A JP5022769B2 (ja) 2007-05-11 2007-05-11 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126211A JP5022769B2 (ja) 2007-05-11 2007-05-11 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008280586A JP2008280586A (ja) 2008-11-20
JP5022769B2 true JP5022769B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=40141655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007126211A Expired - Fee Related JP5022769B2 (ja) 2007-05-11 2007-05-11 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5022769B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6168006B2 (ja) * 2014-07-16 2017-07-26 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍炉用ハースロール設備およびその制御方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52133008A (en) * 1976-04-30 1977-11-08 Nippon Kokan Kk <Nkk> Intrafurnace roll for process line
JPH0234496Y2 (ja) * 1986-03-20 1990-09-17
JPH04285133A (ja) * 1991-03-12 1992-10-09 Nippon Steel Corp ストリップ連続熱処理設備用搬送ロール及びその管理方法
JPH09125155A (ja) * 1995-11-01 1997-05-13 Nippon Steel Corp 連続熱処理炉の通板鋼帯蛇行防止方法
JPH09125159A (ja) * 1995-11-02 1997-05-13 Kobe Steel Ltd 移送用ロール
JPH11302746A (ja) * 1998-04-21 1999-11-02 Nippon Steel Corp 連続焼鈍炉用ハースロール
JP3999935B2 (ja) * 2000-11-08 2007-10-31 新日本製鐵株式会社 均温ロールおよび通電加熱装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008280586A (ja) 2008-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5022769B2 (ja) 熱処理炉用鋼帯搬送ロール及び熱処理炉
US4571274A (en) Method for continuous annealing of a metal strip
JP2776033B2 (ja) 連続焼鈍炉における鋼帯の蛇行防止方法
JP6168006B2 (ja) 連続焼鈍炉用ハースロール設備およびその制御方法
CN1318614C (zh) 立式热处理炉用炉底辊及使用该炉底辊的立式热处理炉
JPS6369924A (ja) 金属ストリツプの蛇行防止方法
JP2006124817A (ja) 鋼板連続焼鈍設備のガスジェット冷却装置と冷却制御方法
JPH07173545A (ja) 金属帯の連続熱処理装置および連続熱処理方法
KR100511117B1 (ko) 종형 열처리로의 가열·균열로용 하스 롤 및 그것을이용한 종형 열처리로
JP2005232495A (ja) 金属帯の熱処理設備及び熱処理方法
JP4635456B2 (ja) 鋼板の連続焼鈍方法
JPH09125159A (ja) 移送用ロール
JP2789819B2 (ja) 連続焼鈍炉における鋼帯の絞り防止方法
JP3870820B2 (ja) 金属帯の熱処理炉
JPH04165024A (ja) 金属帯搬送ロール
JP3170732B2 (ja) 焼入鋼帯の製造方法
JP2014014853A (ja) 形鋼の曲り矯正方法
JPS6327412B2 (ja)
JPH08209252A (ja) 金属帯板の連続熱処理炉
JP3465742B2 (ja) 縦型熱処理炉用ハースロール及びそのハースロールを用いた縦型熱処理炉
JP2901802B2 (ja) 間接加熱式連続熱処理炉の運転方法
JP2002363655A (ja) ストリップ連続焼鈍炉
CN116851457A (zh) 一种控制冷轧镀锌板边部黑线的生产方法
JPH04183824A (ja) マッフル炉における搬送用鋼帯の形状安定化装置
JPH0456733A (ja) 熱クラウン抑制ハースロール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120405

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees