JP2775912B2 - 穴明け工具 - Google Patents
穴明け工具Info
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- JP2775912B2 JP2775912B2 JP1281191A JP28119189A JP2775912B2 JP 2775912 B2 JP2775912 B2 JP 2775912B2 JP 1281191 A JP1281191 A JP 1281191A JP 28119189 A JP28119189 A JP 28119189A JP 2775912 B2 JP2775912 B2 JP 2775912B2
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- Japan
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- tool
- chip discharge
- chip
- cutting
- torsion
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、被削材の穴明け加工に用いられる穴明け
工具に係り、詳しくは工具本体の外周面に切屑排出溝が
形成された穴明け工具に関する。
工具に係り、詳しくは工具本体の外周面に切屑排出溝が
形成された穴明け工具に関する。
[従来の技術] 従来、この種の穴明け工具としては、例えば略円柱状
をなす工具本体の外周部に工具軸線回りに一定角度で捩
れる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の回転方向
を向く壁面と工具本体の先端逃げ面との稜線部に切刃が
形成されてなる、いわゆるツイストドリルが知られてい
る。
をなす工具本体の外周部に工具軸線回りに一定角度で捩
れる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の回転方向
を向く壁面と工具本体の先端逃げ面との稜線部に切刃が
形成されてなる、いわゆるツイストドリルが知られてい
る。
ところが、このようなツイストドリルにおいては、切
屑排出溝の捩れ角を余りに大きく設定すると、切屑排出
溝の長さが加工深さよりも著しく長くなるために、工具
先端部に発生する切屑を工具基端側へ押し上げる力(以
下、切屑排出力と称する。)が切屑と切屑排出溝との間
に作用する摩擦抵抗で失われて切屑詰まりが発生し易く
なるという欠点があり、他方、捩れ角を余りに小さく設
定すると切屑排出溝の全長が短くなって切屑排出性は向
上するものの、切刃のすくい角が不足して切削抵抗の上
昇を招くという欠点を有していた。
屑排出溝の捩れ角を余りに大きく設定すると、切屑排出
溝の長さが加工深さよりも著しく長くなるために、工具
先端部に発生する切屑を工具基端側へ押し上げる力(以
下、切屑排出力と称する。)が切屑と切屑排出溝との間
に作用する摩擦抵抗で失われて切屑詰まりが発生し易く
なるという欠点があり、他方、捩れ角を余りに小さく設
定すると切屑排出溝の全長が短くなって切屑排出性は向
上するものの、切刃のすくい角が不足して切削抵抗の上
昇を招くという欠点を有していた。
加えて、上述のツイストドリルにおいては、工具剛性
を向上させるべく芯厚を工具基端側ほど大きく設定する
いわゆる芯厚テーパが設けられる場合があり、このよう
な場合には切屑排出溝の断面積が工具基端側ほど実質的
に減少するため、より一層切屑詰まりが発生し易くなる
欠点も指摘されていた。
を向上させるべく芯厚を工具基端側ほど大きく設定する
いわゆる芯厚テーパが設けられる場合があり、このよう
な場合には切屑排出溝の断面積が工具基端側ほど実質的
に減少するため、より一層切屑詰まりが発生し易くなる
欠点も指摘されていた。
そこで、切屑排出溝の切屑排出性を向上させると同時
に切削抵抗の増加をも防止し得るドリルとして、例えば
実開昭64−12716号公報に示すような穴明けドリルが提
案されている。
に切削抵抗の増加をも防止し得るドリルとして、例えば
実開昭64−12716号公報に示すような穴明けドリルが提
案されている。
このドリルは、第8図ないし第10図に示すように、略
円柱状をなす工具本体1の外周部に、該工具本体1の先
端逃げ面2及び外周面3に開口する切屑排出溝4が形成
され、さらにこの切屑排出溝4の回転方向を向く壁面5
の先端部に、切刃6を有するチツプ7が、そのすくい面
8を上記壁面5と略面一に連続させた状態でロウ付けさ
れてなるもので、上記切屑排出溝4の工具先端からa−
a断面までの部分を一定角度で捩れさせて切刃6に所定
のすくい角を与える一方で、a−a断面からb−b断面
までの捩れ角を上記a−a断面の捩れ角から0゜に至る
まで漸次減少させるとともに、その溝幅(l+l)の工
具外周長さに対する比率(以下、溝幅比と称する。)を
上記a−a断面までの溝幅比よりも増大させ、さらには
b−b断面から後端側に向かって捩れ角0゜の直線部を
配置することによって切屑排出溝全体の全長を従来より
も減少させ、切削抵抗の増加を防止しつつ切屑排出抵抗
の減少を図っている。
円柱状をなす工具本体1の外周部に、該工具本体1の先
端逃げ面2及び外周面3に開口する切屑排出溝4が形成
され、さらにこの切屑排出溝4の回転方向を向く壁面5
の先端部に、切刃6を有するチツプ7が、そのすくい面
8を上記壁面5と略面一に連続させた状態でロウ付けさ
れてなるもので、上記切屑排出溝4の工具先端からa−
a断面までの部分を一定角度で捩れさせて切刃6に所定
のすくい角を与える一方で、a−a断面からb−b断面
までの捩れ角を上記a−a断面の捩れ角から0゜に至る
まで漸次減少させるとともに、その溝幅(l+l)の工
具外周長さに対する比率(以下、溝幅比と称する。)を
上記a−a断面までの溝幅比よりも増大させ、さらには
b−b断面から後端側に向かって捩れ角0゜の直線部を
配置することによって切屑排出溝全体の全長を従来より
も減少させ、切削抵抗の増加を防止しつつ切屑排出抵抗
の減少を図っている。
なお、この場合各部の寸法については、a−a断面ま
での捩れ角を25゜〜30゜の範囲の一定値、溝幅比を0.4
〜1.0の範囲の一定値に設定し、a−a断面からb−b
断面の溝幅比を0.8から1.5の範囲で漸次増加させ、b−
b断面から工具基端側の部分の溝幅比を上記b−b断面
と同一若しくは0.8から1.5の範囲で増加させ、さらにa
−a断面の位置を工具径Dに対して工具先端から0.6D〜
1.5Dの位置に、b−b断面の位置を工具先端から2D〜3.
5Dの位置に定めるべきである旨が指摘されている。
での捩れ角を25゜〜30゜の範囲の一定値、溝幅比を0.4
〜1.0の範囲の一定値に設定し、a−a断面からb−b
断面の溝幅比を0.8から1.5の範囲で漸次増加させ、b−
b断面から工具基端側の部分の溝幅比を上記b−b断面
と同一若しくは0.8から1.5の範囲で増加させ、さらにa
−a断面の位置を工具径Dに対して工具先端から0.6D〜
1.5Dの位置に、b−b断面の位置を工具先端から2D〜3.
5Dの位置に定めるべきである旨が指摘されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述した従来のドリルにおいては、特
に切屑排出力が最も大きい工具先端部の一定範囲におい
て、切屑排出溝4の捩れ角が一定とされているため、未
だ切屑排出性を十分に向上させ得るものとは言い難かっ
た。
に切屑排出力が最も大きい工具先端部の一定範囲におい
て、切屑排出溝4の捩れ角が一定とされているため、未
だ切屑排出性を十分に向上させ得るものとは言い難かっ
た。
すなわち、上述のようなドリルにおいては、切削時に
切刃6の外周側と内周側との周速に差が生じるため、切
刃6で生成された切屑は、まずすくい面8上を工具の回
転中心側に向けて扇状に延びて切屑排出溝4のヒール側
壁面9に衝突し、該壁面9に沿ってカールする。そして
カールした切屑は、切刃6で新たに生成される切屑によ
って押し出され、以後各壁面5、9と擦過しつつ工具基
端側へと排出されてゆく。このため、切屑と切屑排出溝
4との間に作用する摩擦力は、切屑排出力が最も大きく
かつ切屑排出方向が変換される工具先端部において最も
大きく、従ってその損失も工具先端部において最も大き
いこととなる。
切刃6の外周側と内周側との周速に差が生じるため、切
刃6で生成された切屑は、まずすくい面8上を工具の回
転中心側に向けて扇状に延びて切屑排出溝4のヒール側
壁面9に衝突し、該壁面9に沿ってカールする。そして
カールした切屑は、切刃6で新たに生成される切屑によ
って押し出され、以後各壁面5、9と擦過しつつ工具基
端側へと排出されてゆく。このため、切屑と切屑排出溝
4との間に作用する摩擦力は、切屑排出力が最も大きく
かつ切屑排出方向が変換される工具先端部において最も
大きく、従ってその損失も工具先端部において最も大き
いこととなる。
しかるに上述したドリルは、切屑排出溝4の捩れ角が
工具先端部で一定のため、壁面9に沿ってカールした切
屑が押し出される際に、該切屑と壁面9とが激しく擦過
することとなり、この点で従来のツイストドリルと変わ
りがない。このため、切屑排出抵抗の低減効果も一定の
範囲に止どまらざるを得ず、特に工具一回転当たりの送
り量を大きくした場合等、工具先端部における切屑摩擦
抵抗が大きくなる場合には、切屑排出性を十分に向上さ
せることができないおそれが大きいのである。
工具先端部で一定のため、壁面9に沿ってカールした切
屑が押し出される際に、該切屑と壁面9とが激しく擦過
することとなり、この点で従来のツイストドリルと変わ
りがない。このため、切屑排出抵抗の低減効果も一定の
範囲に止どまらざるを得ず、特に工具一回転当たりの送
り量を大きくした場合等、工具先端部における切屑摩擦
抵抗が大きくなる場合には、切屑排出性を十分に向上さ
せることができないおそれが大きいのである。
この発明は、以上のような背景の下になされたもので
あり、特に切屑排出溝の先端部における切屑摩擦抵抗を
十分に低減させることができて切屑排出性に優れ、同時
に切刃の切削抵抗の増加をも防止し得る穴明け工具を提
供することを目的とする。
あり、特に切屑排出溝の先端部における切屑摩擦抵抗を
十分に低減させることができて切屑排出性に優れ、同時
に切刃の切削抵抗の増加をも防止し得る穴明け工具を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、この発明の穴明け工具
は、略円柱状をなす工具本体の外周部に、該工具本体の
先端逃げ面及び外周面に開口する切屑排出溝が形成さ
れ、この切屑排出溝の回転方向を向く壁面と先端逃げ面
との稜線部に切刃が設けられてなる穴明け工具におい
て、切屑排出溝を、工具本体の先端逃げ面に開口しかつ
工具軸線回りに捩れる捩れ部と、この捩れ部の後端から
工具本体の基端側へ向けて工具軸線と平行に延在する直
線部とから構成し、捩れ部は、捩れ角を先端で10゜〜20
゜の範囲に設定して工具本体の基端側に向かって漸次減
少させ、溝幅比を0.6〜1.0の範囲に、工具軸線方向にお
ける全長を工具径Dに対して1.5D〜2.5Dの範囲にそれぞ
れ設定すると共に、直線部の溝幅比を上記捩れ部の溝幅
比に対して1.1〜1.4倍に設定したことを特徴とするもの
である。
は、略円柱状をなす工具本体の外周部に、該工具本体の
先端逃げ面及び外周面に開口する切屑排出溝が形成さ
れ、この切屑排出溝の回転方向を向く壁面と先端逃げ面
との稜線部に切刃が設けられてなる穴明け工具におい
て、切屑排出溝を、工具本体の先端逃げ面に開口しかつ
工具軸線回りに捩れる捩れ部と、この捩れ部の後端から
工具本体の基端側へ向けて工具軸線と平行に延在する直
線部とから構成し、捩れ部は、捩れ角を先端で10゜〜20
゜の範囲に設定して工具本体の基端側に向かって漸次減
少させ、溝幅比を0.6〜1.0の範囲に、工具軸線方向にお
ける全長を工具径Dに対して1.5D〜2.5Dの範囲にそれぞ
れ設定すると共に、直線部の溝幅比を上記捩れ部の溝幅
比に対して1.1〜1.4倍に設定したことを特徴とするもの
である。
[作用] 上記構成の穴明け工具においては、切屑排出溝の先端
部の捩れ角が漸次減少するため、工具先端部におけるヒ
ール側壁面は、工具基端側へ向かう程、カールした後の
切屑の成長方向に対して工具の回転方向側に後退する。
このため、工具先端部における切屑と壁面との激しい摩
擦が回避され、摩擦抵抗が減少する。特に捩れ角を先端
で10゜〜20゜の範囲に設定したのは、10゜に満たないと
切刃のすくい角が小さくて切削抵抗を十分に低減でき
ず、20゜を越えると切屑の摩擦抵抗が相対的に大きくな
り切削抵抗を十分に低減できないからである。しかも、
捩れ部の捩れ角が直線部まで漸次減少しているために切
屑排出溝全体を捩れ溝状に形成する場合に比して切屑排
出溝の全長が大幅に短縮されて切屑の移動距離が減少
し、この結果、切屑排出溝全体の切屑摩擦抵抗が小さく
なる。
部の捩れ角が漸次減少するため、工具先端部におけるヒ
ール側壁面は、工具基端側へ向かう程、カールした後の
切屑の成長方向に対して工具の回転方向側に後退する。
このため、工具先端部における切屑と壁面との激しい摩
擦が回避され、摩擦抵抗が減少する。特に捩れ角を先端
で10゜〜20゜の範囲に設定したのは、10゜に満たないと
切刃のすくい角が小さくて切削抵抗を十分に低減でき
ず、20゜を越えると切屑の摩擦抵抗が相対的に大きくな
り切削抵抗を十分に低減できないからである。しかも、
捩れ部の捩れ角が直線部まで漸次減少しているために切
屑排出溝全体を捩れ溝状に形成する場合に比して切屑排
出溝の全長が大幅に短縮されて切屑の移動距離が減少
し、この結果、切屑排出溝全体の切屑摩擦抵抗が小さく
なる。
また、捩れ部の距離を1.5D〜2.5Dの範囲に設定したこ
とについて、1.5Dに満たないと捩れ角の変化が急激で切
屑排出性が悪くなり、2.5Dを越えると切屑の摩擦抵抗が
大きくなり、切屑排出性が劣化するおそれがある。
とについて、1.5Dに満たないと捩れ角の変化が急激で切
屑排出性が悪くなり、2.5Dを越えると切屑の摩擦抵抗が
大きくなり、切屑排出性が劣化するおそれがある。
さらに、切屑排出溝の後端側に位置する直線部の溝幅
が捩れ部よりも1.1〜1.4倍と大きいので、直線部におけ
る切屑の摩擦抵抗も小さくなる。
が捩れ部よりも1.1〜1.4倍と大きいので、直線部におけ
る切屑の摩擦抵抗も小さくなる。
一方、上記構成の穴明け工具によれば、捩れ部の捩れ
により切屑排出溝の壁面と先端逃げ面との稜線部に設け
られる切刃の正のすくい角が与えられるので、切削抵抗
が小さくなって切削能力も向上する。
により切屑排出溝の壁面と先端逃げ面との稜線部に設け
られる切刃の正のすくい角が与えられるので、切削抵抗
が小さくなって切削能力も向上する。
そして、上記捩れ部の長さ、捩れ角、溝幅比及び上記
直線部の溝幅比を適当な範囲に設定することにより、工
具先端側におけるねじり剛性を損なうことなく、切削抵
抗の増大を防ぎつつ切屑排出性を向上させることができ
る。
直線部の溝幅比を適当な範囲に設定することにより、工
具先端側におけるねじり剛性を損なうことなく、切削抵
抗の増大を防ぎつつ切屑排出性を向上させることができ
る。
[実施例] 以下、第1図ないし第4図を参照して、本発明の実施
例を説明する。
例を説明する。
第1図及び第2図に示すように、本実施例のドリル
は、上述した従来のドリルと同様、略円柱状をなす工具
体10の外周部に、該工具本体10の先端逃げ面11及び外周
面12に開口する2本の切屑排出溝13・13が形成され、こ
れら切屑排出溝13の回転方向を向く第1の壁面14・14と
上記先端逃げ面11との稜線部に、切刃15を有する2枚の
チツプ16・16が、各々のすくい面16aを上記壁面14に連
続させた状態でロウ付けされ、これらチツプ16の内周端
縁に挟まれた工具回転中心P0に、上記先端逃げ面11から
工具基端側へ陥没する空隙部17が形成されてなるもので
ある。
は、上述した従来のドリルと同様、略円柱状をなす工具
体10の外周部に、該工具本体10の先端逃げ面11及び外周
面12に開口する2本の切屑排出溝13・13が形成され、こ
れら切屑排出溝13の回転方向を向く第1の壁面14・14と
上記先端逃げ面11との稜線部に、切刃15を有する2枚の
チツプ16・16が、各々のすくい面16aを上記壁面14に連
続させた状態でロウ付けされ、これらチツプ16の内周端
縁に挟まれた工具回転中心P0に、上記先端逃げ面11から
工具基端側へ陥没する空隙部17が形成されてなるもので
ある。
ここで、上記切屑排出溝13は、工具本体10の先端側に
形成された捩れ部18と、この捩れ部18の後端から工具基
端側へ向かって工具軸線Oと平行に延在する直線部19と
から構成されてなるものである。
形成された捩れ部18と、この捩れ部18の後端から工具基
端側へ向かって工具軸線Oと平行に延在する直線部19と
から構成されてなるものである。
上記捩れ部18は、工具軸線Oの回りに捩れる捩れ溝状
に形成され、その捩れ方向は、後端側が工具回転方向後
方側に捩れるように、すなわち、当該工具本体10の先端
側からの正面視(第2図)において時計方向に捩れるよ
うに定められている。
に形成され、その捩れ方向は、後端側が工具回転方向後
方側に捩れるように、すなわち、当該工具本体10の先端
側からの正面視(第2図)において時計方向に捩れるよ
うに定められている。
捩れ部18の捩れ角は、上記先端逃げ面11に開口する先
端部において10゜〜20゜の範囲に設定され、この先端部
から工具基端側に向かうに従って連続的に減少させられ
て、上記直線部19と連続する後端部において0゜とされ
ている。
端部において10゜〜20゜の範囲に設定され、この先端部
から工具基端側に向かうに従って連続的に減少させられ
て、上記直線部19と連続する後端部において0゜とされ
ている。
ここで先端部の捩れ角を10゜〜20゜の範囲に設定した
のは、10゜に満たないと切刃15のすくい角が小さくて切
削抵抗を十分に低減できないおそれが生じ、他方、20゜
を超えると捩れによる切屑の摩擦抵抗が相対的に大きく
なり、切屑抵抗を十分に低減できないおそれが生じるか
らである。
のは、10゜に満たないと切刃15のすくい角が小さくて切
削抵抗を十分に低減できないおそれが生じ、他方、20゜
を超えると捩れによる切屑の摩擦抵抗が相対的に大きく
なり、切屑抵抗を十分に低減できないおそれが生じるか
らである。
また、工具先端から捩れ部18の後端までの距離Lは、
被削材や切削条件に応じて適宜定められるが、工具径D
に対して1.5D〜2.5Dの範囲に設定することが好ましい。
距離Lが1.5Dに満たないと捩れ角が急激に変化し過ぎて
工具先端部の切屑排出性にかえって悪影響を与えるおそ
れがあり、他方、距離Lが2.5Dを超えると捩れ部18の全
長が長くなり過ぎて切屑の摩擦抵抗が大きくなり、全体
の切屑排出性が劣化するおそれが生じるからである。
被削材や切削条件に応じて適宜定められるが、工具径D
に対して1.5D〜2.5Dの範囲に設定することが好ましい。
距離Lが1.5Dに満たないと捩れ角が急激に変化し過ぎて
工具先端部の切屑排出性にかえって悪影響を与えるおそ
れがあり、他方、距離Lが2.5Dを超えると捩れ部18の全
長が長くなり過ぎて切屑の摩擦抵抗が大きくなり、全体
の切屑排出性が劣化するおそれが生じるからである。
第3図に示すように、捩れ部18は、上記チツプすくい
面16aに連なる上記第1の壁面14と、この第1の壁面14
の工具中心側の端部から工具外周面12に向かって円弧状
に延びる第2の壁面(ヒール側壁面)20とから構成され
ており、その溝幅l1、すなわち各壁面14、20と工具外周
面12とが交わる点P1、P2間の距離は捩れ部18の全長に渡
って一定とされている。そして、捩れ部18の溝幅比、す
なわち工具外周長さに対する溝幅(l1+l1)の比は、0.
6〜1.0の範囲に設定されている。
面16aに連なる上記第1の壁面14と、この第1の壁面14
の工具中心側の端部から工具外周面12に向かって円弧状
に延びる第2の壁面(ヒール側壁面)20とから構成され
ており、その溝幅l1、すなわち各壁面14、20と工具外周
面12とが交わる点P1、P2間の距離は捩れ部18の全長に渡
って一定とされている。そして、捩れ部18の溝幅比、す
なわち工具外周長さに対する溝幅(l1+l1)の比は、0.
6〜1.0の範囲に設定されている。
ここで、溝幅比を上記の範囲に定めるのは、溝幅比が
0.6に満たないと捩れ部18の断面積が不足して円滑な切
屑排出に支障を来すおそれが生じ、他方溝幅比が1.0を
超えると工具先端部における実断面積が不足し、工具の
ねじり剛性が過度に損なわれるおそれが生じるからであ
る。
0.6に満たないと捩れ部18の断面積が不足して円滑な切
屑排出に支障を来すおそれが生じ、他方溝幅比が1.0を
超えると工具先端部における実断面積が不足し、工具の
ねじり剛性が過度に損なわれるおそれが生じるからであ
る。
一方、第1図及び第4図に示すように、上記直線部19
は、工具回転方向を向く平坦面21と、この平坦面21の工
具中心側の端部から工具外周面12に向かって円弧状に延
びる湾曲面22とを有し、かつ工具軸線Oと平行に延在す
る直線状の溝に形成されている。
は、工具回転方向を向く平坦面21と、この平坦面21の工
具中心側の端部から工具外周面12に向かって円弧状に延
びる湾曲面22とを有し、かつ工具軸線Oと平行に延在す
る直線状の溝に形成されている。
この直線部19の溝幅l2は、捩れ部18の溝幅l1(第4図
中二点鎖線で示す)よりも全長に渡って一様に大きく定
められている。また、直線部19の溝幅比は、上記捩れ部
18の溝幅比の1.1〜1.4倍の範囲とされている。溝幅比が
捩れ部18の1.1倍に満たない範囲では、溝幅l2の拡大に
よる摩擦抵抗の低減効果が十分に発揮されず、他方1.4
倍を超えると工具のねじり剛性が過度に損なわれるから
である。
中二点鎖線で示す)よりも全長に渡って一様に大きく定
められている。また、直線部19の溝幅比は、上記捩れ部
18の溝幅比の1.1〜1.4倍の範囲とされている。溝幅比が
捩れ部18の1.1倍に満たない範囲では、溝幅l2の拡大に
よる摩擦抵抗の低減効果が十分に発揮されず、他方1.4
倍を超えると工具のねじり剛性が過度に損なわれるから
である。
また、上記空隙部17は、工具回転中心P0からチゼルエ
ッジを除去して、切削中のスラスト荷重を低減させると
共に工具先端の芯振れ運動を防止するために設けられた
ものであり、その大きさは、被削材の空隙部17に対応す
る部分に成長するコアが当該空隙部17の側面から受ける
切削抵抗によって捩切られる程度とされ、より具体的に
はドリルの側面視における幅にして0.2mm〜2.5mmの範囲
に定められる。
ッジを除去して、切削中のスラスト荷重を低減させると
共に工具先端の芯振れ運動を防止するために設けられた
ものであり、その大きさは、被削材の空隙部17に対応す
る部分に成長するコアが当該空隙部17の側面から受ける
切削抵抗によって捩切られる程度とされ、より具体的に
はドリルの側面視における幅にして0.2mm〜2.5mmの範囲
に定められる。
また、上記工具本体10の内部には、工具本体10の基端
面に開口しかつ工具軸線O上を工具先端側に向けて延在
する供給孔23が形成され、この供給孔23からは、上記先
端逃げ面11に開口する油穴24が形成されている。
面に開口しかつ工具軸線O上を工具先端側に向けて延在
する供給孔23が形成され、この供給孔23からは、上記先
端逃げ面11に開口する油穴24が形成されている。
以上の構成からなるドリルを用いて被削材の穴明け加
工を行うには、供給孔23から高圧切削油を供給して油穴
24から吐出させつつ、工具本体10を工具軸線Oの回りに
回転させて切刃15で被削材を切削してゆく。
工を行うには、供給孔23から高圧切削油を供給して油穴
24から吐出させつつ、工具本体10を工具軸線Oの回りに
回転させて切刃15で被削材を切削してゆく。
このとき、各切刃15で生成された切屑は、切刃15の外
周側と内周側との周速差により、工具外周側から工具の
回転中心側に向かって扇状に成長し、切屑排出溝13の第
2の壁面20に衝突してカールする。そしてカールした切
屑は、切刃15で新たに生成される切屑が先に生成された
切屑を押し上げる力を受けて押し出され、工具基端側へ
向けて排出される。
周側と内周側との周速差により、工具外周側から工具の
回転中心側に向かって扇状に成長し、切屑排出溝13の第
2の壁面20に衝突してカールする。そしてカールした切
屑は、切刃15で新たに生成される切屑が先に生成された
切屑を押し上げる力を受けて押し出され、工具基端側へ
向けて排出される。
ここで、本実施例のドリルでは、工具先端側の捩れ部
18の捩れ角が工具先端から連続的に減少するため、上記
第2の壁面20は、工具基端側に向かうにつれて、壁面20
に衝突した後の切屑の成長方向に対し工具の回転方向側
へと漸次後退する。このため、切屑は壁面20と過度に擦
過することなく工具基端側へと円滑に排出されることと
なり、この結果、工具先端部において切屑と壁面20との
間に生じる摩擦抵抗が小さくなる。
18の捩れ角が工具先端から連続的に減少するため、上記
第2の壁面20は、工具基端側に向かうにつれて、壁面20
に衝突した後の切屑の成長方向に対し工具の回転方向側
へと漸次後退する。このため、切屑は壁面20と過度に擦
過することなく工具基端側へと円滑に排出されることと
なり、この結果、工具先端部において切屑と壁面20との
間に生じる摩擦抵抗が小さくなる。
加えて、捩れ部18の捩れ角は、その後端に至るまで連
続的に減少し、さらには工具軸線Oと平行に延在する直
線部19に連続するため、切屑排出溝13の全長が全体を捩
れ溝状に形成する場合に比して大幅に短縮されて切屑の
移動距離が減少する。このため、切屑排出溝13全体に生
じる切屑の摩擦抵抗も小さく、切屑排出溝13の後端側に
切屑の摩擦抵抗を超える十分な切屑排出力が作用して切
屑排出性が向上する。
続的に減少し、さらには工具軸線Oと平行に延在する直
線部19に連続するため、切屑排出溝13の全長が全体を捩
れ溝状に形成する場合に比して大幅に短縮されて切屑の
移動距離が減少する。このため、切屑排出溝13全体に生
じる切屑の摩擦抵抗も小さく、切屑排出溝13の後端側に
切屑の摩擦抵抗を超える十分な切屑排出力が作用して切
屑排出性が向上する。
さらに、本実施例では直線部19の溝幅比が捩れ部18の
それよりも大きく定められているため、捩れ部18の溝幅
に応じてカールした切屑と直線部19の各壁面21、22との
間に隙間が生じる。従って、直線部19における切屑排出
力の損失が小さくなり、上述した捩れ部18の摩擦抵抗の
減少効果とあいまって切屑排出性がより一層向上する。
それよりも大きく定められているため、捩れ部18の溝幅
に応じてカールした切屑と直線部19の各壁面21、22との
間に隙間が生じる。従って、直線部19における切屑排出
力の損失が小さくなり、上述した捩れ部18の摩擦抵抗の
減少効果とあいまって切屑排出性がより一層向上する。
一方、本実施例では捩れ部18の先端の捩れ角に応じて
切刃15に正のすくい角が与えられるので、切屑排出溝13
全体を直線状に形成する場合に比して切削抵抗も大幅に
小さくなる。
切刃15に正のすくい角が与えられるので、切屑排出溝13
全体を直線状に形成する場合に比して切削抵抗も大幅に
小さくなる。
このため、本実施例によれば、切削抵抗の増加を防止
しつつ切削排出性を大幅に向上させることができ、しか
も、工具先端における切屑排出性も十分に向上するの
で、特に工具送り量が大きい領域でも上述の効果を十分
発揮し得るのである。
しつつ切削排出性を大幅に向上させることができ、しか
も、工具先端における切屑排出性も十分に向上するの
で、特に工具送り量が大きい領域でも上述の効果を十分
発揮し得るのである。
そして、上記捩れ部18の溝幅比、長さ及び捩れ角の変
化範囲と、直線部19の溝幅比とを上述した範囲に設定す
ることにより、工具のねじり剛性を過度に損なうことな
く、切刃15の切削抵抗を十分に減少させるとともに切屑
排出性をより確実に向上させることができる。
化範囲と、直線部19の溝幅比とを上述した範囲に設定す
ることにより、工具のねじり剛性を過度に損なうことな
く、切刃15の切削抵抗を十分に減少させるとともに切屑
排出性をより確実に向上させることができる。
ここで、本発明の効果を確認すべく第8図ないし第10
図に示す従来のドリルと、第1図に示す本発明に係るド
リルとを用いて下記の加工条件で切削試験を行った。
図に示す従来のドリルと、第1図に示す本発明に係るド
リルとを用いて下記の加工条件で切削試験を行った。
この際、各ドリルの切削抵抗の比較のため工具の一回
転当たりの送り量を適宜変化させて所要切削動力を測定
し、また切削中の切屑の排出状況を監視した。
転当たりの送り量を適宜変化させて所要切削動力を測定
し、また切削中の切屑の排出状況を監視した。
なお、各ドリルの諸寸法は別表1に示すように設定し
た。
た。
(加工条件) ドリル径:20mm 被削材:SMC440(硬度:HB200) 切削速度:70m/min. 工具送り量:0.15〜0.3mm/rev. 切削油:水溶性切削油剤 穴明け深さ:100mm 第5図は上記の切削試験における所要切削動力の測定
結果を示すもので、この図からも明らかなように、従来
のドリルでは、一回転当たりの送り量が0.15mm/rev.を
超える領域で切削動力が次第に増加し、0.2mm/rev.にお
いて切削詰まりが発生する。そして0.2mm/rev.を超える
送り量を与えた場合には切削動力が急激に増加し、0.25
mm/rev.に至った時点で切屑詰まりにより切削不可能と
なった。これは、従来のドリルでは切削排出溝先端の捩
れ角が25゜と大きく、しかも捩れ角の減少が工具の途中
から開始されることから切屑排出性が劣ること、及び捩
れ部分の全長が3Dと長いために切削排出溝の全長も長い
ためと推定される。
結果を示すもので、この図からも明らかなように、従来
のドリルでは、一回転当たりの送り量が0.15mm/rev.を
超える領域で切削動力が次第に増加し、0.2mm/rev.にお
いて切削詰まりが発生する。そして0.2mm/rev.を超える
送り量を与えた場合には切削動力が急激に増加し、0.25
mm/rev.に至った時点で切屑詰まりにより切削不可能と
なった。これは、従来のドリルでは切削排出溝先端の捩
れ角が25゜と大きく、しかも捩れ角の減少が工具の途中
から開始されることから切屑排出性が劣ること、及び捩
れ部分の全長が3Dと長いために切削排出溝の全長も長い
ためと推定される。
これに対して、本発明のドリルでは、工具送り量を0.
3mm/rev.まで上昇させても切削動力が微増に止どまり、
切屑詰まりも発生せず安定した切削を行うことができ
た。
3mm/rev.まで上昇させても切削動力が微増に止どまり、
切屑詰まりも発生せず安定した切削を行うことができ
た。
なお、以上の実施例では捩れ部18の溝幅l1を一定とし
ているが、本発明の穴明け工具はこれに限るものではな
く、捩れ部18の先端から後端にかけて徐々に溝幅l1を拡
大させても良く、また、溝幅が拡大する直線部19が捩れ
部18の後端に幾らか入り込んでも構わない。
ているが、本発明の穴明け工具はこれに限るものではな
く、捩れ部18の先端から後端にかけて徐々に溝幅l1を拡
大させても良く、また、溝幅が拡大する直線部19が捩れ
部18の後端に幾らか入り込んでも構わない。
さらに、本実施例では工具本体10の先端にチツプ16を
ロウ付けする付刃ドリルについて説明したが、本発明の
穴明け工具はこれに限らず、スローアウエイ式のドリル
やソリッドドリル等にも当然に適用可能である。
ロウ付けする付刃ドリルについて説明したが、本発明の
穴明け工具はこれに限らず、スローアウエイ式のドリル
やソリッドドリル等にも当然に適用可能である。
また、本実施例では、特に工具先端部に空隙部17が設
けられたドリルについて説明したが、例えば第6図及び
第7図に示すように、切刃15が工具回転中心P0まで延長
されたものであっても同様の効果を奏するものである。
けられたドリルについて説明したが、例えば第6図及び
第7図に示すように、切刃15が工具回転中心P0まで延長
されたものであっても同様の効果を奏するものである。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の穴明け工具によれ
ば、捩れ部は、捩れ角を先端で10゜〜20゜の範囲に設定
して工具本体の先端から基端側に向かって漸次減少さ
せ、溝幅比を0.6〜1.0の範囲に、工具軸線方向における
全長を工具径Dに対して1.5D〜2.5Dの範囲にそれぞれ設
定すると共に、直線部の溝幅比を捩れ部の溝幅比に対し
て1.1〜1.4倍に設定したから、切屑排出溝の全長が捩れ
角一定の捩れ溝を形成する場合に比して短縮化され、切
屑排出溝全体の摩擦抵抗が減少する。しかも、捩れ部の
捩れ角の変化が工具の先端から開始されているので、工
具先端部における切屑と上記壁面との過度の擦過が回避
されて工具先端部における切屑排出性が特に向上する。
ば、捩れ部は、捩れ角を先端で10゜〜20゜の範囲に設定
して工具本体の先端から基端側に向かって漸次減少さ
せ、溝幅比を0.6〜1.0の範囲に、工具軸線方向における
全長を工具径Dに対して1.5D〜2.5Dの範囲にそれぞれ設
定すると共に、直線部の溝幅比を捩れ部の溝幅比に対し
て1.1〜1.4倍に設定したから、切屑排出溝の全長が捩れ
角一定の捩れ溝を形成する場合に比して短縮化され、切
屑排出溝全体の摩擦抵抗が減少する。しかも、捩れ部の
捩れ角の変化が工具の先端から開始されているので、工
具先端部における切屑と上記壁面との過度の擦過が回避
されて工具先端部における切屑排出性が特に向上する。
さらに、直線部の溝幅比が捩れ部よりも一様に大きく
設定されているので、特に切屑が詰まり易い工具基端側
における摩擦抵抗が減少し、切屑排出性がより一層向上
する。そして、捩れ部先端の捩れ角に応じて切刃に適度
のすくい角が与えられるので、切削抵抗も十分に低減さ
れ、この結果、本発明によれば切削抵抗の増加を防止し
つつ切屑排出性を十分に向上させることができる。
設定されているので、特に切屑が詰まり易い工具基端側
における摩擦抵抗が減少し、切屑排出性がより一層向上
する。そして、捩れ部先端の捩れ角に応じて切刃に適度
のすくい角が与えられるので、切削抵抗も十分に低減さ
れ、この結果、本発明によれば切削抵抗の増加を防止し
つつ切屑排出性を十分に向上させることができる。
また、特に捩れ角を先端で10゜〜20゜の範囲に設定し
たのは、10゜に満たないと切刃のすくい角が小さくて切
削抵抗を十分に低減できず、20゜を越えると切屑の摩擦
抵抗が相対的に大きくなり切削抵抗を十分に低減できな
いからである。しかも、捩れ部の捩れ角が直線部まで漸
次減少しているために切屑排出溝の全長が大幅に短縮さ
れて切屑の移動距離が減少すると共に切屑排出の際の摩
擦抵抗が小さくなる。また、捩れ部の距離を1.5D〜2.5D
の範囲に設定したことについて、1.5Dに満たないと捩れ
角の変化が急激で切屑排出性が悪くなり、2.5Dを越える
と切屑の摩擦抵抗が大きくなり、切屑排出性が劣化する
おそれがある。さらに、切屑排出溝の後端側に位置する
直線部の溝幅が捩れ部よりも1.1〜1.4倍と大きいので、
直線部における切屑の摩擦抵抗も小さくなる。これによ
り、工具のねじり剛性を不当に損なうことなく、切刃の
切削抵抗を十分に減少させるとともに切屑排出性をより
確実に向上させることができ、実用性が一層向上する。
たのは、10゜に満たないと切刃のすくい角が小さくて切
削抵抗を十分に低減できず、20゜を越えると切屑の摩擦
抵抗が相対的に大きくなり切削抵抗を十分に低減できな
いからである。しかも、捩れ部の捩れ角が直線部まで漸
次減少しているために切屑排出溝の全長が大幅に短縮さ
れて切屑の移動距離が減少すると共に切屑排出の際の摩
擦抵抗が小さくなる。また、捩れ部の距離を1.5D〜2.5D
の範囲に設定したことについて、1.5Dに満たないと捩れ
角の変化が急激で切屑排出性が悪くなり、2.5Dを越える
と切屑の摩擦抵抗が大きくなり、切屑排出性が劣化する
おそれがある。さらに、切屑排出溝の後端側に位置する
直線部の溝幅が捩れ部よりも1.1〜1.4倍と大きいので、
直線部における切屑の摩擦抵抗も小さくなる。これによ
り、工具のねじり剛性を不当に損なうことなく、切刃の
切削抵抗を十分に減少させるとともに切屑排出性をより
確実に向上させることができ、実用性が一層向上する。
第1図ないし第4図は本発明の一実施例を示すもので、
第1図はその側面図、第2図は第1図におけるI矢視
図、第3図は第1図中II−II線における断面図、第4図
は第1図中III−III線における断面図、第5図は本発明
に係るドリルと従来のドリルとを比較した切削試験の結
果を示す図、第6図及び第7図は本発明の他の例を示す
図で、第6図はその側面図、第7図はその正面図、第8
図ないし第10図は従来例を示す図で、第8図はその側面
図、第9図は第8図中のIV−IV線における断面図、第10
図は第8図中のV−V線における断面図。 10……工具本体、11……先端逃げ面、12……外周面、13
……切屑排出溝、14……第1の壁面(回転方向を向く壁
面)、15……切刃、18……捩れ部、19……直線部。
第1図はその側面図、第2図は第1図におけるI矢視
図、第3図は第1図中II−II線における断面図、第4図
は第1図中III−III線における断面図、第5図は本発明
に係るドリルと従来のドリルとを比較した切削試験の結
果を示す図、第6図及び第7図は本発明の他の例を示す
図で、第6図はその側面図、第7図はその正面図、第8
図ないし第10図は従来例を示す図で、第8図はその側面
図、第9図は第8図中のIV−IV線における断面図、第10
図は第8図中のV−V線における断面図。 10……工具本体、11……先端逃げ面、12……外周面、13
……切屑排出溝、14……第1の壁面(回転方向を向く壁
面)、15……切刃、18……捩れ部、19……直線部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 辰美 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 三菱金属株式会社岐阜製作所 内 (56)参考文献 実開 昭64−12716(JP,U) 実開 昭61−141008(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 51/00,51/02
Claims (1)
- 【請求項1】略円柱状をなす工具本体の外周部に、該工
具本体の先端逃げ面及び外周面に開口する切屑排出溝が
形成され、この切屑排出溝の回転方向を向く壁面と上記
先端逃げ面との稜線部に切刃が設けられてなる穴明け工
具において、 上記切屑排出溝を、上記工具本体の先端逃げ面に開口し
かつ工具軸線回りに捩れる捩れ部と、この捩れ部の後端
から工具本体の基端側へ向けて工具軸線と平行に延在す
る直線部とから構成し、 上記捩れ部は、捩れ角を先端で10゜〜20゜の範囲に設定
して工具本体の基端側に向かって漸次減少させ、溝幅比
を0.6〜1.0の範囲に、工具軸線方向における全長を工具
径Dに対して1.5D〜2.5Dの範囲にそれぞれ設定すると共
に、 上記直線部の溝幅比を上記捩れ部の溝幅比に対して1.1
〜1.4倍に設定したことを特徴とする穴明け工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1281191A JP2775912B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 穴明け工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1281191A JP2775912B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 穴明け工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03142117A JPH03142117A (ja) | 1991-06-17 |
JP2775912B2 true JP2775912B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=17635617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1281191A Expired - Lifetime JP2775912B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 穴明け工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2775912B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5350261A (en) * | 1992-03-12 | 1994-09-27 | Mitsubishi Materials Corporation | Twist drill |
SE508466C2 (sv) * | 1993-09-14 | 1998-10-12 | Seco Tools Ab | Borr |
DE19522837A1 (de) * | 1995-06-23 | 1997-01-02 | Beck August Gmbh Co | Bohrwerkzeug |
US6551036B2 (en) * | 2000-11-30 | 2003-04-22 | Heinrich Heule | Drilling bit and holder for drilling bit |
DE10333340A1 (de) * | 2003-07-23 | 2005-02-17 | Kennametal Inc. | Bohrer |
JP5191699B2 (ja) * | 2007-07-10 | 2013-05-08 | 東芝機械株式会社 | 切削工具 |
JP2010110847A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-20 | Mitsubishi Materials Corp | インサート式ドリル |
CN112077370A (zh) | 2019-06-13 | 2020-12-15 | 肯纳金属印度有限公司 | 可转位钻头刀片 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61141008U (ja) * | 1985-02-21 | 1986-09-01 | ||
JPS61144905U (ja) * | 1985-02-26 | 1986-09-06 | ||
JPS6412716U (ja) * | 1987-07-09 | 1989-01-23 |
-
1989
- 1989-10-27 JP JP1281191A patent/JP2775912B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03142117A (ja) | 1991-06-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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